JP2017058351A - 異常診断システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両を特定の施設まで移動させなくても、当該車両の異常音発生原因を高精度に特定した異常診断結果を得ること。【解決手段】サーバーは、異常音記憶部と、異常音発生車両からアップロードされた異常音データを受信する異常音データ受信部と、異常音が異常音発生車両で発生する発生原因を、サーバーの外部から取得する発生原因取得部と、受信した異常音データと取得した発生原因とを紐づけて、異常音記憶部に蓄積させる異常音記録部と、異常診断対象車両からアップロードされた音データを受信する音データ受信部と、異常音記憶部に蓄積されている複数の異常音データの中から、音データ受信部が受信した音データに対応する異常音データを検出する異常音検出部と、異常音検出部によって検出された異常音データに異常音記憶部内で紐づけられた発生原因を、異常診断対象車両に送信する発生原因送信部とを備える、異常診断システム。【選択図】図3

Description

本発明は、異常診断システムに関する。
従来、エンジンの不調を見逃すことなく的確に診断が可能な故障診断方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この故障診断方法は、実際のエンジン音と、車両に搭載された記憶部に予め格納された基準音とを比較して、エンジン音が基準音から外れる場合には、異常と判断するものである。
特開平4−363641号公報
しかしながら、従来技術では、異常と判断された場合、乗員は車両を修理工場等の特定の施設まで移動させ、その施設で車両を詳細に点検してもらう必要がある。つまり、特定の施設まで車両を移動させない限り、車両に搭載された記憶部に予め格納された基準音だけに基づいて正常・異常の判断をすることになるので、異常音の発生原因を高精度に特定した異常診断結果が得られない場合がある。また、異常音が定常的に発生しない場合、修理工場等の特定の施設まで車両を移動させると、異常音が止んでしまうことがある。
そこで、車両を特定の施設まで移動させなくても、当該車両が発する異常音の発生原因を高精度に特定した異常診断結果を得ることができる、異常診断システムの提供を目的とする。
一つの案では、
車両に搭載された車載装置と、前記車両とは遠隔に配置されたサーバーとを含む、異常診断システムであって、
前記車載装置は、
マイクロホンと、
前記マイクロホンが収集した音データを収録する収録装置と、
前記収録装置が収録した音データを前記サーバーにアップロードするアップロード部とを備え、
前記サーバーは、
異常音記憶部と、
異常音を発する異常音発生車両の前記車載装置に備えられた前記アップロード部からアップロードされた異常音データを受信する異常音データ受信部と、
前記異常音が前記異常音発生車両で発生する発生原因を、前記サーバーの外部から取得する発生原因取得部と、
前記異常音データ受信部が受信した異常音データと、前記発生原因取得部が取得した発生原因とを紐づけて、前記異常音記憶部に蓄積させる異常音記録部と、
異常診断の対象である診断対象車両の前記車載装置に備えられた前記アップロード部からアップロードされた音データを受信する音データ受信部と、
前記異常音記憶部に蓄積されている複数の異常音データの中から、前記音データ受信部が受信した音データに対応する異常音データを検出する異常音検出部と、
前記異常音検出部によって検出された異常音データに前記異常音記憶部内で紐づけられた発生原因を、前記診断対象車両に送信する発生原因送信部とを備える、異常診断システムが提供される。
本案によれば、異常音を実際に発する異常音発生車両からアップロードされて前記異常音記憶部に蓄積されている複数の異常音データが、異常音の発生原因の特定に利用されるので、前記診断対象車両が発する異常音の発生原因を高精度に特定した異常診断結果を得ることができる。また、本案によれば、前記診断対象車両は、遠隔の前記サーバーと通信することで、前記異常音検出部によって検出された特定の異常音データに前記異常音記憶部内で紐づけられた発生原因を取得できる。したがって、前記診断対象車両を特定の施設まで移動させなくても、前記診断対象車両が発する異常音の発生原因を高精度に特定した異常診断結果を得ることができる。
本発明の一態様によれば、車両を特定の施設まで移動させなくても、当該車両が発する異常音の発生原因を高精度に特定した異常診断結果を得ることができる。
異常診断システムの構成の一例を示す図である。 車両の構成の一例を示す図である。 サーバーの構成の一例を示す図である。 異常音発生車両の車載装置が実行する処理動作の一例を示すフローチャートである。 サーバーが異常音記憶部に情報を登録するための処理動作の一例を示すフローチャートである。 サーバーが異常診断するための処理動作の一例を示すフローチャートである。 異常診断対象車両の車載装置が実行する処理動作の一例を示すフローチャートである。 サーバーが初期異常音データを異常音記憶部に登録するための処理動作の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
<異常診断システムの構成>
図1は、異常診断システム1の構成の一例を示す図である。異常診断システム1は、車両の発する異常音に基づいて、当該車両(特に、当該車両に搭載される機器)について異常診断を遠隔で行うものである。異常診断システム1は、例えば、車載装置4と、サーバー6と、コンピュータ14とを含む。
車載装置4は、複数の車両のそれぞれに搭載される。車載装置4は、車両2,3以外の他の車両にも搭載可能であるが、図1は、同一構成の車載装置4が2つの車両2,3のそれぞれに搭載されている形態を例示する。例えば、車両2は、異常診断の対象である診断対象車両であり、車両3は、異常音を発する異常音発生車両である。
サーバー6は、車載装置4が搭載される車両とは遠隔に配置される装置であり、例えば情報統括センターなどに配備される。サーバー6は、例えば、車両2,3等の複数の車両それぞれに搭載される車載装置4との間で、インターネット網5を介して双方向の通信が可能なコンピュータである。また、サーバー6は、車両を点検又は修理可能な所定の拠点施設に配備されるコンピュータ14との間で、インターネット網5を介して双方向の通信が可能である。
コンピュータ14は、各地に点在する所定の拠点施設毎に配備される。拠点施設の具体例として、ディーラー、修理工場などが挙げられる。
図2は、車両2の構成の一例を示す図である。車両2は、音源機器7と車載装置4とを搭載する。車両3も車両2と同様の構成を有するので、車両3の構成については、車両2についての以下の説明を援用する。
音源機器7は、車両2に搭載される一又は複数の機器であって、音を発生させるものである。音源機器7の具体例として、エンジン、ブレーキ、パワートレーン、エアコン、電装品などが挙げられる。
車載装置4は、例えば、マイクロホン8と、収録装置9と、通信装置10と、報知部13とを備える。
マイクロホン8は、車両2の音源機器7が発する音を電気信号に変換する集音装置である。マイクロホン8から出力される電気信号は、収録装置9に入力される。マイクロホン8は、車両2における音声認識機能又はハンズフリー通話機能で使用されるマイクロホンと兼用可能である。
収録装置9は、マイクロホン8が車室内で収集した音データを収録する車載器であり、例えば、マイクロホン8が収集した音をデジタルの音データに変換して収録装置9内のメモリに収録する。収録装置9の具体例として、カーナビゲーション装置が挙げられる。収録装置9は、例えば、マイクロホン8を使用する音声認識機能を有する。
通信装置10は、収録装置9とサーバー6との間で伝送される情報の送受信を制御する通信モジュールである。通信装置10は、アップロード部11と、ダウンロード部12とを備えた無線通信機能を有する。
アップロード部11は、収録装置9が収録した音データをインターネット網5を介してサーバー6にアップロードする手段の一例である。ダウンロード部12は、サーバー6からインターネット網5を介して情報をダウンロードする手段の一例である。
報知部13は、ダウンロード部12がダウンロードした情報を音声又は表示によりユーザに報知する手段の一例である。報知部13の具体例として、ディスプレイ、スピーカーなどが挙げられる。
図3は、サーバー6の構成の一例を示す図である。サーバー6は、例えば、異常音記憶部21と、音データ受信部22と、異常音データ受信部23と、発生原因取得部24と、異常音記録部25と、異常音検出部26と、発生原因送信部27と、作動音記憶部41と、作動音情報受信部42と、作動音記録部43と、作動音比較部44と、初期故障音登録部45とを備える。
なお、サーバー6は、複数のサーバーから構成されたものでもよい。例えば、サーバー6は、第1のサーバーと第2のサーバーとを含んで構成される。この場合、例えば、第1のサーバーは、異常音記憶部21と、音データ受信部22と、異常音データ受信部23と、発生原因取得部24と、異常音記録部25と、異常音検出部26と、発生原因送信部27とを備える。一方、第2のサーバーは、例えば、作動音記憶部41と、作動音情報受信部42と、作動音記録部43と、作動音比較部44と、初期故障音登録部45とを備える。
異常音記憶部21は、異常音データ31と異常診断結果情報32とを紐づけた異常音データベースを格納するメモリ(例えば、ハードディスクなど)である。異常診断結果情報32には、例えば、異常音データ31に対応する異常音の発生原因、異常音データ31に対応する異常音を発する車両の識別情報(ID情報)又は車種などの情報が含まれている。異常音記憶部21は、異常音の発生原因毎に異常音データ31を複数蓄積する。異常音の発生原因には、例えば、当該異常音の発生を引き起こす箇所を表す情報を含む。
音データ受信部22は、異常診断の対象である診断対象車両(異常診断対象車両)の車載装置4に備えられたアップロード部11からアップロードされた音データを受信する手段の一例である。
異常音データ受信部23は、異常音を発する異常音発生車両の車載装置4に備えられたアップロード部11からアップロードされた異常音データを受信する手段の一例である。
発生原因取得部24は、異常音が異常音発生車両で発生する発生原因を、サーバー6の外部(例えば、異常音発生車両を点検又は修理可能な各地の所定の拠点施設に配備されるコンピュータ14)から取得する手段である。コンピュータ14には、異常音発生車両が当該所定の拠点施設で点検又は修理されることによって特定された異常音の発生原因が記憶されている。
異常音記録部25は、異常音データ受信部23が受信した異常音データ31と、発生原因取得部24が取得した発生原因とを紐づけて、異常音記憶部21に蓄積させる手段の一例である。
異常音検出部26は、複数の異常音発生車両から取得され異常音記憶部21に蓄積された複数の異常音データ31の中から、音データ受信部22が異常診断対象車両から受信した音データに対応する異常音データを検出する手段の一例である。
発生原因送信部27は、異常音検出部26によって検出された異常音データに異常音記憶部21内で紐づけられた発生原因を、当該異常診断対象車両に送信する手段の一例である。
なお、作動音記憶部41等についての詳細な説明は後述する。
<異常音記憶部21内の異常音データベースの構築>
図4及び図5は、異常音記憶部21内の異常音データベースを構築するための処理動作の一例を示す。図4は、異常音発生車両の車載装置4が実行する処理動作の一例を示すフローチャートである。図5は、サーバー6が異常音記憶部21に情報を登録するための処理動作の一例を示すフローチャートである。
異常音の発する異常音発生車両が修理工場等の所定の拠点施設に持ち込まれると、当該拠点施設の作業者又は検査装置は、異常音発生車両の車載装置4の音声認識機能を利用して、異常音発生車両の修理前に、異常音の録音操作を実施する。
例えば、図4のステップS11で、収録装置9は、音データの収録指令が入力されると、異常音が発生している状態でマイクロホン8が収集した音データ(すなわち、異常音データ)を収録する。そして、ステップS13で、アップロード部11は、収録装置9がステップS11で収録した異常音データと、当該異常音発生車両についてのプロファイル情報とを紐づけて、サーバー6にアップロードする。
当該異常音発生車両についてのプロファイル情報は、ステップS13でアップロードされた異常音データがステップS11で収録装置9により収録された時の当該異常音発生車両に関する情報である。例えば、アップロード部11は、ID情報、車種、型式、走行距離、ダイアグ情報などの異常音発生車両についての付加的なプロファイル情報を、収録装置9がステップS11で収録した異常音データと共にサーバー6にアップロードする。
一方、当該拠点施設の作業者又は検査装置は、異常音発生車両を点検又は修理することによって異常音の発生原因を特定し、特定された発生原因と、ステップS13でサーバー6にアップロードされた異常音データとを紐づけて、コンピュータ14に入力する。これにより、コンピュータ14には、特定された異常音の発生原因が、ステップS13でサーバー6にアップロードされた異常音データと対応付けられた状態で記憶される。コンピュータ14は、ステップS13でサーバー6にアップロードされた異常音データに対応する異常音の発生原因を、サーバー6にアップロードする。
これに対し、サーバー6では、異常音データ受信部23は、異常音発生車両のアップロード部11からアップロードされた異常音データを受信したか否かを判断する(図5のステップS21)。また、発生原因取得部24は、コンピュータ14からアップロードされた発生原因を取得したか否かを判断する(ステップS23)。
異常音記録部25は、ステップS21で受信した異常音データを参照異常音データとして異常音記憶部21に登録し、ステップS21で受信した異常音データとステップS23で取得した発生原因とを紐づけて、異常音記憶部21に記録して管理する(ステップS25)。異常音記録部25は、異常音データを異常音の発生原因毎に異常音記憶部21に複数蓄積させることによって、異常音記憶部21内の異常音データベースを構築できる。
<音による異常診断>
図6及び図7は、音による異常診断を実行するための処理動作の一例を示す。図6は、サーバー6が異常診断するための処理動作の一例を示すフローチャートである。図7は、異常診断対象車両の車載装置4が実行する処理動作の一例を示すフローチャートである。
図6のステップS31で、サーバー6の音データ受信部22は、異常診断対象車両のアップロード部11からアップロードされた音データを受信したか否かを判断する。音データ受信部22が音データを受信した場合、異常音検出部26は、ステップS31でアップロードされた音データと、異常音記憶部21に記憶されている異常音データとを比較評価する。
音データの比較評価には、モデル学習やパターンマッチ等の周知の技術が利用可能である。モデルの学習にあたり、例えば、HMM(Hidden Markov Model)、RBM(Restricted Boltzmann Machine)などのモデルが用いられる。
ステップS35で、異常音検出部26は、異常音記憶部21に蓄積されている複数の異常音データの中から、音データ受信部22が受信した音データに一致する異常音データを探索する。
音データ受信部22が受信した音データに一致する異常音データが異常音検出部26によって検出された場合、サーバー6は、ステップS37の処理を実行する。ステップS37で、発生原因送信部27は、ステップS35で検出された異常音データに異常音記憶部21内で紐づけられた発生原因を、ステップS31で音データをアップロードしてきた異常診断対象車両の車載装置4に送信する。
一方、音データ受信部22が受信した音データに一致する異常音データが異常音検出部26によって検出されない場合、サーバー6は、ステップS39の処理を実行する。ステップS39で、作動音記録部43は、ステップS31でアップロード部11からアップロードされた音データとプロファイル情報とを紐づけて、作動音記憶部41に登録する。この際、作動音記録部43は、作動音記憶部41のうち、当該異常診断対象車両専用の記憶領域に又は当該異常診断対象車両と同一車種用の記憶領域に、当該異常診断対象車両についての音データとプロファイル情報とを記録する。
当該異常診断対象車両についてのプロファイル情報は、ステップS31でアップロードされた音データが収録装置9により収録された時の当該異常診断対象車両に関する情報である。当該異常診断対象車両についてのプロファイル情報には、例えば、ID情報、車種、型式、走行距離、ダイアグ情報などの付加情報が含まれている。
他方、異常診断対象車両の車載装置4では、収録装置9若しくはサーバー6からの要求に応じて、収録装置9は自車両の音データを収録し、アップロード部11はその収録音データをサーバー6に送信する。あるいは、異常診断対象車両の車載装置4では、常時若しくは定期的に、収録装置9は自車両の音データを収録し、アップロード部11はその収録音データをサーバー6に送信する。
例えば、図7のステップS41で、収録装置9は、音データの収録指令が入力されると、マイクロホン8が収集した音データ(すなわち、異常診断用の音データ)を収録する。そして、ステップS43で、アップロード部11は、収録装置9が異常診断用に収録した音データと、当該異常診断対象車両についてのプロファイル情報とを紐づけて、サーバー6にアップロードする。例えば、アップロード部11は、ID情報、車種、型式、走行距離、ダイアグ情報などの異常診断対象車両についてのプロファイル情報を、収録装置9がステップS41で収録した音データと共にサーバー6にアップロードする。
ステップS45で、異常診断対象車両のダウンロード部12は、サーバー6から異常音の発生原因(つまり、図6のステップS37で発生原因送信部27により送信される発生原因)のダウンロードがあるか否かを判断する。ダウンロード部12がサーバー6から異常音の発生原因をダウンロードした場合、当該異常診断対象車両の報知部13は、サーバー6からダウンロードされた異常音の発生原因をユーザ(例えば、当該異常診断対象車両の乗員)に報知する(ステップS47)。
したがって、本実施形態によれば、異常音を実際に発する異常音発生車両から事前にアップロードされて異常音記憶部21に蓄積されている複数の異常音データが、異常音の発生原因の特定に利用される。したがって、異常診断対象車両が発する異常音の発生原因を高精度に特定した異常診断結果を得ることができる。また、本実施形態によれば、異常診断対象車両は、遠隔のサーバー6と通信することで、異常音検出部26によって検出された特定の異常音データに異常音記憶部21内で紐づけられた発生原因を取得できる。したがって、異常診断対象車両を所定の拠点施設まで移動させなくても、異常診断対象車両が発する異常音の発生原因を高精度に特定した異常診断結果を、異常診断対象車両の報知部13から得ることができる。
<作動音記憶部41内の作動音データベースの構築>
次に、異常診断システム1が車両の初期故障を検出するための動作について説明する。車両の初期故障とは、車両の故障が顕在化する以前の故障音(初期故障音)を当該車両が発する状態(故障前兆状態)である。本実施形態の異常診断システム1は、車両の初期故障を検出するために、図3に示した作動音記憶部41内の作動音データベースを予め構築する。
作動音記憶部41内の作動音データベースを構築するため、車載装置4を備える車両では、収録装置9は当該車両の作動音データを収録し、アップロード部11はその収録した作動音データと、当該車両についての当該作動音データに対応するプロファイル情報をサーバー6に送信する。
作動音データは、音源機器7が発する作動音をマイクロホン8が収集した音データである。サーバー6にアップロードする作動音データは、作動音そのものに対応するデータではなく、作動音の特徴量に対応するデータでもよい。
作動音を発する車両(作動音発生車両)についてのプロファイル情報には、当該作動音が収録装置9により収録された時の情報が含まれ、例えば、当該作動音発生車両の、ID情報、車種、型式、走行距離、走行速度、ダイアグ情報、周囲温度(周囲の気温)、車載機器の動作状況、位置などの情報が含まれている。
車載装置4を備える作動音発生車両では、収録装置9若しくはサーバー6からの要求に応じて、収録装置9は自車両の作動音データを収録し、アップロード部11はその収録した作動音データとプロファイル情報とをサーバー6に送信する。あるいは、車載装置4を備える作動音発生車両では、常時若しくは定期的に、収録装置9は自車両の作動音データを収録し、アップロード部11はその収録した作動音データとプロファイル情報とをサーバー6に送信する。
一方、サーバー6の作動音情報受信部42は、作動音発生車両の車載装置4に備えられたアップロード部11からアップロードされた作動音情報を受信する手段の一例である。作動音情報には、当該作動音発生車両についての作動音データとプロファイル情報とが含まれている。
作動音記録部43は、作動音発生車両についての作動音データとプロファイル情報とを含む作動音情報を作動音情報受信部42が受信すると、当該作動音情報に含まれる作動音データとプロファイル情報とを紐づけて、作動音記憶部41に記録して管理する。
作動音記憶部41は、作動音情報受信部42が受信した作動音情報に含まれる作動音データ33とプロファイル情報34とを紐づけた作動音データベースを格納するメモリ(例えば、ハードディスク)である。作動音記憶部41は、プロファイル情報34毎に複数時点の作動音データ33を蓄積する。作動音記録部43は、過去からの複数時点の作動音データ33をプロファイル情報34毎に作動音記憶部41に蓄積させることによって、作動音記憶部41内の作動音データベースを構築できる。
<異常音記憶部21への初期故障音データの登録>
作動音記憶部41にプロファイル情報が記憶されている作動音発生車両が、異常音が発する故障により、修理工場等の所定の拠点施設に持ち込まれると、上述と同様に、当該作動音発生車両の異常音データが収録される。収録された異常音データは、当該作動音発生車両のプロファイル情報と共にサーバー6にアップロードされ、作業者等により特定された当該異常音の発生原因に紐づけされた状態で、参照異常音データとして異常音記憶部21に登録される。
作動音比較部44は、作動音記憶部41に既に蓄積されている当該作動音発生車両の作動音データ(以下、「作動音データX」と称する)を、作動音記憶部41に既に蓄積されている当該作動音発生車両と同車種且つ同使用期間の作動音データ(以下、「作動音データY」と称する)と比較評価する。作動音比較部44は、作動音データXと作動音データYとの間で特徴的な差異がある場合、当該作動音データXが初期故障音に対応する初期故障音データであると特定する。
初期故障音登録部45は、作動音比較部44により初期故障音データとして特定された作動音データXを、当該作動音データXに対応する当該異常音の特定された発生原因と紐づけた状態で、異常音記憶部21に初期故障音データとして登録する。
したがって、異常音検出部26は、音データ受信部22が受信した音データと、異常音記憶部21に初期故障データとして登録された作動音データXとを比較評価することにより、音データ受信部22が受信した音データをアップロードしてきた車両の初期故障を検出できる。
図8は、サーバー6が初期故障音データを異常音記憶部21に登録するための処理動作の一例を示すフローチャートである。
サーバー6の作動音比較部44は、初期故障音データを異常音記憶部21に登録するための処理を開始するにあたり、整数型の変数nの値を零に設定する(ステップS51)。
ステップS53で、サーバー6の作動音比較部44は、異常音記憶部21に登録されている作動音発生車両のアップロード部11からアップロードされたプロファイル情報を受信したか否かを判断する。サーバー6の作動音比較部44は、異常音データ受信部23がプロファイル情報を受信した場合、変数nの値をn+1に設定する(ステップS55)。
ステップS57で、サーバー6の作動音比較部44は、nか月前が当該作動音発生車両の購入時よりも遅い時期か否かを判断する。
作動音比較部44は、ステップS57でnか月前が当該作動音発生車両の購入時よりも遅い時期と判断した場合、ステップS59で当該作動音発生車両の過去nか月前の作動音データXを作動音記憶部41から取得する。
ステップS61で、作動音比較部44は、ステップS59で取得した作動音データXと、作動音記憶部41に既に登録されている当該作動音発生車両と同車種且つ同使用期間の作動音データYとを比較評価する。
ステップS63で、作動音比較部44は、作動音データXと作動音データYとの間で特徴的な差異があるか否かを判断し、作動音データXと作動音データYとの間で特徴的な差異があると判断した場合、当該作動音データXが初期故障音に対応する初期故障音データであると特定する。ステップS65で、初期故障音登録部45は、初期故障音データとして特定された作動音データXを、当該作動音データXに対応する当該異常音の特定済みの発生原因と紐づけた状態で、異常音記憶部21に初期故障音データとして登録する。
一方、ステップS63で、作動音比較部44は、作動音データXと作動音データYとの間で特徴的な差異がないと判断した場合、当該作動音データXが初期故障音に対応する初期故障音データでないと判断する。この場合、初期故障音登録部45は当該作動音データXを異常音記憶部21に登録せず、サーバー6の作動音比較部44は、変数nの値を1増やすインクリメント処理を行う(ステップS55)。
したがって、異常音検出部26は、音データ受信部22が受信した音データと、異常音記憶部21に初期故障データとして登録された作動音データXとを比較評価することにより、音データ受信部22が受信した音データをアップロードしてきた車両の初期故障を検出できる。
以上、異常診断システムを実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
1 異常診断システム
2,3 車両
4 車載装置
5 インターネット網
6 サーバー
7 音源機器
8 マイクロホン
9 収録装置
10 通信装置
11 アップロード部
12 ダウンロード部
13 報知部
14 コンピュータ
21 異常音記憶部
22 音データ受信部
23 異常音データ受信部
24 発生原因取得部
25 異常音記録部
26 異常音検出部
27 発生原因送信部
31 異常音データ
32 異常診断結果情報
33 作動音データ
34 プロファイル情報
41 作動音記憶部
42 作動音情報受信部
43 作動音記録部
44 作動音比較部
45 初期故障音登録部

Claims (1)

  1. 車両に搭載された車載装置と、前記車両とは遠隔に配置されたサーバーとを含む、異常診断システムであって、
    前記車載装置は、
    マイクロホンと、
    前記マイクロホンが収集した音データを収録する収録装置と、
    前記収録装置が収録した音データを前記サーバーにアップロードするアップロード部とを備え、
    前記サーバーは、
    異常音記憶部と、
    異常音を発する異常音発生車両の前記車載装置に備えられた前記アップロード部からアップロードされた異常音データを受信する異常音データ受信部と、
    前記異常音が前記異常音発生車両で発生する発生原因を、前記サーバーの外部から取得する発生原因取得部と、
    前記異常音データ受信部が受信した異常音データと、前記発生原因取得部が取得した発生原因とを紐づけて、前記異常音記憶部に蓄積させる異常音記録部と、
    異常診断の対象である診断対象車両の前記車載装置に備えられた前記アップロード部からアップロードされた音データを受信する音データ受信部と、
    前記異常音記憶部に蓄積されている複数の異常音データの中から、前記音データ受信部が受信した音データに対応する異常音データを検出する異常音検出部と、
    前記異常音検出部によって検出された異常音データに前記異常音記憶部内で紐づけられた発生原因を、前記診断対象車両に送信する発生原因送信部とを備える、異常診断システム。
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