JP2017053207A - 空隙充填方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】本発明は、ウレタン系充填材による水に強いという特徴を維持しながらも、軽量固形充填材の併用により強度の向上を図ると共に、使用ウレタン量を削減し、ウレタン系材料の高価格を是正した。さらに、軽量固形充填材の使用により、モルタル系材料と比べて大幅な軽量化を実現し、トンネル等の構造物への負担を軽減する空隙充填方法を提供することを目的とした。【構成】本発明の空隙充填方法は、トンネル等の地中構造物と、その周囲地山との空隙に充填材を充填する方法であり、ポリイソシアネ−トを主成分とするA成分と、ポリオ−ルを主成分とするB成分の2液を一定比率で混合すると共に、軽量固形粒子状充填物C成分を、前記A成分およびB成分と一緒に前記空隙内に注入し、発泡硬化させて空隙内に充填することを特徴とする。【選択図】 図1
Description
本発明は、トンネル等の地中構造物と、その周囲地山との間の空隙に充填材を充填する方法に関するものである。
トンネル等の地中構造物における背面空隙の充填には、従来、モルタル系材料(モルタル、エアモルタル等)による工法等が実施されてきた。
しかし、これらの材料を使用すると、水分が豊富な地山の場合、トンネル背面の空隙に水が涌いてくる事があり、モルタル系材料は水の存在により硬化が不十分になると共に材料自体が流されて完全に充填されないケースが生じる事があった。
この対策として、特許文献1に記載のウレタン系発泡材による充填工法が開発された。ウレタン材料は水分の存在下でも硬化し、溶解して流れることがない利点を有していた。
しかし、ウレタン系材料はモルタル系材料と比べて強度が低く、価格も高いという欠点があり、利用が促進されていなかった。
しかし、これらの材料を使用すると、水分が豊富な地山の場合、トンネル背面の空隙に水が涌いてくる事があり、モルタル系材料は水の存在により硬化が不十分になると共に材料自体が流されて完全に充填されないケースが生じる事があった。
この対策として、特許文献1に記載のウレタン系発泡材による充填工法が開発された。ウレタン材料は水分の存在下でも硬化し、溶解して流れることがない利点を有していた。
しかし、ウレタン系材料はモルタル系材料と比べて強度が低く、価格も高いという欠点があり、利用が促進されていなかった。
本発明は、上記のような問題点を解決するために開発されたもので、ウレタン系充填材による水に強いという特徴を維持しながらも、軽量固形充填材の併用により強度の向上を図ると共に、使用ウレタン量を削減し、ウレタン系材料の高価格を是正した。
さらに、軽量固形充填材の使用により、モルタル系材料と比べて大幅な軽量化を実現し、トンネル等の構造物への負担を軽減する空隙充填方法を提供することを目的とした。
さらに、軽量固形充填材の使用により、モルタル系材料と比べて大幅な軽量化を実現し、トンネル等の構造物への負担を軽減する空隙充填方法を提供することを目的とした。
本発明は、トンネル等の地下構造物と、地山との間に生じる空隙に充填材を充填する方法において、ポリイソシアネートとポリオールを混合・充填すると共に、軽量固形粒子状充填物を一緒に注入させることを特徴とし、ウレタンが発泡硬化する事で、前記軽量固形粒子状充填物が空隙内で固定され、地震や、その他の振動や、山崩れ等で空隙内の充填物が移動・偏り、再び空隙が生じないと共に軽量固形充填材の効果により注入材全体の強度を向上させるものである。
また、軽量固形充填材を併用することによりウレタン系材料の使用量を低下させ、施工単価を減じさせることが可能になる。
また、軽量固形充填材を併用することによりウレタン系材料の使用量を低下させ、施工単価を減じさせることが可能になる。
本発明の空隙充填方法によれば、モルタル系充填材を使用する方法のように土中の水の影響で硬化が不十分になったり、未硬化のモルタルペーストが流されて空隙の未充填を引き起こしたりする事を防ぐとともに、ウレタン系材料を単独で使用する場合の、地震や山崩れで、地山が崩壊した場合に土砂の堆積で注入材がつぶれてトンネル本体へダメージを与える影響を軽減する効果がある。
また、高価なウレタン系材料の使用量を削減し、施工コストを低減させる効果も期待できる。
また、高価なウレタン系材料の使用量を削減し、施工コストを低減させる効果も期待できる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明によるトンネル背面の空隙充填方法は、軽量で耐水硬化性が高く、かつ速硬化性であるウレタン系発泡剤と軽量骨材を一緒に充填することにより、モルタル系充填材に付随する欠点とウレタン系充填材に付随する欠点を同時に解消した、効率的で適応範囲が広いトンネル背面の空隙充填方法である。
本発明によるトンネル背面の空隙充填方法は、軽量で耐水硬化性が高く、かつ速硬化性であるウレタン系発泡剤と軽量骨材を一緒に充填することにより、モルタル系充填材に付随する欠点とウレタン系充填材に付随する欠点を同時に解消した、効率的で適応範囲が広いトンネル背面の空隙充填方法である。
これまでのトンネル背面の空隙の補修にはモルタル系充填材が用いられていた。モルタル系の材料は安価で強度もあるが、以下に述べる欠点を有していた。モルタル系材料は水和反応で硬化するためにセメント粉体を水と混合し充填する必要がある。しかし、そのメカニズム上余剰な水分の揮発が必要であり、地下水の湧出等の土壌水分の多い地山ではペーストが硬化せず流れてしまうことが多々あった。
また、セメントと水分の和と比較して水和物の体積が小さくなる水和収縮を起こす為、ひび割れや空隙が残ってしまうなどの欠点もあった。
また、上記のように効果に際して事前に水と混合し、かつ水和物の析出による硬化を防ぐためにコンクリートミキサー車で常時攪拌しておく必要があり、規模の大きな施工現場では数多くのミキサー車が必要であった。
また、これらの重いペースト材料を注入するために大型のポンプ車も必要であり、総じて工事に係る機材が大規模にならざるを得なかった。
また、セメントと水分の和と比較して水和物の体積が小さくなる水和収縮を起こす為、ひび割れや空隙が残ってしまうなどの欠点もあった。
また、上記のように効果に際して事前に水と混合し、かつ水和物の析出による硬化を防ぐためにコンクリートミキサー車で常時攪拌しておく必要があり、規模の大きな施工現場では数多くのミキサー車が必要であった。
また、これらの重いペースト材料を注入するために大型のポンプ車も必要であり、総じて工事に係る機材が大規模にならざるを得なかった。
この欠点を改善するためにウレタン系発泡材による裏込め注入法が考案された。ウレタン系材料におけるポリイソシアネートとポリオールの反応は水分の存在下でも進行するため、地下水等が湧く地山でも硬化し止水効果を示す。
また、ウレタンはモルタル系のような無機材料と比較して密度が小さく軽量であるため、トンネル本体に対する負担が小さい。特に発泡させるため密度の差は大きくなる。しかも、発泡させるために原料の重量ベースで使用量が少なく資材運搬や機材がコンパクトになるという利点がある。
また、ウレタンはモルタル系のような無機材料と比較して密度が小さく軽量であるため、トンネル本体に対する負担が小さい。特に発泡させるため密度の差は大きくなる。しかも、発泡させるために原料の重量ベースで使用量が少なく資材運搬や機材がコンパクトになるという利点がある。
しかし、発泡ウレタン系材料は有機材料であるウレタン樹脂をさらに発泡させているために強度が弱いという欠点があった。
そこで、本発明ではウレタン系材料の特長を活かしながら、欠点を解消するために、ウレタン系材料と軽量骨材を組み合わせた。
軽量骨材は、軽石などをのぞけば人工的に生産され、セメントと組み合わせてモルタルの軽量化に用いられ、土木の分野で実績がある。軽量骨材には膨張頁岩系、真珠岩系や黒曜石系などのパーライト系、フライアッシュ系、再生ガラス系、などがあり熱を加えて発泡させ軽量化している。発泡倍率が高いほど密度が低く軽量化されるが、強度も低下する。密度と強度のバランスを考慮して選択することが望ましい。骨材の密度が1.5Kg/mm3
を超えると充填材全体の重量が増加し、発泡ウレタンを用いて軽量化する効果が薄れてしまうため、これ以下が望ましい。また骨材の粒子径については80mm以下が望ましい。より大きな粒子では空隙に充填するのが困難になると共に、配送・充填の装置が大掛かりになり施工が面倒になる。また空隙内での充填状況だが、トンネル本体と地山と骨材の接触状態が不安定になり、部分的に空隙を残す可能性が出る。
これをウレタン系材料と一緒に背面空隙に注入することで、該軽量骨材は空隙内で均一に接触充填されると共に、骨材間が発泡ウレタン樹脂で満たされるため、空隙が無くなり、地山と一体化されるため地山の反力が期待できる。また地震や地すべりなどで岩盤が崩壊した際も発泡ウレタンで固定化された軽量骨材が土砂を支えるため、充填部がつぶれることを防ぐ効果がある。またモルタル系に軽量骨材、あるいはより軽いエアモルタル系に軽量骨材の組み合わせと比較しても、充填部の重量はより軽く、かつ圧縮強度はエアモルタルに匹敵するレベルである。したがってトンネル本体への負担が少なく十分な強度を持った充填材であると言える。
そこで、本発明ではウレタン系材料の特長を活かしながら、欠点を解消するために、ウレタン系材料と軽量骨材を組み合わせた。
軽量骨材は、軽石などをのぞけば人工的に生産され、セメントと組み合わせてモルタルの軽量化に用いられ、土木の分野で実績がある。軽量骨材には膨張頁岩系、真珠岩系や黒曜石系などのパーライト系、フライアッシュ系、再生ガラス系、などがあり熱を加えて発泡させ軽量化している。発泡倍率が高いほど密度が低く軽量化されるが、強度も低下する。密度と強度のバランスを考慮して選択することが望ましい。骨材の密度が1.5Kg/mm3
を超えると充填材全体の重量が増加し、発泡ウレタンを用いて軽量化する効果が薄れてしまうため、これ以下が望ましい。また骨材の粒子径については80mm以下が望ましい。より大きな粒子では空隙に充填するのが困難になると共に、配送・充填の装置が大掛かりになり施工が面倒になる。また空隙内での充填状況だが、トンネル本体と地山と骨材の接触状態が不安定になり、部分的に空隙を残す可能性が出る。
これをウレタン系材料と一緒に背面空隙に注入することで、該軽量骨材は空隙内で均一に接触充填されると共に、骨材間が発泡ウレタン樹脂で満たされるため、空隙が無くなり、地山と一体化されるため地山の反力が期待できる。また地震や地すべりなどで岩盤が崩壊した際も発泡ウレタンで固定化された軽量骨材が土砂を支えるため、充填部がつぶれることを防ぐ効果がある。またモルタル系に軽量骨材、あるいはより軽いエアモルタル系に軽量骨材の組み合わせと比較しても、充填部の重量はより軽く、かつ圧縮強度はエアモルタルに匹敵するレベルである。したがってトンネル本体への負担が少なく十分な強度を持った充填材であると言える。
しかもウレタン系材料で、ポリイソシアネートとポリオールの反応は数秒から数分の単位で制御可能であり、モルタル系の水和反応による完全硬化時間と比較して格段に短くなると言う利点がある。また上記のように施工に要する機材もモルタル系と比較すると格段にコンパクトになる。
本発明による効果を検証するために以下の実証実験を行った。
トンネル背面空隙を模した閉鎖空間に注入口を設け、人工軽量骨材として膨張頁岩系材料であるメサライトの粗骨材(粒子径2〜35mm)を最密充填となるよう充填した。
骨材充填後、A成分とB成分を100:63の割合で混合・攪拌した後、注入口より注入し発泡・硬化させた。硬化後閉鎖空間内の硬化物を取り出した。
硬化物は骨材間に発泡ウレタンが浸透し複合化された形態となっていた。これを100mm×100mm×50mmの立方体に8供試体を切り出して密度の測定と圧縮強度の測定を行った。
測定の結果を表1に示す。
複合硬化物の圧縮強度は、JIS K7220に準拠して測定した8供試体の平均値で1.9N/mm2(1.65〜2.18N/mm2)を示し、モルタル系の一般的な基準値である1.5N/mm2を超える値を示した。また、密度については8供試体の平均値で629Kg/m3(614〜661 Kg/m3)とモルタル系と比してかなり低い値を示した。
トンネル背面空隙を模した閉鎖空間に注入口を設け、人工軽量骨材として膨張頁岩系材料であるメサライトの粗骨材(粒子径2〜35mm)を最密充填となるよう充填した。
骨材充填後、A成分とB成分を100:63の割合で混合・攪拌した後、注入口より注入し発泡・硬化させた。硬化後閉鎖空間内の硬化物を取り出した。
硬化物は骨材間に発泡ウレタンが浸透し複合化された形態となっていた。これを100mm×100mm×50mmの立方体に8供試体を切り出して密度の測定と圧縮強度の測定を行った。
測定の結果を表1に示す。
複合硬化物の圧縮強度は、JIS K7220に準拠して測定した8供試体の平均値で1.9N/mm2(1.65〜2.18N/mm2)を示し、モルタル系の一般的な基準値である1.5N/mm2を超える値を示した。また、密度については8供試体の平均値で629Kg/m3(614〜661 Kg/m3)とモルタル系と比してかなり低い値を示した。
Claims (3)
- トンネル等の地中構造物と、その周囲地山との空隙に充填材を充填する方法であり、
ポリイソシアネ−トを主成分とするA成分と、ポリオ−ルを主成分とするB成分の2液を一定比率で混合すると共に、
軽量固形粒子状充填物C成分を、前記A成分およびB成分を混合したものと一緒に、前記空隙内に注入し、発泡硬化させて空隙内に充填することを特徴とする空隙充填方法。 - C成分を密度0.01〜1.5の粒子状固形物としたことを特徴とする請求項1記載の空隙充填方法。
- C成分の粒子径を1〜80mmとしたことを特徴とする請求項2記載の空隙充填方法。
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CN111119904A (zh) * | 2019-12-18 | 2020-05-08 | 浙江大学城市学院 | 软弱围岩岩溶段隧道施工方法 |
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2016
- 2016-09-08 JP JP2016175563A patent/JP2017053207A/ja active Pending
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CN111119904A (zh) * | 2019-12-18 | 2020-05-08 | 浙江大学城市学院 | 软弱围岩岩溶段隧道施工方法 |
CN111119904B (zh) * | 2019-12-18 | 2021-03-30 | 浙江大学城市学院 | 软弱围岩岩溶段隧道施工方法 |
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