以下、免税手続きに必要な書面を購入者が理解できる言語で提示できる免税処理システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、免税処理システム1の全体構成を示す模式図である。免税処理システム1は、手続委託型の免税制度が適用される特定商業施設2(以下、施設2と称する)と、当該施設2の承認免税手続事業者またはこの事業者から委託を受けた企業体が管理するデータセンタ3との間で構築される。
施設2は、商店街、ショッピングセンター、テナントビル等の店舗の集合体である。各店舗は、手続委託型の消費税免税店4(以下、免税店4と称する)として国等から認可されている。各免税店4では、それぞれ会計装置として周知のPOS(Point Of Sales)端末40が稼働している。1店舗当たりにおけるPOS端末40の台数は、特に制限されるものではない。なお、施設2は、一般型の消費税免税店、すなわち1店舗だけの免税店であってもよい。
施設2には、承認免税手続事業者によって管理される免税受付カウンタ5(以下、受付カウンタ5と称する)と免税手続カウンタ6(以下、手続カウンタ6と称する)とが設置されている。受付カウンタ5と手続カウンタ6とは、施設2内の別々の場所に設置されていてもよいし、同一の場所に設置されていてもよい。
受付カウンタ5は、外国人旅行者等の非居住者が施設2内で買物をする前に、免税による物品の売買取引に必要な免税カードCまたは免税シートSの発行を受ける場所である。受付カウンタ5では、免税カードCまたは免税シートSを発行するための受付端末50が稼働している。受付端末50は、受付装置として機能する情報処理装置の一態様である。免税カードCは、情報を磁気的または電気的に保持可能なカード媒体(磁気カード,ICカード等)である。免税シートSは、例えばレシート用紙に必要事項が印刷されたものである。
手続カウンタ6は、施設2内の免税店4で買物をした非居住者が免税措置の手続を行う場所である。手続の業務には、非居住者が免税店4で購入した物品に対して支払った物品税(消費税,酒税等)の返金業務、購入者誓約書、購入記録票,消耗品注意ラベル等の免税措置に必要な書面の発行業務、購入者誓約書の回収業務等がある。手続カウンタ6では、精算端末60が稼働している。精算端末60は、精算装置として機能する情報処理装置の一態様である。
データセンタ3は、少なくとも1つの施設2に対し、その施設2での免税措置の手続に係るデータの管理および免税措置の手続によって処理されたデータの保管を目的に設置される。複数の施設2での免税措置の手続に係るデータの管理および免税措置の手続によって処理されたデータの保管を、1つのデータセンタが兼用してもよい。データセンタ3では、免税措置の手続に係るデータおよび免税措置の手続によって処理されたデータを管理するための管理サーバ31が稼働している。
なお図1では、管理サーバ31をデータセンタ3に設けているが、管理サーバ31を施設2内に設け、ネットワークで接続して管理するようにしてもよい。
免税処理システム1は、インターネット等のコンピュータネットワーク7(以下、ネットワーク7と称する)を含む。そしてこのネットワーク7で、施設2内の各POS端末40、受付端末50および精算端末60と、データセンタ3内の管理サーバ31とを、双方向通信自在に接続することによって、免税処理システム1が構築される。
図2は、POS端末40の要部回路構成を示すブロック図である。POS端末40は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、補助記憶デバイス404、時計部405、通信インターフェース406、LANインターフェース407、キーボード408、ディスプレイ409、レシートプリンタ410、スキャナ411、カードリーダ412、ドロワ413およびタッチパネル414を搭載する。そしてPOS端末40は、CPU401とROM402、RAM403、補助記憶デバイス404、時計部405、通信インターフェース406、LANインターフェース407、キーボード408、ディスプレイ409、レシートプリンタ410、スキャナ411、カードリーダ412、ドロワ413およびタッチパネル414とを、アドレスバス、データバス、制御信号線等のシステム伝送路415によって直接、または入出力回路を介して間接的に接続している。
POS端末40は、CPU401、ROM402、RAM403および補助記憶デバイス404と、これらを接続するシステム伝送路415とによってコンピュータを構成する。
CPU401は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU401は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、POS端末40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM402は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM402は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM402は、CPU401が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
RAM403は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM403は、CPU401が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM403は、CPU401によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
補助記憶デバイス404は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス404は、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)などである。補助記憶デバイス404は、CPU401が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU401での処理によって生成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス404は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
時計部405は、POS端末40の時刻情報源として機能する。CPU401は、時計部405によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
通信インターフェース406は、ネットワーク7に接続される。通信インターフェース406は、ネットワーク7を介してデータセンタ3の管理サーバ31と予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。
LANインターフェース407は、店内に形成されたLAN41に接続される。LAN41は、有線LANでもよいし、無線LANでもよい。LAN41には、POS端末40以外に、店内で販売される商品(免税品、非免税品を含む)に関する種々のデータが保存された商品データベース等を管理するためのストアサーバ42等が接続される。LANインターフェース407は、LAN41を介してストアサーバ42等と予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。
キーボード408は、点数、金額等の数値を置数するための置数キーの他、乗算キー、小計キー、締めキー等の種々のファンクションキーを配設した専用の入力デバイスである。汎用のキーボードの任意のキーに、POS端末40で必要な機能を割り付けたものであってもよい。締めキーは、商取引の登録締めを操作者が宣言するためのキーである。商取引とは、1人の購入者との間で商品の売買を行う行為である。
ディスプレイ409は、商品名、価格、合計金額、釣銭額等を表示するための表示デバイスである。ディスプレイ409は、POS端末40を操作する店員用と購入者用の2種類ある。
なお、入力デバイスと表示デバイスとを兼用したタッチパネルをキーボード408及びディスプレイ409の代わりに適用してもよい。
レシートプリンタ410は、所定のレシート用紙に1商取引の明細を表すレシートデータを印字する。印字されたレシート用紙は、カッタにより切断されて、購入明細レシートとして発行され、購入者に渡される。
スキャナ411は、バーコード、二次元データコード等のコードシンボルを光学的に読み取る。各商品の多くには、その商品固有の商品コードをバーコード化したコードシンボルが付されている。スキャナ411は、購入者が購入する商品に付されたコードシンボルの読取りに供される。また、免税シートSには、バーコードが印刷されており、スキャナ411は、このバーコードの読取りにも供される。
カードリーダ412は、カード媒体に記録されたデータを読み取る。カード媒体が磁気カードの場合、カードリーダ412は磁気カードリーダである。カード媒体がICカードの場合、カードリーダ412はICカードリーダである。ICカードリーダは、接触タイプでもよいし、非接触タイプでもよい。カードリーダ412は、購入者が使用するクレジットカード、ポイントカード等に記録されたデータの読取りに供される。またカードリーダ412は、免税カードCに記録されたデータの読取りにも供される。このため、免税カードCが磁気カードであれば、カードリーダ412は磁気カードリーダとなる。免税カードCがICカードであれば、カードリーダ412はICカードリーダとなる。
ドロワ413は、現金等を収容するもので、CPU401からの開放信号に応じて開放動作する。ドロワ413が開放することにより、店員と購入者との間で預り金または釣銭等の現金の受け渡しが可能となる。なお、POS端末40は、ドロワ413の代わりに自動釣銭機を接続してもよい。その場合、自動釣銭機は、CPU401からの払出データに基づき、釣銭としての現金を払い出す。
タッチパネル414は、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU401へと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
図3は、受付端末50の要部回路構成を示すブロック図である。受付端末50は、CPU501、ROM502、RAM503、補助記憶デバイス504、時計部505、通信インターフェース506、タッチパネル507、カードリーダ508、プリンタインターフェース509および外部機器インターフェース510を搭載する。そして受付端末50は、CPU501と、ROM502、RAM503、補助記憶デバイス504、時計部505、通信インターフェース506、タッチパネル507、カードリーダ508、プリンタインターフェース509および外部機器インターフェース510とを、アドレスバス、データバス、制御信号線等のシステム伝送路511によって直接、または入出力回路を介して間接的に接続している。
受付端末50のCPU501、ROM502、RAM503、補助記憶デバイス504、時計部505及び通信インターフェース506は、POS端末40のものと同様である。またカードリーダ508も、POS端末40のものと同様である。
タッチパネル507は、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU501へと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
プリンタインターフェース509は、通信ケーブル51Cを介して着脱自在に接続されるプリンタ51との間で、予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。プリンタ51は、免税シートSの印刷に供される。この種のプリンタ51としては、サーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタ等を適用できる。受付端末50を周知のPOS端末で構成し、このPOS端末に搭載されているレシートプリンタを、免税シートSを印刷するためのプリンタとしてもよい。
外部機器インターフェース510は、通信ケーブル52Cを介して着脱自在に接続されるOCR(Optical Character Reader)52との間で、予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。OCR52は、非居住者であることを証明する証明物、例えば旅券に記録されている情報(旅券の種類、氏名、旅券番号、国籍、生年月日、性別、旅券の有効期限等)を光学的に読み取るために供される。なお、証明物は、旅券に限らない。例えば沖縄県のように特定免税制度が施行されている地域では、その地域から出発する航空便の航空券等であってもよい。
図4は、精算端末60の要部回路構成を示すブロック図である。精算端末60は、CPU601、ROM602、RAM603、補助記憶デバイス604、時計部605、通信インターフェース606、タッチパネル607、スキャナ608、カードリーダ609、プリンタインターフェース610および2つの外部機器インターフェース611,612を搭載する。そして精算端末60は、CPU601と、ROM602、RAM603、補助記憶デバイス604、時計部605、通信インターフェース606、タッチパネル607、スキャナ608、カードリーダ609、プリンタインターフェース610および外部機器インターフェース611,612とを、アドレスバス、データバス、制御信号線等のシステム伝送路613によって直接、または入出力回路を介して間接的に接続している。
精算端末60のCPU601、ROM602、RAM603、補助記憶デバイス604、時計部605及び通信インターフェース606は、POS端末40及び受付端末50のものと同様である。またカードリーダ609も、POS端末40及び受付端末50のものと同様である。またタッチパネル607は、受付端末50のものと同様であり、スキャナ608は、POS端末40のものと同様である。
プリンタインターフェース610は、通信ケーブル61Cを介して着脱自在に接続されるプリンタ61との間で、予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。プリンタ61は、購入記録票、消耗品注意ラベル等の書面の印刷に供される。この種のプリンタ61としては、サーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタ等を適用できる。精算端末60を周知のPOS端末で構成し、このPOS端末に搭載されているレシートプリンタを、上記書面を印刷するためのプリンタとしてもよい。
外部機器インターフェース611は、通信ケーブル62Cを介して着脱自在に接続されるペンタブレット62との間で予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。ペンタブレット62は、板状のタブレット本体に対する電子ペンの位置をタブレット本体に内蔵したセンサで読み取るもので、電子ペンの軌跡を検出しユーザの書込み情報として電子的に取り込む検出デバイスである。ペンタブレット62としては、液晶ペンタブレット等の周知のものを適用できる。ペンタブレット62は、電子文書である購入者誓約書に購入者の電子署名(電子サイン)を記録するために供される。
外部機器インターフェース612は、通信ケーブル63Cを介して着脱自在に接続される出金機63との間で予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。出金機63は、紙幣および硬貨の現金を金種別に収納したストッカと、出金データに応じた金額の現金をストッカから払出口に払い出す機構とを有する。出金機63は、施設2内の免税店4において税込み価格で免税品を購入し、手続カウンタ6で免税手続を終えた非居住者(購入者)に対し返金される免税対象額を出金する。出金機63は、POS端末と連動する周知の自動釣銭機であってもよい。また、出金機63の代わりに、現金を収納したドロワを接続し、このドロワをCPU601からの開放信号に応じて開放動作するように制御してもよい。この場合には、タッチパネル607に免税対象額を表示させることによって、手続きカウンタ6の業務担当者が免税対象額に相当する現金をドロワから揃えて非居住者(購入者)に手渡すことになる。
かかる構成の精算端末60は、図5に示すデータ構造の変換テーブル64と、図6に示すデータ構造のテキストテーブル65とを、例えば補助記憶デバイス604で記憶する。
変換テーブル64は、国籍情報と言語コードとを対応付けたものである。言語コードは、日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ラテン語等の様々な言語に対して一意に割り当てられたコード情報である。変換テーブル64には、日本、米国、中国、韓国、英国等の国籍情報に関連付けて、その国籍の国民が公用語とする言語の言語コードが予め設定されている。ここで、免税処理システム1が構築される施設2がある国の公用語(第1言語)に対する言語コードを“001”と定義する。その他の国で用いられる言語(第2言語)については、“001”以外の言語コードを割り当てる。
テキストテーブル65は、各言語コードにそれぞれ関連付けて、その言語コードが割り当てられた言語で作成される購入者誓約書用のテキストデータTx1及び購入記録票用のテキストデータTx2を格納したものである。
購入者誓約書は、一般物品と消耗品とで誓約内容が異なる。このためテキストデータTx1は、一般物品用の誓約文と消耗品用の誓約文とを含む。またテキストデータTx1は、購入者誓約書に記載すべき事項を示す名称、すなわち「購入年月日」、「氏名」、「国籍」、「生年月日」、「旅券番号」、「事業者氏名」等の項目名も含む。
購入記録票は、購入者誓約書と同様に、購入年月日、購入者の氏名、国籍、生年月日、旅券番号、事業者氏名等を記載項目とする。また、事業者の納税地及び所轄税務署名が記載される。さらに様々な注意事項も記載される。このためテキストデータTx2は、納税地、所轄税務署名及び注意事項を示すテキストを含む。またテキストデータTx2は、購入記録票に記載すべき事項を示す名称、すなわち「購入年月日」、「氏名」、「国籍」、「生年月日」、「旅券番号」、「事業者氏名」、「納税地」、「所轄税務署名」等の項目名も含む。
前述したように、言語コード“001”は、施設ある国の公用語(第1言語)、例えば日本語に対して割り当てられたコードである。例えば公用語(第1言語)を日本語とした場合、言語コード“001”に対応したテキストデータTx1は、一般物品用の誓約文と消耗品用の誓約文とを日本語で示したテキストを含む。またテキストデータTx1は、購入者誓約書の項目名を日本語で示したテキストも含む。同様に、言語コード“001”に対応したテキストデータTx2は、納税地、所轄税務署名及び注意事項をそれぞれ日本語で示したテキストを含む。またテキストデータTx2は、購入記録票の項目名を日本語で示したテキストも含む。
一方、言語コード“001”以外は、公用語でない言語(第2言語)、例えば英語、中国語、韓国語等に対して割り当てられたコードである。例えば言語コード“002”が割り当てられた第2言語が英語である場合、この言語コード“002”に対応したテキストデータTx1は、一般物品用の誓約文と消耗品用の誓約文とを英語で示したテキストを含む。またテキストデータTx1は、購入者誓約書の項目名を英語で示したテキストも含む。同様に、言語コード“001”に対応したテキストデータTx2は、納税地、所轄税務署名及び注意事項をそれぞれ英語で示したテキストを含む。またテキストデータTx2は、購入記録票の項目名を英語で示したテキストも含む。言語コード“002”以降についても、言語コード“002”の場合と同様である。
したがって、言語コード“001”に対応したテキストデータTx1、Tx2は、原語テキストのデータと位置づけられる。一方、言語コード“001”以外の言語コードに対応したテキストデータTx1、Tx2は、原語テキストを翻訳した翻訳テキストのデータと位置づけられる。以下では、原語テキストのデータTx1,Tx2をTx1a,Tx2aと表し、翻訳テキストのデータTx1,Tx2をTx1b,Tx2bと表す。ここに、テキストテーブル65は、記憶部を構成する。
図7は、管理サーバ31の要部回路構成を示すブロック図である。管理サーバ31は、CPU311、ROM312、RAM313、補助記憶デバイス314、時計部315、通信インターフェース316およびLANインターフェース317を搭載する。そして管理サーバ31は、CPU311とROM312、RAM313、補助記憶デバイス314、時計部315、通信インターフェース316およびLANインターフェース317とを、アドレスバス、データバス、制御信号線等のシステム伝送路318によって直接、または入出力回路を介して間接的に接続している。
管理サーバ31のCPU311、ROM312、RAM313、補助記憶デバイス314、時計部315及び通信インターフェース316は、POS端末40、受付端末50及び精算端末60のものと同様である。
LANインターフェース317は、データセンタ3内に形成されたLAN33に接続される。LAN33は、有線LANでもよいし、無線LANでもよい。LAN33には、前記保管サーバ32等が接続される。LANインターフェース317は、LAN33を介して保管サーバ32等と予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。
かかる構成の管理サーバ31は、補助記憶デバイス314において、免税品データベース34と購入者データファイル35とを記憶可能である。免税品データベース34は、各免税店4で非居住者に対して物品税が免除されて販売される物品、いわゆる免税品に関するデータを保存する。
免税品には、食料品、飲料類、薬品類、化粧品類等の消耗品と、消耗品以外の一般物品とがある。我が国では現在、消耗品については、同一の非居住者に対する同一施設2内の免税店4での1日の販売合計額が5千円を超え、50万円までの範囲内のとき免税対象となる。すなわち、5千1円と50万円とが消耗品の免税点に設定されている。一方、一般物品については、同販売合計金額が1万円を超える場合に免税対象となる。すなわち、1万1円が一般物品の免税点に設定されている。
図8は、免税品データベース34に保存されるデータの一部を示す模式図である。図8に示すように、免税品データベース34には、店舗コード、商品コード、品目名、価格、消費税区分、免税区分の各項目を含むデータレコードが保存される。店舗コードは、免税店4を個々に識別するために免税店4毎に設定された一意のコードである。商品コードは、対応する店舗コードで識別される免税店4で販売される商品(免税品、非免税品を含む)を個々に識別するために商品毎に設定された一意のコードである。因みに、同一種類の商品に対する商品コードが各免税店4で共通であってもよいし、免税店4毎に異なっていてもよい。また、別種類の商品に対して異なる免税店4で同一の商品コードが付されることを妨げるものでもない。
品目名は、対応する商品コードで識別される商品の名称である。価格は、対応する商品コードで識別される商品に対しての価格(税込価格または税抜価格)である。因みに、同一種類の商品に対する品目名または価格が各免税店4で共通であってもよいし、免税店4毎に異なっていてもよい。
消費税区分は、対応する対応する商品コードで識別される商品が税込で定義されるのか、税抜で定義されるのか、また消費税率がいくらで設定されているのかを区分けする情報である。消費税区分が税込を定義する区分の場合、価格は、税込価格である。そして、この税込価格と消費税率とから税抜価格及び消費税金額を算出可能である。消費税区分が税抜を定義する区分の場合、価格は、税抜価格である。そして、この税抜価格と消費税率とから税込価格及び消費税金額を算出可能である。因みに、同一種類の商品に対する消費税区分が各免税店4で共通であってもよいし、免税店4毎に異なっていてもよい。また、同一の免税店4で取り扱う各商品においても消費税区分が異なっていてもよい。
免税区分は、対応する商品コードで識別される商品が消耗品として定義されるのか、消耗品以外の一般物品として定義されるのか、あるいは免税対象外として定義されるのかを区分けする情報である。例えば管理サーバ31のCPU311は、区分が“1”の場合、この区分に対応する商品は消耗品であると認識する。同様にCPU311は、区分が“2”の場合、この区分に対応する商品は一般物品であると認識し、区分が“3”の場合、この区分に対応する商品は免税対象外であると認識する。なお、対応する商品コードで識別される商品が非課税の商品である場合には、区分が設定されないか、“1”,“2”または“3”以外の区分が設定される。
購入者データファイル35は、施設2の受付カウンタ5で免税カードCまたは免税シートSの発行を受けた非居住者、すなわち免税店4で免税品を購入する意思を表した購入者に関する種々のデータを保存する領域である。ここに管理サーバ31は、記憶装置として機能する。
図9は、購入者データファイル35に保存される主要なデータ項目を表す模式図である。図9に示すように、購入者データファイル35には、購入者コード、非居住者データ、受付日時、精算日時、一般物品購入レコード、消耗品購入レコード、一般物品合計および消耗品合計の各データが保存される。
購入者コードは、施設2の受付カウンタ5で免税カードCまたは免税シートSの発行を受けた購入者を個々に識別する一意のコードである。非居住者データは、対応する購入者コードで識別される購入者から提示された非居住者であることを証明する物に記載されている情報である。例えば、非居住者であることを証明する証明物が旅券(パスポート)の場合、旅券の種類、氏名、旅券番号、国籍、生年月日、性別、旅券の有効期限等が非居住者データに含まれる。受付日時は、対応する購入者コードで識別される購入者が、受付カウンタ5にて受付をした日時である。精算日時は、対応する購入者コードで識別される購入者が、手続カウンタ6にて精算をした日時である。
一般物品購入レコードは、対応する購入者コードで識別される購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、一般物品の販売に関するデータを記録したものである。消耗品購入レコードは、同購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、消耗品の販売に関するデータを記録したものである。一般物品購入レコードおよび消耗品購入レコードは、共通のデータ構造を有しており、それぞれ免税品毎に作成される。一般物品合計は、対応する購入者コードで識別される購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、一般物品の購入点数および税抜価格をそれぞれ合計したものである。消耗品合計は、同購入者が各免税店4で購入した免税品のうち、消耗品の購入点数および税抜価格をそれぞれ合計したものである。
図10は、一般物品購入レコードおよび消耗品購入レコードに含まれるデータの構造を示す模式図である。図10に示すように、一般物品購入レコードおよび消耗品購入レコードには、店舗コード、商品コード、品目名、購入点数、価格、消費税金額等が含まれる。店舗コード、商品コード、品目名、購入点数については、前述したとおりである。価格は、税抜価格である。消費税金額は、対応する商品コードで識別される商品に対して賦課される消費税の金額である。
図11は、受付端末50のCPU501が制御プログラムにしたがって実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図である。図12は、POS端末40のCPU401が制御プログラムにしたがって実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図である。図13〜図15は、精算端末60のCPU601が制御プログラムにしたがって実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図である。図16〜図18は、管理サーバ31のCPU311が制御プログラムにしたがって実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図である。以下、図11乃至図18を用いて、免税処理システム1の動作ついて説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
はじめに、施設2の承認免税手続事業者は、受付カウンタ5と手続カウンタ6とにそれぞれ業務担当者を配置する。業務担当者は、受付カウンタ5と手続カウンタ6との業務を兼任してもよい。
物品税に対する免税制度を活用して施設2内の各免税店4で買物をする外国人旅行者等の非居住者は、先ず、受付カウンタ5へ赴く。そして非居住者は、非居住者であることを証明する証明物として例えば旅券を業務担当者に提示する。業務担当者は、受付端末50を起動させる。例えば受付端末50は、タッチパネル507がタッチ操作されると、起動する。受付端末50が起動すると、CPU501は、図11の流れ図に示す手順の処理、いわゆる受付処理を開始する。
先ずCPU501は、Act1として非居住者データを受け取る。具体的にはCPU501は、タッチパネル507に、「旅券の情報を読み取ってください」等のガイダンスを表示させる。このガイダンスを確認した業務担当者は、非居住者が提示した旅券の旅券番号等が記録された頁の文字情報をOCR52に読み取らせる。OCR52によって読み取られた旅券の文字情報は、外部機器インターフェース510を介してCPU501に与えられる。CPU501は、文字情報を解析して、旅券の種類、氏名、旅券番号、国籍、生年月日、性別、旅券の有効期限等の旅券情報を非居住者データとして受け取る。
次いでCPU501は、Act2として非居住者データを正当に受け取ることができたか否かを判定する。例えばOCR52によって読み取られた文字情報を解析したが、旅券情報の全部あるいは一部を受け取れなかった場合、CPU501は、非居住者データを受け取ることができなかったと判定する。非居住者データを受け取ることができなかった場合(Act2にてNO)、CPU501は、例えばタッチパネル507に、「旅券の情報を読み取れませんでした」等のエラーメッセージを表示させる。以上で、受付処理を終了する。
非居住者データを受け取ることができた場合(Act2にてYES)、CPU501は、Act3として受付端末50に設定されたオプションを判定する。承認免税手続事業者は、施設2内で買物をする非居住者に対し、受付カウンタ5にて免税カードCまたは免税シートSを発行する。免税カードCと免税シートSとのどちらを発行するかは、予め施設2で決める。免税カードCを発行する施設2では、受付端末50に対して予め免税カード発行のオプションが設定される。免税シートSを発行する施設2では、受付端末50に対して予め免税シート発行のオプションが設定される。なお、受付端末50に対して予め免税カードCおよび免税シートSの発行無しのオプションが設定される場合もある。この場合には、免税カードまたは免税シートは発行されない。これらのオプションの設定は、例えば免税処理システム1のメンテナンス担当者がタッチパネル507を操作して、RAM503に記憶されているオプションフラグをセットまたはリセットすることによって行われる。
CPU501は、Act4としてオプションフラグの状態をチェックし、免税カードCの発行が設定されているか、免税シートSの発行が設定されているか、免税カードCおよび免税シートSの発行無しが設定されているかを識別する。
免税カードSの発行が設定されている場合(Act4にてYES)、CPU501は、Act5として購入者コードを受け取る。具体的にはCPU501は、タッチパネル507に、「免税カードCのデータを読み取ってください」等のガイダンスを表示させる。このガイダンスを確認した業務担当者は、予め受付カウンタ5にストックされている免税カードCを1枚取り出す。免税カードCには、予め一意のコードが記録されている。業務担当者は、取り出した免税カードCに記録されているコードをカードリーダ508で読み取らせる。カードリーダ508で読み取られたコード(カードデータ)は、CPU501に与えられる。CPU501は、この免税カードC毎の一意のコードを購入者コードとして受け取る。
一方、免税シートSの発行、または免税カードCおよび免税シートSの発行無しが設定されている場合には(Act4にてNO)、CPU501は、Act6として購入者コードを生成する。具体的にはCPU501は、Act1の処理で取得した旅券情報の旅券番号と、時計部505で計時されている日時情報とから、購入者コードを生成する。例えばCPU501は、旅券番号の後に日時情報を追加したコードを購入者コードとする。あるいは、旅券番号の前に日時情報を追加したコードを購入者コードとする。
Act5またはAct6の処理を終えると、CPU501は、Act8として免税受付データを生成する。免税受付データは、購入者コードと非居住者データと受付日時とを含む。すなわちCPU501は、Act5の処理で受け取った購入者コードまたはAct6の処理で生成した購入者コードに、Act1の処理で受け取った非居住者データと時計部505で計時されている日時情報(受付日時)とを関連付けて、免税受付データとする。
CPU501は、Act8として免税受付データを管理サーバ31に送信する。具体的にはCPU501は、免税受付データを管理サーバ31へと送信するように通信インターフェース506に通知する。この通知を受けて、通信インターフェース506は、ネットワーク7を介して免税受付データを管理サーバ31に送信する。
CPU501は、Act9として免税シートSを発行する。発行する免税シートSの内容は、Act3として判定したオプションフラグの状態によって異なる。具体的にはCPU501は、免税シートSの発行のオプションが設定されている場合、Act6にて生成した購入者コードのバーコードを含む免税シートSの印刷データを生成する。この印刷データには、上記バーコード以外に、時計部505で計時されている日時情報、施設2のロゴ情報、当該免税シートSの使用方法を示すテキストデータ等が含まれる。また、免税カードCのオプションが設定されている場合、上記バーコード以外の印刷データを生成する。CPU501は、免税シートSの印刷データをプリンタ51へと出力することをプリンタインターフェース509に通知する。この通知を受けて、プリンタインターフェース509は、免税シートSの印刷データをプリンタ51に出力する。以上の処理により、プリンタ51が駆動し、免税シートSが発行される。なお、受付端末50に対して免税カードCおよび免税シートSの発行無しのオプションが設定された場合は、上記免税シートSは発行しない。
免税受付データを受信した管理サーバ31のCPU311は、図16の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
先ずCPU311は、Act51として受信データが免税受付データであるか確認する。受信データが免税受付データである場合(Act51にてYES)、CPU311は、Act52として補助記憶デバイス314上に新規の購入者データファイル35を作成する。
次いでCPU311は、Act53として免税受付データから購入者コードを取得する。またCPU311は、Act54として免税受付データから非居住者データを取得する。さらにCPU311は、Act55として免税受付データから受付日時を取得する。なお、Act53,54,55の手順は、この順序に限定されるものではない。いかなる手順でもよいので、免税受付データから購入者コード、非居住者データおよび受付日時を取得できればよい。
Act53,54,55の処理を終えると、CPU311は、Act56として免税受付データから取得した購入者コード、非居住者データおよび受付日時を、Act52の処理で作成した購入者データファイル35に格納する。以上でCPU311は、免税受付データに対する受信処理を終了する。
受付端末50のCPU501は、免税受付データを送信し終えると、例えば送信完了を示すメッセージをタッチパネル507に表示させる。以上でCPU501は、非居住者に対する受付処理を終了する。
免税受付データの送信完了を示すメッセージを確認した受付カウンタ5の業務担当者は、免税カードCまたは免税シートSを非居住者に渡す。免税カードCまたは免税シートSのどちらを渡すかは、前述したように、施設2毎に決まっている。非居住者は、施設2内の各免税店4において、免税カードCまたは免税シートSを提示することにより、免税制度を活用して商品を購入することができる。
免税店4の店員は、商品の購入者から免税カードCまたは免税シートSの提示を受けた場合、POS端末40を操作して、非居住者が購入する商品の販売登録を宣言する。例えばPOS端末40のキーボード408には、非居住者が購入する商品の販売登録を宣言するための宣言キーが配置されており、店員は、この宣言キーを入力する。そして宣言キーを入力した後、店員は、免税カードCに記録されたデータをカードリーダ412に読み取らせる。あるいは店員は、免税シートSに印刷されたバーコードをスキャナ411で読み取らせる。
上記宣言キーが入力されると、POS端末40のCPU401は、図12の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
先ずCPU401は、Act11として購入者コードを受け取る。具体的にはCPU401は、カードリーダ412によって免税カードCのデータが読み取られると、そのデータを購入者コードとして受け取る。あるいはCPU401は、スキャナ411によって免税シートSのバーコードが読み取られると、そのバーコードを解析して得られるコードを購入者コードとして受け取る。
次いでCPU401は、Act12として購入者コードを正当に受け取ることができたか否かを判定する。例えばカードリーダ412で読み取られたカードデータを解析したが、免税カードCに記録されているコードとコード体系が一致しない場合、CPU401は、購入者コードを受け取ることができなかったと判定する。同様に、スキャナ411で読み取られたバーコードから得られたコードの体系が、旅券番号と日時情報とから生成される購入者コードと異なる場合、CPU401は、購入者コードを受け取ることができなかったと判定する。購入者コードを受け取ることができなかった場合(Act22にてNO)、CPU401は、例えばディスプレイ409に、「購入者コードを読み取れませんでした」等のエラーメッセージを表示させる。以上で、図12の情報処理を終了する。
購入者コードを受け取ることができた場合(Act12にてYES)、CPU401は、Act13として取引バッファを初期化する。取引バッファは、1商取引として売買される商品のデータを記憶する領域であり、例えばRAM403に形成される。
取引バッファを初期化したならば、CPU401は、Act14として商品登録の有無を確認する。具体的にはCPU401は、スキャナ411により商品に付されているバーコードが読み取られたか否か、キーボード408のキー入力により商品コードが入力されたか否か、またはタッチパネル414により商品キーがタッチ操作されたか否かを確認する。バーコードが読み取られるか、商品コードが入力されるか、若しくは商品キーがタッチ操作されると、商品登録有と認識する。
商品登録有と認識できなかった場合(Act14にてNO)、CPU401は、Act15として登録確定操作の有無を確認する。具体的にはCPU401は、タッチパネル414の確定キーがタッチ操作されたか否かを確認する。確定キーがタッチ操作されると、登録確定操作有と認識する。
登録確定操作有と認識できなかった場合(Act15にてNO)、CPU401は、再びAct14に進み、商品登録の有無を確認する。したがってCPU401は、Act14およびAct15の処理によって、商品登録が行われるか登録確定操作が行われるのを待機する。なお、この待機状態において、他のキー(置数キー、乗算キー、小計キー等)の入力を検知した場合には、そのキーに応じた処理を実行した後、再びAct14およびAct15の待機状態に戻る。
店員は、購入者が買い上げる商品のデータをPOS端末40に登録する。例えば商品にバーコードが付されている場合、店員はそのバーコードをスキャナ411で読み取らせる。バーコードが付されていない場合、店員は、キーボード408から商品コードを入力するか、タッチパネル414から画面に表示されている商品キーをタッチ操作する。こうして、購入者が買い上げる全ての商品のデータを登録し終えたならば、店員は、確定キーをタッチ操作する。
Act14およびAct15の待機状態において、商品登録有と認識した場合(Act14にてYES)、CPU401は、Act16として商品データの登録処理を実行する。この登録処理は、既存のPOS端末で実行されている処理であるので、詳細については説明を省略する。POS端末40においては、この登録処理により、購入者によって買い上げられる商品の販売に係る情報として、商品コード、商品名、価格、消費税金額、販売点数、販売金額を含む購入商品データが取引バッファに記憶される。
登録処理を終えると、CPU401は、再びAct14に進み、商品登録の有無を確認する。したがって、CPU401は、商品登録有と認識する毎に、Act16の登録処理を繰り返し実行する。かくして、取引バッファには、購入者によって買い上げられる商品の販売に係る情報が一括して記憶される。
Act14およびAct15の待機状態において、登録確定操作有りと認識した場合には(Act15にてYES)、CPU401は、Act17として商品登録済か否かを判定する。取引バッファに購入商品データが記憶されていない場合、商品登録済ではない。この場合(Act17にてNO)、CPU401は、再びAct14に進み、商品登録の有無を認識する。
取引バッファに購入商品データが記憶されており、商品登録済であると認識した場合(Act17にてYES)、CPU401は、Act18として免税購入データを生成する。具体的にはCPU401は、取引バッファに記憶された購入商品データに、Act11の処理で受け取った購入者コードと予め補助記憶デバイス404に設定されている店舗コードとを関連付けて、免税購入データを生成する。
CPU401は、Act19として免税購入データを管理サーバ31に送信する。具体的にはCPU401は、免税購入データを管理サーバ31へと送信するように通信インターフェース406に通知する。この通知を受けて、通信インターフェース406は、ネットワーク7を介して免税購入データを管理サーバ31に送信する。
送信処理を終えると、CPU401は、Act20として購入明細レシートの発行を制御する。具体的にはCPU401は、取引バッファに記憶された購入商品データに基づいて購入明細レシートの印刷データを生成する。そしてCPU401は、この印刷データをレシートプリンタ410に出力して、購入明細レシートを印刷させる。印刷された購入明細レシートは、発行口から発行されるので、店員は、購入者に渡す。
以上で、CPU401は、非居住者が購入する商品の登録処理を終了する。
免税購入データを受信した管理サーバ31のCPU311は、図17の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
先ずCPU311は、Act61として受信データが免税購入データであるか確認する。受信データが免税購入データである場合(Act61にてYES)、CPU311は、Act62としてその免税購入データから購入者コードを取得する。そしてCPU311は、Act63としてその取得した購入者コードを含む購入者データファイル35を補助記憶デバイス314から読み出し、RAM313に展開して、購入者データファイル35をオープンする。
次いでCPU311は、Act64として免税購入データから店舗コードを取得する。またCPU311は、Act65として免税購入データから購入商品データを取得する。免税購入データに複数の購入商品データが含まれている場合、CPU311は、いずれか1つの購入商品データを選択的に取得する。
CPU311は、Act66として、Act64の処理で取得した店舗コードとAct65の処理で取得した購入商品データに含まれる商品コードとを検索のためのキーとして、免税品データベース34を検索する。そしてCPU311は、検索のためのキーと店舗コードおよび商品コードが一致するレコードの免税区分を判定する。すなわちCPU311は、Act67として免税区分が一般物品を表すものか確認する。免税区分が一般物品を表わすものでない場合(Act67にてNO)、CPU311は、Act68として免税区分が消耗品を表すものであるか確認する。免税区分が消耗品を表すものでもない場合(Act68にてNO)、CPU311は、Act72の処理に進む。このような手順は、対応する商品コードで識別される商品が免税対象外または非課税の商品である場合に実行される。
一方、免税区分が一般物品を表すものである場合には(Act67にてYES)、CPU311は、Act69として一般物品購入レコードを生成する。すなわちCPU311は、Act64の処理で取得した店舗コードと、Act65の処理で取得した購入商品データの商品コード、品目名、購入点数、価格および消費税金額とから、一般物品購入レコードを生成する。また、免税区分が消耗品を表すものである場合には(Act68にてYES)、CPU311は、Act70として消耗品購入レコードを生成する。すなわちCPU311は、Act64の処理で取得した店舗コードと、Act65の処理で取得した購入商品データの商品コード、品目名、購入点数、価格および消費税金額とから、消耗品購入レコードを生成する。こうして、一般物品購入レコードまたは消耗品購入レコードを生成したならば、CPU311は、Act71としてこの生成したレコードをRAM43上の購入者データファイル35に登録する。その後、CPU311は、Act72の処理に進む。
Act72では、CPU311は、免税購入データ内にAct65の処理にてまだ取得していない購入商品データが存在するか否かを判定する。存在する場合(Act72にてYES)、CPUはAct65の処理に戻る。そして、以後の処理を上記と同様に繰り返す。
こうして、免税購入データに含まれる全ての購入商品データについて、Act65以降の処理を実行したならば(Act72にてNO)、CPU311は、Act73として購入者データファイル35の一般物品合計および消耗品合計の各データを更新する。具体的にはCPU311は、購入者データファイル35に登録されている全ての一般物品購入レコードの購入点数、価格、消費税金額をそれぞれ合計し、購入者データファイル35の一般物品合計データに上書きする。同様にCPU311は、購入者データファイル35に登録されている全ての消耗品購入レコードの購入点数、価格、消費税金額をそれぞれ合計し、購入者データファイル35の消耗品合計データに上書きする。
その後CPU311は、Act74としてRAM43上の購入者データファイル35を補助記憶デバイス314に上書き保存して、購入者データファイル35をクローズする。以上で、CPU311は、免税購入データの受信処理を終了する。
各免税店4での買物を終えた非居住者は、手続カウンタ6に赴く。そして非居住者は、業務担当者に免税カードCまたは免税シートSを提示する。
業務担当者は、非居住者から免税カードCまたは免税シートSの提示を受けた場合、精算端末60を起動させる。例えば精算端末60は、タッチパネル507がタッチ操作されると、起動する。精算端末60が起動すると、CPU601は、図13の流れ図に示す手順の処理、いわゆる精算処理を開始する。
先ずCPU601は、Act31として購入者データを受け取る。具体的にはCPU601は、タッチパネル607に、「免税カードのデータを読み取らせてください」または「免税シートのバーコードをスキャニングしてください」等のガイダンスを表示させる。このガイダンスを確認した業務担当者は、非居住者が提示した免税カードCのデータをカードリーダ609で読み取らせる。あるいは業務担当者は、非居住者が提示した免税シートSのバーコードをスキャナ608で読み取らせる。カードリーダ609によって免税カードCのデータが読み取られると、CPU601は、そのデータを購入者コードとして受け取る。スキャナ608によって免税シートSのバーコードが読み取られると、CPU601は、そのバーコードを解析して得られるコードを購入者コードとして受け取る。ここにCPU601を主体とするコンピュータは、物品購入に対して払い戻しを受けようとする購入者の購入者コードを受け取る第1の受取手段を構成する。
次いでCPU601は、Act32として購入者コードを正当に受け取ることができたか否かを判定する。例えばカードリーダ609で読み取られたカードデータを解析したが、免税カードCに記録されているコードとコード体系が一致しない場合、CPU601は、購入者コードを受け取ることができなかったと判定する。同様に、スキャナ608で読み取られたバーコードから得られたコードの体系が、旅券番号と日時情報とから生成される購入者コードの体系と異なる場合、CPU601は、購入者コードを受け取ることができなかったと判定する。購入者コードを受け取ることができなかった場合(Act32にてNO)、CPU601は、例えばタッチパネル607に、「購入者コードを読み取れませんでした」等のエラーメッセージを表示させる。以上で、精算処理を終了する。
購入者コードを受け取ることができた場合(Act32にてYES)、CPU601は、Act33として管理サーバ31に対して購入者データファイル35を要求する。具体的にはCPU601は、Act31の処理で受け取った購入者コードを含む購入者データファイル35の問合せコマンドを生成し、管理サーバ31へと送信するように通信インターフェース606に通知する。この通知を受けて通信インターフェース606は、ネットワーク7を介して問合せコマンドを管理サーバ31に送信する。
問合せコマンドを受信した管理サーバ31のCPU311は、そのコマンド中の購入者コードがセットされた購入者データファイル35を検索する。そして該当する購入者データファイル35を検出したならば、CPU311は、その購入者データファイル35を問合せコマンド送信元の精算端末60に宛てて、ネットワーク7を介して送信する。
問合せコマンドを送信したCPU601は、Act34として購入者データファイル35の応答有無を確認する。そして、購入者データファイル35の応答がなかった場合(Act34にてNO)、CPU601は、例えばタッチパネル607に、「購入者データを取得できませんでした」等のエラーメッセージを表示させる。以上で、精算処理を終了する。
購入者データファイル35の応答があった場合には(Act34にてYES)、CPU601は、その購入者データファイルをRAM313のワークエリアに格納する。ここにCPU601を主体とするコンピュータは、第1の受取手段で受け取った購入者コードが関連付けられた購入者データファイル35を管理サーバ31から受け取る第2の受取手段を構成する。
CPU601は、管理サーバ31から受信した購入者データファイルに対して以下の処理を実行する。すなわちCPU601は、Act35として免税点をチェックする。具体的にはCPU601は、購入者データファイル35に記憶されている一般物品合計データの金額(税抜価格の合計)が、免税点であると認定される下限金額「1万1円」以上か確認する。またCPU601は、購入者データファイル35に記憶されている消耗品合計データの金額(税抜価格の合計)が、免税点であると認定される下限金額「5千1円」から上限金額「50万円」までの金額範囲内か確認する。
こうして、免税点をチェックしたならば、CPU601は、Act36として免税対象か否かを判定する。具体的には、Act35の処理で一般物品合計データの金額が一般物品に対しての免税点であると認定される下限金額以上の場合または消耗品合計データの金額が消耗品に対しての免税点であると認定される下限金額から上限金額までの範囲内の場合、CPU601は、免税対象であると認定する。一般物品合計データの金額が一般物品に対しての免税点であると認定される下限金額未満の場合または消耗品合計データの金額が消耗品に対しての免税点であると認定される下限金額未満または上限金額を超える場合、CPU601は、免税対象でないと認定する。
免税対象でないと認定された場合(Act36にてNO)、CPU601は、Act37として例えばタッチパネル607に、「免税対象ではありませんでした」等のメッセージを表示させる。またCPU601は、Act38として免税対象外データを生成する。この免税対象外データには、Act31の処理で取得した購入者コードが含まれる。その後、CPU601は、Act46の処理に進む。
一方、免税対象であると判定した場合には(Act36にてYES)、CPU601は、Act39として免税金額を算出する。具体的にはCPU601は、購入者データファイル35に記憶されている一般物品合計データの消費税金額と消耗品合計データの消費税金額との合算金額を算出する。こうして、免税金額を算出したならば、CPU601は、Act40としてタッチパネル607に免税金額を返金額として表示させる。例えばCPU601は、タッチパネル607に、「免税金額XXX円が返金されます」と表示させる。したがって、業務担当者は、タッチパネル607の表示内容から、非居住者が免税対象であるか否かを認識できる。なお、課税対象物品に賦課された税額を返金額として表示させる表示デバイスは、タッチパネル607に限定されるものではなく、ペンタブレット62でもよい。
次いでCPU601は、Act41として購入者誓約書及び購入記録票の免税手続きに必要な書面で使用されるテキストデータを取得する。この処理は、図14の流れ図に示す手順で行われる。すなわちCPU601は、Act101として購入者データファイル35を検索する。そしてCPU601は、非居住者データに含まれる国籍の情報、つまりは受付端末50のOCR52で読み取った旅券に記録されている国籍情報を検出する。ここに、CPU601を主体とするコンピュータは、購入者データファイル35内の証明物に記述された情報(非居住者データ)に基づき、購入者の国籍を検出する検出手段を構成する。
国籍情報を検出できたならば、CPU601は、Act103として変換テーブル64を参照し、当該国籍情報を言語コードに変換する。ここに、CPU601を主体とするコンピュータは、検出手段で検出された国籍を、その国籍の国民が公用語とする言語に対して設定された言語コードに変換する変換手段を構成する。
国籍情報を言語コードに変換できたならば、CPU601は、Act104としてその言語コードが第1言語に対応したコード“001”であるか否かを判断する。言語コードがコード“001”である場合(Act104にてYES)、CPU601は、Act105としてテキストテーブル65から言語コード“001”に関連付けて設定されている原語テキストのデータTx1a,Tx2aを取得し、RAM603のワークエリアに格納する。
これに対し、コード“001”以外の場合(Act104にてNO)、CPU601は、Act106としてテキストテーブル65から言語コード“001”に関連付けて設定されている原語テキストのデータTx1a,Tx2aと、国籍情報から変換された言語コード“xxx”に関連付けて設定されている翻訳テキストのデータTx1b,Tx2bとを取得し、RAM603のワークエリアに格納する。
ここに、CPU601を主体とするコンピュータは、検出された国籍の国民が第1言語を公用語とする場合にはテキストテーブル65から原語テキストのデータ(第1のテキストデータ)を読出し、第1言語以外の第2言語を公用語とする場合にはテキストテーブル65から原語テキストのデータ(第1のテキストデータ)と翻訳テキストのデータ(第2のテキストデータ)とを読み出す読出し手段を構成する。
図13に説明を戻す。
こうして、購入者誓約書及び購入記録票の免税手続きに必要な書面で使用するテキストデータを取得できたならば、CPU601は、Act42として購入者データファイル35のデータに基づき免税措置に必要な書面の1つである購入者誓約書を作成する。購入者誓約書は、免税店4毎に作成する必要がある。CPU601は、図15の流れ図に示す手順にしたがって、免税店4毎に購入者誓約書を作成する。
先ずCPU601は、Act101として購入者データファイル35に保存されている一般物品購入レコード及び消耗品購入レコードを、店舗コード別に仕分ける。すなわち、同一の店舗コードを含む一般物品購入レコードと消耗品購入レコードとをグループ化する。そしてCPU601は、Act102として仕分けられた店舗コードの数mを計数する。CPU601は、この数mを店舗数mとして記憶する。
CPU601は、Act103として購入者誓約書のフォーマットデータを補助記憶デバイス604から読み出す。補助記憶デバイス604には、予め購入者誓約書のフォーマットデータが保存されている。フォーマットデータは、購入者誓約書に必要な項目欄を形成する。項目欄には、購入日付欄、署名欄、事業者名欄、購入者氏名欄、生年月日欄、旅券等の種類欄、旅券番号欄、国籍欄、性別欄、旅券の有効期限欄、一般物品として区分される全購入品の明細欄(品目名、価格、合計等)、消耗品として区分される全購入品の明細欄(品目名、価格、合計等)、誓約内容欄等が存在する。CPU601は、フォーマットデータによって形成される各項目欄に、それぞれ該当する項目名を示すテキストデータTx1を入力する。
テキストデータTx1は、Act41の処理でワークエリアに格納されたものである。原語テキストのデータTx1aだけが格納されている場合、CPU601は、その1種類のテキストデータTx1aだけを入力する。原語テキストのデータTx1aと翻訳テキストのデータTx1bとが格納されている場合、CPU601は、これら2種類のテキストデータTx1a,Tx1bを同一の欄に入力する。例えばCPU601は、原語テキストのデータTx1aに続いて翻訳テキストのデータTx1bを同一の欄に入力する。
CPU601は、Act104として項目名を示すテキストデータTx1を入力したフォーマットデータを店舗数mの数だけコピーする。ただし店舗数mが“1”の場合には、CPU601は、フォーマットデータをコピーしない。
CPU601は、Act105として全てのフォーマットデータに対し、購入日付、購入者氏名、生年月日、旅券等の種類、旅券番号、国籍、性別及び旅券の有効期限の共通情報を入力する。具体的にはCPU601は、購入者データファイル35から受付日時データを取得し、フォーマットデータの購入日付欄に入力する。時計部605で計時されている日時データを購入日付として購入日付欄に入力してもよい。またCPU601は、購入者データファイル35から非居住者データを取得する。そしてCPU601は、このデータに含まれる購入者氏名、生年月日、旅券等の種類、旅券番号、国籍、性別及び旅券の有効期限の各情報をフォーマットデータの同一項目欄にそれぞれ入力する。
共通情報を入力し終えたならば、CPU601は、Act106としてカウンタnを“0”にリセットする。次いでCPU601は、Act107としてカウンタnを“1”ずつカウントアップする。そして、カウントアップする毎にCPU601は、Act108としてカウンタnが店舗数mを超えたか否かを判断する。カウンタnが店舗数mを超えていない場合、CPU601は、Act109乃至Act116の処理を実行する。カウンタnが店舗数mを超えると、CPU601は、Act117乃至Act120の処理を実行する。
すなわちカウンタnが店舗数mを超えていない場合(Act108にてNO)、CPU601は、Act109として、店舗コード別に仕分けた購入レコードの中から1店目の購入レコードを検出する。またCPU101は、Act110として、m個のフォーマットデータの中から、事業者名が未入力のフォーマットデータを1つ選択する。そしてCPU101は、このフォーマットデータの事業者名欄に、検出された購入レコードに共通に含まれる店舗コードから識別される事業者名を入力する。補助記憶デバイス604には、各免税店4の店舗コードに関連付けてその免税店の事業者名を設定したデータテーブルが保存されている。CPU101は、このデータテーブルを参照して、フォーマットデータに事業者名を入力する。
次いでCPU601は、Act111として、検出された購入レコードに一般物品購入レコードがあるか否かを確認する。一般物品購入レコードがある場合(Act111にてYES)、CPU601は、Act112としてその全ての一般物品購入レコードの品目名、購入点数、価格のリストと、価格の合計とを、選択されたフォーマットデータの一般物品明細欄に入力する。さらにCPU601は、Act113として、一般物品に対する誓約内容を示すテキストデータを、選択されたフォーマットデータの誓約内容欄に入力する。この場合のテキストデータも、Act41の処理でワークエリアに格納された一般物品に対する誓約内容を示すテキストデータである。原語テキストのデータTx1aだけが格納されている場合、CPU601は、その1種類のテキストデータTx1aだけを入力する。原語テキストのデータTx1aと翻訳テキストのデータTx1bとが格納されている場合、CPU601は、これら2種類のテキストデータTx1a,Tx1bを同一の欄に入力する。例えばCPU601は、原語テキストのデータTx1aに続いて翻訳テキストのデータTx1bを同一の欄に入力する。
検出された購入レコードに一般物品購入レコードが無い場合には(Act111にてNO)、CPU601は、Act112およびAct113の処理を実行しない。
次いでCPU601は、Act114として、検出された購入レコードに消耗品購入レコードがあるか否かを確認する。消耗品購入レコードがある場合(Act114にてYES)、CPU601は、Act115としてその全ての消耗品購入レコードの品目名、購入点数、価格のリストと、価格の合計とを、選択されたフォーマットデータの消耗品明細欄に入力する。さらにCPU601は、Act116として、消耗品に対する誓約内容を示すテキストデータを、選択されたフォーマットデータの誓約内容欄に入力する。この場合のテキストデータも、Act41の処理でワークエリアに格納された消耗品に対する誓約内容を示すテキストデータである。原語テキストのデータTx1aだけが格納されている場合、CPU601は、その1種類のテキストデータTx1aだけを入力する。原語テキストのデータTx1aと翻訳テキストのデータTx1bとが格納されている場合、CPU601は、これら2種類のテキストデータTx1a,Tx1bを同一の欄に入力する。例えばCPU601は、原語テキストのデータTx1aに続いて翻訳テキストのデータTx1bを同一の欄に入力する。
検出された購入レコードに消耗品購入レコードが無い場合には(Act114にてNO)、CPU601は、Act115およびAct116の処理を実行しない。
かくして、CPU601がAct109乃至Act116の処理を実行することにより、1つの免税店に対する購入者誓約書の電子データが作成される。そして、カウンタnが店舗数mを超えるまで、CPU601がAct109乃至Act116の処理を繰り返すことによって、免税店別の購入者誓約書の電子データが作成される。ここに、CPU601を主体とするコンピュータは、テキストテーブル65から読み出された原語テキストのデータTx1a(第1のテキストデータ)または翻訳テキストのデータTx1b(第2のテキストデータ)と購入者データファイル35内の証明物に記述された情報及び物品の販売に係る情報に基づき、購入者誓約書を作成する作成手段を構成する。
なお、上記説明では、先に一般物品購入レコードについて処理し、その後に消耗品購入レコードについて処理したが、先に消耗品購入レコードについて処理し、その後に一般物品購入レコードについて処理してもよい。
カウンタnが店舗数mを超えると(Act108にてYES)、CPU601は、Act117として、Act101〜Act116の処理により作成された電子データを基に、免税店別の購入者誓約書をタッチパネル607に表示させる。なお、表示方法は特に限定されない。複数枚をまとめて表示させてもよいし、1枚ずつ表示させてもよい。因みに、この段階では、各購入者誓約書の署名欄に署名はなされていない。そこで業務担当者は、非居住者にペンタブレット62への署名(電子サイン)を要求する。
購入者誓約書を表示させたCPU601は、Act118として電子サインの入力を受け付ける。具体的にはCPU601は、外部機器インターフェース611を介してペンタブレット62からの筆跡データを取り込む。そしてCPU601は、この筆跡データを非居住者である購入者による電子サインデータとしてワークエリアに記憶する。
電子サインデータをワークエリアに記憶したならば、CPU601は、Act119として免税店別に作成された購入者誓約書の各電子データの全ての署名欄にその電子サインデータをまとめて入力する。かくして、タッチパネル607に表示される免税店別の購入者誓約書の各署名欄に署名(電子サイン)が表示される。ここに、CPU601を主体とするコンピュータは、購入者誓約書の署名欄に、電子署名の検出デバイス(ペンタブレット)で検出された電子署名を入力する署名手段を構成する。
その後CPU601は、Act110として署名欄に電子サインデータが入力された購入者誓約書の電子データをRAM603または補助記憶デバイス604に保存する。以上で、CPU601は、購入者誓約書の作成処理を終了する。 ここに、CPU601を主体とするコンピュータは、署名欄に電子署名が入力された購入者誓約書のデータを補助記憶デバイス604へ出力する出力手段を構成する。
図13に説明を戻す。
購入者誓約書作成処理を終えたCPU601は、Act43として購入者データファイル35のデータに基づき免税措置に必要な書面の1つである購入記録票等を発行する。ここでは、購入記録票を作成し発行するまでを説明する。CPU601は、購入記録票に対応するフォーマットデータを補助記憶デバイス604から取得する。補助記憶デバイス604には、予め購入記録票に対応するフォーマットデータが保存されている。
フォーマットデータは、購入記録票に必要な項目欄を形成する。項目欄には、購入年月日欄、氏名欄、国籍欄、生年月日欄、旅券番号欄、事業者氏名欄、納税地欄、所轄税務署名欄、注意事項欄等が存在する。CPU601は、フォーマットデータによって形成される各項目欄に、それぞれ該当する項目名を示すテキストデータTx2を入力する。また、納税地欄、所轄税務署名欄、注意事項欄等に、予め決められている納税地、所轄税務署名及び注意事項を示すテキストデータTx2を入力する。
テキストデータTx2は、Act41の処理でワークエリアに格納されたものである。原語テキストのデータTx2aだけが格納されている場合、CPU601は、その1種類のテキストデータTx2aだけを入力する。原語テキストのデータTx2aと翻訳テキストのデータTx2bとが格納されている場合、CPU601は、これら2種類のテキストデータTx2a,Tx2bを同一の欄に入力する。例えばCPU601は、原語テキストのデータTx2aに続いて翻訳テキストのデータTx2bを同一の欄に入力する。
続いてCPU601は、テキストデータTx2が入力されたフォーマットデータに、購入者データファイル35等から取得した記述項目のデータをさらに入力することで、購入記録票の印刷データを作成する。印刷データが作成されたならば、CPU601は、この印刷データをプリンタ61へと出力することをプリンタインターフェース610に通知する。この通知を受けて、プリンタインターフェース610は、購入記録票の印刷データをプリンタ61に出力する。以上の処理により、プリンタ51が駆動し、購入記録票が発行される。
ここに、CPU601を主体とするコンピュータは、テキストテーブル65から読み出された原語テキストのデータTx2a(第1のテキストデータ)または翻訳テキストのデータTx2b(第2のテキストデータ)と購入者データファイル35内の証明物に記述された情報及び物品の販売に係る情報に基づき、購入記録票を作成する作成手段を構成する。
また、CPU601を主体とするコンピュータは、プリンタ41と協働して、購入記録票のデータを印刷出力する出力手段を構成する。
次いでCPU601は、Act44として返金処理を行う。具体的にはCPU601は、Act39の処理で算出した免税金額(返金額)の出金データを出金機63へと出力することを外部機器インターフェース612に通知する。この通知を受けて、外部機器インターフェース612は、出金データを出金機63に出力する。以上の処理により、出金機63が駆動し、免税金額相当の現金が払い出される。
次いでCPU601は、Act45として免税精算データを生成する。具体的にはCPU601は、Act31の処理で取得した購入者コードに、時計部605で計時されている日時データ(精算日時)と、Act42の処理で作成した購入者誓約書の電子データとを付して、免税精算データとする。こうして、免税精算データを生成したならば、CPU601は、Act46の処理に進む。
Act46では、CPU601は、Act45の処理で生成された免税精算データまたはAct38の処理で生成された免税対象外データを管理サーバ31に送信する。具体的にはCPU501は、免税精算データまたは免税対象外データを管理サーバ31へと送信するように通信インターフェース606に通知する。この通知を受けて、通信インターフェース606は、ネットワーク7を介して免税精算データまたは免税対象外データを管理サーバ31に送信する。ここに、CPU601を主体とするコンピュータは、署名欄に電子署名が入力された購入者誓約書のデータを管理サーバ31へ出力する出力手段を構成する。
免税精算データまたは免税対象外データを受信した管理サーバ31のCPU311は、図18の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
先ずCPU311は、Act81として受信データが免税精算データであるか確認する。受信データが免税精算データである場合(Act81にてYES)、CPU311は、Act82としてその免税精算データから購入者コードを取得する。そしてCPU311は、Act83としてその取得した購入者コードを含む購入者データファイル35に、免税精算データに含まれる精算日時のデータを格納する。
次いでCPU311は、Act84として免税精算データから購入者誓約書の電子データを取得し、補助記憶デバイス314に保存する。以上で、CPU311は、免税精算データの受信処理を終了する。
一方、受信データが免税精算データでない場合(Act81にてNO)、CPU311は、Act85として受信データが免税対象外データであるか確認する。受信データが免税対象外データである場合(Act85にてYES)、CPU311は、Act86としてその免税対象外データから購入者コードを取得する。そしてCPU311は、Act87としてその取得した購入者コードを含む購入者データファイル35を補助記憶デバイス314から削除する。以上でCPU311は、免税対象外データの受信処理を終了する。
このように、本実施形態の免税処理システム1が構築された施設2では、受付カウンタ5にて旅券等の免税対象者であることを証明する証明物を提示した外国人旅行者等の非居住者は、受付カウンタ5の業務担当者から免税カードCまたは免税シートSの発行を受ける。その後、非居住者は、免税店4にて免税カードCまたは免税シートSを店員に提示して買物を行う。そして、施設2内での買物を終えたならば、非居住者は、手続カウンタ6に赴き、免税カードCまたは免税シートSを業務担当者に提示する。手続カウンタ6の業務担当者は、精算端末60にて免税カードCのデータまたは免税シートSのバーコードを読み取るための操作を行う。
そうすると、精算端末60では、当該非居住者が施設2内の各免税店4で買い上げた商品の販売に係る情報が管理サーバ31から収集される。そして、この情報に基づき免税対象か否かが自動的にチェックされる。そして免税対象である場合、課税対象の商品に賦課された税額の合計、いわゆる免税金額が返金額としてタッチパネル607に表示される。また、手続カウンタ6では、この返金額相当の現金が出金機63から払い出される。
したがって、従来、手続カウンタ6の業務担当者は、購入者(非居住者)が各免税店4から受け取ったレシートの情報を基に、購入者が購入した免税対象の物品を消耗品とそれ以外の一般物品とに区分けし、それぞれについて税抜き価格を合計して、免税対象か否かを判断していたが、このような手間が全て簡略化される。また、免税対象の場合に免税金額がいくらなのかという計算も不要となる。その結果、手続カウンタ6で行われる免税措置の手続が簡素化されるので、業務担当者の負担軽減、手続に要する時間短縮等の優れた効果を奏し得る。
また非居住者は、各免税店4で旅券などを提示しない。このため、各免税店4が旅券の情報を読み取るためのOCR52を用意する必要はなく、ハードウェアとしては、スキャナ411とカードリーダ412とを備えた既存のPOS端末40をそのまま適用できる。したがって、設備コストをかけることなく容易に手続委託型の免税店に転換することができる。
しかも非居住者は、各免税店4で旅券を提示しなくてよい。このため、旅券を落としたり盗られたりして紛失してしまうリスクを軽減できる。その上、非居住者は、手続カウンタ6でレシートを提示しなくてよい。したがって非居住者は、各免税店4で発行されたレシートを失くさないように財布等で保管する必要も無い。よって、非居住者にとっても大変効率的で使い勝手のよいシステムとなる。
また、本実施形態の免税処理システム1においては、受付カウンタ5にてOCR52で読み取られた旅券等の証明物に記述された情報を基に、精算端末60で購入者誓約書、購入記録票等の免税措置に必要な書面が自動的に生成される。しかも、証明物に記述された情報から非居住者の国籍が検出され、書面には、その国籍の国民が公用語とする言語で項目名、誓約内容、注意事項等が示される。したがって、非居住者が書面の言語を理解できないまま手続カウンタ6での処理が進められたり、非居住者と免税手続事業者との間でトラブルになったりする可能性を大幅に低減することができる。
また、書面には、非居住者の公用語だけでなく免税手続事業者の公用語でも項目名、誓約内容、注意事項等が示される。したがって、免税手続事業者が書面の言語を理解できないまま手続カウンタ6での処理を進めてしまうことも防止できる。
また、購入者誓約書については、非居住者が一般物品または消耗品を購入した免税店別に一般物品用と消耗品用の2種類が自動的に作成される。そして、これらの購入者誓約書の署名欄には、非居住者がペンタブレット62に記入した電子署名が一括して入力される。したがって、手続カウンタ6の業務担当者がこれらの書面を手書きで作成する必要がない。また、必要な購入者誓約書が複数枚あっても、非居住者である購入者はペンタブレット62に1回だけ署名をすればよいので、購入者の負担も軽減でき、サービス性を高めることができる。
また、精算端末60で作成された購入者誓約書は電子データとして管理サーバ31に転送され、保管される。したがって、購入者誓約書は各免税店4が免税販売を行った日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間保管する義務があるが、本実施形態によれば、各免税店4が個々に購入者誓約書を保管する必要はなくなる。すなわち各免税店4の保管業務も簡略化できるメリットがある。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、非居住者に対して免税カードCを発行するか免税シートSを発行するかのオプションを受付端末50で設定したが、このオプションを省略してもよい。すなわち図9の流れ図において、Act2の処理にて“YES”と判定されると、Act5の処理に進むように制御プログラムを構成してもよい。若しくは、Act2の処理にて“YES”と判定されると、Act6の処理に進むように制御プログラムを構成してもよい。前者の場合は、免税カードCを使用する運用に限定される。したがって、POS端末40、受付端末50および精算端末60においてはカードリーダ412,508,609がなくてもよい。後者の場合は、免税シートSを使用する運用に限定される。したがって、POS端末40、および精算端末60においてはスキャナ411,608がなくてもよい。
また前記実施形態では、受付端末50が、旅券番号と日時情報とから生成された購入者コードをバーコード化して免税シートSに印刷したが、カードリーダ508をカードリーダ・ライタとすることによって、免税カードCに旅券番号と日時情報とから生成された購入者コードを記録してもよい。同様に、受付端末50が乱数発生器を備え、乱数により一意の購入者コードを発生させて、この購入者コードのバーコードを印刷した免税シートSを発行してもよい。
また前記実施形態では、作成手段により作成される書面として購入者誓約書と購入記録票とを例示したが、書面はこれら2種類に限定されるものではない。例えば、消耗品を梱包したケースに添付する消耗品注意ラベルについても、非居住者が第1言語を公用語としない国民であった場合に、本実施形態と同様にして、その国の言語で注意事項等が入力されたラベルを作成することができる。
また前記実施形態では、精算端末60にペンタブレット62を接続したが、ペンタブレット62は、受付端末50に接続してもよい。この場合、非居住者は、受付カウンタ5の業務担当者から免税カードCまたは免税シートSの発行を受ける際に、ペンタブレット62に署名する。受付端末50のCPU601は、ペンタブレット62からの筆跡データを取り込むと、この筆跡データを非居住者の電子サインデータとして免税受付データに含ませ、管理サーバ31に送信する。管理サーバ31のCPU311は、購入者データファイル35に購入者コード、非居住者データおよび受付日時とともに電子サインデータを格納する。精算端末60のCPU601は、図15のAct127の処理において、電子サインの入力を受け付ける代わりに、購入者データファイル35から電子サインデータを取得する。この場合も、非居住者が複数の購入者誓約書に手書きで署名する手間が簡略化される。
また前記実施形態では、精算端末60で作成された購入者誓約書の電子データを保管サーバ32で保管した。この点に関しては、購入者誓約書の電子データをそれぞれ該当する免税店のコンピュータに送信し、免税店毎に保管してもよい。コンピュータとしては、例えばPOS端末40に接続されるストアサーバが考えられる。
また前記実施形態では、記憶装置としての機能を管理サーバ31に適用したが、管理サーバ31以外の装置、例えば受付端末50または精算端末60に記憶装置としての機能を適用することも可能である。
また前記実施形態では、課税対象物品に賦課された税額を全額返金する場合を示したが、税額の一部を返金する場合にも、返金額の算出手法を変更することで実施可能である。また、免税の基準金額である免税点の金額についても、実施形態の額に限定されないのは言うまでもないことである。
なお、POS端末40、受付端末50および精算端末60の譲渡は一般に、制御プログラム等のプログラムがROMに記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。