JP2017056372A - 微生物による浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有害物質で汚染された地下領域を微生物により浄化するバイオスティミュレーション手法において、浄化期間を短縮して、施工コストを低減する微生物による浄化方法を提供すること。
【解決手段】有害物質で汚染された地下領域を微生物により浄化する方法であって、汚染地下領域に栄養源を投入し、生息する微生物を原位置で増殖させて汚染地下領域を浄化する工程と、汚染領域に分散して設置された揚水井戸から地下水を採取し、揚水井戸毎に採取された地下水の浄化レベルを測定する工程と、浄化レベルが高い領域の揚水井戸から地下水を汲み上げ、地上にて微生物の増殖培養を行う工程と、増殖培養された微生物を含む培養液を地下水の浄化レベルの低い領域に注入する工程と、を行う微生物による浄化方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、シアン化合物等の有害物質で汚染された地下水又は地盤などの地下領域を、原位置に生息する微生物を利用して浄化する方法に関するものである。
シアン化合物は、高い反応性を有し、医薬、農薬、プラスチック製造、電気メッキなどの化学製造工場、金属加工工場あるいはガス製造工場等において大量に使用され、あるいは副生成物として発生することから、これらの工場から不可避に地盤中に漏洩することがある。シアン化合物は毒性が高いことから、地下水中には検出されないことが法により定められている。すなわち、環境中に排出されたシアン化合物は、微生物等により速やかに分解除去されることが望ましい。
シアン化合物は高い水溶性を示すため、一度地下水中に放出されるとその流れによって汚染が短時間で広範囲に拡散する。このような場合、原位置での対策が、コスト面及び環境面から適切なものとなる。
従来、バイオレメディエーション手法を利用した種々のシアン化合物の浄化方法が提案されている。例えば、特開2002−273408号公報には、シアン化合物により汚染された地下領域を微生物の活動を利用して原位置修復する方法において、該汚染地下領域のうち修復対象とする領域の95%以上の地表面を通気性の低い人工構造物で覆った状態で、当該修復対象領域に、窒素源を除外した栄養物質を供給する地下汚染修復方法が開示されている。
このようなバイオレメディエーション手法は、現地に生息する分解微生物に栄養源を与えることで、原位置で増殖させて、有害物質を分解するバイオスティミュレーション手法と称されるものである。
特開2002−273408号公報
しかしながら、従来のバイオスティミュレーション手法は、温度やpH等の地盤環境に左右され適切な条件下で原位置に生息する微生物を増殖させることができず、微生物分解による浄化に時間がかかっていた。また、浄化対象区域中でも、微生物の増殖が進み浄化が早い領域と、微生物の増殖が進まず浄化が遅い領域が存在していた。この場合、微生物の増殖が進み浄化が早い領域がありながら、浄化対象区域の浄化を完了することができず、浄化を続けることになり、施工コストを上昇させていた。
従って、本発明の目的は、有害物質で汚染された地下領域を微生物により浄化するバイオスティミュレーション手法において、浄化期間を短縮して、施工コストを低減する微生物による浄化方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、上記課題を解決したものであり、有害物質で汚染された地下領域を微生物により浄化する方法であって、汚染地下領域に栄養源を投入し、生息する微生物を原位置で増殖させて汚染地下領域を浄化するI工程と、汚染領域に分散して設置された揚水井戸から地下水を採取し、揚水井戸毎に採取された地下水の浄化レベルを測定するII工程と、浄化レベルが高い領域の揚水井戸から地下水を汲み上げ、地上にて微生物の増殖培養を行うIII工程と、増殖培養された培養液を地下水の浄化レベルの低い領域に注入するIV工程と、を行うことを特徴とする微生物による浄化方法を提供するものである。
また、本発明は、前記III工程において、培養液の注入は、地下水の浄化レベルの低い領域に設置された注入井戸に注入するものであることを特徴とする前記微生物による浄化方法を提供するものである。
また、本発明は、前記III工程において、培養液の注入は、地盤攪拌混合装置を用いて、地盤を攪拌しつつ添加注入するものであることを特徴とする前記微生物による浄化方法を提供するものである。
また、本発明は、汚染領域に分散して注入井戸を設け、I工程における汚染地下領域への栄養源の投入は、注入井戸から行うことを特徴とする前記微生物による浄化方法を提供するものである。
また、本発明は、I工程における汚染地下領域への栄養源の投入は、地盤攪拌混合装置を用いて、地盤を攪拌しつつ添加するものであることを特徴とする前記微生物による浄化方法を提供するものである。
また、本発明は、地上における微生物の増殖培養は、反応槽を備える培養プラントで行うことを特徴とする前記微生物による浄化方法を提供するものである。
また、本発明は、I工程において、栄養源の他に、pH調整剤を投入することを特徴とする前記微生物による浄化方法を提供するものである。
また、本発明は、IV工程は、通性嫌気条件で微生物の増殖培養を行うことを特徴とする前記微生物による浄化方法を提供するものである。
また、本発明は、IV工程において、浄化レベルが高い領域の揚水井戸の他、浄化レベルが低い領域の揚水井戸から地下水を汲み上げ、浄化レベルが高い領域の揚水井戸から汲み上げた地下水と浄化レベルが低い領域の揚水井戸から汲み上げた地下水の混合地下水について、地上にて微生物の増殖培養を行うことを特徴とする前記微生物による浄化方法を提供するものである。
また、本発明は、地下水の浄化レベルは、地下水中の微生物濃度で判断することを特徴とする前記微生物による浄化方法を提供するものである。
本発明によれば、バイオスティミュレーションによる汚染地下領域の浄化方法において、地下水の浄化レベルの低い領域は、地上で増殖培養された微生物が集中的に注入されるため、微生物の生息環境が悪いにも拘らず、浄化が進む。このため、浄化期間が短縮され、施工コストを低減できる。
本発明において、有害物質としては、シアン化合物及び有機塩素化合物が挙げられる。シアン化合物としては、無機シアン化合物及び有機シアン化合物が挙げられる。これらのシアン化合物には、ニトリル化合物、金属シアノ錯体等が含まれる。ニトリル化合物としては、例えば、アセトニトリル、ジニトリル類及びトリニトリル類が挙げられる。また、金属シアノ錯体としては、例えば、鉄シアノ錯体、銅シアノ錯体、銀シアノ錯体及びニッケルシアノ錯体が挙げられる。有機塩素化合物としては、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロエチレンなどが挙げられる。これら例示された有害物質は、1種単独又は2種以上を含むものである。
本発明において、汚染された地下領域としては、汚染された地下水及び汚染された地下地盤が挙げられる。また、地下地盤としては、砂地盤、シルト地盤、粘土地盤あるいは砂分を含むシルト地盤又は粘土地盤である。砂分を含むシルト地盤又は粘土地盤としては、砂層とシルト・粘土層の互層地盤が挙げられる。互層地盤としては、砂層とシルト・粘土層の2層構造を含む地盤、特に、砂層とシルト・粘土層と砂層の3層構造を含む地盤が例示される。
本発明の微生物の浄化方法においては、先ず、汚染地下領域に栄養源を投入し、生息する微生物を原位置で増殖させて汚染地下領域を浄化する工程(I工程)を行う。I工程は、一般には、バイオスティミュレーションと称される浄化手法である。栄養源としては、公知のものでよく、例えば、酸素、空気、窒素源やリン源等の栄養塩、グルコース、フルクトース、スクロース等の糖類等が挙げられる。これらの添加により、汚染地下領域(汚染サイト)に存在する有害物質分解微生物を増殖、活性化することができる。栄養源の添加は、適宜の間隔で複数回行ってもよい。また、I工程において、原位置が通性嫌気の条件となるよう、栄養源の他に、pH調整剤を投入してもよい。この際、pH調整剤と共に、酸素水を投入することが好ましい。
本発明のI工程において、汚染地下領域に栄養源を投入する方法としては、汚染領域に分散して設置された注入井戸から栄養源を投入する方法および汚染領域に対して地盤攪拌混合装置を使用し、地盤を攪拌しつつ栄養源を投入する方法が挙げられる。
汚染領域に分散して設置された注入井戸としては、例えば、汚染領域に対してブロック毎に分け、該ブロック毎に均等に設置すること好ましい。すなわち、注入井戸の設置は、汚染領域全体に対して幾つかのブロックに平面視面積が略同じになるように分け、該ブロック内において、均等に設置することが好ましい。注入井戸の設置の一例を図1に示す。図1は、汚染領域10を6つのブロックA〜Fに均等に分けたものである。それぞれのブロックは、正六角形であり、6つの角に注入井戸1が設置されている。すなわち、それぞれのブロックには、6つの注入井戸が設置され、隣接するブロック同士は接する部分で注入井戸1を共有している。すなわち、注入井戸の設置がブロック内において均等とは、ブロック領域を形成する輪郭(平面視)を等ピッチ長さとなるように設置したものである。このような注入井戸の設置であれば、後述する微生物分解の早いゾーンおよび遅いゾーンの判断が正確に行える。なお、図1において、一つのブロック内における注入井戸の設置ピッチは、8〜12m、好適には約10mである。一つのブロックは、注入井戸を結ぶことで形成される四角形以上の多角形であり、且つ平面視での面積が、概ね50〜300m、特に70〜150m程度のものである。すなわち、ブロックを形成する多角形状の各角は、少なくとも注入井戸が設置されるか、あるいは地盤攪拌混合する位置である。
汚染領域に対して地盤攪拌混合装置を使用し、地盤を攪拌しつつ栄養源を投入する方法において、地盤攪拌混合装置としては、地盤改良分野における公知の装置を使用することができ、例えば、回転軸駆動手段により回転される中空の回転軸と、該回転軸の下方に放射状に設けた1以上の攪拌翼と、前記回転軸の中空部に配設され、一端が地上の供給手段に接続され他端が攪拌翼近傍の吐出口に接続される栄養源供給管とを備える装置が挙げられる。また、地盤攪拌混合装置は、図1の汚染領域の場合、注入井戸1の設置位置と同じ位置に設置して使用される。なお、地盤攪拌混合装置を使用する場合、注入井戸1は設置しなくともよい。地盤攪拌混合装置は、汚染地盤に粘土層を含む砂層とシルト・粘土層の互層地盤において効果を発揮する。すなわち、互層地盤においては、粘土層に有害物質が溜まり易いが、この有害物質を含む部分を深さ方向に攪拌混合することで、帯水層を形成して浄化を促進することができる。I工程は、汚染地下領域の有害物質を微生物で分解浄化する所定の期間行う。
I工程後又はI工程途中、汚染領域に分散して設置された揚水井戸(観測井戸)から地下水を採取し、揚水井戸毎に採取された地下水の浄化レベルを測定する工程(II工程)を行う。揚水井戸の設置は、汚染領域において均等に分散して設置するのが好ましい。すなわち、図1の場合、図2に示すように、揚水井戸2が設置される位置は、各ブロックA〜Fの領域内の中心である。この場合、ブロックA、ブロックB、ブロックC、ブロックD、ブロックE、ブロックFのそれぞれのブロック内における浄化レベルを知ることができる。地下水の浄化レベルは、公知の方法で測定でき、地下水中の微生物濃度又は有害物質の濃度で判断する方法、特に地下水中の微生物濃度で判断する方法が好ましい。微生物濃度が高い場合、地下水又は土壌の浄化レベルが高く、微生物濃度が低い場合、地下水又は土壌の浄化レベルが低い。II工程においては、例えば、ブロックFの浄化レベルが、ブロックCの浄化レベルより高い場合、ブロックFの汚染領域を浄化レベルの高い領域、ブロックCの汚染領域を浄化レベルが低い領域と判断する。すなわち、浄化レベルは例えば各ブロック毎のような各汚染領域毎における相対比較で判断する。
II工程後、浄化レベルが高い領域の揚水井戸から地下水を汲み上げ、地上にて微生物の増殖培養を行う工程(III工程)を行う。II工程において、例えば、ブロックFの汚染領域を浄化レベルの高い領域、ブロックCの汚染領域を浄化レベルが低い領域と判断された場合、ブロックFの揚水井戸から地下水を地上に汲み上げ、地上にて微生物増殖培養を行う。なお、本例では、この場合、ブロックA、ブロックB、ブロックD、ブロックEは、ブロックF並に浄化レベルの高い領域と判断されたか、又はブロックFより浄化レベルは低いものの、増殖培養された微生物の新たな投入を不要とする程度の浄化レベル領域と判断されたものである。III工程において、浄化レベルが高い領域の揚水井戸の他、浄化レベルが低い領域の揚水井戸から地下水を汲み上げ、浄化レベルが高い領域の揚水井戸から汲み上げた地下水と浄化レベルが低い領域の揚水井戸から汲み上げた地下水を混合し、この混合地下水について、地上にて微生物の増殖培養を行ってもよい。その両者の混合割合は、特に制限されないが、例えば浄化レベルが高い領域の揚水井戸から汲み上げた地下水が、混合地下水の40%以上、特に50%以上であればよい。この際、浄化レベルが低い領域の揚水井戸は、すべてのブロックの中、最も浄化レベルが低い領域の揚水井戸とすることが効果的である。浄化レベルが低い領域の地下水を混合することで、浄化レベルが低い領域の環境に対応した分解微生物を集積培養でき、IV工程での浄化に有効となる。混合地下水の増殖培養については、有害物質がシアン化合物の場合に効果が顕著に現れる。
汲み上げられた地下水中の微生物の増殖培養方法としては、例えば、反応槽を備える培養プラントで行う方法が挙げられる。図3は、汲み上げられた地下水中の微生物を培養プラント20で増殖培養する方法の一例を示す。培養プラント20は、反応槽22、一端が汲み上げポンプ23に接続し、他端が反応槽22に接続する地下水供給配管26、栄養源貯留槽21、栄養源を反応槽22に供給する栄養源供給配管27、増殖培養された微生物を含む地下水を注入井戸1に供給する吐出配管28、栄養源供給ポンプ24および吐出ポンプ25から構成される。なお、増殖培養液を注入井戸ではなく、地盤攪拌混合装置を用いる場合、吐出配管28は、I工程で説明した地盤攪拌混合装置の栄養源供給配管に接続される。
浄化レベルの高い領域の地下水は、揚水井戸2から汲み上げポンプ23および地下水供給配管26を介して反応槽22に供給される。一方、栄養源貯留槽21に貯留された栄養源は栄養源供給ポンプ24および栄養源供給配管27から反応槽22に供給される。反応槽22では、温度、pH及び栄養源濃度等反応条件が調整され、所定時間かけて原位置に生息する微生物の増殖培養が行われる。微生物の増殖培養の判定は、反応槽22から適宜の時期にサンプリングを行い、測定値の微生物濃度で行えばよい。反応槽22における微生物濃度としては、浄化レベルの低い領域の浄化レベル及び過去の経験値などを考慮して判断される。
III工程は、培養プラントの反応槽22において、通性嫌気条件で微生物の増殖培養を行うことが好ましい。通性嫌気条件とは、好気条件と嫌気条件の間の条件であり、通常ORPが−200mV以上である。通性嫌気条件とするには、反応槽に汲み上げられた地下水に、栄養源と共にpH調整剤を添加してpH9.0に調整し、25℃の温度で反応槽内の地下水表面が静かに揺れる程度に穏やかに攪拌して所定期間培養すればよい。栄養源としては、酸素水を含むものがよい。
III工程において、所定濃度まで微生物の増殖培養が行われた後、増殖培養された微生物を含む地下水を地下水の浄化レベルの低い領域に注入する工程(IV工程)を行う。特に通性嫌気条件で微生物の増殖培養が行われた場合、増殖培養液中の分解微生物は通性嫌気に適した微生物群であり、これが注入された地下水の浄化レベルの低い領域も、通性嫌気条件となり、シアン化合物の浄化に有効である。増殖培養された微生物を含む地下水を地下水の浄化レベルの低い領域に注入する方法としては、浄化レベルの低い領域に分散して設置された注入井戸から注入する方法および浄化レベルの低い領域に対して地盤攪拌混合装置を使用し、地盤を攪拌しつつ添加、投入する方法が挙げられる。
注入井戸から注入する方法としては、地下水の浄化レベルの低い領域に分散して設置された注入井戸から注入すればよい。例えば、図4に示すように、増殖培養された微生物を含む培養液は、地下水の浄化レベルの低い領域、本例ではブロックCの領域を形成する6本の注入井戸1に注入する。これにより、浄化レベルの低い領域であるブロックCには、原位置に生息する微生物濃度が格段に高くなり、微生物の生育環境が悪くとも、微生物分解が進み、浄化が促進する。
また、地盤攪拌混合装置を使用する場合、地盤攪拌混合装置は、I工程で使用したものと同様の装置を使用すればよい。この際、地盤攪拌混合装置の栄養源供給管と培養プラント20の吐出配管28を接続する。また、I工程と同様に、地盤攪拌混合を行う位置は、注入井戸が設置される位置と同じ位置である。なお、地盤攪拌混合装置を使用する場合、I工程と同様に、注入井戸1は設置しなくともよい。IV工程において、地盤攪拌混合装置は、I工程と同様に、汚染地盤に粘土層を含む砂層とシルト・粘土層の互層地盤において効果を発揮する。すなわち、互層地盤においては、粘土層に地下水が流れ難いが、深さ方向に攪拌混合することで、帯水層が形成でき浄化を促進することができる。IV工程は、汚染地下領域の有害物質を増殖された微生物で分解浄化する。これにより、汚染地下領域全体の浄化を早めることができる。
IV工程後、汚染地下領域は、増殖培養された微生物による分解浄化が行われる。なお、IV工程後の分解浄化工程において、増殖培養された微生物を含む培養液を適宜の時期に複数回に分けて追加添加を行ってもよい。また、更に、増殖培養された微生物を含む培養液以外に、栄養源を別途添加してもよい。IV工程後の分解浄化工程において、増殖培養された微生物は、原位置で生息する有害物質分解能を有する微生物であり、分解浄化が期待できる。また、IV工程において、通性嫌気で増殖培養された微生物を注入する際、汚染地下水は、同様に通性嫌気となるものの、経過時間と共に、地下環境は変化するため、定期的に、通性嫌気で増殖培養された微生物を注入することが好ましい。
(参考例1)
<室内試験(集積培養)>
シアン化合物で汚染された汚染領域に設置された4地点の揚水井戸からそれぞれ地下水を揚水し、該地下水を混合して試験水として、下記に示す好気、通性嫌気及び嫌気の各条件において、シアン分解微生物の活性を評価した。評価は、7日目、14日目、21日目及び28日目とし、それぞれシアン濃度を測定した。結果を表1に示した。なお、地下水の性状は表2に示した。なお、混合地下水のシアン濃度は、1.0mg/lであった。その結果、28日間の試験において、通性嫌気は、好気や嫌気に比べて、シアン分解微生物の活性は高く、シアン濃度は40%減少できた。
(好気条件)
三角フラスコに、揚水した地下水150ml、栄養剤を0.5%、pH調整剤を0.7%添加し密封した。次いで、三角フラスコを100回転/分で振とうし混合液を攪拌した。混合液の表面は大きく揺れていた。なお、栄養剤は1週間毎に同量を逐次添加し、25℃で養生した。
(通性嫌気条件)
三角フラスコに、揚水した地下水300ml、栄養剤を0.5%、pH調整剤を0.7%添加し密封した。次いで、三角フラスコを100回転/分で振とうし混合液を攪拌した。混合液の表面は僅かに揺れていた。なお、栄養剤は1週間毎に同量を逐次添加し、25℃で養生した。
(嫌気条件)
三角フラスコに、揚水した地下水500ml、栄養剤を0.5%、pH調整剤を0.7%添加し密封し、静置した。なお、栄養剤は1週間毎に同量を逐次添加し、25℃で養生した。
Figure 2017056372
Figure 2017056372
(参考例2)
<スティミュレーション処理>
地下水が3〜7mg/lのシアン化合物で汚染されている地下領域(砂層、シルト・粘土層、砂層の互層地盤)Aに対して、地盤攪拌混合装置を使用し、均等に分散した位置において地盤を攪拌混合した。攪拌混合後の70日目と140日目に、地盤攪拌混合装置を使用し、当初の混合位置において、地盤攪拌混合しつつ栄養源を投入した。栄養源の投入は、地盤攪拌混合装置の攪拌羽根の近傍に設置された栄養源供給配管から供給した。栄養源の投入を攪拌混合後、70日目としたのは、シアン化合物の地下水への可溶化を進め浄化を促進させるためである。なお、適宜の時期に揚水井戸から地下水を採取して、シアン濃度を測定し、原位置に生息する微生物による浄化状況を300日まで観測した。経過日数に対するシアン濃度値の推移を表3に示す。経過日数の起点は最初の地盤攪拌混合処理日である。
(参考例3)
<オーグメンテーション処理>
参考例2の汚染領域Aに対して、約1年後、オーグメンテーション処理を行った。汚染領域Aの地下水は、同様に3〜7mg/lのシアン化合物で汚染されていた。微生物の増殖培養は、汚染領域Aの地下水を地上に汲み上げ、地上の培養プラントにおいて行った。増殖培養は、500リットルの反応槽中、汲み上げ地下水150リットルに対して、栄養源を添加し、平均反応温度25℃、pH8.6〜9.0、ORP−39〜−130mVの通性嫌気で培養期間7日間で行った。なお、増殖培養において、他の微生物の追加添加はなかった。
汚染地盤Aに対して、地盤攪拌混合装置を使用し、参考例2と同じ位置において地盤を攪拌混合した。攪拌混合後の100日目、180日目、210日目及び270日目に、地盤攪拌混合装置を使用し、混合位置において、地盤攪拌混合しつつ上記の培養プラントで得られた増殖培養液を投入した。増殖培養液の投入は、参考例2と同様、地盤攪拌混合装置の混合羽根の近傍に設置された栄養源供給配管から供給した。なお、適宜の時期に揚水井戸から地下水を採取して、シアン濃度を測定し、原位置に生息する微生物による浄化状況を300日まで観測した。経過日数に対するシアン濃度値の推移を表3に示す。
Figure 2017056372
本発明によれば、原位置に生息する有害物質分解能を有する微生物を増殖培養して使用するため、地下水の浄化レベルの低い領域の浄化が進む。このため、汚染領域全体の浄化期間が短縮され、施工コストを低減できる。
本発明の浄化方法において、I工程を説明する図である。 本発明の浄化方法において、II工程を説明する図である。 本発明の浄化方法において、III工程及びIVを説明する図である。 本発明の浄化方法において、III工程及びIVを説明する他の図である。
1 注水井戸
2 揚水井戸
10 汚染領域
20 培養プラント
21 栄養源貯留槽
22 反応槽
28 吐出配管

Claims (10)

  1. 有害物質で汚染された地下領域を微生物により浄化する方法であって、
    汚染地下領域に栄養源を投入し、生息する微生物を原位置で増殖させて汚染地下領域を浄化するI工程と、
    汚染領域に分散して設置された揚水井戸から地下水を採取し、揚水井戸毎に採取された地下水の浄化レベルを測定するII工程と、
    浄化レベルが高い領域の揚水井戸から地下水を汲み上げ、地上にて微生物の増殖培養を行うIII工程と、
    増殖培養された培養液を地下水の浄化レベルの低い領域に注入するIV工程と、
    を行うことを特徴とする微生物による浄化方法。
  2. 前記IV工程において、培養液の注入は、地下水の浄化レベルの低い領域に設置された注入井戸に注入するものであることを特徴とする請求項1記載の微生物による浄化方法。
  3. 前記IV工程において、培養液の注入は、地盤攪拌混合装置を用いて、地盤を攪拌しつつ添加注入するものであることを特徴とする請求項1記載の微生物による浄化方法。
  4. 汚染領域に分散して注入井戸を設け、I工程における汚染地下領域への栄養源の投入は、注入井戸から行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微生物による浄化方法。
  5. I工程における汚染地下領域への栄養源の投入は、地盤攪拌混合装置を用いて、地盤を攪拌しつつ添加するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微生物による浄化方法。
  6. 地上における微生物の増殖培養は、反応槽を備える培養プラントで行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の微生物による浄化方法。
  7. I工程において、栄養源の他に、pH調整剤を投入することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の微生物による浄化方法。
  8. III工程は、通性嫌気条件で微生物の増殖培養を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物による浄化方法。
  9. III工程において、浄化レベルが高い領域の揚水井戸の他、浄化レベルが低い領域の揚水井戸から地下水を汲み上げ、浄化レベルが高い領域の揚水井戸から汲み上げた地下水と浄化レベルが低い領域の揚水井戸から汲み上げた地下水の混合地下水について、地上にて微生物の増殖培養を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の微生物による浄化方法。
  10. 地下水の浄化レベルは、地下水中の微生物濃度で判断することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の微生物による浄化方法。
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