JP2017059348A - 蓄電素子、及び電極の再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極または負極の電位を測定する場合と比較して、同じ休止時間であってもより精度よく蓄電素子の電解液の比重を測定することができる技術を提供する。
【解決手段】鉛蓄電池10は、電解液14と、正極板11と、負極板12と、を備える。鉛蓄電池10は、正極板11及び負極板12とは異なる電極27であって、電解液14に接触可能であると共に電解液14の濃度に反応して電位を発生する電極27を備える。更に、鉛蓄電池10は、電解液14とは異なる参照電解質33であって、電解液14とたがいに混合しない状態で電気的に接続される参照電解質33と、参照電解質33に浸漬された参照電極35と、を備える。
【選択図】図1

Description

本明細書に記載された技術は、蓄電素子の電解液の比重を測定する技術に関する。
従来、鉛電池の充電状態を見積もる技術として、特許文献1に記載のものが知られている。この鉛電池においては、基準電極と、負極との間の開路電位差を測定することにより、電解液の比重を算出している。
特表2011−501120号公報
しかしながら、鉛電池を充電、又は放電すると、負極が分極する。このため、基準電極と、負極との間の開路電位差を正確に測定するためには、負極の分極が緩和されるまで、ある程度の休止時間が必要とされる。
本明細書に記載された技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、正極または負極の電位を測定する場合と比較して、同じ休止時間であっても精度よく蓄電素子の電解液の比重を測定することができる技術を提供することを目的とする。
本明細書に記載された技術の一態様に係る蓄電素子は、電解液と、正極と、負極と、前記正極及び前記負極とは異なる電極であって、前記電解液に接触可能であると共に前記電解液の濃度に反応して電位を発生する前記電極と、前記電解液とは異なる参照電解質であって、前記電解液とたがいに混合しない状態で電気的に接続される前記参照電解質と、前記参照電解質に接触する参照電極と、を備える。
本構成によれば、電解液の比重が変化した場合、電解液に接触可能である電極と、電解液とは異なる参照電解質に接触する参照電極との間に、いわゆる濃淡電池が形成され、電極と参照電極との間に電位差が発生する。また、電極及び参照電極は、正極及び負極とは異なるので、蓄電素子の充放電には関与しない。このため、電極及び参照電極については分極の影響が少ない。この結果、電極と参照電極との間の電位差を測定することにより、正極または負極の電位を測定する場合と比較して、同じ休止時間であっても、より精度よく電解液の比重を測定することができる。
本明細書に記載された技術によれば、正極または負極の電位を測定する場合と比較して、同じ休止時間であっても、より精度よく蓄電素子の電解液の比重を測定することができる。
実施形態1に係る鉛蓄電池を示す断面図 実施形態1に係る鉛蓄電池を示す一部拡大断面図 実施形態1に係る鉛蓄電池において、電極と参照電極との間の電位差を測定する状態を示す一部拡大断面図 正極板と、セパレータと、負極板と、を示す分解斜視図 導体を示す平面図 セパレータに導体が配された状態を示す正面図 セパレータに導体が配された状態を示す断面図 正極板と、負極板と、セパレータとを重ねた状態を示す斜視図 実施形態2に係る鉛蓄電池を示す断面図 実施形態2に係る鉛蓄電池を示す側面図
(実施形態の概要)
本明細書に記載された技術の一実施形態に係る蓄電素子は、電解液と、正極と、負極と、前記正極及び前記負極とは異なる電極であって、前記電解液に接触可能であると共に前記電解液の濃度に反応して電位を発生する前記電極と、前記電解液とは異なる参照電解質であって、前記電解液とたがいに混合しない状態で電気的に接続される前記参照電解質と、前記参照電解質に接触する参照電極と、を備える。
上記の構成によれば、電解液の比重が変化した場合、電解液に接触可能である電極と、電解液とは異なる参照電解質に接触する参照電極との間に、いわゆる濃淡電池が形成され、電極と参照電極との間に電位差が発生する。また、電極及び参照電極は、正極及び負極とは異なるので、蓄電素子の充放電には関与しない。このため、電極及び参照電極については分極の影響が少ない。この結果、電極と参照電極との間の電位差を測定することにより、正極または負極の電位を測定する場合と比較して、同じ休止時間であってもより精度よく電解液の比重を測定することができる。
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
本明細書に記載された技術に係る一実施形態として、上記した蓄電素子であって、前記正極と前記負極との間にはセパレータが配されており、前記セパレータには前記電極が配設されている構成を、採用することができる。
上記の態様によれば、正極と負極との間の電解液の比重を測定できる。
本明細書に記載された技術に係る一実施形態として、上記した蓄電素子であって、前記電解液はケース内に配されており、前記ケースには、前記電極が、前記ケースから露出して前記電解液に接触した状態で配設されている構成を採用することができる。
上記の態様によれば、ケースの内壁の近傍に位置する電解液の比重を測定できる。
本明細書に記載された技術に係る一実施形態として、上記した蓄電素子であって、前記電極は複数であって、複数の前記電極は、それぞれ、前記電解液中の異なる位置に配されている構成を採用することができる。
上記の態様によれば、複数の異なる位置における電解液の比重を測定できる。
本明細書に記載された技術に係る一実施形態として、上記した蓄電素子であって、前記電極は導体のうち前記電解液に接触可能である部分に形成されており、前記導体のうち前記電極と異なる部分には、耐酸化性、又は耐酸性を有する絶縁被膜が被覆されている構成を採用することができる。
上記の態様によれば、電解液が酸化性、又は酸性を有する場合に、導体のうち電極と異なる部分を保護することができる。
本明細書に記載された技術に係る一実施形態として、上記した蓄電素子であって、前記電解液はケース内に配されており、前記参照電解質、及び前記参照電極は前記ケースとは異なるユニットケース内に配されており、前記ケースは、前記ユニットケースが着脱される着脱部を有する構成を採用することができる。
上記の態様によれば、電解液の比重を測定する時だけ、ユニットケースをケースに取り付ければよい。これにより、参照電極が参照電解質と常に接触し続ける場合に比べて、参照電解質の濃度が変化することを抑制できる。
本明細書に記載された技術に係る一実施形態として、電解液と、正極と、負極と、前記正極及び前記負極とは異なるものであって、且つ前記電解液に接触可能であると共に前記電解液の濃度に反応して電位を発生する電極と、を備えた蓄電素子の電極の再生方法であって、前記電極と、前記正極または前記負極とを短絡させることにより前記電極を再生する再生工程を備える構成を採用することができる。
上記の態様によれば、電極と、正極または負極とを短絡させることにより、正極または負極に充電された電荷によって電極が再生される。このように、電極と、正極または負極とを短絡させるという簡易な手法により、電極を再生することができる。
<実施形態1>
本明細書に記載された技術に係る蓄電素子を鉛蓄電池10(蓄電素子の一例)に適用した実施形態1を、図1から図8を参照しつつ説明する。なお、複数の同一部材については、一部の部材に符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
(鉛蓄電池10)
鉛蓄電池10は、例えば、二酸化鉛を活物質の主成分とする正極板11(正極の一例)と、鉛を活物質の主成分とする負極板12(負極の一例)と、これら正極板11及び負極板12の間に介在する多孔性又は不織布状のセパレータ13と、を備えた液式又は制御弁式のものであり、上記した正極板11、負極板12、及びセパレータ13が希硫酸を主成分とする電解液14に浸漬されてなるものである。
前記負極板12は、Pb−Sb系合金やPb−Ca系合金等からなる格子体を備えたものであり、当該格子体にペースト状の活物質を充填することにより形成される。負極板12の上端部には、上方に突出する負極端子15が、溶接等の公知の手法により取り付けられている。負極端子15は、後述する蓋部16を液密に貫通して、ケース17の外部に露出している。
前記正極板11は、ペースト式である場合は、負極板12と同様にして形成されるが、クラッド式である場合は、ガラス繊維等からなるチューブと、鉛合金の芯金との間に活物質を充填することにより形成される。正極板11の上端部には、上方に突出する正極端子18が、溶接等の公知の手法により取り付けられている。正極端子18は、蓋部16を液密に貫通して、ケース17の外部に露出している。
上記した各構成部材は、目的・用途に応じて適宜公知のものから選択して用いることができる。
(電槽19)
上記した正極板11、負極板12、セパレータ13、及び電解液14は、実質的に直方体形状をなしたケース17内に配されている。ケース17は、上方に開口した電槽19と、この電槽19の開口を上方から塞ぐ蓋部16と、を有する。
蓋部16の形状は、電槽19の開口の形状に対応した形状に形成されている。本実施形態においては、蓋部16は板状をなしているが、これに限られず、蓋部16は、板状をなす上板の側縁から下方に垂下する側壁を有する構成としてもよい。蓋部16には、注液口20が上下方向に貫通して形成されている。この注液口20から水を注入することにより、電解液14の量が調整されるようになっている。注液口20は液口栓21によって塞がれている。
電槽19は底壁22と、この底壁22の側縁から上方に延びる側壁23と、を有する、蓋部16は、電槽19の側壁23の上端縁に液密に取り付けられている。蓋部16と電槽19は、熱融着、接着、ネジ止め等、公知の手法により固定されている。
蓋部16、及び電槽19は高分子材料からなる。高分子材料としては、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、AS(アクリロニトリルスチレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)等、公知の高分子材料を適宜に選択することができる。
(セパレータ13)
セパレータ13は、正極板11、及び負極板12よりも僅かに大きな形状をなしており、実質的に長方形状をなしている。セパレータ13としては、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等の高分子化合物や、ガラス繊維紙、AGM(ガラス繊維紙)ガラスマット等の無機化合物を用いることができる。
本実施形態に係るセパレータ13は、板状をなすPE製のセパレータ13の表面に上下方向に延びると共に、左右方向に間隔を空けて並ぶ複数(本実施形態では8つ)のリブ24を有する。このリブ24によって、正極板11と負極板12とが所定の間隔を空けて配されるようになっている。
複数のリブ24のうち、図6における右から3番目のリブ24と右から4番目のリブ24との間には、複数(本実施形態では9つ)の導体25が配されている。図7に示すように、複数の導体25が2つのリブ24の間に配された状態で、複数の導体25の全体の、セパレータ13の板面と直交する方向についての高さ寸法は、セパレータ13の板面からのリブ24の突出高さ寸法と同じか、やや低くなっている。換言すると、複数の導体25は、2つのリブ24の間に配された状態で、リブ24よりも突出しないようになっている。
図7に示すように、セパレータ13の表面には、導体25が配された状態で、PE製のシート26が貼着されている。本実施形態においては、シート26は、導体25が配された部分にのみ貼着されている。シート26は、接着材によりセパレータ13に接着されていてもよく、また、熱融着によりセパレータ13に固着されていてもよく、必要に応じて任意の手法によりセパレータ13に貼着される。
(電極27)
導体25は、正極板11、及び負極板12とは異なるものであって、金属線を所定の長さ寸法に切断してなる。導体25の上端部は、注液口20の内部に配されている。また、導体25の下部はL字状に曲げられている。
図2に示すように、蓋部16には、正極端子18と、負極端子15とが上方に突出して配されている。導体25の上端部は、注液口20の内部に配されているので、正極端子18や負極端子15と干渉することが回避されるようになっている。
導体25を構成する金属としては、鉛、白金、金、銀、銅等の金属又は、合金等、必要に応じて任意の金属を選択できる。また、導体25には、鉛、白金、金、銀、銅との金属からなるメッキ層が形成されていてもよい。導体25を構成する金属としては、耐酸性、及び耐酸化性を有するものが好ましい。本実施形態では、鉛、又は鉛合金が導体25として用いられる。
導体25の表面には、耐酸化性、又は耐酸性を有する絶縁被膜29が被覆されている。絶縁被膜29は、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、PS(ポリスチレン)等の、耐酸性、耐酸化性を有する物質を用いることが好ましい。導体25の上端部は絶縁被膜29から露出している。これにより、導体25の上端部は、電圧計28に対して電気的に接続可能になっている。
導体25の下端部は絶縁被膜29から露出しており、電解液14に接触可能な電極27とされる。この電極27は、電解液14の濃度に反応して電位を発生するようになっている。上記したように、複数の導体25は、2つのリブ24の間に配された状態で、セパレータ13の板面に直交する方向についてリブ24よりも突出しないようになっている。このため、電極27と、正極板11や負極板12とが容易に短絡しないようになっている。更に、導体25のうち絶縁被膜29が形成された部分については、正極板11や負極板12との短絡が確実に抑制されるようになっている。また、電極27と、正極板11や負極板12との短絡を抑制するためには、比較的に厚いセパレータ13を用いてもよい。
図6に示すように、9つの導体25A〜25Iのそれぞれに形成された9つの電極27A〜27Iは、電解液14と接触した状態で、電解液14中の異なる位置に配されている。9つの電極27A〜27Iは、図6における左右方向について、左端部寄りの位置、中央付近の位置、右端部寄りの位置のそれぞれに配されると共に、更に、図6における上下方向について、上端部寄りの位置、中央付近の位置、下端部寄りの位置のそれぞれに配されている。これにより、1つのセパレータ13に配された9つの電極27A〜27Iによって、電解液14の上下方向及び左右方向について、9カ所の電位を測定することができる。
図6に示すように、リブ24は、導体25A〜25Iのうち図6における左右方向に延びる部分との干渉を避けるためのスリット30を有する。このスリット30内に、導体25A〜25Iのうち図6における左右方向に延びる部分が配されている。
本実施形態においては、図8に示すように、1つのケース17内に6つのセパレータ13が配されており、各セパレータ13には上記したように9つの電極27A〜27Iが配されている。これにより、本実施形態においては、電解液14において、54カ所の電位を測定することができる。
(参照電極35)
図3に示すように、蓋部16は、蓋部16を貫通する着脱部31を有し、この着脱部31内に、ユニットケース32が取り付けられている。蓋部16とユニットケース32とは、一体に形成されていてもよいし、別部材とされていてもよい。本実施形態においては、蓋部16とユニットケース32とは別部材とされている。
ユニットケース32は、恒常的に蓋部16に取り付ける構成としてもよいし、また、後述する電解液14の比重測定時にのみ蓋部16に取り付ける構成としてもよい。電解液14の比重測定時にユニットケース32を蓋部16に取り付ける場合には、ユニットケース32の代わりに図示しない栓を取り付けることにより、ユニットケース32を取り付ける着脱部31を封口してもよい。ユニットケース32は、周期的に交換してもよい。
蓋部16とユニットケース32とは、着脱部31の内壁にねじ孔を形成すると共に、ユニットケース32の外面にねじ山を形成することにより、ユニットケース32を蓋部16の着脱部31内に螺合する構成としてもよい。また、着脱部31の内壁にねじ孔を形成せず、ユニットケース32を着脱部31内に圧入する構成としてもよい。
ユニットケース32内には、上記したケース17内に配された電解液14とは異なる参照電解質33が配されている。ユニットケース32内に配された参照電解質33と、ケース17内に配された電解液14とは、電気接続部34において、たがいに混合しない状態で電気的に接続されている。詳細に説明すると、電解液14と参照電解質33とは、直接に接触していてもよく、また、本実施形態のように電気接続部34が介在していてもよい。電解液14と参照電解質33とが電気的に接続する状態とは、電解液14と参照電解質33との間で、イオンが相互に移動可能になっている状態をいう。
本実施形態においては、電気接続部34として、微多孔膜、半透膜、又は、電解質を含ませたゼラチンや寒天等、必要に応じて任意の材料を用いることができる。微多孔膜を構成する材料としては、セラミック、合成樹脂等、必要に応じて任意の材料を選択することができる。
参照電解質33は、希硫酸を含む。参照電解質33に含まれる希硫酸の比重は、1.15〜1.35とされており、好ましくは満充電状態における電解液14と同じ比重とされる。参照電解質33は、液体であってもよく、また、ゼラチンや寒天等によって、イオンの移動が許容された状態で、全体として形状が維持された状態(ゲル状)とされていてもよい。参照電解質33がゲル状である場合には、参照電解質33自体が、ケース17に配された電解液14と、たがいに混合しない状態で電気的に接続する機能を有するので、上述した電気接続部34を省略してもよい。
参照電極35は、参照電解質33と接触している状態で、ユニットケース32に配されている。参照電極35は、上記した正極板11、負極板12、及び電極27とは異なる部材である。参照電極35構成する金属としては、鉛、白金、金、銀、銅等の金属又は、合金等、必要に応じて任意の金属を選択できる。参照電極35を構成する金属としては、耐酸性、及び耐酸化性を有するものが好ましい。本実施形態では、鉛、又は鉛合金が導体25として用いられる。
なお、参照電極35を構成する金属と、上記した電極27を構成する金属とは、同じであってもよいし、また、異なっていてもよい。
参照電極35は、金属製の平板状であってもよいし、また、多孔性の材料を用いるものであってもよい。多孔性の材料は、平板状の材料に比べて容量が大きいので、参照電極35の自己放電に起因する機能劣化を抑制できるので、好ましい。
参照電極35の上端部は、ユニットケース32のキャップ36を貫通して、キャップ36から上方に突出している。参照電極35の上端部には、電圧計28が電気的に接続可能になっている。
(電解液14の比重見積もり方法)
続いて、本実施形態において、ケース17内に配された電解液14の比重を見積もる方法の一例について説明する。電解液14の比重見積もり方法は、以下の記載に限定されない。
まず、液口栓21を蓋部16から取り外して、導体25の上端部を露出させる。複数の導体25の上端部のうち、一の導体25の上端部に電圧計28を電気的に接続する。なお、どの導体25に電圧計28を接続するかは、当該導体25に設けられた電極27が、ケース17内のどの位置に配されているかを考慮して選択することができる。
次に、ユニットケース32を蓋部16に取り付ける。ユニットケース32から上方に突出する参照電極35の上端部に、電圧計28を電気的に接続する。また、ユニットケース32が蓋部16に一体に配されている場合や、別体のユニットケース32が蓋部16に既に取り付けられている場合にも、やはり、参照電極35の上端部に電圧計28を電気的に接続すればよい。
ケース17内に配された電解液14の比重が、鉛蓄電池10の充放電に伴って変化した場合、電解液14に接触する電極27と、参照電解質33に接触する参照電極35との間で、濃淡電池が形成される。詳細には、電極27から、電解液14、電気接続部34、参照電解質33を経て、参照電極35へと至る電気的な経路において、電位差が発生する。
上記した、電極27と、参照電極35との間の電位差を測定することにより、電解液14の比重を見積もることができるようになっている。以下に詳細に説明する。
予め、種々の比重に調製された電解液14に接触させた電極27と、参照電極35との間で電位差を測定しておく。これにより、電解液14の比重と、電極27―参照電極35間の電位差との関係を明らかにしておく。
そして、鉛蓄電池10において、電極27と、参照電極35との間の電位差を測定し、この電位差を生じる場合には、電解液14がどの比重になっているかを、上記した、電解液14の比重と、電極27と参照電極35の間の電位差との関係から逆算する。
なお、電極27を構成する金属と、参照電極35を構成する金属とが同じである場合には、電極27と参照電極35との間に発生する電位差は、単なる濃淡電池の電位差となっている。一方、電極27を構成する金属と、参照電極35を構成する金属とが異なる場合には、電極27と参照電極35との間に発生する電位差は、濃淡電池に起因する電位差に、金属種が異なることに起因する電位差が加わることになる。しかし、予め、金属種が異なることに起因する電位差をも含めて、電解液14の比重と、電極27―参照電極35間の電位差との関係を明らかにしておくことにより、電解液14の比重を見積もることができる。
(電極27の再生方法)
続いて、電極27の再生方法の一例について説明する。電極27を再生する方法は、以下の記載に限定されない。
電極27は、放置しておくと、自己放電により劣化し、電解液14比重の見積もりが不正確になる。例えば、電極27を構成する導体25として鉛を使用した場合、自己放電により鉛は硫酸鉛へと変化することが懸念される。
そこで、負極板12が充電状態である場合には、導体25の上端部と、負極板12とを、図示しない電線等の導電部材によって短絡させる。すると、負極板12は充電されているので、負極板12と導体25との間に電流が流れ、電極27が鉛へと変化する。これにより、電極27を再生することが可能となり、電解液14比重を正確に見積もることができる。
なお、電極27が再生された状態とは、再生後における電極27の電位と、予め測定していた電極27の電位とが、同じ電解液比重において一致する状態であることを言う。このため、電極27の電位を、予め測定していた電極27の電位と同じ電解液比重において一致する状態にすることができるのであれば、電極27と正極板11とを短絡させてもよい。
(実施形態の作用、効果)
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。本実施形態に係る鉛蓄電池10は、電解液14と、正極板11と、負極板12と、正極板11及び負極板12とは異なる電極27であって、電解液14に接触可能であると共に電解液14の濃度に反応して電位を発生する電極27と、電解液14とは異なる参照電解質33であって、電解液14とたがいに混合しない状態で電気的に接続される参照電解質33と、参照電解質33に接触する参照電極35と、を備える。
本実施形態によれば、電解液14の比重が変化した場合、電解液14に接触可能である電極27と、電解液14とは異なる参照電解質33に接触する参照電極35との間に、いわゆる濃淡電池が形成され、電極27と参照電極35との間に電位差が発生する。また、電極27及び参照電極35は、正極板11及び負極板12とは異なるので、鉛蓄電池10の充放電には関与しない。このため、電極27及び参照電極35については分極の影響が少ない。この結果、電極27と参照電極35との間の電位差を測定することにより、正極板11または負極板12の電位を測定する場合と比較して、同じ休止時間であっても分極の程度がより少ないものとなっているので、より精度よく電解液14の比重を測定することができる。
更に、上記したように、電極27及び参照電極35については分極の影響が少ないので、休止時間を設定しない場合、すなわち、鉛蓄電池10を充電している間であっても、精度よく電解液14の比重を見積もることができる。
また、本実施形態によれば、正極板11と負極板12との間にはセパレータ13が配されており、セパレータ13には電極27が配設されている。これにより、正極板11と負極板12との間に位置する電解液14の比重を測定できる。
また、本実施形態によれば、鉛蓄電池10には複数の電極27A〜27Iが配されており、複数の電極27A〜27Iは、それぞれ、電解液14中の異なる位置に配されている。これにより、複数の異なる位置における電解液14の比重を測定できる。鉛蓄電池10においては、いわゆる成層化現象によって、電解液14の濃度について、上層部と下層部との間で差異が生じることが懸念される。本実施形態によれば、電解液14において成層化現象が生じた場合であっても、電解液14比重の分布を正確に見積もることができる。この結果、鉛蓄電池10の状態を推定するための情報を多く集めることができる。
また、本実施形態によれば、電極27は、鉛蓄電池10に配された導体25のうち電解液14に接触可能である部分に形成されており、導体25のうち電極27と異なる部分には、耐酸化性、又は耐酸性を有する絶縁被膜29が被覆されている。これにより、例えば、電解液14が希硫酸である場合のように、酸化性、又は酸性を有する場合に、電極27と異なる部分を保護することができる。また、電解液14の比重測定位置を、絶縁被膜29から露出して電極27に限定することができるので、電解液14の比重見積もりにおける位置精度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、電解液14はケース17内に配されており、参照電解質33、及び参照電極35はケース17とは異なるユニットケース32内に配されており、ケース17は、ユニットケース32が着脱される着脱部31を有する。上記の構成によれば、電解液14の比重を測定する時だけ、ユニットケース32をケース17に取り付ければよい。これにより、参照電極35が参照電解質33と常に接触し続ける場合に比べて、参照電解質33の濃度が変化することを抑制できる。
また、本実施形態に係る電極27の再生方法は、電解液14と、正極板11と、負極板12と、正極板11及び負極板12とは異なるものであって、且つ電解液14に接触可能であると共に電解液14の濃度に反応して電位を発生する電極27と、を備えた鉛蓄電池10の電極27の再生方法であって、電極27と負極板12とを短絡させることにより電極27を再生する再生工程を備える。これにより、電極27と負極板12とを短絡させることにより、負極板12に充電された電荷によって電極27が再生される。このように、電極27と負極板12とを短絡させるという簡易な手法により、電極27を再生することができる。
<実施形態1の参考例>
以下に、実施形態1に係る参考例について説明する。本実施形態においては、参照電極35と、電極27との間の電位差を測定することにより、電解液14の比重を見積もる構成としたが、これに限られず、セパレータ13に配された複数の電極27A〜27I間の電位差を測定することにより、電解液14の濃度差を測定する構成とすることができる。
上記したように、各電極27A〜27Iは電解液14に接触しているので、電解液14の濃度に差異が生じている場合には、異なる電極27A〜27I間に濃淡電池に基づく電位差が生じる。この電位差に基づいて、電解液14の濃度差を見積もることができる。
<実施形態2>
次に、本明細書に記載された技術の実施形態2を、図9から図10を参照しつつ説明する。
本実施形態においては、セパレータ13には導体が配されていない。また、セパレータ13に形成されたリブ24には、スリットが形成されていない。
電槽19の、一の側壁23(図9における右側に位置する側壁23)には、複数(本実施形態では3つ)の導体50A〜50Cが配されている。電槽19は、導体50A〜50Cをインサート成形することによって形成されている。
図10に示すように、3つの導体50A〜50Cは、図10における左右方向に間隔を空けて、上下方向に延びる姿勢で配されている。図10における左側から順に、導体50A,導体50B,導体50Cが配されている。3つの導体50A〜50Cの上端部は、上下方向について略同じ位置に配されている。導体50A〜50Cの上端部は、側壁23の上端部寄りの位置から側壁23の外部に突出している。これにより、導体50A〜50Cの上端部は電圧計28と電気的に接続されるようになっている。
本実施形態では、3つの導体50A〜50Cの上下方向の長さ寸法はそれぞれ異なっている。これにより、導体50Aの下端部の位置は、図10における上下方向について、やや上側寄りに配されており、導体50Bの下端部の位置は、略中央位置に配されており、導体50Cの下端部の位置は、やや下側寄りに配されている。
導体50A〜50Cの下端部は、電槽19の内側に向かって曲がっている。導体50A〜50Cの下端部はケース17の内壁から電解液14に露出している。この導体50A〜50Cの下端部においては、導体50A〜50Cを構成する金属が露出しており、電極51とされている。この電極51は、電槽19内に配された電解液14と接触している。図9に示すように、セパレータ13は、正極板11よりも僅かに大きな形状をなしている。また、詳細に図示はしないが、セパレータ13は、負極板12よりも僅かに大きな形状をなしている。これにより、正極板11及び負極板12はセパレータ13により保護された状態になっているので、電極51と、正極板11や負極板12とが短絡することが抑制されるようになっている。
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(電解液14の比重見積もり方法)
本実施形態においては、電槽19の上端部寄りの位置から露出する導体50の上端部に電圧計28を電気的に接続すると共に、参照電極35の上端部と電圧計28とを電気的に接続する。これにより、電極51と、参照電極35との間の電位差を測定することができる。
(実施形態の作用、効果)
本実施形態によれば、電解液14はケース17内に配されており、ケース17には、電極51が、ケース17から露出して電解液14に接触した状態で配設されている。これにより、ケース17の内壁の近傍に位置する電解液14の比重を測定できる。
また、電極51がケース17の側壁23の内部に配されているので、電極51は、正極板11、負極板12、及びセパレータ13と、干渉しないようになっている。
<実施形態2の参考例>
以下に、実施形態2に係る参考例について説明する。本実施形態においては、参照電極35と、電極51との間の電位差を測定することにより、電解液14の比重を見積もる構成としたが、これに限られず、電槽19に配された複数の電極51A〜51C間の電位差を測定することにより、電解液14の濃度差を測定する構成とすることができる。
上記したように、各電極51A〜51Cは電解液14に接触しているので、電解液14の濃度に差異が生じている場合には、異なる電極51A〜51C間に濃淡電池に基づく電位差が生じる。この電位差に基づいて、電解液14の濃度差を見積もることができる。
<実験例>
続いて、本明細書に記載された技術の効果を確認するための実験例について説明する。
(実験例1)
PP(ポリプロピレン)を射出成型することにより、電槽、及び蓋部を形成した。正極格子は、Pb−Sb系合金からなるものを用いた。この正極格子を用いて、常法により正極板を作製した。また、常法により負極板を作製した。セパレータとしては、総厚0.65mmのPE(ポリエチレン)セパレータを用いた。これら正極板と、セパレータと、負極板と、をこの順に重ねた。
正極板と、セパレータと、負極板と、を重ねたものを、電槽内に収容した。その後、電槽内に希硫酸を含む電解液を注入した。続いて、蓋部を、電槽の側壁の上端に熱融着した。
その後、正極活物質の理論電気量の210%を通電して、鉛蓄電池を化成した。化成後の電解液比重は1.30であった。
実験例1に係る鉛蓄電池の構成について表1にまとめた。
(実験例2)
鉛からなる1つの鉛線を、PPでインサート成形することにより、電槽を形成した。鉛線の直径は0.25mmとした。また、PPを射出成型することにより蓋部を形成した。蓋部には、ユニットケースを着脱するための着脱部を形成した。
導体正極格子は、Pb−Sb系合金からなるものを用いた。この正極格子を用いて、常法により正極板を作製した。また、常法により負極板を作製した。セパレータとしては、総厚0.65mmのPE(ポリエチレン)セパレータを用いた。これら正極板と、セパレータと、負極板と、をこの順に重ねた。
正極板と、セパレータと、負極板と、を重ねたものを、電槽内に収容した。その後、電槽内に希硫酸を含む電解液を注入した。続いて、蓋部を、電槽の側壁の上端に熱融着した。
PPを射出成型することによりユニットケースを形成した。ユニットケースには、電気接続部が設けられている。ユニットケース内に、比重が1.30である希硫酸を注入した。続いて、ユニットケースの蓋部を熱融着した。その後、ユニットケースを着脱部に取り付けた。
続いて、正極活物質の理論電気量の210%を通電して、鉛蓄電池を化成した。化成後の電解液比重は1.30であった。
・条件1に基づく電解液比重見積もり
0.2CAで放電し、3時間目における、電極と参照電極との間の電位差を測定した。この電位差と、予め求めていた電解液比重と、電極と参照電極との間の電位差との関係から電解液比重を求めた。
・条件2に基づく電解液比重見積もり
化成後に、1CAの全放電サイクルを100回実施した後、0.2CAで放電し、3時間目における、電極と参照電極との間の電位差を測定した。この電位差と、予め求めていた電解液比重と、電極と参照電極との間の電位差との関係から電解液比重を求めた。
実験例2に係る鉛蓄電池の構成と、条件1、及び条件2に基づいて測定された電解液比重とを、表1にまとめた。
(実験例3)
電槽を、ABSを用いて形成した以外は、実験例2と同様にして鉛蓄電池を調製した。実験例3に係る鉛蓄電池に対して、実験例2と同様にして電解液の比重を測定した。
実験例3に係る鉛蓄電池の構成と、条件1、及び条件2に基づいて測定された電解液比重とを、表1にまとめた。
(実験例4)
PPを射出成型することにより、電槽、及び蓋部を形成した。蓋部には、ユニットケースを着脱するための着脱部を形成した。
正極格子は、Pb−Sb系合金からなるものを用いた。この正極格子を用いて、常法により正極板を作製した。また、常法により負極板を作製した。セパレータとしては、厚さ1mmの、2枚のAGMセパレータの間に、1つの鉛線を挟んだ。鉛線は、上端部と下端部を除いて、エポキシ樹脂で被覆した。鉛線の直径は0.25mmとした。これら正極板と、セパレータと、負極板と、をこの順に重ねた。
正極板と、セパレータと、負極板と、を重ねたものを、電槽内に収容した。その後、電槽内に希硫酸を含む電解液を注入した。続いて、蓋部を、電槽の側壁の上端に熱融着した。
その後、正極活物質の理論電気量の210%を通電して、鉛蓄電池を化成した。化成後の電解液比重は1.30であった。
その後、実験例4に係る鉛蓄電池に対して、実験例2と同様にして電解液の比重を測定した。
実験例4に係る鉛蓄電池の構成と、条件1、及び条件2に基づいて測定された電解液比重とを、表1にまとめた。
(実験例5)
セパレータとして、総厚0.65mmのPEセパレータを用いた。このセパレータに鉛線を熱溶着により固定した。鉛線の直径は0.25mmである。鉛線は、上端部と下端部を除いて、エポキシ樹脂により被覆した。
上記以外は、実験例4と同様にして鉛蓄電池を調製した。
その後、実験例5に係る鉛蓄電池に対して、実験例2と同様にして電解液の比重を測定した。
実験例5に係る鉛蓄電池の構成と、条件1、及び条件2に基づいて測定された電解液比重とを、表1にまとめた。
(実験例6)
鉛からなる1つの鉛線を、PPでインサート成形することにより、電槽を形成した。鉛線の直径は0.25mmとした。また、PPを射出成型することにより蓋部を形成した。蓋部には、ユニットケースを着脱するための着脱部を形成した。
上記以外は、実験例4と同様にして鉛蓄電池を作製した。
その後、実験例6に係る鉛蓄電池に対して、実験例2と同様にして電解液の比重を測定した。
実験例6に係る鉛蓄電池の構成と、条件1、及び条件2に基づいて測定された電解液比重とを、表1にまとめた。
(実験例7)
正極格子は、Pb−Ca系合金からなるものを用いた。この正極格子を用いて、常法により正極板を作製した。
上記以外は、実験例4と同様にして鉛蓄電池を作製した。
その後、実験例7に係る鉛蓄電池に対して、実験例2と同様にして電解液の比重を測定した。
実験例7に係る鉛蓄電池の構成と、条件1、及び条件2に基づいて測定された電解液比重とを、表1にまとめた。
Figure 2017059348
<実験例1〜7についての結果>
本明細書に記載された発明について、実験例1は比較例であり、実験例2〜7は実施例である。
実験例1においては、電極、及び参照電極が配されていない。このため、電解液の比重を見積もることができない。
実験例2から7においては、電極と、参照電極との間の電位差を測定することにより、電解液の比重を見積もることができる。
実験例2、及び3においては、電極は電槽にインサート成形される構成とされている。電槽を構成する高分子化合物としては、PP、ABSを用いることができる。
実験例4、及び5においては、電極はセパレータに配設されている。セパレータを構成する材料としては、PE、AGMを用いることができる。
実験例6においては、電極は、電槽にインサート成形されると共に、セパレータに配設されている。このように、電極は、電槽とセパレータの双方に配設された場合でも、それぞれの位置における電解液の比重を見積もることができる。
実験例7においては、正極格子はPb−Ca系合金からなる。正極格子は、Sbフリーの格子合金を用いた方が好ましい。これは、鉛蓄電池の使用に伴って、正極格子に含まれるSbがマイグレーションし、電極に付着すると、電極と参照電極との間の電位差がずれてしまい、電解液比重の誤差が大きくなるためである。実験例7においては、条件1での電解液比重の見積もりと、条件2での電解液の見積もりとの差が、測定限界よりも小さくなっている。このように、正極格子をPb−Ca系合金とすることにより、電極の寿命を長くすることができる。
(実験例8、9、及び10)
実験例8については、セパレータに配設する鉛線について、上端部と下端部とを除く部分に、エポキシ樹脂を被覆した。
実験例9については、セパレータに配設する鉛線について、上端部と下端部とを除く部分に、PS(ポリスチレン)樹脂を被覆した。
実験例10については、セパレータに配設する鉛線について、上端部と下端部とを除く部分に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂を被覆した。
上記以外は、実験例4と同様にして鉛蓄電池を作製した。
・条件3に基づく電解液比重見積もり
0.2CAで3時間放電した。その後、負極と参照電極とを短絡させることにより、参照電極を再生した。続いて、電極と参照電極との間の電位差を測定した。この電位差と、予め求めていた電解液比重と、電極と参照電極との間の電位差との関係から電解液比重を求めた。
・条件4に基づく電解液比重見積もり
化成後に、1CAの全放電サイクルを100回実施した後、0.2CAで3時間放電した。その後、負極と参照電極とを短絡させることにより、参照電極を再生した。続いて、電極と参照電極との間の電位差を測定した。この電位差と、予め求めていた電解液比重と、電極と参照電極との間の電位差との関係から電解液比重を求めた。
実験例8、9、及び10に係る鉛蓄電池の構成と、条件3、及び条件4に基づいて測定された電解液比重とを、表2にまとめた。
(実験例11)
セパレータに配設する導体として、銅線の表面に鉛がメッキされたものを用いた以外は、実験例8と同様にして鉛蓄電池を作製した。
その後、実験例11に係る鉛蓄電池に対して、実験例8と同様にして電解液の比重を測定した。
実験例11に係る鉛蓄電池の構成と、条件3、及び条件4に基づいて測定された電解液比重とを、表2にまとめた。
(実験例12)
セパレータとして、厚さ2mmのAGMセパレータを用いた。セパレータには、鉛線を配設していない。
上記以外は、実験例8と同様にして鉛蓄電池を作製した。
実験例12に係る鉛蓄電池の構成を、表2にまとめた。
Figure 2017059348
<実験例8〜12についての結果>
本明細書に記載された発明について、実験例12は比較例であり、実験例8〜11は実施例である。
実験例8〜11においては、電極が負極と短絡されることにより再生されている。これにより、条件3での電解液比重の見積もりと、条件4での電解液比重の見積もりとの差が、実験例2〜6よりも小さいものとなっている。
導体に被覆される絶縁被覆としては、エポキシ、PS、PTFEを好適に用いることができる。
実験例11においては、導体は、銅線に鉛がメッキされたものが用いられている。この場合でも、導体のメッキされた鉛と、参照電極に用いられた鉛との間の電位差を測定することにより、電解液比重を見積もることができる。
実験例12に示されるように、参照電極だけでは、電解液比重の見積もりができないことが分かる。
(実験例13)
正極格子は、Pb−Ca系合金からなるものを用いた。この正極格子を用いて、常法により正極板を作製した。
セパレータには、80本の鉛線を並んで配設した。80本の鉛線は、長さの異なるものを用いた。各鉛線の下端部は、異なる位置に配した。本実験例では、鉛線が占有する面積が、セパレータの面積に対して30%となっている。
上記以外は、実験例8と同様にして鉛蓄電池を作製した。
その後、実験例13に係る鉛蓄電池に対して、実験例2と同様にして電解液の比重を測定した。
実験例13に係る鉛蓄電池の構成を表3にまとめた。また、実験例13に係る鉛蓄電池について、条件1、及び条件2に基づいて電解液比重を測定することができたか否かを、表3にまとめた。
(実験例14)
正極格子は、Pb−Ca系合金からなるものを用いた。この正極格子を用いて、常法により正極板を作製した。また、常法により負極板を作製した。セパレータとしては、厚さ1mmの、2枚のAGMセパレータの間に、1つの鉛線を挟んだ。鉛線は、上端部と下端部を除いて、エポキシ樹脂で被覆した。鉛線の直径は0.25mmとした。
7枚の正極板と、13枚のセパレータと、7枚の負極板とを、正極板、セパレータ、負極板の順に重ねた。正極板と、セパレータと、負極板と、を重ねたものを、電槽内に収容した。その後、電槽内に希硫酸を含む電解液を注入した。続いて、蓋部を、電槽の側壁の上端に熱融着した。
上記以外は、実験例13と同様にして鉛蓄電池を作製した。
その後、実験例14に係る鉛蓄電池に対して、実験例2と同様にして電解液の比重を測定した。
実験例14に係る鉛蓄電池の構成を表3にまとめた。また、実験例14に係る鉛蓄電池について、条件1、及び条件2に基づいて電解液比重を測定することができたか否かを、表3にまとめた。
(実験例15)
セパレータとしては、厚さ1mmの、2枚のAGMセパレータの間に、9つの鉛線を挟んだ。鉛線は、上端部と下端部を除いて、エポキシ樹脂で被覆した。鉛線の直径は0.25mmとした。9つの鉛線は、長さの異なるものを用いた。各鉛線の下端部は、異なる位置に配した。
鉛線の下端部の位置は、セパレータにおいて、上下方向及び左右方向について異なる位置に配した。具体的には、鉛線の下端部の位置は、セパレータの面を基準として、左右方向について、左端部、中央部、及び右端部に配され、且つ、上下方向について、上端部、中央部、及び下端部に配される。
上記以外は、実験例13と同様にして鉛蓄電池を作製した。
その後、実験例15に係る鉛蓄電池に対して、実験例2と同様にして電解液の比重を測定した。
実験例15に係る鉛蓄電池の構成を表3にまとめた。また、実験例15に係る鉛蓄電池について、条件1、及び条件2に基づいて電解液比重を測定することができたか否かを、表3にまとめた。
Figure 2017059348
更に、実験例15に係る鉛蓄電池につき、13枚のセパレータの各電極における、条件1に基づいて測定された電解液比重を、表4〜表16にまとめた。
Figure 2017059348
Figure 2017059348
Figure 2017059348
Figure 2017059348
Figure 2017059348
Figure 2017059348
Figure 2017059348
Figure 2017059348
Figure 2017059348
Figure 2017059348
Figure 2017059348
Figure 2017059348
Figure 2017059348
<実験例13〜15についての結果>
本明細書に記載された発明について、実験例13〜15は実施例である。
実験例13においては、80本の電極が、異なる位置に配されているので、電解液のうち80カ所の比重を見積もることができる。これにより、電解液の比重がどのように分布しているかを詳細に測定することができる。
1つのセパレータに多くの電極を配設すると、その分だけ、電解液比重について多くの情報を得ることができる。一方で、過度に電極を配すると、セパレータにおいて、電極が配された部分におけるイオンの流れが阻害される恐れがある。すなわち、鉛蓄電池の内部抵抗が上昇し、これに伴い、放電や充電受入性能が低下することが懸念される。そこで、セパレータの面積に対して、電極(導体)で占有される面積は、セパレータの面積に対して30%以下であることが好ましい。
実験例14においては、複数のセパレータを用いた場合でも、電解液の比重を見積もることができる。
実験例15においては、1つのセパレータに9つの電極を配し、更に、このセパレータを13枚使用することにより、より詳細な電解液の比重分布を測定することができる。具体的には、表5〜表16に示すように、実験例15の鉛蓄電池においては、13枚の各セパレータの9カ所(上下方向について3カ所と、そのそれぞれの左右方向について3カ所)で、電解液比重を測定することができる。
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の範囲に含まれる。
(1)正極板11、負極板12の枚数、及び、正極板11と負極板12との間に介されるセパレータ13の枚数は、必要に応じて任意に選択できる。
(2)ケース17の形状は、直方体形状に限られず、円筒形状、長円筒形状等、必要に応じて任意の形状を選択できる。
(3)本実施形態においては、1つの鉛蓄電池10に1つの参照電極35を配する構成としたが、これに限られず、1つの鉛蓄電池10に2つ以上の複数の参照電極35を配する構成としてもよい。
(4)本実施形態においては、蓄電素子として鉛蓄電池を使用したが、これに限られず、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等、必要に応じて任意の蓄電素子を使用することができる。
(5)1つの鉛蓄電池10に取り付ける電極27、及び電極51の数は、必要に応じて任意に選択できる。
10:鉛蓄電池
11:正極板
12:負極板
13:セパレータ
14:電解液
16:蓋部
17:ケース
19:電槽
27,51:電極
29:絶縁被膜
31:着脱部
32:ユニットケース
33:参照電解質
35:参照電極

Claims (6)

  1. 電解液と、
    正極と、
    負極と、
    前記正極及び前記負極とは異なる電極であって、前記電解液に接触可能であると共に前記電解液の濃度に反応して電位を発生する前記電極と、
    前記電解液とは異なる参照電解質であって、前記電解液とたがいに混合しない状態で電気的に接続される前記参照電解質と、
    前記参照電解質と接触する参照電極と、
    を備えた蓄電素子。
  2. 請求項1に記載の蓄電素子であって、
    前記正極と前記負極との間にはセパレータが配されており、
    前記セパレータには前記電極が配設されている蓄電素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の蓄電素子であって、
    前記電解液はケース内に配されており、
    前記ケースには、前記電極が、前記ケースから露出して前記電解液に接触した状態で配設されている蓄電素子。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蓄電素子であって、
    前記電極は複数であって、
    複数の前記電極は、それぞれ、前記電解液中の異なる位置に配されている蓄電素子。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の蓄電素子であって、
    前記電解液はケース内に配されており、
    前記参照電解質、及び前記参照電極は前記ケースとは異なるユニットケース内に配されており、
    前記ケースは、前記ユニットケースが着脱される着脱部を有する蓄電素子。
  6. 電解液と、
    正極と、
    負極と、
    前記正極及び前記負極とは異なるものであって、且つ前記電解液に接触可能であると共に前記電解液の濃度に反応して電位を発生する電極と、
    を備えた蓄電素子の電極の再生方法であって、
    前記電極と、前記正極または前記負極とを短絡させることにより前記電極を再生する再生工程を備えた、電極の再生方法。
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