JP2017057101A - 石膏用分散剤組成物 - Google Patents

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鈴木 憲一
Kenichi Suzuki
憲一 鈴木
雄亮 吉浪
Yusuke Yoshinami
雄亮 吉浪
知也 大前
Tomoya Omae
知也 大前
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Yoshino Gypsum Co Ltd
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Abstract

【課題】石膏を含む水硬性組成物に、より優れた流動性を付与できる石膏用分散剤組成物を提供する。【解決手段】窒素を含有する特定の構成単位を含み、重量平均分子量が1000以上30000以下であり、pH7の水溶液でのカチオン当量が4meq/g以上16meq/g以下である重合体(A)、及び特定のポリカルボン酸系共重合体(B)を含有する石膏用分散剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、石膏用分散剤組成物に関する。
石膏ボードに用いられる石膏・水スラリーには、減水剤として、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物が用いられてきた。近年、シックハウス症候群の原因物質の一つとされているホルムアルデヒドの発生のおそれがない、ポリカルボン酸系やリン酸エステル系の減水剤への切り替え使用も進められている。また、生産コストを下げる観点からもポリカルボン酸系減水剤の使用が増えてきている。
石膏ボードを製造する際は、石膏・水スラリーを板状に成形した後に余分な水を除去するため乾燥ドライヤーで乾燥するが、減水性の高いポリカルボン酸系減水剤やリン酸エステル系減水剤を用いることで、少ない水の量でも成形が可能となり、乾燥コストが削減できるメリットがある。乾燥ドライヤーの燃料としてはLPGやLNG等が使用されるが、近年の燃料価格の高騰を背景に、ポリカルボン酸系減水剤やリン酸エステル系減水剤を用いるメリットは大きくなっている。
特許文献1には、炭素数2〜3のオキシアルキレン基2〜300モルを導入したポリアルキレングリコールモノエステル系単量体(a)と、不飽和モノカルボン酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体及びアリルスルホン酸系単量体の中から選ばれる1種以上の単量体(b)とを重合して得られる共重合体を含有し、スラリーpHが5〜10である副生石膏・水スラリー及びその製造方法が開示されている。
更に、石膏スラリーの流動性やワーカビリティを改善するために、ポリカルボン酸系高分子化合物と共に他の化合物を併用することが行われている。
特許文献2には、櫛型ポリマーを含有する粘土質石膏組成物を処理する能力を改善するための第1、第2、及び第3アルキルアミン、並びに第4アルキルアンモニウム化合物から選択される添加剤の使用が開示されている。
また、特許文献3には、特定のポリカルボン酸系共重合体、特定のアルキルアミン等の特定の窒素含有化合物、及び水を含有し、20℃でのpHが7.0以上、13.0以下である、石膏用液体分散剤組成物が開示されている。
また、セメントや石膏等を水硬性物質としたスラリー等の軽量化のために、起泡を混入することが行われており、特許文献4には、アニオン界面活性剤及びカチオン性ポリマーを含有する水硬性組成物用起泡剤組成物が開示されている。
特開平10−158051号公報 特表2013−515660号公報 特開2015−24949号公報 特開2006−342012号公報
石膏スラリーの流動性を向上させることは減水につながるため、ポリカルボン酸系減水剤やリン酸エステル系減水剤を用いることで石膏ボードの製造コストを低減できるメリットは更に大きくなる。
本発明は、石膏を含む水硬性組成物に、より優れた流動性を付与できる石膏用分散剤組成物を提供する。
本発明は、下記(A)成分及び下記(B)成分を含有する石膏用分散剤組成物に関する。
<(A)成分>
下記式(A11)で表される構成単位、下記式(A12)で表される構成単位、下記式(A21)で表される構成単位、及び下記式(A22)で表される構成単位から選ばれる一種以上の構成単位を含み、重量平均分子量が1000以上30000以下であり、pH7の水溶液でのカチオン当量が4meq/g以上16meq/g以下である重合体
Figure 2017057101
〔式中、R1a、R2a、R3aは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1のアルキル基を表す。Xは、陰イオンである。〕
<(B)成分>
下記共重合体(B1)、共重合体(B2)、共重合体(B3)、及び共重合体(B4)から選ばれる1種以上の共重合体
〔共重合体(B1)〕
下記一般式(B11)で表される構成単位と、下記一般式(B12)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体
Figure 2017057101
〔式中、
1b、R2b:それぞれ独立に、水素原子又はメチル基
m1:0以上2以下の整数
O:炭素数2又は3のアルキレンオキシ基
n1:AOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数
:水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基
を示す。〕
Figure 2017057101
〔式中、
3b、R4b、R5b:それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は(CHm2COOM
、M:それぞれ独立に、対イオンを示し、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、有機アンモニウムイオン、又はアンモニウムイオン
m2:0以上2以下の整数
を示す。〕
〔共重合体(B2)〕
前記一般式(B12)で表される構成単位と、下記一般式(B21)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体
Figure 2017057101
〔式中、
6b:炭素数2以上5以下の炭化水素基
O:同一又は異なって、炭素数2以上18以下のアルキレンオキシ基
n2:AOで表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、4以上300以下の数
7b:水素原子又は炭素数1以上30以下の炭化水素基
を示す。〕
〔共重合体(B3)〕
下記一般式(B31)で表される構成単位と、下記一般式(B32)で表される構成単位と、下記一般式(B33)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体であって、
該共重合体の主鎖骨格に結合するグラフト鎖は主としてエチレンオキサイドから構成されるポリアルキレンオキサイド鎖を含み、該グラフト鎖の末端は水酸基であり、
一般式(B31)で表される構成単位におけるポリアルキレンオキサイド鎖の水酸基側末端部が、炭素数3又は4のアルキレンオキサイドを、該アルキレンオキサイド鎖の全モル量に対して0.1モル%以上30モル%以下の割合で有する、
共重合体
Figure 2017057101
〔式中、
8b、R9b、R10b:それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上22以下の炭化水素基
:−(CHm3O−で表される基
O:炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基
n3:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であって、1以上200以下の数
m3:1以上20以下の整数
を示す。〕
Figure 2017057101
〔式中、
11b、R12b、R13b、R14b:それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上22以下の炭化水素基、−COOH、−COOM、−COOZを表すか、あるいはR11bとR12b、若しくはR13bとR14bは一緒になって酸無水物を形成する。R11b、R12b、R13b、R14bの少なくとも1つは−COOZである。
:対イオンを示し、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、アンモニウムイオン、又はアルカノールアンモニウムイオン、
:炭素数1以上22以下の炭化水素基又は−(AO)n4−R15bで表される基
O:炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基
n4:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であって、1以上200以下の数
15b:炭素数1以上22以下の炭化水素基
を示す。〕
Figure 2017057101
〔式中、
:二塩基酸とポリアルキレンポリアミンを縮合させたポリアミドポリアミン及び/又は該ポリアミドポリアミンの活性イミノ基、アミノ基、アミド残基1当量に対して炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドを0.1モル以上10モル以下付加させたポリアミドポリアミン変性物が、アミド結合を介して主鎖の炭素原子と結合する基
を示す。〕
〔共重合体(B4)〕
芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位及びポリエーテル側鎖を有する少なくとも1つの構成単位(B41)、芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位を有する少なくとも1つのリン酸化構成単位(B42)、並びに、任意に、芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位を有する少なくとも1つの構成単位(B43)を含有する共重合体であって、
構成単位(B42)と構成単位(B43)とは、構成単位(B42)のOP(OH)基が構成単位(B43)中でHによって置換され、且つ構成単位(B43)が構成単位(B41)と同じではない点のみで異なっている共重合体
また、本発明は、前記(A)成分、前記(B)成分、水、及び石膏を含む石膏スラリーに関する。
また、本発明は、前記(A)成分を石膏スラリーに添加する、石膏スラリーの流動性向上方法に関する。
本発明によれば、石膏を含む水硬性組成物に、より優れた流動性を付与できる石膏用分散剤組成物が提供される。
また、本発明によれば、より優れた流動性を有する石膏スラリーが提供される。
石膏スラリーの流動性或いは減水性を向上させるには、石膏表面へ分散剤をより多く吸着させることが重要であると考えられる。
本発明では、分散剤として機能する(B)成分に、(A)成分の特定の構造単位を有する重合体を併用することで、石膏への分散剤の吸着性が改善し流動性或いは減水性が向上するものと推察される。
(B)成分はアニオン性の電荷をもっており、それ単独で石膏表面に吸着するより、(A)成分を介して吸着する方が吸着性は改善すると考えられる。
即ち、石膏表面に先ず(A)成分の重合体が吸着し、その表面にアニオン性の電荷をもった(B)成分が吸着することで、石膏への(B)成分の吸着量が多くなり、その結果、石膏スラリーの流動性や減水性が向上するものと考えられる。
[石膏用分散剤組成物]
<(A)成分>
(A)成分は、前記式(A11)で表される構成単位、前記式(A12)で表される構成単位、前記式(A21)で表される構成単位、及び前記式(A22)で表される構成単位から選ばれる一種以上の構成単位を含み、重量平均分子量が1000以上30000以下であり、pH7の水溶液でのカチオン当量が4meq/g以上16meq/g以下である重合体である。
(A)成分の効果は、石膏中に粘土を含有する天然石膏の流動性及び減水性向上に特に効果がある。
前記式(A11)で表される構成単位は、アリルアミン、N−アルキル置換アリルアミン、又はN,N−ジアルキル置換アリルアミンを単量体とする構成単位である。
前記式(A12)で表される構成単位は、アリルアミン、N−アルキル置換アリルアミン、又はN,N−ジアルキル置換アリルアミンを単量体とする構成単位が酸塩となった構造単位である。
式(A11)及び式(A12)中のR1a、R2aは、それぞれ水素原子である、又は、それぞれ炭素数1のアルキル基であることが好ましい。
式(A12)中のXは、ハロゲンイオンが好ましく、塩化物イオンがより好ましい。
(A)成分が、式(A11)又は式(A12)の構成単位を含む場合、式(A11)又は式(A12)の構成単位以外の構成単位(以下、構成単位(Z)という)を含んでも良い。構成単位(Z)となる単量体としては、ジアリルアミン、N−アルキル置換ジアリルアミン等から選ばれる単量体が挙げられる。
また、(A)成分は、式(A11)又は式(A12)の構成単位から構成される単一重合体であってもよい。
式(A11)の構成単位から構成される単一重合体は、重量平均分子量が1000以上、好ましくは1500以上、より好ましくは2000以上、そして、30000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは10000以下である。
また、式(A12)の構成単位から構成される単一重合体は、重量平均分子量が1000以上、好ましくは1500以上、より好ましくは2000以上、そして、30000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは10000以下である。
なお、(A)成分について単一重合体とは、ある構成単位を主体とする重合体を意味し、不可避的に混入する他の重合成分を含んでいても良いことを意味する。全構成単位中、特定の構成単位の割合が、好ましくは99.0モル%以上、より好ましくは99.5モル%以上のものを単一重合体とすることができる。
前記式(A21)で表される構成単位は、ジアリルアミン又はN−アルキル置換ジアリルアミンを単量体とする構成単位である。
前記式(A22)で表される構成単位は、ジアリルアミン又はN−アルキル置換ジアリルアミンを単量体する構成単位が酸塩となった構成単位である。
式(A21)及び式(A22)中のRは、水素原子又はメチル基が好ましい。
式(A22)中のXは、ハロゲンイオンが好ましく、塩化物イオンがより好ましい。
(A)成分が、式(A21)又は式(A22)の構成単位を含む場合、式(A21)又は式(A22)の構成単位以外に、前記の構成単位(A11)、(A12)を含んでも良い。
また、(A)成分は、式(A21)又は式(A22)の構成単位から構成される単一重合体であってもよい。
式(A21)の構成単位から構成される単一重合体は、重量平均分子量が1000以上、好ましくは1500以上、より好ましくは2000以上、そして、30000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは10000以下である。
また、式(A22)の構成単位から構成される単一重合体は、重量平均分子量が1000以上、好ましくは1500以上、より好ましくは2000以上、そして、30000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは10000以下である。
なお、(A)成分について単一重合体とは、ある構成単位を主体とする重合体を意味し、不可避的に混入する他の重合成分を含んでいても良いことを意味する。全構成単位中、特定の構成単位の割合が、好ましくは99.0モル%以上、より好ましくは99.5モル%以上のものを単一重合体とすることができる。
(A)成分として、より具体的には、下記式(A11−1)で表される構成単位、下記式(A11−2)で表される構成単位、下記式(A12−1)で表される構成単位、下記式(A12−2)で表される構成単位、下記式(A21−1)で表される構成単位、下記式(A21−2)で表される構成単位、下記式(A22−1)で表される構成単位、及び下記式(A22−2)で表される構成単位から選ばれる一種以上の構成単位を含み、重量平均分子量が1000以上30000以下であり、pH7の水溶液でのカチオン当量が4meq/g以上16meq/g以下である重合体が挙げられる。
Figure 2017057101
Figure 2017057101
(A)成分は、石膏スラリーの流動性の観点から、重合体(A)の濃度が0.005質量%のpH7の水溶液(以下、(A)成分水溶液という)でのカチオン当量が、4meq/g以上16meq/g以下であり、13meq/g以上がより好ましい。
カチオン当量は、前記(A)成分水溶液について、20g秤量したものにトルイジンブルー指示薬を4滴添加し、N/400−ポリビニル硫酸カリウム(PVSK)水溶液で滴定する。滴定の終点は、水溶液の色が青色から赤紫色に変わるところとする。そして下記の式よりカチオン当量(meq/g)を求める。なお、前記(A)成分水溶液の温度は20℃とする。
カチオン当量(meq/g)=1/400×PVSK水溶液の添加量(リットル)/(20×0.005%)×1000
<(B)成分>
(B)成分は、前記共重合体(B1)、前記共重合体(B2)、前記共重合体(B3)、及び前記共重合体(B4)から選ばれる1種以上の共重合体から選ばれる1種以上の共重合体である。
〔共重合体(B1)〕
共重合体(B1)は、前記一般式(B11)で表される構成単位〔以下、構成単位(B11)という〕と、前記一般式(B12)で表される構成単位〔以下、構成単位(B12)という〕とを含んで構成される共重合体である。
一般式(B11)中、R1b、R2bは、それぞれ、水素原子又はメチル基である。共重合の容易性と凝結促進の観点から、R1bは水素原子が好ましい。共重合の容易性と凝結促進の観点から、R2bはメチル基が好ましい。m1は0以上2以下の整数であり、共重合の容易性と凝結促進の観点から、0が好ましい。
Oは炭素数2のアルキレンオキシ基及び炭素数3のアルキレンオキシ基から選ばれるアルキレンオキシ基であり、流動性向上の観点から、炭素数2のアルキレンオキシ基が好ましい。
n1は、AOの平均付加モル数であり、4以上300以下の数である。n1は、流動性向上の観点から、100以上が好ましく、105以上がより好ましく、110以上が更に好ましく、共重合の容易性の観点から、200以下が好ましく、150以下がより好ましい。n1は、石膏スラリーの粘性を下げる観点から、4以上が好ましく、8以上がより好ましく、そして、50以下が好ましく、30以下がより好ましい。
は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基であり、流動性向上の観点から、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
構成単位(B11)は、下記一般式(B11’)で表される単量体(B11’)に由来する構成単位である。
Figure 2017057101
〔式中、
1b、R2b:それぞれ独立に、水素原子又はメチル基
m1:0以上2以下の整数
O:炭素数2又は3のアルキレンオキシ基
n1:AOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数
:水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基
を示す。〕
単量体(B11’)としては、(1)メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリブチレングリコール、メトキシポリスチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールと、アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイン酸から選ばれるカルボン酸とのエステル化物、(2)アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイン酸から選ばれるカルボン酸へのエチレンオキサイド(以下、EOと表記する場合もある)及び/又はプロピレンオキサイド(以下、POと表記する場合もある)付加物が挙げられる。単量体(B1’)は、流動性向上と凝結促進の観点から、メトキシポリエチレングリコールとアクリル酸又はメタリル酸とのエステル化物が好ましく、メトキシポリエチレングリコールとメタクリル酸とのエステル化物がより好ましい。
一般式(B12)中、R3b、R4b、R5bは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は(CHm2COOMである。共重合体の容易性の観点から、R3b、R5bは、それぞれ、水素原子が好ましい。R4bは、メチル基が好ましい。M、Mは、それぞれ、対イオンを示し、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン又は置換アルキルアンモニウムイオンであり、ナトリウムイオンが、中和の容易性の観点から、好ましい。
構成単位(B12)は、下記一般式(B12’)で表される単量体(B12’)に由来する構成単位である。
Figure 2017057101
〔式中、
3b、R4b、R5b:それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は(CHm2COOM
、M:それぞれ独立に、対イオンを示し、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、有機アンモニウムイオン、又はアンモニウムイオン
m2:0以上2以下の整数
を示す。〕
単量体(B12’)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等のジカルボン酸系単量体、及びこれらの無水物もしくは塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、水酸基が置換されていてもよいモノ、ジ、トリアルキル(炭素数2以上8以下)アンモニウム塩が挙げられる。流動性向上と凝結促進の観点から、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、並びに無水マレイン酸から選ばれる単量体であり、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる単量体である。メタクリル酸及びメタクリル酸のアルカリ金属塩から選ばれる単量体が更に好ましい。
共重合体(B1)において、構成単位(B11)と構成単位(B12)のモル比(B11)/(B12)は、流動性向上の観点から、5/95以上が好ましく、8/92以上がより好ましく、そして、50/50以下が好ましく、30/70以下がより好ましく、15/85以下が更に好ましい。
共重合体(B1)の全構成単位100質量%中に占める構成単位(B11)と構成単位(B12)の合計量の割合は、流動性向上の観点から、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上、より更に好ましくは実質100質量%である。
構成単位(B11)及び構成単位(B12)の合計量100質量%に占める構成単位(B12)の含有量の割合は、流動性向上の観点から、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは16質量%以下である。
共重合体(B1)の重量平均分子量は、流動性向上の観点から、20000以上が好ましく、30000以上がより好ましく、40000以上が更に好ましく、そして、150000以下が好ましく、100000以下がより好ましい。なお、共重合体(B1)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(ポリエチレングリコール換算)によるものであり、具体的な条件は後述の実施例の通りである。
共重合体(B1)は、前記一般式(B11’)で表される単量体(B11’)と前記一般式(B12’)で表される単量体(B12’)とを含む単量体を重合して得られる共重合体である。共重合体(B1)は、例えば反応容器に水を仕込み昇温し、その中で単量体(B11’)と単量体(B12’)とを連鎖移動剤等の存在下、所定のモル比(B11)/(B12)で反応させ、熟成後、中和することにより製造することができる。
〔共重合体(B2)〕
共重合体(B2)は、前記一般式(B12)で表される構成単位(B12)と、前記一般式(B21)で表される構成単位〔以下、構成単位(B21)という〕とを含んで構成される共重合体
である。
構成単位(B12)は、共重合体(B1)と同じである。構成単位(B12)の好ましい態様も共重合体(B1)と同じである。
また、構成単位(B21)について、上記一般式(B21)において、R6bは、炭素数2以上5以下の炭化水素基を表し、共重合の容易性の観点から、炭素数4又は5の炭化水素基がより好ましい。R6bは、例えば、炭素数2以上5以下のアルケニル基に由来する3価の炭化水素基である。例えば、炭素数2のアルケニル基としてはビニル基等が好ましく、炭素数3のアルケニル基としてはアリル基等が好ましく、炭素数4のアルケニル基としてはメタリル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基等が好ましく、炭素数5のアルケニル基としては、3−メチル−3−ブテニル基、4−ペンテニル基、3−ペンテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基等が好ましい。中でも、メタリル基、3−メチル−3−ブテニル基が更に好ましい。
上記一般式(B21)において、AOは、同一又は異なって、炭素数2以上18以下のアルキレンオキシ基を表す。共重合の容易性の観点から、AOの炭素数は2以上であり、また、8以下が好ましく、4以下がより好ましい。そして、AOの炭素数は2以上8以下が好ましく、2以上4以下が好ましい。例えば、AOとしては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、イソブチレンオキシ基、メチルエチレンオキシ基、オクチレンオキシ基、スチレンオキシ基等が挙げられ、共重合の容易性の観点から、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基が好ましく、エチレンオキシ基がより好ましい。
また、(AO)n2で表されるポリアルキレングリコール鎖は、2種以上のアルキレンオキシ基により形成されるものであってもよく、この場合は、2種以上のアルキレンオキシ基がランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの付加形態であってもよいが、流動性向上の観点から、ランダム付加が好ましい。
上記一般式(B21)ではまた、全アルキレンオキシ基100モル%中に占めるエチレンオキシ基の割合が、分散性と流動性向上の観点から、50モル%以上であることが好適である。より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、より更に好ましくは90モル%以上、また、100モル%以下が好ましい。より更に好ましくは100モル%、すなわちエチレンオキシ基のみによって、(AO)n2で表されるポリアルキレングリコール鎖が形成されることである。また、2種以上のアルキレンオキシ基を有する場合の組み合わせとしては、(1)エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基、(2)エチレンオキシ基とブチレンオキシ基、(3)エチレンオキシ基とスチレンオキシ基が好ましい。中でも、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の組み合わせがより好ましい。
上記アルキレンオキシ基の平均付加モル数(ポリアルキレングリコール鎖の平均鎖長)n2は、4以上300以下の数である。流動性向上の観点と硬化遅延性を抑える観点から、n2は20以上が好ましく、30以上がより好ましい。また、n2は石膏スラリーの粘性を下げる観点から100以下が好ましく、80以下がより好ましく、60以下が更に好ましい。
なお、ポリアルキレングリコール鎖の平均鎖長(アルキレンオキシ基の平均付加モル数)とは、ポリカルボン酸系共重合体が有する、後述のポリアルキレングリコールエーテル系単量体(B21’)に由来するポリアルキレングリコール鎖1モル中に付加しているアルキレンオキシ基のモル数の平均値を意味する。
上記一般式(B21)中、R7bは、水素原子又は炭素数1以上30以下の炭化水素基を表すが、炭化水素基の炭素数が増大するに従って疎水性が大きくなり、分散性が充分とはならないため、炭化水素基の炭素数としては、1以上20以下が好ましい。より好ましくは1以上12以下、更に好ましくは1以上10以下、より更に好ましくは1以上6以下、より更に好ましくは1以上4以下である。
7bの上記炭化水素基としては、例えば、アルキル基(直鎖、分岐鎖又は環状)、フェニル基、アルキル置換フェニル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が、流動性向上の観点から、好ましい。中でも、アルキル基(直鎖、分岐鎖又は環状)が好ましい。上記R7bとしてより好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基である。
共重合体(B2)は、前記一般式(B12’)で表される単量体(B12’)と、下記一般式(B21’)で表される単量体(B21’)とを含む単量体を重合して得られる共重合体である。
YO(AO)n2 (B21)
〔式中、
Y:炭素数2以上5以下のアルケニル基
O:同一又は異なって、炭素数2以上18以下のアルキレンオキシ基
n2:AOで表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、4以上300以下の数
7b:水素原子又は炭素数1以上30以下の炭化水素基
を示す。〕
単量体(B21’)としては、例えば、不飽和アルコールにアルキレングリコール(アルキレンオキサイド)を付加反応して得ることができる。不飽和アルコールとしては、不飽和結合を有する基及び水酸基を有するものであれば特に限定されないが、共重合の容易性の観点から、二重結合を有する基と水酸基とを有するものが好ましく、二重結合を有する基と水酸基とをそれぞれ1つずつ有するものがより好ましい。更に好ましくは、上記不飽和アルコールが、下記一般式(B21’−1)で表される化合物である形態である。
YO−(AO)n2’−H (B21’−1)
〔式中、
Y:炭素数2以上5以下のアルケニル基
O:同一又は異なって、炭素数2以上18以下のアルキレンオキシ基
n2’:AOで表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、0以上300以下の数
を示す。〕
上記一般式(B21’−1)において、n2’は、0以上300以下の数であるが、流動性向上の観点から、n2’の範囲としては、0以上200以下が好ましい。n2’が0の場合、上記一般式(B21’−1)で表される化合物は、Yが炭素数2以上5以下の不飽和アルコールに相当する。
上記不飽和アルコールの具体例としては、例えば、メタリルアルコール、アリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等のアルコールの他、これらアルコールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、アルキレンオキサイド付加物としては、流動性向上の観点から、その平均付加モル数n2’が比較的多いものが好ましい。
上記不飽和アルコールの中でも、メタリルアルコール、アリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、メタリルアルコール−1EO(メタリルアルコールにEOが1モル付加したもの)、アリルアルコール−1EO(アリルアルコールにEOが1モル付加したもの)、3−メチル−3−ブテン−1−オール−1EO(3−メチル−3−ブテン−1−オールにEOが1モル付加したもの)、メタリルアルコール−2EO(メタリルアルコールにEOが2モル付加したもの)、アリルアルコール−2EO(アリルアルコールにEOが2モル付加したもの)、3−メチル−3−ブテン−1−オール−2EO(3−メチル−3−ブテン−1−オールにEOが2モル付加したもの)が、共重合の容易性の観点から、より好ましい。
上記アルキレンオキサイドとしては、流動性向上の観点から、炭素数2以上18以下のアルキレンオキサイドが好ましい。より好ましくは炭素数2以上8以下のアルキレンオキサイドであり、更に好ましくは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドが好ましい。例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられる。中でも、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが好ましく、より好ましくはエチレンオキサイドである。また、2種以上のアルキレンオキサイドを用いてもよく、この場合、付加反応形態としては、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態であってもよいが、流動性向上の観点から、ランダム付加が好ましい。
単量体(B21’)として具体的には、例えば、ビニルアルコールアルキレンオキサイド付加物、アリルアルコールアルキレンオキサイド付加物、メタリルアルコールアルキレンオキサイド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキサイド付加物、イソプレニルアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキサイド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキサイド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキサイド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキサイド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキサイド付加物等が好ましい。
単量体(B21’)としてより具体的には、例えば、メトキシポリエチレングリコールモノメタリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールモノメタリルエーテル、プロポキシポリエチレングリコールモノメタリルエーテル、ブトキシポリエチレングリコールモノメタリルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノメタリルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノメタリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(1,1−ジメチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、エトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、1−プロポキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、シクロヘキシルオキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、エトキシポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル等が、共重合の容易性の観点から、好ましい。
共重合体(B2)の全構成単位100質量%中に占める構成単位(B12)と構成単位(B21)の合計量の割合は、流動性向上の観点から、70質量%以上100質量%以下であることが好ましい。すなわち、共重合体(B2)の全構成単位100質量%中に占めるその他の構成単位の含有量の割合は、0質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
共重合体(B2)の全構成単位100質量%中に占める構成単位(B12)と構成単位(B21)の合計量の割合は、より好ましくは80質量%以上100質量%以下、更に好ましくは90質量%以上100質量%以下、より更に好ましくは95質量%以上100質量%以下である。
また、構成単位(B12)及び構成単位(B21)の合計量100質量%中に占める構成単位(B12)の含有量の割合としては、流動性向上の観点から、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは6質量%以上であり、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より更に16質量%以下である。
また、構成単位(B12)及び構成単位(B21)の合計量100質量%中に占める構成単位(B21)の含有量の割合としては、流動性向上の観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは84質量%以上であり、そして、好ましくは96質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは94質量%以下である。
次に、共重合体(B2)を得る方法について説明する。
共重合体(B2)を得る方法としては、重合開始剤を用いて、単量体(B12’)及び単量体(B21’)、並びに、必要に応じてその他の単量体を含む単量体成分を共重合させればよいが、共重合体(B2)を構成する構成単位の割合が上述した範囲内となるように、単量体成分に含まれる単量体の種類や使用量を適宜設定することが好ましい。すなわち、共重合体(B2)を構成する構成単位の割合が上述した好適な範囲となるように、単量体成分に含まれる単量体の種類や使用量を適宜設定することが好ましい。
また上記単量体(B12’)及び単量体(B12’)の合計の比率(質量%)としては、共重合体(B2)の全構成単量体100質量%に対し、70質量%以上100質量%以下であることが、流動性向上の観点から、好ましい。すなわち、その他の単量体の含有割合は、全単量体成分100質量%に対し、0質量%以上30質量%以下であることが好ましい。共重合体(B2)の全構成単量体100質量%中の単量体(B12’)及び単量体(B21’)の合計の比率としてより好ましくは80質量%以上100質量%以下、更に好ましくは90質量%以上100質量%以下、より更に好ましくは95質量%以上100質量%以下である。
したがって、共重合体(B2)を得るために使用される全単量体成分100質量%に対し、単量体(B12’)及び単量体(B21’)のそれぞれの含有量を1質量%以上とすることが好適である。
また、単量体(B12’)及び単量体(B21’)の合計量100質量%中に占める単量体(B12’)の含有割合としては、流動性向上の観点から、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは6質量%以上であり、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より更に16質量%以下である。
また、単量体(B12’)及び単量体(B21’)の合計量100質量%中に占める単量体(B21’)の含有割合としては、流動性向上の観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは84質量%以上であり、そして、好ましくは96質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは94質量%以下である。
また分散性の高い共重合体(B2)を高収率で得るためには、共重合体(B2)の全構成単量体100モル%に対して単量体(B21’)が占める割合が、流動性向上の観点から、50モル%以下であることが好ましい。より好ましくは48モル%以下である。
上記共重合は、溶液重合や塊状重合等の通常の方法で行うことができる。溶液重合は回分式でも連続式でも行うことができ、その際に使用される溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられる。中でも、原料単量体及び得られる重合体の溶解性の観点から、水及び炭素数1以上4以下の低級アルコールからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、その中でも、水が脱溶剤工程を省略できる点でより好ましい。
共重合体(B2)の重量平均分子量(Mw)としては、その取り扱い性や流動性向上の観点から、重量平均分子量(Mw)が50万以下であることが好適である。より好ましくは30万以下、更に好ましくは20万以下、より更に好ましくは10万以下である。また、ある程度石膏粒子に吸着した方が性能を発揮しやすく、Mwが大きいほど吸着力が大きくなるという観点から、Mwは3000以上であることが好ましい。より好ましくは5000以上であり、更に好ましくは7000以上であり、より更に好ましくは1万以上、より更に好ましくは2万以上である。なお、共重合体(B2)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(ポリエチレングリコール換算)によるものであり、具体的な条件は後述の実施例の通りである。
〔共重合体(B3)〕
共重合体(B3)は、下記一般式(B31)で表される構成単位〔以下、構成単位(B31)という〕と、下記一般式(B32)で表される構成単位〔以下、構成単位(B32)という〕と、下記一般式(B33)で表される構成単位〔以下、構成単位(B33)という〕とを含んで構成される共重合体であって、
該共重合体の主鎖骨格に結合するグラフト鎖は主としてエチレンオキサイドから構成されるポリアルキレンオキサイド鎖を含み、該グラフト鎖の末端は水酸基であり、
一般式(B31)で表される構成単位(B31)におけるポリアルキレンオキサイド鎖の水酸基側末端部が、炭素数3又は4のアルキレンオキサイドを、該アルキレンオキサイド鎖の全モル量に対して0.1モル%以上30モル%以下の割合で有する、
共重合体である。
構成単位(B31)は、不飽和アルコールアルキレンオキサイド系化合物に由来する構成単位である。また、構成単位(B32)は、不飽和カルボン酸エステル系化合物に由来する構成単位である。
共重合体(B3)の構成単位(B31)において、一般式(B31)中のポリアルキレンオキサイド鎖−(AO)n3−は、好ましくは主としてエチレンオキサイドからなる。また、アルキレンオキサイド鎖の平均付加モル数n3は、流動性向上の観点から、好ましくは30以上、より好ましくは50以上である。
構成単位(B31)において、ポリアルキレンオキサイド鎖の水酸基側の末端部は、炭素数3のプロピレンオキサイド又は炭素数4のブチレンオキサイドを、該アルキレンオキサイド鎖全モル数に対して0.1モル%以上30モル%以下の範囲で含有する。減水性、流動性向上の観点から、前記末端部は、炭素数3のプロピレンオキサイド又は炭素数4のブチレンオキサイドを、該アルキレンオキサイド鎖全モル数に対して、好ましくは0.1モル%以上20モル%以下の範囲で、より好ましくは0.1モル%以上10モル%以下又は12モル%以上20モル%以下の範囲で、更に好ましくは、0.5モル%以上5モル%以下又は15モル%以上20モル%以下の範囲で含有する。
また、構成単位(B31)のポリアルキレンオキサイド鎖では、2種以上のアルキレンオキシ基の付加形態は、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの付加形態であってもよいが、流動性向上の観点から、ランダム付加が好ましい。
構成単位(B31)は、例えば、不飽和脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物等の化合物に由来する構成単位である。不飽和脂肪族アルコールとしては、炭素数3以上8以下の不飽和脂肪族アルコールが挙げられ、より具体的には、2−プロペン−1−オール(アリルアルコール)、3−メチル−3−ブテン−1−オールが挙げられる。
構成単位(B31)は、流動性向上の観点から、3−メチル−3−ブテン−1−オールのアルキレンオキサイド付加物に由来するものが好ましい。
構成単位(B31)は、これら化合物のうち単独あるいは複数の組合せに由来する構成単位であってよい。
共重合体(B3)の構成単位(B32)は、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などの化合物に由来する構成単位である。より良い性能を発現するためにはフマル酸を相当な割合で、例えば重合体の総質量に対して10質量%以上含有することが、流動性向上の観点から、好ましい。
構成単位(B32)において酸(−COOH)及び/又は酸塩(−COOM)が含まれる場合、これらは酸の形態でも中和された形態でも良いが、流動性向上の観点から、部分中和又は完全中和された形態が製品形態として好ましい。
また構成単位(B32)の−COOZは酸から誘導される基であり、Zは、具体的には、炭素数1乃至22のアルキル基、ポリオキシアルキレン基、(アルコキシ)ポリオキシアルキレン基が挙げられる。構成単位(B32)は−COOZを少なくとも1つ有する。
−COOZを有する単量体をより具体的に示すと、(i)メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート等の(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノアクリレート又はモノメタクリレート、(ii)メトキシポリエチレングリコールモノマレート、メトキシポリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールモノマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(アルコキシ)ポリアルキレングリコールマレート、(iii)メトキシポリエチレングリコールモノフマレート、メトキシポリエチレングリコールジフマレート、ポリエチレングリコールモノフマレート、ポリエチレングリコールジフマレート等の(アルコキシ)ポリアルキレングリコールフマレート、(iv)アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル等のエステル化合物、が挙げられる。
−COOZについて、アルキレンオキサイドは単独付加又は混合付加することができ、二種以上のアルキレンオキサイドを用いる場合にはブロック付加、ランダム付加何れの形態であっても良い。
フマル酸誘導体の具体例としてはメトキシポリエチレングリコールジフマレートを挙げることができる。
構成単位(B32)において、フマル酸及び/又はフマル酸誘導体に由来する構成単位を含む場合には、それら構成単位を、全構成単位(B32)の全質量に対して、流動性向上の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上、そして、100質量%以下の割合で含む。
なお、構成単位(B32)では、−COOH、−COOM、−COOZが混在していてもよい。すなわち、複数存在する−COOHの一部を中和すれば−COOHと−COOMとを混在させることができる。また、複数存在する−COOHの一部をZとなる化合物で化学修飾すれば−COOHと−COOZとを混在させることができる。更に、これらの手法を組み合わせることにより、−COOH、−COOM、−COOZの任意の組み合わせを混在させることができる。いずれの場合も、構成単位(B32)中に−COOZが少なくとも1つ存在させる。
共重合体(B3)は、ポリアルキレンオキサイド鎖が、平均付加モル数50以上のエチレンオキサイド鎖の末端に、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドが結合してなるポリアルキレンオキサイド鎖(該プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドは該アルキレンオキサイド鎖の全モル数に対して0.1モル以上20モル%以下の割合で含有する)を有する不飽和アルコールアルキレンオキサイド系化合物に由来する構成単位(B31)と、フマル酸由来の単量体を相当な割合(重合体の総質量に対して10質量%以上)で含む構成単位(B32)と、を含んでなることが、流動性向上の観点から、好ましい。
構成単位(B33)中、Zを構成する二塩基酸としては総炭素数が2以上10以下の脂肪族飽和二塩基酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられ、ポリアルキレンポリアミンとしてはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、あるいはエチレン単位と窒素原子を多く含む混合体である高分子ポリエチレンポリアミンの混合物等を挙げることができる。
構成単位(B33)は、これら二塩基酸とポリアルキレンポリアミンの縮合物であるポリアミドポリアミン及び/又は、該ポリアミドポリアミンの活性イミノ基、アミノ基、アミド残基1当量に対して、炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドを0.1モル以上10モル以下付加させたポリアミドポリアミン変性物が、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等とアミド結合を介し、主鎖の炭素原子と結合してなる単量体である。流動性向上の観点から、炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドが好ましい。
これらポリアミドポリアミン又はポリアルキレンオキサイド変性ポリアミドポリアミンは水溶液で塩基性を示す性質を有するものもある為、ポリカルボン酸系共重合体(B3)の中和剤として作用することもある。
共重合体(B3)は、構成単位(B31)、構成単位(B32)及び構成単位(B33)の合計100質量%中、構成単位(B31)の割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下である。
また、共重合体(B3)は、構成単位(B31)、構成単位(B32)及び構成単位(B33)の合計100質量%中、構成単位(B32)の割合が、好ましくは8質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
また、共重合体(B3)は、構成単位(B31)、構成単位(B32)及び構成単位(B33)の合計100質量%中、構成単位(B33)の割合が、好ましくは2質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下である。
共重合体(B3)は、構成単位(B31)、構成単位(B32)及び構成単位(B33)以外の構成単位(B34)を含有することができる。
構成単位(B34)の由来となる化合物としては、アクリル酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩、アクリル酸ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、メタクリル酸ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、アリルスルホン酸又はその塩、メタリルスルホン酸又はその塩、スチレンスルホン酸又はその塩、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド等の慣用のポリカルボン酸系石膏分散剤用単量体として例示される化合物であり、構成単位(B31)乃至(B33)と重合体を形成可能な化合物であればその種類は特に限定されない。
構成単位(B34)の割合は、共重合体(B3)の全構成単位中、0質量%以上30質量%以下の範囲にあることが、流動性向上の観点から、好ましい。
共重合体(B3)を得るにあたり、構成単位(B31)の由来となる不飽和アルコールアルキレンオキサイド付加物の製造方法、及び共重合体(B3)を得る重合方法は特に限定されない。
ただし、上記不飽和アルコールアルキレンオキサイド付加物製造時のアルキレンオキサイド付加反応においては、重合活性基(不飽和基)がその重合活性を失わない、重合活性基の位置を転移させない、及び、副生するジオール分を低減することなどに留意して製造される必要がある。なお、これら重合活性基を有するアルコールのポリアルキレンオキサイド付加物は、製造後に精製過程の有無に係わらず重合用原料とし使用することができる。
共重合体(B3)の製造方法に於いては、溶剤重合、水溶液重合、連続式、バッチ式の何れの方法においても同様の重合物を得ることができるが、一般的に水溶液重合で行われることが多い。
構成単位(B33)の製造方法は、通常のアマイド化法に従い、二塩基酸とポリアミドポリアミンを縮合させ、更にマレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸とのアマイド基を形成し、必要に応じアルキレンオキサイドを付加する方法、二塩基酸とポリアミドポリアミンとの縮合物或いはアルキレンオキサイドを付加したアルキレンオキサイド変性ポリアミドポリアミンを形成させポリカルボン酸系重合体にグラフト化させる方法、ポリアミドポリアミンを形成後ポリカルボン酸系重合体にグラフト化させたポリマー水溶液にアルキレンオキサイドを付加する方法等を挙げることができる。
共重合体(B3)の重量平均分子量は、減水性、その取扱い性や流動性向上」の観点から、3,000以上500,000の範囲が好ましい。より好ましくは、重量平均分子量が10,000以上100,000以下の範囲であることが、更に減水性及び流動性を発現するため望ましい。また水溶液重合においてラジカル重合開始剤等の種類及び/又は使用量を調整することにより、分子量を制御することが可能であるが、連鎖移動剤等を併用すれば分子量分布の制御を行うことも可能である。なお、共重合体(B3)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(ポリエチレングリコール換算)によるものであり、具体的な条件は後述の実施例の通りである。
なお共重合体(B3)は、本発明の効果を損なわない限り、共重合体(B3)と、各々の重合工程、アルキレンオキサイド付加工程等で発生した未反応成分及び/又は副反応物とを含む混合物を用いることができる。
〔共重合体(B4)〕
共重合体(B4)は、芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位及びポリエーテル側鎖を有する少なくとも1つの構成単位(B41)、芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位を有する少なくとも1つのリン酸化構成単位(B42)、並びに、任意に、芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位を有する少なくとも1つの構成単位(B43)を含有する共重合体であって、
構成単位(B42)と構成単位(B43)とは、構成単位(B42)のOP(OH)基が構成単位(B43)中でHによって置換され、且つ構成単位(B43)が構成単位(B41)と同じではない点のみで異なっている共重合体である。
共重合体(B4)の構造単位(B41)、(B42)、及び該当する場合、(B43)は、それぞれ、以下の一般式(B41)、一般式(B42)、及び一般式(B43)により表される。
Figure 2017057101
(式中、
Aは同一又は異なり且つ炭素数5以上10以下の置換又は非置換の芳香族又はヘテロ芳香族化合物によって表され、
ここで、
Bは同一又は異なり且つN、NH又はOによって表され、
ここで、
B=Nの場合、m5=2であり、B=NH又はOの場合、m5=1であり、
ここで、
16b及びR17bは、互いに独立して、同一又は異なり且つ分枝鎖状又は直鎖状の炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数5以上8以下のシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素原子によって表され、
ここで、
m4は1以上300以下の整数によって表され、
ここで、
は同一又は異なり且つ分枝鎖状又は直鎖状の炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数5以上8以下のシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素原子によって表される。)
Figure 2017057101
(式中、
Dは同一又は異なり且つ炭素数5以上10以下の置換又は非置換のヘテロ芳香族化合物によって表され、
ここで、
Eは同一又は異なり且つN、NH又はOによって表され
ここで、
E=Nの場合、m6=2であり且つE=NH又はOの場合、m6=1であり、
ここで、
18b及びR19bは、互いに独立して、同一又は異なり且つ分枝鎖状の又は直鎖状の炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数5以上8以下のシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素原子によって表され、
ここで、
n5は同一又は異なり且つ0以上300以下の整数によって表され、
ここで、
は互いに独立してアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン及び/又は水素原子であり、
cは1であるか又はアルカリ土類金属イオンの場合、1/2である。)
好ましい実施態様では、共重合体(B4)は、更に構造単位(B44)を含有し、これは以下の式
Figure 2017057101
(式中、
、Yは、互いに独立して、同一又は異なり且つ(B41)、(B42)、(B43)又は更なる共重合体(B4)の成分によって表され、
ここで、
20b、R21bは、同一又は異なり且つ水素原子、CH、COO(M)c又は炭素数5以上10以下の置換又は非置換の芳香族又はヘテロ芳香族化合物によって表され、
ここで、
は互いに独立してアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン及び/又はHであり、
cは1であるか又はアルカリ土類金属の場合、1/2である。)
によって表される。
ここで、構造単位(B44)中のR20b及びR21bは、互いに独立して、好ましくはH、COO(M)c及び/又はメチルによって表される。
本発明による構造単位(B41)、(B42)、(B43)及び(B44)のリン酸化重縮合物のモル比は広い範囲で変化し得る。これは、構造単位のモル比[(B41)+(B42)+(B43)]:(B44)が1:0.8〜3、好ましくは1:0.9〜2、より好ましくは1:0.95〜1.2である場合に好都合であることが判明した。
構造単位(B41):[(B42)+(B43)]のモル比は、通常、1:15〜15:1、好ましくは1:10〜10:1、更に好ましくは1:5〜3:1である。
更に好ましい実施態様では、構造単位(B42):(B43)のモル比は、好ましくは1:0.005〜1:10、より好ましくは1:0.01〜1:1、更に好ましくは1:0.01〜1:0.2、より更に好ましくは1:0.01〜1:0.1に調整される。
共重合体(B4)の構造単位(B41)、(B42)及び(B43)中の群A及びDは、一般的にフェニル、2−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、ナフチル、2−ヒドロキシナフチル、4−ヒドロキシナフチル、2−メトキシナフチル、4−メトキシナフチル、好ましくはフェニルによって表され、これはA及びDが互いに独立して選択されることが可能であり、また、それぞれの場合に前記化合物の混合物からなることも可能である。群B及びEは、互いに独立して、好ましくはOによって表される。
基R16b、R17b、R18b及びR19bは、互いに独立して選択され且つ好ましくは水素原子、メチル、エチル又はフェニル、より好ましくは水素原子又はメチル、更に好ましくは水素原子によって表される。
構造単位(B41)中のm4は、好ましくは5〜280、より好ましくは10〜160、更に好ましくは12〜120の整数によって表され、構造単位(B42)及び(B43)中のn5は0〜10、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜5の整数によって表される。それぞれの基は、その長さがm4及びn5によって定義されており、それぞれ、ここで均一な構成単位からなるが、異なる構成単位の組み合わせも好都合であり得る。更に、構造単位(B41)又は(B42)及び(B43)の基は、互いに独立して、それぞれ同じ鎖長さを有してよく、m4及びn5は数字によって表されている。しかしながら、原則的に、異なる鎖長さを有する組み合わせが存在する場合、それぞれの場合に、共重合体(B4)中の構造単位の基がm4について、更に独立してn5について異なる数の値を有することが好都合である。
しばしば、共重合体(B4)は、4000g/モル〜150000g/モル、好ましくは10000〜100000g/モル、より好ましくは20000〜75000g/モルの質量平均分子量を有する。
(B)成分としては、分散剤組成物の均一性の観点から、共重合体(B1)、共重合体(B2)及び共重合体(B3)から選ばれる1種以上の共重合体が好ましい。
(B)成分としては、流動性向上の観点及び分散剤組成物の均一性の観点から、共重合体(B1)から選ばれる1種以上の共重合体が好ましい。
<(C)成分>
本発明の石膏用分散剤組成物は、更に、下記(C)成分を含有することが好ましい。(C)成分は、粘土を含む天然石膏用やリン酸を含むリン酸石膏用、又はそれらの混合物とする場合で、特に(C)成分を添加しないと石膏スラリーpHが6以下になるときに、(C)成分を含有することが好ましい。
〔(C)成分〕
アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びポリエチレンイミンから選ばれる1種以上の窒素含有化合物であり、
前記アルキルアミンは、アルキル基の総炭素数が5以下である1級アミン、アルキル基の総炭素数が6以下である2級アミン、及びアルキル基の総炭素数が5以下である3級アミンから選ばれるアルキルアミンであり、
前記アルカノールアミンは、炭素数が1以上10以下であり、アルカノール基を1つ以上3つ以下有するアルカノールアミンであり、
前記アルキルアルカノールアミンは、炭素数が2以上、10以下であり、アルキル基を1つ又は2つ有するアルキルアルカノールアミンである。
(C)成分は、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びポリエチレンイミン(エチレンイミノ基の平均縮合数が4以上、更に好ましくは5以上のもの)から選ばれる1種以上の窒素含有化合物である。
そして、(C)成分のうち、アルキルアミンは、アルキル基の総炭素数が5以下である1級アミン、アルキル基の総炭素数が6以下である2級アミン、及びアルキル基の総炭素数が5以下である3級アミンから選ばれるアルキルアミンである。アルキルアミンのアルキル基の炭素数の下限値は1である。なお、エチレンイミノ基の平均縮合数が4であるポリエチレンイミンからは、テトラエチレンペンタミン(直鎖型)は除かれ、エチレンイミノ基の平均縮合数が4であるポリエチレンイミンとしては、例えば、分岐型のポリエチレンイミンが挙げられる。
また、(C)成分のうち、アルカノールアミンは、炭素数が1以上、10以下であり、アルカノール基を1つ以上、3つ以下有するアルカノールアミンである。
また、(C)成分のうち、アルキルアルカノールアミンは、炭素数が2以上、10以下であり、アルキル基を1つ又は2つ有するアルキルアルカノールアミンである。
石膏用液体分散剤組成物の臭気の点を考慮すると、(C)成分は、前記アルキルアミン、前記アルカノールアミン、前記アルキルアルカノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びポリエチレンイミン(エチレンイミノ基の平均縮合数が4以上、更に好ましくは5以上のもの)から選ばれる1種以上の窒素含有化合物が好ましい。
(C)成分は、水への溶解性が良好で、(A)成分、(B)成分及び水と容易に混合できる観点と石膏スラリーの流動性の観点から好ましい化合物である。
アルカノールアミンは、石膏スラリーの流動性の観点から、炭素数は1以上、10以下であり、石膏スラリーの流動性の観点から、アルカノール基を1つ以上、3つ以下有する。具体的には、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びトリイソプロパノールアミンから選ばれるアルカノールアミンが好ましい。
アルキルアルカノールアミンは、石膏スラリーの流動性の観点から、総炭素数は2以上、10以下であり、石膏スラリーの流動性の観点から、アルキル基を1つ又は2つ有する。具体的には、N−モノアルキル−モノアルカノールアミン、N−モノアルキル−ジアルカノールアミン、N,N−ジアルキル−モノアルカノールアミンが挙げられる。アルキルアルカノールアミンは、N−メチルジエタノールアミンが好ましい。アルキル基の炭素数は、1以上、4以下が好ましい。
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、及びテトラエチレンペンタミンの中では、石膏スラリーの流動性の観点から、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンが好ましい。
ポリエチレンイミンとしては、直鎖型ポリエチレンイミン及び分岐型ポリエチレンイミンから選ばれるポリエチレンイミンが挙げられる。ポリエチレンイミンの分子量は、石膏スラリーの流動性の観点から、200以上、100000以下が好ましい。ポリエチレンイミンとしては、石膏スラリーの流動性の観点から、分岐型ポリエチレンイミンが好ましく、分子量200以上、10000以下の分岐型ポリエチレンイミンがより好ましい。
また、アルキルアミンのうち、アルキル基の炭素数の合計が5以下である1級アミンとしては、石膏スラリーの流動性の観点から、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、及びペンチルアミンから選ばれるアルキルアミンが好ましい。
また、アルキルアミンのうち、アルキル基の炭素数の合計が6以下である2級アミンは、該2級アミンが有する2つのアルキル基の炭素数の合計が6以下であれば、それぞれアルキル基の炭素数はいずれでもよい。アルキル基の炭素数の合計が6以下である2級アミンとしては、石膏スラリーの流動性の観点から、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミンが挙げられ、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミンが好ましい。
また、アルキルアミンのうち、アルキル基の炭素数の合計が5以下である3級アミンは、該3級アミンが有する3つのアルキル基の炭素数の合計が5以下であれば、それぞれアルキル基の炭素数はいずれでもよい。アルキル基の炭素数の合計が5以下である3級アミンとしては、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミンが挙げられ、石膏スラリーの流動性の観点から、トリメチルアミンが好ましい。
(C)成分としては、分散剤組成物の保存安定性の観点から、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、及びジエチレントリアミンから選ばれる1種以上が好ましく、扱いやすく、入手容易性の観点から、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選ばれる1種以上の化合物がより好ましく、トリエタノールアミンが更に好ましい。また、分散剤組成物の加水分解率の観点から、モノエタノールアミン、及びジエチレントリアミンから選ばれる1種以上がより好ましい。
<分散剤組成物の組成等>
本発明の石膏用分散剤組成物は、流動性向上と(B)成分、更に任意に配合される(C)成分との相溶性の観点から、(A)成分を好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下含有する。
本発明の石膏用分散剤組成物は、流動性向上と(A)成分、更に任意に配合される(C)成分との相溶性の観点から、(B)成分を好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下含有する。
本発明の石膏用分散剤組成物は、流動性向上の観点から、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の質量比(A)/(B)が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.03以上、そして、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.75以下、更に好ましくは0.5以下である。
本発明の石膏用分散剤組成物が(C)成分を含有する場合、本発明の石膏用分散剤組成物は、流動性向上と(A)成分、(B)成分との相溶性の観点から、(C)成分を好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、更に好ましくは3.0質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下含有する。
本発明の分散剤組成物は、粘土を含む石膏用として好適である。特許文献2で指摘しているように、粘土を含む石膏スラリーに対しては、(B)成分のような共重合体を用いた場合のワーカビリティは低下する傾向があるが、本発明の分散剤組成物は、粘土を含む石膏を用いた石膏スラリーに対しても、優れた流動性を付与することができる。
本発明の石膏用液体分散剤組成物は、水を含有する液体の組成物とすることができる。水は組成物の残部となる量で用いられる。液体の組成物である場合、本発明の石膏用分散剤組成物は、安定性向上の観点から、20℃でのpHが好ましくは7.0以上である。そして、20℃でのpHは、好ましくは13.0以下、より好ましくは12.0以下、更に好ましくは11.0以下である。
本発明の石膏用液体分散剤組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、水以外の成分として、起泡剤、消泡剤、防腐剤、硬化促進剤、紙との接着性向上剤などを含有することができる。
[石膏スラリー]
本発明は、前記(A)成分、前記(B)成分、水、及び石膏を含む石膏スラリーを提供する。(A)成分と(B)成分とを用いることで、石膏スラリーの減水効果や流動性に優れたものとなる。
石膏は、高品質の中和石膏、りん酸の副産物であるりん酸石膏、火力発電で発生する排煙脱硫石膏、さまざまな不純物や粘土を含む天然石膏、それらの混合物などのいずれの石膏も用いることが出来る。前述の通り、粘土を含む石膏を用いた石膏スラリーに対しては、(B)成分のような共重合体を用いた場合のワーカビリティは低下する傾向があるが、本発明の分散剤組成物は、粘土を含む石膏を用いた石膏スラリーに対しても、優れた流動性を付与することができる。そのため、当業界で極めて有用な技術となる。
粘土を含む天然石膏は、自然界の地中に存在し、主に海外より入手される。
石膏中の粘土の含有量は一定でなく産地により異なるが、石膏の単位質量あたりおよそ1%程度は含有されていると予想している。
石膏が含む粘土は、層状構造をもった含水珪酸塩鉱物(以降、粘土鉱物と呼ぶ)を主体としたものであり、この粘土中に微粒の鉱物として含まれる粘土鉱物としては、カオリン鉱物(カオリナイト、ディッカイト及びナクライト)、蛇紋石(リザーダイト、アンチゴライト、クリソタイル)、雲母粘土鉱物(イライト、セリサイト、海緑石、セラドナイト)、クロライト、バーミキュライト、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト)が挙げられる。
本発明の石膏スラリーにおいて、水石膏比は、石膏スラリーの流動性向上の観点から、(水の質量/石膏の質量)×100で算出される質量比(質量%)で、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50以上、そして、好ましくは75以下、より好ましくは65以下である。
本発明の石膏スラリーは、石膏スラリーの流動性の観点から、(A)成分を、石膏100質量部に対して、好ましくは0.002質量部以上、より好ましくは0.006質量部以上、そして、好ましくは0.1質量部以下、より好ましくは0.08質量部以下、更に好ましくは0.04質量部以下含有する。
本発明の石膏スラリーは、石膏スラリーの流動性の観点から、(B)成分を、石膏100質量部に対して、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.04質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上、そして、0.12質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下、更に好ましくは0.08質量部以下、より更に好ましくは0.07質量部以下含有する。
本発明の石膏スラリーは、石膏スラリーの流動性の観点から、(C)成分を含有することが好ましい。(C)成分の具体例及び好ましい化合物は本発明の分散剤組成物で述べたものと同じである。
本発明の石膏スラリーが(C)成分を含有する場合、石膏スラリーの流動性の観点から、石膏スラリーは、(C)成分を、石膏100質量部に対して、好ましくは0.008質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.013質量部以上、より更に好ましくは0.015質量部以上、そして、好ましくは0.025質量部以下、より好ましくは0.02以下、更に好ましくは0.018質量部以下含有する。
本発明の石膏スラリーにおいても、流動性向上の観点から、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の質量比(A)/(B)が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.03以上、そして、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.75以下、更に好ましくは0.5以下である。
本発明の石膏スラリーは、流動性の観点から、20℃でのpHは6.0以上が好ましく、6.2以上がより好ましい。そして、硬化遅延の低減、石膏ボードとしたときの紙との接着性の観点から、該pHは9.0以下が好ましく、8.0以下がより好ましい。石膏スラリーのpHは、石膏スラリーの水溶液部分のpHである。
本発明の石膏スラリーは、石膏、水、(A)成分、(B)成分、必要により(C)成分を混合することにより製造できる。(A)成分と(B)成分、必要により(C)成分は、予め水と混合して用いることが好ましい。いわゆる練り水に(A)成分と(B)成分と、必要により(C)成分とを混合して用いることができる。また、本発明の石膏スラリーの調製には、本発明の石膏用液体分散剤組成物を用いることができる。その場合、本発明の石膏用液体分散剤組成物をそのまま、あるいは水で希釈して用いることができる。
本発明の石膏スラリーは、石膏ボードの製造に好適に用いることができる。
本発明により、(A)成分、(B)成分、水、及び石膏を混合する、石膏スラリーの製造方法が提供される。
また、本発明により、次の工程を含む、石膏スラリーの製造方法が提供される。
工程1:(A)成分と(B)成分と水を混合し、石膏調製用液体組成物を得る工程。
工程2:工程1で得られた石膏調製用液体組成物と石膏とを混合し、石膏スラリーを得る工程。
ここで、前記製造方法において、(A)成分は、前記式(A1)〜(A8)から選ばれる一種以上の構成単位を含み、重量平均分子量が1000以上30000以下であり、pH7の水溶液でのカチオン当量が4meq/g以上16meq/g以下である重合体であり、(B)成分は、前記共重合体(B1)、共重合体(B2)、共重合体(B3)及び共重合体(B4)から選ばれる1種以上の共重合体である。前記製造方法では、(A)成分、(B)成分と共に(C)成分を混合することができる。
前記製造方法に対しては、本発明の石膏用液体分散剤組成物及び石膏スラリーで示した好ましい態様を適宜適用することができる。前記製造方法に対しては、石膏スラリーで示した(A)成分、(B)成分及び(C)成分の含有量を、混合量又は添加量に置き換えて適宜適用することができる。
[石膏スラリーの流動性向上方法]
本発明は、前記(A)成分を石膏スラリーに添加する、石膏スラリーの流動性向上方法を提供する。
(A)成分と共に前記(B)成分を石膏スラリーに添加することが好ましい。
(A)成分と共に前記(C)成分を石膏スラリーに添加することが好ましい。
(A)成分と共に前記(B)成分及び前記(C)成分を石膏スラリーに添加することが好ましい。
前記流動性向上方法に対しては、本発明の石膏用液体分散剤組成物及び石膏スラリーで示した好ましい態様を適宜適用することができる。前記流動性向上方法に対しては、石膏スラリーで示した(A)成分、(B)成分及び(C)成分の含有量を、添加量に置き換えて適宜適用することができる。
以下の試験例で用いた成分を示す。
<(A)成分>
・アリルアミン重合体(1):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA01、重量平均分子量1600、カチオン当量13.8meq/g
・アリルアミン重合体(2):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA03、重量平均分子量3000、カチオン当量14.4meq/g
・アリルアミン重合体(3):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA05、重量平均分子量5000、カチオン当量15.7meq/g
・アリルアミン重合体(4):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA08、重量平均分子量8000、カチオン当量9.8meq/g
・アリルアミン重合体(5):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA15、重量平均分子量15000、カチオン当量7.6meq/g
・アリルアミン重合体(6):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA25、重量平均分子量25000、カチオン当量10.2meq/g
・アリルアミン塩酸塩重合体(1):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA-HCL-01、重量平均分子量1600、カチオン当量7.7meq/g
・アリルアミン塩酸塩重合体(2):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA-HCL-3L、重量平均分子量15000、カチオン当量9.0meq/g
・アリルアミン・ジアリルアミン共重合体:ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA-D41-HCL、重量平均分子量20000、カチオン当量9.2meq/g
・アリルアミン・ジメチルアリルアミン共重合体:ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA-1112、重量平均分子量1000、カチオン当量12.6meq/g
・ジアリルアミン重合体:ニットーボーメディカル株式会社、型番PAS21、重量平均分子量5000、カチオン当量11.4meq/g
・メチルジアリルアミン塩酸塩重合体(1):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAS-M-1L、重量平均分子量5000、カチオン当量5.8meq/g
・メチルジアリルアミン塩酸塩重合体(2):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAS-M1、重量平均分子量20000、カチオン当量6.1meq/g
<(A’)成分((A)成分の比較重合体)>
・アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩共重合体(1):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA-D11-HCL、重量平均分子量70000、カチオン当量9.0meq/g
・アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩共重合体(2):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAA-D19-HCL、重量平均分子量40000、カチオン当量7.9meq/g
・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(1):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAS-H-1L、重量平均分子量8500、カチオン当量6.1meq/g
・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(2):ニットーボーメディカル株式会社、型番PAS-H-5L、重量平均分子量30000、カチオン当量6.8meq/g
・ジアリルアミン塩酸塩・2酸化硫黄共重合体:ニットーボーメディカル株式会社、型番PAS-92、重量平均分子量5000、カチオン当量3.6meq/g
・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・2酸化硫黄共重合体:ニットーボーメディカル株式会社、型番PAS-A-5、重量平均分子量4000 、カチオン当量3.9meq/g
・ジメチルアミノエチルメタクリレート・ジエチル硫酸:重量平均分子量9000、カチオン当量3.0meq/g
・ジメチルアミノエチルメタクリレート・ジエチル硫酸:重量平均分子量120000、カチオン当量3.7meq/g
・ポリジアリルジメチルアンモニウム・塩化メチル:重量平均分子量150000、カチオン当量4.8meq/g
・ポリジメチルアミノエチルメタクリレート・塩化メチル:重量平均分子量230000、カチオン当量6.2meq/g
<(B)成分>
〔共重合体(B1)〕
下記の方法で製造された共重合体B−1を用いた。共重合体B−1は、共重合体(B1)の共重合体である。
攪拌機付反応容器に水317g(17.6モル)を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステル(エチレンオキシド平均付加モル数120)323g(0.06モル)とメタクリル酸46.5g(0.54モル)(質量比=87.4/12.6、モル比=10/90)、水239g(13.3モル)を混合溶解したものと、10質量%過硫酸アンモニウム水溶液41.7g、及び2−メルカプトエタノール1.9gをそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下した。次に10質量%過硫酸アンモニウム水溶液13.9gを30分かけて滴下し、1時間同温度(75℃)で熟成した。熟成終了後、48質量%NaOH水溶液を49.3g加えて中和し、重量平均分子量63000の共重合体B−1を得た。
〔共重合体(B2)〕
以下の共重合体B−2を用いた。共重合体B−2は、共重合体(B2)の共重合体である。共重合体B−2は、特開2010−105829の製造例1に基づいて作製した。ただし、次ようにモノマーの構成比率、エチレンオキシド平均付加モル数、重量平均分子量を変更した。
・共重合体B−2:アクリル酸/イソプレニルポリエチレンオキサイド共重合体(=76/24モル比、9.6/90.4質量比)、エチレンオキシド平均付加モル数47、重量平均分子量50,000、ナトリウム塩
〔共重合体(B3)〕
以下の共重合体B−3を用いた。共重合体B−3は、共重合体(B3)の共重合体である。
・共重合体B−3:国際公開第2008/032800号(再表2008/032800)の製造例B2の方法で得られたポリカルボン酸系重合体〔構成単量体として、3−メチル−3−ブテン−1−オール50EO2PO付加物(ブロック付加物、PO3.8モル%)、無水マレイン酸、フマル酸、及び前記公報の製造例A1で得られたポリアミドポリアミンA1を含む。重量平均分子量29,000〕
〔共重合体(B4)〕
下記の方法で製造された共重合体B−4を用いた。共重合体B−4は、共重合体(B4)の共重合体である。
撹拌機及び加熱マントルを備えた反応器に、580部のポリ(エチレンオキシド)モノフェニルエーテル(平均分子量5000g/モル)、33.5部の濃硫酸、14部の水、110部のオリゴエチレングリコールモノフェニルエーテルリン酸エステル(平均分子量324g/モル)及び64.1部のホルムアルデヒドを充填する。この反応混合物を115℃で6時間撹拌する。冷却後、650部の水を添加し、反応混合物を50%の水酸化ナトリウム溶液を用いてpH値6.5〜7まで中和して共重合体B−4を得た。
このときアルキレンオキサイド平均付加モル数は110モル、重合モル比はエチレンオキサイドモノフェニルエーテル/オリゴエチレングリコールモノフェニルエーテルリン酸エステル=25/75モルであった。
試験例1
表1に示す(A)成分と(B)成分とを、水と混合して142.5gとなるように練り水を調製した。(A)成分と(B)成分は、それぞれ、石膏100質量部に対する添加量が表1の通りとなるように、練り水142.5g中への混合量を調整して用いた。この練り水142.5gを桜印焼き石膏A級(吉野石膏株式会社製)250gに加え、20℃で、ハンドミキサー(National製 型番MK-H3 低速)で10秒間練り混ぜを行って石膏スラリーを得た。得られた石膏スラリーを、上部内径50mm、底部内径50mm、高さ50mmのコーンに充填し、練混ぜ開始から30秒後に引き抜きフロー(mm)を測定した。また、石膏スラリーのpH(20℃)を測定した。結果を表1に示す。なお、表中には、(A)成分に該当しない化合物も、便宜的にそれらの欄に示した。この試験例では、石膏スラリーの配合は、練り水(W)142.5g、石膏(G)250gであり、W/Gの質量比は0.57である。
表1中、(A)成分、(B)成分の添加量は、石膏100質量部に対する有効分換算での質量部である。
Figure 2017057101
試験例2
表2に示す(A)成分と(B)成分と(C)成分を、水と混合して149.0gとなるように練り水を調製した。(A)成分と(B)成分と(C)成分は、それぞれ、石膏とベントナイトの合計100質量部に対する添加量が表2の通りとなるように、練り水149.0g中への混合量を調整して用いた。この練り水149.0gを、桜印焼き石膏A級(吉野石膏株式会社製)250gとベントナイト(Sigma Aldrich社製)2.5gを混ぜたものに加え、20℃で、ハンドミキサー(National製 型番MK-H3 低速)で10秒間練り混ぜを行って石膏スラリーを得た。得られた石膏スラリーを、上部内径50mm、底部内径50mm、高さ50mmのコーンに充填し、練混ぜ開始から30秒後に引き抜きフロー(mm)を測定した。また、石膏スラリーのpH(20℃)を測定した。結果を表2に示す。なお、表2中には、(A)成分に該当しない化合物も、便宜的にそれらの欄に示した。この試験例では、石膏スラリーの配合は、練り水(W)149.0g、石膏(G)250g、ベントナイト2.5gであり、W/G(石膏+ベントナイト)の質量比は0.59である。
表2中、(A)成分、(B)成分、(C)成分の添加量は、石膏とベントナイトの合計100質量部に対する有効分換算での質量部である。
Figure 2017057101
試験例3
(A)成分、(B)成分、(C)成分の濃度が、それぞれ、4質量%又は0質量%、30質量%、8質量%(固形分換算)であり、残部が水である石膏用分散剤組成物を調製し、調製1日後の均一性を評価した。
ここで、調製1日後の均一性は、外観を目視観察し、分離も濁りもなく均一な外観であるものを「均一」、濁りが生じたものを「白濁」、分離が生じたものを「分離」とした。均一性の評価が「分離」であるものは、分散剤組成物の均一性に乏しく、使用する毎に強力な攪拌操作が必要となるため、実際の作業現場では非常に使い勝手の悪いものとなると考えられる。また、均一性の評価が「白濁」ものは、組成物の外観はやや劣るが、使用には問題が無いものである。
また、得られた石膏用分散剤組成物を用いて、試験例2と同様に石膏スラリーを調製し、フローを測定した。結果を表3に示す。表3中、(A)成分、(B)成分、(C)成分の添加量は、石膏とベントナイトの合計100質量部に対する有効分換算での質量部である。
Figure 2017057101

Claims (11)

  1. 下記(A)成分及び下記(B)成分を含有する石膏用分散剤組成物。
    <(A)成分>
    下記式(A11)で表される構成単位、下記式(A12)で表される構成単位、下記式(A21)で表される構成単位、及び下記式(A22)で表される構成単位から選ばれる一種以上の構成単位を含み、重量平均分子量が1000以上30000以下であり、pH7の水溶液でのカチオン当量が4meq/g以上16meq/g以下である重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、R1a、R2a、R3aは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1のアルキル基を表す。Xは、陰イオンである。〕
    <(B)成分>
    下記共重合体(B1)、共重合体(B2)、共重合体(B3)、及び共重合体(B4)から選ばれる1種以上の共重合体
    〔共重合体(B1)〕
    下記一般式(B11)で表される構成単位と、下記一般式(B12)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、
    1b、R2b:それぞれ独立に、水素原子又はメチル基
    m1:0以上2以下の整数
    O:炭素数2又は3のアルキレンオキシ基
    n1:AOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数
    :水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基
    を示す。〕
    Figure 2017057101

    〔式中、
    3b、R4b、R5b:それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は(CHm2COOM
    、M:それぞれ独立に、対イオンを示し、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、有機アンモニウムイオン、又はアンモニウムイオン
    m2:0以上2以下の整数
    を示す。〕
    〔共重合体(B2)〕
    前記一般式(B12)で表される構成単位と、下記一般式(B21)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、
    6b:炭素数2以上5以下の炭化水素基
    O:同一又は異なって、炭素数2以上18以下のアルキレンオキシ基
    n2:AOで表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、4以上300以下の数
    7b:水素原子又は炭素数1以上30以下の炭化水素基
    を示す。〕
    〔共重合体(B3)〕
    下記一般式(B31)で表される構成単位と、下記一般式(B32)で表される構成単位と、下記一般式(B33)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体であって、
    該共重合体の主鎖骨格に結合するグラフト鎖は主としてエチレンオキサイドから構成されるポリアルキレンオキサイド鎖を含み、該グラフト鎖の末端は水酸基であり、
    一般式(B31)で表される構成単位におけるポリアルキレンオキサイド鎖の水酸基側末端部が、炭素数3又は4のアルキレンオキサイドを、該アルキレンオキサイド鎖の全モル量に対して0.1モル%以上30モル%以下の割合で有する、
    共重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、
    8b、R9b、R10b:それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上22以下の炭化水素基
    :−(CHm3O−で表される基
    O:炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基
    n3:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であって、1以上200以下の数
    m3:1以上20以下の整数
    を示す。〕
    Figure 2017057101

    〔式中、
    11b、R12b、R13b、R14b:それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上22以下の炭化水素基、−COOH、−COOM、−COOZを表すか、あるいはR11bとR12b、若しくはR13bとR14bは一緒になって酸無水物を形成する。R11b、R12b、R13b、R14bの少なくとも1つは−COOZである。
    :対イオンを示し、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、アンモニウムイオン、又はアルカノールアンモニウムイオン、
    :炭素数1以上22以下の炭化水素基又は−(AO)n4−R15bで表される基
    O:炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基
    n4:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であって、1以上200以下の数
    15b:炭素数1以上22以下の炭化水素基
    を示す。〕
    Figure 2017057101

    〔式中、
    :二塩基酸とポリアルキレンポリアミンを縮合させたポリアミドポリアミン及び/又は該ポリアミドポリアミンの活性イミノ基、アミノ基、アミド残基1当量に対して炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドを0.1モル以上10モル以下付加させたポリアミドポリアミン変性物が、アミド結合を介して主鎖の炭素原子と結合する基
    を示す。〕
    〔共重合体(B4)〕
    芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位及びポリエーテル側鎖を有する少なくとも1つの構成単位(B41)、芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位を有する少なくとも1つのリン酸化構成単位(B42)、並びに、任意に、芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位を有する少なくとも1つの構成単位(B43)を含有する共重合体であって、
    構成単位(B42)と構成単位(B43)とは、構成単位(B42)のOP(OH)基が構成単位(B43)中でHによって置換され、且つ構成単位(B43)が構成単位(B41)と同じではない点のみで異なっている共重合体
  2. 粘土を含む石膏用である、請求項1に記載の分散剤組成物。
  3. (B)成分が、前記共重合体(B1)、前記共重合体(B2)及び前記共重合体(B3)から選ばれる1種以上の共重合体である、請求項1又は2に記載の分散剤組成物。
  4. 更に、下記(C)成分を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の分散剤組成物。
    <(C)成分>
    アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びポリエチレンイミンから選ばれる1種以上の窒素含有化合物であり、
    前記アルキルアミンは、アルキル基の総炭素数が5以下である1級アミン、アルキル基の総炭素数が6以下である2級アミン、及びアルキル基の総炭素数が5以下である3級アミンから選ばれるアルキルアミンであり、
    前記アルカノールアミンは、炭素数が1以上10以下であり、アルカノール基を1つ以上3つ以下有するアルカノールアミンであり、
    前記アルキルアルカノールアミンは、炭素数が2以上、10以下であり、アルキル基を1つ又は2つ有するアルキルアルカノールアミンである。
  5. 下記(A)成分、下記(B)成分、水、及び石膏を含む石膏スラリー。
    <(A)成分>
    下記式(A11)で表される構成単位、下記式(A12)で表される構成単位、下記式(A21)で表される構成単位、及び下記式(A22)で表される構成単位から選ばれる一種以上の構成単位を含み、重量平均分子量が1000以上30000以下であり、pH7の水溶液でのカチオン当量が4meq/g以上16meq/g以下である重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、R1a、R2a、R3aは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上 以下のアルキル基を表す。Xは、陰イオンである。〕
    <(B)成分>
    下記共重合体(B1)、共重合体(B2)、共重合体(B3)、及び共重合体(B4)から選ばれる1種以上の共重合体
    〔共重合体(B1)〕
    下記一般式(B11)で表される構成単位と、下記一般式(B12)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、
    1b、R2b:それぞれ独立に、水素原子又はメチル基
    m1:0以上2以下の整数
    O:炭素数2又は3のアルキレンオキシ基
    n1:AOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数
    :水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基
    を示す。〕
    Figure 2017057101

    〔式中、
    3b、R4b、R5b:それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は(CHm2COOM
    、M:それぞれ独立に、対イオンを示し、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、有機アンモニウムイオン、又はアンモニウムイオン
    m2:0以上2以下の整数
    を示す。〕
    〔共重合体(B2)〕
    前記一般式(B12)で表される構成単位と、下記一般式(B21)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、
    6b:炭素数2以上5以下の炭化水素基
    O:同一又は異なって、炭素数2以上18以下のアルキレンオキシ基
    n2:AOで表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、4以上300以下の数
    7b:水素原子又は炭素数1以上30以下の炭化水素基
    を示す。〕
    〔共重合体(B3)〕
    下記一般式(B31)で表される構成単位と、下記一般式(B32)で表される構成単位と、下記一般式(B33)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体であって、
    該共重合体の主鎖骨格に結合するグラフト鎖は主としてエチレンオキサイドから構成されるポリアルキレンオキサイド鎖を含み、該グラフト鎖の末端は水酸基であり、
    一般式(B31)で表される構成単位におけるポリアルキレンオキサイド鎖の水酸基側末端部が、炭素数3又は4のアルキレンオキサイドを、該アルキレンオキサイド鎖の全モル量に対して0.1モル%以上30モル%以下の割合で有する、
    共重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、
    8b、R9b、R10b:それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上22以下の炭化水素基
    :−(CHm3O−で表される基
    O:炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基
    n3:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であって、1以上200以下の数
    m3:1以上20以下の整数
    を示す。〕
    Figure 2017057101

    〔式中、
    11b、R12b、R13b、R14b:それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上22以下の炭化水素基、−COOH、−COOM、−COOZを表すか、あるいはR11bとR12b、若しくはR13bとR14bは一緒になって酸無水物を形成する。R11b、R12b、R13b、R14bの少なくとも1つは−COOZである。
    :対イオンを示し、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、アンモニウムイオン、又はアルカノールアンモニウムイオン、
    :炭素数1以上22以下の炭化水素基又は−(AO)n4−R15bで表される基
    O:炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基
    n4:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であって、1以上200以下の数
    15b:炭素数1以上22以下の炭化水素基
    を示す。〕
    Figure 2017057101

    〔式中、
    :二塩基酸とポリアルキレンポリアミンを縮合させたポリアミドポリアミン及び/又は該ポリアミドポリアミンの活性イミノ基、アミノ基、アミド残基1当量に対して炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドを0.1モル以上10モル以下付加させたポリアミドポリアミン変性物が、アミド結合を介して主鎖の炭素原子と結合する基
    を示す。〕
    〔共重合体(B4)〕
    芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位及びポリエーテル側鎖を有する少なくとも1つの構成単位(B41)、芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位を有する少なくとも1つのリン酸化構成単位(B42)、並びに、任意に、芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位を有する少なくとも1つの構成単位(B43)を含有する共重合体であって、
    構成単位(B42)と構成単位(B43)とは、構成単位(B42)のOP(OH)基が構成単位(B43)中でHによって置換され、且つ構成単位(B43)が構成単位(B41)と同じではない点のみで異なっている共重合体
  6. 石膏が粘土を含む石膏である、請求項5に記載の石膏スラリー。
  7. (B)成分が、前記共重合体(B1)、前記共重合体(B2)及び前記共重合体(B3)から選ばれる1種以上の共重合体である、請求項5又は6に記載の石膏スラリー。
  8. 更に、下記(C)成分を含有する、請求項5〜7のいずれかに記載の石膏スラリー。
    <(C)成分>
    アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びポリエチレンイミンから選ばれる1種以上の窒素含有化合物であり、
    前記アルキルアミンは、アルキル基の総炭素数が5以下である1級アミン、アルキル基の総炭素数が6以下である2級アミン、及びアルキル基の総炭素数が5以下である3級アミンから選ばれるアルキルアミンであり、
    前記アルカノールアミンは、炭素数が1以上10以下であり、アルカノール基を1つ以上3つ以下有するアルカノールアミンであり、
    前記アルキルアルカノールアミンは、炭素数が2以上、10以下であり、アルキル基を1つ又は2つ有するアルキルアルカノールアミンである。
  9. 下記(A)成分を石膏スラリーに添加する、石膏スラリーの流動性向上方法。
    <(A)成分>
    下記式(A11)で表される構成単位、下記式(A12)で表される構成単位、下記式(A21)で表される構成単位、及び下記式(A22)で表される構成単位から選ばれる一種以上の構成単位を含み、重量平均分子量が1000以上30000以下であり、pH7の水溶液でのカチオン当量が4meq/g以上16meq/g以下である重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、R1a、R2a、R3aは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上 以下のアルキル基を表す。Xは、陰イオンである。〕
  10. (A)成分と共に下記(B)成分を石膏スラリーに添加する、請求項9に記載の石膏スラリーの流動性向上方法。
    <(B)成分>
    下記共重合体(B1)、共重合体(B2)、共重合体(B3)、及び共重合体(B4)から選ばれる1種以上の共重合体
    〔共重合体(B1)〕
    下記一般式(B11)で表される構成単位と、下記一般式(B12)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、
    1b、R2b:それぞれ独立に、水素原子又はメチル基
    m1:0以上2以下の整数
    O:炭素数2又は3のアルキレンオキシ基
    n1:AOの平均付加モル数であって、4以上300以下の数
    :水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基
    を示す。〕
    Figure 2017057101

    〔式中、
    3b、R4b、R5b:それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は(CHm2COOM
    、M:それぞれ独立に、対イオンを示し、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、有機アンモニウムイオン、又はアンモニウムイオン
    m2:0以上2以下の整数
    を示す。〕
    〔共重合体(B2)〕
    前記一般式(B12)で表される構成単位と、下記一般式(B21)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、
    6b:炭素数2以上5以下の炭化水素基
    O:同一又は異なって、炭素数2以上18以下のアルキレンオキシ基
    n2:AOで表されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、4以上300以下の数
    7b:水素原子又は炭素数1以上30以下の炭化水素基
    を示す。〕
    〔共重合体(B3)〕
    下記一般式(B31)で表される構成単位と、下記一般式(B32)で表される構成単位と、下記一般式(B33)で表される構成単位とを含んで構成される共重合体であって、
    該共重合体の主鎖骨格に結合するグラフト鎖は主としてエチレンオキサイドから構成されるポリアルキレンオキサイド鎖を含み、該グラフト鎖の末端は水酸基であり、
    一般式(B31)で表される構成単位におけるポリアルキレンオキサイド鎖の水酸基側末端部が、炭素数3又は4のアルキレンオキサイドを、該アルキレンオキサイド鎖の全モル量に対して0.1モル%以上30モル%以下の割合で有する、
    共重合体
    Figure 2017057101

    〔式中、
    8b、R9b、R10b:それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上22以下の炭化水素基
    :−(CHm3O−で表される基
    O:炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基
    n3:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であって、1以上200以下の数
    m3:1以上20以下の整数
    を示す。〕
    Figure 2017057101

    〔式中、
    11b、R12b、R13b、R14b:それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上22以下の炭化水素基、−COOH、−COOM、−COOZを表すか、あるいはR11bとR12b、若しくはR13bとR14bは一緒になって酸無水物を形成する。R11b、R12b、R13b、R14bの少なくとも1つは−COOZである。
    :対イオンを示し、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、アンモニウムイオン、又はアルカノールアンモニウムイオン、
    :炭素数1以上22以下の炭化水素基又は−(AO)n4−R15bで表される基
    O:炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基
    n4:アルキレンオキサイドの平均付加モル数であって、1以上200以下の数
    15b:炭素数1以上22以下の炭化水素基
    を示す。〕
    Figure 2017057101

    〔式中、
    :二塩基酸とポリアルキレンポリアミンを縮合させたポリアミドポリアミン及び/又は該ポリアミドポリアミンの活性イミノ基、アミノ基、アミド残基1当量に対して炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイドを0.1モル以上10モル以下付加させたポリアミドポリアミン変性物が、アミド結合を介して主鎖の炭素原子と結合する基
    を示す。〕
    〔共重合体(B4)〕
    芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位及びポリエーテル側鎖を有する少なくとも1つの構成単位(B41)、芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位を有する少なくとも1つのリン酸化構成単位(B42)、並びに、任意に、芳香族又はヘテロ芳香族サブ単位を有する少なくとも1つの構成単位(B43)を含有する共重合体であって、
    構成単位(B42)と構成単位(B43)とは、構成単位(B42)のOP(OH)基が構成単位(B43)中でHによって置換され、且つ構成単位(B43)が構成単位(B41)と同じではない点のみで異なっている共重合体
  11. (A)成分と共に下記(C)成分を石膏スラリーに添加する、請求項9又は10に記載の石膏スラリーの流動性向上方法。
    <(C)成分>
    アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びポリエチレンイミンから選ばれる1種以上の窒素含有化合物であり、
    前記アルキルアミンは、アルキル基の総炭素数が5以下である1級アミン、アルキル基の総炭素数が6以下である2級アミン、及びアルキル基の総炭素数が5以下である3級アミンから選ばれるアルキルアミンであり、
    前記アルカノールアミンは、炭素数が1以上10以下であり、アルカノール基を1つ以上3つ以下有するアルカノールアミンであり、
    前記アルキルアルカノールアミンは、炭素数が2以上、10以下であり、アルキル基を1つ又は2つ有するアルキルアルカノールアミンである。
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