JP2016084861A - ラビリンスシール装置および軸流型ターボ機械 - Google Patents

ラビリンスシール装置および軸流型ターボ機械 Download PDF

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Kazunori Ikeda
和徳 池田
村田 頼治
Yoriji Murata
頼治 村田
新一郎 大橋
Shinichiro Ohashi
新一郎 大橋
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Abstract

【課題】過渡状態において、シールセグメントの半径方向の移動をスムースにすると共に作動流体の漏洩を防止することができるラビリンスシール装置を提供する。
【解決手段】実施の形態によるラビリンスシール装置40は、ホルダ開口部54の一部を画定する開口壁面55を有するシールホルダ50と、シールホルダ50に対して半径方向に移動可能なシールセグメント60と、を備えている。シールセグメント60は、開口壁面55に当接可能な当接部63を有している。シールセグメント60の内周面にシールフィン70が設けられ、シールセグメント60は、主弾性体80によって内周側に付勢されている。主弾性体80は、軸方向において当接部63の軸方向中心位置より低圧室31bの側に配置されている。
【選択図】図5

Description

本発明の実施の形態は、ラビリンスシール装置および軸流型ターボ機械に関する。
蒸気タービン、ガスタービン、コンプレッサなどの軸流型ターボ機械は、作動流体を密閉する圧力容器(例えば、タービンのケーシング)の内部に設けられた回転体(例えば、タービンロータ)を有している。回転体は、その軸方向に並んで配置された互いに圧力が異なる複数の圧力室を貫通して、圧力容器の外側に延びるように構成されている。回転体が各圧力室を隔てる圧力隔壁(例えばダイアフラム内輪)や圧力容器を貫通する部分には、圧力差による作動流体の漏洩を抑制するために軸シール装置が設けられている。事業用の発電システム、大型の自家発電システム、大型の給水ポンプシステムに利用するターボ機械では、軸シール装置としてラビリンスシール装置を使用することが一般的である。
図15に、一般的なラビリンスシール装置110が示されている。図15に示すように、軸流型ターボ機械の回転体100が、高圧室101aと低圧室101bとを隔てるシールホルダ120を貫通している。シールホルダ120は圧力容器102(図16参照)に固定されており、このシールホルダ120にシールセグメント130が保持されている。シールセグメント130は、シールホルダ120に対して半径方向に移動可能になっている。シールセグメント130の内周面に、シールフィン140が設けられている。
シールホルダ120のホルダ室121内に板ばね150が設けられており、この板ばね150がシールセグメント130を内周側に付勢し押圧している。シールセグメント130は、図16に示すように、板ばね150と共に、回転体100の周囲に複数設けられており、周方向に配列されている。これらのシールセグメント130がシールホルダ120によって保持されている。
図15には、定常状態でのシールセグメント130の位置が示されている。定常状態では、回転体100は、半径方向においてほぼ一定の位置に静止しながら回転する。一方、シールセグメント130は、上述した板ばね150から内周側に付勢されている。このことにより、シールセグメント130のうちホルダ室121内に配置されたアゴ部131が、シールホルダ120の基準面122に当接し、この当接した状態が維持される。
このため、回転体100とシールフィン140との間に所定の隙間が確保され、回転体100がシールフィン140に接触することが防止される。この場合、シールセグメント130は、回転体100から半径方向の力を受けない。また、回転体100とシールフィン140との間の隙間の流体抵抗によって、当該隙間を通過して高圧室101aから低圧室101bへ作動流体が漏洩することが抑制される。
また、シールセグメント130は、高圧室101aと低圧室101bとの差圧によって低圧室101bの側に押圧される。このことにより、シールセグメント130の当接部132の当接面133がシールホルダ120のジョイント面123に当接し、この当接した状態が維持される。ジョイント面123とシールセグメント130の当接面133は滑らかに機械加工されており、当接時にこれらの面の間を作動流体が通過することを抑制し、ホルダ室121を経由して高圧室101aから低圧室101bに作動流体が漏洩することを抑制している。
軸流型ターボ機械の起動停止時や出力変化時などの過渡状態では、回転体100の振動状態の変化や圧力容器102の熱変形などが原因で、回転体100が半径方向に移動してシールフィン140に接触し、シールセグメント130が回転体100からシールフィン140を介して半径方向の力を受ける。この半径方向の力が所定の値より大きい場合、シールセグメント130が外周側に移動し、シールホルダ120の基準面122からシールセグメント130のアゴ部131が離間する。このことにより、回転体100とシールフィン140との重接触(heavy rubbing)を回避することができ、シールフィン140の摩耗や回転体100の表面損傷を防止することができる。このような過渡状態が図17に示されている。
一方、近年では、シールセグメントを内周側ではなく外周側に付勢し、定常状態ではシールホルダのホルダ室内に高圧室の作動流体の一部を導くことによりシールセグメントを内周側に押圧するラビリンスシール装置が知られている。このようなラビリンスシール装置の過渡状態では、高圧室と低圧室との差圧が小さいため、シールセグメントは付勢力によって外周側に移動し、回転体とシールフィンとの重接触を回避することができる。
特開2000−154877号公報
図17には、過渡状態においてシールセグメント130に作用する力が示されている。これらの力を示す符号と、各部の距離を示す符号の説明を以下に記す。
FS:シールセグメント130が板ばね150から受ける付勢力
FH:シールセグメント130のフィン取付部134の高圧室101aの側の部分が高圧室101a内の作動流体から受ける内周側への押圧力
FL:シールセグメント130のフィン取付部134の低圧室101bの側の部分が低圧室101b内の作動流体から受ける内周側への押圧力
S:高圧室101aと低圧室101bとの差圧によって発生する軸方向の押圧力
W:シールセグメント130がジョイント面123から受ける垂直抗力
R:シールセグメント130が、回転体100との接触時に回転体100から受ける外周側への力
M:シールセグメント130がジョイント面123から受けるモーメント原点を中心とするモーメント
c:FHの作用点とy軸との距離
d:FLの作用点とy軸との距離
e:Sの作用点とx軸との距離
ここで、x軸は、シールホルダ120のジョイント面123の半径方向中心位置を通る回転体100の軸方向に沿って延びる軸であり、y軸は、シールセグメント130の当接部132の軸方向中心位置を通る半径方向に沿って延びる軸である。モーメント原点は、これらのx軸とy軸とが交わる点、すなわち、ジョイント面123の半径方向中心位置であって、当接部132の軸方向中心位置としている。
ラビリンスシール装置110では、過渡状態時に、シールセグメント130の当接面133がジョイント面123に当接した状態で、シールセグメント130が半径方向に移動する場合がある。このような過渡状態において、シールセグメント130はジョイント面123からモーメントを受ける。そのことについて、図17を用いて説明する。
図17において、x軸方向の力のつり合い、y軸方向の力のつり合い、およびモーメント原点を中心とするモーメントのつり合いは、以下のようになる。
W=S ・・・(1)
FS+FH+FL=R ・・・(2)
M+FL×d=FH×c+S×e ・・・(3)
(1)式よりシールセグメント130がジョイント面123から受ける垂直抗力Wが求まる。(3)式より、シールセグメント130がジョイント面123から受けるモーメント原点を中心としたモーメントMが求まる。一般的なラビリンスシール装置110においては、シールセグメント130はy軸に対して対称的に形成されるため、c=dとなる。また、距離eは、図17では明瞭に示すために誇張して示しているが、通常、シールセグメント130の半径方向中心位置がx軸上またはその近傍に配置されるため、距離eは、距離cや距離dに比べて十分に小さくなる。よって、(3)式より、モーメントMは、
M≒(FH−FL)×c ・・・(4)
となる。このようにして、シールセグメント130は、高圧室101aと低圧室101bとの差圧によってジョイント面123から(4)式で示すモーメントMを受ける。
図18に、垂直抗力WとモーメントMとにより求められた、シールセグメント130がジョイント面123から受ける半径方向の圧力分布p(y)が示されている。図18に示すように、ジョイント面123からシールセグメント130が受ける圧力には、内周側(図18の下側)に向うほど圧力が高くなるような勾配が生じている。この圧力勾配は、モーメントMが大きくなるにつれて大きくなり得る。
このような圧力勾配が大きくなると、ジョイント面123の内周側部分に圧力が集中し得る。この場合、シールセグメント130の当接面133とジョイント面123とが点接触に近い状態となり、回転体100とシールフィン140とが重接触するおそれが生じ、シールセグメント130の半径方向の移動が拘束され得る。また、シールセグメント130の当接面133とジョイント面123との密着度が低下し、当接面133とジョイント面123との間に作動流体が通過する隙間が形成され得る。
図18に示すような比較的大きな圧力勾配は、シールセグメント130を内周側に付勢する構成を有する図15乃至図17に示すラビリンスシール装置110だけでなく、上述したような、シールセグメント130を外周側に付勢する構成を有するラビリンスシール装置においても生じ得る。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、過渡状態において、シールセグメントの半径方向の移動をスムースにすると共に作動流体の漏洩を防止することができるラビリンスシール装置および軸流型ターボ機械を提供することを目的とする。
実施の形態によるラビリンスシール装置は、軸流型ターボ機械の圧力容器に回転可能な回転体が貫通し、回転体の軸方向に並んで配置される高圧室と低圧室とを隔てる。このラビリンスシール装置は、圧力容器に固定されると共に高圧室と低圧室との間に介在されるシールホルダであって、ホルダ開口部を介して回転体の側に開口するホルダ室と、ホルダ開口部の一部を画定する開口壁面と、を有するシールホルダと、シールホルダに対して半径方向に移動可能なシールセグメントと、を備えている。シールセグメントは、ホルダ室内に収容されてシールホルダに保持される被保持部と、シールホルダより内周側に設けられたフィン取付部と、シールホルダのホルダ開口部を貫通して被保持部とフィン取付部とを連結し、シールホルダの開口壁面に当接可能な当接部と、を有している。シールセグメントのフィン取付部の内周面にシールフィンが設けられ、シールセグメントは、主弾性体によって内周側に付勢されている。回転体の回転軸線を含む断面であって、高圧室がシールホルダの左側に位置付けられると共に低圧室がシールホルダの右側に位置付けられる断面で見たときに、シールセグメントは、高圧室と低圧室との差圧によって、シールホルダの開口壁面から、開口壁面の半径方向中心位置であって当接部の軸方向中心位置を中心とする時計回りのモーメントを受ける。主弾性体は、軸方向において当接部の軸方向中心位置より低圧室の側に配置され、シールセグメントに時計回りのモーメントを付与するようにシールセグメントを付勢している。
また、実施の形態によるラビリンスシール装置は、軸流型ターボ機械の圧力容器に回転可能な回転体が貫通し、回転体の軸方向に並んで配置される高圧室と低圧室とを隔てる。このラビリンスシール装置は、圧力容器に固定されると共に高圧室と低圧室との間に介在されるシールホルダであって、ホルダ開口部を介して回転体の側に開口するホルダ室と、ホルダ開口部の一部を画定する開口壁面と、を有するシールホルダと、シールホルダに対して半径方向に移動可能なシールセグメントと、を備えている。シールセグメントは、ホルダ室内に収容されてシールホルダに保持される被保持部と、シールホルダより内周側に設けられたフィン取付部と、シールホルダのホルダ開口部を貫通して被保持部とフィン取付部とを連結し、シールホルダの開口壁面に当接可能な当接部と、を有している。シールセグメントのフィン取付部の内周面にシールフィンが設けられ、シールセグメントは、主弾性体および補助弾性体によって内周側に付勢されている。回転体の回転軸線を含む断面であって、高圧室がシールホルダの左側に位置付けられると共に低圧室がシールホルダの右側に位置付けられる断面で見たときに、シールセグメントは、高圧室と低圧室との差圧によって、シールホルダの開口壁面から、開口壁面の半径方向中心位置であって当接部の軸方向中心位置を中心とする時計回りのモーメントを受ける。補助弾性体は、シールセグメントに時計回りのモーメントを付与するようにシールセグメントを付勢している。
また、実施の形態によるラビリンスシール装置は、軸流型ターボ機械の圧力容器に回転可能な回転体が貫通し、回転体の軸方向に並んで配置される高圧室と低圧室とを隔てる。このラビリンスシール装置は、圧力容器に固定されると共に高圧室と低圧室との間に介在されるシールホルダであって、ホルダ開口部を介して回転体の側に開口するホルダ室と、ホルダ開口部の一部を画定する開口壁面と、を有するシールホルダと、シールホルダに対して半径方向に移動可能なシールセグメントと、を備えている。シールセグメントは、ホルダ室内に収容されてシールホルダに保持される被保持部と、シールホルダより内周側に設けられたフィン取付部と、シールホルダのホルダ開口部を貫通して被保持部とフィン取付部とを連結し、シールホルダの開口壁面に当接可能な当接部と、を有している。シールセグメントのフィン取付部の内周面にシールフィンが設けられ、シールセグメントは、主弾性体によって内周側に付勢されている。回転体の回転軸線を含む断面であって、高圧室がシールホルダの左側に位置付けられると共に低圧室がシールホルダの右側に位置付けられる断面で見たときに、シールセグメントは、高圧室と低圧室との差圧によって、シールホルダの開口壁面から、開口壁面の半径方向中心位置であって当接部の軸方向中心位置を中心とする時計回りのモーメントを受ける。フィン取付部は、軸方向において当接部の軸方向中心位置より高圧室の側に設けられた高圧側フィン取付部と、当接部の軸方向中心位置より低圧室の側に設けられた低圧側フィン取付部と、を含んでいる。低圧側フィン取付部の軸方向長さは、高圧側フィン取付部の軸方向長さより長くなっている。
さらに、実施の形態による軸流型ターボ機械は、回転体と、高圧室と、低圧室と、上述したラビリンスシール装置と、を備えている。
図1は、第1の実施の形態における軸流タービンの一例を示す全体図である。 図2は、図1の軸流タービンのノズル構造体を拡大して示す断面図である。 図3は、図1の軸流タービンのグランドシール部を拡大して示す断面図である。 図4は、図2または図3のラビリンスシール装置の定常状態を示す断面図である。 図5は、図4のラビリンスシール装置の過渡状態を示す断面図である。 図6は、図5のジョイント面からシールセグメントが受ける圧力分布を示す図である。 図7は、第2の実施の形態におけるラビリンスシール装置の過渡状態を示す断面図である。 図8は、第3の実施の形態におけるラビリンスシール装置の定常状態を示す断面図である。 図9は、図8のラビリンスシール装置の過渡状態を示す断面図である。 図10は、図8のラビリンスシール装置の変形例の定常状態を示す断面図である。 図11は、図10のラビリンスシール装置の過渡状態を示す断面図である。 図12は、第4の実施の形態におけるラビリンスシール装置の過渡状態を示す断面図である。 図13は、図12のラビリンスシール装置の変形例の過渡状態を示す断面図である。 図14は、第5の実施の形態におけるラビリンスシール装置の過渡状態を示す断面図である。 図15は、一般的なラビリンスシール装置の定常状態を示す断面図である。 図16は、図15のラビリンスシール装置を側方から見た図である。 図17は、図15のラビリンスシール装置の過渡状態を示す断面図である。 図18は、図17のジョイント面からシールセグメントが受ける圧力分布を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1乃至図6を用いて、第1の実施の形態におけるラビリンスシール装置および軸流型ターボ機械について説明する。本実施の形態によるラビリンスシール装置が適用可能な軸流型ターボ機械の具体例としては、蒸気タービン、ガスタービン、コンプレッサなどが挙げられる。そこでまず、本実施の形態によるラビリンスシール装置が適用可能な、蒸気タービンやガスタービン等の軸流タービンについて説明する。
図1に示すように、軸流タービン1は、ケーシング(圧力容器)2と、ケーシング2に対して回転可能に設けられたタービンロータ(回転体)3と、を備えている。このうち、ケーシング2は、内部ケーシング2aと、内部ケーシング2aの外側に設けられた外部ケーシング2bと、を有しており、二重構造のケーシングとなっている。
外部ケーシング2bには、供給管4が連結されており、蒸気や燃焼ガスなどの作動流体が、軸流タービン1に供給されるようになっている。軸流タービン1に供給された作動流体は、ケーシング2内に設けられたインレットスリーブ5aおよびノズルボックス5bによって、後述する複数のタービン段落6のうちの最も上流側のタービン段落6に案内されるようになっている。タービンロータ3には、図示しない発電機が連結されている。
ケーシング2(より詳細には、内部ケーシング2a)には、複数のノズル構造体7が支持されている。タービンロータ3には、複数の動翼構造体(回転体)8が支持されている。これらのノズル構造体7と動翼構造体8は、タービンロータ3の軸方向(回転軸線Xに沿って延びる方向)に交互に配置されている。そして、一のノズル構造体7と、当該一のノズル構造体7の下流側に隣り合って配置された一の動翼構造体8とにより、一のタービン段落6が構成されている。軸流タービン1は、このようなタービン段落6が、タービンロータ3の軸方向に複数設けられている。このようにして、供給管4を介して供給された作動流体が複数のタービン段落6を通過して、後述する動翼13に対して仕事を行い、タービンロータ3が回転駆動されるようになっている。
最終段落の動翼13を通過した作動流体は、排気流路9を通過して軸流タービン1の外部へと排出される。
図2に示すように、ノズル構造体7は、ケーシング2に支持されたダイアフラム外輪10と、ダイアフラム外輪10より内周側に設けられたダイアフラム内輪11と、を有している。ダイアフラム外輪10とダイアフラム内輪11との間に、複数のノズル(静翼)12が設けられている。複数のノズル12は、周方向に列状に配置されており、互いに隣り合うノズル12の間の開口を作動流体が通過するようになっている。
動翼構造体8は、複数の動翼13を有しており、タービンロータ3に設けられたロータディスク3aに植設されて固定されている。複数の動翼13は、周方向に配列されている。このような動翼13が作動流体から仕事を受けることにより、回転エネルギを得て、タービンロータ3が回転するようになっている。動翼13の外周側端部には、シュラウド14が設けられている。シュラウド14は、タービンロータ3の振動を抑制するためのものである。
本実施の形態によるラビリンスシール装置40は、ダイアフラム内輪11の内周側端部に、タービンロータ3に対向するように設けることができる。この場合、環状に形成されたラビリンスシール装置40を、回転体30としてのタービンロータ3が貫通するようになり、ラビリンスシール装置40の上流側(図2の左側)に高圧室15aが形成され、下流側(図2の右側)に低圧室15bが形成される。そして、ラビリンスシール装置40は、ダイアフラム内輪11と共に、これらの高圧室15aと低圧室15bとを隔てている。このようにして、高圧室15aから低圧室15bに向ってダイアフラム内輪11とタービンロータ3との間の隙間を通過して作動流体が流れて漏洩することを抑制している。このようなラビリンスシール装置40は、各ノズル構造体7のダイアフラム内輪11に設けることができる。
また、図2に示すように、本実施の形態によるラビリンスシール装置40は、ダイアフラム外輪10に、動翼構造体8のシュラウド14に対向するように設けることもできる。この場合、環状に形成されたラビリンスシール装置40を、回転体30としてのタービンロータ3および動翼構造体8が貫通するようになり、ラビリンスシール装置40の上流側に高圧室16aが形成され、下流側に低圧室16bが形成される。そして、ラビリンスシール装置40は、これらの高圧室16aと低圧室16bとを隔てている。このようにして、ダイアフラム外輪10とシュラウド14との間の隙間を通過して作動流体が流れて漏洩することを抑制している。このようなラビリンスシール装置40は、各ノズル構造体7のダイアフラム外輪10に設けることができる。
ところで、図1に示すように、外部ケーシング2bのうちタービンロータ3が貫通する部分に、グランドシール部20が設けられている。グランドシール部20は、複数のタービン段落の両側に配置されており、外部ケーシング2bの外側の雰囲気と内側の雰囲気とを区画している。
本実施の形態によるラビリンスシール装置40は、このグランドシール部20を構成することもできる。図3においては、3つのラビリンスシール装置40が、軸方向に互いに離間して配置されており、互いに隣り合うラビリンスシール装置40によって、高圧室21aおよび低圧室21bが形成されている。ここでは図面を明瞭にするために、一例として、中央に配置されたラビリンスシール装置40の両側に高圧室21aと低圧室21bとが形成され、このラビリンスシール装置40が、高圧室21aと低圧室21bとを隔てている例を示している。高圧室21aは、外部ケーシング2bの内部側に配置され、低圧室21bは、大気側に配置されている。ラビリンスシール装置40は、概略的には環状に形成されており、ラビリンスシール装置40を、回転体30としてのタービンロータ3が貫通している。
高圧室には、SSH(スチームシールヘッダ)配管22が連結されており、SSH配管22内の圧力は、高圧室21aの圧力が大気より僅かに高い圧力となるように調整されている。このことにより、高圧室21aは、低圧室21bより圧力が高くなっている。SSH配管22は、図示しないボイラに連結されており、このボイラから高圧室21aに作動流体が供給されるようになっている。
低圧室21bには、SPE(スチームパッキンエグゾースト)配管23が連結されており、SPE配管23内の圧力は、低圧室21bの圧力が常に大気より低い圧力(負圧)になるように調整されている。SPE配管23は、図示しない復水器またはグランドコンデンサに連結されており、SPE配管23に吸い込まれた蒸気は、復水器において凝縮されて水になる。また、SPE配管23に吸い込まれた空気は、真空ポンプやエグゼクターなどによってグランドシール系統の外部に排出される。
このように、本実施の形態によるラビリンスシール装置40は、軸流タービン1のノズル構造体7や、グランドシール部20等に用いることができ、いずれの場合においても、ラビリンスシール装置40が隔てる高圧室から低圧室に作動流体が漏洩することを抑制する。
次に、図4乃至図6を用いて、本実施の形態によるラビリンスシール装置40について説明する。ここで、ラビリンスシール装置40は、軸流型ターボ機械としての軸流タービン1の圧力容器(ケーシング)2に回転可能な回転体30が貫通し、回転体30の軸方向に並んで配置される高圧室31aと低圧室31bとを隔てるためのものである。
図4に示すように、ラビリンスシール装置40は、圧力容器2に固定されると共に高圧室31aと低圧室31bとの間に介在されたシールホルダ50と、シールホルダ50に保持されると共にシールホルダ50に対して半径方向に移動可能なシールセグメント60と、シールセグメント60の内周面に設けられたシールフィン70と、を備えている。このうちシールホルダ50は、例えば、軸流型ターボ機械の圧力容器としての内部ケーシング2aに、ダイアフラム内輪11(圧力隔壁と言うこともできる)若しくはダイアフラム外輪10を介して固定される。あるいは、シールホルダ50は、圧力容器としての外部ケーシング2bに直接的に固定される。なお、シールホルダ50は環状に形成されている。シールセグメント60は、後述する主弾性体80と共に、回転体30の周囲に複数設けられており、周方向に配列されている。これら複数のシールセグメント60は、シールホルダ50に保持されている。このようにしてラビリンスシール装置40は、環状に形成されている(図16参照)。
シールホルダ50は、ホルダ本体51と、ホルダ本体51の内周側に設けられ、後述するシールセグメント60のアゴ部61a、61bを保持するホルダ保持部52a、52bと、を有している。ホルダ保持部52a、52bのうち一方の高圧側ホルダ保持部52aは、軸方向において後述するシールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置より高圧室31aの側に設けられ、他方の低圧側ホルダ保持部52bは、当該軸方向中心位置より低圧室31bの側に設けられている。
各ホルダ保持部52a、52bは、図4の断面において回転体30の軸方向に延びており、互いに離間してホルダ本体51に固定されている。ホルダ本体51と一対のホルダ保持部52a、52bは、図4の断面で見たときに全体として概略的にC字状に形成されており、ホルダ本体51と一対のホルダ保持部52a、52bとによって、この断面で見たときに矩形状となるホルダ室53が画定されている。このようにして、ホルダ保持部52a、52bは、シールセグメント60のアゴ部61a、61b(後述)とシールセグメント60のフィン取付部62a、62b(後述)との間に介在されて、アゴ部61a、61bを保持するように構成されている。より具体的には、高圧側ホルダ保持部52aが、高圧側アゴ部61aと高圧側フィン取付部62aとの間に介在され、低圧側ホルダ保持部52bが、低圧側アゴ部61bと低圧側フィン取付部62bとの間に介在されている。なお、図4および図5は、回転体30の回転軸線X(図1参照)を含む断面であって、高圧室31aがシールホルダ50の左側に位置付けられると共に低圧室31bがシールホルダ50の右側に位置付けられる断面を示している。また、図5は、図面を明瞭にするために、ハッチングは省略している。
一対のホルダ保持部52a、52bの間には、ホルダ室53より内周側に設けられたホルダ開口部54が画定されている。ホルダ開口部54はホルダ室53に連通し、ホルダ室53は、ホルダ開口部54を介して回転体30の側に開口している。ホルダ室53の軸方向寸法は、ホルダ開口部54の軸方向寸法より大きくなっており、後述するシールセグメント60のアゴ部61a、61bが収容されて、ホルダ保持部52a、52bがアゴ部61a、61bを保持するようになっている。
低圧側ホルダ保持部52bのホルダ開口部54の側の面に、ジョイント面55(開口壁面)が設けられている。ジョイント面55はホルダ開口部54の一部を画定している。ジョイント面55には、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によってシールセグメント60の当接面64(後述)が当接する。
各ホルダ保持部52a、52bのホルダ室53の側の面に、基準面56a、56bが設けられている。基準面56a、56bには、定常状態においてシールセグメント60のアゴ部61a、61bが当接するようになっている。
このようなシールホルダ50は、図2に示すノズル構造体7に用いられる場合には、ダイアフラム内輪11の内周側端部に固定され、好適にはダイアフラム内輪11と一体に形成される。あるいは、シールホルダ50は、ダイアフラム外輪10に固定されて、好適にはダイアフラム外輪10と一体に形成される。また、図3に示すグランドシール部20に用いられる場合には、シールホルダ50は外部ケーシング2bに固定される。
シールセグメント60は、図4に示すように、シールホルダ50のホルダ室53内に収容されてシールホルダ50のホルダ保持部52a、52bに保持されるアゴ部(被保持部)61と、シールホルダ50のホルダ保持部52a、52bより内周側に設けられたフィン取付部62と、アゴ部61とフィン取付部62とを連結する当接部63と、を有している。このうち当接部63は、シールホルダ50のホルダ開口部54を貫通している。また、当接部63は、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によってシールホルダ50のジョイント面55に当接可能な当接面64を含んでいる。アゴ部61およびフィン取付部62は軸方向に延び、当接部63は半径方向に延びており、シールセグメント60は、図4の断面で見たときに全体として概略的にH字状に形成されている。
アゴ部61は、高圧側アゴ部61aと低圧側アゴ部61bとを含んでいる。このうち高圧側アゴ部61aは、軸方向において当接部63の軸方向中心位置より高圧室31aの側に設けられ、他方の低圧側アゴ部61bは、当該軸方向中心位置より低圧室31bの側に設けられている。高圧側アゴ部61aは、図5に示すy軸から高圧室31aの側に延びる部分に相当し、低圧側アゴ部61bは、y軸から低圧室31bの側に延びる部分に相当する。本実施の形態では、高圧側アゴ部61aの軸方向長さと、低圧側アゴ部61bの軸方向長さとは、略等しくなっており、高圧側アゴ部61aと低圧側アゴ部61bは、y軸に対して対称的に形成されている。
フィン取付部62は、高圧側フィン取付部62aと低圧側フィン取付部62bとを含んでいる。このうち高圧側フィン取付部62aは、軸方向において当接部63の軸方向中心位置より高圧室31aの側に設けられ、他方の低圧側フィン取付部62bは、当該軸方向中心位置より低圧室31bの側に設けられている。高圧側フィン取付部62aは、y軸から高圧室31aの側に延びる部分に相当し、低圧側フィン取付部62bは、y軸から低圧室31bの側に延びる部分に相当する。本実施の形態では、高圧側フィン取付部62aの軸方向長さと、低圧側フィン取付部62bの軸方向長さとは、略等しくなっており、高圧側フィン取付部62aと低圧側フィン取付部62bは、y軸に対して対称的に形成されている。
シールセグメント60のフィン取付部62a、62bの内周面には、上述したシールフィン70が設けられている。すなわち、シールフィン70は、高圧側フィン取付部62aの内周面と低圧側フィン取付部62bの内周面とにそれぞれ設けられている。
シールセグメント60のアゴ部61a、61bの半径方向厚さは、シールホルダ50のホルダ室53の半径方向高さより小さくなっており、アゴ部61a、61bとフィン取付部62a、62bとの間の半径方向距離は、シールホルダ50のホルダ保持部52a、52bの半径方向厚さより大きくなっている。このことにより、シールセグメント60は、シールホルダ50に対して半径方向に移動可能になっている。図4に示す定常状態においては、シールセグメント60は、後述する主弾性体80によって内周側に付勢されて、アゴ部61a、61bがシールホルダ50の基準面56a、56bに当接している。
シールセグメント60のアゴ部61a、61bの軸方向寸法は、シールホルダ50のホルダ室53の軸方向寸法より小さくなっており、シールセグメント60の当接部63の軸方向厚さは、シールホルダ50のホルダ開口部54の軸方向寸法より小さくなっている。このことにより、シールセグメント60は、シールホルダ50に対して軸方向に移動可能になっている。このため、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によって、シールセグメント60は低圧室31bの側に押圧されて、シールセグメント60の当接面64がシールホルダ50のジョイント面55に当接する。当接面64とジョイント面55は、滑らかに機械加工されているため、当接面64とジョイント面55との間を作動流体が通過することを抑制し、ホルダ室53を経由して高圧室31aから低圧室31bに作動流体が漏洩することを抑制している。
シールセグメント60は、主弾性体80によって内周側に付勢されている。図4に示す主弾性体80は板ばねとなっており、シールホルダ50のホルダ室53内に設けられて、シールホルダ50のホルダ本体51とシールセグメント60のアゴ部61a、61bとの間に介在されている。このことにより、主弾性体80は、静止側のシールホルダ50に対してアゴ部61a、61bを内周側に付勢し、押圧している。なお、板ばねを用いることにより、組立作業が繁雑になることを抑制し、作業性を向上させている。
本実施の形態においては、主弾性体80は、軸方向において、シールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置より低圧室31bの側に配置され、シールセグメント60に時計回りのモーメント(後述)を付与するようにシールセグメント60を付勢している。シールセグメント60がy軸に対して略対称の形状を有しており、主弾性体80は、当接部63の軸方向中心位置より低圧室31bの側に、すなわちy軸より低圧室31bの側に配置されている。そして、主弾性体80は、シールホルダ50のホルダ本体51とシールセグメント60の低圧側アゴ部61bとの間に介在され、低圧側アゴ部61bを内周側に付勢し、押圧している。なお、ラビリンスシール装置40がノズル構造体7に用いられている場合には、タービン段落6毎に高圧室31aと低圧室31bとの差圧が異なり、この差圧によってシールセグメント60が受けるモーメントM(後述)も異なり得る。この場合、各タービン段落6において、主弾性体80の弾性係数は同一としてもよいが、モーメントMに応じて異なる弾性係数としてもよい。
このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず、図4を用いて、ラビリンスシール装置40の定常状態について説明する。
定常状態においては、図4に示すように、主弾性体80の付勢力によって、シールセグメント60が内周側に付勢され、シールセグメント60のアゴ部61a、61bが、対応するシールホルダ50の基準面56a、56bに当接する。また、回転体30は、半径方向に関してほぼ一定の位置に静止しながら回転する。このことにより、回転体30とシールフィン70との間に所定の隙間を維持することができ、回転体30とシールフィン70との間の隙間の流体抵抗によって、当該隙間を通過して高圧室31aから低圧室31bへ作動流体が漏洩することを抑制することができる。また、回転体30がシールフィン70に接触することを防止でき、シールセグメント60が、回転体30から半径方向の力を受けることを回避できる。
次に、図5を用いて、ラビリンスシール装置40の過渡状態について説明する。
軸流タービン1の起動停止時や出力変化時などの過渡状態では、回転体30の振動状態の変化や圧力容器の熱変形などが原因で、回転体30が半径方向に移動してシールフィン70に接触し、シールセグメント60が回転体30から半径方向の力を受ける。この半径方向の力が所定の値より大きい場合、シールセグメント60が外周側に移動し、シールホルダ50の基準面56a、56bからシールセグメント60のアゴ部61a、61bが離間する。このことにより、回転体30とシールフィン70との重接触を回避することができ、シールフィン70の摩耗や回転体30の表面損傷を防止することができる。このような過渡状態が図5に示されている。
図5には、過渡状態においてシールセグメント60に作用する力が示されている。これらの力を示す符号と、各部の距離を示す符号の説明を以下に記す。
FS:シールセグメント60が主弾性体80から受ける付勢力
FH:シールセグメント60の高圧側フィン取付部62aが高圧室31a内の作動流体から受ける内周側への押圧力
FL:シールセグメント60の低圧側フィン取付部62bが低圧室31b内の作動流体から受ける内周側への押圧力
S:高圧室31aと低圧室31bとの差圧によって発生する軸方向の押圧力
W:シールセグメント60がジョイント面55から受ける垂直抗力
R:シールセグメント60が、回転体30との接触時に回転体30から受ける外周側への力
c:FHの作用点とy軸との距離
d:FLの作用点とy軸との距離
e:Sの作用点とx軸との距離
f:FSの作用点とy軸との距離
ここで、x軸は、シールホルダ50のジョイント面55の半径方向中心位置を通る回転体30の軸方向に沿って延びる軸であり、y軸は、シールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置(本実施の形態ではシールセグメント60の軸方向中心位置)を通る半径方向に沿って延びる軸である。押圧力FH、FLは、作動流体から受ける圧力を集中荷重に換算した力となっており、その作用点は、圧力を受ける面(外周面)の軸方向中心位置としている。なお、回転体30とシールフィン70との間の隙間の圧力は、一般的に低くなっていること。このことにより、高圧側フィン取付部62aは、その外周面に受ける高圧室31a内の作動流体の圧力によって内周側に押圧され、低圧側フィン取付部62bは、その外周面に受ける低圧室31b内の作動流体の圧力によって内周側に押圧される。また、押圧力Sは、作動流体から受ける圧力を集中荷重に換算した力となっており、その作用点は、シールセグメントの半径方向中心位置としている。
上述した力Rが、力FS、FH、FLの合力より大きくなると、シールセグメント60が外周側に移動する。このことにより、回転体30とシールフィン70との重接触が回避され、シールフィン70の摩耗や回転体30の表面損傷が防止される。
シールセグメント60は、図5に示すような力を受けることにより、シールホルダ50のジョイント面55からモーメントMを受ける。より具体的には、図5に示す断面で見たときに、シールセグメント60は、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によってシールホルダ50のジョイント面55から所定のモーメント原点を中心とする時計回りのモーメントMを受ける。本実施の形態においては、モーメント原点は、上述したx軸とy軸とが交わる点、すなわち、ジョイント面55の半径方向中心位置であって、シールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置としている。
x軸方向の力のつり合い、y軸方向の力のつり合い、およびモーメント原点を中心とするモーメントのつり合いは、以下のようになる。
W=S ・・・(5)
FS+FH+FL=R ・・・(6)
M+FL×d+FS×f=FH×c+S×e ・・・(7)
(5)式よりシールセグメント60がジョイント面55から受ける垂直抗力Wが求まる。(7)式より、シールセグメント60がジョイント面55から受けるモーメント原点を中心としたモーメントMが求まる。
本実施の形態のようにシールセグメント60がy軸に対して対称的に形成される場合には、c=dとなる。また、距離eは、図5では明瞭に示すために誇張して示しているが、通常、シールセグメント60の半径方向中心位置がx軸上またはその近傍に配置されるため、距離eは、距離cや距離dに比べて十分に小さくなる。よって、(7)式より、モーメントMは、
M≒(FH−FL)×c−FS×f ・・・(8)
となる。このようにして、シールセグメント60は、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によってジョイント面55から(8)式で示すモーメントMを受ける。
しかしながら、図17に示す形態に関する上述した(4)式と比較すると、(8)式で示されるモーメントMは、FS×fの分だけ小さくなる。すなわち、本実施の形態では、主弾性体80を当接部63の軸方向中心位置より低圧室31bの側に配置させることにより、シールセグメント60に時計回りのモーメントを付与することができ、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によってシールセグメント60がジョイント面55から受けるモーメントMを低減することができる。
図6に、上述した垂直抗力WとモーメントMとにより求められた、シールセグメント60がジョイント面55から受ける半径方向の圧力分布p(y)が示されている。図6に示すように、ジョイント面55からシールセグメント60が受ける圧力には、内周側(図6の下側)に向うほどに高くなるような勾配が生じているが、この圧力勾配は、図17に示す一般的なラビリンスシール装置40の圧力勾配に比べて緩やかになっている(図18参照)。すなわち、主弾性体80を当接部63の軸方向中心位置より低圧室31bの側に配置させたことにより、シールセグメント60がジョイント面55から受ける圧力の勾配を緩やかにすることができる。
このように本実施の形態によれば、シールセグメント60を内周側に付勢する主弾性体80が、軸方向においてシールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置より低圧室31bの側に配置されている。このことにより、シールセグメント60に、図5に示す断面で見たときに時計回りのモーメントを付与することができ、シールセグメント60が、シールホルダ50のジョイント面55から受けるモーメントMを低減することができる。このため、シールセグメント60がジョイント面55から受ける圧力の半径方向の勾配を緩やかにすることができ、圧力がジョイント面55の内周側部分に集中することを抑制できる。この結果、過渡状態において、シールセグメント60の半径方向の移動をスムースにすることができる。また、圧力が内周側部分に集中することを抑制できるため、過渡状態において、当接面64とジョイント面55との間を通過して作動流体が漏洩することを抑制できる。この作動流体の漏洩抑制は、定常状態においても得られる。
また、本実施の形態によれば、主弾性体80を軸方向において当接部63の軸方向中心位置より低圧室31bの側に配置することにより、シールセグメント60がジョイント面55から受けるモーメントMを低減することができる。この場合、シールセグメント60が受けるモーメントMを低減するために、部品を追加することが不要となる。このことにより、ラビリンスシール装置40の部品点数の増大を回避でき、構造を簡素化させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図7を用いて、本発明の第2の実施の形態におけるラビリンスシール装置および軸流型ターボ機械について説明する。
図7に示す第2の実施の形態においては、シールセグメントは、第2の主弾性体によって内周側に付勢されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図7において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7に示すように、シールセグメント60は、第2の主弾性体90によって内周側に付勢されている。第2の主弾性体90は、シールホルダ50のホルダ室53内に設けられて、シールホルダ50のホルダ本体51とシールセグメント60の高圧側アゴ部61aとの間に介在されている。このことにより、第2の主弾性体90は、静止側のシールホルダ50に対してシールセグメント60の高圧側アゴ部61aを内周側に付勢し、押圧している。この場合、第2の主弾性体90に、板ばねを用いることが可能となり、組立作業が繁雑になることを抑制し、作業性を向上させることができる。
第2の主弾性体90は、軸方向においてシールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置(y軸)より高圧室31aの側に配置されている。このことにより、第2の主弾性体90は、シールセグメント60に、図7に示す断面で見たときに、モーメント原点を中心とする反時計回りのモーメントを付与する。しかしながら、第2の主弾性体90によりシールセグメント60に付与される反時計回りのモーメントは、主弾性体80によりシールセグメント60に付与される時計回りのモーメントより小さくなっている。
本実施の形態においては、主弾性体80とy軸との距離が、第2の主弾性体90とy軸との距離と等しくなっており、主弾性体80と第2の主弾性体90は、y軸に対して対称的に配置されている。そして、第2の主弾性体90の弾性係数は、主弾性体80の弾性係数より小さくなっている。この場合、第2の主弾性体90によりシールセグメント60に付与される反時計回りのモーメントを、主弾性体80によりシールセグメント60に付与される時計回りのモーメントより、より一層確実に小さくすることができる。しかしながら、このことに限られることはなく、第2の主弾性体90がシールセグメント60に付与するモーメントが、主弾性体80がシールセグメント60に付与するモーメントより小さくなっていれば、主弾性体80とy軸との距離、第2の主弾性体90とy軸との距離、主弾性体80の弾性係数および第2の主弾性体90の弾性係数は、それぞれ任意である。
図7には、本実施の形態におけるラビリンスシール装置40の過渡状態が示されている。この際の力を示す符号と、各部の距離を示す符号のうち、図5とは異なる符号の説明を以下に記す。
FS1:シールセグメント60が主弾性体80から受ける付勢力
FS2:シールセグメント60が第2の主弾性体90から受ける付勢力
g:FS1またはFS2の作用点とy軸との距離
この場合、シールセグメント60が回転体30から受ける外周側への力Rが、力FS1、FS2、FH、FLの合力より大きくなると、シールセグメント60が外周側に移動する。
図7に示す形態におけるx軸方向の力のつり合い、y軸方向の力のつり合い、およびモーメント原点を中心とするモーメントのつり合いは、以下のようになる。
W=S ・・・(9)
FS1+FS2+FH+FL=R ・・・(10)
M+FL×d+FS1×g=FH×c+S×e+FS2×g ・・・(11)
(11)式より、モーメントMは、
M≒(FH−FL)×c−(FS1−FS2)×g ・・・(12)
となる。このようにして、シールセグメント60は、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によってジョイント面55から(12)式で示すモーメントMを受ける。
しかしながら、図17に示す形態に関する上述した(4)式と比較すると、(12)式で示されるモーメントMは、(FS1−FS2)×gの分だけ小さくなる。すなわち、本実施の形態では、主弾性体80を軸方向において当接部63の軸方向中心位置より低圧室31bの側に配置させると共に、第2の主弾性体90がシールセグメント60に付与するモーメントを、主弾性体80がシールセグメント60に付与するモーメントより小さくしている。このことにより、シールセグメント60がジョイント面55から受けるモーメントMが増大することを防止できる。
このように本実施の形態によれば、シールセグメント60を内周側に付勢する主弾性体80が、軸方向においてシールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置より低圧室31bの側に配置され、当該軸方向中心位置より高圧室31aの側に配置された第2の主弾性体90がシールセグメント60に付与するモーメントを、主弾性体80がシールセグメント60に付与するモーメントより小さくしている。このことにより、シールセグメント60に、図7の断面で見たときに時計回りのモーメントを付与することができ、シールセグメント60が、シールホルダ50のジョイント面55から受けるモーメントMを低減することができる。このため、シールセグメント60がジョイント面55から受ける圧力の半径方向の勾配を緩やかにすることができ、圧力がジョイント面55の内周側部分に集中することを抑制できる。この結果、過渡状態において、シールセグメント60の半径方向の移動をスムースにすることができる。また、圧力がジョイント面55の内周側部分に集中することを抑制できるため、過渡状態において、当接面64とジョイント面55との間を通過して作動流体が漏洩することを抑制できる。この作動流体の漏洩抑制は、定常状態においても得られる。
また、本実施の形態によれば、シールセグメント60は、主弾性体80だけでなく第2の主弾性体90によっても内周側に付勢される。このことにより、シールセグメント60を内周側に押圧する力を強めることができ、定常状態では、シールセグメント60のアゴ部61a、61bをより一層強い押圧力でシールホルダ50の基準面56a、56bに当接させることができる。このため、回転体30とシールフィン70との隙間を所定値に、より一層確実に維持することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、第2の主弾性体90が、y軸より高圧室31aの側に配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第2の主弾性体90は、y軸上に配置されていてもよい。この場合、第2の主弾性体90は、シールセグメント60に、モーメント原点を中心とするモーメントを付与することがないため、シールセグメント60が、シールホルダ50のジョイント面55から受けるモーメントMを低減することができる。また、この場合の第2の主弾性体90の弾性係数は任意とすることができる。
(第3の実施の形態)
次に、図8および図9を用いて、本発明の第3の実施の形態におけるラビリンスシール装置および軸流型ターボ機械について説明する。
図8および図9に示す第3の実施の形態においては、補助弾性体が、シールセグメントを外周側に付勢し、軸方向において当接部の軸方向中心位置より高圧室の側に配置されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図8および図9において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図8および図9に示すように主弾性体80は、軸方向においてシールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置(y軸上)に配置されている。この場合、主弾性体80は、シールセグメント60に、モーメント原点を中心とするモーメントを付与しない。しかしながら、主弾性体80は、後述するモーメントMを低減することができれば、y軸上に配置されることに限られない。
図9に示すように、シールセグメント60は、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によってシールホルダ50のジョイント面55からモーメント原点を中心とする時計回りのモーメントMを受ける。しかしながら、このモーメントMを低減するモーメントが、補助弾性体91によってシールセグメント60に付与されている。
すなわち、図8および図9に示すように、補助弾性体91は、シールセグメント60を外周側に付勢すると共に、軸方向において当接部63の軸方向中心位置(y軸)より高圧室31aの側に配置されている。このようにして、補助弾性体91は、図9に示す断面で見たときにシールセグメント60に時計回りのモーメントを付与するようにシールセグメント60を付勢している。
補助弾性体91は、シールホルダ50のホルダ室53内に設けられて、シールホルダ50の高圧側ホルダ保持部52aとシールセグメント60の高圧側アゴ部61aとの間に介在されている。このことにより、補助弾性体91は、静止側のシールホルダ50に対して、シールセグメント60の高圧側アゴ部61aを外周側に付勢し、押圧している。この場合、補助弾性体91に、板ばねを用いることが可能となり、組立作業が繁雑になることを抑制し、作業性を向上させることができる。なお、補助弾性体91は、高圧側ホルダ保持部52aに設けられた凹部93と、高圧側アゴ部61aに設けられた凹部94に挿入されていることが好適である。この場合、補助弾性体91が、軸方向に変位することを抑制できる。
図9には、本実施の形態におけるラビリンスシール装置40の過渡状態が示されている。この際の力を示す符号と、各部の距離を示す符号のうち、図5とは異なる符号の説明を以下に記す。
FA:シールセグメント60が補助弾性体91から受ける付勢力
h:FAの作用点とy軸との距離
以下に示すように、補助弾性体91の付勢力FAは、力FS、FH、FLの合力より小さくなっている。
FS+FH+FL>FA ・・・(13)
このことにより、定常状態においてシールセグメント60のアゴ部61a、61bをシールホルダ50の基準面56a、56bに当接させることができ、回転体30とシールフィン70との隙間が広がって作動流体が漏洩することを抑制できる。
そして、シールセグメント60が回転体30から受ける外周側への力Rと力FAの合力が、力FS、FH、FLの合力より大きくなると、シールセグメント60が外周側に移動する。
図9に示す形態におけるx軸方向の力のつり合い、y軸方向の力のつり合い、およびモーメント原点を中心とするモーメントのつり合いは、以下のようになる。
W=S ・・・(14)
FS+FH+FL=R+FA ・・・(15)
M+FL×d+FA×h=FH×c+S×e ・・・(16)
(16)式より、モーメントMは、
M≒(FH−FL)×c−FA×h ・・・(17)
となる。このようにして、シールセグメント60は、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によってジョイント面55から(17)式で示すモーメントMを受ける。
しかしながら、図17に示す形態に関する上述した(4)式と比較すると、(17)式で示されるモーメントMは、FA×hの分だけ小さくなる。すなわち、本実施の形態では、シールセグメント60を外周側に付勢する補助弾性体91を軸方向において当接部63の軸方向中心位置より高圧室31aの側に配置させることにより、シールセグメント60に時計回りのモーメントを付与することができ、シールセグメント60がジョイント面55から受けるモーメントMを低減することができる。
このように本実施の形態によれば、シールセグメント60を外周側に付勢する補助弾性体91が、軸方向においてシールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置より高圧室31aの側に配置されている。このことにより、シールセグメント60に、図9に示す断面で見たときに時計回りのモーメントを付与することができ、シールセグメント60がシールホルダ50のジョイント面55から受けるモーメントMを低減することができる。このため、シールセグメント60がジョイント面55から受ける圧力の半径方向の勾配を緩やかにすることができ、圧力がジョイント面55の内周側部分に集中することを抑制できる。この結果、過渡状態において、シールセグメント60の半径方向の移動をスムースにすることができる。また、圧力が内周側部分に集中することを抑制できるため、過渡状態において、当接面64とジョイント面55との間を通過して作動流体が漏洩することを抑制できる。この作動流体の漏洩抑制は、定常状態においても得られる。
なお、上述した本実施の形態においては、補助弾性体91が、板ばねとなっており、シールホルダ50のホルダ室53内に設けられて、シールセグメント60の高圧側アゴ部61aを外周側に付勢する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、図10および図11に示すように、補助弾性体91が、コイルばねとなり、ホルダ室53の外側に設けられて、シールセグメント60の高圧側フィン取付部62aを外周側に付勢するようにしてもよい。この場合、補助弾性体91は、シールホルダ50の高圧側ホルダ保持部52aとシールセグメント60の高圧側フィン取付部62aとの間に介在される。この補助弾性体91は、静止側のシールホルダ50に対して、シールセグメント60の高圧側フィン取付部62aを外周側に付勢して引っ張り、シールセグメント60に、図11に示す断面で見たときに時計回りのモーメントを付与することができる。
図11に示す形態におけるx軸方向の力のつり合い、y軸方向の力のつり合い、およびモーメント原点を中心とするモーメントのつり合いは、上述した(14)式、(15)式、(16)式と同様になり、シールセグメント60は、上述した(17)式で示すモーメントMをジョイント面55から受ける。このため、上述した(17)式で示されるモーメントMは、FA×hの分だけ小さくなり、シールセグメント60がジョイント面55から受けるモーメントMを低減することができる。
(第4の実施の形態)
次に、図12を用いて、本発明の第4の実施の形態におけるラビリンスシール装置および軸流型ターボ機械について説明する。
図12に示す第4の実施の形態においては、補助弾性体が、シールセグメントを内周側に付勢し、軸方向において当接部の軸方向中心位置より低圧室の側に配置されている点が主に異なり、他の構成は、図8および図9に示す第3の実施の形態と略同一である。なお、図12において、図8および図9に示す第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図12に示すように、補助弾性体92は、シールセグメント60を内周側に付勢すると共に、軸方向においてシールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置(y軸)より低圧室31bの側に配置されている。このようにして、補助弾性体92は、図12に示す断面で見たときにシールセグメント60に時計回りのモーメントを付与するようにシールセグメント60を付勢している。
補助弾性体92は、シールホルダ50のホルダ室53の外側に設けられて、シールホルダ50の低圧側ホルダ保持部52bとシールセグメント60の低圧側フィン取付部62bとの間に介在されている。このことにより、補助弾性体92は、静止側のシールホルダ50に対して、シールセグメント60の低圧側フィン取付部62bを内周側に付勢し、押圧している。この場合、補助弾性体92に、板ばねを用いることが可能となり、組立作業が繁雑になることを抑制し、作業性を向上させることができる。なお、補助弾性体92は、低圧側ホルダ保持部52bに設けられた凹部93と、低圧側フィン取付部62bに設けられた凹部94に挿入されていることが好適である。この場合、補助弾性体92が、軸方向に変位することを抑制できる。
図12には、本実施の形態におけるラビリンスシール装置40の過渡状態が示されている。この際の力を示す符号と、各部の距離を示す符号のうち、図9とは異なる符号の説明を以下に記す。
FB:シールセグメント60が補助弾性体92から受ける付勢力
i:FBの作用点とy軸との距離
シールセグメント60が回転体30から受ける外周側への力Rが、力FS、FH、FL、FBの合力より大きくなると、シールセグメント60が外周側に移動する。
図12に示す形態におけるx軸方向の力のつり合い、y軸方向の力のつり合い、およびモーメント原点を中心とするモーメントのつり合いは、以下のようになる。
W=S ・・・(18)
FS+FH+FL+FB=R ・・・(19)
M+FL×d+FB×i=FH×c+S×e ・・・(20)
(20)式より、モーメントMは、
M≒(FH−FL)×c−FB×i ・・・(21)
となる。このようにして、シールセグメント60は、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によってジョイント面55から(21)式で示すモーメントMを受ける。
しかしながら、図17に示す形態に関する上述した(4)式と比較すると、(21)式で示されるモーメントMは、FB×iの分だけ小さくなる。すなわち、本実施の形態では、シールセグメント60を内周側に付勢する補助弾性体92を軸方向において当接部63の軸方向中心位置より低圧室31bの側に配置させることにより、シールセグメント60に時計回りのモーメントを付与することができ、シールセグメント60がジョイント面55から受けるモーメントMを低減することができる。
このように本実施の形態によれば、シールセグメント60を内周側に付勢する補助弾性体92が、軸方向においてシールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置より低圧室31bの側に配置されている。このことにより、シールセグメント60に、図12に示す断面で見たときに時計回りのモーメントを付与することができ、シールセグメント60がシールホルダ50のジョイント面55から受けるモーメントMを低減することができる。このため、シールセグメント60がジョイント面55から受ける圧力の半径方向の勾配を緩やかにすることができ、圧力がジョイント面55の内周側部分に集中することを抑制できる。この結果、過渡状態において、シールセグメント60の半径方向の移動をスムースにすることができる。また、圧力が内周側部分に集中することを抑制できるため、過渡状態において、当接面64とジョイント面55との間を通過して作動流体が漏洩することを抑制できる。この作動流体の漏洩抑制は、定常状態においても得られる。
なお、上述した本実施の形態においては、補助弾性体92が、板ばねとなっており、シールホルダ50のホルダ室53の外側に設けられて、シールセグメント60の低圧側フィン取付部62bを内周側に付勢する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、図13に示すように、補助弾性体92が、コイルばねとなり、ホルダ室53内に設けられて、シールセグメント60の低圧側アゴ部61bを内周側に付勢するようにしてもよい。この場合、シールホルダ50の低圧側ホルダ保持部52bとシールセグメント60の低圧側アゴ部61bとの間に介在される。この補助弾性体92は、静止側のシールホルダ50に対して、シールセグメント60の低圧側アゴ部61bを内周側に付勢して引っ張り、シールセグメント60に、図13に示す断面で見たときに時計回りのモーメントを付与することができる。
(第5の実施の形態)
次に、図14を用いて、本発明の第5の実施の形態におけるラビリンスシール装置および軸流型ターボ機械について説明する。
図14に示す第7の実施の形態においては、シールセグメントの低圧側フィン取付部の軸方向長さが、高圧側フィン取付部の軸方向長さより長くなっている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図14において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図14に示すように、主弾性体80は、軸方向においてシールセグメント60の当接部63の軸方向中心位置(y軸上)に配置されている。この場合、主弾性体80は、シールセグメント60に、モーメント原点を中心とするモーメントを付与しない。しかしながら、主弾性体80は、後述するモーメントM’を低減することができれば、y軸上に配置されることに限られない。
シールセグメント60の低圧側フィン取付部62bの軸方向長さは、高圧側フィン取付部62aの軸方向長さより長くなっている。このことにより、低圧側フィン取付部62bが低圧室31b内の作動流体から圧力を受ける受圧面積が、高圧側フィン取付部62aが高圧室31a内の作動流体から圧力を受ける受圧面積より大きくなっている。
図14には、本実施の形態におけるラビリンスシール装置40の過渡状態が示されている。この際の力を示す符号と、各部の距離を示す符号のうち、図5とは異なる符号の説明を以下に記す。
FH’:シールセグメント60の高圧側フィン取付部62aが高圧室31a内の作動流体から受ける内周側への押圧力
FL’:シールセグメント60の低圧側フィン取付部62bが低圧室31b内の作動流体から受ける内周側への押圧力
kH:高圧側フィン取付部62aの軸方向長さ
kL:低圧側フィン取付部62bの軸方向長さ
c’:FH’の作用点とy軸との距離
d’:FL’の作用点とy軸との距離
j’:Rの作用点とy軸との距離
シールセグメント60は、このような力を受けることにより、上述したモーメントMと同様に、シールホルダ50のジョイント面55からモーメントM’を受ける。より具体的には、図14に示す断面で見たときに、シールセグメント60は、高圧室31aと低圧室31bとの差圧によってシールホルダ50のジョイント面55からモーメント原点を中心とする時計回りのモーメントを受ける。本実施の形態においても、モーメント原点は、上述したx軸とy軸とが交わる点としている。
x軸方向の力のつり合い、y軸方向の力のつり合い、およびモーメント原点を中心とするモーメントのつり合いは、以下のようになる。
W=S ・・・(22)
FS+FH’+FL’=R ・・・(23)
M’+FL’×d’=FH’×c’+S×e+R×j ・・・(24)
距離eは、図14では明瞭に示すために誇張して示しているが、通常、シールセグメント60の半径方向中心位置がx軸上またはその近傍に配置されるため、距離eは、距離c’や距離d’に比べて十分に小さくなる。よって、(24)式より、モーメントM’は、
M’≒FH’×c’−FL’×d’+R×j ・・・(25)
となる。このようにして、シールセグメント60は、高圧室31aと低圧室31bとの差圧と、力Rとによってジョイント面55から(25)式で示すモーメントM’を受ける。
ここで、図17に示す形態では、シールセグメント60がジョイント面55から受けるモーメントMは、(4)式を変形して、
M≒FH×c−FL×d ・・・(26)
と表せる。(25)式から(26)式を差し引くと
M’−M=(FH’×c’−FH×c)+(−FL’×d’+FL×d)+R×j
・・・(27)
が得られる。
本実施の形態では、低圧側フィン取付部62bの軸方向長さkLを、高圧側フィン取付部62aの軸方向長さkHより長くしている。このことにより、c’<c、d’>dとなる。また、距離kLを距離kHより長くすることにより、高圧側フィン取付部62aの受圧面積は大きくなり、低圧側フィン取付部62bの受圧面積は小さくなる。このため、FH’<FH、FL’>FLとなる。従って、FH’×c’<FH×c、FL’×d’>FL×dとなる。
このことにより、[(FH’×c’−FH×c)+(−FL’×d’+FL×d)]という項は負の値をとることができる。このため、M’−Mは、R×jの値に応じて負の値をとることができ、この場合にはM’を(26)式で示されるMより小さくすることができる。すなわち、想定される力Rの大きさに応じて、距離kHおよび距離kLを調整することにより、モーメントM’を小さくすることができる。
ここで、本実施の形態では、距離kLを距離kHより長くしている。距離c’および距離d’は、距離kL(または距離kH)の一次関数として定められる。また、押圧力FH’および押圧力FL’は、作動流体の圧力に受圧面積を乗ずることにより得られるため、これらFH’およびFL’も、距離kLの一次関数として定められる。この結果、FH’×c’およびFL’×d’は、距離kLの二次関数として定められる。
一方、距離jは、距離kL(または距離kH)の一次関数として定められ、その結果、R×jは、距離kLの一次関数として定められる。
このため、(27)式における[(FH’×c’−FH×c)+(−FL’×d’+FL×d)]という項は、R×jという項より距離kLの影響を強く受けるため、想定される力Rの大きさに応じて、距離kHおよび距離kLを調整することにより、モーメントM’を小さくすることができる。
このように本実施の形態によれば、低圧側フィン取付部62bの軸方向長さを、高圧側フィン取付部62aの軸方向長さより長くしている。このことにより、低圧側フィン取付部62bが低圧室31b内の作動流体から受ける圧力を増大させ、高圧側フィン取付部62aが高圧室31a内の作動流体から受ける圧力を増大させることができ、シールセグメント60が、シールホルダ50のジョイント面55から受けるモーメントM’を低減することができる。このため、シールセグメント60がジョイント面55から受ける圧力の半径方向の勾配を緩やかにすることができ、圧力がジョイント面55の内周側部分に集中することを抑制できる。この結果、過渡状態において、シールセグメント60の半径方向の移動をスムースにすることができる。また、圧力が内周側部分に集中することを抑制できるため、過渡状態において、当接面64とジョイント面55との間を通過して作動流体が漏洩することを抑制できる。この作動流体の漏洩抑制は、定常状態においても得られる。
また、本実施の形態によれば、シールセグメント60が受けるモーメントM’を低減するために、部品を追加することが不要となる。このことにより、ラビリンスシール装置40の部品点数の増大を回避でき、構造を簡素化させることができる。
以上述べた実施の形態によれば、過渡状態において、シールセグメント60の半径方向の移動をスムースにすると共に作動流体の漏洩を防止することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
1 軸流タービン
2 ケーシング
30 回転体
31a 高圧室
31b 低圧室
40 ラビリンスシール装置
50 シールホルダ
53 ホルダ室
54 ホルダ開口部
55 ジョイント面
60 シールセグメント
61 アゴ部
62 フィン取付部
63 当接部
64 当接面
70 シールフィン
80 主弾性体
90 第2の主弾性体
91、92 補助弾性体

Claims (9)

  1. 軸流型ターボ機械の圧力容器に回転可能な回転体が貫通し、前記回転体の軸方向に並んで配置される高圧室と低圧室とを隔てるラビリンスシール装置であって、
    前記圧力容器に固定されると共に前記高圧室と前記低圧室との間に介在されるシールホルダであって、ホルダ開口部を介して前記回転体の側に開口するホルダ室と、前記ホルダ開口部の一部を画定する開口壁面と、を有するシールホルダと、
    前記シールホルダに対して半径方向に移動可能なシールセグメントであって、前記ホルダ室内に収容されて前記シールホルダに保持される被保持部と、前記シールホルダより内周側に設けられたフィン取付部と、前記シールホルダの前記ホルダ開口部を貫通して前記被保持部と前記フィン取付部とを連結し、前記シールホルダの前記開口壁面に当接可能な当接部と、を有するシールセグメントと、
    前記シールセグメントの前記フィン取付部の内周面に設けられたシールフィンと、
    前記シールセグメントを内周側に付勢する主弾性体と、を備え、
    前記回転体の回転軸線を含む断面であって、前記高圧室が前記シールホルダの左側に位置付けられると共に前記低圧室が前記シールホルダの右側に位置付けられる断面で見たときに、前記シールセグメントは、前記高圧室と前記低圧室との差圧によって、前記シールホルダの前記開口壁面から、前記開口壁面の半径方向中心位置であって前記当接部の軸方向中心位置を中心とする時計回りのモーメントを受け、
    前記主弾性体は、軸方向において前記当接部の軸方向中心位置より前記低圧室の側に配置され、前記シールセグメントに時計回りのモーメントを付与するように前記シールセグメントを付勢していることを特徴とするラビリンスシール装置。
  2. 前記シールセグメントを内周側に付勢する第2の主弾性体を更に備え、
    前記第2の主弾性体は、軸方向において前記当接部の軸方向中心位置より前記高圧室の側に配置され、前記断面で見たときに、前記シールセグメントに前記開口壁面の半径方向中心位置であって前記当接部の軸方向中心位置を中心とする反時計回りのモーメントを付与するように前記シールセグメントを付勢し、
    前記第2の主弾性体により付与される反時計回りのモーメントは、前記主弾性体により付与される時計回りのモーメントより小さいことを特徴とする請求項1に記載のラビリンスシール装置。
  3. 前記第2の主弾性体の弾性係数は、前記主弾性体の弾性係数より小さいことを特徴とする請求項2に記載のラビリンスシール装置。
  4. 軸流型ターボ機械の圧力容器に回転可能な回転体が貫通し、前記回転体の軸方向に並んで配置される高圧室と低圧室とを隔てるラビリンスシール装置であって、
    前記圧力容器に固定されると共に前記高圧室と前記低圧室との間に介在されるシールホルダであって、ホルダ開口部を介して前記回転体の側に開口するホルダ室と、前記ホルダ開口部の一部を画定する開口壁面と、を有するシールホルダと、
    前記シールホルダに対して半径方向に移動可能なシールセグメントであって、前記ホルダ室内に収容されて前記シールホルダに保持される被保持部と、前記シールホルダより内周側に設けられたフィン取付部と、前記シールホルダの前記ホルダ開口部を貫通して前記被保持部と前記フィン取付部とを連結し、前記シールホルダの前記開口壁面に当接可能な当接部と、を有するシールセグメントと、
    前記シールセグメントの前記フィン取付部の内周面に設けられたシールフィンと、
    前記シールセグメントを内周側に付勢する主弾性体と、
    前記シールセグメントを付勢する補助弾性体と、を備え、
    前記回転体の回転軸線を含む断面であって、前記高圧室が前記シールホルダの左側に位置付けられると共に前記低圧室が前記シールホルダの右側に位置付けられる断面で見たときに、前記シールセグメントは、前記高圧室と前記低圧室との差圧によって、前記シールホルダの前記開口壁面から、前記開口壁面の半径方向中心位置であって前記当接部の軸方向中心位置を中心とする時計回りのモーメントを受け、
    前記補助弾性体は、前記シールセグメントに時計回りのモーメントを付与するように前記シールセグメントを付勢していることを特徴とするラビリンスシール装置。
  5. 前記補助弾性体は、前記シールセグメントを外周側に付勢すると共に、軸方向において、前記当接部の軸方向中心位置より前記高圧室の側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のラビリンスシール装置。
  6. 前記補助弾性体の付勢力は、前記主弾性体の付勢力と、前記シールセグメントの前記フィン取付部が前記高圧室内の流体から受ける内周側への押圧力と、前記フィン取付部が前記低圧室内の流体から受ける内周側への押圧力との合力より小さいことを特徴とする請求項5に記載のラビリンスシール装置。
  7. 前記補助弾性体は、前記シールセグメントを内周側に付勢すると共に、軸方向において、前記当接部の軸方向中心位置より前記低圧室の側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のラビリンスシール装置。
  8. 軸流型ターボ機械の圧力容器に回転可能な回転体が貫通し、前記回転体の軸方向に並んで配置される高圧室と低圧室とを隔てるラビリンスシール装置であって、
    前記圧力容器に固定されると共に前記高圧室と前記低圧室との間に介在されるシールホルダであって、ホルダ開口部を介して前記回転体の側に開口するホルダ室と、前記ホルダ開口部の一部を画定する開口壁面と、を有するシールホルダと、
    前記シールホルダに対して半径方向に移動可能なシールセグメントであって、前記ホルダ室内に収容されて前記シールホルダに保持される被保持部と、前記シールホルダより内周側に設けられたフィン取付部と、前記シールホルダの前記ホルダ開口部を貫通して前記被保持部と前記フィン取付部とを連結し、前記シールホルダの前記開口壁面に当接可能な当接部と、を有するシールセグメントと、
    前記シールセグメントの前記フィン取付部の内周面に設けられたシールフィンと、
    前記シールセグメントを内周側に付勢する主弾性体と、を備え、
    前記回転体の回転軸線を含む断面であって、前記高圧室が前記シールホルダの左側に位置付けられると共に前記低圧室が前記シールホルダの右側に位置付けられる断面で見たときに、前記シールセグメントは、前記高圧室と前記低圧室との差圧によって、前記シールホルダの前記開口壁面から、前記開口壁面の半径方向中心位置であって前記当接部の軸方向中心位置を中心とする時計回りのモーメントを受け、
    前記フィン取付部は、軸方向において前記当接部の軸方向中心位置より前記高圧室の側に設けられた高圧側フィン取付部と、前記当接部の軸方向中心位置より前記低圧室の側に設けられた低圧側フィン取付部と、を含み、
    前記低圧側フィン取付部の軸方向長さは、前記高圧側フィン取付部の軸方向長さより長いことを特徴とするラビリンスシール装置。
  9. 前記回転体と、前記高圧室と、前記低圧室と、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の前記ラビリンスシール装置と、を備えたことを特徴とする軸流型ターボ機械。
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