JP2017055466A - モータ駆動装置、空気調和機およびプログラム - Google Patents

モータ駆動装置、空気調和機およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】空気調和機等のモータ駆動装置において、異音や振動等を抑制する。【解決手段】負荷トルク(τL)の周期的な変動に対応して変動するトルク変動補償量(Iqsin*)を出力するトルク変動補償量出力部(8)と、トルク変動補償量(Iqsin*)に基づいてモータ出力トルクを変動させることによってモータの回転速度変動を抑制する速度変動抑制部(2)と、第1の動作モード(速度変動抑制モード)または第2の動作モード(過変調弱め界磁モード)のうち何れかの動作モードを指定する機能と、動作モードを切り替える前に、トルク変動補償量(Iqsin*)の変動振幅を抑制する機能とを有する動作モード指定部(9)と、第1の動作モードにおいて、変調率を第1の所定値以下に抑制する機能と、第2の動作モードにおいて、変調率を第2の所定値以下に抑制する機能とを有する変調率設定部(14)と、を設けた。【選択図】図2

Description

本発明は、モータ駆動装置、空気調和機およびプログラムに関する。
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1の要約書には、「電力変換器の出力電圧値が飽和した場合、q軸の電圧指令値と電流検出の偏差で、制御の基準軸とモータの基準軸との偏差である位相誤差の指令値を演算し、この位相誤差の指令値を用いて、電力変換器の出力電圧令値を修正することにより、高精度・高応答なトルク制御を実現する」と記載されている。
また、特許文献2の要約書には、「交流同期電動機の磁束軸の位置と、制御器内で仮定した磁束軸の位置との差(軸誤差)を演算し、これを零になるように回転速度を補正することで、センサレス駆動を実現し、さらに、この軸誤差の演算値に基づき、電動機、あるいは負荷装置が発生するトルクの脈動成分を抽出する手段と、それを補償する手段を設けることで達成できる」と記載されている。
また、非特許文献1には、弱め界磁制御を用いて高速回転域を拡大する技術が記載されている。
特開2007-252052号公報 特開2005-198402号公報
初瀬、能登原、大井、田村、右ノ子、船山、「電圧位相操作型弱め界磁制御のルームエアコンへの適用検討」,2009年電気学会産業応用部門大会予稿集、一般社団法人電気学会
ところで、特許文献1および非特許文献1に開示された弱め界磁制御と、特許文献2に開示されたトルクの脈動成分を補償する制御とをモータの回転速度や負荷トルクに応じて切り替えることが考えられる。しかし、単に両者の制御を切り替えると、モータ電流や回転速度が急に変動するショックによって、異音や振動等が生じるという問題があった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、異音や振動等を抑制できるモータ駆動装置、空気調和機およびプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明のモータ駆動装置は、周期的に変動する負荷トルクを発生させる負荷装置を駆動するモータに対して、直流電圧を交流電圧に変換して印加する電力変換回路と、前記負荷トルクの周期的な変動に対応して変動するトルク変動補償量を出力するトルク変動補償量出力部と、前記トルク変動補償量に基づいて、モータが出力するモータ出力トルクを変動させることによって前記モータの回転速度変動を抑制する速度変動抑制部と、第1の動作モードまたは第2の動作モードのうち何れかの動作モードを指定する機能と、前記動作モードを切り替える前に、前記トルク変動補償量の変動振幅を抑制する機能とを有する動作モード指定部と、前記第1の動作モードにおいて、前記電力変換回路における変調率を第1の所定値以下に抑制する機能と、前記第2の動作モードにおいて、前記変調率を前記第1の所定値とは異なる第2の所定値以下に抑制する機能とを有する変調率設定部と、を有することを特徴とする。
本発明のモータ駆動装置、空気調和機およびプログラムによれば、異音や振動等を抑制できる。
本発明の第1実施形態によるモータ駆動システムのブロック図である。 制御器のブロック図である。 速度変動抑制制御部のブロック図である。 (a)モータ出力トルク等の波形図、(b)モータ出力トルク等の他の波形図である。 (a)変調率の波形図、(b)変調率の他の波形図である。 変調率と電圧位相の波形図である。 電圧ベクトルを示すベクトル図である。 補正位相演算部のブロック図である。 第1実施形態における回転速度検出値、変調率および電圧位相の波形図である。 他の電圧ベクトルを示す図である。 第1実施形態の制御プログラムのフローチャート(1/2)である。 第1実施形態の制御プログラムのフローチャート(2/2)である。 第2実施形態における回転速度検出値、変調率および電圧位相の波形図である。 第3実施形態における回転速度検出値、変調率および電圧位相の波形図である。 第4実施形態による空気調和機の正面図である。
[第1実施形態]
<実施形態の概要>
永久磁石型同期電動機(以下「モータ」と呼ぶ。)は、誘導モータに比べて高効率な特性を有するため、家電製品から産業機器あるいは電気自動車分野へと適用範囲が広がっている。また、これらの機器は、地球温暖化防止や省エネルギー化の動きに伴い、低速回転域(軽負荷)の高効率化が求められるとともに、機器の使用感(快適性)を向上させるために高速回転域(高負荷)における駆動範囲の拡大も求められている。
例えば、家庭用の空気調和機の場合、省エネルギーの指標であるAPF(通年エネルギー消費効率,Annual Performance Factor)の向上と、高出力化の指標である低温暖房能力(外気温2℃での暖房能力)の向上の両立が求められている。特に低速回転域における高効率化の手段としては、磁石量および巻線を増加させることにより、低速回転域で最適化するようモータを設計することが考えられる。しかし、モータの設計を低速回転域で最適化すると、高速回転域で発生する誘起電圧が増大するため、駆動可能領域が狭くなり、高速回転域での効率が低下することが懸念される。
そこで、本実施形態においては、低速回転域で最適化されたモータの高速回転域を拡大するため、弱め界磁制御を適用することにする。また、低速回転域においては、負荷トルクの脈動が大きくなるため、負荷トルクの脈動を補償する制御を行う。そして、本実施形態は、高速回転域、低速回転域の制御を切り替える際に、モータ電流や回転速度が急激に変動することを抑制し、切り替え時の異音や振動等を抑制しようとするものである。
<実施形態の全体構成>
次に、図1に示すブロック図を参照し、本実施形態によるモータ駆動システム100の全体構成を説明する。モータ駆動システム100は、モータ駆動装置110と、機械部120とを有している。機械部120は、永久磁石型三相同期電動機であるモータ36と、モータ36によって駆動される負荷装置38(例えば冷媒を圧縮する圧縮機構)とを有している。
また、モータ駆動装置110は、直流電圧Edを出力する直流電源35と、直流電圧EdをPWM変調(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)して三相交流電圧を生成しモータ36に供給するインバータである電力変換回路34と、モータ36に流れる電流を検出する電流検出回路32と、制御器30とを有している。制御器30は、電流検出回路32から電流検出値を受信するとともに、その内部に設けられたPWM演算部6によって、電力変換回路34を駆動するドライブ信号を出力する。
<制御器30の構成>
次に、図2に示すブロック図を参照し、制御器30の詳細構成を説明する。
制御器30は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等、一般的なコンピュータとしてのハードウエアを備えており、ROMには、CPUによって実行される制御プログラム、DSPによって実行されるマイクロプログラムおよび各種データ等が格納されている。図2において、制御器30の内部は、制御プログラムおよびマイクロプログラムによって実現される機能を、ブロックとして示している。
制御器30の各部の説明の前に、座標軸について説明する。以下の説明では、モータ36の回転子に設けられた永久磁石の主磁束方向をd軸とし、d軸から回転方向に電気的に90度(電気角90度)進んだ軸をq軸とし、両者を合わせてdq軸と呼ぶことがある。dq軸は回転座標系である。
(d軸電流指令演算部1)
図2において、d軸電流指令演算部1は、モータ36のd軸電流指令Id*を発生する。モータ36が非突極型のモータであれば、通常領域(弱め界磁制御を行わない領域)では、d軸電流指令Id*は零値である。モータ36が突極型モータである場合は、例えば、下式(1)に示すトルク/電流比が最大となる一般式を用いてd軸電流指令Id*を出力してもよい。
Figure 2017055466
式(1)において、Keは誘起電圧定数、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Iqcはq軸電流検出値である。
(3相/dq変換部10)
3相/dq変換部10は、電流検出回路32(図2参照)が出力した電流検出値Iu,Iv,Iwを回転座標であるdq座標系のd軸,q軸電流検出値Idc,Iqcに変換する。
(電流指令演算部2)
電流指令演算部2は、d軸電流指令Id*とd軸電流検出値Idcとの偏差、およびq軸電流指令Iq*とq軸電流検出値Iqcとの偏差に基づいて、比例積分制御によって、偏差「Id*−Idc」および「Iq*−Iqc」が各々零値に近づくように、d軸,q軸修正電流指令Id**,Iq**を出力する。
(電圧演算部3)
電圧演算部3は、上述したd軸,q軸修正電流指令Id**,Iq**と、下式(2)に示すモータの電圧方程式(微分項省略)とに基づいて、d軸,q軸モータ電圧指令Vd*,Vq*を算出する。
Figure 2017055466
式(2)において、Rは巻線抵抗値、ω*は回転速度指令である。
(電圧補正演算部4)
電圧補正演算部4は、上述したd軸,q軸モータ電圧指令Vd*,Vq*と、補正位相値ΔθVweakとに基づいて、d軸,q軸修正モータ電圧指令Vd**,Vq**を算出している。より具体的には、d軸,q軸モータ電圧指令Vd*,Vq*から、モータ電圧振幅値と基本電圧位相θVbaseを算出し、この基本電圧位相θVbaseと補正位相値ΔθVweakとの和を電圧位相θVとするd軸,q軸修正モータ電圧指令Vd**,Vq**を算出する。この演算により、補正位相値ΔθVweakが正値であれば、電圧位相θVが基本電圧位相θVbaseよりも進み、弱め界磁制御状態になる。
(dq/3相変換部5)
dq/3相変換部5は、回転座標であるdq座標系のd軸,q軸修正モータ電圧指令Vd**,Vq**を、固定座標系の三相交流電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に変換する。
(dq/3相変換部6)
PWM演算部6は、三相交流電圧指令Vu*,Vv*,Vw*をPWM信号であるドライブ信号に変換する。具体的には、三相交流電圧指令Vu*,Vv*,Vw*と、三角波搬送信号とを比較し、比較結果に基づいてドライブ信号を生成する。生成されたドライブ信号は、上述したように、電力変換回路34(図1参照)に供給される。
(速度制御部7)
速度制御部7は、上位制御系から供給された回転速度指令ω*と、回転速度検出値ωとの偏差に基づいて、比例積分制御を用いて、該偏差が小となるようなq軸電流指令Iq*asrを算出する。
(速度変動抑制制御部8)
速度変動抑制制御部8は、回転速度検出値ωと、軸誤差演算値Δθとに基づいて、脈動トルク成分ΔTmを推定し、積分制御を用いて、脈動トルク成分ΔTmが零値に近づくように速度変動抑制電流指令Iqsin*を算出する。ここで、軸誤差演算値Δθとは、モータ36の回転子の電気角の推定値と、実際の電気角との差である。また、脈動トルク成分ΔTmとは、モータ出力トルクと負荷トルクとの差である。
ここで、図3に示すブロック図を参照し、速度変動抑制制御部8の詳細を説明する。
図3において、速度変動抑制制御部8は、脈動トルク推定部80と、フーリエ変換器81と、積分制御器82と、フーリエ逆変換器83と、振幅リミッタ部84と、余弦・正弦演算部85とを有している。脈動トルク推定部80は、回転速度検出値ωと、モータ36の慣性モーメントJと、モータ36の極数Pと、軸誤差演算値Δθとに基づいて、脈動トルク成分ΔTm(=2・Δθ・J・ω2/P)を出力する。なお、その原理は、上述した特許文献2(段落0034〜0039)に開示されている。
また、余弦・正弦演算部85は、回転速度検出値ωに「2/P」(Pは極数)を乗算して機械速度ωrを求め、機械速度ωrを積分して機械角度位置θrを求め、機械角正弦成分sinθrおよび機械角余弦成分cosθrを出力する。フーリエ変換器81は、脈動トルク成分ΔTmに対して、−sinθrおよび−cosθrを乗算した乗算結果を各々演算し、ローパスフィルタによって各演算結果のうち機械速度ωr以上の成分を減衰させる。すなわち、脈動トルク成分ΔTmが、機械速度ωrで回転する座標系に座標変換され、脈動トルク成分ΔTmの正弦成分および余弦成分がフーリエ変換器81から出力される。
積分制御器82は、脈動トルク成分ΔTmの正弦成分および余弦成分を、各々の目標値(零値)から減算し、求められた各減算結果に対して、積分ゲインKiを乗じて積分する。これらの積分結果は、脈動トルク成分ΔTmによる速度変動を抑制するための速度変動抑制電流値の正弦成分および余弦成分になる。フーリエ逆変換器83は、速度変動抑制電流値の正弦成分に対して−sinθrを乗算し、余弦成分に対して−cosθrを乗算し、両乗算結果を加算し、「2」を乗じた信号を速度変動抑制電流値として出力する。
振幅リミッタ部84は、フーリエ逆変換器83から出力された速度変動抑制電流値に対して、必要に応じて振幅制限を行い、その結果を速度変動抑制電流指令Iqsin*として出力する。振幅の制限値を振幅制限値WIという。振幅制限を行わない場合、振幅制限値WIは、最大値WImaxに設定される。この最大値WImaxは、速度変動抑制電流値の振幅が実用上は達しない程度の値に設定されている。この場合は、フーリエ逆変換器83が出力する速度変動抑制電流値がそのまま速度変動抑制電流指令Iqsin*として出力される。一方、振幅制限値WIが最大値WImax未満になると、振幅制限値WIによって速度変動抑制電流値を振幅制限した結果が速度変動抑制電流指令Iqsin*として出力される。
(制御の概要)
ここで、制御器30の他の構成を説明する前に、制御器30の制御の概要を説明する。
まず、速度変動抑制電流指令Iqsin*によって速度変動を抑制する理由を説明する。
図4(a)に、速度変動を「抑制しない」場合における負荷トルクτL(破線)と、モータ出力トルクτm(実線)の機械角1回転における波形を示す。ここで、負荷トルクτLは、負荷装置38(図1参照)として、シングルロータリ圧縮機構やレシプロ圧縮機構を適用した場合を想定している。この種の圧縮機構においては、図示のように、機械角1回転中の回転角度位置に応じて負荷トルクτLは変動する。
図4(a)に示すように、モータ出力トルクτmを一定にすると、モータ出力トルクτmと負荷トルクτLとの差によって、機械速度ωrが変動する。機械速度ωrが変動すると、モータ36や負荷装置38の振動や騒音が大きくなる。さらに、機械速度ωrの変動が過大である場合は、モータ36が停止するような事態も起こり得る。
一方、図4(b)は、負荷トルクτLに一致させるようにモータ出力トルクτmを制御した場合の波形図である。負荷トルクτLとモータ出力トルクτmとが一致すると、図示のように機械速度ωrは一定値になり、振動や騒音を抑制できる。但し、モータ出力トルクτmを負荷トルクτLに一致させるためには、図示のようにq軸電流指令Iq*は負荷トルクτLに応じて脈動し、これによってq軸電圧Vqも脈動する。
しかし、速度変動を抑制する制御を行うと、別の問題が発生することがある。
そこで、図5(a),(b)に示す波形図を参照し、速度変動を抑制する制御を行った場合の問題点を説明する。図5(a)は、図4(b)に示したq軸電圧Vqの波形を、変調率khとして示したものである。ここで、変調率khは下式(3)で表される。
Figure 2017055466
式(3)において、Edは直流電源35(図1参照)が出力する直流電圧値である。また、V1は、モータ印加電圧Vu,Vv,Vwの基本波の波高値である。
変調率khには、実現可能な最大値である変調率制限値khmaxが存在する。これは、電力変換回路34(図1参照)にて直流電圧EdをPWM変調してモータ印加電圧Vu,Vv,Vwを生成している関係上、モータ印加電圧の瞬時値が直流電圧Edを超えられないためである。モータ印加電圧が正弦波であるとすると、変調率制限値khmaxは「1.0」になる。しかし、第3次高調波を注入することで、変調率制限値khmaxを「1.15」にすることができる。そして、変調率khが「1.15」以下であれば、モータ印加電圧を変調率khに対して線形に変化させることができる。そこで、「1.15」以下である変調率khの領域を「線形領域」と呼ぶ。
さらに、モータ印加電圧に第5次以上の高調波を注入し、電圧波形を台形状にすることにより、変調率制限値khmaxを「1.25」にまで高めることができる。但し、変調率khが「1.15」を超えると、変調率khの僅かな変化によってモータ印加電圧が急激に変化する等、変調率khとモータ印加電圧との関係が非線形になる。そこで、「1.15」を超える変調率khの領域を「過変調領域」と呼ぶ。
図5(a)は、負荷トルクτLの変動幅が小さく、変調率khが線形出力できる変調率制限値khmax(ここでは、線形領域の最大値「1.15」であるとする)を超えていない場合の波形図である。一方、図5(b)は、圧縮機負荷トルクの変動幅が増加し、破線で示す変調率指令kh*(理想的な変調率)が、期間T1において変調率制限値khmaxを超えている場合を示している。期間T1において、実際の変調率khは実線で示すように変調率制限値khmaxに制限されるため、所望の電圧をモータ36に印加できなくなる。これにより、速度変動抑制制御の効果が低減し、振動や騒音が増大する可能性が生じる。そのため、図5(b)のような状態が生じると、これを速やかに解消することが望ましい。
そこで、図6を参照し、図5(b)に示した状態を解消する方法の一つを説明する。
図6は、変調率khと、d軸,q軸修正モータ電圧指令Vd**,Vq**の電圧位相θVの波形の一例を示す図であり、変調率制限値khmaxを破線で示す。図6における区間TAは、図5(b)と同様の状態になっており、変調率指令kh*のピーク付近が変調率制限値khmaxを超えているため、実際の変調率khは、ピーク付近が切られたような波形になる。これにより、モータ印加電圧Vu,Vv,Vwの波高値が抑えられ、線形制御ができなくなる。
そこで、区間TBに示す通ように、変調率指令kh*のピーク値が変調率制限値khmaxを超えないように、電圧位相θVを補正位相値ΔθVweakだけ進める弱め界磁制御を行えばよい。
図6に対応する、dq座標系におけるベクトル図を図7に示す。
図7において電圧ベクトルVAは区間TAに対応し、電圧ベクトルVBは区間TBに対応する。
以上のように、変調率khが「1.15」以下であれば、弱め界磁制御と速度変動抑制制御とを兼ねることができる。しかし、この方法では、モータ36の高速回転域において補正位相値ΔθVweakが大きくなり、d軸電流が増大するため、大幅に効率が悪くなるという問題が生じる。そのため、高速回転域においては、過変調領域にてモータ36を駆動するように(すなわち過変調弱め界磁制御を行うように)、制御状態を切り替えることが望ましい。
制御状態を切り替えるにあたっては、速度変動抑制制御を一旦停止させた後に過変調弱め界磁制御を実行することも可能である。しかし、速度変動抑制制御を一旦停止させると、その際にトルク変動や回転速度変動が生じ、振動や騒音が大きくなるという問題が生じる。そこで、本実施形態においては、速度変動抑制制御において、変調率khの振幅を徐々に低減していき、変調率khの振幅が零値なった後に、過変調弱め界磁制御に切り替えるようにしている。
(制御切替指令部9)
図2に戻り、制御切替指令部9は、変調率指令kh*と、回転速度検出値ωとに基づいて、モード指定信号MD、振幅制限値WI等の制御信号を出力する。上述したように、振幅制限値WIは、速度変動抑制電流指令Iqsin*の振幅の制限値であり、振幅リミッタ部84(図3参照)に供給される。また、モード指定信号MDは、次の何れかの動作モードを指定する信号である。
・速度変動抑制モード(第1の動作モード):この動作モードは上述した速度変動抑制制御を実現するモードである。
・過変調弱め界磁モード(第2の動作モード):この動作モードは、上述した過変調弱め界磁制御を実現するモードである。
(変調率設定部14)
変調率設定部14は、制御切替指令部9から供給されるモード指定信号MDに基づいて、変調率制限値khmaxを出力する。すなわち、変調率設定部14は、速度変動抑制モードにおいては、変調率制限値khmaxを所定値kh1=1.15に設定し、過変調弱め界磁モードにおいては、変調率制限値khmaxを所定値kh2=1.25に設定する。なお、モード指定信号MDが変更された際には、変調率制限値khmaxが所定値kh1から所定値kh2に、または所定値kh2から所定値kh1に徐々に変化するように設定する。
(補正位相演算部13)
補正位相演算部13は、変調率設定部14から出力される変調率制限値khmaxと、変調率指令kh*とに基づいて、補正位相値ΔθVweakを出力する。
ここで、図8に示すブロック図を参照し、補正位相演算部13の構成を説明する。
図8においてピークホールド器131は、変調率指令kh*に正のピーク値が現れると、そのピーク値をラッチして出力する。減算器132は、このピーク値から変調率制限値khmaxを減算する。ここで、減算器132の出力信号が正値であったとすると、図5(b)に示したように、実際の変調率khは、ピーク付近が切られたような波形になる。
積分器133は、減算器132の出力信号に積分定数Kvを乗算し積分する。位相出力部134は、積分器133の積分結果に応じた補正位相値ΔθVweakを出力する。すなわち、積分結果が負値であれば、補正位相値ΔθVweakは零値になり、積分結果が正値であれば、補正位相値ΔθVweakは積分結果に対して単調増加する値になる。
上述したように、補正位相値ΔθVweakが電圧補正演算部4に供給されると、電圧補正演算部4においては、d軸,q軸モータ電圧指令Vd*,Vq*の電圧位相θVを補正位相値ΔθVweakだけ進めたd軸,q軸修正モータ電圧指令Vd**,Vq**が出力される。これにより、変調率khのピーク値は、変調率制限値khmaxに近づいてゆき、やがて一致するようになる。
(直流電圧検出部16)
図2に戻り、直流電圧検出部16は、直流電源35(図1参照)が出力する直流電圧Edを検出し、その結果を直流電圧検出値Edcとして出力する。
(変調率演算部12)
変調率演算部12は、直流電圧検出値Edcと、電圧演算部3から出力されるd軸,q軸モータ電圧指令Vd*,Vq*とに基づいて、変調率指令kh*を算出する。
(軸誤差演算部11)
軸誤差演算部11は、d軸,q軸修正モータ電圧指令Vd**,Vq**と、d軸,q軸電流検出値Idc,Iqcと、回転速度指令ω*とに基づき、下式(4)によって、モータ36の回転子の電気角の推定値(後述する推定角度位置θd)と、実際の電気角との差である軸誤差演算値Δθを出力する。
Figure 2017055466
(PLL位相演算部15,積分器17)
また、PLL位相演算部15は、軸誤差演算値Δθが零値に近づくように、比例積分制御を用いて、回転速度検出値ωを出力する。また、積分器17は、回転速度検出値ωを積分することによって、推定角度位置θdを出力する。
このように、軸誤差演算部11、PLL位相演算部15、積分器17によって、モータ36の位置センサレス制御を実現するために、推定角度位置θdを求めることができる。
<実施形態の動作>
(動作の概要)
次に、図9(a)〜(c)に示す波形図を参照し、本実施形態の動作の概要を説明する。
図9(a)〜(c)は、各々回転速度検出値ω、変調率kh、電圧位相θVの波形図である。何れも横軸は時刻を示すが、加速時は左から右へ、減速時は右から左へ時刻が進むこととする。
まず、回転速度検出値ωの加速時における動作の概要を説明する。図9(a)〜(c)において、時刻t0〜t1の区間TDは、回転速度検出値ωが一定になっており、変調率khが脈動トルク成分ΔTmに応じて変動し、モータ出力トルクτmは負荷トルクτLとほぼ等しくなるように制御されている。
区間TDにおいては、動作モードとして速度変動抑制モードが選択されており、変調率制限値khmaxは、所定値kh1(=1.15)に設定されている。また、区間TDにおいて電圧位相θVは零値より若干高い正値になっており、弱め界磁制御が適用されている。すなわち、区間TDにおいては、速度変動抑制制御と弱め界磁制御とが兼用されている。
また、時刻t1〜t3の区間TEでは、回転速度検出値ωが時間の経過とともに高くなっている。これにより、変調率khの平均値である平均変調率khaveも時間の経過とともに高くなっている。ここで、図9(b)に示すように、本実施形態では、変調率khの変動振幅は、時間の経過とともに小さくされる。
時刻t2では、変調率khの変動振幅は零値になり、その際に速度変動抑制電流指令Iqsin*は零値に設定される。すなわち、速度変動抑制制御は停止される。これによって、図9(c)に示すように、時刻t2において電圧位相θVが若干下がる。また、時刻t2以降も回転速度検出値ωが上昇し、時刻t3には平均変調率khaveが所定値kh1(=1.15)に達する。これにより、動作モードが過変調弱め界磁モードに切り替えられ、変調率制限値khmaxは、所定値kh2(=1.25)に上昇される。時刻t3以降の区間TFにおいても、回転速度検出値ωは上昇し続け、それとともに電圧位相θVも大きくなっている。
図10に示すベクトル図では、上述した区間TD,TE,TFに対応するdq座標系における電圧ベクトルをVD,VE,VFとして示す。図10において電圧ベクトルVEは、電圧ベクトルVDと同一の振幅を有し、その電圧位相θVEは、電圧ベクトルVDの電圧位相θVDよりも進んでいる。また、電圧ベクトルVFは、電圧ベクトルVEよりも振幅が大きくなっており、電圧位相θVFはさらに進んでいる。
以上のように、速度変動抑制モードにおける変調率khの変動振幅を徐々に低減(加速時)し、または徐々に増加させる(減速時)ことにより、速度変動抑制モードと過変調弱め界磁モードとの間の切替を安定的に実現できる。
(動作の詳細)
制御器30において実行される制御プログラムのフローチャートを、図11および図12に示す。
図11において処理がステップS2に進むと、現在の動作モードが速度変動抑制モード、過変調弱め界磁モードのうち何れであるかが判定される。動作モードが速度変動抑制モードであれば、処理はステップS4に進み、制御切替指令部9(図3参照)によって、その時点の回転速度検出値ωと、平均変調率指令khave*とを取得する。なお、平均変調率指令khave*とは、変調率指令kh*の移動平均値であり、変調率指令kh*が変調率制限値khmaxを超えない限り、図9(b)に示した平均変調率khaveと同様である。
次に、処理がステップS6に進むと、制御切替指令部9は、過去に複数回に渡り取得した回転速度検出値ωに基づいて、加減速状態を判定する。ここで、加速も減速もされていない「一定速」であると判定されると、処理はステップS2に戻る。一方、「加速中」であると判定されると、処理はステップS8に進む。
ステップS8においては、制御切替指令部9は、回転速度検出値ωが所定の制限開始速度ωth以上であるか否かを判定する。これは、回転速度検出値ωが低速回転域である場合は、弱め界磁制御を適用しないためである。回転速度検出値ωが制限開始速度ωth未満の低速回転域であれば、「No」と判定され、処理はステップS12に進む。
ステップS12においては、制御切替指令部9は、振幅制限値WIが零値であるか否かを判定する。回転速度検出値ωが低速回転域であれば、振幅制限値WIは最大値WImaxであるため、「No」と判定され、処理はステップS16に進む。ステップS16においては、制御切替指令部9は、平均変調率指令khave*が所定値kh1(=1.15)に達したか否かを判定する。回転速度検出値ωが低速回転域であれば、平均変調率指令khave*は所定値kh1よりも低くなるため、「No」と判定され、処理はステップS2に戻る。
このように、低速回転域で加速中であれば、ステップS2,S4,S6,S8,S12,S16のループが繰り返される。その後、回転速度検出値ωが制限開始速度ωth以上になると、ステップS8において「Yes」と判定され、処理はステップS10に進む。ステップS10においては、制御切替指令部9は、振幅制限値WIを所定値だけ減少させる。ステップS10の処理は、加速中である限り繰り返し実行されるため、時間の経過とともに、振幅制限値WIは徐々に減少してゆく。
振幅制限値WIが徐々に減少する期間においては、図9(b)の区間TEに示したように、変調率khの変動振幅も徐々に減少してゆくことになる。やがて振幅制限値WIが零値になると、ステップS12において「Yes」と判定され、処理はステップS14に進む。ステップS14では、制御切替指令部9によって、速度変動抑制制御が停止される。すなわち、速度変動抑制電流指令Iqsin*は零値にされる。
回転速度検出値ωがさらに増加してゆくと、やがて平均変調率指令khave*が所定値kh1に達する。この場合は、ステップS16において「Yes」と判定され、処理はステップS18に進む。ここでは、制御切替指令部9において、振幅制限値WIが零値に設定されるとともに、動作モードが過変調弱め界磁モードに切り替えられる。
但し、動作モードを実際に過変調弱め界磁モードに切り替えるタイミングは、ステップS18が実行された後、最初に変調率指令kh*が平均変調率指令khave*に達したタイミング(または変調率khが平均変調率khaveに達したタイミング)である。これは、動作モードの切替によるショックをなるべく小さくするためである。また、動作モードが過変調弱め界磁モードに切り替えられると、変調率設定部14は、変調率制限値khmaxが所定値kh2(=1.25)になるように、徐々に上昇させる。なお、過変調弱め界磁モードにおける処理については後述する。
次に、速度変動抑制モードにおいて、減速中である場合の処理を説明する。
ステップS6において加減速状態が「減速中」であると判定されると、処理は図12のステップS20に進む。ここでは、制御切替指令部9によって、振幅制限値WIは最大値WImax未満であるか否かが判定される。ここで「Yes」と判定されると、処理はステップS22に進み、制御切替指令部9によって振幅制限値WIが所定値だけ増加される。なお、振幅制限値WIが最大値WImaxに等しい場合は、ステップS22はスキップされる。
次に、処理がステップS24に進むと、制御切替指令部9によって、平均変調率指令khave*が所定変調率khx以下であるか否かが判定される。なお、所定変調率khxは、振幅制限値WIを直ちに最大値WImaxにしても差し支えない程度の充分に低い値に設定されている。ここで「Yes」と判定されると、処理はステップS26に進み、制御切替指令部9によって、振幅制限値WIが最大値WImaxに設定される。なお、平均変調率khaveが所定変調率khxを超える場合は、ステップS24において「No」と判定されステップS26はスキップされる。このように、ステップS20〜S26の処理が終了すると、処理はステップS2に戻る。
ステップS20の判定は、加減速状態が減速中である限り繰り返し実行されるため、振幅制限値WIが最大値WImax未満である限り、ステップS22も繰り返し実行される。これにより、やがて振幅制限値WIは最大値WImaxに達する。また、平均変調率指令khave*が所定変調率khx以下になると、ステップS26において、振幅制限値WIは直ちに最大値WImaxに設定される。これにより、減速中においては、比較的速やかに振幅制限値WIが最大値WImaxに達し、速度変動抑制電流指令Iqsin*によって、モータ36の振動が抑制される。
次に、過変調弱め界磁モードにおける処理を説明する。
ステップS2において、動作モードが過変調弱め界磁モードであると判定されると、処理は図12のステップS30に進み、平均変調率指令khave*が取得される。次に、処理がステップS32に進むと、平均変調率指令khave*は所定値kh1(=1.15)以下であるか否かが判定される。ここで「Yes」と判定されると、処理はステップS34に進み、制御切替指令部9によって動作モードが速度変動抑制モードに切り替えられる。
但し、動作モードを切り替えるタイミングは、ステップS34が実行された後、最初に変調率指令kh*が平均変調率指令khave*に達したタイミング(または変調率khが平均変調率khaveに達したタイミング)である。また、動作モードが速度変動抑制モードに切り替えられると、変調率設定部14は、変調率制限値khmaxが所定値kh1(=1.15)になるように、徐々に減少させる。
以上のように、本実施形態のモータ駆動システムは、周期的に変動する負荷トルク(τL)を発生させる負荷装置(38)を駆動するモータ(36)に対して、直流電圧(Ed)を交流電圧(Vu,Vv,Vw)に変換して印加する電力変換回路(34)と、前記負荷トルク(τL)の周期的な変動に対応して変動するトルク変動補償量(Iqsin*)を出力するトルク変動補償量出力部(8)と、前記トルク変動補償量(Iqsin*)に基づいて、モータが出力するモータ出力トルク(τM)を変動させることによって前記モータ(36)の回転速度変動を抑制する速度変動抑制部(2)と、第1の動作モード(速度変動抑制モード)または第2の動作モード(過変調弱め界磁モード)のうち何れかの動作モードを指定する機能と、前記動作モードを切り替える前に、前記トルク変動補償量(Iqsin*)の変動振幅を抑制する機能とを有する動作モード指定部(9)と、前記第1の動作モードにおいて、前記電力変換回路(34)における変調率(kh)を第1の所定値(kh1)以下に抑制する機能と、前記第2の動作モードにおいて、前記変調率(kh)を前記第1の所定値(kh1)とは異なる第2の所定値(kh2)以下に抑制する機能とを有する変調率設定部(14)と、を有するものである。
また、前記動作モード指定部は、前記変調率(kh)が、前記変調率(kh)の移動平均値である平均変調率(khave)であるタイミングで、前記動作モードを切り替えるものである。
また、前記動作モード指定部(9)は、前記動作モードを前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに切り替える前に、前記トルク変動補償量(Iqsin*)の変動振幅を徐々に小さくする機能と、前記モータ(36)の減速中において、前記トルク変動補償量(Iqsin*)の変動振幅を徐々に大きくする機能を有するものである。
また、前記第2の所定値(kh2)は、前記第1の所定値(kh1)よりも高い値である
また、モータ駆動システムは、前記変調率(kh)が前記第1の所定値(kh1)または前記第2の所定値(kh2)を超えないように前記交流電圧(Vu,Vv,Vw)の位相を制御する補正位相演算部(13)をさらに有するものである。
これらの特徴により、本実施形態のモータ駆動システムは、周期的に変動する負荷トルクτLの振動低減を行う速度変動抑制制御と弱め界磁制御(特に過変調領域の弱め界磁制御)を切り替える際にモータ電流や回転速度の変動を防止することが可能となり、低速回転域の高効率化と高速回転域の駆動範囲の拡大の両立をするとともに、更なる高出力化が図れ、モータ36および負荷装置38における低振動化が実現できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態によるモータ駆動システムについて説明する。
本実施形態のハードウエア構成は、第1実施形態のものと同様であるが、ソフトウエア構成は、若干異なる。すなわち、本実施形態においては、回転速度検出値ωが一定速であったとしても、「将来の加速が予定されるイベント」が発生した場合には、制御切替指令部9は、第1実施形態の「加速中」の場合と同様の処理(図11のステップS8〜S18)を実行する。「将来の加速が予定される場合」とは、例えば空気調和機の冷房運転中に、ユーザによって設定温度が下げられた場合、あるいは、暖房運転中に設定温度が上げられた場合等である。
次に、図13(a)〜(c)に示す波形図を参照し、本実施形態の動作の具体例を説明する。
図13(a)の時刻t22以前は、回転速度検出値ωは一定速である。但し、時刻t21において、「将来の加速が予定されるイベント」が発生したこととする。これにより、時刻t21から、変調率khの変動振幅は徐々に小さくされ、時刻t22に変動振幅は零値にされている。
モータ駆動装置110(図1参照)は、時刻t22において変調率khの変動振幅が零値になったことを認識すると、その時点から回転速度指令ω*を上昇させる。回転速度指令ω*が上昇すると、これに追従して、図13(b)に示すように回転速度検出値ωが上昇する。そして、その後の時刻t23において、平均変調率指令khave*(図示の平均変調率khaveと同様)が所定値kh1に達すると、制御切替指令部9によって動作モードが過変調弱め界磁モードに切り替えられ、これに応じて、変調率設定部14によって、変調率制限値khmaxが所定値kh2に変更される。
以上のように、本実施形態のモータ駆動システムによれば、回転速度検出値ωが一定速であったとしても、「将来の加速が予定されるイベント」が発生すると、変調率khの変動振幅を減少させることができる。これにより、第1実施形態と同様の効果に加えて、動作モードを過変調弱め界磁モードに速やかに切り替えることができるというさらなる効果を奏する。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態によるモータ駆動システムについて説明する。
本実施形態のハードウエア構成は、第1実施形態のものと同様であるが、ソフトウエア構成は、若干異なる。すなわち、上述した第1実施形態のステップS12,S14(図11参照)の処理では、振幅制限値WIが零値になったことを条件として、過変調弱め界磁制御を停止していた。これに対して、本実施形態の制御切替指令部9は、振幅制限値WIが所定の制御停止振幅値以下になったことを条件として、過変調弱め界磁制御を停止させる点が異なる。ここで、「制御停止振幅値」は、零よりも大きい値である。
次に、図14(a)〜(c)に示す波形図を参照し、本実施形態の動作の具体例を説明する。
図14(a)〜(c)においては、時刻t31から回転速度検出値ωが加速され、これに伴って変調率khの変動振幅も徐々に小さくなっている。そして、時刻t32において、変調率khの変動振幅が制御停止振幅値以下になり、その時点で速度変動抑制制御が停止されている。その後の動作は第1実施形態のものと同様である。制御停止振幅値は、速度変動抑制制御の停止によって生じるショックが、機器にとって許容できる範囲の値にしておくとよい。
以上のように、本実施形態のモータ駆動システムによれば、変調率khの変動振幅が制御停止振幅値に達すると、速度変動抑制制御を停止させることができる。これにより、第1実施形態と同様の効果に加えて、速度変動抑制制御を停止するタイミングを、第1実施形態のものより早めることができるというさらなる効果を奏する。
[第4実施形態]
次に、図15に示す正面図を参照し、本実施形態による空気調和機Aの全体構成を説明する。
図15において空気調和機Aは、室内機400と、室外機200と、リモコン410とを備えている。室内機400と室外機200とは、冷媒配管300で接続されるとともに、通信ケーブル(図示せず)を介して互いに情報を送受信する。リモコン410はユーザによって操作され、室内機400のリモコン受信部420に対して赤外線信号を送信する。当該信号の内容は、運転要求、設定温度の変更、タイマ、運転モードの変更、停止要求等の指令である。空気調和機Aは、これらの信号に基づいて、冷房モード、暖房モード、除湿モード等の空調運転を行う。
室外機200は、モータ駆動装置210と、圧縮機220とを有している。このモータ駆動装置210は、第1〜第3実施形態の何れかのモータ駆動装置と同様であり、圧縮機220は、図1における機械部120と同様である。但し、圧縮機220はツインロータリ圧縮機であり、機械角1回転に2回のトルク変動が起こる。
以上のように、本実施形態によれば、第1〜第3実施形態の何れかのモータ駆動装置を空気調和機Aに適用することにより、低速回転域から高速回転域まで広範囲に渡って振動騒音の低減が可能であり、過変調弱め界磁制御も可能であり、最大回転速度の向上も図れ、動作モードの切替時のショックも抑制できる空気調和機を実現できる。
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、若しくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
(1)上記各実施形態は、位置センサレス制御を適用し、モータ36の回転角を、推定角度位置θdとして推定により得ていた。しかし、回転角センサを用いて、モータ36の回転角を検出してもよい。
(2)上記各実施形態においては、図3に示す速度変動抑制制御部8によって速度変動抑制電流指令Iqsin*を出力し、モータ出力トルクを圧縮機負荷トルクに追従させた。しかし、モータ出力トルクを圧縮機負荷トルクに追従させる制御方法は、は各種のものが知られており、「周期的に変動する負荷トルクに対応して変動するトルク変動補償量」も、種々のものが知られている。従って、「トルク変動補償量」として速度変動抑制電流指令Iqsin*以外の種々の量を適用してもよい。
(3)上記各実施形態においては、機械部120として、シングルロータリ圧縮機、ツインロータリ圧縮機、レシプロ圧縮機等を適用した例を説明したが、機械部120には、周期的なトルク変動を起こす様々な負荷を適用してもよい。
(4)上記各実施形態においては、電圧補正演算部4にて電圧位相θVを進めることによって弱め界磁制御を実現したが、d軸電流指令演算部1にて負値のd軸電流指令Id*を出力することによって弱め界磁制御を実現してもよい。
(5)上記実施形態における制御器30のハードウエアは一般的なコンピュータによって実現できるため、図11,図12に示したプログラム等を記憶媒体に格納し、または伝送路を介して頒布してもよい。
(6)図11,図12に示した処理は、上記実施形態ではプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(field-programmable gate array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えてもよい。
2 電流指令演算部(速度変動抑制部、速度変動抑制手段)
8 速度変動抑制制御部(トルク変動補償量出力部)
9 制御切替指令部(動作モード指定部、動作モード指定手段)
13 補正位相演算部
14 変調率設定部(変調率設定手段)
30 制御器(コンピュータ)
34 電力変換回路
36 モータ
38 負荷装置(圧縮機構)
Ed 直流電圧
Iqsin* 速度変動抑制電流指令(トルク変動補償量)
kh 変調率
kh1 第1の所定値
kh2 第2の所定値
khave 平均変調率
Vu,Vv,Vw モータ印加電圧(交流電圧)

Claims (8)

  1. 周期的に変動する負荷トルクを発生させる負荷装置を駆動するモータに対して、直流電圧を交流電圧に変換して印加する電力変換回路と、
    前記負荷トルクの周期的な変動に対応して変動するトルク変動補償量を出力するトルク変動補償量出力部と、
    前記トルク変動補償量に基づいて、前記モータが出力するモータ出力トルクを変動させることによって前記モータの回転速度変動を抑制する速度変動抑制部と、
    第1の動作モードまたは第2の動作モードのうち何れかの動作モードを指定する機能と、前記動作モードを切り替える前に、前記トルク変動補償量の変動振幅を抑制する機能とを有する動作モード指定部と、
    前記第1の動作モードにおいて、前記電力変換回路における変調率を第1の所定値以下に抑制する機能と、前記第2の動作モードにおいて、前記変調率を前記第1の所定値とは異なる第2の所定値以下に抑制する機能とを有する変調率設定部と、
    を有することを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記動作モード指定部は、前記変調率が、前記変調率の移動平均値である平均変調率であるタイミングで、前記動作モードを切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記動作モード指定部は、前記動作モードを前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに切り替える前に、前記トルク変動補償量の変動振幅を徐々に小さくする機能を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記動作モード指定部は、前記モータの減速中において、前記トルク変動補償量の変動振幅を徐々に大きくする機能を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記第2の所定値は、前記第1の所定値よりも高い値である
    ことを特徴とする請求項4に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記変調率が前記第1の所定値または前記第2の所定値を超えないように前記交流電圧の位相を制御する補正位相演算部
    をさらに有することを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 周期的に変動する負荷トルクを発生させつつ冷媒を圧縮する圧縮機構と、
    前記圧縮機構を駆動するモータと、
    前記モータに対して、直流電圧を交流電圧に変換して印加する電力変換回路と、
    前記負荷トルクの周期的な変動に対応して変動するトルク変動補償量を出力するトルク変動補償量出力部と、
    前記トルク変動補償量に基づいて、前記モータが出力するモータ出力トルクを変動させることによって前記モータの回転速度変動を抑制する速度変動抑制部と、
    第1の動作モードまたは第2の動作モードのうち何れかの動作モードを指定する機能と、前記動作モードを切り替える前に、前記トルク変動補償量の変動振幅を抑制する機能とを有する動作モード指定部と、
    前記第1の動作モードにおいて、前記電力変換回路における変調率を第1の所定値以下に抑制する機能と、前記第2の動作モードにおいて、前記変調率を前記第1の所定値とは異なる第2の所定値以下に抑制する機能とを有する変調率設定部と、
    を有することを特徴とする空気調和機。
  8. 周期的に変動する負荷トルクを発生させる負荷装置を駆動するモータに対して、直流電圧を交流電圧に変換して印加する電力変換回路と、
    コンピュータと、
    を有するモータ駆動装置に適用されるプログラムであって、
    前記コンピュータを、前記負荷トルクの周期的な変動に対応して変動するトルク変動補償量を出力するトルク変動補償量出力手段、
    前記トルク変動補償量に基づいて、前記モータが出力するモータ出力トルクを変動させることによって前記モータの回転速度変動を抑制する速度変動抑制手段、
    第1の動作モードまたは第2の動作モードのうち何れかの動作モードを指定する機能と、前記動作モードを切り替える前に、前記トルク変動補償量の変動振幅を抑制する機能とを有する動作モード指定手段、
    前記第1の動作モードにおいて、前記電力変換回路における変調率を第1の所定値以下に抑制する機能と、前記第2の動作モードにおいて、前記変調率を前記第1の所定値とは異なる第2の所定値以下に抑制する機能とを有する変調率設定手段、
    として機能させるためのプログラム。
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