JP2017056620A - ポリスチレン系樹脂板状積層発泡体 - Google Patents
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Abstract
Description
<1>黒色ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に共押出により積層接着された白色ポリスチレン系樹脂発泡層を有する、見掛け密度40〜150kg/m3の板状積層発泡体であって、白色ポリスチレン系樹脂発泡層は該発泡層を構成する樹脂組成物100質量%に対して1〜12質量%の白色顔料を含み、白色ポリスチレン系樹脂発泡層の片面あたりの坪量が15g/m2以上であり、白色ポリスチレン系樹脂発泡層の厚み方向の平均気泡径が0.25mm以下であり、JIS Z8781−4:2013に基づく板状積層発泡体の表面のCIE1976明度指数L*が70以上である、ポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。
<2>白色ポリスチレン系樹脂発泡層の片面当たりの厚みがそれぞれ3mm以下である、<1>に記載のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。
<3>黒色ポリスチレン系樹脂発泡層の厚みが1mm以上である、<1>又は<2>に記載のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。
<4>黒色ポリスチレン系樹脂発泡層の厚み方向の平均気泡径が0.15〜0.70mmであり、かつ、白色ポリスチレン系樹脂発泡層の厚み方向の平均気泡径よりも大きい、<1>から<3>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。
<5>白色ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度が30〜150kg/m3である、<1>から<4>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。
<6>黒色ポリスチレン系樹脂発泡層が黒色着色剤を含み、該黒色着色剤の配合量が該発泡層を構成する樹脂組成物100質量%に対して0.1〜5質量%である、<1>から<5>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。
ポリスチレン系樹脂板状積層発泡体1を構成する黒色発泡層2は、ポリスチレン系樹脂、物理発泡剤、必要に応じて黒色着色剤、気泡調整剤及びその他の添加剤を配合した黒色発泡層2を形成する樹脂溶融物を押出発泡させることにより形成するものである。
ポリスチレン系樹脂としては、通常、ポリスチレン系樹脂発泡板に用いられるポリスチレン系樹脂であれば特に制限なく用いることができ、例えば、ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等を用いることができる。また、これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
黒色発泡層は黒色着色剤を含むことが好ましい。これにより、安定して黒色が発現する。黒色着色剤としては、黒色系で濃色の着色剤であれば特に制限なく、例えば、濃色に調整された無機系顔料、有機系の顔料又は染料を用いることができる。
物理発泡剤としては、例えば、エタン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の炭素数2以上6以下の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン等の炭素数1以上4以下のハロゲン化脂肪族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の炭素数1以上4以下の脂肪族アルコール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等の炭素数2以上8以下の脂肪族エーテル等の有機物理発泡剤、又は窒素、二酸化炭素、水等の無機物理発泡剤を用いることができる。
気泡調整剤としては、有機系又は無機系のいずれのものを用いることができる。無機系の気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等を挙げることができる。
黒色発泡層2を成形するための材料成分としては、上記成分の他、本発明の目的を阻害しない範囲において各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機充填剤、抗菌剤等が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂板状積層発泡体1を構成する白色発泡層3は、ポリスチレン系樹脂、白色着色剤、物理発泡剤、必要に応じて気泡調整剤及びその他の添加剤を配合した白色発泡層3を形成する樹脂溶融物を押出発泡させることにより形成するものである。
ポリスチレン系樹脂としては、上記スチレン系樹脂と同様のものを用いることができる。
白色顔料としては、特定の明度指数が得られるものであれば特に制限はなく、例えば、白色系の無機顔料、有機顔料を用いることができる。
また、これらの白色顔料は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
物理発泡剤としては、黒色発泡層2を形成する際に用いられる発泡剤と同様のものが使用できる。
気泡調整剤としては、黒色発泡層2を形成する際に用いられる気泡調整剤と同様のものが使用できる。
白色発泡層を成形するための材料成分としては、上記成分の他、本発明の目的を阻害しない範囲において各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機充填剤、防藻剤、抗菌剤等が挙げられる。
以下、本発明のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体の製造方法の一実施形態を説明する。図2に本発明のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体の製造に用いる押出機の概略図を示す。
本発明のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体1において、表面の明度指数L*は70以上、好ましくは80以上、より好ましくは85以上である。明度指数L*が上記範囲であれば、従来の単層の発泡板(無着色)と同様な外観を有する発泡板となる。かかる観点から、その上限は特に限定されるものではないが、通常の単層の発泡板の明度指数L*が85〜90程度であるため、90程度であることが好ましい。
ポリスチレン系樹脂板状積層発泡体1の見掛け密度は40〜150kg/m3、好ましくは40〜100kg/m3、より好ましくは40〜70kg/m3の範囲である。見掛け密度が上記範囲内であれば、軽量性と機械強度とのバランスに優れたポリスチレン系樹脂板状積層発泡体とすることができる。同様に、ポリスチレン系樹脂板状積層発泡体1の全体厚みは、好ましくは3〜30mm、より好ましくは5〜25mmの範囲であり、全体坪量は、好ましくは180〜1800g/m2、より好ましくは300〜1500g/m2の範囲である。
ポリスチレン系樹脂板状積層発泡体1における白色発泡層3の片面当たりの坪量は15g/m2以上、好ましくは20g/m2以上、より好ましくは60g/m2以上の範囲である。白色発泡層3の片面当たりの坪量を上記範囲とすることにより、表面外観を美麗なものとすることができるとともに、十分な明度指数とすることが可能となる。白色発泡層の比率が高すぎると、用途によっては発泡板の圧縮強度などの機械的強度が不足することがあることから、発泡板の全体坪量に対する白色発泡層の片面あたりの坪量の比率は、それぞれ0.2以下とすることが好ましく、より好ましくは0.1以下である。
白色発泡層3の厚み方向の平均気泡径は0.25mm以下、好ましくは0.20mm以下、より好ましくは0.15mm以下、さらに好ましくは0.10mm以下の範囲である。厚み方向の平均気泡径を上記範囲とすることにより、十分な明度指数とすることが可能となる。発泡板の製造安定性や機械的強度の観点から、該平均気泡径の下限は概ね0.05mm程度であることが好ましく、より好ましくは0.07mmである。
白色発泡層3の片面当たりの厚み及び見掛け密度は、上記片面当たりの坪量及び厚み方向の平均気泡径の条件を満足し、かつ表面の明度指数L*が上記範囲内であれば特に制限されるものではないが、通常片面当たりの厚みの上限はそれぞれ3mmであることが好ましく、より好ましくは2mmであり、その下限はそれぞれ0.1mmであることが好ましく、より好ましくは0.2mmである。また、見掛け密度は30〜150kg/m3、好ましくは30〜80kg/m3の範囲が考慮される。
ポリスチレン系樹脂板状積層発泡体1における黒色発泡層2の厚みは、十分な遮光性が得られることを条件として用途に応じて適宜設定することができ、特に制限されるものではないが、通常、1mm以上、好ましくは3mm以上の範囲が考慮される。
黒色発泡層2の厚み方向の平均気泡径は0.15〜0.70mm、好ましくは0.20〜0.60mmの範囲であり、かつ、上記白色発泡層3の厚み方向の平均気泡径よりも大きい平均気泡径とすることが望ましい。黒色発泡層2の厚み方向の平均気泡径を上記条件とすることにより、確実な遮光性が得られるとともに、高い機械強度を得ることができる。黒色発泡層の厚み方向の平均気泡径は、白色発泡層の厚み方向の平均気泡径と同様にして求めることができる。
ポリスチレン系樹脂
ポリスチレン(PS):東洋スチレン社製 HRM12N、MFR(200℃、荷重5kg):5.4g/10分
再生ポリスチレン(RPS):雑色回収ポリスチレン樹脂、MFR(200℃、荷重5kg):8.7g/10分
物理発泡剤:工業用ブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70)
白色顔料:酸化チタン(レジノカラー社製 白色顔料MB、酸化チタン含有量60%)
黒色着色剤:着色用カーボンブラック(大日精化社製 黒色顔料MB、カーボンブラック含有量48%)
気泡調整剤:タルク(大日精化社製 気泡調整剤MB、タルク含有量35%)
ポリスチレン系樹脂板状積層発泡体1(630mm×1960mm)の無作為に選択した箇所から、幅方向全幅に亘って押出方向に100mmの長さに切り出し、幅方向630mm、押出方向100mmの試験片とした。この試験片をさらに幅方向に10等分し、その断面写真をもとに、各試験片の幅方向中央部において、各白色発泡層厚み、黒色発泡層厚み、全体厚みの各厚みを測定した。10等分の各測定点における厚みの算術平均値を各厚みとした。なお、表中の白色発泡層厚みは、2層の白色発泡層の厚みを算術平均して求めた、片面あたりの厚みである。
前記10等分の試験片の質量を測定し、それぞれの質量の合計を試験片の面積の合計(630mm×100mm)で割算し、さらにg/m2に単位換算して、全体坪量とした。
また、前記試験片から白色発泡層のみを切り分け、その部分の質量を測定し、それぞれの質量の合計を試験片の面積の合計(630mm×100mm)で割算し、さらに2で割算し、g/m2に単位換算して、白色発泡層の片面あたりの坪量を求めた。
前記全体坪量を上記全体厚みで割り算し、さらにg/cm3に単位換算して、全体見掛け密度とした。また、白色発泡層の片面あたりの坪量をその片面あたりの厚みで割算し、さらにg/cm3に単位換算して、白色発泡層の見掛け密度を求めた。
前記10等分の試験片に対し、それぞれ黒色発泡層及び白色発泡層の厚み(t)を計測した部分の厚み方向の気泡数(n)を数え、前記厚み(t)と、厚み(t)に対応する厚み方向の気泡数(n)から、気泡径(t/n)を求め、10箇所の気泡径(t/n)の算術平均値をそれぞれの発泡層の厚み方向の平均気泡径とした。なお、表中の白色発泡層の厚み方向平均気泡径は、片面あたりの平均気泡数である。
紫外可視分光光度計を用いて、380〜770nm間の波長において10nm毎に全反射率を測定し、その算術平均値を求めた。
(明度指数(L*値))
JIS Z8781−4:2013に基づいて、発泡板の両面の明度指数(L*値)を測定し、そのうちの低い方の値を発泡板の明度指数(L*値)とした。なお、単層(無着色)のポリスチレン発泡板(見掛け密度60kg/m3、厚み5mm)の明度指数は87.5であった。
(全光線透過率)
JIS K7375:2008に準拠して、発泡板の全光線透過率(%)を求めた。なお、単層(無着色)のポリスチレン発泡板(見掛け密度60kg/m3、厚み5mm)の全光線透過率は10.2%であった。
(外観)
発泡板の外観を目視により以下の基準で評価した。
○:白色に見え、従来の単層のポリスチレン系樹脂発泡板と変わらぬ外観を有する。
×:内側の黒色発泡層が透けて見え、灰色がかって見える。
2 黒色ポリスチレン系樹脂発泡層
3 白色ポリスチレン系樹脂発泡層
4 ポリスチレン系樹脂
5 黒色着色剤
6 気泡調整剤
7 第1押出機
8 物理発泡剤
9 黒色発泡層形成用樹脂溶融物
10 ポリスチレン系樹脂
11 白色顔料
12 気泡調整剤
13 第2押出機
14 物理発泡剤
15 白色発泡層形成用樹脂溶融物
16 環状ダイ
17 ピンチロール
Claims (6)
- 黒色ポリスチレン系樹脂発泡層の両面に共押出により積層接着された白色ポリスチレン系樹脂発泡層を有する、見掛け密度40〜150kg/m3の板状積層発泡体であって、
前記白色ポリスチレン系樹脂発泡層は該発泡層を構成する樹脂組成物100質量%に対して1〜12質量%の白色顔料を含み、
前記白色ポリスチレン系樹脂発泡層の片面あたりの坪量が15g/m2以上であり、
前記白色ポリスチレン系樹脂発泡層の厚み方向の平均気泡径が0.25mm以下であり、
JIS Z8781−4:2013に基づく板状積層発泡体の表面のCIE1976明度指数L*が70以上であることを特徴とするポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。 - 前記白色ポリスチレン系樹脂発泡層の片面当たりの厚みがそれぞれ3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。
- 前記黒色ポリスチレン系樹脂発泡層の厚みが1mm以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。
- 前記黒色ポリスチレン系樹脂発泡層の厚み方向の平均気泡径が0.15〜0.70mmであり、かつ、前記白色ポリスチレン系樹脂発泡層の厚み方向の平均気泡径よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。
- 前記白色ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度が30〜150kg/m3であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。
- 前記黒色ポリスチレン系樹脂発泡層が黒色着色剤を含み、黒色着色剤の配合量が該発泡層を構成する樹脂組成物100質量%に対して0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のポリスチレン系樹脂板状積層発泡体。
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CN109747227A (zh) * | 2017-11-06 | 2019-05-14 | 苏州柯莱美高分子材料科技有限公司 | 一种用于硅片切割的树脂板及制备方法 |
CN112706487A (zh) * | 2020-12-23 | 2021-04-27 | 广德祥源新材科技有限公司 | 一次成型免喷涂木纹泡棉及其生产工艺 |
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