JP2017053721A - レーダシステム、信号処理システム、信号処理方法及びプログラム - Google Patents
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Description
また、送信波の反射信号を複数の受信レーダでそれぞれ受信するマルチスタティックレーダが知られている。マルチスタティックレーダにおける各受信レーダは、同一の検出対象において反射されたレーダ波であっても、検出対象の相対速度が互いに異なることにより、ドップラ遷移の影響度合いが異なるレーダ波をそれぞれ受信する。そのため、各受信レーダにおいて共通の復調処理を実施した場合、レンジング処理により得られた検出対象の位置と実際の検出対象の位置との間に、受信レーダごとに互いに異なる誤差が生じることにより、検出対象までの距離を所望の検出精度で得ることは容易ではない。
(レーダシステムの概要)
図1は、第1の実施形態に係るレーダシステム1の概略を示す図である。レーダシステム1は、例えば、送信レーダ(以下、「TX」という。)10と、N局の受信レーダ(以下、「RX」という)20−1、20−2、…、20−Nと、演算処理部50とを含む。以下、いずれの受信レーダであるかを区別しないときは、単にRX20という。レーダシステム1は、TX10により送信された電波が検出対象30によって反射された反射波を、TX10とは異なる位置に配置された複数のRX20で受信することで、検出対象30の位置を特定するマルチスタティックレーダである。この場合、Nは、例えば3以上の整数である。なお、レーダシステム1は、RX20を2つ備えるバイスタティックレーダであってもよい。
図2と図3とを参照して、実施形態におけるマルチスタティックレーダの方式について説明する。図2と図3は、実施形態において採用し得るマルチスタティックレーダを例示した図である。マルチスタティックレーダは、検出対象を検出する処理の違いにより、次の2つの方式に大別される。
図4を参照して、本実施形態におけるレーダシステム1の構成について説明する。同図は、本実施形態におけるレーダシステム1の構成図である。
レーダシステム1(信号処理システム)は、例えば、複数のRX20と、演算処理部50とを備える。レーダシステム1は、さらに、TX10を備えていてもよい。
TX10は、例えば、所定の規則に従って変調した変調波をパルス波(電波)にして、アンテナ11から送出する。変調波の変調方式は、周波数変調であってもよく、予め定められた符号則に従ったパルス変調であってもよい。なお、変調方式の規則は、各RX20と共有される。
RX20は、TX10から送信された変調波(電波)が検出対象30において反射されて、反射された電波をアンテナ21によって受信する。RX20は、アンテナ21によって受信した電波から受信信号(信号RS1)を取り出し、TX10が送信した変調波(電波)の周波数と、信号RS1に含まれる変調波の周波数との差として生じたドップラ遷移を打ち消す方向に、信号RS1の周波数成分を補正する。
信号変換部22は、信号RS1に対して周波数変換とアナログ・ディジタル変換とを実施し、信号RS1に含まれる所望の信号成分を含む信号RS2をディジタル信号として出力する。信号変換部22は、さらに、ディジタル信号に対して所定の重み係数を乗じることにより、所望の受信ビームを形成してもよい。
復調係数生成部24は、例えば、復調処理の系統数と同じ個数の復調係数を生成する。復調処理の系統とは、上記のドップラ遷移を打ち消すことについて複数の結果を得るために、予め周波数成分の補正量の傾向を変えて用意した構成のことである。復調係数生成部24は、ドップラ遷移を打ち消すように調整された復調係数を、復調処理の系統に対応させて生成する。
変換部25は、復調係数生成部24によって生成された復調係数に基づいて、信号RS2の周波数成分を系統ごとに変換する。
変換部25は、復調処理を実施する際に、復調係数生成部24によって生成された復調係数に基づいてパルス圧縮処理を実施する。上記のように、ドップラ遷移を打ち消すように調整された復調係数に基づいて復調処理を実施することにより、ドップラ遷移の影響を低減した復調処理を実施する。
通信部51は、RX20からのデータを受信する。
選択部52は、複数のRX20によってそれぞれ受信され、復調処理部23によりそれぞれ補正された後の信号RS4のうちから、受信信号の信号強度に基づいて受信信号をRX20ごとに選択し、選択された結果を信号RS5とする。
インコヒーレント積分処理部53(積分処理部)は、RX20ごとに選択された結果の信号RS5に対してインコヒーレント積分処理を実施して、インコヒーレント積分処理の結果を信号RS6とする。
閾値判定処理部54は、予め定められた閾値を判定条件にして、信号RS6の判定を実施する。当該判定により、検出対象30として判定し得る確率が比較的高いものを検出対象30の候補として判定する。
推定処理部55は、インコヒーレント積分処理部53による演算処理(積分処理)された後の信号RS6に基づいて、判定処理により選択された検出対象30の位置を推定する。
出力処理部56は、推定された検出対象30の位置を出力する。
以下、レーダシステム1の推定処理について説明する。
上記のとおりレーダシステム1は、1局の送信レーダ(TX10)と複数の受信レーダ(RX20)を含み、TX10とRX20とを異なる位置に設けたCentralized型のマルチスタティックレーダである。
上記の式(1)の連立方程式を解くことで、検出対象30の位置(xT,yT,zT)が求まる。上記の式(1)が非線形連立方程式であり、RX20による測距誤差の影響により、同連立方程式を解けない場合がある。そのような場合には、ニュートン法などの反復による逐次計算法を適用して解を求めてもよい。
この方法では、求めるべき未知数を、初期値(0)と修正値(Δ)の和を用いて、式(2)のように仮定する。
図5は、レーダシステムの検出性能として所要SNR(Signal-to-Noise Ratio)に対する検知確率の推移を示す図である。同図には、RX20の局数を2局から4局にした場合のレーダシステム1の検出性能を試算した結果を検知確率(Detection Probability)として示す。レーダシステム1の検出性能として、レーダシステム1における1局のRX20で得られる受信信号電力Sを、モノスタティックレーダの受信レーダにより得られる受信信号電力Sに基づいて規定する。
モノスタティックレーダの受信レーダにより得られる受信信号電力Sの値を、PTGTGRとする。PTは送信電力を示し、GTは送信時のアンテナの利得を示し、GRは受信時のアンテナの利得を示す。
上記のレーダシステム1における1局のRX20で得られる受信信号電力Sの値を、PTGT(NxGR)としたものである。なお、Nは、RX20の局数を示す。なお、同図に、比較例としてモノスタティックレーダの検出特性を示す。同図に示す結果から、レーダシステム1のRX20の局数を増やすことにより、検出性能が改善できることがわかる。
図6は、レーダシステムの検出性能として受信レーダの局数に対する所要SNRの推移を示す図である。同図には、RX20の局数を1局から10局にした場合のレーダシステム1の検出性能を試算した結果を所要SNRとして示す。同図に示す結果から、レーダシステム1のRX20の局数を増やすことにより、ある検出性能に必要とされる1局のRX20の所要SNRを低減することが可能となることが確認でき、検出性能が改善できることがわかる。
レーダシステム1が、前述した推定性能や検出性能を得るためには、複数のRX20が検出対象30からの反射信号を示すデータ(Rawデータ)を、当該RX20から検出対象が存在する真の位置までの距離としてレンジング処理する必要がある。
レーダシステム1は、送信するレーダ波に対して変調処理を施し、受信した信号の復調処理を行うことでレンジング処理の分解能向上を図る。ただし、検出対象30が移動する場合、変調したレーダ波の反射波には、移動する検出対象30の相対速度に対応するドップラ遷移が生じる。ドップラ遷移の影響を加味せずに復調処理をした場合には、レンジング処理により得られた位置と実際の位置に誤差が生じてしまう。そこで、本実施形態のレーダシステム1は、ドップラ遷移の影響を低減するように復調処理を実施する。
例えば、図7を参照して各受信レーダにおけるドップラ遷移について説明する。同図は、複数の受信レーダが配置された領域を検出対象30が移動する状況を模式化した説明図である。同図には、RX20−1とRX20−2とRX20−3と、検出対象30が示されている。検出対象30は、RX20−1とRX20−2とRX20−3のそれぞれから検出可能な範囲にあるとする。
RX20−1と検出対象30とを結ぶ方向に軸LT1を定め、RX20−2と検出対象30とを結ぶ方向に軸LT2を定め、RX20−3と検出対象30とを結ぶ方向に軸LT3を定める。
検出対象30は、例えば、RX20−1とRX20−2とRX20−3とに対して相対速度VTで矢印の方向に移動する。相対速度VTの軸LT1と軸LT2と軸LT3の各方向の成分は、それぞれ相対速度VT1と相対速度VT2と相対速度VT3になる。図示するように、相対速度VT1と相対速度VT2と相対速度VT3は互いに異なる大きさになる。上記のとおり各RX20は、検出対象30に対する相対速度が異なることにより、異なるドップラ遷移を受けたレーダ波を受信する。
このように、マルチスタティックレーダにおいて推定性能と検出性能に影響を与える「誤差」の要因となるドップラ遷移は、RX20ごとに異なるものとなる。
(ステップS10):TX10は、予め定められた変調方式により変調したレーダ波(変調波)を送出する。TX10から送信されたレーダ波が検出対象30において反射される。
RX20のそれぞれは、以下に示すステップS21からステップS25の処理を実施する。代表してRX20−1の処理について説明する。
(ステップS21):RX20−1は、アンテナ21により反射波を受信する。
上記のディジタルデータは、検出対象30の相対速度に対応するドップラ遷移fdを受けた信号として次の式(19)のように表される。
復調処理部23は、TX10が送信したレーダ波の周波数と、RX20の受信信号に含まれる変調波の周波数との差として生じたドップラ遷移を打ち消す方向に、受信信号の周波数成分を補正する復調処理を実施して、補正程度を異ならせた複数の補正結果を出力する。
Wd2(i)= exp (−j(ω0+ωd2)(TS×(i−1)))
・・・
WdL(i)= exp (−j(ω0+ωdL)(TS×(i−1))) ・・・(22)
また、TX10によるパルス繰り返し周波数をfPRFとした場合、fdlを式(24)に示すように定義してもよい。
TX10から送出されたレーダ波に対応するパルス圧縮係数をHiとすると、L個の復調係数は以下の式(25)により求まる。
変換部25は、上記の式(25)による復調係数Hωlを用いて、受信ディジタルデータを復調する。
ここで図9を参照して、TX10からZ個のパルス波が送出された場合について説明する。
上記のとおり、TX10からZ個のパルス波の送出に応じて、ディジタルデータに変換された信号RS2−1、RS2−2、・・・、RS2−Zが、復調処理部23に供給される。上記の信号RS2−kの「k」は、順に送出されたパルス波の送出回数を示す。復調処理部23は、復調処理をL個の系統の復調処理をそれぞれ実施して、系統ごとに復調した結果を出力する。
例えば、第1回目のパルス波の送出に対応して、信号RS2−1が復調処理部23に供給され、復調処理部23は、復調処理をL個の系統の復調処理をそれぞれ実施して、第1の系統に信号RS3_1−1を、第2の系統に信号RS3_2−1を、第Lの系統に信号RS3_L−1を、系統ごと出力する。信号RS3_l−kの「k」は、順に送出されたパルス波の送出回数を示し、「l」は、系統を識別する識別情報の値を示す。
復調処理部23に供給される信号RS2−kは、パルス圧縮処理がなされる前の信号であり、復調処理部23の機能により復調処理されるとともにパルス圧縮処理がなされた信号RS3_l−kに変換される。図中の三角形は、受信信号に基づいて生成されたパルス信号の振幅の時系列的変化を示す。同図の場合、信号RS3_1−1と信号RS3_2−1と信号RS3_L−1のうちで、信号RS3_2−1の振幅が他の系統の信号より大きい。第1回目から第Z回目まで通してみても、第2の系統の信号RS3_2−kの振幅が他の系統の信号より大きい。上記のような傾向がみられる場合には、第2の系統の補正量が、検出対象30の移動により生じたドップラ遷移量に適した補正がなされたと判断できる。
上記のステップS21からステップS25までの処理により、RX20のそれぞれから通知されたパルス積分の結果(信号RS4)には、何れかの系統のパルス積分の結果にドップラ遷移の影響を最も低減できた系統が含まれる。
(ステップS51):演算処理部50において、通信部51は、RX20からそれぞれ通知されたデータをそれぞれ受信する。
レーダシステム1は、1局の送信レーダ(TX10)と複数の受信レーダ(RX20)を含み、TX10とRX20とを異なる位置に設けたマルチスタティックレーダである。
前述の図1を参照して、受信レーダの局数をNとした場合、マルチスタティックレーダによる推定処理の座標系について説明する。
TX10とRX20のそれぞれの間の距離をベースラインと呼び、Lkで示す。但し、kは、RX20の識別情報を示し、例えば1以上N以下の整数である。
RX20−kと検出対象30との距離を、RRkで示す。RRkとして、例えば、RR1とRR2とRRNとが図示されている。
TX10と検出対象30までの距離をRTで示す。
RX20−kにおける検出対象30からの反射波が到来する方向を到来方向θRkで示す。到来方向θkとして、例えば、θR1とθR2とθRNとが図示されている。
RX20−kにおいて、ベースラインLkを基軸とし、検出対象30からの反射波の到来方向θRkまでの角度をαkで示す。例えば、RX20−1において、ベースラインL1を基軸とし、検出対象30からの反射波の到来方向θR1までの角度をα1で示す。
RX20で受信される直接波の時刻をt1、当該RX20で反射波が受信された時刻をt2とし、受信時刻の時間差ΔTrtを式(26)とおくことにより、当該受信時刻に対する推定距離RRkは、式(27)で計算される。
図10を参照して、比較例のレーダシステムにおける誤差要因について説明する。同図は、誤差要因をモデル化して示す説明図である。
上記の式(27)からもわかるように、各RX20の受信ビームには、観測時間から導かれる測距成分の誤差(±√(σR))と、角度成分の誤差(±√(σaz))と、高度成分の誤差(±√(σel))とが含まれる。上記の誤差が、検出対象30の位置の検出性能に影響する。
同図に本実施形態のレーダシステム1の場合の推定誤差をMSEで示す。また、同図に比較例として、バイスタティックレーダの場合の推定誤差をBEで示し、マルチスタティックレーダの場合の推定誤差をMBE(M)で示す。比較例として示すマルチスタティックレーダは、バイスタティックレーダと同様の推定原理を用いたものである。なお、「(M)」は、受信レーダの局数を示す。
以下、第1の実施形態の変形例について説明する。第1の実施形態の変形例において、パルスの遅延量が大きくなる比較的速い速度で移動する検出対象30を検出する構成について説明する。より具体的には、第1の実施形態の場合にドップラ遷移折り返しにより制限されていた範囲を、本変形例では検出対象範囲にする。以下、この点を中心に説明する。
レーダシステム1では、復調係数の個数を、ドップラ遷移折り返しの折り返し数を想定し、想定する折り返し数をDとする拡張により、(LxD)個にする。具体的には、折り返し数をDにした場合、ドップラ補正係数は、式(29)によって示される条件のもとで式(28)として表すことができる。
なお、レーダシステム1Aは、上記のように拡張したことにより、1/fPRFを超えるパルスの遅延も検出することができる。
上記の拡張により、復調処理部23から選択部52までの間で扱う系統数が増加するが、上記に示した以外の基本的な処理は、第1の実施形態と同様に実施することができる。
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態において、Decentralized型のマルチスタティックレーダへの適用について説明する。以下、この点を中心に説明する。
本実施形態のレーダシステム1Aは、上記の図3に示した第2の方式のDecentralized型に分類される。
RX20Aは、それぞれ受信した反射波に基づいた信号処理を行った後に、検出対象30の検出を実施して、検出対象30の検出結果を示すデータをPlotデータとして演算処理部50に提供する。演算処理部50は、RX20Aのそれぞれから提供されたPlotデータを解析して、検出対象30の位置を推定する。
図14は、第2の実施形態に係るレーダシステム1Aの構成図である。レーダシステム1Aは、例えば、複数のRX20Aと、演算処理部50Aとを備える。レーダシステム1Aは、さらに、TX10を備えていてもよい。
RX20Aは、TX10から送信された変調波(電波)が検出対象30において反射されて、反射された電波の周波数成分を含む受信信号をアンテナ21によって受信する。RX20Aは、アンテナ21によって受信した受信信号(信号RS1)に基づいて、TX10が送信した変調波の周波数と、信号RS1に含まれる変調波の周波数との差として生じたドップラ遷移を打ち消す方向に、信号RS1の周波数成分を補正する。RX20Aは、例えば、信号変換部22と、復調処理部23と、パルス積分処理部26と、閾値判定処理部28と、通信部27Aとを備える。
通信部51Aは、RX20Aからのデータを受信する。
推定処理部55Aは、RX20Aのそれぞれから通知されたPlotデータに基づいて、検出対象30の位置を推定する。
出力処理部56は、推定された検出対象30の位置を出力する。
(ステップS26):ステップS24の処理を終えた後、閾値判定処理部28は、予め定められた閾値を判定条件にして、パルス積分処理部26の演算処理の結果について判定する。閾値判定処理部28は、上記の判定において、検出対象30として判定し得る確率が比較的高いものを検出対象30の候補として判定し、判定の結果を、Plotデータとして出力する。
例えば、閾値判定処理部28は、パルス積分処理部26の演算処理の結果が示す信号の信号成分が最も大きな値を示す系統を選択する。閾値判定処理部28は、選択した系統の信号から、検出対象30として判定し得る確率が比較的高いものを検出対象30の候補として判定する。
上記のステップS21からステップS27までの処理により、RX20Aのそれぞれから通知されたPlotデータには、ドップラ遷移の影響を最も低減できた系統のPlotデータ含まれる。
(ステップS51A):演算処理部50Aにおいて、通信部51Aは、RX20Aからそれぞれ通知されたデータをそれぞれ受信する。
第2の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果を奏するものに加え、Decentralized型のマルチスタティックレーダにおいて、検出対象30までの距離の検出精度を高めることができることにより、検出対象30の移動状況に応じて、より柔軟な処理を実現することができる。
以下、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態において、レーダシステム1Bへの適用を例示して、本実施形態の信号処理システムについて説明する。以下、この点を中心に説明する。
図16は、第3の実施形態に係る信号処理システム60の構成図である。
同図に示された信号処理システム60は、例えばレーダシステム1Bの一部として構成される。このようなレーダシステム1Bは、上記の図1に示した第1の方式のCentralized型に分類される。
レーダシステム1Bは、例えば、複数のRX20Bと、信号処理システム60とを含む。レーダシステム1Bは、さらに、TX10を備えていてもよい。
RX20Bは、TX10から送信された変調波(電波)が検出対象30において反射されて、反射された電波を含む受信信号をアンテナ21によって受信する。RX20Bは、それぞれ受信した反射波に基づいた信号変換処理を行い、ディジタルデータを信号処理システム60に提供する。
信号変換部22Bは、アンテナ21によって受信した受信信号(信号RS1)に基づいて、信号RS1の周波数変換とアナログ・ディジタル変換とを実施する。信号変換部22は、信号RS1に含まれた所望の信号成分を含む信号RS2をディジタル信号として出力する。
信号処理システム60は、例えば、複数の補正部29と、演算処理部50とを備える。
補正部29は、RX20Bに対応させて設けられ、RX20Bにより生成されたディジタル信号を補正する。
補正部29−1(補正部29)は、例えば、復調処理部23と、パルス積分処理部26と、通信部27とを備える。
補正部29−1(補正部29)は、RX20B−1の信号変換部22Bにより生成されたディジタル信号に基づいて、TX10が送信した変調波(電波)の周波数と、信号RS1に含まれる変調波の周波数との差として生じたドップラ遷移を打ち消す方向に、信号RS1の周波数成分を、復調処理部23により補正する。
補正部29−1は、パルス積分処理部26によるパルス積分の結果(信号RS4)を、通信部27を介して演算処理部50宛に通知する。
第3の実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果を奏するものに加え、新御具処理システム60は、RX20Bの信号変換部22により生成されたディジタル信号に対する信号処理を実施することにより、検出対象30の移動状況に応じて、より柔軟な処理を実現することができる。
Claims (10)
- 送信局から送信された電波が検出対象において反射されて、前記反射された電波の周波数成分を含む受信信号を受信する受信局と、
前記送信局が送信した電波の周波数と、前記受信信号に含まれる前記反射された電波の周波数との差として生じたドップラ遷移を打ち消す方向に、前記受信信号の周波数成分を補正する補正部と、
移動する前記検出対象から前記受信局までの距離を、前記補正部により補正された前記受信信号の周波数成分に基づいて推定する推定部と
を備えるレーダシステム。 - 前記推定部は、
前記受信局に対する相対移動速度が異なる前記検出対象から前記受信局までの距離を推定する
請求項1記載のレーダシステム。 - 前記補正部は、
前記ドップラ遷移を打ち消すように調整された復調係数を生成する復調係数生成部と、
前記復調係数に基づいて前記受信信号の周波数成分を変換するとともに、前記復調係数に従ったパルス圧縮処理を実施する変換部と、
を備える
請求項1または請求項2記載のレーダシステム。 - 複数の前記受信局を備え、
前記推定部は、
前記複数の受信局によってそれぞれ受信され、前記補正部によりそれぞれ補正された前記受信信号の周波数成分に基づいて、少なくとも前記検出対象に対する第1の受信局の測角方向と第2の前記受信局の測角方向とが異なる前記検出対象から前記第1の受信局までの距離と前記第2の受信局までの距離とを推定する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のレーダシステム。 - 複数の前記受信局を備え、
前記推定部は、
前記複数の受信局によってそれぞれ受信され、前記補正部によりそれぞれ補正された前記受信信号の周波数成分に基づいて、少なくとも前記検出対象の第1の前記受信局に対する相対移動速度と前記検出対象の第2の前記受信局に対する相対移動速度とが異なる前記検出対象から前記第1の受信局までの距離と前記第2の受信局までの距離とを推定する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のレーダシステム。 - 前記複数の受信局として、前記第1の受信局と前記第2の受信局と第3の前記受信局とを備え、
前記推定部は、
前記第1の受信局と前記第2の受信局と第3の前記受信局によってそれぞれ受信され、前記補正部によりそれぞれ補正された前記受信信号の周波数成分に基づいて、前記検出対象から前記第1の受信局までの距離と前記第2の受信局までの距離と前記第3の受信局までの距離とを推定する
請求項4又は請求項5記載のレーダシステム。 - 前記補正部は、補正程度を異ならせた複数の補正結果を出力し、
前記推定部は、
前記複数の受信局によってそれぞれ受信され、前記補正部によりそれぞれ補正された前記受信信号のうちの何れかの受信信号を、前記受信信号の信号強度に基づいて前記受信局ごとに選択する選択部と、
前記受信局ごとに前記選択された信号をインコヒーレント積分する積分処理部と、
前記インコヒーレント積分された後の信号から前記検出対象の位置を推定する推定部と、
を備える請求項4から請求項6の何れか1項に記載のレーダシステム。 - 送信局から送信された電波の周波数と、検出対象において反射されて受信局により受信された受信信号に含まれる前記反射された電波の周波数との差として生じたドップラ遷移を打ち消す方向に、前記受信信号の周波数成分を補正する補正部と、
移動する前記検出対象から前記受信局までの距離を、前記補正部により補正された前記受信信号の周波数成分に基づいて推定する推定部と
を備える信号処理システム。 - 送信局から送信された電波の周波数と、検出対象において反射されて受信局により受信された受信信号に含まれる前記反射された電波の周波数との差として生じたドップラ遷移を打ち消す方向に、前記受信信号の周波数成分を補正するステップと、
移動する前記検出対象から前記受信局までの距離を、前記補正された前記受信信号の周波数成分に基づいて推定するステップと
を含む信号処理方法。 - 送信局から送信された電波の周波数と、検出対象において反射されて受信局により受信された受信信号に含まれる前記反射された電波の周波数との差として生じたドップラ遷移を打ち消す方向に、前記受信信号の周波数成分を補正するステップと、
移動する前記検出対象から前記受信局までの距離を、前記補正された前記受信信号の周波数成分に基づいて推定するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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