JP2017056863A - 四輪駆動車の差動制限装置 - Google Patents

四輪駆動車の差動制限装置 Download PDF

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真史 大杉
石島 実
Minoru Ishijima
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Abstract

【課題】アクスルシャフトへのセレーションやスプラインの加工を不要とし、加工コストの低減を図ることができる四輪駆動車の差動制限装置を提供することである。【解決手段】ディファレンシャル9のサイドギヤ18bとアクスルシャフト11bの締結、解除により四輪駆動と二輪駆動の切換えを行う二方向クラッチ30と、アクスルシャフトの軸方向に移動可能なドグクラッチ部材51によってサイドギヤをデフケースに結合、解除するデフロック用のドグクラッチ50とを設ける。二方向クラッチを外輪31の開口端とディファレンシャルの対向部間にドグクラッチ部材を配置し、ドグクラッチ部材をデフケースに対して回り止めし、かつ、軸方向にスライド自在とし、ドグクラッチ部材と二方向クラッチの外輪の相互間に係脱可能な凸部53と凹部55を設けて外輪との間でドグクラッチを形成し、ドグクラッチ部材からアクスルシャフトへのトルク伝達を不要とする。【選択図】図2

Description

この発明は、パートタイム式四輪駆動車のディファレンシャルにデフロック機能が付加された四輪駆動車の差動制限装置に関する。
エンジンからの動力伝達系に四輪駆動と二輪駆動の駆動切換え手段が設けられたパートタイム式四輪駆動車のディファレンシャルにデフロック機能が付加された四輪駆動車の差動制限装置として特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
上記特許文献1に記載された四輪駆動車の差動制限装置においては、ディファレンシャルの一側部にローラ式の二方向クラッチとドグクラッチとを設け、上記二方向クラッチの係合によりディファレンシャルのサイドギヤとアクスルシャフトとを結合して四輪駆動に切換えるようにしている。また、ドグクラッチの係合によりサイドギヤをデフケースに結合してディファレンシャルをデフロックし、差動を制限するようにしている。
上記四輪駆動車の差動制限装置においては、ドグクラッチにおけるドグクラッチ部材としてのスライダをラック・ピニオン機構により二段階に移動可能とし、その一段階での移動により二方向クラッチを係合状態に切り換えて四輪駆動とし、二段階での移動によりドグクラッチを係合状態に切り換えてディファレンシャルをデフロックとして、単一の切換え手段で二方向クラッチおよびドグクラッチの係合、解除の切換えとしているため、二方向クラッチおよびドグクラッチを個別の切換え手段で切換えとする場合と比較して、構成の簡素化を図ることができるという特徴を有している。
特開2007−182965号公報
ところで、上記四輪駆動車の差動制限装置においては、ローラ式二方向クラッチにおける外輪が車輪側に向かって開口しているため、二方向クラッチの係合による四輪駆動への切換えやドグクラッチの係合によるディファレンシャルのデフロックに際し、ドグクラッチ部材をディファレンシャル側に向かって移動させる必要がある。
そのため、ドグクラッチが係合した際、動力はディファレンシャルからドグクラッチを通り、アクスルシャフトに伝える必要がある。その動力伝達に際し、ドグクラッチ部材をアクスルシャフトに対してセレーションあるいはスプラインによる嵌合によって回り止めし、かつ、スライド自在に支持する必要があり、アクスルシャフトの加工に手間がかかり、コストを高める要因となっている。
この発明の課題は、アクスルシャフトへのセレーションやスプラインの加工を不要とし、加工コストの低減を図ることができるようにした四輪駆動車の差動制限装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明においては、エンジンからの動力を左右一対のアクスルシャフトに分配するディファレンシャルの側部にデフケース内に組み込まれたサイドギヤとアクスルシャフトの締結、解除により四輪駆動と二輪駆動の切換えを行う二方向クラッチと、移動手段によって軸方向に移動されるドグクラッチ部材を有し、そのドグクラッチ部材によって前記サイドギヤをデフケースに結合、解除するデフロック用のドグクラッチとを設け、前記二方向クラッチが、外輪と内輪間に係合子を組み込み、その係合子を保持する保持器の回転制御によって係合子を外輪の内周と内輪の外周に係合させる構成とされ、前記ドグクラッチ部材で前記保持器の端部に設けられたフランジを弾性部材を介して外輪の開口端に押し付けて保持器の回転制御とし、二方向クラッチの係合状態への切換え後におけるドグクラッチ部材の二段階目の移動によってドグクラッチを係合状態に切り換える四輪駆動車の差動制限装置において、前記二方向クラッチを、その外輪の開口端が前記ディファレンシャルに向く組み込みとし、その外輪の開口端とディファレンシャルの対向部間に前記ドグクラッチ部材を配置し、そのドグクラッチ部材をデフケースに対して回り止めし、かつ、軸方向にスライド自在とし、そのドグクラッチ部材と前記二方向クラッチの外輪の相互間に係脱可能な凹凸部を設けて外輪との間でドグクラッチを形成した構成を採用したのである。
上記の構成からなる四輪駆動車の差動制限装置において、ドグクラッチ部材を二方向クラッチの外輪に向けて移動させると、そのドグクラッチ部材の押圧により保持器が回転制御されて、内輪に対する保持器の相対回転により係合子が内輪の外周と外輪の内周に係合し、二方向クラッチが係合してサイドギヤとアクスルシャフトが結合され、四輪駆動の切換えとされる。
二方向クラッチの係合状態への切換えとしたドグクラッチ部材をさらに同方向に移動させると、ドグクラッチ部材と外輪の相互間に設けられた凹凸部が互いに噛合してドグクラッチが係合し、サイドギヤがデフケースに結合されてディファレンシャルがデフロックされ、差動が制限される。
ディファレンシャルのデフロックにより、エンジンからの動力はディファレンシャル、ドグクラッチ部材および二方向クラッチの外輪からアクスルシャフトに伝達されるため、ドグクラッチ部材からアクスルシャフトへの動力伝達を不要とし、セレーションやスプラインのような動力の伝達に必要な嵌合部をアクスルシャフトに設ける必要がない。
ここで、ドグクラッチ部材と二方向クラッチの内輪の相互間に凹凸部を設けてドグクラッチを形成することにより、ドグクラッチ部材からアクスルシャフトへの動力伝達を不要とし、セレーションやスプラインのような動力の伝達に必要な嵌合部をアクスルシャフトに設ける必要を無くすことができる。
しかし、その場合においては、デフロック時のトルク伝達経路が、内輪、係合子、外輪へと伝達されることになって、デフロック時の過大トルクが二方向クラッチの内部を経由することになるため、その過大トルクを許容できる接触面圧、外輪強度、内輪強度に設定する必要が生じ、二方向クラッチの外径が大きくなり、また、幅方向長さが長くなって重量も非常に重いものになる。
この発明では、ドグクラッチ部材と外輪の相互間に凹凸部を設けてドグラッチを形成しているため、デフロック時の過大トルクは二方向クラッチの内部を通らない。そのため、二方向クラッチを設計するにあたってデフロック時の過大トルクを考慮する必要が無くなり、二方向クラッチの外径、幅方向長さの縮小と、軽量化を図ることができる。
ここで、デフケースの一側部にガイド筒を設け、ドグクラッチ部材には上記ガイド筒内にセレーション嵌合またはスプライン嵌合される筒部を設けてドグクラッチ部材を回り止め状態でスライド自在に支持し、上記ガイド筒内にデフケース内の潤滑オイルの外部への漏洩を阻止するシール部材を組み込んでおくのがよい。
上記シール部材の組込みによって潤滑オイルに混入するギヤ粉等の異物が二方向クラッチ内に侵入するのを抑制することができる。
この発明に係る四輪駆動車における差動制限装置において、ドグクラッチ部材を移動させる移動手段としては、モータを駆動源として回転駆動されるピニオンと、そのピニオンに噛合してピニオンの回転により軸方向に移動するラックとからなり、上記ラックに設けられた押圧片でドグクラッチ部材を押圧移動させる構成のものを採用することができる。
また、保持器のフランジを外輪に押し付ける弾性部材は、コイルスプリングであってもよく、皿ばねであってもよい。
さらに、二方向クラッチは、ローラを係合子とするローラ式のものであってもよく、あるいは、スプラグを係合子とするスプラグ式のものであってもよい。
この発明に係る四輪駆動車の差動制限装置においては、ドグクラッチ部材の二方向クラッチの外輪に向けての2段階への移動によって二方向クラッチの係合状態への切り換えとディファレンシャルのデフロックとを行うものであるため、ドグクラッチ部材を移動させる移動手段として、上記のように、モータにより回転駆動されるピニオンと、そのピニオンに噛合するラックとからなり、上記ラックに押圧片を設け、その押圧片でドグクラッチ部材を軸方向に押圧移動させる簡単な構成のものを採用することができる。
この発明においては、上記のように、ディファレンシャルをデフロックすることにより、エンジンからの動力はディファレンシャル、ドグクラッチおよび外輪からアクスルシャフトに伝達されるため、ドグクラッチ部材からアクスルシャフトへの動力伝達を不要とし、セレーションやスプラインのような動力の伝達に必要な嵌合部をアクスルシャフトに設ける必要がなくなり、コストの低減を図ることができる。
また、ドグクラッチ部材と二方向クラッチにおける外輪の相互間に凹凸部を設けてドグクラッチを形成したことにより、ディファレンシャルのデフロック時におけるトルク伝達経路は二方向クラッチの内部を経由することなく外輪へと伝達されることになり、二方向クラッチを設計するに際して、デフロック時の過大トルクを考慮する必要が無くなり、二方向クラッチの小型、軽量化を図ることができる。
この発明に係る差動制限装置を採用したパートタイム式四輪駆動車の概略平面図 この発明に係る差動制限装置の実施の形態を示す縦断面図 図2の二方向クラッチ部を示す拡大断面図 図3のIV−IV線に沿った断面図 図4に示すスイッチばねの作動状態を示す断面図 二方向クラッチの係合状態を示す断面図 ドグクラッチの係合状態を示す断面図 (a)はドグクラッチの係合状態を示す断面図、(b)は(a)のVIII−VIII線に沿った断面図 四輪駆動状態時の回転トルクの伝達経路を説明する図 デフロック時の回転トルクの伝達経路を説明する図 二方向クラッチの他の例を示す断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、後輪1が常時駆動され、前輪2が駆動状態と非駆動状態とに切換えられるパートタイム式四輪駆動車の動力伝達系を示す。エンジン3からの動力はトランスミッション4に入力され、そのトランスミッション4からの出力はトランスファ5を介してリヤ側プロペラシャフト6およびフロント側プロペラシャフト7に分配される。四輪駆動時には、これらプロペラシャフト6、7からの駆動力がリヤ側ディファレンシャル8およびフロント側ディファレンシャル9を介して、リヤ側の左右のアクスルシャフト10a、10bおよびフロント側の左右のアクスルシャフト11a、11bに伝達される。
図2に示すように、フロント側ディファレンシャル9は、外装ケース12内に収容されている。外装ケース12は、デフケース部12aと、クラッチケース部12bと、その両ケース部12a、12bを仕切る隔壁12cからなり、上記フロント側プロペラシャフト7の軸端部はデフケース部12aの周壁を貫通し、その貫通部に組み込まれた軸受13によって回転自在に支持されている。
フロント側ディファレンシャル9は、フロント側プロペラシャフト7の軸端部に取り付けられたピニオン14と、そのピニオン14に噛合するリングギヤ15と、そのリングギヤ15を支持するデフケース16と、そのデフケース16内に組み込まれた対向一対のデフピニオン17a、17bおよびその一対のデフピニオン17a、17bのそれぞれに噛合する一対のサイドギヤ18a、18bとを有し、上記一対のデフピニオン17a、17bは、フロント側アクスルシャフト11a、11bと直交して両端部がデフケース16に支持されたピニオン軸19を中心にして回転自在に支持されている。
デフケース16の上記リングギヤ15を支持する一側部にはガイド筒20がねじ止めによる手段を介して接続され、そのガイド筒20の端部が隔壁12cに形成された支持孔21に挿入されている。支持孔21にはシール付き軸受22が組み込まれ、そのシール付き軸受22によってガイド筒20が回転自在に支持されている。
デフケース16の他側部はデフケース部12aの端壁に形成された段付き孔24の大径孔部内に挿入され、その段付き孔24の大径孔部内に組み込まれた軸受25によって回転自在に支持されている。
また、段付き孔24の小径孔部内には、デフケース部12a内に異物が侵入するのを防止するシール部材26が組み込まれている。フロント側アクスルシャフト11aの軸端部はデフケース16の端壁を貫通し、そのデフケース16内に位置する端部に左右一対の一方のサイドギヤ18aがセレーション嵌合(以下、スプライン嵌合も含む)されて一体回転可能に支持されている。
他方のサイドギヤ18bは、ボス部18cがデフケース16の端壁を貫通し、そのボス部18cの端部外周とガイド筒20の内周間に、デフケース16内の潤滑オイルがボス部18cの貫通部からクラッチケース部12b内にリークするのを防止するシール部材27が組み込まれている。
他方のサイドギヤ18bはトルク伝達軸28の一端部にセレーション嵌合されて一体回転可能な支持とされ、その嵌合部にOリング29が組み込まれている。Oリング29は、デフケース16内の潤滑オイルが嵌合部からクラッチケース部12b内にリークするのを防止するようになっている。
なお、サイドギヤ18bとトルク伝達軸28を一体化してOリング29を省略してもよい。
トルク伝達軸28は左側のフロント側アクスルシャフト11bと同軸上の配置とされて軸端面が対向し、そのトルク伝達軸28とフロント側アクスルシャフト11bの相互間に、両軸を結合、解除する二方向クラッチ30が設けられている。
図2乃至図4に示すように、二方向クラッチ30は、外輪31と、その内側に組み込まれた内輪32と、上記外輪31と内輪32の対向部間に組み込まれた係合子としてのローラ33と、そのローラ33を保持する保持器34を有し、上記保持器34の回転制御によりローラ33を内輪32の外周に形成されたカム面35と外輪31の内周に設けられた円筒面36とで形成されるくさび空間の狭小部に噛み込ませるようにしたローラ式の二方向クラッチからなる。
二方向クラッチ30は、外輪31がフロント側アクスルシャフト11bの軸端部に取り付けられ、内輪32がトルク伝達軸28の軸端部に一体的に設けられて、外輪31の開口端がディファレンシャル9に向く組み込みとされている。外輪31はカップ形状をなし、その閉塞端に設けられたボス部44内にフロント側アクスルシャフト11bの軸端部が挿入されてセレーション46による嵌合により回り止めされている。内輪32は外輪31の開口端から内部に挿入されて上記ボス部44に嵌合され、その嵌合部間に組み込まれた軸受45により外輪31に対して相対的に回転自在に支持されている。
内輪32には、ディファレンシャル9と対向する端面にリング溝37が形成され、そのリング溝37内にスイッチばね38が組み込まれている。スイッチばね38は周方向の一部に切り離し部を有し、その切り離し部の両端から外方に向く一対の押圧片39はリング溝37の外周壁の一部に形成された切欠部40から保持器34の端部に形成された周方向に長い長孔41内に挿入されて切欠部40および長孔41の周方向で対向する両端を押圧し、その押圧によってローラ33は係合解除される中立位置に保持されている。
保持器34は、外輪31の閉塞端側内に組み込まれた弾性部材43によって外輪31の開口端から突出方向に向けて付勢されている。その保持器34の端部には外輪31の開口端面と対向するフランジ42が設けられ、そのフランジ42を弾性部材43の弾性に抗して外輪31の開口端面に押し付けることにより保持器34が外輪31と一体化されて回転制御され、内輪32と外輪31の相対回転によりローラ33がカム面35と円筒面36で形成されるくさび空間の狭小部に噛み込んで二方向クラッチ30が係合状態とされる。
二方向クラッチ30とフロント側ディファレンシャル9の対向部間には、そのディファレンシャル9のサイドギヤ18bをデフケース16に結合してディファレンシャル9をデフロックするドグクラッチ50が設けられている。
ドグクラッチ50は、二方向クラッチ30の外輪31の開口端面に対してドグクラッチ部材51を対向配置し、そのドグクラッチ部材51をデフケース16に対して回り止めし、かつ、トルク伝達軸28の軸方向に移動自在に支持し、上記ドグクラッチ部材51の外周に形成された円筒部52の内周に複数の凸部53を周方向に等間隔に設け、外輪31の開口端面に形成された小径環状部54の外周に上記凸部53に係合可能な凹部55を設け、その凹部55と凸部53の係合によってサイドギヤ18bをデフケース16に結合して、ディファレンシャル9をデフロックしている。
ドグクラッチ部材51の支持に際し、そのドグクラッチ部材51の内周に筒部56を設け、その筒部56をガイド筒20内に嵌合し、その嵌合面間に形成されたセレーション57によりドグクラッチ部材51を回り止めし、かつ、トルク伝達軸28の軸方向に移動自在としている。
ドグクラッチ部材51は、移動装置60によってトルク伝達軸28の軸方向に移動される。図3に示すように、移動装置60は、図示省略したモータを駆動源として定位置で回転されるピニオン61と、そのピニオン61に噛合するラック62とからなり、上記ラック62にドグクラッチ部材51のディファレンシャル側の端面外周部と軸方向で対向する押圧片63を設け、その押圧片63とドグクラッチ部材51の対向部間にスラスト軸受64を組込み、上記ピニオン61の回転によりラック62を移動させ、そのラック62に設けられた上記押圧片63でドグクラッチ部材51を押圧移動させるようにしている。
ここで、ラック62は、トルク伝達軸28に平行配置されたガイド軸65に沿って移動自在に支持されており、ガイド軸65はクラッチケース部12bと隔壁12cによって両端部が支持されている。
なお、ラック62に押圧片としてのシフトフォークを設け、そのシフトフォークをドグクラッチ部材51の外径面に形成された周溝に挿入し、そのシフトフォークを介してドグクラッチ部材51を押圧移動させるようにしてもよい。
ドグクラッチ部材51と保持器34のフランジ42間には弾性部材58が組み込まれ、ドグクラッチ部材51の二方向クラッチ30に向けての移動時に、その弾性部材58を介して保持器34のフランジ42が外輪31の開口端面に押し付けられるようになっている。
弾性部材58として、ここでは、複数のコイルスプリングを示したが、弾性部材58はコイルスプリングに限定されるものではない。例えば、皿ばねであってもよい。
実施の形態で示す四輪駆動車の差動制限装置は上記の構造からなり、図2および図3は二方向クラッチ30およびドグクラッチ50のそれぞれが係合解除されている状態を示す。その二方向クラッチ30の係合解除状態において、図1に示すパートタイム式四輪駆動車のエンジン3を駆動すると、四輪駆動車は後輪1のみが回転される二輪駆動状態で走行する。
上記のような二輪駆動での走行状態において、図3に示す移動装置60のピニオン61を同図の時計方向に回転させると、ラック62が同図の左方向に移動し、そのラック62に設けられた押圧片63の押圧によりドグクラッチ部材51が二方向クラッチ30に向けて移動する。
ドグクラッチ部材51の移動により、二方向クラッチ30の保持器34に設けられたフランジ42が弾性部材58を介して外輪31の開口端面に押し付けられる。このとき、弾性部材58が圧縮される弾性力が外輪31の閉塞端側に設けられた弾性部材43の弾性力を上回り弾性部材43を圧縮させることで保持器34のフランジ42を外輪31の開口端面に押し付ける。
図6は、保持器34のフランジ42が外輪31の開口端面に押し付けられた状態を示し、フランジ42と外輪31の開口端面の接触部に作用する摩擦によって保持器34が外輪31に回り止めされ、内輪32に対する保持器34の相対回転により、図5に示すように、ローラ33が外輪31の円筒面36と内輪32のカム面35で形成されるくさび空間の狭小部に噛み込み、二方向クラッチ30が係合状態とされる。
上記のような二方向クラッチ30の係合により、サイドギヤ18bを支持するトルク伝達軸28とフロント側アクスルシャフト11bが締結されて四輪駆動状態に切り換えられ、フロント側プロペラシャフト7の回転トルクが図9の矢印で示すように、フロント側ディファレンシャル9を介してフロント側の左右のアクスルシャフト11a、11bに伝達され、前輪2が駆動される。具体的には、一方へは、フロント側プロペラシャフト7→ピニオン14→リングギヤ15→デフケース16→デフピニオン17a,b→サイドギヤ18b→トルク伝達軸28→二方向クラッチ30(内輪32→ローラ33→外輪31)→フロント側アクスルシャフト11bと回転トルクが伝達される。他方へは、フロント側プロペラシャフト7→ピニオン14→リングギヤ15→デフケース16→デフピニオン17a,b→サイドギヤ18a→フロント側アクスルシャフト11aと回転トルクが伝達される。
二方向クラッチ30の係合後、ドグクラッチ部材51を二方向クラッチ30に向けてさらに移動させると、図7に示すように、弾性部材58がさらに圧縮してドグクラッチ部材51に設けられた凸部53が外輪31に形成された凹部55に係合し、ドグクラッチ50は係合状態とされる。図8(a)はドグクラッチの係合状態を示す断面図、(b)は(a)のVIII−VIII線に沿った断面図をそれぞれ拡大して示している。そのドグクラッチ50の係合により、図2に示されるサイドギヤ18bが、トルク伝達軸28、二方向クラッチ30、ドグクラッチ部材51およびガイド筒20を介してデフケース16に結合され、フロント側ディファレンシャル9がデフロックされて差動が制限される。
ディファレンシャル9のデフロックによってエンジン3からの回転トルクが図10の矢印で示すように、ディファレンシャル9、ドグクラッチ50および二方向クラッチ30からアクスルシャフト11bに伝達される。具体的には、一方へは、フロント側プロペラシャフト7→ピニオン14→リングギヤ15→デフケース16(ガイド筒20)→ドグクラッチ50のドグクラッチ部材51(筒部56→凸部53)→二方向クラッチ30の外輪31→フロント側アクスルシャフト11bと回転トルクが伝達される。他方へは、フロント側プロペラシャフト7→ピニオン14→リングギヤ15→デフケース16→デフピニオン17a,b→サイドギヤ18a→フロント側アクスルシャフト11aと回転トルクが伝達される。そのため、先行特許文献1に記載のようなドグクラッチ部材51からアクスルシャフト11bへの動力伝達を不要とし、セレーションやスプラインのような動力の伝達に必要な嵌合部をアクスルシャフト11bに設ける必要がなくなり、コストの低減を図ることができる。
ここで、ドグクラッチ部材51と二方向クラッチ30の内輪32の相互間に凹部と凸部を設けてドグクラッチを形成することにより、ドグクラッチ部材51からアクスルシャフト11bへの動力伝達を不要とし、セレーションやスプラインのような動力の伝達に必要な嵌合部をアクスルシャフト11bに設ける必要を無くすことができる。
しかし、上記のように、ドグクラッチ部材51と二方向クラッチ30の内輪32の相互間にドグクラッチを形成すると、デフロック時のトルク伝達経路が、内輪32、ローラ33、外輪31へと伝達されることになって、デフロック時の過大トルクが二方向クラッチ30の内部を経由することになる。このため、二方向クラッチ30においては、その過大トルクを許容できる接触面圧、外輪強度、内輪強度に設定する必要が生じ、二方向クラッチ30の外径が大きくなり、また、幅方向長さが長くなって重量も非常に重いものになる。
実施の形態においては、ドグクラッチ部材51と二方向クラッチ30における外輪31の相互間に凸部53と凹部55を設けてドグラッチ50を形成しているため、デフロック時の過大トルクは、図10の矢印で示すように、二方向クラッチ50の内部を通らない。そのため、二方向クラッチ50を設計するにあたり、デフロック時の過大トルクを考慮する必要が無くなり、二方向クラッチの外径、幅方向長さの縮小と、軽量化を図ることができる。
また、図2に示すように、ガイド筒20内に組み込まれたシール部材27は、デフケース16内の潤滑オイルのガイド筒20内からの外部への漏洩を防止するため、潤滑オイルが二方向クラッチ30内に浸入し、その潤滑オイルに混入するギヤ粉等の異物が二方向クラッチ30で噛み込まれるという不都合の発生を未然に防止することができる。
ここで、内輪32に対する保持器34の相対回転により二方向クラッチ30が係合状態とされるとき、図5に示すように、スイッチばね38が弾性変形し、その復元弾性によってローラ33を係合解除する中立位置に戻そうとする。
このため、ドグクラッチ部材51をディファレンシャル9に向けて後退動させてフランジ42の押圧を解除すると、スイッチばね38の復元弾性により保持器34が復帰回動してローラ33は中立位置に戻され、二方向クラッチ30は係合解除状態とされる。
実施の形態においては、フロント側のディファレンシャル9の一側方に二方向クラッチ30およびディファレンシャル9をデフロックするドグクラッチ50を設けるようにしたが、リヤ側のディファレンシャル8の一側方に二方向クラッチ30およびドグクラッチ50を設けるようにしてもよい。
また、図2乃至図4では、二方向クラッチ30として、ローラ式のものを示したが、これに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、外輪71と内輪72間に径の異なる保持器73、74を組み込み、内輪72に固定された小径側保持器74のポケット75にスプラグ77の一端部を挿入し、スプラグ77の他端部を大径側保持器73に形成されたポケット76に挿入し、上記大径側保持器73の内径面に取り付けられたリボンスプリング78に対向一対のばね片79を設け、その一対のばね片79でスプラグ77を中立位置に弾性保持し、上記大径側保持器73の端部に設けられた図示省略のフランジを外輪71の端面に押し付け、外輪71と内輪72の相対回転によりスプラグ77を周方向に傾動させて外輪71の円筒形内面71aおよび内輪72の円筒形外面72aに係合させるようにしたスプラグタイプのものであってもよい。
3 エンジン
9 ディファレンシャル(フロント側)
11a アクスルシャフト(フロント側)
11b アクスルシャフト(フロント側)
16 デフケース
18b サイドギヤ
20 ガイド筒
27 シール部材
30 二方向クラッチ
31 外輪
32 内輪
33 ローラ(係合子)
34 保持器
42 フランジ
50 ドグクラッチ
51 ドグクラッチ部材
53 凸部
55 凹部
58 弾性部材
60 移動装置(移動手段)
61 ピニオン
62 ラック
63 押圧片
71 外輪
71a 円筒形内面
72 内輪
72a 円筒形外面
73 保持器
74 保持器
77 スプラグ(係合子)

Claims (4)

  1. エンジンからの動力を左右一対のアクスルシャフトに分配するディファレンシャルの側部にデフケース内に組み込まれたサイドギヤとアクスルシャフトの締結、解除により四輪駆動と二輪駆動の切換えを行う二方向クラッチと、移動手段によって軸方向に移動されるドグクラッチ部材を有し、そのドグクラッチ部材によって前記サイドギヤをデフケースに結合、解除するデフロック用のドグクラッチとを設け、前記二方向クラッチが、外輪と内輪間に係合子を組み込み、その係合子を保持する保持器の回転制御によって係合子を外輪の内周と内輪の外周に係合させる構成とされ、前記ドグクラッチ部材で前記保持器の端部に設けられたフランジを弾性部材を介して外輪の開口端に押し付けて保持器の回転制御とし、二方向クラッチの係合状態への切換え後におけるドグクラッチ部材の二段階目の移動によってドグクラッチを係合状態に切り換える四輪駆動車の差動制限装置において、
    前記二方向クラッチを、その外輪の開口端が前記ディファレンシャルに向く組み込みとし、その外輪の開口端とディファレンシャルの対向部間に前記ドグクラッチ部材を配置し、そのドグクラッチ部材をデフケースに対して回り止めし、かつ、軸方向にスライド自在とし、そのドグクラッチ部材と前記二方向クラッチの外輪の相互間に係脱可能な凹凸部を設けて外輪との間でドグクラッチを形成したことを特徴とする四輪駆動車の差動制限装置。
  2. 前記デフケースの一側部にガイド筒を設け、前記ドグクラッチ部材には前記ガイド筒内にセレーション嵌合またはスプライン嵌合される筒部を設けてドグクラッチ部材を回り止め状態でスライド自在に支持し、前記ガイド筒内にデフケース内の潤滑オイルが二方向クラッチに向けての漏洩を阻止するシール部材を組み込んだ請求項1に記載の四輪駆動車の差動制限装置。
  3. 前記移動手段が、モータを駆動源として回転駆動されるピニオンと、そのピニオンに噛合してピニオンの回転により軸方向に移動するラックとからなり、前記ラックに設けられた押圧片でドグクラッチ部材を押圧移動させる構成とされた請求項1又は2に記載の四輪駆動車の差動制限装置。
  4. 前記二方向クラッチが、ローラを係合子とするローラ式のものからなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の四輪駆動車の差動制限装置。
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