JP2017053409A - 磁気粘性流体緩衝器 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気粘性流体緩衝器のピストンの全長を短くする。【解決手段】緩衝器100は、磁気粘性流体が封入されるシリンダ10と、シリンダ10内に摺動自在に配置されるピストン20と、ピストン20に連結されるピストンロッド21と、を備え、ピストン20は、ピストンロッド21に取り付けられ外周にコイル33aが設けられるピストンコア30と、ピストンコア30との間に磁気粘性流体の流路22を形成するフラックスリング35と、ピストンロッド21の外周に配置されフラックスリング35の一端35aに外周面40bが収容されロウ付けによってフラックスリング35に接合されるプレート40と、ピストンコア30との間にプレート40を挟持する固定ナット50と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、磁界の作用によって見かけの粘度が変化する磁気粘性流体を利用した磁気粘性流体緩衝器に関するものである。
自動車等の車両に搭載される緩衝器として、磁気粘性流体が通過する流路に磁界を作用させ、磁気粘性流体の見かけの粘度を変化させることによって、減衰力を変化させるものがある。特許文献1には、外周にコイルが巻回されたピストンコアとピストンコアの外周に配置されたピストンリングとを備えるピストンアッセンブリがシリンダ内を摺動する際に、ピストンコアとピストンリングとの間に形成された流路を磁気粘性流体が通過する磁気粘性流体緩衝器が開示されている。
しかしながら、特許文献1の磁気粘性流体緩衝器では、ピストンコアに対してピストンリングを所定位置に配置するために、ピストンリングを軸方向に挟持する一対のプレートが設けられ、各々のプレートをナットの締結によって固定している。このように、ピストンリングを両端からプレートとナットとで挟み込んで固定する構成であるため、ピストンアッセンブリの全長が長くなり、ピストンアッセンブリのストローク長さが短くなるおそれがあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、磁気粘性流体緩衝器のピストンの全長を短くすることを目的とする。
第1の発明は、環状に形成されてピストンロッドの外周に配置され、リング体の一端に外縁が収容され、ロウ付けによる金属層によってリング体に接合されるプレートと、ピストンコアとの間にプレートを挟持するストッパと、を備えることを特徴とする。
第1の発明では、リング体の一端に外縁が収容されロウ付けによってリング体に接合されるプレートがストッパとピストンコアとの間に挟持されることによって、リング体がピストンコアに対して軸方向に固定される。このため、リング体の他端側には、リング体をピストンコアに対して固定させるための部材を設ける必要がない。
第2の発明は、リング体が、一端から軸方向に凹状に形成される環状凹部を有し、プレートの外縁が、環状凹部内に収容されることを特徴とする。
第2の発明では、プレートの外縁が、環状凹部内に収容される。このため、プレートをリング体に組み付けるためにプレートに突出部等を形成する必要がなく、プレートをシンプルな形状とすることができる。
第3の発明は、リング体が、一端側に他の部分と比較して外径が小さく形成される小径部を有し、小径部の軸方向の長さが、環状凹部の深さ以上に設定されることを特徴とする。
第3の発明では、環状凹部の深さ以上の長さを有する小径部がリング体の一端側に設けられる。このため、環状凹部にプレートが圧入等によって収容される際にリング体の一端側が径方向外側に膨らんだとしても、シリンダとピストンとの摺動面において、かじり等が発生することを防止することができる。
第4の発明は、環状凹部の底面がプレートの一端面と当接することによってリング体の軸方向の位置が規定されることを特徴とする。
第4の発明では、ストッパとピストンコアとの間に挟持されるプレートの端面に、環状凹部の底面が当接することにより、ピストンコアに対するリング体の軸方向の位置が規定される。このように、プレートによって、ピストンコアとリング体との軸方向における位置関係を設定することができる。
第5の発明は、環状凹部の内周面とプレートの外縁との間に形成される金属層によってリング体がプレートに接合されることを特徴とする。
第6の発明は、金属層が、溶融した状態でリング体の一端側からプレートとリング体との間に流し込まれる銅系金属で形成されることを特徴とする。
第5及び第6の発明では、リング体の一端側からプレートとリング体との間に溶融した銅系金属が流れ込み、金属層となる。このため、リング体とプレートとは、圧入等によって組み付けられることに加えて、金属層によって、強固に接合される。
本発明によれば、磁気粘性流体緩衝器のピストンの全長を短くすることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る磁気粘性流体緩衝器(以下、単に「緩衝器」と称する。)100の全体構成について説明する。
緩衝器100は、磁界の作用によって粘性が変化する磁気粘性流体を用いることで減衰係数が変化可能なダンパである。緩衝器100は、例えば、自動車等の車両において車体と車軸との間に介装される。緩衝器100は、伸縮作動によって車体の振動を抑える減衰力を発生する。
緩衝器100は、内部に磁気粘性流体が封入されるシリンダ10と、シリンダ10内に摺動自在に配置されるピストン20と、ピストン20に連結されてシリンダ10の外部へ延在するピストンロッド21と、を備える。
シリンダ10は、有底円筒状に形成される。シリンダ10内に封入される磁気粘性流体は、磁界の作用によって見かけの粘度が変化するものであり、油等の液体中に強磁性を有する微粒子を分散させた液体である。磁気粘性流体の粘性は、作用する磁界の強さに応じて変化し、磁界の影響がなくなると元の状態に戻る。
シリンダ10内には、ガスが封入されるガス室(図示省略)が、フリーピストン(図示省略)を介して画成される。ピストンロッド21の進退によるシリンダ10内の容積変化は、ガス室が設けられることによって補償される。
ピストン20は、シリンダ10内に流体室11と流体室12とを画成する。ピストン20は、流体室11と流体室12との間で磁気粘性流体を移動可能とする環状の流路22と、貫通孔であるバイパス流路23と、を有する。ピストン20は、流路22とバイパス流路23とを磁気粘性流体が通過することで、シリンダ10内を摺動することが可能である。ピストン20の構成については、後で詳細に説明する。
ピストンロッド21は、ピストン20と同軸に形成される。ピストンロッド21は、一端21aがピストン20に固定され、他端21bがシリンダ10の外部に延出する。ピストンロッド21は、一端21aと他端21bとが開口する円筒状に形成される。ピストンロッド21の内周21cには、後述するピストン20のコイル33aに電流を供給する一対の配線(図示省略)が通される。ピストンロッド21の一端21a近傍の外周には、ピストン20と螺合する雄ねじ21dが形成される。
次に、図1から図3を参照して、ピストン20の構成について説明する。
ピストン20は、ピストンロッド21の端部に取り付けられる小径部30aと、小径部30aと比較して大径に軸方向に連続して形成され小径部30aとの間に段部30dを形成する拡径部30bと、拡径部30bと比較して大径に軸方向に連続して形成され外周にコイル33aが設けられる大径部30cと、を有するピストンコア30を備える。
また、ピストン20は、ピストンコア30の外周を取り囲みピストンコア30との間に磁気粘性流体の流路22を形成するリング体としてのフラックスリング35と、環状に形成されて小径部30aの外周に配置されフラックスリング35の一端35aに取り付けられるプレート40と、小径部30aに取り付けられ段部30dとの間にプレート40を挟持するストッパとしての固定ナット50と、を備える。
ピストンコア30は、ピストンロッド21の端部に取り付けられる第一コア31と、コイル33aが外周に設けられるコイルアセンブリ33と、第一コア31との間にコイルアセンブリ33を挟持する第二コア32と、第二コア32とコイルアセンブリ33とを第一コア31に締結する締結部材としての一対のボルト36と、を備える。
また、ピストンコア30は、コイル33aが発生する磁場の影響が流路22と比較して小さい位置に軸方向に貫通して形成されるバイパス流路23を備える。バイパス流路23は、第一コア31を貫通して形成される第一貫通孔23aと、第二コア32を貫通して形成される第二貫通孔23bと、を有する。第一貫通孔23aと第二貫通孔23bとは、コイルアセンブリ33の後述の連結部33cを避けて形成される。バイパス流路23は、図3に示すように、180°間隔で二箇所に形成される。これに限らず、バイパス流路23の数は任意であり、また、バイパス流路23を設けなくてもよい。
第一コア31は、小径部30aと、拡径部30bと、ピストンコア30の大径部30cの一部を形成する大径部31aと、中心を軸方向に貫通する貫通孔31bと、バイパス流路23の一部を形成する第一貫通孔23aと、を有する。
小径部30aは、フラックスリング35から軸方向に突出する円筒状に形成される。小径部30aの内周には、ピストンロッド21の雄ねじ21dと螺合する雌ねじ31cが形成される。ピストンコア30は、雄ねじ21dと雌ねじ31cとの螺合によってピストンロッド21に締結される。
拡径部30bは、円筒状に形成される。拡径部30bは、小径部30aに連続して同軸に形成される。小径部30aと拡径部30bとの間には、環状の段部30dが形成される。段部30dは、プレート40が当接し、固定ナット50との間にプレート40を挟持するものである。また、小径部30aの先端の外周には、プレート40を挟持した状態で固定ナット50の雌ねじ50cが螺合する雄ねじ31eが形成される。
大径部31aは、円筒状に形成される。大径部31aは、拡径部30bに連続して同軸に形成される。大径部31aの外周は、磁気粘性流体が通過する流路22に臨む。大径部31aは、コイルアセンブリ33と当接する。大径部31aの貫通孔31bには、後述するコイルアセンブリ33の円筒部33bが挿入されて嵌合する。大径部31aには、ボルト36が螺合する一対の雌ねじ31dが形成される。
第一貫通孔23aは、第一コア31の大径部31aを軸方向に貫通する。第一貫通孔23aは、図3に示すように、180°間隔で二箇所に形成される。第一貫通孔23aは、その穴径によってピストン20の摺動時の減衰特性が設定される。
第二コア32は、ピストンコア30の大径部30cの一部を形成する大径部32aと、大径部32aの一端に大径部32aと比較して小径に形成される小径部32bと、ボルト36が貫通する貫通孔32cと、ボルト36の頭部が係合する深座繰り部32dと、バイパス流路23の一部を形成する第二貫通孔23bと、ピストン20を回転させるための工具(図示省略)が係合する複数の工具穴32fと、を有する。
大径部32aは、円柱状に形成される。大径部32aは、第一コア31の大径部31aと同径に形成される。大径部32aの外周は、磁気粘性流体が通過する流路22に臨む。大径部32aは、流体室12に臨む端面32eがフラックスリング35の他端35bと面一となるように形成される。
小径部32bは、大径部32aと同軸の円柱状に形成される。小径部32bは、後述するコイルアセンブリ33のコイルモールド部33dの内周と同径に形成され、コイルモールド部33dの内周に嵌められる。
貫通孔32cは、第二コア32を軸方向に貫通して一対形成される。貫通孔32cは、ボルト36の螺合部の径と比較して大径に形成される。貫通孔32cは、ピストンコア30が組み立てられた状態で、第一コア31の雌ねじ31dと同軸となるように形成される。
深座繰り部32dは、貫通孔32cの端部に形成される。深座繰り部32dは、貫通孔32cと比較して大径に、かつボルト36の頭部と比較して大径に形成される。深座繰り部32dは、ボルト36の頭部を完全に収容可能な深さに形成される。貫通孔32cを挿通するボルト36が第一コア31の雌ねじ31dに螺合すると、深座繰り部32dの底面が第一コア31に押し付けられ、第二コア32は第一コア31に押し付けられる。
第二貫通孔23bは、第一貫通孔23aと比較して大径に形成される。第二貫通孔23bは、図3に示すように、180°間隔で二箇所に形成される。第二貫通孔23bは、ピストンコア30が組み立てられた状態で、第一貫通孔23aと同軸となるように形成される。ピストン20の摺動時の減衰特性は、第一貫通孔23aの穴径によって決定される。第二貫通孔23bの穴径は、ピストン20の摺動時の減衰特性に影響を及ぼさない。
工具穴32fは、ピストン20をピストンロッド21に螺着する際に工具が嵌められる穴である。工具穴32fは、図3に示すように、90°間隔で四箇所に形成される。本実施の形態では、四個の工具穴32fのうち二個は、第二貫通孔23bの端部に形成される。このように、工具穴32fは、第二貫通孔23bと共用される。
コイルアセンブリ33は、コイル33aが挿入された状態で樹脂をモールドすることで形成される。コイルアセンブリ33は、第一コア31の貫通孔31bに嵌合する円筒部33bと、第一コア31と第二コア32との間に挟持される連結部33cと、内部にコイル33aが設けられる円環状のコイルモールド部33dと、を有する。
コイル33aは、外部から供給される電流によって磁界を形成する。この磁界の強さは、コイル33aに供給される電流が大きくなるほど強くなる。コイル33aに電流が供給されて磁界が形成されると、流路22を流れる磁気粘性流体の見かけの粘度が変化する。磁気粘性流体の粘性は、コイル33aによる磁界が強くなるほど高くなる。
円筒部33bは、先端部33eがピストンロッド21の内周に嵌合する。円筒部33bの先端からは、コイル33aに電流を供給するための一対の配線が引き出される。円筒部33bの先端部33eとピストンロッド21の一端21aとの間には、封止部材としてのOリング34が設けられる。
Oリング34は、第一コア31の大径部31aとピストンロッド21とによって軸方向に圧縮され、コイルアセンブリ33の先端部33eとピストンロッド21とによって径方向に圧縮される。これにより、ピストンロッド21の外周と第一コア31との間や、第一コア31とコイルアセンブリ33との間に侵入してきた磁気粘性流体がピストンロッド21の内周に流出して漏出することが防止される。
連結部33cは、円筒部33bの基端部からコイルモールド部33dに向かって径方向に直線状に延設され、円筒部33bとコイルモールド部33dとを連結する。連結部33cと円筒部33bとの内部には、コイル33aへ電流を供給する一対の配線が通過する。
コイルモールド部33dは、連結部33cの外縁部から環状に立設される。コイルモールド部33dは、コイルアセンブリ33における円筒部33bと反対側の端部に突起して形成される。コイルモールド部33dは、第一コア31の大径部31aと同径に形成される。コイルモールド部33dの外周は、ピストンコア30の大径部30cの一部を形成する。コイルモールド部33dの内部には、コイル33aが設けられる。
このように、ピストンコア30は、第一コア31と第二コア32とコイルアセンブリ33との三部材に分割して形成される。よって、コイル33aが設けられるコイルアセンブリ33のみをモールドして形成し、第一コア31と第二コア32との間に挟持すればよい。よって、ピストンコア30を単体で形成してモールド作業を行う場合と比較して、ピストンコア30の形成が容易である。
ピストンコア30において、第一コア31はピストンロッド21に固定されるが、コイルアセンブリ33と第二コア32とは軸方向に嵌められているのみである。そこで、ピストン20では、一対のボルト36を締結することによって、第二コア32とコイルアセンブリ33とを第一コア31に押し付けるようにして固定している。
ボルト36は、第二コア32の貫通孔32cを挿通し、第一コア31の雌ねじ31dに螺合する。ボルト36は、その締結力によって、深座繰り部32dの底面を第一コア31に向けて押し付ける。これにより、第二コア32と第一コア31との間にコイルアセンブリ33が挟持され、ピストンコア30は一体となる。貫通孔32cと雌ねじ31dとは、コイルアセンブリ33の連結部33cを避けて、ボルト36と連結部33cとが干渉しない位置に形成される。
このように、ボルト36を締結するだけで、第二コア32とコイルアセンブリ33とが、第一コア31に押し付けられて固定される。したがって、ピストンコア30を容易に組み立てることができる。
フラックスリング35は、略円筒状に形成される。フラックスリング35の外周面35cの外径は、シリンダ10の内径と略同径に形成される。フラックスリング35の内周面35dの内径は、ピストンコア30の外径よりも大径に形成され、フラックスリング35とピストンコア30との間には、流路22が形成される。
フラックスリング35は、一端35aから軸方向に凹状にくぼむように形成される環状凹部35eと、一端35a側に設けられ、外周面35cと比較して外径が小さく形成される小径部35hと、をさらに有する。小径部35hの軸方向における長さは、環状凹部35eの軸方向の深さ以上に設定される。
プレート40は、円環状に形成される平板部材である。プレート40は、外縁である外周面40bが環状凹部35eに圧入されることによって、環状凹部35e内に収容される。プレート40とフラックスリング35との接合部の構造については、図4を参照しながら、後で詳細に説明する。なお、プレート40は、外周面40bが環状凹部35eに螺合されたり、遊びを有して嵌め込まれたりすることによって収容されてもよい。
また、プレート40は、図2に示すように、流路22に連通する貫通孔である複数の流路22aを有する。流路22aは、円弧状に形成されて等角度間隔に配置される。本実施の形態では、流路22aは、90°間隔で四箇所に形成される。流路22aは、円弧状に限らず、例えば複数の円形の貫通孔であってもよい。
プレート40とピストンコア30の大径部30cとの間には、流路22aから流入した磁気粘性流体をバイパス流路23に導くバイパス分岐路25が形成される。バイパス分岐路25は、拡径部30bの外周に形成される環状の空隙である。
流路22aからピストンコア30内に流入した磁気粘性流体は、バイパス分岐路25を介して流路22とバイパス流路23とに流れる。よって、流路22aとバイパス流路23との周方向の相対位置を合わせる必要がないため、ピストン20の組み立てが容易である。
プレート40の内周には、第一コア31の小径部30aが嵌合する貫通孔40aが形成される。貫通孔40aに小径部30aが嵌合することによって、プレート40と第一コア31との同軸度が確保される。
そして、プレート40は、ピストンコア30の小径部30aに対する固定ナット50の締結力によって段部30dに押し付けられて挟持される。これにより、プレート40に固定されるフラックスリング35のピストンコア30に対する軸方向の位置が規定されることとなる。
固定ナット50は、略円筒状に形成され、ピストンコア30の小径部30aの外周に取り付けられる。固定ナット50は、先端部50aがプレート40と当接する。固定ナット50は、基端部50bの内周に、第一コア31の雄ねじ31eに螺合する雌ねじ50cが形成される。これにより、固定ナット50は、小径部30aに螺着される。固定ナット50の外周面には、締め付け用の工具が係合する図示しない係合面が形成される。係合面は、平行な二つの平面を少なくとも有し、固定ナット50の断面外径は、例えば、正六角とされる。
このように、フラックスリング35とピストンコア30とは、フラックスリング35の中心軸とピストンコア30の中心軸とが一致するように、フラックスリング35の一端35a側に設けられるプレート40によって結合される。さらに、ピストンコア30に対するフラックスリング35の軸方向の位置は、プレート40によって規定される。このため、フラックスリング35の他端35b側には、フラックスリング35とピストンコア30とを結合し、フラックスリング35の軸方向位置を規定する部材を設ける必要がない。したがって、緩衝器100のピストン20の全長を短くすることができる。
また、フラックスリング35の他端35b側にはフラックスリング35とピストンコア30とを結合する部材が配置されないため、流路22は、図3に示されるように、他端35b側において環状に連続して開口する。この結果、流路22の流通抵抗が低減され、流路22を通過する磁気粘性流体に付与される抵抗を低減することができる。
次に、図4を参照して、プレート40とフラックスリング35との接合部について詳細に説明する。なお、図4では、理解を容易にするために、フラックスリング35の環状凹部35eとプレート40との間を大きく示している。
図4に示されるように、フラックスリング35の環状凹部35eは、内周面35dよりも内径が大きく形成される内周面35fと、内周面35fと内周面35dとを接続する環状凹部35eの底面としての段部35gと、を有する。
環状凹部35eに収容されるプレート40は、外周面40bが内周面35fに圧入され、一端面40cが段部35gと当接する。このように、ピストンコア30に対するフラックスリング35の軸方向の位置は、プレート40の一端面40cに環状凹部35eの段部35gが当接することによって規定される。
プレート40は、図4に示されるように、外周面40bと他端面40dとの角部に形成される面取部40eをさらに有する。面取部40eと内周面35fとの間の空間には、ロウ付け前に、ロウ付けに用いられる金属が載置される。
ロウ付け時に溶融した金属は、毛細管現象によって外周面40bと内周面35fとの間と、一端面40cと段部35gとの間と、に流れ込み、冷却後に凝固する。これにより、外周面40bと内周面35fとの間と、一端面40cと段部35gとの間と、には金属層60が形成される。このため、フラックスリング35とプレート40とは、環状凹部35eの内周面35fにプレート40の外周面40bが圧入されることに加えて、金属層60が設けられることによって、強固に接合される。
なお、金属層60は、外周面40bと内周面35fとの間と、一端面40cと段部35gとの間と、の少なくとも何れか一方に形成されればよい。また、ロウ付けは、フラックスリング35とプレート40とが面接触する領域から金属が漏れ出さないように行われる。
また、ロウ付けに用いられる金属が載置される空間は、上記構成に限定されず、フラックスリング35側に面取部を設けることにより形成されてもよいし、フラックスリング35とプレート40との両方に面取部を設けることにより形成されてもよい。
金属層60は、銅系金属によって形成される。これに限らず、フラックスリング35とプレート40との材質によっては、ニッケルや銀などの他の金属を用いてもよい。
以上のように、フラックスリング35とプレート40とは、圧入と、ロウ付けによる金属層60と、によって接合される。よって、かしめや締結などによって接合される場合と比較して、容易に接合を行うことができるとともに、十分な結合強度を得ることができる。
以下では、ピストン20の組み立て手順について説明する。
最初に、ピストンコア30を組み立てる。まず、コイルアセンブリ33に第二コア32を取り付ける。コイルアセンブリ33のコイルモールド部33dの内周に第二コア32の小径部32bが嵌合するように取り付ける。
次に、コイルアセンブリ33と第二コア32との組立体に、第一コア31を取り付ける。第一コア31の貫通孔31bに大径部31a側からコイルアセンブリ33の円筒部33bを挿入し、コイル33aに電流を供給する一対の配線を第一コア31の貫通孔31bの小径部30a側から引き出す。そして、一対のボルト36を、第二コア32の貫通孔32cに挿通した後、第一コア31の雌ねじ31cに螺合する。このボルト36の締結によって、ピストンコア30の組み立てが完了する。
ピストンコア30の組み立てと並行して、フラックスリング35とプレート40とを一体に組み立てる。具体的には、フラックスリング35の環状凹部35eにプレート40の外周面40bが圧入され、ロウ付けが行われる。
ここで、フラックスリング35の一端35a側に設けられる小径部35hの外径は、環状凹部35eにプレート40が圧入されることによってフラックスリング35の一端35a側が径方向外側に膨らんだとしても、外周面40bの外径よりも大きくならないように設定される。このため、プレート40がフラックスリング35に圧入されても、一端35a側の外径は、外周面40bの外径よりも小さい状態に維持される。この結果、シリンダ10とピストン20との摺動面において、かじり等が発生することを防止することができる。加えて、プレート40がフラックスリング35に圧入された後にフラックスリング35の外径をシリンダ10の内径に合わせて再加工等する必要がないため、製造コストを低減することができる。
ロウ付けは、面取部40eと内周面35fとの間の空間にロウ付け用の金属が載置された状態で、フラックスリング35とプレート40との組立体を加熱することにより行われる。このとき、プレート40の他端面40dが上方を向くように、フラックスリング35とプレート40との組立体を並べておけば、ロウ付け前にロウ付け用の金属が載置されているか否かを目視にて容易に確認することができる。また、ロウ付け後、外周面40bと内周面35fとの間に金属層60が形成されているか否かを、上方から目視にて容易に確認することができる。
次に、フラックスリング35と一体に組み立てられたプレート40を、ピストンコア30に組み付ける。具体的には、プレート40をピストンコア30の第一コア31の小径部30aの外周に嵌めこみ、第一コア31の段部30dに当接させる。そして、固定ナット50を小径部30aに螺着する。これにより、プレート40は、固定ナット50と段部30dとの間に挟持される。以上の手順によって、ピストン20が組み立てられる。
ピストン20が組み立てられたら、ピストン20をピストンロッド21に取り付ける。具体的には、工具穴32fに工具を嵌めてピストン20を中心軸回りに回転させる。このとき、コイル33aに電流を供給する一対の配線を、ピストンロッド21の内周21cに挿通させる。これにより、ピストンコア30の第一コア31の雌ねじ31cとピストンロッド21の雄ねじ21dとが螺合する。このとき、ピストンロッド21の先端部33eとピストンロッド21の一端21aとの間に、予めOリング34を挿入しておく。
このように、予め組み立てておいたピストン20をピストンロッド21に組み付けることによって、ピストン20とピストンロッド21との組み立てを容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、ピストン20は、第一コア31と第二コア32とコイルアセンブリ33との三部材に分割されている。しかしながら、この構成に代えて、第一コア31とコイルアセンブリ33とを一体に形成して二部材としてもよく、また、第二コア32とコイルアセンブリ33とを一体に形成して二部材としてもよい。
次に、緩衝器100の作用について説明する。
緩衝器100が伸縮作動して、ピストンロッド21がシリンダ10に対して進退すると、磁気粘性流体は、プレート40に形成された流路22aとバイパス分岐路25とを介して流路22とバイパス流路23とを流れる。これにより、磁気粘性流体が流体室11と流体室12との間を移動することで、ピストン20はシリンダ10内を摺動する。
このとき、ピストンコア30の第一コア31と第二コア32とフラックスリング35とは、磁性材によって形成され、コイル33aのまわりに生じる磁束を導く磁路を構成する。また、プレート40は非磁性材によって形成される。そのため、ピストンコア30とフラックスリング35の間の流路22は、コイル33aのまわりに生じる磁束が通過する磁気ギャップとなる。これにより、緩衝器100の伸縮作動時に、流路22を流れる磁気粘性流体にはコイル33aの磁場が作用する。
緩衝器100が発生する減衰力の調節は、コイル33aへの通電量を変化させ、流路22を流れる磁気粘性流体に作用する磁場の強さを変化させることによって行われる。具体的には、コイル33aに供給される電流が大きくなるほど、コイル33aのまわりに発生する磁場の強さが大きくなる。よって、流路22を流れる磁気粘性流体の粘性が高くなって、緩衝器100が発生する減衰力が大きくなる。
一方、バイパス流路23は、ピストンコア30の第一コア31に形成される第一貫通孔23aと、第二コア32及びコイルアセンブリ33に形成される第二貫通孔23bとによって形成される。ピストンコア30とプレート40との間には、環状のバイパス分岐路25が画成される。バイパス流路23は、一端がバイパス分岐路25を介して流路22aに連通し、他端がピストン20の端面32eに開口する。
バイパス流路23は、磁性材からなるピストンコア30を軸方向に貫通する第一貫通孔23a及び第二貫通孔23bによって画成される。コイル33aはピストンコア30の外周部に内蔵される。そのため、バイパス流路23を流れる磁気粘性流体は、コイル33aの磁場の影響を受けにくい。
バイパス流路23が設けられることによって、コイル33aの電流値が調整されるときに生じる圧力変動が緩和される。したがって、急激な圧力変動による衝撃や騒音等の発生が防止される。緩衝器100では、要求される減衰特性に応じてバイパス流路23の第一貫通孔23aの内径や長さが設定される。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
緩衝器100では、フラックスリング35の一端35aに圧入されロウ付けによって接合されるプレート40が固定ナット50とピストンコア30の段部30dとの間に挟持されることによって、フラックスリング35がピストンコア30に対して軸方向に固定される。このため、フラックスリング35の他端35b側には、フラックスリング35をピストンコア30に対して固定させるための部材を設ける必要がない。したがって、緩衝器100のピストン20の全長を短くすることができる。
次に、図5を参照して、本発明の実施形態の変形例に係る磁気粘性流体緩衝器(以下、単に「緩衝器」と称する。)200について説明する。なお、変形例では、前述した実施の形態と同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
緩衝器200は、プレート40を固定ナット50ではなく止め輪としてのCリング270を用いて固定する点で、上記実施形態に係る緩衝器100と相違する。
ピストンロッド21の一端21a近傍の外周には、Cリング270が設けられる位置に対応して、Cリング270の外形に対応した形状に形成される環状溝21eが形成される。
ストッパ250は、略円筒状に形成され、第一コア31の小径部30aの外周に嵌合する。ストッパ250は、先端部250aがプレート40と当接する。ストッパ250は、基端部250bの内周面に、端面に向かって拡径されるテーパ状に形成されるテーパ部250cを有する。
テーパ部250cは、Cリング270と当接する。テーパ部250cがCリング270と当接した状態では、ストッパ250がそれ以上ピストンロッド21の他端21bに向けて軸方向へ移動できない。
Cリング270は、円形断面に形成されるリングである。Cリング270は、周の一部が開口するC型のリング状に形成される。Cリング270は、内周に縮まろうとする力によって環状溝21eに嵌合する。Cリング270は、ストッパ250のテーパ部250cと当接し、ストッパ250の基端部250bの軸方向の位置を規定する。
以下では、ピストン20の組み立て手順について説明する。
まず、予めフラックスリング35とプレート40とを一体化しておき、一体に組み立てておいたピストンコア30に組み付ける。具体的には、プレート40をピストンコア30の第一コア31の小径部30aの外周に嵌めこみ、第一コア31の段部30dに当接させる。この状態では、プレート40は、段部30dに当接しているのみで、軸方向に固定されてはいない。
次に、ピストンロッド21とストッパ250とを組み立てる。まず、ピストンロッド21の環状溝21eにCリング270を嵌合させる。そして、ピストンロッド21の一端21aからストッパ250を嵌め込む。ストッパ250は、基端部250bの内周面のテーパ部250cにCリング270が当接して、軸方向の位置が規定される。
最後に、ピストンロッド21とピストンコア30とを組み立てる。具体的には、ピストンコア30の第一コア31の雌ねじ31cとピストンロッド21の雄ねじ21dとを螺合する。このとき、ピストンコア30の先端部33eとピストンロッド21の一端21aとの間に、予めOリング34を挿入しておく。
そして、ピストンコア30をピストンロッド21に対して回転させてゆくと、ピストンコア30の第一コア31の段部30dとストッパ250の先端部250aとの間に、ピストンコア30に予め組み付けておいたプレート40が挟持される。これにより、ピストン20の組立が完了する。
このように、ピストンコア30の第一コア31のピストンロッド21に対する締結力によって、プレート40は、ストッパ250に押し付けられて固定される。したがって、ピストンロッド21にピストンコア30を締結するだけでピストン20を容易に組み立てることができる。また、ピストンコア30の締結力によってピストン20の各部材を堅固に固定できるため、各部材の回転が防止されるとともに、振動が抑制される。
以上の変形例によっても同様に、フラックスリング35の一端35aに圧入されロウ付けによって接合されるプレート40がストッパ250とピストンコア30の段部30dとの間に挟持されることによって、フラックスリング35がピストンコア30に対して軸方向に固定される。このため、フラックスリング35の他端35b側には、フラックスリング35をピストンコア30に対して固定させるための部材を設ける必要がない。したがって、緩衝器200のピストン20の全長を短くすることができる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
緩衝器100,200は、磁界の作用によって見かけの粘度が変化する磁気粘性流体が封入されるシリンダ10と、シリンダ10内に摺動自在に配置され、シリンダ10内に一対の流体室11,12を画成するピストン20と、ピストン20に連結されてシリンダ10の外部へ延在するピストンロッド21と、を備え、ピストン20は、ピストンロッド21の端部に取り付けられ、外周にコイル33aが設けられるピストンコア30と、ピストンコア30の外周を取り囲み、ピストンコア30との間に磁気粘性流体の流路22を形成するフラックスリング35と、環状に形成されてピストンロッド21の外周に配置され、フラックスリング35の一端35aに外周面40bが収容され、ロウ付けによる金属層60によってフラックスリング35に接合されるプレート40と、ピストンコア30との間にプレート40を挟持する固定ナット50またはストッパ250と、を備えることを特徴とする。
この構成では、フラックスリング35の一端35aに収容されロウ付けによって接合されるプレート40が固定ナット50またはストッパ250とピストンコア30との間に挟持されることによって、フラックスリング35がピストンコア30に対して軸方向に固定される。このため、フラックスリング35の他端35b側には、フラックスリング35をピストンコア30に対して固定させるための部材を設ける必要がない。したがって、緩衝器100のピストン20の全長を短くすることができる。
また、フラックスリング35は、一端35aから軸方向に凹状に形成される環状凹部35eを有し、プレート40の外周面40bは、環状凹部35e内に収容されることを特徴とする。
この構成では、プレート40の外周面40bが、環状凹部35e内に収容される。このため、プレート40をフラックスリング35に組み付けるためにプレート40に突出部等を形成する必要がなく、プレート40をシンプルな平板状とすることができる。この結果、緩衝器100,200の製造コストを低減することができる。
また、フラックスリング35は、一端35a側に他の部分と比較して外径が小さく形成される小径部35hを有し、小径部35hの軸方向の長さは、環状凹部35eの深さ以上に設定されることを特徴とする。
この構成では、環状凹部35eの深さ以上の長さを有する小径部35hがフラックスリング35の一端35a側に設けられる。このため、環状凹部35eにプレート40が圧入等によって収容される際にフラックスリング35の一端35a側が径方向外側に膨らんだとしても、シリンダ10とピストン20との摺動面において、かじり等が発生することを防止することができる。加えて、プレート40がフラックスリング35に圧入等によって収容された後にフラックスリング35の外径を再加工等する必要がないため、緩衝器100,200の製造コストを低減することができる。
また、フラックスリング35は、環状凹部35eの段部35gがプレート40の一端面40cと当接することによって軸方向の位置が規定されることを特徴とする。
この構成では、固定ナット50またはストッパ250とピストンコア30との間に挟持されるプレート40の一端面40cに、環状凹部35eの段部35gが当接することにより、ピストンコア30に対するフラックスリング35の軸方向の位置が規定される。このように、プレート40によって、ピストンコア30とフラックスリング35との軸方向における位置関係を容易に設定することができる。
また、フラックスリング35は、環状凹部35eの内周面35fとプレート40の外周面40bとの間に形成される金属層60によってプレート40に接合されることを特徴とする。
また、金属層60は、溶融した状態でフラックスリング35の一端35a側からプレート40とフラックスリング35との間に流し込まれる銅系金属で形成されることを特徴とする。
これらの構成では、フラックスリング35の一端35a側からプレート40とフラックスリング35との間に溶融した銅系金属が流れ込み、冷却後に凝固し、金属層60となる。このため、フラックスリング35とプレート40とは、プレート40の外周面40bがフラックスリング35の内周面35fに圧入等によって組み付けられることに加えて、金属層60によって、強固に接合される。また、これらの構成では、溶融した金属が、プレート40の他端面40dから軸方向に流れ込む構成である。このため、溶融した金属が外周面から径方向に流れ込む場合と比較し、ロウ付け作業の前後に、ロウ付け用の金属が載置されているか否かや金属層60が形成されているか否かを目視にて容易に確認することができる。
また、流路22は、フラックスリング35の他端35b側において環状に連続して開口することを特徴とする。
この構成では、フラックスリング35の他端35b側にはフラックスリング35とピストンコア30とを結合する部材が配置されないため、流路22は、他端35b側において環状に連続して開口する。この結果、流路22の流通抵抗を低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、緩衝器100,200は、コイル33aに電流を供給する一対の配線がピストンロッド21の内周を通過するものである。よって、コイル33aに印加された電流を外部に逃がすアースを廃止することができる。しかしながら、この構成に代えて、コイル33aに電流を印加する一本の配線のみがピストンロッド21の内部を通過するようにして、ピストンロッド21自体を通じて外部にアースされる構成としてもよい。
100,200・・・緩衝器(磁気粘性流体緩衝器)、10・・・シリンダ、11,12・・・流体室、20・・・ピストン、21・・・ピストンロッド、22・・・流路、30・・・ピストンコア、33・・・コイルアセンブリ、33a・・・コイル、35・・・フラックスリング(リング体)、35a・・・一端、35b・・・他端、35c・・・外周面、35d・・・内周面、35e・・・環状凹部、35f・・・内周面、35g・・・段部(底面)、35h・・・小径部、40・・・プレート、40b・・・外周面(外縁)、40c・・・一端面、40d・・・他端面、40e・・・面取部、50・・・固定ナット(ストッパ)、60・・・金属層、250・・・ストッパ
Claims (6)
- 磁界の作用によって見かけの粘度が変化する磁気粘性流体が封入されるシリンダと、
前記シリンダ内に摺動自在に配置され、前記シリンダ内に一対の流体室を画成するピストンと、
前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延在するピストンロッドと、を備える磁気粘性流体緩衝器であって、
前記ピストンは、
前記ピストンロッドの端部に取り付けられ、外周にコイルが設けられるピストンコアと、
前記ピストンコアの外周を取り囲み、前記ピストンコアとの間に磁気粘性流体の流路を形成するリング体と、
環状に形成されて前記ピストンロッドの外周に配置され、前記リング体の一端に外縁が収容され、ロウ付けによる金属層によって前記リング体に接合されるプレートと、
前記ピストンコアとの間に前記プレートを挟持するストッパと、を備えることを特徴とする磁気粘性流体緩衝器。 - 前記リング体は、前記一端から軸方向に凹状に形成される環状凹部を有し、
前記プレートの前記外縁は、前記環状凹部内に収容されることを特徴とする請求項1に記載の磁気粘性流体緩衝器。 - 前記リング体は、前記一端側に他の部分と比較して外径が小さく形成される小径部を有し、
前記小径部の軸方向の長さは、前記環状凹部の深さ以上に設定されることを特徴とする請求項2に記載の磁気粘性流体緩衝器。 - 前記リング体は、前記環状凹部の底面が前記プレートの一端面と当接することによって軸方向の位置が規定されることを特徴とする請求項2または3に記載の磁気粘性流体緩衝器。
- 前記リング体は、前記環状凹部の前記内周面と前記プレートの前記外縁との間に形成される前記金属層によって前記プレートに接合されることを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の磁気粘性流体緩衝器。
- 前記金属層は、溶融した状態で前記リング体の前記一端側から前記プレートと前記リング体との間に流し込まれる銅系金属で形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の磁気粘性流体緩衝器。
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