JP2017057494A - 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法及び有機半導体素子の製造方法 - Google Patents

蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法及び有機半導体素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸着マスクの変形を抑制するとともに、蒸着品質の向上を図る。【解決手段】蒸着マスク20は、一方の面20a及び一方の面20aと対向する他方の面20bを備え、蒸着マスク20は、複数の貫通孔25及び各貫通孔25を仕切る仕切部26を有し、仕切部26は、蒸着マスク20の一方の面20aの一部をなす第1面26aと、第1面26aと対向する第2面26bとを有し、仕切部26は、当該仕切部26の延在方向に直交する断面において、第1面26aが当該仕切部26の外側に向かって凸をなすように湾曲している。【選択図】図4

Description

本発明は、複数の貫通孔が形成された蒸着マスク、及び、蒸着マスクの製造方法に関する。また本発明は、有機半導体素子の製造方法に関する。
近年、スマートフォンやタブレットPC等の持ち運び可能なデバイスで用いられる表示装置に対して、高精細であること、例えば画素密度が400ppi以上であることが求められている。また、持ち運び可能なデバイスにおいても、ウルトラフルハイビジョンに対応することへの需要が高まっており、この場合、表示装置の画素密度が例えば800ppi以上であることが求められる。
表示装置の中でも、応答性の良さ、消費電力の低さやコントラストの高さのため、有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置の画素を形成する方法として、所望のパターンで配列された貫通孔を含む蒸着マスクを用い、所望のパターンで画素を形成する方法が知られている。具体的には、はじめに、有機EL表示装置用の有機EL基板(被蒸着基板)に対して蒸着マスクを密着させ、次に、密着させた蒸着マスクおよび有機EL基板を共に蒸着装置に投入し、有機材料を有機EL基板に蒸着させる蒸着工程を行う。この場合、高い画素密度を有する有機EL表示装置を精密に作製するためには、蒸着マスクの貫通孔の位置や形状を設計に沿って精密に再現することが求められる。
蒸着マスク製造方法として、エッチング処理による方法も知られているが、蒸着マスクの厚みを低減し得る方法として、例えば特許文献1に開示されているように、めっき処理を利用して蒸着マスクを製造する方法が知られている。例えば特許文献1に記載の方法においては、はじめに、導電性を有する基材を準備する。次に、基材の上に、所定の隙間を空けてレジストパターンを形成する。このレジストパターンは、蒸着マスクの貫通孔が形成されるべき位置に設けられている。その後、レジストパターンの隙間にめっき液を供給して、電解めっき処理によって基材の上に金属層を析出させる。その後、金属層を基材から分離させることにより、複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを得ることができる。
特開2001−234385号公報
蒸着材料を有機EL基板に蒸着させる蒸着工程においては、蒸着マスクに向かって飛来した蒸着材料は、貫通孔を通過して有機EL基板に付着する。この場合、蒸着材料は、有機EL基板に向けて蒸着マスクの法線方向に沿って移動するだけでなく、蒸着マスクの法線方向に対して大きく傾斜した方向に移動することもある。このことにより、蒸着材料の一部が貫通孔の壁面に付着し、堆積してしまい、いわゆる蒸着シャドーが発生する。この場合、蒸着材料の利用効率が低下し得るとともに、有機EL基板に付着した蒸着材料の厚みが不均一となり、蒸着品質が低下するおそれがある。蒸着材料の厚みが不均一となると、画素全体を一様の強度で発光できなくなるという問題が生じ得る。
そこで、蒸着シャドーの発生を抑制するために、蒸着マスクの厚みを薄くすることが考えられている。めっき処理を利用して蒸着マスクを製造する方法において、例えば10μm以下の厚みで蒸着マスクの金属層を製作することは実現可能である。しかしながら、金属層の厚みを薄くすると、蒸着マスクの強度が低下してしまう。このような蒸着マスクを繰り返して使用する場合、有機EL基板への蒸着マスクの着脱時や、蒸着マスクの超音波洗浄時に、蒸着マスクの変形が生じるおそれがある。
また、蒸着工程の際には、磁石からの磁力によって蒸着マスクと有機EL基板とが密着するようになるが、蒸着マスクの厚みが薄くなると、蒸着マスクに作用する吸着力が低下し、蒸着マスクと有機EL基板との密着性が低下し得る。この場合、蒸着マスクと有機EL基板との間に微小な隙間が形成され、この隙間に蒸着材料が入り込み得る。このため、蒸着材料により形成される画素の形状精度が低下し、蒸着品質が低下するおそれがある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、蒸着マスクの変形を抑制するとともに、蒸着品質の向上を図ることを目的とする。
本発明の蒸着マスクは、
一方の面及び前記一方の面と対向する他方の面を備えた蒸着マスクであって、
前記蒸着マスクは、複数の貫通孔及び各貫通孔を仕切る仕切部を有し、
前記仕切部は、前記蒸着マスクの前記一方の面の一部をなす第1面と、前記第1面と対向する第2面とを有し、
前記仕切部は、当該仕切部の延在方向に直交する断面において、前記第1面が当該仕切部の外側に向かって凸をなすように湾曲している。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記蒸着マスクの板面と平行且つ前記仕切部の延在方向に直交する方向を前記仕切部の幅方向とし、前記断面を含む平面内での、前記第1面の前記幅方向の端部から前記幅方向の中央部へ向かって前記幅方向に沿って所定の距離だけ内側に入った前記第1面上の点における前記第1面への接線と、前記蒸着マスクの板面と平行をなす直線と、のなす角度は、10°以上45°以下であってもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記断面における、前記第1面の曲率半径は、2μm以上35μm以下であってもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記蒸着マスクの板面と平行且つ前記仕切部の延在方向に直交する方向を前記仕切部の幅方向とし、前記幅方向の中央部における前記第1面の前記第2面からの高さは、前記幅方向の端部における前記第1面の前記第2面からの高さよりも高くてもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記幅方向の中央部における前記第1面の前記第2面からの高さと、前記幅方向の端部における前記第1面の前記第2面からの高さとの差は、0.15μm以上3.5μm以下であってもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記幅方向の中央部における前記第1面の前記第2面からの高さは2μm以上20μm以下であってもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記仕切部の前記幅方向に沿った幅は3μm以上15μm以下であってもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記仕切部の第2面側に、前記仕切部の前記幅方向に沿った幅よりも広い幅を有するウィング部が配置されていてもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記仕切部はめっき層で形成されていてもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、所定のパターンで前記貫通孔が形成された金属層を備え、前記貫通孔のうち前記他方の面上に位置する部分を第1開口部と称し、前記貫通孔のうち前記一方の面上に位置する部分を第2開口部と称する場合、前記貫通孔は、前記蒸着マスクの法線方向に沿って前記蒸着マスクを見た場合に、前記第2開口部の輪郭が前記第1開口部の輪郭を囲うよう構成されており、前記他方の面には窪み部が形成されていてもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記他方の面のうち前記窪み部が形成されていない部分の幅は、0.5μm以上5.0μm以下の範囲内であってもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記金属層は、前記第1開口部及び前記窪み部が形成された第1金属層と、前記第1金属層に積層され、前記第2開口部が形成された第2金属層と、を有してもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記蒸着マスクの法線方向に沿って前記蒸着マスクを見た場合に、前記第1金属層と前記第2金属層とが接続される接続部の輪郭は、前記第1金属層に形成された前記窪み部の輪郭を囲っていてもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記第1金属層のうち前記第2金属層に接続される部分の厚みは、5μm以下であってもよい。
本発明の蒸着マスクにおいて、前記金属層は、めっき層であってもよい。
本発明の蒸着マスクの製造方法は、
複数の貫通孔が形成された蒸着マスクの製造方法であって、
基材の表面上に、所定の隙間を空けてめっき用レジストパターンを形成するめっき用レジスト形成工程と、
前記めっき用レジストパターンの前記隙間に金属層を析出させるめっき処理工程と、
前記金属層を前記基材の前記表面から分離させる分離工程と、を備え、
前記めっき処理工程では、前記めっき用レジストパターンの高さよりも低い高さまで前記金属層を析出させる。
本発明の有機半導体素子の製造方法は、
上述の蒸着マスクを準備する工程と、
前記蒸着マスクを使用して、被蒸着基板に蒸着材料をパターン状に蒸着させる工程と、を備える。
本発明によれば、蒸着マスクの変形を抑制するとともに、蒸着品質の向上を図ることができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例を示す概略平面図である。 図2Aは、図1の蒸着マスク装置を用いて蒸着する方法を説明するための図である。 図2Bは、図1の蒸着マスク装置を用いて製造した有機EL表示装置を示す断面図である。 図3は、図1の蒸着マスクを示す部分平面図である。 図4は、図3の蒸着マスクのIV−IV線に対応する断面を示す図である。 図5Aは、図4の蒸着マスクの仕切部を示す部分拡大図である。 図5Bは、図5Aの仕切部に対応する図であって、本実施の形態の仕切部による効果について説明するための図である。 図6Aは、図4の蒸着マスクを製造するために用いられるパターン基板を製造する方法の一例の一工程を示す図である。 図6Bは、図4の蒸着マスクを製造するために用いられるパターン基板を製造する方法の一例の一工程を示す図である。 図6Cは、図4の蒸着マスクを製造するために用いられるパターン基板を製造する方法の一例の一工程を示す図である。 図6Dは、図4の蒸着マスクを製造するために用いられるパターン基板を製造する方法の一例の一工程を示す図である。 図7Aは、図4の蒸着マスクをめっき処理によって製造する方法の一例の一工程を示す図である。 図7Bは、図4の蒸着マスクをめっき処理によって製造する方法の一例の一工程を示す図である。 図7Cは、図4の蒸着マスクをめっき処理によって製造する方法の一例の一工程を示す図である。 図7Dは、図7Cの蒸着マスクの一部を示す部分拡大図である。 図8は、図5Aに対応する図であって、蒸着マスクの変形例を示す部分拡大図である。 図9は、窪み部が明示された蒸着マスクを示す断面図である。 図10は、図9に示す蒸着マスクを拡大して示す断面図である。 図11は、蒸着マスクを他方の面側から見て示す平面図である。 図12Aは、有機EL基板の面方向における蒸着マスクの位置を調整する位置調整工程を示す図である。 図12Bは、蒸着マスクを有機EL基板に密着させる密着工程を示す図である。 図12Cは、蒸着マスクの窪み部の窪み面が有機EL基板に密着する例を示す図である。 図13は、蒸着マスクの複数の貫通孔の配置の一変形例を示す平面図である。 図14は、パターン基板の導電性パターンの一例を拡大して示す断面図である。 図15は、図14に示すパターン基板を用いて第1成膜工程を実施した場合に得られる蒸着マスクを拡大して示す断面図である。 図16は、パターン基板の導電性パターンのその他の例を拡大して示す断面図である。 図17は、図16に示すパターン基板を用いて第1成膜工程を実施した場合に得られる蒸着マスクを拡大して示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図7Dは、本発明の一実施の形態を説明するための図である。以下の実施の形態では、有機EL表示装置を製造する際に有機材料を所望のパターンで基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスクを例にあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられる蒸着マスクに対し、本発明を適用することができる。
なお、本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板」は、「シート」や「フィルム」と呼ばれ得るような部材も含む概念である。
また、「板面(シート面、フィルム面)」とは、対象となる板状(シート状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となる板状部材(シート状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。また、板状(シート状、フィルム状)の部材に対して用いる法線方向とは、当該部材の板面(シート面、フィルム面)に対する法線方向のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件および物理的特性並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」、「同等」等の用語や長さや角度並びに物理的特性の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(蒸着マスク装置)
まず、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例について、図1〜図2Bを参照して説明する。ここで、図1は、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例を示す平面図であり、図2Aは、図1に示す蒸着マスク装置の使用方法を説明するための図であり、図2Bは、図1の蒸着マスク装置を用いて製造した有機EL表示装置を示す断面図である。
図1及び図2Aに示された蒸着マスク装置10は、平面視において略矩形状の形状を有する複数の蒸着マスク20と、複数の蒸着マスク20の周縁部に取り付けられたフレーム15と、を備えている。蒸着マスク20は、蒸着マスク20の長手方向における一対の端部において、フレーム15に取り付けられている。フレーム15は、蒸着マスク20が撓んでしまうことがないように蒸着マスク20を張った状態に保持する。蒸着マスク20とフレーム15とは、例えばスポット溶接により互いに対して固定されている。各蒸着マスク20には、蒸着マスク20を貫通する複数の貫通孔25が設けられている。
次に、図2Aを参照して、有機EL表示装置(有機半導体素子)100を製造する方法について説明する。まず、蒸着マスク20と、フレーム15とを準備する。次に、上述したように、蒸着マスク20をフレーム15に取り付けることにより、蒸着マスク装置10を作製する。その後、蒸着マスク装置10を使用して、有機EL基板(被蒸着基板)92に蒸着材料98をパターン状に蒸着させる。このようにして、図2Bに示すように、有機EL基板92に、蒸着材料98によってパターン状の画素が形成された有機EL表示装置100が作製される。
蒸着材料98を有機EL基板92に蒸着させる際、この蒸着マスク装置10は、図2Aに示すように、蒸着マスク20が蒸着対象物である基板(被蒸着基板)、例えば有機EL基板92の下面に対面するようにして蒸着装置90内に支持され、有機EL基板92への蒸着材料98の蒸着に使用される。
より具体的には、蒸着装置90内では、不図示の磁石からの磁力によって、蒸着マスク20と有機EL基板92とが密着するようになる。蒸着装置90内には、蒸着マスク装置10の下方に、蒸着材料(一例として、有機発光材料)98を収容するるつぼ94と、るつぼ94を加熱するヒータ96とが配置されている。蒸着装置90内を高真空に減圧した後、るつぼ94内の蒸着材料98は、ヒータ96からの加熱により、気化または昇華して有機EL基板92の表面に付着するようになる。上述したように、蒸着マスク20には多数の貫通孔25が形成されており、蒸着材料98はこの貫通孔25を通過して有機EL基板92に付着する。この結果、蒸着マスク20の貫通孔25の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料98が有機EL基板92の表面に成膜される。図2Aにおいて、蒸着マスク20の面のうち蒸着工程の際に有機EL基板92と対向する面が符号20bで表されている。また、蒸着マスク20の面のうち面20bの反対側に位置する面が符号20aで表されている。面20a側には、蒸着材料98の蒸着源(ここではるつぼ94)が配置される。以降、蒸着マスク20の面20aを一方の面20aと呼び、一方の面20aと対向する面20bを他方の面20bと呼ぶ。
上述したように、本実施の形態では、貫通孔25が後述の各有効領域22において所定のパターンで配置されている。なお、複数の色によるカラー表示を行いたい場合には、各色に対応する蒸着マスク20が搭載された蒸着機をそれぞれ準備し、有機EL基板92を各蒸着機に順に投入する。これによって、例えば、赤色用の有機発光材料、緑色用の有機発光材料及び青色用の有機発光材料を順に有機EL基板92に蒸着させることができる。
ところで蒸着処理は、高温雰囲気となる蒸着装置90の内部で実施される場合がある。この場合、蒸着処理の間、蒸着装置90の内部に保持される蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92も加熱される。この際、蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92は、各々の熱膨張係数に基づいた寸法変化の挙動を示すことになる。この場合、蒸着マスク20やフレーム15と有機EL基板92の熱膨張係数が大きく異なっていると、それらの寸法変化の差異に起因した位置ずれが生じ、この結果、有機EL基板92上に付着する蒸着材料98の寸法精度や位置精度が低下してしまう。このような課題を解決するため、蒸着マスク20およびフレーム15の熱膨張係数が、有機EL基板92の熱膨張係数と同等の値であることが好ましい。例えば、有機EL基板92としてガラス基板が用いられる場合、蒸着マスク20およびフレーム15の主要な材料として、ニッケルを含む鉄合金を用いることができる。具体的には、34質量%以上38質量%以下のニッケルを含むインバー材や、ニッケルに加えてさらにコバルトを含むスーパーインバー材などの鉄合金を、蒸着マスク20を構成する後述する第1金属層32および第2金属層37の材料として用いることができる。
なお、蒸着処理の際に、蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92の温度が高温には達しない場合は、蒸着マスク20およびフレーム15の熱膨張係数を有機EL基板92の熱膨張係数と同等の値にする必要は特にない。この場合、蒸着マスク20を構成する後述する第1金属層32および第2金属層37の材料として、ニッケルやニッケル−コバルト合金など、上述の鉄合金以外の様々な材料を用いることができる。
(蒸着マスク)
次に、蒸着マスク20について、図1、図3〜図5Bを参照して詳細に説明する。図3は、図1の蒸着マスク20を一方の面20aの側から見て示す部分平面図であり、図4は、図3の蒸着マスクのIV−IV線に対応する断面を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態において、蒸着マスク20は、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している。蒸着マスク20は、規則的な配列で貫通孔25が形成された有効領域22と、有効領域22を取り囲む周囲領域23と、を含んでいる。周囲領域23は、有効領域22を支持するための領域であり、有機EL基板92へ蒸着されることを意図された蒸着材料98が通過する領域ではない。例えば、有機EL表示装置100用の有機発光材料の蒸着に用いられる蒸着マスク20においては、有効領域22は、有機発光材料が蒸着して画素を形成するようになる有機EL基板92の表示領域となる区域に対面する、蒸着マスク20内の領域のことである。ただし、種々の目的から、周囲領域23に貫通孔や凹部が形成されていてもよい。図1に示された例において、各有効領域22は、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している。なお、図示はしないが、各有効領域22は、有機EL基板92の表示領域の形状に応じて、様々な形状の輪郭を有することができる。例えば各有効領域22は、円形状の輪郭を有していてもよい。
図1に示された例において、蒸着マスク20の複数の有効領域22は、蒸着マスク20の長手方向と平行な一方向に沿って所定の間隔を空けて一列に配列されている。図示された例では、一つの有効領域22が一つの有機EL表示装置100に対応するようになっている。すなわち、図1に示された蒸着マスク装置10(蒸着マスク20)によれば、多面付蒸着が可能となっている。
図3に示された例では、蒸着マスク20の各有効領域22に形成された複数の貫通孔25は、当該有効領域22において、互いに直交する二方向に沿ってそれぞれ所定のピッチで配列されている。また、隣接する二つの貫通孔25は、当該貫通孔25間に配置された仕切部26で仕切られている。
この貫通孔25、仕切部26の形状等について、以下に詳細に説明する。図4に示された例では、蒸着マスク20は、一方の面20a、及び、一方の面20aと対向する他方の面20bを備えている。図示された例では、一方の面20aと他方の面20bとは平行をなしている。蒸着マスク20の他方の面20bは、蒸着材料98を有機EL基板92等の基板に蒸着する際に、当該基板に対面するように配置されることを意図されている。例えば図2Aに示されているように、蒸着マスク20が有機EL基板92の下面に対面して配置される場合、蒸着マスク20は、他方の面20bが上面となり一方の面20aが下面となるように有機EL基板92の下方に配置される。すなわち、蒸着マスク20は、他方の面20bが有機EL基板92の下面に対面するように配置される。
蒸着マスク20は、複数の貫通孔25及び各貫通孔25を仕切る仕切部26を有している。図3に示された例では、仕切部26は、隣接する二つの貫通孔25間に配置され、当該二つの貫通孔25の中心どうしを結ぶ直線と交差し且つ蒸着マスク20の板面に平行な方向に延在している。とりわけ図示された例では、仕切部26は、隣接する二つの貫通孔25の中心どうしを結ぶ直線と直交する方向に延在している。図示された例では、各貫通孔25は、それぞれ略矩形状の形状を有し、隣接する二つの貫通孔25の、一方の貫通孔25における他方の貫通孔25側に位置する辺と、他方の貫通孔25における一方の貫通孔25側に位置する辺とが平行をなすようにして、配置されている。これにともなって、図示された例では、仕切部26は、隣接する二つの貫通孔25の、一方の貫通孔25における他方の貫通孔25側に位置する辺と、他方の貫通孔25における一方の貫通孔25側に位置する辺との間に、一方の貫通孔25における他方の貫通孔25側に位置する辺及び他方の貫通孔25における一方の貫通孔25側に位置する辺と平行な方向に沿って延在している。
図4に示された例では、仕切部26は、蒸着マスク20の一方の面20aの一部をなす第1面26aと、第1面26aと対向する第2面26bと、を有している。図示された例では、仕切部26の第2面26b側にウィング部29が配置されている。とりわけ、仕切部26の第2面26b上にウィング部29が配置されている。なお、これに限られず、仕切部26とウィング部29との間に、他の層が設けられていてもよい。
図4に示された例では、仕切部26(第1面26a)が、蒸着マスク20の一方の面20aの一部をなし、ウィング部29が、蒸着マスク20の他方の面20bの一部をなしている。ウィング部29は、蒸着材料98を有機EL基板92等の基板に蒸着する際に、当該基板に密着するように配置される。これにより、ウィング部29は、有機EL基板92の画素間に相当する箇所等、蒸着材料98が付着すべきでない箇所へ蒸着材料98が付着することを防止する機能を有する。また、仕切部26は、貫通孔25に進入した蒸着材料98が隣接する貫通孔25へ向かうことを抑制する壁部として機能する。さらに、仕切部26は、ウィング部29を支持する支持部としても機能する。
仕切部26は、当該仕切部26の延在方向に直交する断面において、蒸着マスク20の板面と平行且つ仕切部26の延在方向に直交する方向(以下、幅方向ともいう)に沿って第1の幅W1を有している。また、ウィング部29は、当該仕切部26の延在方向に直交する断面において、幅方向に沿って第1の幅W1よりも広い幅を有する第2の幅W2を有している。なお、図示された例では、仕切部26は、後述のめっき層で形成されている。とりわけ図示された例では、仕切部26及びウィング部29が、いずれもめっき層で形成されている。
ところで、図4に示すように、蒸着マスク20は、所定のパターンで第1開口部30が設けられた第1金属層32と、第1開口部30に連通する第2開口部35が設けられた第2金属層37と、を備えている。第1金属層32は、第2金属層37よりも蒸着マスク20の他方の面20b側に配置されている。とりわけ、第1金属層32が蒸着マスク20の他方の面20bを構成し、第2金属層37が蒸着マスク20の一方の面20aを構成している。したがって、図示された例では、第1金属層32の一部がウィング部29をなし、第2金属層37の一部が仕切部26をなしている。
本実施の形態においては、第1開口部30と第2開口部35とが互いに連通することにより、蒸着マスク20を貫通する貫通孔25が構成されている。この場合、蒸着マスク20の他方の面20b側における貫通孔25の開口寸法や開口形状は、第1金属層32の第1開口部30によって画定される。一方、蒸着マスク20の一方の面20a側における貫通孔25の開口寸法や開口形状は、第2金属層37の第2開口部35によって画定される。言い換えると、貫通孔25には、第1金属層32の第1開口部30によって画定される形状、及び、第2金属層37の第2開口部35によって画定される形状の両方が付与されている。
図3に示すように、貫通孔25を構成する第1開口部30や第2開口部35は、平面視において略多角形状になっていてもよい。ここでは第1開口部30及び第2開口部35が、略四角形状、より具体的には略正方形状になっている例が示されている。また図示はしないが、第1開口部30や第2開口部35は、略六角形状や略八角形状など、その他の略多角形状になっていてもよい。なお「略多角形状」とは、多角形の角部が丸められている形状を含む概念である。また図示はしないが、第1開口部30や第2開口部35は、円形状になっていてもよい。また、平面視において第2開口部35が第1開口部30を囲う輪郭を有する限りにおいて、第1開口部30の形状と第2開口部35の形状が相似形になっている必要はない。
図4において、符号41は、第1金属層32(ウィング部29)と第2金属層37(仕切部26)とが接続される接続部を表している。また符号S0は、第1金属層32と第2金属層37との接続部41における貫通孔25の寸法を表している。なお図4においては、第1金属層32(ウィング部29)と第2金属層37(仕切部26)とが接している例を示したが、これに限られることはなく、第1金属層32(ウィング部29)と第2金属層37(仕切部26)との間にその他の層が介在されていてもよい。例えば、第2金属層37がめっき処理により形成される場合、第1金属層32(ウィング部29)と第2金属層37(仕切部26)との間に、第1金属層32(ウィング部29)上における第2金属層37(仕切部26)の析出を促進させるための触媒層が設けられていてもよい。
上述したように、当該仕切部26の延在方向に直交する断面において、仕切部26は幅方向に沿って第1の幅W1を有し、ウィング部29は幅方向に沿って第1の幅W1よりも広い幅を有する第2の幅W2を有している。したがって、図4に示すように、一方の面20aにおける貫通孔25(第2開口部35)の開口寸法S2は、他方の面20bにおける貫通孔25(第1開口部30)の開口寸法S1よりも大きくなっている。以下、このように第1金属層32(ウィング部29)及び第2金属層37(仕切部26)を構成することの利点について説明する。
蒸着マスク20の一方の面20a側から蒸着マスク20に向かって飛来する蒸着材料98は、貫通孔25の第2開口部35及び第1開口部30を順に通って有機EL基板92に付着する。有機EL基板92のうち蒸着材料98が付着する領域は、他方の面20bにおける貫通孔25の開口寸法S1や開口形状によって主に定められる。ところで、図4において一方の面20a側から他方の面20bへ向かう矢印で示すように、蒸着材料98は、るつぼ94から有機EL基板92に向けて蒸着マスク20の法線方向Nに沿って移動するだけでなく、蒸着マスク20の法線方向Nに対して大きく傾斜した方向に移動することもある。
ここで、仮に一方の面20aにおける貫通孔25の開口寸法S2が他方の面20bにおける貫通孔25の開口寸法S1と同一である、すなわち仕切部26の第1の幅W1とウィング部29の第2の幅W2とが同一である、とすると、蒸着マスク20の法線方向Nに対して大きく傾斜した方向に移動する蒸着材料98の多くは、貫通孔25を通って有機EL基板92に到達するよりも前に、貫通孔25の第2開口部35の壁面(仕切部26の側面)36に到達して付着してしまう。したがって、蒸着材料98の利用効率を高めるためには、第2開口部35の開口寸法S2を大きくする、すなわち仕切部26の第1の幅W1をウィング部29の第2の幅W2よりも狭くする、ことが好ましいといえる。
図4において、第2開口部35の端部(仕切部26の第1面26aにおける端部)28を通って、第1開口部30の端部(ウィング部29の他方の面20bにおける端部)33と接する直線L1と、蒸着マスク20の法線方向Nとがなす角度が、符号θ1で表されている。斜めに移動する蒸着材料98を、第2開口部35の壁面36に到達させることなく可能な限り有機EL基板92に到達させるためには、角度θ1を大きくすることが有利となる。例えば角度θ1を45°以上にすることが好ましい。このため、ウィング部29が仕切部26よりも貫通孔25の内側に向って突出している端部33を有することにより、角度θ1を大きくすることができる。
上述の開口寸法S0,S1,S2は、有機EL表示装置100の画素密度や上述の角度θ1の所望値などを考慮して、適切に設定される。例えば、400ppi以上の画素密度の有機EL表示装置100を作製する場合、接続部41における貫通孔25の開口寸法S0は、15μm以上60μm以下の範囲内に設定され得る。また、他方の面20bにおける第1開口部30の開口寸法S1は、10μm以上50μm以下の範囲内に設定され、一方の面20aにおける第2開口部35の開口寸法S2は、15μm以上60μm以下の範囲内に設定され得る。
ウィング部29の、蒸着マスク20の板面と平行且つ仕切部26の延在方向に直交する方向(幅方向)における第2の幅W2は、例えば10μm以上50μm以下とすることができる。また、ウィング部29の、蒸着マスク20の板面への法線方向に沿った高さ(厚み)H2は、例えば0.5μm以上5μm以下とすることができる。このような幅W2及び厚みH2を有するウィング部29によれば、有機EL基板92への蒸着材料98の付着を適切に防止しつつ、有機EL基板92における画素密度の向上を図ることができる。
図4に示された例において、蒸着マスク20の厚みTは、例えば3μm以上50μm以下とすることができる。このような厚みTを有する蒸着マスク20によれば、蒸着マスク20が所望の耐久性を有しつつも十分に薄厚化されているので、有機EL基板92に、斜め方向、すなわち有機EL基板92の板面及び当該板面への法線方向の両方に対して傾斜した方向、から向かう蒸着材料の当該有機EL基板92への付着が阻害されることを抑制すること、すなわち有機材料の付着ムラの発生を抑制することが可能になる。これにより、当該有機EL基板92を有する有機EL表示装置100において、輝度ムラが生じることを効果的に防止することができる。
次に、図5Aを参照して、仕切部26の断面形状について、さらに詳細に説明する。図5Aは、図4の蒸着マスク20における1つの仕切部26の断面を拡大して示す図である。とりわけ、図5Aは、仕切部26の延在方向に直交する断面を示している。
図5Aに示す仕切部26の延在方向に直交する断面において、仕切部26の第1面26aは、仕切部26の外側に向かって凸をなすように湾曲している。とりわけ図示された例では、仕切部26の第1面26aは、仕切部26の外側に向かって凸をなすように略円弧状に湾曲している。これにより、仕切部26の第1面26aは、蒸着マスク20の板面と平行且つ仕切部26の延在方向に直交する方向(幅方向)の中央部27が、幅方向の端部28よりも、第2面26bと反対側に向かって突出している。
図5Aに示された例では、仕切部26は、幅方向に沿って一方の端部28から他方の端部28までを3等分した3つの領域であって、一方の端部28を含む第1領域A1と、他方の端部28を含む第2領域A2と、第1領域A1と第2領域A2との間に位置する第3領域A3とを有し、第3領域A3の第1面26aにおける、第2面26bからの高さが最も高い箇所での当該高さは、第1領域A1及び第2領域A2の第1面26aにおける全ての箇所での第2面26bからの高さよりも高くなっている。言い換えると、第3領域A3の第1面26aにおける、第2面26bからの高さが最も高い箇所での当該高さは、第1領域A1及び第2領域A2の第1面26aにおける、第2面26bからの高さが最も高い箇所での当該高さよりも高くなっている。
また、図示された例では、仕切部26の幅方向の中央部27における第1面26aの第2面26bからの高さH1は、幅方向の端部28における第1面26aの第2面26bからの高さH3よりも高くなっている。ここで、仕切部26の幅方向の中央部27とは、仕切部26の第1面26aにおける第3領域A3に対応する部分を指す。したがって、図示された例では、仕切部26の幅方向の中央部27における第1面26aの第2面26bからの高さH1とは、第3領域A3の第1面26aにおける、第2面26bからの高さが最も高い箇所での当該高さと同一である。この場合、第3領域A3の第1面26aにおける、第2面26bからの高さが最も高い箇所での当該高さH1が、幅方向の端部28における第1面26aの第2面26bからの高さH3よりも高くなっている、ということもできる。
なお、蒸着マスク20の仕切部26とウィング部29とが一体に形成されている場合や、仕切部26及びウィング部29の断面を観察しても仕切部26とウィング部29との境界線が明確でない場合は、仕切部26とウィング部29との間の接続部41を含み、蒸着マスク20の板面と平行をなす仮想面を設定し、この仮想面を仕切部26の第2面26bとすることができる。
以上に説明した断面形状を有する仕切部26による効果について、図5Bを参照して説明する。蒸着材料98を有機EL基板92等の基板に蒸着する際に、ウィング部29が基板に密着するように当該ウィング部29を適切に支持する観点から、蒸着マスク20への法線方向に沿った仕切部26の高さ(厚み)は、できるだけ高い(厚い)方が好ましい。一方、仕切部26の高さを単に高くすると、蒸着マスク20の法線方向Nに対して大きく傾斜した方向から進入してくる蒸着材料98の有機EL基板92への到達が、仕切部26により妨げられる。これによりいわゆる蒸着シャドーが発生する。
例えば、第1面26aの幅方向の両端部28,28を結ぶ直線に対応する面を上面とする仕切部、すなわち、図5Bにおいて幅W1及び高さH3の矩形断面を有する仕切部を基準として考える。図5Bにおいて、蒸着マスク20の法線方向Nに対して角度θ3を有して傾斜した方向から進入してくる蒸着材料98のうち、この基準となる仕切部の上面の幅方向の端部近傍を通る蒸着材料98の経路が、符号L2で示されている。
これに対して、その高さを単に高くした仕切部を比較対象として考える。例えば、図5Bにおいて幅W1及び高さH1の矩形断面を有する仕切部を比較対象として考える。この場合、蒸着マスク20の法線方向Nに対して角度θ3を有して傾斜した方向から進入してくる蒸着材料98のうち、この比較対象となる仕切部の上面の幅方向の端部近傍を通る蒸着材料98の経路は、符号L3のようになる。したがって、この比較対象の仕切部においては、蒸着マスク20の法線方向Nに対して角度θ3を有して傾斜した方向から進入してくる蒸着材料98のうち、経路L2と経路L3との間の経路L4を通る蒸着材料98は、当該仕切部の上面に付着してしまい、有機EL基板92へは到達することができない。そして、これにより蒸着シャドーが発生する。
本実施の形態の仕切部26は、当該仕切部26の延在方向に直交する断面において、第1面26aが当該仕切部26の外側に向かって凸をなすように湾曲している。また、仕切部26の、蒸着マスク20の板面と平行且つ仕切部26の延在方向に直交する幅方向の中央部27における第1面26aの第2面26bからの高さは、幅方向の端部28における第1面26aの第2面26bからの高さよりも高くなっている。
この場合、仕切部26の高さ(第2面26bからの高さ)は、上述の基準となる仕切部と比べて高くなり、さらに、仕切部26の延在方向に直交する断面における当該仕切部26の断面積も大きくなる。これにより、基準となる仕切部と比べて、ウィング部29の補強効果を効果的に向上させることができる。この補強効果により、蒸着時の有機EL基板92との繰返しの着脱による変形に対する耐久性や、超音波洗浄での変形に対する耐久性等を向上させることができる。また、蒸着マスク20の法線方向Nに対して角度θ3を有して傾斜した方向から進入してくる蒸着材料98のうち、この仕切部26の第1面26aの端部28近傍を通る蒸着材料98の経路は、符号L2のようになる。これにより、蒸着シャドーの発生を抑制することができる。すなわち、本実施の形態の仕切部26によれば、蒸着シャドーの発生を抑制しつつ、ウィング部29の補強効果を向上させることができる。言い換えると、本実施の形態の仕切部26によれば、ウィング部29の補強効果と、蒸着シャドーの抑制効果との両立を図ることが可能となる。すなわち、蒸着マスク20の変形を抑制するとともに、蒸着品質の向上を図ることができる。
仕切部26の第1面26aの、幅方向の中央部27における第2面26bからの高さH1は、例えば2μm以上20μm以下であることが好ましい。仕切部26の第1面26aの、幅方向の中央部27における第1面26aの第2面26bからの高さH1と、幅方向の端部28における第1面26aの第2面26bからの高さH3との差H4は、例えば0.15μm以上3.5μm以下であることが好ましい。また、このような仕切部26の第1面26aの曲率半径rは、例えば2μm以上35μm以下であることが好ましい。仕切部26の、蒸着マスク20の板面と平行且つ仕切部26の延在方向に直交する方向(幅方向)における第1の幅W1は、例えば3μm以上15μm以下とすることが好ましい。
また、図5Aに示された例では、蒸着マスク20の板面と平行且つ仕切部26の延在方向に直交する方向を仕切部26の幅方向とし、仕切部26の延在方向に直交する断面を含む平面内での、第1面26aの幅方向の端部28から幅方向の中央部27へ向かって幅方向に沿って所定の距離D1だけ内側に入った第1面26a上の点Pにおける第1面26aへの接線Ltと、蒸着マスク20の板面と平行をなす直線Leと、のなす角度θ2は、10°以上45°以下となっている。ここで、所定の距離D1は、仕切部26の第1の幅W1の3%である。
このような寸法および形状を有する仕切部26によれば、ウィング部29の補強効果及び蒸着シャドーの抑制効果を、より効果的に発揮することができる。
次に、図4に示す蒸着マスク20の製造方法の一例について説明する。
〔パターン基板準備工程〕
はじめに、パターン基板50を作製する方法の一例について説明する。はじめに、基材51を準備する。次に図6Aに示すように、導電性材料からなる導電層52aを形成する。導電層52aは、パターニングされることによって導電性パターン52となる層である。
絶縁性及び適切な強度を有する限りにおいて、基材51を構成する材料や基材51の厚みが特に限られることはない。例えば基材51を構成する材料として、ガラスや合成樹脂などを用いることができる。
導電層52aを構成する材料としては、金属材料や酸化物導電性材料等の導電性を有する材料が適宜用いられる。金属材料の例としては、例えばクロムや銅、及びこれらを含む合金などを挙げることができる。好ましくは、後述するレジストパターン53に対する高い密着性を有する材料が、導電性パターン52を構成する材料として用いられる。例えばレジストパターン53が、アクリル系光硬化性樹脂を含むレジスト膜など、いわゆるドライフィルムと称されるものをパターニングすることによって作製される場合、導電性パターン52を構成する材料として、ドライフィルムに対する高い密着性を有する銅又は銅合金が用いられることが好ましい。
後述するように、導電層52aをパターニングすることによって形成される導電性パターン52の上には、導電性パターン52を覆うように第1金属層32が形成され、この第1金属層32はその後の工程で導電性パターン52から分離される。このため、第1金属層32のうち導電性パターン52と接する側の面の上には、通常、導電性パターン52の厚みに対応する窪みが形成される。この点を考慮すると、電解めっき処理に必要な導電性を導電性パターン52が有する限りにおいて、導電性パターン52の厚み、すなわち導電層52aの厚みは小さい方が好ましい。一方、導電層52aの厚みは、薄すぎると抵抗値が大きくなり、電解めっき処理により第1金属層32が形成されにくくなる。例えば導電層52aの厚みは、50nm以上500nm以下の範囲内になっている。
次に図6Bに示すように、導電層52a上に、所定のパターンを有するレジストパターン53を形成する。レジストパターン53を形成する方法としては、後述するレジストパターン55の場合と同様に、フォトリソグラフィー法などが採用され得る。レジストパターン53用の材料に所定のパターンで光を照射する方法としては、所定のパターンで露光光を透過させる露光マスクを用いる方法や、所定のパターンで露光光をレジストパターン53用の材料に対して相対的に走査する方法などが採用され得る。その後、図6Cに示すように、導電層52aのうちレジストパターン53によって覆われていない部分を、エッチングによって除去する。次に図6Dに示すように、レジストパターン53を除去する。これによって、第1金属層32に対応するパターンを有する導電性パターン52が形成されたパターン基板50を得ることができる。
〔第1成膜工程〕
次に、パターン基板50を利用して、めっき処理によって上述の第1金属層32を作製する第1成膜工程について説明する。ここでは、導電性パターン52が形成された基材51上に第1めっき液を供給して、導電性パターン52上に第1金属層32を析出させる第1めっき処理工程を実施する。例えば、導電性パターン52が形成された基材51を、第1めっき液が充填されためっき槽に浸す。これによって、図7Aに示すように、基材51上に、所定のパターンで第1開口部30が設けられた第1金属層32を得ることができる。第1金属層32の厚みは、例えば5μm以下になっている。
なおめっき処理の特性上、図7Aに示すように、第1金属層32は、基材51の法線方向に沿って見た場合に導電性パターン52と重なる部分だけでなく、導電性パターン52と重ならない部分にも形成され得る。これは、導電性パターン52の端面54と重なる部分に析出した第1金属層32の表面にさらに第1金属層32が析出するためである。このため、第1金属層32は、導電性パターン52から基材51の法線方向に析出されて成長するだけでなく、導電性パターン52の端面54から基材51の法線方向に直交する方向にも析出され成長していく。この結果、図7Aに示すように、第1開口部30の端部33は、基材51の法線方向に沿って見た場合に導電性パターン52と重ならない部分に位置するようになり得る。
導電性パターン52上に第1金属層32を析出させることができる限りにおいて、第1めっき処理工程の具体的な方法が特に限られることはない。例えば第1めっき処理工程は、導電性パターン52に電流を流すことによって導電性パターン52上に第1金属層32を析出させる、いわゆる電解めっき処理工程として実施されてもよい。若しくは、第1めっき処理工程は、無電解めっき処理工程であってもよい。なお、第1めっき処理工程が無電解めっき処理工程である場合、導電性パターン52上には適切な触媒層が設けられていてもよい。若しくは、導電性パターン52が、触媒層として機能するよう構成されていてもよい。電解めっき処理工程が実施される場合にも、導電性パターン52上に触媒層が設けられていてもよい。
用いられる第1めっき液の成分は、第1金属層32に求められる特性に応じて適宜定められる。例えば、第1めっき液として、ニッケル化合物を含む溶液と、鉄化合物を含む溶液との混合溶液を用いることができる。例えば、スルファミン酸ニッケルや臭化ニッケルを含む溶液と、スルファミン酸第一鉄を含む溶液との混合溶液を用いることができる。めっき液には、様々な添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、ホウ酸などのpH緩衝剤、サッカリンナトリウなどの一次光沢剤、ブチンジオール、プロパギルアルコール、クマリン、ホルマリン、チオ尿素などの二次光沢剤や、酸化防止剤などが用いられ得る。
〔第2成膜工程〕
次に、第1開口部30に連通する第2開口部35が設けられた第2金属層37を第1金属層32上に形成する第2成膜工程を実施する。まず、基材51上及び第1金属層32上に、所定の隙間56を空けてレジストパターン55を形成するレジスト形成工程を実施する。図7Bは、基材51上に形成されたレジストパターン55を示す断面図である。図7Bに示すように、レジスト形成工程は、第1金属層32の第1開口部30がレジストパターン55によって覆われるとともに、レジストパターン55の隙間56が第1金属層32上に位置するように実施される。
以下、レジスト形成工程の一例について説明する。はじめに、基材51上及び第1金属層32上にドライフィルムを貼り合わせることによって、ネガ型のレジスト膜を形成する。ドライフィルムの例としては、例えば日立化成製のRY3310など、アクリル系光硬化性樹脂を含むものを挙げることができる。また、レジストパターン55用の材料を基材51上に塗布し、その後に必要に応じて焼成を実施することにより、レジスト膜を形成してもよい。このとき、レジスト膜は、その厚み(高さ)が、形成すべき第2金属層37の厚み(仕切部26の高さH1)よりも厚くなるように形成する。次に、レジスト膜のうち隙間56となるべき領域に光を透過させないようにした露光マスクを準備し、露光マスクをレジスト膜上に配置する。その後、真空密着によって露光マスクをレジスト膜に十分に密着させる。なおレジスト膜として、ポジ型のものが用いられてもよい。この場合、露光マスクとして、レジスト膜のうちの除去したい領域に光を透過させるようにした露光マスクが用いられる。
その後、レジスト膜を露光マスク越しに露光する。さらに、露光されたレジスト膜に像を形成するためにレジスト膜を現像する。以上のようにして、図7Bに示すように、第1金属層32上に位置する隙間56が設けられるとともに第1金属層32の第1開口部30を覆うレジストパターン55を形成することができる。なお、レジストパターン55を基材51及び第1金属層32に対してより強固に密着させるため、現像工程の後にレジストパターン55を加熱する熱処理工程を実施してもよい。
次に、レジストパターン55の隙間56に第2めっき液を供給して、第1金属層32上に第2金属層37を析出させる第2めっき処理工程を実施する。例えば、第1金属層32が形成された基材51を、第2めっき液が充填されためっき槽に浸す。これによって、図7Cに示すように、第1金属層32上に第2金属層37を形成することができる。このとき、第2金属層37の上面がレジストパターン55の上面よりも下方に位置する状態で、第2めっき処理工程が停止されるように、めっき処理を制御する。すなわち、レジストパターン55の高さよりも低い高さまで第2金属層37が析出されるようにめっき処理を制御する。例えば第2金属層37の厚みH1は、1μm以上50μm以下、より好ましくは2μm以上40μm以下、さらに好ましくは2μm以上30μm以下、さらに好ましくは2μm以上20μm以下の範囲内になっている。
図7Dに、図7Cの蒸着マスクの一部を拡大して示す。レジストパターン55の隙間56にめっき処理により金属層を析出させる場合、隙間56の壁部近傍56bでは、第2めっき液が滞留することにより、隙間56の中央部56aと比較して、金属層の析出速度が遅くなる。これにより、外側に向かって凸をなすように湾曲した上面(第1面26a)を有する仕切部26を得ることができる。なお、仕切部26の第1面26aの、幅方向の中央部27における第1面26aの第2面26bからの高さH1、仕切部26の第1面26aの、幅方向の中央部27における第1面26aの第2面26bからの高さH1と幅方向の端部28における第1面26aの第2面26bからの高さとの差H4、仕切部26の第1面26aの曲率半径r、仕切部26の延在方向に直交する断面を含む平面内での第1面26aの幅方向の端部28における第1面への接線Ltと第1面26aの幅方向の両端部28,28を結ぶ直線Leとのなす角度θ2等の、仕切部26の各部の具体的な寸法は、第2めっき処理工程における、めっき液の種類及び濃度、めっき液の液温、電流密度、攪拌、めっき処理時間等を適宜調整することにより、調節することができる。
第1金属層32上に第2金属層37を析出させることができる限りにおいて、第2めっき処理工程の具体的な方法が特に限られることとはない。例えば、第2めっき処理工程は、第1金属層32に電流を流すことによって第1金属層32上に第2金属層37を析出させる、いわゆる電解めっき処理工程として実施されてもよい。若しくは、第2めっき処理工程は、無電解めっき処理工程であってもよい。なお第2めっき処理工程が無電解めっき処理工程である場合、第1金属層32上には適切な触媒層が設けられていてもよい。電解めっき処理工程が実施される場合にも、第1金属層32上に触媒層が設けられていてもよい。
第2めっき液としては、上述の第1めっき液と同一のめっき液が用いられてもよい。若しくは、第1めっき液とは異なるめっき液が第2めっき液として用いられてもよい。第1めっき液の組成と第2めっき液の組成とが同一である場合、第1金属層32を構成する金属の組成と、第2金属層37を構成する金属の組成も同一になる。
〔除去工程〕
その後、レジストパターン55を除去する除去工程を実施する。例えばアルカリ系剥離液を用いることによって、レジストパターン55を基材51、第1金属層32や第2金属層37から剥離させることができる。
〔分離工程〕
次に、第1金属層32及び第2金属層37の組み合わせ体を基材51から分離させる分離工程を実施する。これによって、所定のパターンで第1開口部30が設けられた第1金属層32と、第1開口部30に連通する第2開口部35が設けられた第2金属層37と、を備えた蒸着マスク20を得ることができる。
なお、めっき処理により作製された金属層(めっき層)は、光学顕微鏡等で観察すると、その表面に光沢面を有している。一方、例えば金属材料をロールを用いて圧延することによって作製された金属層は、光学顕微鏡等で観察すると、その表面にいわゆるロール筋が観察される。したがって、めっき層と、他の方法、例えば圧延により作製された金属層とは、その表面を光学顕微鏡等で観察することによって区別することができる。また、めっき層には、不可避不純物として硫黄や窒素が含有されている。したがって、めっき層と、他の方法、例えば圧延により作製された金属層とは、当該金属層内に硫黄又は窒素を含有しているか否かを調査することによっても区別することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図8を参照して、蒸着マスク20の変形例について説明する。図8は、蒸着マスク20の変形例における1つの仕切部26の断面を拡大して示す図である。とりわけ、図8は、仕切部26の延在方向に直交する断面を示している。
図8に示された例では、仕切部26の延在方向に直交する断面において、仕切部26の第1面26aが、幅方向の両端部28,28において、滑らかに仕切部26の側面26cと接続している。図示された例では、第1面26aの幅方向の各端部28は、仕切部26の延在方向に直交する断面において直線状をなしている側面26cが、曲がり始める点として特定することができる。図示された例においても、仕切部26の延在方向に直交する断面を含む平面内での、第1面26aの幅方向の端部28から幅方向の中央部27へ向かって幅方向に沿って所定の距離D1だけ内側に入った第1面26a上の点Pにおける第1面26aへの接線Ltと、蒸着マスク20の板面と平行をなす直線Leと、のなす角度θ2は、10°以上45°以下となっている。また、所定の距離D1は、仕切部26の第1の幅W1の3%である。
したがって、図8に示された例においても、図5Aを参照して説明した例と同様に、仕切部26によりウィング部29を適切に補強しながら、蒸着マスク20の法線方向Nに対して大きく傾斜した方向から進入してくる蒸着材料98の有機EL基板92への到達が、仕切部26により妨げられ、いわゆる蒸着シャドーを生じることを効果的に抑制することができる。
他の変形例として、上述の本実施の形態においては、蒸着マスク20が、蒸着マスク20の長手方向に沿って一列に並べられた複数の有効領域22を含む例を示したが、これに限られることはない。蒸着マスク20の長手方向及び幅方向の両方に沿って、複数の有効領域22が格子状に配置されていてもよい。
(蒸着マスクの他方の面の窪み部について)
上述の実施の形態及び各変形例においては、第1金属層32を形成する第1成膜工程を実施するためのパターン基板50として、基材51上に所定の厚みを有する導電性パターン52が設けられたものを用いる。また、第1金属層32は、基材51の法線方向に沿って見た場合に導電性パターン52と重なる部分だけでなく、導電性パターン52と重ならない部分にも形成される。このため、第1金属層32(ウィング部29)及び前記第2金属層37(仕切部26)を含む蒸着マスク20をパターン基板50の基材51及び導電性パターン52から分離すると、第1金属層32によって構成される蒸着マスク20の他方の面20bには、図9及び図10に示すように、導電性パターン52に対応する形状を有する窪み部34が形成される。図9は、窪み部34が明示された蒸着マスク20を示す断面図である。また、図10は、図9に示す蒸着マスク20を拡大して示す断面図である。
以下の説明において、蒸着マスク20の他方の面20bのうち、窪み部34が形成されていない部分を最表面20cと称し、窪み部34が形成されている部分を窪み面20dと称する。また、最表面20cと窪み部34の窪み面20dとの境界を窪み部34の外縁34eと称する。最表面20cは、第1成膜工程において析出した第1金属層32のうち、導電性パターン52と重ならない部分に析出した第1金属層32の表面である。蒸着マスク20の法線方向において、最表面20cと一方の面20aとの間の距離は、窪み面20dと一方の面20aとの間の距離よりも大きい。
蒸着マスク20の法線方向に沿った窪み部34の深さD2は、パターン基板50の導電性パターン52の厚みに応じて定まる。例えば、導電性パターン52の厚みが50nm以上500nm以下の範囲内である場合、窪み部34の深さD2は50nm以上500nm以下の範囲内になる。第1金属層32の厚みH2は、上述の実施の形態の場合と同様に、0.5μm以上5μm以下の範囲内である。また、第2金属層37の厚みH1も、上述の実施の形態の場合と同様に、例えば1μm以上50μm以下、より好ましくは2μm以上40μm以下、さらに好ましくは2μm以上30μm以下、さらに好ましくは2μm以上20μm以下の範囲内である。
図11は、蒸着マスク20の法線方向に沿って蒸着マスク20を他方の面20b側から見た場合を示す平面図である。また、図11においては、蒸着マスク20の一方の面20a側に形成される第2金属層37の端部28、及び、第1金属層32と第2金属層37とが接続される接続部41を破線で表している。第2金属層37の壁面36が蒸着マスク20の法線方向に平行に広がる場合、平面図において、接続部41の位置は第2金属層37の端部28の位置に一致する。
図11に示すように、最表面20c及び窪み部34の外縁34eは、第1金属層32の端部33に沿って延びており、また、貫通孔25を囲う閉じた輪郭を有している。蒸着マスク20の板面に平行且つ貫通孔25の輪郭線に直交する方向に沿った最表面20cの幅W3は、図7Aに示す、第1金属層32のうち導電性パターン52と重ならない部分の幅W3に等しく、例えば0.5μm以上5μm以下の範囲内である。
好ましくは、図11に示すように、蒸着マスク20の法線方向に沿って蒸着マスク20を見た場合、第1金属層32と第2金属層37とが接続される接続部41の輪郭が、第1金属層32に形成された窪み部34の輪郭(外縁34e)を囲っている。言い換えると、第2金属層37は、第1金属層32のうち窪み部34が形成されている部分の上に積層されている。このように構成することの利点については後述する。蒸着マスク20の面方向における窪み部34の外縁34eと接続部41の輪郭との間の距離dは、例えば1μm以上16.5μm以下の範囲内である。
以下、蒸着マスク20の他方の面20bに窪み部34が形成されることの利点の一例を説明する。図12Aは、有機EL基板92の面方向における蒸着マスク20の位置を調整する位置調整工程を示す図である。図12Bは、蒸着マスク20を有機EL基板92に密着させる密着工程を示す図である。
位置調整工程においては、蒸着マスク20が有機EL基板92に接触して有機EL基板92の表面が傷ついてしまうことを抑制するため、有機EL基板92と蒸着マスク20の他方の面20bとの間に所定の間隔を空けた状態で蒸着マスク20を有機EL基板92の面方向に沿って移動させて、蒸着マスク20の位置を調整する。
この場合、有機EL基板92と蒸着マスク20の他方の面20bとの間の間隔が小さいほど、有機EL基板92に対する蒸着マスク20の相対的な位置を精度よく検出することができ、従って、蒸着マスク20の位置を精密に調整することができる。一方、有機EL基板92と蒸着マスク20の他方の面20bとの間の間隔が小さいほど、蒸着マスク20の位置調整の誤差や蒸着マスク20のたわみなどに起因して蒸着マスク20が有機EL基板92に接触する可能性が高くなる。
ここで本実施の形態によれば、蒸着マスク20の他方の面20bに窪み部34が形成されている。窪み部34の窪み面20dは、最表面20cよりも有機EL基板92から遠ざかる位置にある。このため、窪み面20dが有機EL基板92に接触する可能性は、最表面20cが有機EL基板92に接触する可能性よりも低い。従って、蒸着マスク20の他方の面20bに窪み部34を形成することにより、蒸着マスク20の位置調整の誤差や蒸着マスク20のたわみが生じた場合であっても、有機EL基板92に接触する蒸着マスク20の面積を低減することができる。このことにより、有機EL基板92の表面が傷つくことを抑制することができる。例えば、有機EL基板92に予め形成されている配線や電極が傷つくことを抑制することができる。
位置調整工程の後、図12Bに示すように、蒸着マスク20を有機EL基板92に密着させる密着工程を実施する。例えば、不図示の磁石からの磁力を利用して、蒸着マスク20を有機EL基板92へ近づけ、蒸着マスク20の他方の面20bと有機EL基板92とを接触させる。その後、有機材料などを有機EL基板92に蒸着させる蒸着工程を実施する。
ところで、蒸着工程の際、蒸着マスク20の第1金属層32の端部33と有機EL基板92との間に隙間が空いていると、この隙間に蒸着材料が入り込み、有機EL基板92に付着する蒸着材料の形状がばらついてしまう。従って、有機EL基板92に付着する蒸着材料の形状を精密に制御するためには、蒸着マスク20の第1金属層32の端部33を有機EL基板92に確実に接触させることが重要になる。この隙間は、蒸着マスク20の厚みが小さく、このため蒸着マスク20にたわみや波打ち形状などが表れている場合などに生じやすい。
ここで本実施の形態によれば、蒸着マスク20の他方の面20bに窪み部34が形成されているので、密着工程の際に蒸着マスク20を有機EL基板92へ近づけるとき、蒸着マスク20の最表面20cが窪み面20dよりも有機EL基板92に接触し易い。そして、蒸着マスク20の第1金属層32の端部33(他方の面20b上における蒸着マスク20の外縁)は、最表面20cに位置している。従って、蒸着マスク20の第1金属層32の端部33をより確実に有機EL基板92に接触させることができる。
ところで、第1金属層32のうち蒸着マスク20の法線方向に沿って見た場合に第2金属層37と重ならない部分は、第1金属層32のうち第2金属層37と重なっている部分に比べて変形し易い。また、蒸着マスク20の第1金属層32に窪み部34が形成される場合、第1金属層32の厚みは、窪み部34の深さD2の分だけ小さくなり、この結果、第1金属層32がさらに変形し易くなる。このため、磁石からの磁力などの力が蒸着マスク20に作用すると、図12Cに示すように、第1金属層32のうち窪み部34が形成されるとともに第2金属層37とは重ならない部分が変形して窪み部34の窪み面20dの一部が有機EL基板92に接触することが考えられる。蒸着マスク20の最表面20cに加えて窪み部34の窪み面20dの一部が有機EL基板92に接触することにより、蒸着マスク20をより強固に有機EL基板92に密着させることができる。
とりわけ、本実施の形態では、仕切部26(第2金属層37)は、当該仕切部26の延在方向に直交する断面において、第1面26aが当該仕切部26の外側に向かって凸をなすように湾曲している。これにより、仕切部26の高さ(第2面26bからの高さ)は、図5Bを参照して説明した基準となる仕切部と比べて高くなり、さらに、仕切部26の延在方向に直交する断面における当該仕切部26の断面積も大きくなる。したがって、仕切部26は、磁石から大きな磁力を受けて、窪み部34の窪み面20dの一部を有機EL基板92に接触させることができる。このような仕切部26により、蒸着マスク20をさらに強固に有機EL基板92に密着させることが可能となる。
好ましくは、密着工程の際、はじめに、蒸着マスク20の最表面20cが有機EL基板92に接触し、その後、蒸着マスク20の窪み部34の窪み面20dが有機EL基板92に接触するよう、蒸着マスク20を有機EL基板92に近づける。これによって、蒸着マスク20の最表面20cの端部33を確実に有機EL基板92に接触させるとともに、蒸着マスク20を強固に有機EL基板92に密着させることができる。
また、図9乃至図12Cに示す例においても、蒸着マスク20は、第1開口部30が形成された第1金属層32と、第2開口部35が形成された第2金属層37と、を備える。このため、上述の本実施の形態の場合と同様に、一方の面20aにおける開口寸法S2が他方の面20bにおける開口寸法S1よりも大きい、という貫通孔25の形状を容易に実現することができる。このことにより、蒸着マスク20の法線方向Nに対して大きく傾斜した方向に移動する蒸着材料98が、貫通孔25の壁面に付着してしまうことを抑制することができる。これによって、例えば、シャドーの発生を抑制することができる。
なお、蒸着マスク20の他方の面20bに窪み部34を形成することによって、有機EL基板92に接触する蒸着マスク20の面積を低減するという効果は、蒸着マスク20の層構成に依らず実現され得る。例えば、図示はしないが、蒸着マスク20を、1つの金属層(めっき層)のみによって構成し、金属層のうち蒸着マスク20の他方の面20bを構成する面に、窪み部34を形成してもよい。
(貫通孔の配置の変形例)
上述の本実施の形態においては、蒸着マスク20の法線方向に沿って蒸着マスク20を見た場合に複数の貫通孔25が格子状に配置される例を示した。しかしながら、貫通孔25の配置が特に限られることはない。例えば図13に示すように、蒸着マスク20の法線方向に沿って蒸着マスク20を見た場合に複数の貫通孔25が千鳥足状に配置されていてもよい。
(窪み部の形状の例)
蒸着マスク20の他方の面20bの窪み部34は、上述のように、パターン基板50の導電性パターン52に対応して形成される。従って、窪み部34の形状は、導電性パターン52の形状に基づいて定まる。以下、パターン基板50が、図6A〜図6Dを参照して説明した方法により作製される場合の、窪み部34の形状のいくつかの例について説明する。
図14は、ウェットエッチングによって導電層52aをパターニングした場合に得られるパターン基板50の導電性パターン52の一例を拡大して示す断面図である。また、図15は、図14に示すパターン基板50を用いて第1成膜工程を実施した場合に得られる蒸着マスク20を拡大して示す断面図である。
ウェットエッチングのように等方的に進行するエッチングが採用される場合、図14に示すように、導電性パターン52の側面52cに窪みが形成されることがある。この場合、図15に示すように、蒸着マスク20の第1金属層32の窪み部34の側壁34cは、窪み部34に向かって突出する。この結果、第1金属層32のうち窪み部34が形成されている部分の、蒸着マスク20の法線方向における変形が抑制されると考えられる。このため、有機EL基板92の面方向における蒸着マスク20の位置を調整する位置調整工程の際に蒸着マスク20の他方の面20bの窪み面20dが有機EL基板92に接触してしまうことをより確実に抑制することができる。また、蒸着マスク20の最表面20cの端部33をより確実に有機EL基板92に接触させることができる。
図16は、ウェットエッチングによって導電層52aをパターニングした場合に得られるパターン基板50の導電性パターン52のその他の例を拡大して示す断面図である。また、図17は、図16に示すパターン基板50を用いて第1成膜工程を実施した場合に得られる蒸着マスク20を拡大して示す断面図である。図16に示す導電性パターン52においては、側面52cのうち基材51に接する部分が、側面52cのうちレジストパターン53に接する部分よりも外側(導電性パターン52の中心から遠ざかる側)に位置する。言い換えると、導電性パターン52のすそ野部分が外側へ広がっている。図16に示す導電性パターン52は、導電層52aにウェットエッチングを施す時間が図14に示す形態の場合よりも短い場合に得られる。例えば、導電層52aにウェットエッチングを施す時間を、導電層52aの厚みを導電層52aのエッチングレートで割ることによって算出される時間、いわゆるジャストエッチング時間に設定することにより、図16に示す導電性パターン52が得られる。
図16に示す導電性パターン52のすそ野部分の位置は、ウェットエッチングを施す時間に応じて敏感に変動する。また、図17に示すように、導電性パターン52のすそ野部分の位置が外側にずれると、その分だけ蒸着マスク20の第1金属層32の端部33の位置も外側にずれる。従って、蒸着マスク20の第1金属層32の端部33の位置を安定に定めるためには、図14に示す形態のように、ウェットエッチング時間をジャストエッチング時間よりも大きくすることが好ましい。
一方、パターン基板50上に成膜された第1金属層32及び第2金属層37からなる蒸着マスク20をパターン基板50から分離させる分離工程を容易化するためには、図16に示すように導電性パターン52が外側へ広がるすそ野部分を有することが好ましい。
(離型処理を実施する例)
蒸着マスク20をパターン基板50から分離させる分離工程を容易化するため、第1成膜工程を実施する前にパターン基板50に離型処理を施しておいてもよい。以下、離型処理の例について説明する。
まず、パターン基板50の表面の油分を除去する脱脂処理を実施する。例えば、酸性の脱脂液を用いて、パターン基板50の導電性パターン52の表面の油分を除去する。
次に、導電性パターン52の表面を活性化する活性化処理を実施する。例えば、その後のめっき処理において用いられるめっき液に含まれる酸性溶液と同一の酸性溶液を導電性パターン52の表面に接触させる。例えば、めっき液がスルファミン酸ニッケルを含む場合、スルファミン酸を導電性パターン52の表面に接触させる。
次に、導電性パターン52の表面に有機物の膜を形成する有機膜形成処理を実施する。例えば、有機物を含む離型剤を導電性パターン52の表面に接触させる。この際、有機膜の厚みを、有機膜の電気抵抗が、電解めっきによる第1金属層32の析出が有機膜によって阻害されない程度に薄く設定する。
なお、脱脂処理、活性化処理および有機膜形成処理の後には、パターン基板50を水で洗浄する水洗処理をそれぞれ実施する。
本変形例によれば、第1成膜工程を実施する前にパターン基板50に離型処理を施すことにより、蒸着マスク20をパターン基板50から分離させる分離工程を容易化することができる。
(仕切部の断面の観察方法について)
次に、蒸着マスク20の仕切部26における、当該仕切部26の延在方向に直交する断面の観察方法の一例について説明する。
まず、第1金属層32を含む試料を5mm角片に切断し、樹脂包埋する。次に、図4に示す断面が得られるように、ダイヤモンドナイフでトリミング加工する。この際、ミクロトーム(例えばライカマイクロシステムズ社製のウルトラミクロトーム)を使用して、測定目的位置から30μm離れた部分までトリミング加工する。次に、トリミング加工を行った切断面を削ることにより、観察用の切断面を作製する。この際、断面試料作製装置(例えばJOEL社製のクロスセクションポリッシャー)を使用して、飛び出し幅を30μm、電圧を5kV、時間を6時間に設定し、イオンビーム加工にて、切断面を削る。その後、得られた試料の切断面を測定する。この際、走査型電子顕微鏡(例えば、カールツァイス社製の走査型電子顕微鏡)を使用して、電圧を5kV、作動距離を3mm、観察倍率を5000倍または20000倍に設定し、切断面を観察する。このようにして、当該仕切部26の形状や各部の寸法を測定することができる。なお、撮影時の観察倍率基準は、Polaroid545とする。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 蒸着マスク装置
15 フレーム
20 蒸着マスク
20a 一方の面
20b 他方の面
20c 最表面
20d 窪み面
22 有効領域
23 周囲領域
25 貫通孔
26 仕切部
26a 第1面
26b 第2面
27 中央部
28 端部
29 ウィング部
30 第1開口部
31 壁面
32 第1金属層
33 端部
34 窪み部
34c 側壁
34e 外縁
35 第2開口部
36 壁面
37 第2金属層
41 接続部
50 パターン基板
51 基材
52 導電性パターン
53 レジストパターン
55 レジストパターン
56 隙間
56a 中央部
56b 壁部近傍
90 蒸着装置
92 有機EL基板
98 蒸着材料
100 有機EL表示装置(有機半導体素子)

Claims (17)

  1. 一方の面及び前記一方の面と対向する他方の面を備えた蒸着マスクであって、
    前記蒸着マスクは、複数の貫通孔及び各貫通孔を仕切る仕切部を有し、
    前記仕切部は、前記蒸着マスクの前記一方の面の一部をなす第1面と、前記第1面と対向する第2面とを有し、
    前記仕切部は、当該仕切部の延在方向に直交する断面において、前記第1面が当該仕切部の外側に向かって凸をなすように湾曲している、蒸着マスク。
  2. 前記蒸着マスクの板面と平行且つ前記仕切部の延在方向に直交する方向を前記仕切部の幅方向とし、前記断面を含む平面内での、前記第1面の前記幅方向の端部から前記幅方向の中央部へ向かって前記幅方向に沿って所定の距離だけ内側に入った前記第1面上の点における前記第1面への接線と、前記蒸着マスクの板面と平行をなす直線と、のなす角度は、10°以上45°以下である、請求項1に記載の蒸着マスク。
  3. 前記断面における、前記第1面の曲率半径は、2μm以上35μm以下である、請求項1又は2に記載の蒸着マスク。
  4. 前記蒸着マスクの板面と平行且つ前記仕切部の延在方向に直交する方向を前記仕切部の幅方向とし、前記幅方向の中央部における前記第1面の前記第2面からの高さは、前記幅方向の端部における前記第1面の前記第2面からの高さよりも高い、請求項1〜3のいずれかに記載の蒸着マスク。
  5. 前記幅方向の中央部における前記第1面の前記第2面からの高さと、前記幅方向の端部における前記第1面の前記第2面からの高さとの差は、0.15μm以上3.5μm以下である、請求項4に記載の蒸着マスク。
  6. 前記幅方向の中央部における前記第1面の前記第2面からの高さは2μm以上20μm以下である、請求項4又は5に記載の蒸着マスク。
  7. 前記仕切部の前記幅方向に沿った幅は3μm以上15μm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の蒸着マスク。
  8. 前記仕切部の第2面側に、前記仕切部の前記幅方向に沿った幅よりも広い幅を有するウィング部が配置されている、請求項1〜7のいずれかに記載の蒸着マスク。
  9. 前記仕切部はめっき層で形成されている、請求項1〜8のいずれかに記載の蒸着マスク。
  10. 所定のパターンで前記貫通孔が形成された金属層を備え、
    前記貫通孔のうち前記他方の面上に位置する部分を第1開口部と称し、前記貫通孔のうち前記一方の面上に位置する部分を第2開口部と称する場合、前記貫通孔は、前記蒸着マスクの法線方向に沿って前記蒸着マスクを見た場合に、前記第2開口部の輪郭が前記第1開口部の輪郭を囲うよう構成されており、
    前記他方の面には窪み部が形成されている、請求項1〜9のいずれかに記載の蒸着マスク。
  11. 前記他方の面のうち前記窪み部が形成されていない部分の幅は、0.5μm以上5.0μm以下の範囲内である、請求項10に記載の蒸着マスク。
  12. 前記金属層は、前記第1開口部及び前記窪み部が形成された第1金属層と、前記第1金属層に積層され、前記第2開口部が形成された第2金属層と、を有する、請求項10又は11に記載の蒸着マスク。
  13. 前記蒸着マスクの法線方向に沿って前記蒸着マスクを見た場合に、前記第1金属層と前記第2金属層とが接続される接続部の輪郭は、前記第1金属層に形成された前記窪み部の輪郭を囲っている、請求項12に記載の蒸着マスク。
  14. 前記第1金属層のうち前記第2金属層に接続される部分の厚みは、5μm以下である、請求項12又は13に記載の蒸着マスク。
  15. 前記金属層は、めっき層である、請求項10〜14のいずれかに記載の蒸着マスク。
  16. 複数の貫通孔が形成された蒸着マスクの製造方法であって、
    基材の表面上に、所定の隙間を空けてめっき用レジストパターンを形成するめっき用レジスト形成工程と、
    前記めっき用レジストパターンの前記隙間に金属層を析出させるめっき処理工程と、
    前記金属層を前記基材の前記表面から分離させる分離工程と、を備え、
    前記めっき処理工程では、前記めっき用レジストパターンの高さよりも低い高さまで前記金属層を析出させる、蒸着マスクの製造方法。
  17. 有機半導体素子の製造方法であって、
    請求項1〜15のいずれかに記載の蒸着マスクを準備する工程と、
    前記蒸着マスクを使用して、被蒸着基板に蒸着材料をパターン状に蒸着させる工程と、を備えた有機半導体素子の製造方法。
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