図1に基づいて実施形態に係る放射線撮影システムを説明する。図1では、放射線撮影システムの例である、放射線としてX線を用いた長尺撮影システムを含む情報システムの構成が示されている。当該情報システムは例えば、放射線撮影システムと、RIS151と、WS152と、PACS153と、Viewer154と、Printer155とを有する。RIS(Radiology Information System)151は放射線撮影のオーダを管理するシステムであり、放射線撮影のオーダを放射線撮影システムに送信する。WS(WorkStation)152は画像処理端末であり、放射線撮影システムで撮影された放射線画像を処理し、診断のための画像を得る。PACS(Picture Archiving and Communication System)153は、放射線撮影システムその他のモダリティ(医用撮影システムまたは医用撮影装置)からの医用画像を含むデータベースシステムである。PACS153は医用画像及びかかる医用画像の撮影条件等の付帯情報を記憶部と、当該記憶部に記憶される情報を管理するコントローラとを有する。Viewer154は、画像診断用の端末であり、PACS153等に記憶された画像を読み出し、診断のために表示する。Printer155は例えばフイルムプリンタであり、PACS153に記憶された画像をフイルム出力する。
放射線撮影システムの例である長尺撮影システムは放射線発生部100と、架台101と、複数の放射線撮影部102a、102b、102c(あるいは、カセッテA、カセッテB、カセッテC)と、中継器103と、制御装置104と、表示部及び操作部を兼ねるタッチパネルモニタ108と、を有し、これらは互いにケーブルで接続されている。放射線発生部100は、複数の放射線撮影部に対して同時に放射線を照射する。複数の放射線撮影部に放射線が照射される場合、複数の放射線撮影部では放射線画像を得、これら複数の放射線画像は中継器103を介して制御装置104に送信される。
制御装置104は例えば所望のソフトウェアプログラムがインストールされた電子計算機(PC:Personal Computer)であり、これら複数の放射線画像に対して貼り合わせ処理を含む画像処理を行うことにより長尺画像を生成する。また制御装置104はこの長尺画像をタッチパネルモニタ108に表示させる。このようにして、複数の放射線撮影部に対して同時に放射線を照射する長尺撮影が行われる。さらに制御装置104はかかる長尺画像と当該長尺画像の撮影条件等の付帯情報とに基づいてDICOM画像を生成する。そして制御装置104は当該DICOM画像をWS152あるいはPACS153に送信する。
長尺撮影の撮影オーダは例えばRIS151から制御装置104へと送信される。この場合制御装置104はRIS151からは長尺撮影を示す撮影情報IDや、全下肢や全脊椎等の長尺撮影が必要な撮影部位の情報を受信し、当該受信した情報に対応する撮影条件を制御装置104の記憶部から読み出す。或いは、タッチパネルモニタ108を介した操作入力から撮影部位、撮影方法、撮影条件の情報を含む撮影情報を得ることとしてもよい。
なお、タッチパネルモニタ108以外にマウスやキーボード等の操作部を制御装置104に接続してもよい。
図1で示されるように、放射線撮影部102a、102b及び102cは、撮影領域が連続するように放射線撮影部102aの撮影領域と放射線撮影部102bの撮影領域とが一部重複するように配置される。これにより、放射線撮得部102bで得られる放射線画像には、所定の構造物が写り込むこととなる。実施形態にかかる架台101では、順番に配置される放射線撮影部のうち、真中に配置される放射線撮影部のみ、他の放射線撮影部よりも放射線発生部100から離れた位置に配置され、かつ撮影領域が一部重複するように配置される。このような配置とすることで、構造物が写りこむ放射線画像の数を減らすことができる。
構造物が写り込んだ放射線画像は、別途得られる構造物補正用の補正データを用いることで、例えば制御装置104や放射線撮影部102により補正され、写り込んだ構造物が低減される。
図2に基づいて実施形態に係る長尺撮影システムの構成の詳細を説明する。放射線発生部100は、放射線の照射範囲を設定する絞りと、放射線を発生させる放射線源とを含む放射線照射部100aと、放射線照射部100aの放射線の照射を制御する発生制御部100bとを有する。発生制御部100bにはさらに照射スイッチが接続され、照射開始タイミングを指示する信号を発生制御部100bに入力する。放射線発生部100はさらに、放射線撮影部102と通信するインタフェース部203を備えていてもよく、この場合には放射線発生部100と架台101とは、イーサネット(登録商標)等のネットワークケーブル205eにより互いに通信可能に接続される。制御装置104は架台101とネットワークケーブル205dにより互いに通信可能に接続される。
架台101は、長尺撮影を行うために複数の放射線撮影部を固定する保持部であり、実施形態の1つでは放射線撮影部102を固定する位置が3か所あり、各固定位置には放射線撮影部102を収納する収納部201と、架台コネクタ206とを有する。放射線撮影部102を収納部201に固定した状態では、架台コネクタ206と撮影部コネクタ107とが嵌合するように、各コネクタの位置が定められる。
放射線撮影部102を収納する収納部201a、201b及び201cと、収納部の側壁に沿って配置され、放射線撮影部102と有線接続するための架台コネクタ206a、206b及び206cと、中継器103(ネットワークスイッチ)と、を有する。
架台コネクタ206a、206b及び206cはそれぞれ中継器103とネットワークケーブル205a、205b、205cで接続される。また架台コネクタ206a、206b及び206cは夫々放射線撮影部の撮影部コネクタ107と接続する。図2に示す例では、放射線撮影部102bの撮影部コネクタ107bが架台コネクタ206aと、放射線撮影部102cの撮影部コネクタ107cが架台コネクタ206bと、放射線撮影部102aの撮影部コネクタ107aが架台コネクタ206cと、夫々接続する。
中継器103はネットワークスイッチであり、この複数の物理ポートのうち、一つは制御用装置104に接続できるように、架台101の外部に引き出されている。このポートは、架台101や制御装置104をユーザの使用環境に設置するときに、制御装置104の通信ポートと接続されるように、固定的に配線される。残りのポートは、カセッテ固定位置の架台コネクタ206結ぶように配線されている。この配線は、架台101の製造時に配線されて固定されるため、ユーザの使用中に架台コネクタ206と中継器103の物理ポートの対応関係が変化することはない。
架台101はさらに、放射線撮影部102に電力を供給する電源207を有していてもよい。この場合、架台コネクタ206a、206b、206cには、ネットワークケーブルと電源ケーブルの2系統のケーブルが接続されることとなる。なお、電源207の代わりに、電源部202a、202b、202cが収納部201a、201b、201cのそれぞれについて設けられていてもよい。この場合、架台コネクタ201と電源部202の間は通信ケーブル及び電源ケーブルの2系統となり、電源部202と中継器103との間は通信ケーブルが接続されることとなる。
放射線撮影部102a乃至cからの放射線画像は、撮影部コネクタ107a乃至c、架台コネクタ206a乃至c、中継器103を介して制御装置104へと送信される。
なおここで別の実施形態では、撮影部コネクタ107及び架台コネクタ206の代わりにTransferJet等の近距離無線通信を行う撮影部接続部及び架台接続部を設けることとしてもよい。或いは、放射線撮影部102が架台コネクタ206等を介さずに、直接中継器103と無線通信することとしてもよい。この場合放射線撮影部102が架台101や中継器103と無線で通信することとなり、放射線撮影部102と制御装置104との通信経路は一部無線化される。
中継器103は架台101の内部に配置されることとしているが、これに限らず架台101の外部に配置されることとしてもよい。また中継器103と放射線発生部100、中継器と制御装置100との間の通信経路を無線化してもよい。
長尺撮影を実施するにはまず、放射線撮影部102を長尺撮影用架台101の各固定位置に装着して固定する。これにより、架台コネクタ206と撮影部コネクタ107が嵌合する。これにより、各放射線撮影部102内部の各主制御回路は、撮影部コネクタ107、架台コネクタ206、ネットワークケーブル205を介して、中継器103と接続される。その結果、各放射線撮影部102a乃至cと制御装置104を含むネットワークが形成される。放射線撮影部102と中継器103とは、撮影部コネクタ107と架台コネクタ206の嵌合によって各々着脱自在に接続される。
ネットワークが形成されることにより、各カセッテと制御装置104の間の通信が可能となり、制御装置104のソフトウェアによる、各カセッテとの制御通信が始まる。この制御通信により、架台101に各放射線撮影部102が装着されていることが、制御装置104のソフトウェアから認識され、またホルダ上の各カセッテの装着位置も認識される。位置認識の過程については後述する。
ユーザが装着の操作を完了し、ソフトウェア上で正常な装着が確認できると、ソフトウェアは制御装置104に接続されたタッチパネルモニタ108に、準備完了の表示をする。ユーザは準備完了の表示を確認して、撮影を実施する。撮影は、図1に示すように、架台101の前に被検者を配置し、複数の放射線撮影部102にまたがる広範囲の被写体が、単一回の放射線照射で映り込むようにして実施される。
撮影を実施すると、各カセッテの主制御回路150は、2次元撮像素子120の走査を行って画像データを生成する。生成した画像データは、制御装置104に転送される。この場合、放射線撮影部102が内蔵する有線通信回路180と撮影部コネクタ107、架台コネクタ206、等を介した通信路を用いて転送してもよい。あるいは放射線撮影部102が内蔵する無線通信回路160と、制御装置104に接続される図示しない無線アクセスポイントを介して転送してもよい。
制御装置104は、各放射線撮影部102から受信した画像を、カセッテの装着位置の認識情報を参照して並べ替え、連結合成する画像処理を行う。合成された画像は、広範囲の被写体情報を含む長尺撮影画像としてユーザに供される。
図3に基づいて実施形態に係る放射線撮影部(放射線撮影装置)102の構成を説明する。放射線撮影部102は、放射線センサ110と、駆動回路130と、読出回路170と、主制御回路150と、無線通信回路160と、有線通信回路170と、撮影部コネクタ107と、電源回路190とを有する。放射線センサ110は、2次元撮像素子120を有する。2次元撮像素子120は、複数の画素が行列状に配置された画素アレイと、行方向に並ぶ画素に共通して接続され駆動回路130からの駆動信号を伝達する行選択線と、列方向に並ぶ画素に共通して接続され画像信号を読出回路170に伝達する列信号線とを有する。2次元撮像素子120の各画素にはバイアス電源140が接続される。画素は一端がバイアス電源140に接続された光電変換素子と、該光電変換素子の他端と接続されるスイッチング素子と、を有する。スイッチング素子のベース電極は行選択線に接続され、コレクタ及びエミッタに、光電変換素子と、列信号線が接続される。2次元撮像素子120は当該撮像素子に入射した放射線の強度分布を元に、画像を生成する。
放射線センサ110はこの他、複数の画素を接続するスイッチング素子を含み、画像信号を統合するビニング回路を有していてもよい。たとえばスイッチング素子は、隣接する縦2画素、横2画素の4画素に接続される。これにより、画像信号をデジタル化する前に統合することができる。
駆動回路130は駆動信号を出力することにより、スイッチング素子のオンオフを制御する。スイッチング素子がオフ状態とされることにより光電変換素子の寄生容量等に画像信号が蓄積され、オン状態とされることにより当該画像信号が列信号線を介して出力される。読出回路170は放射線センサ110から出力された画像信号を増幅する増幅器と、デジタル信号に変換するA/D変換器と、を有し、これらによりデジタル信号として読み出される。
駆動回路130は、画素アレイの各行に対応する行選択線に一括してオフ電圧を与える制御と、順次オン電圧を与える制御とを行う。オフ電圧により放射線センサ110は蓄積状態へと移行される。順次オン電圧を与える制御により、画素アレイの信号が順次読出回路170へと出力される。これにより、蓄積状態へと移行させる前の画素アレイの初期化動作や、蓄積により得られる画像信号の読出し動作が行われる。
ここで駆動回路130は、2n行つまり偶数行に順次オン電圧を印加した後2n−1行つまり偶数行に順次オン電圧を印加するインタレース駆動を実行させてもよい。これにより、画像信号の間引き読みを実現する。ここで間引き駆動は、上記の通り1行おきに行う場合に限らず、2行おきあるいはm−1行おきに行うこととしてよい。かかる間引きの割合は所望の値が採用される。なお駆動回路130は、間引きの割合をm−1としたとき、mn行、mn+1行、mn+2行、・・・mn+(m−1)行というように順次オン電圧を印加することとしてもよい。
あるいは、画素アレイの中央付近の画素で得られる画像信号を先行して出力させる、画像信号の部分読みを実行することもできる。この場合、画素アレイがM行N列であるとして、M/4+1行から3M/4行、N/4+1列から3N/4列の、M/2×N/2の画像信号を出力する。駆動回路130により実行される上述の動作は、主制御回路150からの制御に応じて行われる。
主制御回路150は放射線撮影部102を統合的に制御する。また主制御回路150はFPGA156により実装された処理回路を有し、これにより放射線画像の生成、画像処理を行う。ここでFPGA156では、デジタル放射線画像を得る際に、例えば隣接する2×2の画素値を合算するビニング処理、一部の画素を間引き一部の画素を抜き出す間引き処理、連続する領域を抽出する処理等により、データ量の小さい画像を得る処理を行うことができる。
またFPGA156で行われる画像処理には、放射線画像の暗電流成分を低減するダーク補正、画素の入出力特性のばらつきを補正するゲイン補正、欠陥画素の補正、ラインノイズ等のノイズを低減する処理、等がある。
無線通信回路160及び有線通信回路170は制御装置104や放射線発生部100からの信号等の制御命令やデータの授受を行うことができる。また無線通信回路160は放射線撮影部102の状態を示す信号や、放射線画像を送信する。無線通信回路160はアンテナを有し、主に有線ケーブルが撮影部コネクタ107に接続されていない場合に無線通信する。有線通信回路170には撮影部コネクタ107が接続され、有線通信を制御する。コネクタ107は通信と電力供給のために設けられており、通信情報は有線通信回路170に、電力は電源回路190に送られる。電源回路190はバッテリを有し、放射線撮影部102の動作に必要な電圧を生成し、各部に供給する。無線と有線の、いずれの通信方式を用いるかは、主制御回路150により指定される。例えば、コネクタ107に有線ケーブルが接続されている場合には、有線通信が指定され、有線ケーブルが接続されていないが、無線通信の接続が確立されている場合には無線通信が指定される。有線ケーブルが接続されておらず無線通信の接続も確立されていない場合にはいずれの通信方式も指定されない。この場合、例えば放射線画像の送信は行われず、主制御回路150に接続される不揮発メモリに放射線画像が記憶される。
通信方式が指定され、放射線画像を送信する場合、主制御回路150は、放射線センサ110で得られる放射線画像よりもデータ量の小さいプレビュー画像を、当該放射線画像に先行して転送する。そして主制御回路150は、当該プレビュー画像の送信が完了した後、プレビュー画像には含まれないデータを含む画像を送信する。
これにより、制御装置104側で撮影が適切であったかを迅速に確認することができる。ここで、プレビュー画像や、プレビュー画像には含まれないデータを含む画像は、読出し回路170による画像信号の読出し及び主制御回路150によるプレビュー画像の生成に応じて送信されてもよい。あるいは、制御装置104からの信号に応じて送信することとしてもよい。このように、制御装置104が複数の放射線撮影部との通信を制御することにより、複数の放射線撮影部から同時に大容量のデータが送信されることによる影響を減らし、効率的な画像通信を実現することができる。
なお、有線接続されている場合や、通信容量が十分に大きい場合など、かかる通信への影響が生じにくい場合もありうるため、制御装置104と放射線撮影部102との通信方式に応じて画像の送信方式を変更することとしてもよい。
放射線撮影部102の状態の1つに、無線通信回路160及び有線通信回路170にのみ電力が供給され、バイアス電源140から2次元撮像素子120に電力が供給されない第一の状態(いわゆるスリープ状態)がある。また、バイアス電源140から2次元撮像素子120に電力が供給されている第二の状態がある。第二の状態では、初期化動作が完結的に実行されており、外部からの指示を受けて蓄積状態へと移行することにより、画像の生成が可能となっている。放射線撮影部102は、外部からの要求信号に応じて、上述の状態を示す信号を送信する。
放射線発生部100にインタフェース部203が設けられる場合、放射線発生部100と放射線撮影部102との間で同期通信が行われる。照射スイッチの押下に応じてインタフェース部203は放射線撮影部102a乃至cのそれぞれに第一の信号を送信する。かかる第一の信号に応じて放射線撮影部102a乃至cそれぞれの駆動回路130は2次元撮像素子120に初期化動作を行わせ、2次元撮像素子120を蓄積状態へと移行させる。初期化の完了また蓄積状態への移行に応じて放射線撮影部102a乃至cのそれぞれは第二の信号をインタフェース部203に送信する。インタフェース部203はある長尺撮影に使用されるすべての放射線撮影部からの第二の信号が受信されたか否かを判定し、受信されたと判定された場合には発生制御部100bに対して照射許可信号を入力する。これに応じて放射線照射部100aから放射線が照射される。このようにすることで、放射線撮影部102が蓄積状態に移行する前の放射線照射が行われないようにし、無駄な被曝を減らすことができる。
インタフェース部203が設けられない場合には、放射線発生部100は照射スイッチの押下に応じて放射線を照射する。放射線撮影部102はこの放射線の照射開始を検知し、蓄積状態へと移行する。放射線撮影部102による照射開始の検知は、2次元撮像素子120で得られる信号に基づいて行ってもよいし、放射線センサ110とは別に設けられた照射開始を検知するためのセンサにより行ってもよい。
同期通信を行う第一の撮影モードと、放射線の検知を行う第二の撮影モードのいずれかは、外部からの信号によって主制御回路150により指定される。
図4に基づいて実施形態に係る制御装置の構成を説明する。制御装置104は、CPU(Central Processing Unit)401と、RAM(RandomAccess Memory)402と、記憶部403と、ROM(Read Only Memory)404と、NIC(Network Interface Card)405と、GPU(Graphic Processing Unit)406と、USB(Universal Serial Bus)407と、通信I/F(Interface)408と、を有し、これらは内部バスにより通信可能に接続される。CPU401は制御装置104及びこれに接続する各部を統合的に制御する制御回路であり、複数のCPUを有していてもよい。RAM402は、記憶部403等に記憶される、後述する図6に示す処理等の実行するためのプログラムや、各週パラメタを展開するためのメモリである。当該RAM402に展開されたプログラムに含まれる命令がCPU401で逐次実行されることにより実施形態に係る処理が実現される。記憶部403は例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のメモリであり、上述のプログラムや、撮影により得られる長尺画像等の放射線画像、撮影オーダや撮影情報、その他各種パラメタが記憶される。NIC405は、外部の装置と通信する通信部の例である。実施形態に係る制御装置104は、第一のNIC405aと、第二のNIC405bとを有しており、第一のNIC405aは院内ネットワークに接続するための院内AP(Access Point)410に、第二のNIC405bは放射線撮影システムの通信を中継する中継器103に接続する。GPU406は画像処理ユニットであり、CPU401からの制御に応じて画像処理を実行する、画像処理の結果得られる画像はタッチパネルモニタ108に出力され、表示される。USB407はタッチパネルモニタ108からの操作入力の情報を取得する通信部であり、CPU401により操作入力として解釈される。通信I/F408は例えばRS232Cやイーサネット(登録商標)、USB等の通信部であり、Dosemeter(線量計)409と通信し、線量情報を受信する。
記憶部403に記憶されるプログラムは、例えばFPD(放射線撮影部)配置取得モジュール431と、通信制御モジュール432と、表示制御モジュール433と、撮影制御モジュール434と、長尺画像生成モジュール435と、補正モジュール436とを有する。
FPD配置取得モジュール431は、1の長尺撮影に用いられる複数の放射線撮影部の配置関係を示す情報を取得する。ここで配置関係を示す情報は、例えば放射線撮影部102a、102b、102cがこの順で並んで配置されている、といった情報や、放射線撮影部102bが真ん中に配置されている、といった情報である。ここで放射線撮影部102a、102b、102cの回転状態を示す情報を含んでいてもよい。かかる配置関係を示す情報は、例えば第二のNIC405bにより受信された放射線撮影部102a乃至cの通信経路を示す情報と、記憶部403に記憶された通信経路と配置との対応関係を示す対応情報と、に基づいてCPU401により取得される。例えば図2のように架台コネクタ206a乃至cが収納部201a乃至cに対して固定的に配置されている場合には、通信経路の情報を参照することで複数の放射線撮影部の配置を特定することができる。通信経路の情報は、例えば中継器103がレイヤ2ネットワークスイッチである場合には、中継器103による物理ポート対MACアドレスの学習動作を用いて、放射線撮影部102と物理ポートの対応関係を得る。
このようにして取得された当該配置関係を示す情報は記憶部403に記憶される。或いは、配置関係を示す情報そのものを第二のNIC405bで受信することとしてもよい。この場合には、中継器103や架台101が通信経路の情報等に基づいて配置関係を示す情報を取得する機能を有することとなる。
配置関係を示す情報は、例えば長尺画像生成モジュール435の実行過程で参照され、複数の放射線画像の貼り合わせ処理に用いられる。この場合の、配置関係を示す情報とは、どの放射線画像とどの放射線画像とが重複領域を有するかを特定するための情報である。また配置関係を示す情報は、例えば補正モジュール436の実行過程において、いずれの放射線画像について、写り込んだ構造物を除去する補正処理を実行するかを決定するためにCPU401により参照される。この場合の、配置関係を示す情報としては、いずれの放射線撮影部からの画像に構造物が写り込んでいるかを特定するための情報であり、図1に示す撮影系では、いずれの放射線撮影部が中央に配置されるかを特定するための情報となる。
通信制御モジュール432は、第一のNIC405a、第二のNIC405bによる通信を制御する。通信制御モジュール432が実行されることにより例えば、タッチパネルモニタ108等からの操作入力に応じて複数の放射線撮影部の状態を第二の状態へと遷移させるための信号を放射線撮影部へと送信させる。かかる操作入力は例えば、撮影オーダに含まれる複数の撮影条件のうち1つを選択する操作入力により、CPU401が当該撮影条件を指定することに応じて行われる。これにより第二のNIC405bは、状態を遷移させるための信号を放射線撮影部に送信する。第二のNIC405bはこれに対するレスポンスの信号を受信することとなる。
また通信制御モジュール432が実行されることにより例えば、複数の放射線撮影部102a乃至cのそれぞれから放射線画像を受信する。このとき、複数の放射線撮影部からは、まずデータ量の小さいプレビュー画像(第一の画像)を受信し、その後に残りのデータを含む画像(第二の画像)を受信することとする。この場合に、1の放射線撮影部からプレビュー画像(第一の画像)を受信しているときには、他の放射線撮影部から第一または第二の画像の受信を制限することとする。このため、各放射線撮影部は制御装置104〜の指示に応じて画像の送信を実行させることとし、例えば全ての放射線撮影部からのプレビュー画像(第一の画像)の受信が完了することに応じて1の放射線撮影部に対して第二の画像の送信を指示することとする。これにより、複数の撮影部から同時に大容量のデータが中継器103に送信されないようにし、通信の効率化を図っている。
なお、放射線撮影部側は、上述のように指示信号に応じて画像を送信する送信方式(第二の送信方式)の他に、画像信号の読出しに応じて放射線画像を送信する送信方式(第一の送信方式)も実行可能である。実行される送信方式は、例えば制御装置104からの信号に応じて指定される。たとえば、放射線撮影部102が無線通信を行う場合には、第一の送信方式が指定され、放射線撮影部102が有線通信を行う場合には、第二の送信方式が指定される。このように通信形態に応じて送信方式を指定する場合には、放射線撮影部102は外部からの信号によることなく送信方式を指定可能である。
そのほか通信制御モジュール432を実行することにより、CPU401は第一のNIC405aを介して、放射線撮影或いは長尺撮影により得られる放射線画像を含むDICOM画像ファイルをPACS153に送信させる。
実施形態の一つでは、放射線撮影部102のFPGA156により、放射線画像に移り込んだ構造物の補正処理が行われる。この場合通信制御モジュール432が実行される過程でCPU401は、複数の放射線撮影部のうち構造部補正の処理を実行させる放射線撮影部を指定する。これは例えば配置関係を示す情報を用いて図1に示す真ん中に配置された放射線撮影部102bが指定される。そしてCPU401は第二のNIC405bに、放射線撮影部102bに対して構造物の補正処理を実行させるための指示信号を送信させる。
表示制御モジュール433はタッチパネルモニタ108に表示される表示画面の内容を制御する処理に用いられる。例えば、表示画面に長尺撮影の撮影条件を表示させる処理や、生成された長尺画像を表示させる処理である。またかかるモジュールによりCPU401は、複数の放射線撮影部102a乃至cそれぞれの状態を示す情報に基づいて、前記複数の放射線撮影部のいずれか1つが前記第一の状態であるか、前記複数の放射線撮影部のいずれもが前記第二の状態であるかを判定する。そして当該判定に応じてタッチパネルモニタ108の表示を制御する。ここで第二のNIC405bは、複数の放射線撮影部のそれぞれについて放射線画像を得るための準備が整った状態ではない第一の状態であるか放射線画像を得るための準備が整った状態である第二の状態であるかを示す状態情報を受信する。前記複数の放射線撮影部のいずれか1つが前記第一の状態であるか、前記複数の放射線撮影部のいずれもが前記第二の状態であるかの判定は、CPU401により行われる。
このようにすることで、各放射線撮影部の状態を個別に示す表示ではなく、全ての放射線撮影部が撮影可能な状態であるか否かを示す表示を表示させるにより、ユーザに長尺撮影が可能か否かを直感的に把握させることができる。もちろん、全ての放射線撮影部が撮影可能な状態であるか否かを示す表示とともに、各放射線撮影部の状態を個別に示す表示も表示させることとすれば、例えばエラーにより1の放射線撮影部が撮影不可となっている場合などに対策を取りやすくなる。
撮影制御モジュール434は、CPU401に長尺撮影を含む放射線撮影の実行を統合的に制御させるためのプログラムである。撮影制御モジュール434により例えば、操作入力に応じた撮影条件の指定や、放射線撮影部の各部の状態を要求する信号の送信や、放射線画像の受信の制御などが行われる。
長尺画像生成モジュール435は、CPU401やGPU406を用いて複数の放射線画像から長尺画像を生成する。長尺画像は、複数の放射線画像の位置関係を合わせる位置合わせ処理により生成される。位置合わせ処理には、画像の大まかな配置を決定する粗調整処理と、数画素或いは1画素以下の精度で画像間の位置を調整する微調整処理とを含む。
粗調整処理では、複数の放射線撮影部102a乃至cの配置関係を示す情報を用いて各放射線画像のどの端部とどの端部とが対応をするかを決定する処理である。これにはFPD配置取得モジュール431による処理で得られる配置情報が用いられる。微調整処理は例えば複数の放射線画像で重複する領域の画像情報を用いたパターンマッチング処理により行われる。かかる処理は補正モジュール436による処理の後に行われてもよい。
補正モジュール436は、CPU401やGPU406を用いてセンサの特性による影響を補正する処理や放射線画像に写り込んだ構造を低減する補正処理を行う。センサの特性の補正処理には例えば各画素の入出力特性のばらつきや、欠陥画素などの影響を補正する処理があり、これは予め得られたゲイン補正用データや欠陥マップなどのデータが用いられる。写り込んだ構造物を低減する補正処理には、構造物を低減するための補正データが用いられる。かかる補正データは、当該放射線画像の撮影系と同一の撮影系でかつ被写体を配置せずに撮影して得られるデータを、ゲイン補正用データで除算或いはログ変換後に減算することで得られる。当該補正データは、工場出荷時等に予め放射線撮影部102に記憶されていてもよいし、各病院での長尺撮影を行う前に取得してもよい。
なお別の実施形態では、中継器103の機能を制御装置104に持たせることとする。この場合、例えば放射線撮影部102a乃至cと通信する第二のNIC405bを3つ設け、放射線撮影部102a乃至cと接続するケーブルを直接制御装置104に接続する構成となる。
図5に基づいて実施形態に係る表示画面を説明する。表示画面500には、放射線画像が表示される画像領域501と、被検者の情報が表示される被検者領域502と、撮影情報が表示される撮影情報領域503と、終了ボタン504と、複数の放射線撮影部の状態を示す情報が表示される状態領域507とを含む。図5に示す例では複数の長尺撮影が実行される場合であって、既に1の長尺撮影が実行された後の表示画面を示している。画像領域501には長尺画像508が表示されている。被検者領域502には被検者Aの情報が表示されている。撮影情報領域503には撮影情報505として、撮影部位が全脊椎の撮影情報505aと、撮影部位が全下肢の撮影情報505bと、が表示されている。撮影情報505としては、撮影部位の情報と、当該長尺撮影に用いられる放射線撮影部の数が並べて表示されている。撮影情報505aはすでに撮影済みの撮影情報であり、複数の放射線撮影部からの放射線画像のサムネイルが、放射線撮影部の配置関係に応じた配置で並べて表示されている。図5に示す例では、放射線撮影部102bからの放射線画像のサムネイル506bと、放射線撮影部102cからの放射線画像のサムネイル506cと、放射線撮影部102aからの放射線画像のサムネイル506aと、がこの順で並べて表示されている。このように、配置情報に基づいてサムネイルが配置されるため長尺撮影が適切に行われたか否かを確認し易くなっている。一方で仮に配置情報に誤りがある場合にはサムネイルが適切に配置されないこととなるため、配置情報が適切か否かをユーザに分かりやすく通知することができる。
一方撮影情報505bでは、まだ撮影が実行される前の撮影情報であり、サムネイルの代わりに複数の放射線撮影部の配置関係を示す表示が表示されている。図5に示す例では、放射線撮影部102bに対応する表示(“FPD B”)507bと、放射線撮影部102cに対応する表示(“FPD C”)507cと、放射線撮影部102aに対応する表示(“FPD A”)507aと、が放射線撮影部の配置関係に応じた表示位置となるように並べられ表示されている。これにより、撮影前に、放射線撮影部が適切に配置されているか否かを制御装置104のタッチパネルモニタ108で確認することができる。なおここで表示507a乃至cにより、放射線撮影部102a乃至cの状態を表示させることとしてもよい。
状態領域507には、複数の放射線撮影部の状態を示す情報が表示される。ここで状態を示す情報が表示される放射線撮影部は、現在指定されている撮影条件に対応する放射線撮影部であってもよい。図5に示すように長尺撮影の撮影条件が指定されている場合には、放射線撮影部102a乃至cの状態を示す情報が表示される。なおここで状態領域507には、複数の放射線撮影部の配置状態に応じた表示位置に当該複数の放射線撮影部の状態を示す情報を表示画面500に配置して表示させる。例えば図5のように表示されている状態で、放射線撮影部102bと放射線撮影部102cとを入れ替えると、状態領域507には、放射線撮影部102c、102b、102aの各状態、の順で表示されることとなる。このようにすることで、複数の放射線撮影部の配置関係をユーザが確認し易くなる。
終了ボタン504は、表示画面500に表示される複数の撮影情報に係る検査を終了させるためのボタンである。当該検査に含まれるすべての撮影情報に対応する撮影が終了した状態で終了ボタンが押下された場合には、当該検査は終了する。この場合CPU401は、当該検査に係る放射線画像のDICOM画像ファイルを作成し、当該ファイルを第一のNIC405aにPACS154へと送信させる。一方で当該検査に含まれる撮影情報に対応する撮影が終了していない状態で終了ボタンが押下された場合には、当該検査は保留状態となり、保留状態を示すフラグ情報とともに記憶部403に記憶される。
ここで、個別の放射線撮影部の状態は表示507a乃至cに表示させることとし、状態領域507には長尺撮影が可能か否かを示す表示として、撮影の可否を明確に示すこととしてもよい。この場合状態領域507は、複数の放射線撮影部のいずれか1つでも第一の状態すなわち放射線画像を得るための準備が整った状態ではない場合には、状態領域507の色を例えば灰色とする。また例えばこれに加えて「not Ready」の文字を表示させる。これにより長尺撮影が許可されないことを明示する。また、複数の放射線撮影部のいずれもが放射線画像を得るための準備が整った第二の状態である場合には状態領域507の色を例えば緑色とし、これに加えて「Ready」の文字を表示させる。これにより、長尺撮影が許可されることを明示する。このように、複数の放射線撮影部のいずれか1つが第一の状態であるか、複数の放射線撮影部のいずれもが第二の状態であるかに応じてタッチパネルモニタ108の表示を制御することにより、撮影の可否を明確に示す。
図6のフローチャートに従い実施形態に係る長尺撮影に係る処理の流れを説明する。下記の処理は、特に断りが無い場合には処理の主体は制御装置104のCPU401である。ステップS601乃至S612の処理の流れは、撮影制御モジュール434により制御される。
ステップS601でRIS151からの撮影情報(検査情報)のうち1つを検査対象として設定する。かかる処理は例えば、リスト形式で表示された複数の検査情報のうち1つをユーザが選択する操作入力に応じて当該撮影情報(検査情報)が撮影対象として設定される。ここで例えばCPU401は表示制御モジュール433を実行し、表示画面500を表示部に表示させる。
ステップS602で、撮影情報(検査情報)に含まれる長尺撮影の撮影条件を選択する操作入力があったか否かを判定する。ここで撮影情報(検査情報)に複数の撮影条件が含まれている場合には、表示画面500の撮影情報領域に複数の撮影条件に対応する情報が表示され、ユーザからのこのうち1つを選択する操作入力があったか否かが判定される。選択する操作入力があるまでステップS602の判定処理が繰り返され、選択する操作入力があった場合には次の処理に進む。なお、撮影情報(検査情報)に(1)の撮影に対応する撮影条件飲みが含まれている場合には、ステップS602の処理によらず自動的にステップS603に進むこととしてもよい。
ステップS603でCPU401は、操作入力により選択された長尺撮影の撮影条件を指定する。そして、かかる指定に応じてCPU401は、第二のNIC405bに対し当該長尺撮影に係る複数の放射線撮影部に対して、準備状態へと遷移させるための信号を送信する。これに応じて各放射線撮影部102は、2次元撮像素子120にバイアス電圧が印加されていない場合には、主制御回路150によりバイアス電源140を制御し、2次元撮像素子120にバイアス電圧を印加する。その後、画素に蓄積した暗電流信号を読み出すため、駆動回路130により画素アレイから画像信号を読み出す初期化を行う。初期化の終了後、放射線撮影部102は、初期化の完了後、複数の放射線撮影部のそれぞれが、放射線画像を得るための準備が整った状態である第二の状態であることを示す状態情報を制御装置104に送信する。
ステップS604でCPU401は、長尺撮影に用いる複数の放射線撮影部の配置関係を示す配置情報を取得する。例えば図1に示すようなシステムを前提とする場合には、複数の放射線撮影部それぞれの通信経路の情報を中継器103から取得する。中継器103は、収納部201a乃至cのそれぞれに設けられた架台コネクタ206a乃至cからのケーブルが接続される複数の物理ポートが設けられている。この中継器103で、いずれの放射線撮影部からの信号がいずれの物理ポートから入力したかを特定することにより、物理ポートと放射線撮影部との対応関係、すなわち各放射線撮影部の通信経路を示す情報が生成される。制御装置104のCPU401はかかる情報を第二のNIC405bから受信する。このようにして得られた通信経路を示す情報から、配置関係を示す情報を取得する。
かかる配置関係を示す情報は、図5の表示画面500の撮影情報506bで示されるように、当該撮影情報506bに対応する長尺撮影で用いられる複数の放射線撮影部102a乃至cの配置関係を示す情報として表示される。
ステップS605で照射スイッチが押下されたか否かを判定する。照射スイッチが押下された場合にはステップS606に進む。
照射スイッチが押下されるべきか否かは、例えば表示画面500に表示される複数の放射線撮影部の状態を示す基づく表示が用いられる。すなわち、複数の放射線撮影部のそれぞれからの状態情報に基づいて、前記複数の放射線撮影部のいずれか1つが前記第一の状態であるか、前記複数の放射線撮影部のいずれもが前記第二の状態であるかに応じて表示画面500の特定の領域の表示を制御する。これについては、図5の表示画面500で説明したとおりである。
ステップS606で放射線撮影部102の駆動回路130は照射された放射線を検出して得られた画像信号を読出し回路170により読み出しデジタル放射線画像を生成する。
ステップS607で放射線撮影部102の有線通信回路160または無線通信回路180は、生成されたデジタル放射線画像を制御装置104に送信する。複数の放射線撮影部102は、データ数の小さいプレビュー画像を送信した後に、残りのデータを含む画像を送信し、撮影により得られた放射線画像の送信を完了する。ここで、有線通信回路160により放射線画像を送信する場合には、各放射線撮影部は画像信号の読出しに応じてプレビュー画像の送信と、残りのデータを含む画像の送信とを順に送信する送信方式が用いられる。かかる送信は、他の放射線撮影部と非同期で行われる。一方で無線通信回路180により画像を送信する場合には、通信容量の圧迫の問題を考慮して、全ての放射線撮影部からプレビュー画像の送信が完了するまでは、残りのデータを含む画像の送信を制限する。
ステップS608で制御装置104のCPU401は、GPU406等を用いて複数の放射線撮影部からの複数の放射線画像を画像処理する。かかる処理は例えば、長尺画像生成モジュール435を用いた長尺画像を生成する処理や、補正モジュール436を用いた構造物の像を低減する処理である。ステップS608の処理では、まず複数のプレビュー画像からプレビュー長尺画像を得る処理が行われた後に、当該プレビュー画像よりもデータ量の大きい複数の放射線画像から長尺画像を得る処理が行われる。かかる処理には、ステップS604で取得される配置情報が利用される。構造物の像を低減する処理は、配置情報に基づいて指定される放射線画像に対して、配置情報に基づいて指定される構造物像の低減処理のための補正データを用いて行われる。
ステップS609でCPU401は、GPU406等による処理で得られるプレビュー長尺画像及び長尺画像を表示部に表示させる。
ステップS610でCPU401は、未撮影の撮影条件があるか否かを判定し、ある場合にはステップS602に進み、新たな撮影条件に基づく長尺撮影が行われる。未撮影の撮影条件が無い場合、ステップS611でCPU401は検査を終了するか否かを判定する。終了しない場合には、未撮影の撮影条件の追加と検査終了指示を待機する処理が行われる(ステップS610、S611)。ここで検査終了ボタン504が押下される場合にはCPU401により検査が終了される。ステップS612でCPU401は、第一のNIC405aにより長尺画像のDICOM画像ファイルをPACS155へ出力させる。これにより、長尺撮影を含む検査が終了される。
上述の例では1の検査で複数の長尺撮影を行うこととしているが、これに限らず長尺撮影とは異なる撮影方法の撮影とともに1検査で行うこととしてもよい。このように、長尺撮影が可能な撮影システムの場合、長尺撮影を行う場合には、撮影条件の指定に応じて複数の放射線撮影部の状態を遷移させる信号を送信する。これに対して通常の撮影等単一の放射線撮影部による撮影を行う場合には、撮影条件の指定に応じて当該単一の放射線撮影部の状態を遷移させる信号を送信する。また長尺撮影を行う場合には、複数の放射線撮影部のそれぞれからの状態情報に基づいて、当該複数の放射線撮影部のいずれか1つが第一の状態であるか複数の放射線撮影部のいずれもが第二の状態であるかに応じて表示を制御する。単一の放射線撮影部を用いる撮影の場合には、当該単一の放射線撮影部の状態を示す情報を表示させる。
また長尺撮影を行う場合には、複数の放射線撮影部102の配置関係を示す配置情報を取得する。かかる配置情報に基づいて指定される少なくとも1つの放射線撮影部から得られる放射線画像が、配置情報に基づき指定される補正データに基づいて補正される。
また長尺撮影を行う場合には、通信容量の圧迫の問題を考慮して他の放射線撮影部の通信に応じて画像の送信を制限する制御が行われる。これに対し単一の放射線撮影部を用いる撮影の場合には、なるべく早く画像を送信することが優先されるため、プレビュー画像の送信が終了することに応じて残りのデータを含む画像の送信が行われる。
図7に基づいて実施形態に係る制御装置104の機能を説明する。放射線撮影部102a、102b、102cと制御装置104は有線または無線のネットワークもしくは専用線で接続されており、放射線発生部100で発生したX線を撮像し、制御装置104はコンピュータ上で動作するユーザーインターフェースを持つアプリケーションであって放射線撮影部102a、102b、102cの動作を制御しつつ、タッチパネルモニタ108へ画像やグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を出力する。
放射線撮影部で撮像した画像データは制御装置104で画像処理されて、タッチパネルモニタ108へ表示される。その後一般に画像データは不図示のネットワークを介して外部に出力される。
制御装置104は、第一乃至第三の撮影部制御部701a、701b、701cと、コンソール制御部702と、長尺撮影可不可判定部(判定部)703と、表示制御部706とを有している。第一乃至第三の撮影部制御部701a、701b、701cは図4の撮影制御モジュール434に、表示制御部706は表示制御モジュール433にそれぞれ対応する。判定部703と、コンソール制御部702は通信制御モジュール432と撮影制御モジュール434に対応する。第一の状態表示部705と、第二の状態表示部704とは、タッチパネルモニタ108に表示される表示画面500の特定の表示領域を示す。図7に示す例では、第一の状態表示部705と、第二の状態表示部704とは制御装置104に含まれているが、図3に示すようにタッチパネルモニタ108等の表示部を制御装置104とは独立した装置として設けることとしてもよい。
判定部703は、複数の放射線撮影部102a乃至cのそれぞれからの状態情報に基づいて、複数の放射線撮影部102a乃至cのいずれか1つが第一の状態であるという第一の判定と、複数の放射線撮影部のいずれもが第二の状態であるという第二の判定とを行う。ここで第一の状態とは、複数の放射線撮影部のそれぞれについての状態であって、放射線画像を得るための準備が整った状態ではない状態を指す。また第二の状態とは、放射線画像を得るための準備が整った状態を指す。かかる状態情報は、上述の通り放射線撮影部102a乃至cから受信される。
表示制御部706は、判定部703による判定結果が第一の判定であるか第二の判定であるかに応じてタッチパネルモニタ108の表示を制御する。
コンソール制御部702は、通信制御や、検査情報(撮影条件等の撮影情報)の管理など、制御装置(コンソール)104の動作の制御や、データ処理、画像処理制御等を行う。
図11(a)は、本実施の形態の制御装置104がタッチパネルモニタ108に表示する撮影画面GUI(表示画面500)の一例である。表示画面500には、放射線撮影部102a(102b、102c)の状態を表示する状態領域1101と、放射線撮影部102a(102b、102c)から取得した撮影画像を表示する画像領域と、実施中の検査に対応する被検者情報を表示する被検者領域502と、撮影リスト、撮影済画像のサムネイルなどを表示する撮影情報領域503と、検査の終了を指示する終了ボタン504と、が表示されている。これらのGUIは図5で説明したとおりである。画像領域には、長尺撮影により得られた長尺画像が表示されている。
ここで状態領域1101には、複数の放射線撮影部102a乃至cのうち1つでも第一の状態である場合には、第一の表示態様の表示がされる。ここで第一の表示態様の表示とは、放射線撮影部102の準備が整っていないため放射線の照射が許可されないことを示す表示である。例えば状態領域1101には「Not Ready(ノットレディ)」の文字が表示される。そのほか、状態領域1101を灰色または黒色としてもよいし、×印を表示させることとしてもよい。かかる表示をノットレディ表示ということがある。一方で複数の放射線撮影部102a乃至cが全て第二の状態となっている場合には、第二の表示態様の表示がされる。第二の表示態様の表示とは、放射線撮影部102の準備が整っており放射線の照射が許可されることを示す表示である。例えば状態領域1101には「Ready(ノットレディ)」の文字が表示される。そのほか、状態領域1101を緑色または青色としてもよいし、○印を表示させることとしてもよい。かかる表示をレディ表示ということがある。
なお、上述の状態表示は、放射線撮影部102aの状態だけでなく、制御装置(コンソール制御部702)104の状態や、放射線発生部100と通信する場合には当該放射線発生部100の状態に基づいて表示させることとしてもよい。例えばコンソール制御部702の状態としては、撮影条件と被検者の情報のいずれか一方が指定されていない第一のステータスである場合には撮影が許可されないとする。これはかかる第一のステータスで放射線画像を受信した場合、当該放射線画像に関連付けるべき被検者の情報や撮影条件が特定できなくなる可能性があるためである。一方で、撮影条件と被検者情報とが指定されている第二のステータスである場合には撮影が許可されるとする。放射線発生部100の状態としては、放射線照射部100aに電源が投入可能でない場合や、照射条件が指定されていない第一のステータスである場合には撮影を許可せず、電源が投入され、照射条件が指定されている第二のステータスである場合には撮影を許可することとしてもよい。
そして表示制御部706は、放射線撮影部102a乃至cの状態と、制御装置104あるいは放射線発生部100の状態のいずれもが撮影が許可される状態となっている場合には、状態領域1101の表示を第二の表示態様とする。このようにすることで、ユーザは状態領域1101の表示を見れば撮影が許可されるか否かが判断できるため、誤ってX線を照射するスイッチを押下したりするミスを減らすことができる。
図8のフローチャートに従い、実施形態に係る表示処理を説明する。
S801で長尺撮影か否かを長尺撮影可不可判定部703で判定する。コンソール制御部702は現在実施している検査のリストを持ち、未撮影の画像を順に撮影するように制御する。次に撮影する画像を選択した際に、長尺撮影であるかそうではないかを判断する。長尺撮影の場合は複数の放射線撮影部を同時に使用して1度のX線照射で撮影して画像を合成する方法と、1枚ずつ別々にX線を照射することで撮影してから合成する方法があるが、ここでは1度のX線照射で撮影する条件であるか否かを判定する。長尺撮影しようとする画像には判定するための情報があらかじめ設定されており、撮影条件を見れば識別可能となっていなければならない。例えば使用する放射線撮影部の数が複数設定されていること、などである。
なお、この時点で放射線撮影部が撮影可能状態でなければノットレディ表示を状態領域507に表示する。撮影可能状態であったとしてもコンソール制御部20の撮影準備が整っていない場合はノットレディ表示をする。ここでノットレディ表示とは、
長尺撮影であるかどうかの判定の結果長尺撮影である場合はステップS803を処理し、長尺撮影ではない場合はステップS802を処理する。
S802で放射線撮影部状態表示する。ステップS801の長尺撮影可不可判定部703で判定した結果に応じてコンソール制御部は放射線撮影部制御部を介して放射線撮影部を制御する。長尺撮影ではない場合は通常1つの放射線撮影部を使用して撮影する方法であるため、対象となる放射線撮影部の状態を状態領域507に表示する。この状態は放射線撮影部の状態変化に合わせて更新していく。
S803で使用する放射線撮影部にレディ要求を出す。ここでは複数の放射線撮影部を使用して1度のX線照射で撮影する方法であるため、撮影予定の複数の放射線撮影部に対して照射可能状態に状態遷移するように制御する。放射線撮影部の制御は、コンソール制御部702から放射線撮影部制御部701a(701b、701c)を介して、放射線撮影部を制御する。通常、放射線撮影部は撮影後は撮影不可の状態となるため、撮影可能状態となるように制御する必要がある。一方、システム構成によっては放射線撮影部は撮影後自動で再び撮影可能状態となる場合もある。この場合は放射線撮影部を撮影可能状態にする制御は必要ない。ただし、コンソール制御部702側が撮影を受け付けられる状態になっていない場合があるため、この場合はコンソール制御側が撮影可能状態となるように制御する。何れにしても、放射線撮影部とコンソール制御が両方撮影可能状態とならない限り、状態領域507はレディ表示をしない。
S804でレディ要求結果を確認する。放射線撮影部102a(102b、102c)に撮影可能状態となるように指示を出した場合は、確実に撮影可能状態となったかどうか確認する。確認する方法にはいくつかの方法が考えられるが何れも公知の技術で実現可能である。
S805で使用する放射線撮影部全てがレディであるか判定する。ステップS804でレディ要求した結果が全て撮影可能状態であればS807の処理を実施する。何れか一つの放射線撮影部102a(102b、102c)がレディ状態ではない場合はS806の処理を実施する。コンソール制御側が撮影可能状態となっていない場合もステップS806の処理を実施する。
S806でノットレディ表示する。ステップS805の結果、長尺撮影で使用する放射線撮影部の中に1つでもレディ状態ではない放射線撮影部が存在するため、この状態でX線を照射してしまうと、レディ状態ではない放射線撮影部の部分の画像形成がなされず無効曝射となってしまう。そこで、表示制御部706は、状態領域1107にノットレディ表示を表示させる。
この状態で放射線撮影部側から撮影可能状態に関する状態変更が発生した場合は、再度ステップS804を実施する。コンソール制御側の撮影可能状態に状態変更が生じた場合も同様にS804を実施する。
S807でレディ表示する。撮影に使用する全ての放射線撮影部が撮影可能状態であるため第二の状態表示部704にレディであることを表す情報を状態領域507に表示する。
この状態で放射線撮影部側から撮影可能状態に関する状態変更が発生した場合は、再度ステップS804を実施する。コンソール制御側の撮影可能状態に状態変更が生じた場合も同様にS804を実施する。
図9のフローチャートに従いその他の実施形態に係る表示処理を説明する。かかる処理では、ステップS901、S902は図8で示す例のステップS801、S802と同様である。また、ステップS906以降の処理は、図8のステップS803移行の処理と同一であるため記載を割愛する。図9に示す例では、状態領域1101は放射線撮影部102a乃至cの夫々の状態を示す領域1106乃至1108に分割されている。
S903で使用する放射線撮影部を特定する。使用する放射線撮影部は撮影条件の設定にあらかじめ定義されている。例えば、放射線撮影部の種類や、放射線撮影部を2つ使うのか3つ使うのかということや、放射線撮影部の縦横どちら向きの撮影なのかなどの条件がある。
S904で使用放射線撮影部が接続状態かを判別する。通常、コンソール制御部702は接続されている放射線撮影部の状態を管理しており、接続状態や撮影可能状態かなどが分かるようになっている。コンソール制御部で放射線撮影部の状態を管理していない場合は、状態を把握するために問い合わせを行ったりすることで状態を把握する。それぞれの放射線撮影部の状態がわかれば、放射線撮影部が接続状態であるのか非接続状態であるのかを判断する。全ての放射線撮影部が接続状態である場合はステップS906を実行する。一つでも未接続状態の放射線撮影部がある場合はステップS905を実行する。
S905で未接続状態であることを表示する。未接続状態の放射線撮影部があるので未接続として放射線撮影部の第二の状態表示部704をノットレディ状態として状態領域507に表示する。使用する放射線撮影部の接続状態に状態変化があった場合はステップS904を実行する。S906以降は図8のステップS803以降と同様であるため、説明は省略する。
ここで実施形態の1つでは、領域1106乃至1108の色を、複数の放射線撮影部のいずれか1つが前記第一の状態であるか、複数の放射線撮影部のいずれもが前記第二の状態であるかに応じて色を変える。例えば、撮影が許可できない場合には領域1106乃至1108を灰色とし、撮影が許可できる場合には緑色とする。このようにすることで、ユーザに撮影が可能か否かを分かりやすく表示することができる。
図10のフローチャートに従いその他の実施形態に係る表示処理を説明する。ステップS1001〜ステップS1005までは図9の例と同様である。
S1006で使用する放射線撮影部のステータス情報(状態を示す情報)を収集する。通常コンソール制御部702が情報管理している。ステータス情報には、例えば、放射線撮影部の温度情報、バッテリ駆動しているか否かの情報、バッテリ駆動の場合はバッテリ残量の情報、無線通信している場合は電波情報がある。この他、撮影可能状態やエラーの状態等の放射線撮影部の状態、コンソールとの接続未接続状態等である。
S1007で収集したステータスは複数放射線撮影部で単一X線照射で画像収集する場合に、論理積で扱う情報か、論理和で扱う情報かを判断する。例えば、撮影可能状態に関しては1つでも撮影可能ではない放射線撮影部があれば撮影してはならないため、論理積で扱う。すなわち、全ての放射線撮影部が撮影可能状態の場合のみ第二の状態表示にレディ表示を行う。一つでも撮影可能状態ではない場合は第二の状態表示にはノットレディ表示とする。例えば、バッテリのステータスとして、フル充電状態つまりレベル3であることを示す表示1201と、フル充電状態から1レベル減ったレベル2状態であることを示す表示1202と、レベル1状態であることを示す表示1203と、レベル0状態であることを示す表示1204と、が定義されているとする。ここで、複数の放射線撮影部102a乃至cのバッテリ状態が夫々、レベル3、レベル3、レベル3である場合には、レベル3即ち表示1201で表示する。放射線撮影部102a乃至cの状態がそれぞれ、レベル3とレベル2とレベル1である場合には、レベル1即ち表示1203で表示する。すなわち、最もバッテリの状態が良くない放射線撮影部の状態を表示させることとし、一つでも低いレベルのものがあれば当該低いレベルに対応する表示とする。同様に電波情報に関しても、電波強度が複数のレベルで表現されているとして、一つでも低いレベルのものがあれば低いステータスを採用する。
S1008で論理和のステータス表示をする。ここでは一例としてバッテリ状態が一つでも低いレベルのステータスの放射線撮影部があれば低いステータスとして第二の情報表示部に表示する。なお、表示しているステータスに状態変化が発生した場合はステップS1006を実施する。
S1009で論理積のステータス表示をする。ここでは一例として撮影可能状態が全ての放射線撮影部の条件が撮影可能を満足しなければ撮影可能とは表示しない。すなわち、全ての放射線撮影部が撮影可能状態のときのみレディを第二の情報表示部に表示する。接続切断ステータスも同様である。なお、表示しているステータスに状態変化が発生した場合はステップS1006を実施する。
図8−図10の例で状態領域507はステップS801、S901、S1001などにより長尺撮影であると判断された場合は、表示制御部706により、第二の状態表示部704を画像領域に表示する。長尺撮影ではないと判断された場合は通常放射線撮影部は1つでの撮影となるため、表示制御部706により、第一の状態表示部705a〜705cの何れかのアクティブな放射線撮影部に関するステータスを画像領域に表示する。ここでは画像領域は同一箇所である。
その他の実施形態では、表示制御部706が画像領域に長尺撮影であっても第一の状態表示部を表示する。例えば、放射線撮影部の何れかが撮影可能状態ではなかった場合や、未接続の放射線撮影部がある場合に第一の状態表示をすることでそれぞれの放射線撮影部の状態を表示する。図11(b)の例は長尺撮影の場合であるが状態領域507に第一の状態表示をしたGUIの一例である。例えば、領域1106は放射線撮影部102a、領域1107は放射線撮影部102b、領域1108は放射線撮影部102cの状態をそれぞれ表示する。
これらの表示の切り替えは、動的に切り替えられても良い。即ち、表示制御部706がステップS805の処理の結果ステップS806が実施される場合、ステップS904の処理の結果ステップS905が実施される場合、ステップS908の処理の結果ステップS909が実施される場合で切り替えてもよい。上述の例では表示制御部706が動的に第一の状態表示と第二の状態表示を切り替えたが、ユーザーアクションによって切り替えても良い。例えば図11(c)に示す通りユーザが何らかのアクションをすることにより、通常は第二の状態表示とする。これとは別な表示領域609などを表示し、その中に第一の状態表示の領域1110、1111、1112があるので、それぞれ、705a、705b、705cを表示するという具合である。
また、第一の状態表示と第二の状態表示を常に表示できるようにシステムを構築することも可能であり、例えば図11(d)に示す通り第一の状態表示をする領域と第二の状態表示をする領域を別々に設けている。ここでは、第一の状態表示を領域1113、1114、1115に表示している。また、第二の状態表示は状態領域1101に表示している。
以上実施形態の1つでは、全ての放射線撮影部の撮影準備が整った時点で照射可能である情報を表示することにより誤曝射を防止する効果がある。特に、放射線撮影部102a乃至cと放射線発生部100とが互いに通信していない場合には、放射線発生部100は照射スイッチの押下に応じて、放射線撮影部102a乃至cの状態によらず放射線が照射可能である。このような場合には、撮影可能か否かの表示は誤曝射防止の観点から重要であり、全ての放射線撮影部の状態が整うまでは撮影不許可の表示を行うことは意義がある。
また未接続状態がある場合は撮影可能状態にはならないため、放射線撮影部を照射可能状態にする処理をスキップする。これにより、無駄な待ち時間などをする必要なく操作可能となる効果がある。図9に示すまた別の実施形態では、ステータス表示がユーザーアクションの注意喚起が必要な状態を採用して表示するので操作ミスや操作漏れなどを軽減する効果がある。図10に示すまた別の実施形態では、長尺撮影もそれ以外も同じようなユーザーインターフェースを確認して操作可能であるため統一した操作感で操作ができるという効果がある。また別の実施形態では、個別の放射線撮影部の異常状態も把握できるためユーザの操作性を向上させる効果がある。
上述した実施形態では、撮像により得られた放射線画像よりもデータ量の小さいプレビュー画像を送信した後に残りのデータを含む画像(全画像あるいは第二乃至第四の縮小画像)を送信することとしていたが、これに限られない。例えばプレビュー画像を生成せずに放射線画像を送信することとしてもよい。
上述の実施形態における制御装置104は単体の装置であったが、別の実施形態では複数の情報処理装置を含む制御システムにより、当該撮影制御装置104の機能が実現される。この場合、複数の情報処理装置はそれぞれ通信回路を有しており、当該通信回路により互いに通信可能である。複数の情報処理装置のうち1つは長尺画像を生成する画像処理部として機能し、また別の装置は制御部として機能させることができる。これら複数の情報処理装置は所定の通信レートで通信可能であればよく、同一の病院施設内あるいは同一の国に存在することを要しない。またかかる制御システムでは、例えば画像処理部を複数の制御システムで共通のサーバ装置或いはサーバ群とすることも可能である。
また、本発明の実施形態には、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行する、という形態を含む。
従って、実施形態に係る処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の実施形態の1つである。また、コンピュータが、読み出したプログラムに含まれる指令に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
上述の実施形態を適宜組み合わせた形態も、本発明の実施形態に含まれる。