JP2017056636A - 印刷物及び該印刷物を用いた容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い金属光沢を有し、意匠性に優れる印刷物及び容器を提供する。【解決手段】基材10上に印刷層21〜25を有する印刷物であって、印刷層21〜25上に、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が20〜80%である金属膜40を有し、金属膜側の面に向けて、法線から10度の角度で可視光線を照射した際の正反射方向に対して−45度〜+45度の範囲で0.1度ごとに反射強度を測定し、正反射方向の前後3度における反射強度の平均値を、正反射方向の反射強度で除した値を光輝感値とし、金属膜が位置する少なくとも一部の領域において、光輝感値が特定の条件を満たす印刷物。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷物及び該印刷物を用いた容器に関する。
従来から、各種の印刷物では、その意匠性を向上させるために、金属光沢を付与することが求められる場合がある。
例えば、特許文献1には、紙基材上に、結着樹脂及び金属薄膜細片を含む金属光沢領域層を有する印刷層を形成してなる紙容器が開示されている。
特許文献1の紙容器は、一定レベルの金属光沢を有するものの、印刷により金属光沢を付与するものであるため、高レベルの金属光沢を有するものではなかった。ここで、金属光沢を表現するものとしての「金属光沢感」は、観る角度によって反射強度の急変する度合いによって表現される。
一方、高レベルの金属光沢を付与するために、基材上に金属蒸着膜が形成された転写箔を用い、転写箔から印刷物上に金属蒸着膜を転写する手段(いわゆる「箔押し」)も行われている。
特開2003−2322号公報
箔押しは、金属蒸着膜を用いるため、高レベルの金属光沢を付与することができる。
しかし、箔押しにより形成した金属蒸着膜は下地の絵柄を完全に隠蔽してしまうため、下地の絵柄(印刷層)と金属蒸着膜とは互いに独立した関係となり、意匠性を十分に高めることができなかった。
本発明は、高い金属光沢を有し、意匠性に優れる印刷物及び容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、まず、ハーフミラー等で用いられている光透過性を有する金属膜について検討を行った。印刷物上に光透過性を有する金属膜を転写した場合、該金属膜を通して下地の印刷を見ることが可能であり、意匠性は向上する。しかし、印刷物の光輝感が良好でない場合には、意匠性が十分ではなかった。
本発明者らはさらに鋭意研究した結果、印刷物からの反射条件を特定のものとすることにより、印刷物の光輝感を良好にし、意匠性を十分に発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]の印刷物及び容器を提供する。
[1]基材上に印刷層を有する印刷物であって、該印刷層上に、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が20〜80%である金属膜を有し、該金属膜側の面に向けて、法線から10度の角度で可視光線を照射した際の正反射方向に対して−45度〜+45度の範囲で0.1度ごとに反射強度を測定し、正反射方向の前後3度における反射強度の平均値を、該正反射方向の反射強度で除した値を光輝感値とし、該金属膜が位置する少なくとも一部の領域において、該光輝感値が以下の条件(1)を満たす印刷物。
0.50≦光輝感値 (1)
[2]前記基材の表面は、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaが1.0〜5.0μmである金属膜を有する[1]に記載の印刷物。
[3]前記基材の表面は、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の粗さ曲線の最大山高さRpが10.0μm以下である[1]又は[2]に記載の印刷物。
[4]前記金属膜により絵柄が形成されてなる[1]〜[3]のいずれかに記載の印刷物。
[5]前記基材が紙基材である[1]〜[4]のいずれかに記載の印刷物。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の印刷物を用いて作製された容器。
本発明の印刷物及び容器は、金属膜を通して下地の印刷を視認することができるとともに、印刷物の光輝感が良好であることにより、意匠性が極めて優れる。
本発明の印刷物の一実施形態を示す断面図である。
[印刷物]
本発明の印刷物は、基材上に印刷層を有する印刷物であって、印刷層上に、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が20〜80%である金属膜を有し、金属膜側の面に向けて、法線から10度の角度で可視光線を照射した際の正反射方向に対して−45度〜+45度の範囲で0.1度ごとに反射強度を測定し、正反射方向の前後3度における反射強度の平均値を、正反射方向の反射強度で除した値を光輝感値とし、金属膜が位置する少なくとも一部の領域において、光輝感値が以下の条件(1)を満たすものである。
0.50≦光輝感値 (1)
以下、本発明の印刷物の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の印刷物100の一実施形態を示す断面図である。図1の印刷物100は、基材10上に、印刷層21,22,23,24,25、金属膜40をこの順に有している。また、図1の印刷物100は、印刷層と金属膜との間に接着剤層30を有している。
なお、図1の印刷物100は基材10上の一部に印刷層を有しているが、基材の全面に印刷層を有していてもよい。また、図1の印刷物100は、印刷層上のみに金属膜40を有しているが、印刷層を有さない箇所に金属膜40を有していてもよい。
条件(1)
本発明の印刷物は、金属膜側の面に向けて、法線から10度の角度で可視光線を照射した際の正反射方向に対して−45度〜+45度の範囲で0.1度ごとに反射強度を測定し、正反射方向の前後3度における反射強度の平均値を、正反射方向の反射強度で除した値を光輝感値とし、金属膜が位置する少なくとも一部の領域において、光輝感値が以下の条件(1)を満たすものである。
0.50≦光輝感値 (1)
「光輝感値」が意味するものを説明する。
光輝感値の基準となる「正反射方向の前後3度における反射強度の平均値」は、印刷物に入射し、反射する光のうち、正反射方向の前後3度(入射光を+10度、正反射光を−10度とした場合、−7度及び−13度)における反射する光の強度の平均値を示している。人間は無意識のうちに、正反射光を除いて物を観察する習性がある。このため、人間が感じる印刷物の金属調等の光り輝きの程度(光輝感)は、正反射方向の近傍の反射強度が重要となる。光輝感を高めるには正反射方向の前後3度以内の反射強度が重要となる。特に正反射方向の前後3度の反射強度が重要となる(前後3度の反射強度が高ければ、前後3未満の反射強度はさらに高い値を示す。)。しかし、正反射方向の反射強度よりも、正反射方向の前後3度の反射強度が小さ過ぎると、コントラストの関係から光輝感が感じられにくくなる。このため、正反射方向の前後3度の反射強度の平均値と正反射方向の反射強度との比(光輝感値)が一定範囲であることにより、人間にとって好適な光輝感を有する印刷物となる。
「正反射方向の反射強度」は、上述したように、印刷物に入射し、反射する光のうち、正反射方向に反射する光の強度を示している。
以上より、「光輝感値」は、光輝感を示す光の強度を正反射方向に反射する光の強度で除することにより、光輝感を示す光の強度を相対値として示したものである。
条件(1)を満たすことにより、光輝感を付与することができ、印刷物の意匠性を向上させることができる。
なお、光輝感値が大きすぎると、光輝感に注意が削がれて下地が見えにくくなる傾向にある。このため、好適な光輝感を付与するという観点から、条件(1)は、0.5≦光輝感値≦0.80を満たすことが好ましく、0.55≦光輝感値≦0.75を満たすことがより好ましく、0.60≦光輝感値≦0.70を満たすことがさらに好ましい。
反射強度の測定方法
まず、印刷物の金属膜側の面に向けて、法線から10度の角度で可視光線を照射する。そして、反射した光について、正反射方向に対して−45度〜+45度の範囲で0.1度ごとに受光器を走査して、各角度での強度(光度)を測定する。強度測定の際は光源の明るさを一定とする。また、強度(光度)測定の際は、受光器の絞りにより検出する受光器の開口角を0.1度とする。このため、例えば、正反射方向(0度)の測定では±0.05度の範囲を測定し、+1度の測定では0.95度〜1.05度の範囲を測定し、−1度の測定では−0.95度〜−1.05度の範囲を測定することになる。
強度を測定する装置については、特に制限はなく、汎用の変角光度計(ゴニオフォトメーター)を用いることができる。本発明においては、変角光度計として、村上色彩技術研究所社製の商品名GP−200(光束径:約10.5mm、光束内傾斜角:0.29度以内)を使用した。
光輝感値の算出
光輝感値は、上述のように測定した反射強度から算出できる。具体的には、まず、正反射方向(入射光を+10度とした場合、−10度の方向)の反射強度(正反射強度)の値を確認する。次いで、正反射方向の前後3度(入射光を+10度、正反射光を−10度とした場合、−7度及び−13度)の値を確認し、それらの反射強度の平均値を算出する。次いで、正反射方向の前後3度の反射強度の平均値を正反射強度で除して、光輝感値を算出する。
基材
基材は、基材表面のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaが1.0〜5.0μmのものを用いることが好ましい。
基材表面のRaを1.0〜5.0μmとすることにより、基材表面の粗さが印刷層を介して金属膜の表面に反映され、金属膜の表面が適度に凹凸化され、光輝感を良好にすることができる。
また、光透過性を有する金属膜の厚みムラに基づく金属光沢感のムラを解消する観点から、基材表面のRaは、0.3μm以上であることが好ましい。基材表面のRaは、0.4〜4.0μmであることがより好ましい。
なお、基材として平滑な基材を用い、印刷層を形成するインキにマット剤を含有させることにより、金属膜の表面を凹凸化することも考えられる。しかし、該構成ではマット剤により形成された凹凸が十分に緩和されることなく金属膜に反映される場合があり、その結果、金属膜の表面が過度に凹凸化され、金属光沢感が低下したり、凹凸感が目立ちすぎたりするため好ましくない。
基材の材料は、例えば、上質紙、中質紙、コート紙、合成紙、含浸紙、ラミネート紙、印刷用塗布紙、記録用塗布紙等の紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、あるいはこれらの複合体等が用いられる。
基材は、紙、プラスチックフィルムあるいはこれらの複合体等の基体に対して、サンドブラスト、ケミカルエッチング等の物理的処理や化学的処理を施すことによって、表面のRaを上記範囲に調整したものでもよい。また、基材は、紙、プラスチックフィルムあるいはこれらの複合体等の基体に対して、プライマー層を形成することによって、表面のRaを上記範囲に調整したものでもよい。
基材の表面は、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の粗さ曲線の最大山高さRpが10.0μm以下であることが好ましく、8.0μm以下であることがより好ましく、1.0〜7.0μmであることがさらに好ましい。
基材表面のRpが10.0μm以下であることは、基材表面に極端に高い凸部がなく、基材表面の粗さが平均化されていることを意味する。このため、基材表面のRpを10.0μm以下とすることにより、金属光沢感のムラをより解消しやすくできる。
基材の厚みは特に限定されないが、紙基材の場合は、通常は坪量150〜550g/m程度であり、プラスチックフィルム基材の場合は、通常は9〜50μm程度である。
印刷層
印刷層は、印刷物の意匠性を高めることを目的として、基材上の任意の箇所に形成される。
印刷層は、通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成できる他、印刷パターンを構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成できる。
印刷層のパターンは、通常の印刷で用いられるパターン(例えば、文字、数字、図形、記号、風景、人物、動物、キャラクター等)であれば、特に制限されることなく使用できる。
印刷層の形成に用いられるインキとしては、バインダー樹脂に顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。
バインダー樹脂としては特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
印刷層中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
印刷層の厚みは、基材の色味の隠蔽、及び基材表面の凹凸を適度に緩和する観点から、0.5〜10.0μmであることが好ましく、0.7〜5.0μmであることがより好ましい。
印刷層の形成手段は、オフセット印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷等の印刷手段から、実施形態に合うものを適宜選択して行えばよい。
接着剤層
印刷層と金属膜との間、あるいは後述する中間層と金属膜との間には、金属膜の密着性を向上するために接着剤層を有することが好ましい。
接着剤層を構成する接着剤は、汎用のホットメルト型接着剤(感熱型接着剤)、感圧型接着剤、硬化型接着剤等が挙げられる。接着剤層は、透明性の高い樹脂から形成することが好ましい。
接着剤層の厚みは、金属膜の密着性を向上する観点、及び基材表面の粗さを適度に金属膜に反映させる観点から、0.5〜3.0μmであることが好ましく、1.0〜2.5μmであることがより好ましい。
接着剤層は、例えば、後述する転写箔を用いて印刷層上に転写して形成することができる。
中間層
印刷層と金属膜との間、あるいは印刷層と接着剤層との間には、金属膜の密着性を向上すること及び基材表面の粗さを調整することなどを目的として、中間層を有していてもよい。中間層は、透明性の高い樹脂から形成することが好ましい。
金属膜
印刷層は、印刷物の意匠性を高めることを目的として、印刷層上の任意の箇所に形成される。図1の印刷物は、印刷層21〜25のうち、印刷層21〜24上に金属膜40を有している。また、図1の印刷物は、金属膜40と、印刷層との間に、金属膜の密着性を向上させるために接着剤層30を有している。
金属膜は、印刷層を有さない箇所に形成されていてもよい。また、金属膜によりパターンを形成してもよい。
本発明では、金属膜として、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が20〜80%である金属膜を用いる。
金属膜の全光線透過率が20%未満の場合、印刷層のパターンを透かして見ることが困難となり、意匠性を良好にすることができない。また、金属膜の全光線透過率が80%を超える場合、金属膜の反射率が低下して金属光沢感が低下してしまう。
金属膜の全光線透過率は、30〜60%であることが好ましく、40〜55%であることがより好ましく、45〜50%であることがさらに好ましい。
なお、本発明において、金属膜の全光線透過率は、下記サンプルの20箇所で全光線透過率を測定した際の平均値とする。
(サンプル)
厚み1mmのソーダ石灰ガラス(屈折率1.51)上に、厚み1.5μmの接着剤層(屈折率1.51)を介して金属膜を形成したもの。
全光線透過率が20〜80%の金属膜は、光透過性を有するため厚みが薄い。そして、厚みが薄い金属膜は、僅かな厚みムラがあっても、該厚みムラを原因として、金属光沢感にムラが生じやすい。このため、基材としてRaが0.3μm以上のものを用いて、金属光沢感のムラを解消することが好ましい。
上述した厚みムラは、例えば、金属膜の全光線透過率の標準偏差で表すことができる。具体的には、全光線透過率が20〜80%の金属膜の任意の20箇所のJIS K7361−1:1997の全光線透過率の標準偏差は、通常0.02〜0.10%程度である。
金属膜は、アルミニウム、銀、金、ニッケル、銅、クロム等の金属の一種又は二種以上から形成される。これらの中でも、色味が少ないアルミニウム、銀、ニッケルが好ましく、特にアルミニウムがより好ましい。
金属膜は、例えば、転写箔の金属膜を印刷層上に転写することにより形成することができる。
転写箔は、例えば、ベースフィルム上に、離型層、金属膜及び接着剤層を有する構成からなる。
ベースフィルムは汎用のプラスチックフィルムを用いることができる。ベースフィルムの厚みは5〜30μm程度である。
離型層は、転写時にベースフィルムに残ってもよいし、金属膜及び接着剤層とともに印刷物側に転写されてもよい。
転写時にベースフィルムに残る離型層は、離型効果のみを発揮し、シリコーン系離型剤、オレフィン系離型剤等の汎用の離型剤から形成することができる。
転写時に印刷物側に転写される離型層は、転写後は金属膜上に位置し、金属膜を保護する保護層としての機能を有する。かかる保護機能を有する離型層(保護層)は、硬化型の樹脂の硬化物、あるいは金属酸化物膜であることが好ましい。硬化型の樹脂としては、汎用の熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂を用いることができる。金属酸化物膜としては、シリカ、アルミナ等の透明金属酸化物膜が挙げられる。
離型層の厚みは、離型層のタイプにより異なるため一概にはいえない。転写時にベースフィルムに残る離型層の場合、厚みは特に限定されないが、通常0.1〜1.0μm程度である。転写時に印刷物側に転写される離型層(保護層)の場合、金属膜を保護する観点、及び金属膜表面の粗さを離型層(保護層)上でも維持する観点から、0.02〜1.0μmであることが好ましく、0.03〜0.5μmであることがより好ましい。
転写箔の接着剤層は、上述した接着剤層と同様の構成が挙げられる。接着剤層を構成する接着剤がホットメルト型接着剤の場合、金属膜等は熱転写方式で転写できる。また、接着剤層を構成する接着剤が感圧型接着剤の場合、金属膜等はコールド転写法式で転写できる。
金属膜上には、本発明の効果を阻害しない範囲で、着色層等の機能層を有していてもよい。
[容器]
本発明の容器は、上述した本発明の印刷物を用いてなるものである。
容器としては、特に制限されることなく、飲料容器、食品容器、薬品容器等が挙げられる。本発明の容器は、金属膜を通して下地の印刷を視認することができるとともに、金属光沢感にムラがなく、高い金属光沢を有することから、意匠性に極めて優れるものである。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。なお、以下、「部」は特に断りのない限り質量基準を意味する。
1.測定及び評価
実験例で作製した印刷物及びその中間材料について、以下の測定及び評価を行った。結果を表1〜表4に示す。
1−1.反射強度分布
変角光度計(村上色彩技術研究所社製、商品名GP−200)を用いて、印刷物の金属膜に向けて、法線から10度の角度で可視光線(平行光線)を照射した。反射した光について、照射光の正反射方向に対して−45度〜+45度の範囲で0.1度ごとに受光器を走査して、各角度での強度(光度)を測定した。強度(光度)測定の際は、受光器の絞りにより検出する受光器の開口角を0.1度とした。測定結果から、光輝感値を算出した。
1−2.算術平均粗さRa
実験例の印刷物の基材について、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRa及び粗さ曲線の最大山高さRpを測定した。測定には小坂研究所株式会社製の商品名SE−340を用い、以下の測定条件とした。
[表面粗さ検出部の触針]
Mitutoyo社製の商品名SJ−210(先端曲率半径:2μm、頂角:60度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・評価長さ(基準長さ):カットオフ値λcの5倍
・触針の送り速さ:0.25mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
1−3.全光線透過率
明細書本文の記載に従って、下記の転写箔A〜Mからサンプルを作製し、金属膜A〜Mの全光線透過率(JIS K7361−1:1997)を測定するとともに、金属膜A〜Mの全光線透過率の標準偏差を算出した。光入射面はサンプルのソーダ石灰ガラス側とした。
1−4.光輝感
光輝感を極めて強く感じるものを2点、光輝感を強く感じるものを1点、光輝感を強く感じないものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。平均点が1.7以上のものを「AA」、平均点が1.4以上1.7未満のものを「A」、平均点が1.0以上1.4未満のものを「B」、平均点が1.0未満のものを「C」とした。
1−5.下地の視認性
金属膜を通して下地の印刷層が暗さを感じることなく視認できるものを2点、金属膜を通して下地の印刷が多少の暗さを感じるが視認することができるもの1点、金属膜を通して下地の印刷層が暗くて視認することが困難なものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。平均点が1.7以上のものを「AA」、平均点が1.4以上1.7未満のものを「A」、平均点が1.0以上1.4未満のものを「B」、平均点が1.0未満のものを「C」とした。
2.中間材料(転写箔)の作製
厚み12μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面上に、厚み0.3μmのオレフィン系樹脂からなる離型層を形成した。次いで、離型層上に、真空蒸着法によりアルミニウムからなる金属膜Aを形成した。次いで、金属膜上にホットメルト型接着剤層(アクリル系樹脂、屈折率1.51)を形成し、転写箔Aを形成した。また、真空蒸着の時間を変更した以外は、転写箔Aと同様にして、転写箔B〜Mを得た。
3.紙基材の準備
基材として、基材表面のRaが異なる白色コート紙A〜C及び白色非コート紙D〜Iを準備した(坪量約270g/m)。
基材A〜IのRa及びRpを表1に示す。また、金属膜A〜Mの全光線透過率及び全光線透過率の標準偏差を表2に示す。
4.印刷物の作製
[実施例1]
基材F上に、墨インキを用いてオフセット印刷により厚み1μmの印刷層を形成した。次いで、印刷層の全面を覆うように、下記処方の中間層用インキを乾燥後の厚みが1.0μmとなるように塗布、紫外線照射して、中間層を形成した。次いで、中間層上に、転写箔Gの接着剤層及び金属膜Gを熱転写により転写し、実施例1の印刷物を得た。
なお、印刷層は、網点面積率が10%となるように形成した。
<中間層用インキ>
・紫外線硬化性樹脂組成物
(DICグラフィックス社製、商品名:UVカルトン ACT OPニス)
(主成分として、紫外線硬化性モノマー55〜65質量%、合成樹脂10〜20質量%、粒子5〜15質量%、助剤5〜15質量%を含む混合物)
[実施例2〜3]
網点面積率を表3記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして印刷物を得た。
[実施例4]
基材F上に、墨インキを用いてオフセット印刷により厚み1μmの印刷層を形成した。次いで、印刷層上に、転写箔Gの接着剤層及び金属膜Gを熱転写により転写して、実施例4の印刷物を得た。
なお、印刷層は、網点面積率が10%となるように形成した。
[実施例5〜6]
網点面積率を表3記載のものに変更した以外は、実施例4と同様にして印刷物を得た。
[比較例1]
基材B上に、墨インキを用いてオフセット印刷により厚み1μmの印刷層を形成した。次いで、印刷層の全面を覆うように、上記処方の中間層用インキを乾燥後の厚みが1.0μmとなるように塗布、紫外線照射して、中間層を形成した。次いで、中間層上に、転写箔Gの接着剤層及び金属膜Gを熱転写により転写し、比較例1の印刷物を得た。
なお、印刷層は、網点面積率が10%となるように形成した。
[比較例2〜3]
網点面積率を表3記載のものに変更した以外は、比較例1と同様にして印刷物を得た。
[比較例4]
基材B上に、墨インキを用いてオフセット印刷により厚み1μmの印刷層を形成した。次いで、印刷層上に、転写箔Gの接着剤層及び金属膜Gを熱転写により転写して、比較例4の印刷物を得た。
なお、印刷層は、網点面積率が10%となるように形成した。
[比較例5〜6]
網点面積率を表3記載のものに変更した以外は、比較例4と同様にして印刷物を得た。
表3の結果から、実施例1〜6の印刷物は、金属膜を通して下地の印刷を視認することができるとともに、条件(1)を満たしていることで、印刷物の光輝感が良好であって、意匠性に極めて優れるものであった。
[参考例1]
基材F上に、墨インキを用いてオフセット印刷により厚み1μmの印刷層を形成した。次いで、印刷層上の一部に、転写箔Gの接着剤層及び金属膜Gを熱転写により転写して、印刷物を得た。得られた印刷物についての下地の視認性、金属光沢感及び金属光沢のムラを以下の基準で評価した。
<下地の視認性>
上述した下地の視認性の基準で評価した。
<金属光沢感>
金属光沢を極めて強く感じるものを2点、金属光沢を強く感じるものを1点、金属光沢を強く感じないものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。平均点が1.7以上のものを「AA」、平均点が1.4以上1.7未満のものを「A」、平均点が1.0以上1.4未満のものを「B」、平均点が1.0未満のものを「C」とした。
<金属光沢のムラ>
金属光沢のムラを全く感じないものを2点、細部を注意深く観察すれば金属光沢にムラを感じる箇所が僅かにあるが、意匠性には影響を与えないものを1点、金属光沢のムラを十分に感じたものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。平均点が1.7以上のものを「AA」、平均点が1.4以上1.7未満のものを「A」、平均点が1.0以上1.4未満のものを「B」、平均点が1.0未満のものを「C」とした。
[参考例2〜21]
基材及び転写箔を表4記載のものに変更した以外は、参考例1と同様にして印刷物を得た。
表4の結果から明らかなように、参考例1〜17の印刷物は、金属膜を通して下地の印刷を視認することができるとともに、金属光沢感にムラがなく、高い金属光沢を有し、意匠性に極めて優れるものであった。
本発明の印刷物及び容器は、金属膜を通して下地の印刷を視認することができるとともに、良好な金属膜の光輝感を有することから、意匠性に極めて優れる点で有用である。
10:基材
21,22,23,24,25:印刷層
30:接着剤層
40:金属膜
100:印刷物

Claims (6)

  1. 基材上に印刷層を有する印刷物であって、
    該印刷層上に、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が20〜80%である金属膜を有し、
    該金属膜側の面に向けて、法線から10度の角度で可視光線を照射した際の正反射方向に対して−45度〜+45度の範囲で0.1度ごとに反射強度を測定し、正反射方向の前後3度における反射強度の平均値を、該正反射方向の反射強度で除した値を光輝感値とし、該金属膜が位置する少なくとも一部の領域において、該光輝感値が以下の条件(1)を満たす印刷物。
    0.50≦光輝感値 (1)
  2. 前記基材の表面は、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の算術平均粗さRaが1.0〜5.0μmである金属膜を有する請求項1に記載の印刷物。
  3. 前記基材の表面は、カットオフ値0.8mmのJIS B0601:2001の粗さ曲線の最大山高さRpが10.0μm以下である請求項1又は2に記載の印刷物。
  4. 前記金属膜により絵柄が形成されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷物。
  5. 前記基材が紙基材である請求項1〜4のいずれか1項に記載の印刷物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷物を用いて作製された容器。
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