JP2017057841A - 軸シール装置およびターボ機械 - Google Patents

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【課題】シールセグメントと回転体との間隙を運転状態に応じてスムースに変化させ、信頼性を向上させることができる軸シール装置およびターボ機械を提供する。【解決手段】実施の形態による軸シール装置1は、シールホルダ50と、シールホルダ50に対して半径方向および軸方向に移動可能なシールセグメント60と、を備えている。シールセグメント60は、シールホルダ50高圧側壁面55に当接可能な当接部63を有している。シールセグメント60は、弾性体80によって高圧室31aの側に付勢されている。高圧側壁面55は、外周側に向かうにつれて高圧室31aの側に傾斜するホルダ傾斜面55iを含み、当接部63は、ホルダ傾斜面55iに摺動可能になっている。【選択図】図4

Description

本発明の実施の形態は、軸シール装置およびターボ機械に関する。
蒸気タービン、ガスタービン、コンプレッサなどの軸流型ターボ機械が知られている。このうち蒸気タービン、ガスタービン等のタービンについては、近年、環境負荷の低減等の要請により、タービン効率の向上が重要視されている。タービン効率を向上させるために、種々の対策が提案されている。それらの中での効果的な対策は、タービンの各部に不可避的に存在する静止部と回転部との間隙(ラジアル間隙)を通るタービン作動流体の漏洩を低減させることである。
一般的に、タービンには、作動流体の漏洩を防止するためのシールとして機能するパッキンリングが複数設けられている。このようなパッキンリングとして、例えば、ノズルパッキンと呼ばれるパッキンリングや、チップフィンと呼ばれるパッキンリング、グランドパッキンと呼ばれるパッキンリングが挙げられる。このうちノズルパッキンは、静止部であるダイアフラム内輪と回転部であるタービンロータとの間隙を通る作動流体の漏洩を防止するためのものである。また、チップフィンは、静止部であるダイアフラム外輪と回転部であるタービンの動翼との間隙を通る作動流体の漏洩を防止するためのものであり、グランドパッキンは、静止部であるケーシングと回転部であるタービンロータとの間隙を通る作動流体の漏洩を防止するためのものである。
静止部と回転部との間隙を小さくする場合、作動流体の漏洩が減少し、タービン効率を向上させることができる。しかしながら、この場合、静止部と回転部とが接触(ラビング)しやすくなり、回転部の損傷、シールフィンの損傷、軸振動の増大、摩擦熱による回転部の変形が懸念される。タービンの定格運転状態では、静止部と回転部との間隙は比較的安定して保つことができるが、タービンの起動時または停止時といった過渡運転状態では、間隙を安定して維持することが困難になる。すなわち、過渡運転状態では、過渡的な圧力変形や熱変形により静止部と回転部との間隙が変化し得るため、接触が引き起こされやすくなっている。
代表的なパッキンリング110を使用したラビリンスシール構造を有するタービンの軸シール装置120を図7および図8に示す。図7に示すように、軸シール装置120は、パッキンリング110を備えている。パッキンリング110は、好適には周方向に等分割された複数のパッキンリングセグメント111によって構成されている。各パッキンリングセグメント111は、ばねに代表される弾性体112によって内周側に付勢されている。パッキンリングセグメント111と弾性体112は、ケーシングに固定されたパッキンリングホルダ113によって保持されており、パッキンリングセグメント111は、パッキンリングホルダ113に対して半径方向に移動可能になっている。
図8に示すように、パッキンリングホルダ113は、高圧室114aと低圧室114bとを隔ており、このパッキンリングホルダ113をタービンロータ115が貫通している。パッキンリングセグメント111の内周面には、シールフィン116が設けられている。
パッキンリングセグメント111は、上述した弾性体112によってタービンロータ115の側に押し付けられ、パッキンリングセグメント111とタービンロータ115との間に、間隙が形成されている。また、パッキンリングセグメント111は、定格運転状態では、高圧室114a内の作動流体の圧力と、低圧室114b内の作動流体の圧力との圧力差を受けて、パッキンリングホルダ113のスチームジョイント面117に当接しており、高圧室114aから、パッキングリングホルダ113を通って低圧室114bに作動流体が漏洩することを抑制している。
上述したように、この軸シール装置120では、弾性体112によりパッキンリングセグメント111がパッキンリングホルダ113の内周側に押し付けられているため、パッキンリングセグメント111とタービンロータ115との間隙を常に狭く保つことができる。しかしながら、過渡運転状態では、上述したように静止部または回転部の圧力変形や熱変形により、静止部と回転部とが接触しやすくなる。このため、過渡運転状態では間隙が広く、定格運転状態に至ると間隙が狭まる軸シール装置が望まれる。
このような軸シール装置130の一例を図9に示す。ここでは、弾性体131をパッキンリングセグメント132の周方向の端部に設置してパッキンリングセグメント132に周方向の付勢力を与えている。このことにより、タービン停止時にはパッキンリングセグメント132を外周側に押し付けることができ、パッキンリングセグメント132とタービンロータ134との間隙135を広くすることができる。一方、タービンの負荷が上昇すると、パッキンリングセグメント132の外周側に作動流体が流入する。このことにより、パッキンリングセグメント132が作動流体の圧力によって内周側に押し付けられ、パッキンリングセグメント132とタービンロータ134との間隙135を狭くすることができる。このようにして、過渡運転状態では、間隙135を広く保つことができ、定格運転状態では、間隙135を狭く保つことができる。
米国特許第5810365号明細書
しかしながら、図9に示すような軸シール装置は、過渡運転状態から定格運転状態への移行時、および定格運転状態から過渡運転状態への移行時のいずれにおいても、パッキンリングセグメントは、スチームジョイント面との摩擦力に抗して半径方向に移動する。このため、スチームジョイント面の状態によっては、パッキンリングセグメントが受ける摩擦力が増大し、パッキンリングセグメントの半径方向移動が阻害される可能性がある。なお、パッキンリングセグメントを半径方向にスムースに移動させるためには、設計時に、経年変化の影響を考慮して摩擦係数を推定し、摩擦力を算出することが要求されるが、実際に経年変化の影響を受けた摩擦係数を推定することは困難である。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、パッキンリングセグメントと回転体との間隙を運転状態に応じてスムースに変化させ、信頼性を向上させることができる軸シール装置およびターボ機械を提供することを目的とする。
実施の形態による軸シール装置は、ターボ機械の圧力容器に回転可能な回転体が貫通し、回転体の軸方向に並んで配置される高圧室と低圧室とを隔てる。この軸シール装置は、圧力容器に固定されると共に高圧室と低圧室との間に介在されるシールホルダであって、ホルダ開口部を介して回転体の側に開口するホルダ室と、高圧室の側からホルダ開口部を画定する高圧側壁面と、を有するシールホルダと、シールホルダに対して半径方向および軸方向に移動可能なシールセグメントと、を備えている。シールセグメントは、ホルダ室内に収容されてシールホルダに保持される被保持部と、シールホルダより内周側に設けられたフィン取付部と、シールホルダのホルダ開口部を貫通して被保持部とフィン取付部とを連結し、シールホルダの高圧側壁面に当接可能な当接部と、を有している。シールセグメントのフィン取付部の内周面にシールフィンが設けられ、シールセグメントは、弾性体によって高圧室の側に付勢されている。高圧側壁面は、外周側に向かうにつれて高圧室の側に傾斜するホルダ傾斜面を含み、シールセグメントの当接部は、ホルダ傾斜面に摺動可能になっている。
実施の形態によるターボ機械は、圧力容器と、圧力容器に回転可能に設けられた回転体と、圧力容器に支持されたノズル構造体と、を備えている。回転体は、タービンロータと、タービンロータに支持され、ノズル構造体の下流側に配置された動翼構造体と、を有している。ノズル構造体は、圧力容器に支持されたダイアフラム外輪と、ダイアフラム外輪より内周側に設けられたダイアフラム内輪と、ダイアフラム外輪とダイアフラム内輪との間に設けられたノズルと、を含んでいる。ダイアフラム内輪の内周側端部に、本発明による軸シール装置が、タービンロータに対向するように設けられている。
また、実施の形態によるターボ機械は、圧力容器と、圧力容器に回転可能に設けられた回転体と、圧力容器に支持されたノズル構造体と、を備えている。回転体は、タービンロータと、タービンロータに支持され、ノズル構造体の下流側に配置された動翼構造体と、を有している。ノズル構造体は、圧力容器に支持されたダイアフラム外輪と、ダイアフラム外輪より内周側に設けられたダイアフラム内輪と、ダイアフラム外輪とダイアフラム内輪との間に設けられたノズルと、を含んでいる。ダイアフラム外輪に、本発明による軸シール装置が、動翼構造体の外周側端部に対向するように設けられている。
さらに、実施の形態によるターボ機械は、圧力容器と、圧力容器に回転可能に設けられた回転体と、圧力容器に支持されたノズル構造体と、を備えている。回転体は、タービンロータと、タービンロータに支持され、ノズル構造体の下流側に配置された動翼構造体と、を有している。圧力容器のうちタービンロータが貫通する部分に、本発明による軸シール装置が、タービンロータに対向するように設けられている。
本発明によれば、パッキンリングセグメントと回転体との間隙を運転状態に応じてスムースに変化させ、信頼性を向上させることができる。
図1は、本発明の実施の形態におけるタービンの一例を示す断面図である。 図2は、図1のタービンのノズル構造体および動翼構造体を拡大して示す断面図である。 図3は、図1のタービンのグランドシール部を拡大して示す断面図である。 図4は、図2または図3の軸シール装置の詳細を示す断面図である。 図5Aは、過渡運転状態における図4の軸シール装置を示す断面図である。 図5Bは、過渡運転状態から定格運転状態への移行時における図4の軸シール装置を示す断面図である。 図5Cは、定格運転状態における図4の軸シール装置を示す断面図である。 図6Aは、過渡運転状態における図4の軸シール装置が作動流体から受ける圧力の分布を示す図である。 図6Bは、過渡運転状態から定格運転状態への移行時における図4の軸シール装置が作動流体から受ける圧力の分布を示す図である。 図6Cは、定格運転状態における図4の軸シール装置が作動流体から受ける圧力の分布を示す図である。 図7は、一般的な軸シール装置を示す、回転軸線に垂直な断面図である。 図8は、一般的な軸シール装置を示す、回転軸線に平行な断面図である。 図9は、一般的な軸シール装置を示す、回転軸線に垂直な断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図4を用いて、本発明の実施の形態における軸シール装置およびターボ機械について説明する。本実施の形態による軸シール装置が適用可能なターボ機械としてのタービンの具体例としては、蒸気タービン、ガスタービン、コンプレッサなどが挙げられる。そこでまず、本実施の形態による軸シール装置が適用可能な、蒸気タービンやガスタービン等のタービンについて説明する。
図1に示すように、タービン1は、ケーシング(圧力容器)2と、ケーシング2に対して回転可能に設けられたタービンロータ(回転体)3と、を備えている。このうち、ケーシング2は、内部ケーシング2aと、内部ケーシング2aの外側に設けられた外部ケーシング2bと、を有しており、二重構造のケーシングとなっている。
外部ケーシング2bには、供給管4が連結されており、蒸気や燃焼ガスなどの作動流体が、タービン1に供給されるようになっている。タービン1に供給された作動流体は、ケーシング2内に設けられたインレットスリーブ5aおよびノズルボックス5bによって、後述する複数のタービン段落6のうちの最も上流側のタービン段落6に案内されるようになっている。タービンロータ3には、図示しない発電機が連結されている。
ケーシング2(より詳細には、内部ケーシング2a)には、複数のノズル構造体7が支持されている。タービンロータ3には、複数の動翼構造体(回転体)8が支持されている。これらのノズル構造体7と動翼構造体8は、タービンロータ3の回転軸線Xに沿う方向(回転体の軸方向)に交互に配置されている。そして、一のノズル構造体7と、当該一のノズル構造体7の下流側に隣り合って配置された一の動翼構造体8とにより、一のタービン段落6が構成されている。タービン1は、このようなタービン段落6が、タービンロータ3の回転軸線Xに沿う方向に複数設けられている。このようにして、供給管4を介して供給された作動流体が複数のタービン段落6を通過して、後述する動翼13に対して仕事を行い、タービンロータ3が回転駆動されるようになっている。
最終段落の動翼13を通過した作動流体は、排気流路9を通過してタービン1の外部へと排出される。
図2に示すように、ノズル構造体7は、ケーシング2に支持されたダイアフラム外輪10と、ダイアフラム外輪10より内周側に設けられたダイアフラム内輪11と、を有している。ダイアフラム外輪10とダイアフラム内輪11との間に、複数のノズル(静翼)12が設けられている。複数のノズル12は、周方向に列状に配置されており、互いに隣り合うノズル12の間の開口を作動流体が通過するようになっている。
動翼構造体8は、複数の動翼13を有しており、タービンロータ3に設けられたロータディスク3aに植設されて固定されている。複数の動翼13は、周方向に配列されている。このような動翼13が作動流体から仕事を受けることにより、回転エネルギを得て、タービンロータ3が回転するようになっている。動翼13の外周側には、シュラウド14が設けられている。シュラウド14は、タービンロータ3の振動を抑制するためのものである。
本実施の形態による軸シール装置40は、ダイアフラム内輪11の内周側端部に、タービンロータ3に対向するように設けることができる。このような軸シール装置40は、いわゆるノズルパッキンとして機能する。軸シール装置40は、概略的には環状に形成されており、軸シール装置40を、回転体としてのタービンロータ3が貫通している。軸シール装置40の上流側(図2の右側)に高圧室15aが形成され、下流側(図2の左側)に低圧室15bが形成されている。そして、軸シール装置40は、ダイアフラム内輪11と共に、これらの高圧室15aと低圧室15bとを隔てている。このようにして、高圧室15aから低圧室15bに向ってダイアフラム内輪11とタービンロータ3との間隙を通過して作動流体が流れて漏洩することを抑制している。このような軸シール装置40は、各ノズル構造体7のダイアフラム内輪11にアダプタ部材16を介して設けることができる。
また、図2に示すように、本実施の形態による軸シール装置40は、ダイアフラム外輪10に、動翼構造体8の外周側端部(より具体的にはシュラウド14)に対向するように設けることもできる。このような軸シール装置40は、いわゆるチップフィンとして機能する。軸シール装置40は、概略的には環状に形成されており、軸シール装置40を、回転体としてのタービンロータ3および動翼構造体8が貫通している。軸シール装置40の上流側に高圧室17aが形成され、下流側に低圧室17bが形成されている。そして、軸シール装置40は、これらの高圧室17aと低圧室17bとを隔てている。このようにして、ダイアフラム外輪10とシュラウド14との間隙を通過して作動流体が流れて漏洩することを抑制している。
ところで、図1に示すように、外部ケーシング2bのうちタービンロータ3が貫通する部分に、グランドシール部20が設けられている。グランドシール部20は、複数のタービン段落の両側に配置されており、外部ケーシング2bの外側の雰囲気と内側の雰囲気とを区画している。
本実施の形態による軸シール装置40は、このグランドシール部20を構成することもできる。言い換えれば、軸シール装置40は、圧力容器2のうちタービンロータ3が貫通する部分に、タービンロータ3に対向するように設けることができる。このような軸シール装置40は、いわゆるグランドパッキンとして機能する。図3においては、3つの軸シール装置40が、回転軸線Xに沿う方向に互いに離間して配置されており、互いに隣り合う軸シール装置40によって、高圧室21aおよび低圧室21bが形成されている。ここでは図面を明瞭にするために、一例として、中央に配置された軸シール装置40の両側に高圧室21aと低圧室21bとが形成され、この軸シール装置40が、高圧室21aと低圧室21bとを隔てている例を示している。高圧室21aは、外部ケーシング2bの内部側に配置され、低圧室21bは、大気側に配置されている。軸シール装置40は、概略的には環状に形成されており、軸シール装置40を、回転体としてのタービンロータ3が貫通している。
高圧室21aには、SSH(スチームシールヘッダ)配管22が連結されており、SSH配管22内の圧力は、高圧室21aの圧力が大気より僅かに高い圧力となるように調整されている。このことにより、高圧室21aは、低圧室21bより圧力が高くなっている。SSH配管22は、図示しないボイラに連結されており、このボイラから高圧室21aに作動流体が供給されるようになっている。
低圧室21bには、SPE(スチームパッキンエグゾースト)配管23が連結されており、SPE配管23内の圧力は、低圧室21bの圧力が常に大気より低い圧力(負圧)になるように調整されている。SPE配管23は、図示しない復水器またはグランドコンデンサに連結されており、SPE配管23に吸い込まれた蒸気は、復水器において凝縮されて水になる。また、SPE配管23に吸い込まれた空気は、真空ポンプやエグゼクターなどによってグランドシール系統の外部に排出される。
このように、本実施の形態による軸シール装置40は、タービン1のノズル構造体7や、グランドシール部20等に用いることができ、いずれの場合においても、軸シール装置40が隔てる高圧室から低圧室に作動流体が漏洩することを抑制する。
次に、図4を用いて、本実施の形態による軸シール装置40について説明する。ここで、軸シール装置40は、ターボ機械としてのタービン1の圧力容器(ケーシング)2に回転可能な回転体30が貫通し、回転体30の回転軸線Xに沿う方向(軸方向)に並んで配置される高圧室31aと低圧室31bとを隔てるためのものである。
図4に示すように、軸シール装置40は、圧力容器2に固定されると共に高圧室31aと低圧室31bとの間に介在されたパッキンリングホルダ(シールホルダ)50と、パッキンリングホルダ50に保持されると共にパッキンリングホルダ50に対して半径方向および回転軸線Xに沿う方向に移動可能なパッキンリングセグメント(シールセグメント)60と、パッキンリングセグメント60の内周面に設けられたシールフィン70と、を備えている。このうちパッキンリングホルダ50は、例えば、ターボ機械の圧力容器2としての内部ケーシング2aに、ダイアフラム内輪11(圧力隔壁と言うこともできる)若しくはダイアフラム外輪10を介して固定されている。あるいは、パッキンリングホルダ50は、圧力容器2としての外部ケーシング2bに直接的に固定されている。なお、パッキンリングホルダ50は環状に形成されている。パッキンリングセグメント60は、回転体30の周囲に複数設けられており、周方向に配列されている。このように周方向に配列された複数のパッキンリングセグメント60が、パッキンリングホルダ50に保持されて、図7に示すパッキンリング110と同様なパッキンリング60aが構成されている。このようにして軸シール装置40は、図7に示す軸シール装置120と同様に環状に形成されている。以下に、軸シール装置40の各部について、より詳細に説明する。
まず、パッキンリングホルダ50について説明する。
パッキンリングホルダ50は、ホルダ本体51と、ホルダ本体51の内周側に設けられ、後述するパッキンリングセグメント60のフック形状部(被保持部)61を保持するホルダ保持部52a、52bと、を有している。ホルダ保持部52a、52bのうち一方のホルダ保持部52aは、高圧室31aの側に設けられ、他方のホルダ保持部52bは、低圧室31bの側に設けられている。
各ホルダ保持部52a、52bは、図4の断面において回転体30の回転軸線Xに沿う方向に延びており、互いに離間してホルダ本体51に固定されている。ホルダ本体51と一対のホルダ保持部52a、52bは、図4の断面で見たときに全体として概略的にC字状に形成されており、ホルダ本体51と一対のホルダ保持部52a、52bとによって、ホルダ室53が画定されている。このようにして、ホルダ保持部52a、52bは、パッキンリングセグメント60のフック形状部61(後述)とパッキンリングセグメント60のフィン取付部62(後述)との間に介在されて、フック形状部61を保持するように構成されている。
一対のホルダ保持部52a、52bの間には、ホルダ室53より内周側に設けられたホルダ開口部54が画定されている。ホルダ開口部54はホルダ室53に連通し、ホルダ室53は、ホルダ開口部54を介して回転体30の側(内周側)に開口している。ホルダ室53の回転軸線Xに沿う方向の寸法は、ホルダ開口部54の回転軸線Xに沿う方向の寸法より大きくなっており、後述するフック形状部61が収容されて、ホルダ保持部52a、52bがフック形状部61を保持するようになっている。
高圧側のホルダ保持部52aのホルダ開口部54の側の面は、反スチームジョイント面55(高圧側壁面)を構成している。すなわち、反スチームジョイント面55はホルダ開口部54の一部を画定している。反スチームジョイント面55は、外周側に向かうにつれて高圧室31aの側に傾斜しているホルダ傾斜面55iと、ホルダ傾斜面55iより内周側に設けられた、ホルダ垂直面55aと、を含んでいる。このうちホルダ傾斜面55iは、詳細は後述するが、図4に示すように、回転体30の回転軸線Xに沿う方向に垂直な方向(半径方向)に対して所定の角度θで傾斜している。そして、ホルダ傾斜面55iに、後述する弾性体80の付勢力によって、パッキンリングセグメント60の当接部63(後述)が摺動可能になっている。一方、ホルダ垂直面55aは、回転体30の回転軸線Xに沿う方向に垂直に延びており、弾性体80の付勢力によって、ホルダ垂直面55aに、パッキンリングセグメント60の後述する当接部63が当接可能になっている。
低圧側のホルダ保持部52bのホルダ開口部54の側の面は、スチームジョイント面56(低圧側壁面)を構成している。すなわち、スチームジョイント面56はホルダ開口部54の一部を画定している。高圧室31aの作動流体の圧力と低圧室31bの作動流体の圧力との差圧によって、スチームジョイント面56に、パッキンリングセグメント60の低圧側当接面63b(後述)が当接可能になっている。
このようなパッキンリングホルダ50は、図2に示すノズル構造体7に用いられる場合には、ダイアフラム内輪11の内周側端部に固定され、あるいは、パッキンリングホルダ50は、ダイアフラム外輪10に固定される。また、図1に示すグランドシール部20に用いられる場合には、パッキンリングホルダ50は外部ケーシング2bに固定される。
次に、パッキンリングセグメント60について説明する。
パッキンリングセグメント60は、図4に示すように、パッキンリングホルダ50のホルダ室53内に収容されてパッキンリングホルダ50のホルダ保持部52a、52bに保持されるフック形状部61と、パッキンリングホルダ50のホルダ保持部52a、52bより内周側に設けられたフィン取付部62と、フック形状部61とフィン取付部62とを連結する当接部63と、を有している。フック形状部61およびフィン取付部62は回転軸線Xに沿う方向に延び、当接部63は半径方向に延びており、パッキンリングセグメント60は、図4の断面で見たときに全体として概略的にH字状に形成されている。
パッキンリングセグメント60のフィン取付部62の内周面には、上述したシールフィン70が設けられている。
フック形状部61の半径方向厚さは、ホルダ室53の半径方向高さより小さくなっており、フック形状部61とフィン取付部62との間の半径方向距離は、ホルダ保持部52の半径方向厚さより大きくなっている。このことにより、パッキンリングセグメント60は、パッキンリングホルダ50に対して半径方向に移動可能になっている。
フック形状部61の回転軸線Xに沿う方向の寸法は、ホルダ室53の回転軸線Xに沿う方向の寸法より小さくなっており、当接部63の回転軸線Xに沿う方向の厚さは、ホルダ開口部54の回転軸線Xに沿う方向の寸法より小さくなっている。このことにより、パッキンリングセグメント60は、パッキンリングホルダ50に対して回転軸線Xに沿う方向に移動可能になっている。このため、図4に示す過渡運転状態においては、パッキンリングセグメント60は、後述する弾性体80によって高圧室31aの側に付勢されて、後述する高圧側垂直面63aとセグメント傾斜面63iとが、ホルダ垂直面55aとホルダ傾斜面55iとにそれぞれ当接する。一方、定格運転状態においては、高圧室31aの作動流体の圧力と低圧室31bの作動流体の圧力との差圧によって、パッキンリングセグメント60は低圧室31bの側に押圧されて、後述する低圧側当接面63bがスチームジョイント面56に当接する。このことにより、低圧側当接面63bとスチームジョイント面56との間を作動流体が通過することを抑制し、ホルダ室53を経由して高圧室31aから低圧室31bに作動流体が漏洩することを抑制している。
当接部63は、パッキンリングホルダ50のホルダ開口部54を貫通している。また、当接部63は、パッキンリングホルダ50の反スチームジョイント面55に摺動可能になっている。すなわち、当接部63は、弾性体80(後述)の付勢力によってパッキンリングホルダ50の反スチームジョイント面55に当接可能な高圧側当接面63a、63iと、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によってパッキンリングホルダ50のスチームジョイント面56に当接可能な低圧側当接面63bと、を含んでいる。
高圧側当接面63a、63iは、反スチームジョイント面55のホルダ垂直面55aに当接する高圧側垂直面63aと、ホルダ傾斜面55iに摺動可能なセグメント傾斜面63iと、を含んでいる。すなわち、本実施の形態においては、セグメント傾斜面63iは、ホルダ傾斜面55iと同等の角度で高圧室31aの側に傾斜している。高圧側垂直面63aは、セグメント傾斜面63iより内周側に設けられており、回転体30の回転軸線Xに沿う方向に垂直に延びている。セグメント傾斜面63iとホルダ傾斜面55iとの間の静止摩擦係数をμとし、回転体30の回転軸線Xに沿う方向に垂直な方向に対するホルダ傾斜面55iおよびセグメント傾斜面63iの角度をθとすると、μ<tanθを満たしていることが好適である。このことにより、パッキンリングセグメント60に作用する弾性体80の付勢力のうちセグメント傾斜面63iに沿う方向の成分を、セグメント傾斜面63iとホルダ傾斜面55iとの間の静止摩擦力よりも大きくすることができる。このため、弾性体80の付勢力により、セグメント傾斜面63iがホルダ傾斜面55i上をスムースに摺動することができる。例えばθは17°以上であることが好適である。このことにより、例えば、パッキンリングホルダ50とパッキンリングセグメント60との静止摩擦係数が0.3であっても、セグメント傾斜面63iがホルダ傾斜面55iに対してスムースに摺動することができる。
低圧側当接面63bには、収容凹部64が設けられている。この収容凹部64には、弾性体80が収容されている。
弾性体80は、静止側のパッキンリングホルダ50に対してパッキンリングセグメント60の当接部63を高圧室31aの側に付勢し、押圧している。ここでは、弾性体80は、コイルばねとなっている例が示されている。また、本実施の形態においては、弾性体80の両端は、パッキンリングホルダ50のホルダ保持部52bおよびパッキンリングセグメント60の当接部63のいずれにも固定されていない。このことにより、パッキンリングセグメント60の半径方向の移動が阻害されることを防止している。また、弾性体80は、単一のパッキンリングセグメント60に対して周方向に複数設けられていてもよい。この場合、パッキンリングセグメント60に作用する付勢力を周方向に均等化させることができる。
本実施の形態においては、図4に示すように、パッキンリングセグメント60は、第2の弾性体81によって内周側に付勢されていてもよい。ここでは、第2の弾性体81は板ばねとなっている例が示されている。板ばねを用いることにより、組立作業が繁雑になることを抑制し、作業性を向上させている。第2の弾性体81は、ホルダ室53内に設けられて、ホルダ本体51とフック形状部61との間に介在されている。このことにより、第2の弾性体81は、パッキンリングセグメント60を内周側に押圧している。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
タービン1の起動時(過渡運転状態)においては、図5Aに示すように、弾性体80の付勢力によってパッキンリングセグメント60が高圧室31aの側かつ外周側に移動しており、セグメント傾斜面63iがホルダ傾斜面55iに当接すると共に、高圧側垂直面63aがホルダ垂直面55aに当接している。このことにより、回転体30とパッキンリングセグメント60(より詳細にはシールフィン70)との間隙が広くなっている。このため、回転体30とシールフィン70とが接触することを抑制でき、回転体30の損傷、シールフィン70の損傷、回転体30の軸振動の増大、および摩擦熱による回転体30の変形を抑制することができる。
起動時では、低圧側当接面63bがスチームジョイント面56から離間し、低圧室31bとホルダ室53が連通する。このことにより、図6Aに示すように、ホルダ室53内の作動流体の圧力は、低圧室31bの作動流体の圧力に等しくなっている。また、起動時では、高圧室31aの圧力と低圧室31bの圧力は低くなっている。このことにより、高圧室31aの作動流体の圧力と低圧室31bの作動流体の圧力との差圧は小さく、パッキンリングセグメント60に作用し得る低圧室31bの側への押圧力は小さくなっている。
タービン1を起動して時間が経過すると、高圧室31aの圧力と低圧室31bの圧力とが共に高まり、これらの圧力の差圧も高まる。このことにより、パッキンリングセグメント60のフィン取付部62に作用する低圧室31bの側への押圧力が、弾性体80の付勢力よりも大きくなり、図5Bに示すように、パッキンリングセグメント60が低圧室31bの側に移動する。このとき、セグメント傾斜面63iがホルダ傾斜面55iから離間すると共に、高圧側垂直面63aがホルダ垂直面55aから離間する。このため、互いに離間した高圧側垂直面63aとホルダ垂直面55aとの隙間、およびセグメント傾斜面63iとホルダ傾斜面55iとの隙間を介して、高圧室31aとホルダ室53が連通する。一方、パッキンリングセグメント60の低圧側当接面63bが、パッキンリングホルダ50のスチームジョイント面56に当接し、ホルダ室53と低圧室31bとの連通が阻止される。このことにより、図6Bに示すように、ホルダ室53内の作動流体の圧力は、高圧室31aの作動流体の圧力に等しくなり、作動流体の差圧によりパッキンリングセグメント60は内周側に押圧される。
定格運転状態になると、高圧室31aの圧力と低圧室31bの圧力との差圧が更に高まる。このことにより、パッキンリングセグメント60の内周側への押圧力が高まり、パッキンリングセグメント60が内周側に移動する。そして、パッキンリングセグメント60のフック形状部61が、パッキンリングホルダ50のホルダ保持部52a、52bに当接する(図5Cおよび図6C参照)。このことにより、回転体30とパッキンリングセグメント60との間隙を狭くすることができる。この場合、回転体30とパッキンリングセグメント60との間隙の流体抵抗によって、当該間隙を通過して高圧室31aから低圧室31bへ作動流体が漏洩することを抑制することができる。
タービン1の定格運転が終了すると、高圧室31aの側の圧力と低圧室31bの側の圧力とが共に小さくなり、これらの圧力間の差圧が小さくなる。このことにより、差圧によりパッキンリングセグメント60に作用する低圧室31bの側への押圧力よりも、弾性体80の付勢力によりパッキンリングセグメント60に作用する高圧室31aの側への押圧力が大きくなる。このため、弾性体80の付勢力によって、パッキンリングセグメント60が高圧室31aの側に移動する。この場合、まず、セグメント傾斜面63iがホルダ傾斜面55iに当接する。続いて、セグメント傾斜面63iがホルダ傾斜面55iに摺動しながら、弾性体80の付勢力によってパッキンリングセグメント60が外周側かつ高圧室31aの側に移動する。
ところで、本実施の形態においては、セグメント傾斜面63iとホルダ傾斜面55iとの間の静止摩擦係数をμとし、回転体30の回転軸線Xに沿う方向に垂直な方向に対するホルダ傾斜面55iおよびセグメント傾斜面63iの角度をθとしたときに、μ<tanθを満たしている。ここで、弾性体80の付勢力をFとすると、セグメント傾斜面63iとホルダ傾斜面55iとの間の静止摩擦力は、Fμcosθとなり、弾性体80の付勢力のうちセグメント傾斜面63iに沿う方向の成分は、Fsinθとなる。上述したμ<tanθの関係から、Fμcosθ<Fsinθが導き出される。このことにより、弾性体80の付勢力のうちホルダ傾斜面55iに沿う方向の成分を、セグメント傾斜面63iとホルダ傾斜面55iとの間の静止摩擦力よりも大きくすることができる。このため、セグメント傾斜面63iがホルダ傾斜面55i上をスムースに摺動することができる。
その後、更にパッキンリングセグメント60が高圧室31aの側に移動すると、図5Aに示すように、高圧側垂直面63aがホルダ垂直面55aに当接する。このことにより、パッキンリングセグメント60の移動が停止する。このため、パッキンリングセグメント60は定格運転状態よりも回転体30から離れた外周側の位置に達し、回転体30とパッキンリングセグメント60との間隙を広くすることができる。
このようにして、過渡運転状態では、回転体30とパッキンリングセグメント60との間隙を広く保つことができるとともに、定格運転状態では、回転体30とパッキンリングセグメント60との間隙を狭く保つことができる。このため、運転状態によって、回転体30とパッキンリングセグメント60の間の間隔を調整することができ、回転体30とパッキンリングセグメント60とが接触する可能性を低減できる。この結果、ターボ機械の効率を向上させることができる。
このように本実施の形態によれば、過渡運転状態において、弾性体80の付勢力によってパッキンリングセグメント60が高圧室31aの側に付勢され、ホルダ傾斜面55iに、当接部63のセグメント傾斜面63iが摺動する。このことにより、パッキンリングセグメント60を外周側に移動させることができる。この際、当接部63を、低圧室31bの側のホルダ保持部52bから離間させることができ、パッキンリングセグメント60をスムースに外周側に移動させることができる。このため、軸シール装置40の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、定格運転状態では、高圧室31aに連通したホルダ室53内の作動流体の圧力が高まることにより、パッキンリングセグメント60は内周側に押圧されて移動する。この際、高圧室31aの作動流体の圧力と低圧室31bの作動流体の圧力との差圧により、パッキンリングセグメント60は低圧室31bの側に押圧され、この押圧力により、パッキンリングセグメント60が内周側に移動する際に摩擦力が生じ得る。一方、パッキンリングセグメント60には、弾性体80により高圧室31aの側に押圧されている。このため、パッキンリングセグメント60に作用し得る摩擦力を低減することができ、パッキンリングセグメント60は内周側にスムースに移動することができる。この結果、軸シール装置40の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、ホルダ傾斜面55iより内周側に、当接部63に当接可能なホルダ垂直面55aが設けられている。このことにより、パッキンリングセグメント60が高圧室31aの側に移動した場合に、パッキンリングセグメント60が反スチームジョイント面55にかみ込んで固着されることを防止することができる。このため、パッキンリングセグメント60の半径方向移動をスムースに行うことができる。
また、本実施の形態によれば、回転体30の回転軸線Xに沿う方向に垂直な方向に対するホルダ傾斜面55iの角度が、17°以上となっている。このことにより、セグメント傾斜面63iがホルダ傾斜面55iに対してスムースに摺動することができる。
また、本実施の形態によれば、パッキンリングセグメント60が第2の弾性体81によって内周側に付勢されている。このことにより、パッキンリングセグメント60に半径方向の振動が生じた場合においても、パッキンリングセグメント60を内周側に付勢することにより、パッキンリングセグメント60の振動を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、パキンリングセグメント60のうち、弾性体80によって高圧室31aの側に付勢される部分が当接部63となっている。このことにより、反スチームジョイント面55と同等の半径方向位置で、パッキンリングセグメント60に付勢力を作用させることができる。このため、弾性体80による付勢力を、パッキンリングセグメント60の外周側への移動に効率良く利用することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、弾性体80を収容する収容凹部64が、パッキンリングセグメント60の低圧側当接面63bに設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、収容凹部64は、パッキンリングセグメント60のフック形状部(被保持部)61に設けられていてもよい。この場合においても、弾性体80は、パッキンリングセグメント60を高圧室31aの側に付勢して移動させることができる。
また、上述した本実施の形態においては、弾性体80を収容する収容凹部64が、低圧側当接面63bに設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、収容凹部64は、スチームジョイント面56に設けられていてもよい。この場合においても、弾性体80は、パッキンリングセグメント60を高圧室31aの側に付勢して移動させることができる。
以上述べた実施の形態によれば、パッキンリングセグメントと回転体との間隙を運転状態に応じてスムースに変化させ、信頼性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 タービン
2 ケーシング(圧力容器)
3 タービンロータ
7 ノズル構造体
8 動翼構造体
10 ダイアフラム外輪
11 ダイアフラム内輪
12 ノズル
30 回転体
31a 高圧室
31b 低圧室
40 軸シール装置
50 パッキンリングホルダ
53 ホルダ室
54 ホルダ開口部
55 反スチームジョイント面
55a ホルダ垂直面
55i ホルダ傾斜面
60 パッキンリングセグメント
61 フック形状部
62 フィン取付部
63 当接部
63i セグメント傾斜面
70 シールフィン
80 弾性体
81 第2の弾性体

Claims (10)

  1. ターボ機械の圧力容器に回転可能な回転体が貫通し、前記回転体の軸方向に並んで配置される高圧室と低圧室とを隔てる軸シール装置であって、
    前記圧力容器に固定されると共に前記高圧室と前記低圧室との間に介在されるシールホルダであって、ホルダ開口部を介して前記回転体の側に開口するホルダ室と、前記高圧室の側から前記ホルダ開口部を画定する高圧側壁面と、を有するシールホルダと、
    前記シールホルダに対して半径方向および軸方向に移動可能なシールセグメントであって、前記ホルダ室内に収容されて前記シールホルダに保持される被保持部と、前記シールホルダより内周側に設けられたフィン取付部と、前記シールホルダの前記ホルダ開口部を貫通して前記被保持部と前記フィン取付部とを連結し、前記シールホルダの前記高圧側壁面に当接可能な当接部と、を有するシールセグメントと、
    前記シールセグメントの前記フィン取付部の内周面に設けられたシールフィンと、
    前記シールセグメントを前記高圧室の側に付勢する弾性体と、を備え、
    前記高圧側壁面は、外周側に向かうにつれて前記高圧室の側に傾斜するホルダ傾斜面を含み、
    前記シールセグメントの前記当接部は、前記ホルダ傾斜面に摺動可能になっていることを特徴とする軸シール装置。
  2. 前記シールセグメントの前記当接部は、前記ホルダ傾斜面に摺動可能なセグメント傾斜面を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の軸シール装置。
  3. 前記高圧側壁面は、前記ホルダ傾斜面より内周側に設けられた、前記回転体の軸方向に垂直に延びて前記当接部が当接可能なホルダ垂直面を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の軸シール装置。
  4. 前記回転体の軸方向に垂直な方向に対する前記ホルダ傾斜面の角度は、17°以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の軸シール装置。
  5. 前記シールセグメントを内周側に付勢する第2の弾性体を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の軸シール装置。
  6. 前記弾性体は、前記シールセグメントの前記当接部を前記高圧室の側に付勢することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の軸シール装置。
  7. 前記弾性体は、前記シールセグメントの前記被保持部を前記高圧室の側に付勢することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の軸シール装置。
  8. 圧力容器と、
    前記圧力容器に回転可能に設けられた回転体と、
    前記圧力容器に支持されたノズル構造体と、を備え、
    前記回転体は、タービンロータと、前記タービンロータに支持され、前記ノズル構造体の下流側に配置された動翼構造体と、を有し、
    前記ノズル構造体は、前記圧力容器に支持されたダイアフラム外輪と、前記ダイアフラム外輪より内周側に設けられたダイアフラム内輪と、前記ダイアフラム外輪と前記ダイアフラム内輪との間に設けられたノズルと、を含み、
    前記ダイアフラム内輪の内周側端部に、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の前記軸シール装置が、前記タービンロータに対向するように設けられていることを特徴とするターボ機械。
  9. 圧力容器と、
    前記圧力容器に回転可能に設けられた回転体と、
    前記圧力容器に支持されたノズル構造体と、を備え、
    前記回転体は、タービンロータと、前記タービンロータに支持され、前記ノズル構造体の下流側に配置された動翼構造体と、を有し、
    前記ノズル構造体は、前記圧力容器に支持されたダイアフラム外輪と、前記ダイアフラム外輪より内周側に設けられたダイアフラム内輪と、前記ダイアフラム外輪と前記ダイアフラム内輪との間に設けられたノズルと、を含み、
    前記ダイアフラム外輪に、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の前記軸シール装置が、前記動翼構造体の外周側端部に対向するように設けられていることを特徴とするターボ機械。
  10. 圧力容器と、
    前記圧力容器に回転可能に設けられた回転体と、
    前記圧力容器に支持されたノズル構造体と、を備え、
    前記回転体は、タービンロータと、前記タービンロータに支持され、前記ノズル構造体の下流側に配置された動翼構造体と、を有し、
    前記圧力容器のうち前記タービンロータが貫通する部分に、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の前記軸シール装置が、前記タービンロータに対向するように設けられていることを特徴とするターボ機械。
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