JP2017052361A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッド部のタイヤ周方向での陸部剛性を高めつつ、ウェット性能を向上させることが可能な空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッド踏面に、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも2本の周方向主溝と、相互に隣り合う2本の前記周方向主溝で区画される少なくとも1本のリブ状陸部と、を備えた空気入りタイヤであって、前記リブ状陸部は、タイヤ周方向に延びる周方向サイプ部分を有する周方向サイプと、当該リブ状陸部内で両端が終端する両端閉口サイプと、を有し、前記リブ状陸部において、当該リブ状陸部の陸部幅を3つに等分し、タイヤ幅方向で中央の領域を中央領域および当該中央領域のタイヤ幅方向で両隣の領域を側方領域とするとき、前記周方向サイプ部分は前記中央領域のみに位置し、前記側方領域は前記両端閉口サイプを有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤでは、トレッド部の周方向主溝や幅方向溝等によって区画された陸部について、そのタイヤ周方向での剛性(周方向剛性)を向上させることで、タイヤの種々の性能を向上させることが提案されている(例えば特許文献1)。
特開平11−147407号公報
ここで、トレッド部におけるタイヤ周方向の陸部剛性を向上させることで、例えば制動性、駆動性、耐摩耗性等を向上させることができるが、そのようなタイヤにおいて、さらにウェット性能を向上させることが求められている。
そこで、本発明は、トレッド部におけるタイヤ周方向の陸部剛性を高めつつ、ウェット性能を向上させることが可能な空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも2本の周方向主溝と、相互に隣り合う2本の前記周方向主溝で区画される少なくとも1本のリブ状陸部と、を備えた空気入りタイヤであって、前記リブ状陸部は、タイヤ周方向に延びる周方向サイプ部分を有する周方向サイプと、当該リブ状陸部内で両端が終端する両端閉口サイプと、を有し、前記リブ状陸部において、当該リブ状陸部の陸部幅を3つに等分し、タイヤ幅方向で中央の領域を中央領域および当該中央領域のタイヤ幅方向で両隣の領域を側方領域とするとき、前記周方向サイプ部分は前記中央領域のみに位置し、前記側方領域は前記両端閉口サイプを有することを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤによれば、トレッド部におけるタイヤ周方向の陸部剛性を高めつつ、ウェット性能を向上させることができる。
なお、本発明において、「リブ状陸部」とは、両端が陸部を区画する周方向主溝に開口する、当該陸部を横断する溝が配設されていない陸部を指す。
また、本発明において、「サイプ」とは、タイヤをリムに装着し、タイヤの形状を保持する程度の圧力である内圧30kPaを適用した無負荷状態(以下、「タイヤをリムに装着し、タイヤの形状を保持する程度の圧力である内圧30kPaを適用した無負荷状態」を「低圧無負荷状態」とも称す)において、そのトレッド踏面への開口幅が2mm以下のものをいう。また「溝」とは、低圧無負荷状態において、トレッド踏面への開口幅が2mm超となるものをいう。
また、本発明において、「タイヤ周方向に延びる周方向サイプ部分」の「タイヤ周方向に延びる」とは、タイヤ周方向に対して20°以下の傾斜角度で延在することをいう。
以下、特に断りのない限り、トレッド踏面の各要素の寸法等は、低圧無負荷状態においてトレッド踏面の展開図上で測定されるものとする。
なお、本発明において、上記の「リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(即ち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTOのSTANDARDS MANUAL 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。
ここで本発明の空気入りタイヤでは、前記リブ状陸部の陸部幅をWとしたとき、トレッド踏面展開視において、少なくとも1つの前記両端閉口サイプの図心を中心とし半径を0.15Wとする円で囲まれる領域内には、当該両端閉口サイプ以外の溝およびサイプのいずれも存在しないことが好ましい。この構成によれば、トレッド部におけるタイヤ周方向の陸部剛性をより高めつつ、ウェット性能をより向上させることができる。
なお、本発明において、リブ状陸部の「陸部幅」とは、リブ状陸部をタイヤ幅方向に沿って測った長さを指す。
また、本発明において、「両端閉口サイプの図心」とは、タイヤを上記の低圧無負荷状態にし、トレッド踏面展開視における両端閉口サイプの平面形状の重心を指す。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記リブ状陸部の陸部幅をWとしたとき、トレッド踏面展開視において、少なくとも1つの前記両端閉口サイプの図心を中心とし半径を0.50Wとする円で囲まれる領域内には、当該両端閉口サイプ以外に、当該両端閉口サイプ以外の溝およびサイプのいずれかがさらに存在することが好ましい。この構成によれば、ウェット性能をさらに向上させることができる。
本発明によれば、トレッド部におけるタイヤ周方向の陸部剛性を高めつつ、ウェット性能を向上させることが可能な空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ幅方向半部のタイヤ幅方向概略断面図である。 図1の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す、展開図である。 図2に示すトレッドパターンの展開図の一部拡大図である。 図2の空気入りタイヤのa−a’線に沿う断面を示す図である。 図2に示す空気入りタイヤのトレッドパターンにおいて、サイプの配設ピッチをタイヤ周方向で変化させたトレッドパターンを示す展開図である。 図5に示す空気入りタイヤのトレッドパターンの変形例を示す展開図である。 図1に示す空気入りタイヤの斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す、展開図である。 (a)広幅のラジアルタイヤのウェット性能について説明するための図であり、(b)狭幅のラジアルタイヤのウェット性能について説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ幅方向半部のタイヤ幅方向概略断面図である。 ベルト構造の一例を示す概略的な平面図である。 ベルト構造の他の例を示す概略的な平面図である。 ベルト構造の別の例を示す概略的な平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ幅方向半部のタイヤ幅方向概略断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ幅方向半部のタイヤ幅方向概略一部断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態に係る空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称す)について、詳細に例示説明する。なお、以下の記載および図面は、本発明に係るタイヤを説明するための一例であり、本発明は記載および図示された形態に何ら限定されない。
本発明に係る空気入りタイヤ1は、図1に示すように、例えば、一対のビード部21間でトロイダル状に跨るラジアル配列コードのカーカスプライからなるカーカス22と、当該カーカス22のタイヤ半径方向外側に設けられたトレッドゴム23とを少なくとも備えている。
より具体的には、トレッド部24と、トレッド部24の側部に連続してタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部25と、各サイドウォール部25のタイヤ半径方向の内端に連続するビード部21とを備えるとともに、一方のビード部21から他方のビード部21までトロイダル状に延びて上記各部を補強する1枚以上のカーカスプライからなるカーカス22を備えている。ビード部21にはビードコアが埋設されている。そしてさらに、上記ビード部21の補強部材として、ビード部21の外側面にゴムチェーファを備え、カーカス22のクラウン部に1層以上のベルト層からなるベルト26を備えている。また、カーカス22のクラウン部のタイヤ半径方向外側にはトレッドゴム23が設けられている。
また、図2、7に示すこの実施形態では、トレッド踏面Tに、タイヤ周方向に連続して延びる周方向主溝3が少なくとも2本設けられている。なお、図示の例では、タイヤ周方向に沿って展開図上直線状に連続して延びる周方向主溝3が2本設けられているが、周方向主溝3を3本以上設けることもできる。また、図2では、周方向主溝3は、タイヤ周方向に沿って直線状に延びる延在形態を示しているが、周方向主溝3はタイヤ周方向に連続的に延びるものであればよく、例えば、ジグザグ状、波状等の延在形態とすることができる。
また、この実施形態では、相互に隣り合う2本の周方向主溝3で区画される、少なくとも1本のリブ状陸部4を備えており、図示の例では、1本のリブ状陸部4がトレッド踏面Tのセンターに位置している。さらに、周方向主溝3のうち最もタイヤ幅方向外側に位置する周方向主溝3およびトレッド接地端Eで区画される、トレッド踏面Tのショルダー側に位置するショルダー陸部5を備えている。
この実施形態では、リブ状陸部4は、タイヤ周方向に連続しており、具体的には、両端が当該陸部を区画する周方向主溝3に開口する、当該リブ状陸部4を横断するような溝を有しない。
また、リブ状陸部4は、陸部幅Wを有しており、また、図3に一部を拡大して示すように、リブ状陸部4の陸部幅Wを3つに等分し、タイヤ幅方向で中央の領域を中央領域CRおよび当該中央領域CRのタイヤ幅方向で両隣の領域を側方領域SRとする。
さらに、この実施形態では、図3に示すように、リブ状陸部4は、タイヤ周方向に延びる周方向サイプ部分61を有する周方向サイプ6と、当該リブ状陸部4内で両端が終端する両端閉口サイプ7と、を有している。また、周方向サイプ6の周方向サイプ部分61は中央領域CRのみに位置し、側方領域SRは両端閉口サイプ7を有している。
具体的には、この実施形態では、周方向サイプ6は、中央領域CRのみに位置してタイヤ周方向に延びる周方向サイプ部分61と、当該周方向サイプ部分61からタイヤ幅方向に、好ましくはタイヤ幅方向に対して60°以下の傾斜角度で延在して、リブ状陸部4を区画する周方向主溝3に開口する幅方向サイプ部分62とを備えている。また、図示の例では、周方向サイプ部分61は、中央領域CRにおいて、リブ状陸部4のタイヤ幅方向中心線に対してタイヤ幅方向一方の陸部半部に位置しており、また、タイヤ周方向に沿って延在している。さらに、幅方向サイプ部分62は、周方向サイプ部分61のタイヤ周方向一方の端部からタイヤ幅方向中心線に対してタイヤ幅方向一方側に、周方向サイプ部分61に対してタイヤ周方向一方側に傾斜しながら延在している。
また、この実施形態では、両端閉口サイプ7は、周方向主溝3に対して直接的および間接的に開口しない(他のサイプや溝を介して周方向主溝3に連通しない)ものである。また、図2、7に示す例では、両端閉口サイプ7は、トレッド踏面視で円形のサイプ、すなわち、円形の小穴としてされている。また、両端閉口サイプ7は、周方向サイプ6の周方向サイプ部分61と、当該周方向サイプ6を配設したリブ状陸部4を区画する周方向主溝3との間の側方領域SRに位置し、図示の例では、両端閉口サイプ7は、側方領域SRのみに位置している。
なお、本発明では、周方向サイプ6は、図示の形状に限定されることなく、タイヤ周方向に延びる周方向サイプ部分を有すれば任意の形状にすることができ、例えば周方向サイプ部分61のみで構成すること、周方向サイプ部分61と1本以上のサイプ部分で構成し、当該1本以上のサイプ部分のうちの一部またはすべてを周方向主溝3に開口しないサイプ部分にすること等できる。また、両端閉口サイプ7は、図示の形状に限定されることなく、両端が陸部内で終端すれば任意の形状にすることができ、例えば直線状、曲線状等の形状、或いは、全ての端が陸部内で終端する十字状の形状等にすることができる。なお、この実施形態では、両端閉口サイプ7は、タイヤ周方向に対して20°以下の傾斜角度で延在するサイプ部分を含まない。また、この実施形態では、リブ状陸部4に配設される両端閉口サイプ7は、好ましくは側方領域SRのみに位置するように配設されるが、中央領域CRにも位置するように配設することもできる。
この実施形態では、周方向サイプ部分61を有する周方向サイプ6および両端閉口サイプ7は、それぞれタイヤ周方向に複数設けられている。具体的には、それぞれの周方向サイプ6は、リブ状陸部4において、後述するピッチ長L(以下、周方向サイプ6のピッチ長を「ピッチ長L」と称す)で、タイヤ周方向に並んで配設され、また、両端閉口サイプ7は、1本の周方向サイプ6に対して1本(1個)以上の数で1組のサイプセットとして、タイヤ周方向に並んで配設されている。
なお、ピッチ長Lは、タイヤ周方向で変化せず一定であってもよいし、タイヤ周方向で変化して一定ではなくてもよい。
また、図示の例では、リブ状陸部4のタイヤ幅方向中心線に対してタイヤ幅方向一方側の陸部半部に配設される1組の周方向サイプ6および両端閉口サイプ7と、タイヤ幅方向他方側の陸部半部に配設される1組の周方向サイプ6および両端閉口サイプ7とは、相互にタイヤ周方向にずれ、また、リブ状陸部4のタイヤ幅方向中心線上の1点を中心として点対称になっている。
より具体的には、図示の例では、1本のリブ状陸部4中の中央領域CRにおいて、複数の周方向サイプ6の周方向サイプ部分61が、相互にタイヤ周方向に離間しつつリブ状陸部4のタイヤ幅方向中心線を挟んで両側に2列構成されている。また、1本のリブ状陸部4中の2つの側方領域SRにおいて、複数の両端閉口サイプ7が、相互にタイヤ周方向に離間しつつそれぞれ領域SRで1列ずつ構成されている。
なお、この実施形態では、周方向サイプ6および両端閉口サイプ7は、それぞれ任意の配置にすることができる。また、リブ状陸部4のタイヤ幅方向中心線に対してタイヤ幅方向両側のそれぞれの陸部半部に周方向サイプ6および両端閉口サイプ7を配設しているが、一方側のみに周方向サイプ6および両端閉口サイプ7を配設し、他方側には任意のサイプを配設することもできる。さらに、この実施形態の周方向サイプ6の周方向サイプ部分61および幅方向サイプ部分62の形状はトレッド踏面展開視で直線状になっているが、湾曲した形状など任意にすることができる。
ここで、この実施形態の空気入りタイヤ1の作用・効果を、以下説明する。
この実施形態のタイヤ1では、トレッド踏面Tに構成した少なくとも1本の陸部を、相互に隣り合う2本の周方向主溝3で区画してリブ状陸部4としたので、当該陸部4について周方向剛性(周方向せん断剛性)を大きくすることができ、例えば耐摩耗性、制動性、駆動性、ウェット性能などの性能を向上させることができる。
しかし、周方向剛性の高いリブ状陸部では、湿潤走行時において、トレッドゴム表面が路面の凸凹に対して十分に追従しにくいので、タイヤが路面に接地した際の実接地面積が低下する傾向があり、ウェット性能が所期したほどには大きく向上しない場合があることがわかった。
この実施形態では、リブ状陸部4は、タイヤ周方向に延びる周方向サイプ部分61を有する周方向サイプ6を有するので、リブ状陸部4の周方向剛性を維持しつつリブ状陸部4の圧縮剛性を低減することができるので、トレッドゴム表面の路面に対する追従性が向上して路面に対する実接地面積が増大し、ウェット性能を向上させることができる。特に、周方向サイプ6のうち周方向サイプ部分61が、接地圧が相対的に大きくなる中央領域CRのみに位置するので、十分に路面に対する追従性を向上させることができ、それゆえにウェット性能を向上させることができる。なお、タイヤ周方向に延びるサイプをリブ状陸部4に設けると、例えばコーナリングパワーの低下の可能性が生じるおそれがあるが、リブ状陸部4の中央領域CRのみに、周方向サイプ部分61を配設するので例えばコーナリングパワーの低下の可能性を十分に抑制することができる。
また、リブ状陸部4は両端閉口サイプ7を有し、側方領域SRは両端閉口サイプ7を有するので、リブ状陸部4の周方向剛性を過度に低減させることなくリブ状陸部4の側方領域SRの圧縮剛性を低減させることができるので、ウェット性能を向上させることができる。
以上より、この実施形態のタイヤ1によれば、トレッド部24の周方向の陸部剛性を高めて、例えば耐摩耗性、制動性、駆動性、ウェット性能などの性能を向上させつつ、圧縮剛性を低減させて路面追従性を向上させることにより、ウェット性能を向上させることができる。
ところで、リブ状陸部4の陸部幅をWとするとき、リブ状陸部4が、トレッド踏面展開視において、少なくとも1つの両端閉口サイプ7の図心Oを中心とし半径R1を0.15Wとする円C1で囲まれる領域内には、当該両端閉口サイプ7以外の溝およびサイプのいずれも存在しないことが好ましい。
この構成によれば、両端閉口サイプ7の配設によるリブ状陸部4の周方向剛性の過度の低下を抑制して圧縮剛性を低減させることができるとともに、また、コーナリングパワーの低下も十分に抑制することができる。なお、図示の例ではすべての両端閉口サイプ7についての当該円C1で囲まれる領域内には、両端閉口サイプ7以外の溝およびサイプのいずれも存在しない。
なお、同様な観点からは、上記円C1は、両端閉口サイプ7の図心Oを中心とする半径R1が0.18Wであることがより好ましい。
また、リブ状陸部4全体に亘って周方向剛性の過度の低下を抑制しウェット性能を向上させる観点からは、図示の例のように、すべての両端閉口サイプ7についての円C1で囲まれる領域内には、当該両端閉口サイプ7以外の溝およびサイプのいずれも存在しないことがさらに好ましい。
また、トレッド踏面展開視において、少なくとも1つの両端閉口サイプ7の図心Oを中心とし半径R2を0.50Wとする円C2で囲まれる領域内には、当該両端閉口サイプ以外に、当該両端閉口サイプ7以外の溝およびサイプのいずれかがさらに存在することがさらに好ましい。
この構成によれば、リブ状陸部4の圧縮剛性を適切に低減させることができる。なお、図示の例では、すべての両端閉口サイプ7についての当該円C2で囲まれる領域内には、周方向サイプ6および当該両端閉口サイプ7にタイヤ周方向で隣り合う両端閉口サイプ7が存在している。
なお、同様な観点からは、上記円C2は、両端閉口サイプ7の図心Oを中心とする半径R2が0.45Wであることがより好ましい。
また、リブ状陸部4全体に亘って圧縮剛性を低減しウェット性能を向上させる観点からは、図示の例のように、すべての両端閉口サイプ7についての円C2で囲まれる領域内に、当該両端閉口サイプ7以外の溝およびサイプのいずれかが存在することがさらに好ましい。
また、ウェット性能の向上の観点からは、すべての両端閉口サイプ7の円C1で囲まれる領域内には、当該両端閉口サイプ7以外の溝およびサイプのいずれも存在せず、且つ、すべての両端閉口サイプ7の円C2で囲まれる領域内には、当該両端閉口サイプ7以外の溝およびサイプのいずれかが存在する、ことがさらに好ましい。
また、リブ状陸部4全体に亘って圧縮剛性を低減しウェット性能を向上させる観点からは、リブ状陸部4中の任意の点を中心O’とし半径R3を0.50Wとする円C3で囲まれる領域内に、溝およびサイプのいずれかが存在することが好ましい。
ところで、図2、7に示すように、周方向サイプ6が、リブ状陸部4を区画する周方向主溝3に開口することが好ましい(図示の例では、周方向サイプ6が幅方向サイプ部分62を有することで周方向主溝3に開口している)。この構成によれば、湿潤走行時において、陸部と路面との間に存在しうる水膜の除去を促し、ウェット性能をさらに向上させることができる。
また、両端閉口サイプ7は、上述のようにリブ状陸部4内で両端が終端する限り任意の形状にすることができるが、タイヤ幅方向せん断剛性の低下を抑制する観点からは、両端閉口サイプ7のタイヤ周方向に沿った方向に測った長さが、周方向サイプ6の周方向サイプ部分61のタイヤ周方向に沿った方向に測った長さよりも短いことが好ましい。また、両端閉口サイプ7は、この実施形態に示すように、トレッド踏面視で円形の小穴であることがより好ましい。
ここで、この実施形態のように、タイヤ周方向に並ぶ複数の周方向サイプ6が、リブ状陸部4においてピッチ長Lでタイヤ周方向に並んで配設されている場合には、リブ状陸部4において、複数本の周方向サイプ6をピッチ長L(mm)で配設するとともに、1つのピッチ長L(mm)と、1つのピッチ長L(mm)の範囲内に配設された周方向サイプ6と両端閉口サイプ7とのタイヤ周方向サイプ成分総長Ls(mm)との関係が、
0.6L≦Ls≦3L
であることが好ましい。この構成によれば、圧縮剛性を十分に低減するとともに、コーナリングパワーを十分に維持することができる。
なお、「ピッチ長L」とは、一の周方向サイプ6のタイヤ周方向一端から、当該一の周方向サイプ6とタイヤ周方向に隣り合う周方向サイプ6の対応するタイヤ周方向一端までを、タイヤ周方向に沿って測った展開図上での長さをいう。また、「1つのピッチ長Lの範囲内に配設された周方向サイプ6と両端閉口サイプ7とのタイヤ周方向サイプ成分総長Ls」とは、リブ状陸部4において、1つのピッチ長Lの範囲内に配設された周方向サイプ6と両端閉口サイプ7とをタイヤ幅方向に投影してタイヤ周方向に沿って測った長さであり、投影したサイプに重複した部分がある場合には、当該重複した部分を重複した分だけ加算した長さをいうものとする。
なお、圧縮剛性の低減と、コーナリングパワーの維持の観点から、周方向サイプ6をタイヤ周方向に沿って測った長さは、ピッチ長Lであり、両端閉口サイプ7をタイヤ周方向に沿って測った長さは、ピッチ長Lの半分以下であることが好ましい。
上記のようにリブ状陸部4において、タイヤ周方向サイプ成分総長Lsをピッチ長Lの0.6倍以上の長さにすることによって、リブ状陸部4の圧縮剛性を十分に低減することができ、タイヤ周方向サイプ成分総長Lsをピッチ長Lの3倍以下にすることにより、コーナリングパワーを十分に維持することができる。
また、この実施形態のように、タイヤ周方向に並ぶ複数の周方向サイプ6が、リブ状陸部4においてピッチ長Lでタイヤ周方向に並んで配設されている場合には、リブ状陸部4の陸部幅Wと、1つのピッチ長Lの範囲内に配設された当該陸部4内の周方向サイプ6のタイヤ幅方向サイプ成分総長Wsとの関係が、
0.4W≦Ws≦1.2W
であることが好ましい。
この構成によれば、周方向剛性の低下を抑制しつつ、ウェット性能を向上させることができる。具体的には、1つのピッチ長Lの範囲内のタイヤ幅方向サイプ成分総長Wsを、陸部幅Wの0.4倍以上にすることにより、水膜除去性の増加に伴いウェット性能を向上させることができ、陸部幅Wの1.2倍以下にすることにより、周方向剛性の低下を抑制することができる。
なお、「陸部幅W」とは、リブ状陸部4をタイヤ幅方向に沿って測った長さをいう。また、「1つのピッチ長Lの範囲内に配設された陸部4内の周方向サイプ6のタイヤ幅方向サイプ成分総長Ws」とは、1つのピッチ長Lの範囲内に配設された陸部4内の周方向サイプ6をタイヤ周方向に投影してタイヤ幅方向に沿って測った長さであり、当該範囲の周方向サイプ6をタイヤ周方向に投影した際に、例えばサイプが複数本存在し或いはサイプが折れ曲がる等することによって、投影したサイプに重複した部分がある場合には、当該重複した部分を重複した分だけ加算した長さをいうものとする。
また、この実施形態のように、周方向サイプ6において、1つのピッチ長Lと、リブ状陸部4の陸部幅Wとの関係が、
0.5W≦L≦1.5W
であることが好ましい。この構成によれば、周方向剛性の低下を抑制しつつ、ウェット性能を向上させることができる。
また、リブ状陸部4において、周方向サイプ6の配設ピッチ長Lは、当該リブ状陸部4のタイヤ幅方向中心線上でのタイヤ周長の0.5〜3.0%であることが好ましく、より好ましくは、1.0〜2.5%である。また、リブ状陸部4の陸部幅Wは、トレッド幅TWの15〜35%であることが好ましく、より好ましくは、18〜22%である。
ここで、上記の「タイヤ周長」とは、低圧無負荷状態で測定した長さであり、「トレッド幅」とは、タイヤ1を先述のリムに組み込み、タイヤを装着する車両毎に規定される内圧を充填した状態で、両側のトレッド接地端E間を、タイヤ幅方向に沿って測った長さであり、「トレッド接地端」とは、トレッド踏面Tの、タイヤ幅方向の最外位置であり、「トレッド踏面」とは、先述のリムに組み込み、タイヤを装着する車両毎に規定される内圧を充填したタイヤ1を、最大負荷能力の75%の負荷を加えた状態で転動させた際に、路面に接触することになる、タイヤ1の全周にわたる外周面である。また、「タイヤを装着する車両毎に規定される内圧を充填し」た状態とは、JATMA YEAR BOOK(JATMA)等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)とした状態を指す。また、「最大負荷能力」とは、前記JATMA等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力を指す。
また、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、上記の「タイヤ周長」とは、低圧無負荷状態で測定した長さであり、「トレッド幅」とは、タイヤ1を先述のリムに組み込み、タイヤを装着する車両毎に規定される内圧を適用した状態で、両側のトレッド接地端E間を、タイヤ幅方向に沿って測った長さであり、「トレッド接地端」とは、トレッド踏面Tの、タイヤ幅方向の最外位置であり、「トレッド踏面」とは、先述のリムに組み込み、タイヤを装着する車両毎に規定される内圧を適用したタイヤ1を、最大乗員数を想定した時に、4輪の中で最も荷重のかかるタイヤへの負荷荷重の75%の負荷を加えた状態で転動させた際に、路面に接触することになる、タイヤ1の全周にわたる外周面である。また、「タイヤを装着する車両毎に規定される内圧を充填し」た状態とは、最大乗員数を想定した時に、4輪の中で最も荷重のかかるタイヤへの負荷荷重に対応する空気圧とした状態を指す。
なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
また、この実施形態では、中央領域CRに位置する周方向サイプ部分61のタイヤ周方向サイプ成分総長Ls’は、リブ状陸部4のタイヤ幅方向中心線上でのタイヤ周長の60%以上が好ましい。
なお、「中央領域CRに位置する周方向サイプ部分61のタイヤ周方向サイプ成分総長Ls’」とは、1本のリブ状陸部4において、中央領域CRに配設された周方向サイプ部分61をタイヤ幅方向に投影してタイヤ周方向に沿って測った長さであり、投影したサイプ(サイプ部分)に重複した部分がある場合には、当該重複した部分を重複した分だけ加算した長さをいうものとする。
さらに、本発明において、この実施形態で示すように両端閉口サイプ7が小穴である場合には、1つのピッチ長L(mm)の範囲内に、小穴が少なくとも1個配設されるとともに、1個の小穴の、トレッド踏面Tへの開口面積S(mm2)が0.1≦S≦4の範囲内であることが好ましい。
なお、図示の例では、リブ状陸部4において、小穴が、周方向サイプ6の周方向サイプ部分61および幅方向サイプ部分62と、当該周方向サイプ6とタイヤ周方向に隣り合う周方向サイプ6で囲まれる陸部部分に2個配設されている。
1つのピッチ長L(mm)の範囲内に、小穴を少なくとも1個配設するとともに、1個の小穴の、トレッド踏面Tへの開口面積S(mm2)を0.1≦S≦4の範囲内にすることにより、陸部の周方向剛性を保持しつつ圧縮剛性をさらに低減することができるので、ウェット性をより向上させることができる。具体的には、小穴について、その開口面積Sを0.1mm2以上にするので、圧縮剛性を十分に低減することができる。また、開口面積Sを4mm2以下にするので、リブ状陸部4の陸部部分の面積、ひいては実接地面積の低下を防止することができ、実接地面積の低下によるウェット性能向上効果の減少を防止することができる。
なお、小穴が1つのピッチ長L(mm)の範囲内に複数個配設される場合には、1個の小穴の開口面積S(mm2)はそれら複数の小穴の平均値をいうものとする。
また、リブ状陸部4において、上記の小穴の個数は特に限定されるものではないが、リブ状陸部4において、ピッチ長L(mm)と、1つのピッチ長L(mm)の範囲内に配設された小穴の個数N(個)との関係が、0.1≦N/L≦0.3であることが好ましい。N/L(個/mm)を、0.1以上にすることにより、圧縮剛性を十分低減することができ、N/L(個/mm)を0.3以下にすることにより、リブ状陸部4の面積の低下を防止することができ、また、コーナリングパワーが低下するのを防止することができる。
ここで、周方向サイプ6および両端閉口サイプ7の深さは、それぞれ、1.5〜7.0mm、2.0〜9.0mmとすることができ、また、リブ状陸部4を区画する周方向主溝3の深さは、5.0〜9.0mmとすることができる。さらに、周方向サイプ6の深さ、両端閉口サイプ7の深さおよび周方向主溝3の深さの関係が、
周方向主溝3の深さ≧両端閉口サイプ7の深さ>周方向サイプ6の深さ
であることが好ましい。両端閉口サイプ7は周方向剛性を低下させにくいので、両端閉口サイプ7の深さを周方向サイプ6の深さよりも深く設定することができ、それ故に、周方向サイプ6が摩耗した後であるタイヤ1の摩耗後期においても両端閉口サイプ7が残存し、ウェット性能の向上効果を持続させることができる。
ここで、本実施形態のリブ状陸部4のタイヤ幅方向断面形状について説明する。
図4では、図2に示すリブ状陸部4のa−a’に沿う断面(タイヤ幅方向断面)形状の半部を示している。
この実施形態では、リブ状陸部4の外輪郭(トレッド踏面T側)は、相互に曲率半径Rが異なり、タイヤ径方向に凸状の複数の円弧で形成することができる(図示の例では、2個の円弧)。また、当該複数の円弧は、リブ状陸部4のタイヤ幅方向中心側からタイヤ幅方向端側に向かって、曲率半径R4、R5を小さくすることができる。また、リブ状陸部4の外輪郭と周方向主溝3の溝壁との接続部分81は、滑らかに湾曲させた形状にすることができるが、図示のように、タイヤ1の実接地面積をより大きくする観点からは、角張って形成される角部とすることが好ましい。
リブ状陸部4を区画する周方向主溝3の溝壁は、溝幅が溝底から開口部へ大きくなるように、トレッド踏面に対して垂直な方向に対して溝壁が0°〜20°の角度θで傾斜していることが好ましい。また、周方向主溝3の溝底と溝壁と連結する連結部分82は、タイヤ幅方向断面で、タイヤ径方向内側に凸状の形状で滑らかに連結することが好ましい。
ところで、本実施形態では、周方向サイプ6をピッチ長Lで、タイヤ周方向に並べて配設した場合には、図5に示すように、周方向サイプ6のピッチ長Lを、タイヤ周上で変化させたパターンとすることができる。具体的には、図5に示すトレッドパターンは、リブ状陸部4で、ピッチ長Lで配設した周方向サイプ6が、以下のすべてのパターンP1〜P3中でL≦Ls≦3Lを満たしつつピッチ長Lを変化させたパターンからなっている。パターンP1〜P3は、それぞれ順に相対的にピッチ長Lが長くなっており、図5に示すトレッドパターンはパターンP1〜P3が順に繰り返し設けられている。また、リブ状陸部4において、パターンP1、P2では、小穴を、1つのピッチ長L(mm)の範囲内に2個配設しているのに対して、パターンP3においては、小穴を、1つのピッチ長L(mm)の範囲内に3個配設している。
なお、図5の例では、ピッチ長Lをタイヤ周方向で変化させた3種類のパターンを示したが、2種類または4種類以上のパターンとすることは任意である。また、パターンP1〜P3を順に繰り返し設けているが、パターン配置の順序は任意であり、例えば1つパターンのみを複数回繰り返し配置した後、他のパターンを1回または複数回配置することもできる。
また、図5に示すタイヤ1では、トレッド踏面Tに、周方向主溝3を2本設け、当該2本の周方向主溝3で区画されるリブ状陸部4を1本設けているが、図6に示すように、トレッド踏面Tに、周方向主溝3を3本以上(図6の例では3本)設けて、当該3本以上の周方向主溝3で区画される複数の陸部の全てをリブ状陸部4として本発明のサイプ構成を適用することや、当該複数の陸部のうちの一部の陸部をリブ状陸部4として本発明のサイプ構成を適用することもできる。
また、ショルダー陸部5には、サイプや小穴を複数、タイヤ周方向に繰り返し配設しているが、ショルダー陸部5には任意に各種サイプや溝を配設することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る空気入りタイヤについて、図8を用いて例示説明する。以下では、第1の実施形態に係る空気入りタイヤと同一の要素については適宜その説明を省略する。
図8に示すタイヤ1では、トレッド踏面Tに、タイヤ周方向に連続して延びる周方向主溝3が3本設けられており、当該3本の周方向主溝3のうち中央に位置する周方向主溝3は、他の2本の周方向主溝3よりも狭幅となっている。また、このタイヤ1では、当該周方向主溝3によって2本のリブ状陸部4が区画されている。
この第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、リブ状陸部4は、タイヤ周方向に延びる周方向サイプ部分61を有する周方向サイプ6と、当該リブ状陸部4内で両端が終端する両端閉口サイプ7と、を有している。また、周方向サイプ6の周方向サイプ部分61は中央領域CRのみに位置し、側方領域SRは両端閉口サイプ7を有している。
具体的には、周方向サイプ6は、周方向サイプ部分61と、当該周方向サイプ部分61からタイヤ幅方向に延在して、周方向主溝3に開口する幅方向サイプ部分62とを備えている。また、周方向サイプ部分61は、中央領域CRにおいて、リブ状陸部4のタイヤ幅方向中心線上に位置している。
また、両端閉口サイプ7は、周方向サイプ6の周方向サイプ部分61に対してタイヤ幅方向両側であって側方領域SRに配設されている。また、図示の例では、両端閉口サイプ7は小穴である。
この第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、周方向サイプ6および両端閉口サイプ7は、それぞれタイヤ周方向に複数設けられている。具体的には、それぞれの周方向サイプ6は、その幅方向サイプ部分62が2本の周方向主溝3に交互に開口するように、タイヤ周方向に並んで配設され、一の周方向サイプ6と、当該一の周方向サイプ6にタイヤ周方向に隣り合い、それぞれの幅方向サイプ部分62が開口する周方向主溝3が同じである周方向サイプ6と、のタイヤ周方向に沿って測った長さがピッチ長Lとなっている。また、両端閉口サイプ7は、1本の周方向サイプ6に対してタイヤ幅方向両側に2本(2個、それぞれ1本(1個))以上の数になるようにタイヤ周方向に並んで配設されている。
したがって、図示の例では、1本のリブ状陸部4中の中央領域CRにおいて、複数の周方向サイプ6の周方向サイプ部分61が、相互にタイヤ周方向に離間しつつリブ状陸部4の中央領域CRに、より具体的にはタイヤ幅方向中心線上に、1列形成されている。また、1本のリブ状陸部4中の2つの側方領域SRにおいて、複数の両端閉口サイプ7が、相互にタイヤ周方向に離間しつつそれぞれ領域SRで1列ずつ形成されている。
ここで、この第2の実施形態の空気入りタイヤ1の作用・効果を、以下説明する。
この第2の実施形態の空気入りタイヤ1では、第1の実施形態の空気入りタイヤ1と同様の作用・効果を奏することができるとともに、第2の空気入りタイヤ1では、周方向サイプ6は、1本のリブ状陸部4の中央領域CRにおいて、周方向サイプ部分61が1列配設されているので、複数列配設した場合と比較して、リブ状陸部4のタイヤ幅方向の剛性を向上させることができ、例えばコーナリングパワーを向上させることができる。
また、図8に示すタイヤ1では、トレッド踏面Tに、周方向主溝3を3本設け、当該3本の周方向主溝3で区画されるリブ状陸部4を2本設けているが、トレッド踏面Tに、周方向主溝3を3本以外に例えば2本設けて、当該2本の周方向主溝3で区画される陸部をリブ状陸部4として本発明の第2の実施形態のサイプ構成を適用することもできる。
ここで、第1および第2の実施形態では、タイヤのサイズは特に限定されるものではないが、以下のようなサイズを有する乗用車用空気入りラジアルタイヤとして用いることが好ましい。
タイヤをリムに組み込み、内圧を250kPa以上とした無負荷状態において、タイヤの断面幅SWが165(mm)未満である場合は、タイヤの断面幅SW(mm)と外径OD(mm)との比SW/ODが0.26以下であり、タイヤの断面幅SWが165(mm)以上である場合は、タイヤの断面幅SW(mm)と外径OD(mm)との関係が、
2.135×SW+282.3≦OD
を満たすことが好ましい(以下、狭幅大径サイズとも称す)。タイヤが、上記の関係であることにより、狭幅、大径の形状となり、タイヤの転がり抵抗性能を向上させ(転がり抵抗値を低減させ)、かつ、タイヤを軽量化することができる。
また、タイヤの転動時の内圧は、250kPa以上であることが好ましく、250〜350kPaであることがより好ましい。狭幅大径サイズにおいては接地長が増大しやすいが、250kPa以上とすることにより接地長の増大を抑えて、トレッドゴムの変形量を低減し、転がり抵抗をさらに低減することができる。
また、タイヤの転がり抵抗値を低減し、かつ、タイヤを軽量化する観点から、タイヤの転動時の内圧が、250kPa以上の場合に、タイヤ1の断面幅SW(mm)と外径OD(mm)は、−0.0187×SW2+9.15×SW−380≦ODであることが好ましい。
なお、タイヤの「断面幅SW」および「外径OD」とは、それぞれ、タイヤをリムに装着し、内圧を250kPa以上とした無負荷状態での、JIS D 4202−1994に規定の断面幅、外径をいう。
また、タイヤが上記のタイヤ断面幅SWおよび外径ODを有する狭幅大径サイズのタイヤである場合には、トレッドゴムの30℃における動的貯蔵弾性率E’が、6.0〜12.0MPaであることが好ましい。狭幅、大径のタイヤにおいて、トレッドゴムの動的貯蔵弾性率E’を上記特定範囲にすることにより、ウェット時の摩擦係数μを向上させることができるので、ウェット性能を向上させることができる。また、上記の動的貯蔵弾性率E’とすることで、コーナリング時のコーナリングパワーを向上させ操縦安定性を改良することもできる。なお、同様の観点から、動的貯蔵弾性率E’は、7.9〜12.0MPaであることがより好ましく、8.0〜11.0MPaであることがさらに好ましい。
また、タイヤが狭幅大径である場合には、トレッドゴムの60℃における損失正接tanδが、0.05〜0.15であることが好ましい。これにより、転がり抵抗性能を向上させることができる。
なお、動的貯蔵弾性率E’(MPa)および損失正接tanδ(動的損失弾性率(E’’)と動的貯蔵弾性率(E’)との比(E’’/E’))とは、加硫ゴムに関し、厚さ:2mm、幅:5mm、長さ:20mmの試験片に初期荷重:160gを与え、初期歪み:1%、振動数:50Hzの条件で測定した値をいい、動的貯蔵弾性率E’は、別段の記載がない限り、温度30℃で測定した値であり(以下、「30℃における動的貯蔵弾性率E’」を単に「動的貯蔵弾性率E’」ということがある)、損失正接tanδは、別段の記載がない限り、温度60℃で測定した値である(以下、「60℃における損失正接tanδ」を単に「損失正接tanδ」ということがある)。
また、「トレッドゴム」とは、トレッド部に任意に含まれるベルト等の部材を含まないゴムを意味する。
トレッドゴムは、従来公知のゴム成分に加えて、任意に従来公知の充填剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を含むゴム組成物を、常法に従い混練、加硫することによって形成することができる。
混練の条件としては、特に制限はなく、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等を用いて、配合処方、混練装置への投入体積等に応じて、適宜、ローターの回転速度、ラム圧、混練温度、混練時間を調節すればよい。
また、ゴム組成物を加硫する際の条件としては、加硫温度は、例えば、100〜190℃とすることができる。加硫時間は、例えば、5〜80分とすることができる。
トレッドゴムのゴム成分としては、例えば、変性または未変性の、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、イソブチレンイソプレンゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)、クロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、および天然ゴム(NR)等が挙げられる。
SBR、BRなどの共役ジエン系重合体を変性する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、国際公開第2008/050845号に記載の方法(共役ジエン系重合体の活性末端に、変性剤を反応させ、チタン系縮合促進剤の存在下、当該変性剤が関与する縮合反応を行う方法)等を用いることができる。
共役ジエン系重合体としては、例えば、1,3−ブタジエンとスチレンとの共重合体が好適に挙げられる。
変性剤としては、例えば、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、1−トリメチルシリル−2−エトキシ−2−メチル−1−アザ−2−シラシクロペンタンが好適に挙げられる。
チタン系縮合促進剤としては、例えば、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)が好適に挙げられる。
上述したゴム成分を1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
充填剤としては、例えば、従来公知のカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレイ等が挙げられる。上記の充填剤を1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
タイヤが狭幅大径サイズである場合には、タイヤは、トレッドゴムを形成するゴム組成物が、少なくともゴム成分と充填剤とを含み、ゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対して、充填剤が、50〜100質量部含まれていることが好ましい。これにより、耐摩耗性と加工性に優れるという利点がある。耐摩耗性と加工性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、充填剤が、55〜85質量部含まれていることがより好ましく、75〜85質量部含まれていることがさらに好ましい。また、ジエン系ポリマー(ジエン系ゴム)100質量部に対して、充填剤が、50〜90質量部含まれていることがより好ましい。
タイヤが狭幅大径サイズである場合には、タイヤは、前記充填剤がシリカを含み、当該シリカが、ゴム成分100質量部に対して、25〜100質量部含まれていることが好ましい。これにより、ウェット性能に優れるという利点がある。また、ウェット性能の観点から、シリカが、ゴム成分100質量部に対して、50〜75質量部含まれていることがより好ましく、60〜75質量部含まれていることがさらに好ましい。
充填剤としてシリカを用いる場合は、シリカをシランカップリング剤で処理してもよい。
ところで、上記のようにE’を6.0〜12.0MPaとするためには、例えば、配合をジエン系ポリマー100phrのうち、変性S−SBRを20〜70phrの範囲、かつ、充填剤50〜80phrのうち、シリカを30〜80phrの範囲で適宜変更すればよい。
また、tanδを上記のように0.05〜0.15とするためには、例えば、配合をジエン系ポリマー100phrのうち、NRを0〜20phrの範囲、変性S−SBRを20〜70phrの範囲、かつ、充填剤50〜80phrのうち、シリカを30〜80phrの範囲で適宜変更すればよい。
なお、「phr」は、ゴム成分100質量部に対する各種成分の配合量(質量部)をいう。
タイヤが狭幅大径サイズである場合には、乗用車用空気入りラジアルタイヤのタイヤサイズとしては、具体的には、105/50R16、115/50R17、125/55R20、125/60R18、125/65R19、135/45R21、135/55R20、135/60R17、135/60R18、135/60R19、135/65R19、145/45R21、145/55R20、145/60R16、145/60R17、145/60R18、145/60R19、145/65R19、155/45R18、155/45R21、155/55R18、155/55R19、155/55R21、155/60R17、155/65R13、155/65R18、155/70R17、155/70R19、165/45R22、165/55R16、165/55R18、165/55R19、165/55R20、165/55R21、165/60R19、165/65R19、165/70R18、175/45R23、175/55R18、175/55R19、175/55R20、175/55R22、175/60R18、175/65R15、185/45R22、185/50R16、185/50R20、185/55R19、185/55R20、185/60R17、185/60R19、185/60R20、195/50R20、195/55R20、195/60R19、195/65R17、205/50R21、205/55R16、205/55R20、205/60R16、205/60R18、215/50R21、215/60R17、225/65R17が例として挙げられる。
ここで、タイヤが狭幅大径サイズである場合には、トレッドを占める溝量を少なくすることがウェット性能とその他の性能との両立の観点から好ましい。具体的には、溝体積率(溝体積V2/トレッドゴム体積V1)を20%以下とすることが好ましく、また、ネガティブ率(トレッド踏面の面積に対する、溝面積の割合)を20%以下とすることが好ましい。これらの値は、従来サイズの乗用車用空気入りラジアルタイヤにおける標準的な値よりも低い値である。
ウェット性能を向上させるには、溝量を増やすのが一般的な考え方であるが、狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルタイヤの場合には、接地面の幅Wが狭くなるため、図9(b)に、図9(a)との対比で示すように、水がタイヤ幅方向に排出されやすくなる。このため、溝量を減らしてもウェット性能は維持され、かつ陸部剛性の向上によりコーナリングパワーなど他性能も向上させることができるのである。
なお、溝体積率は、例えば、ベルト層のうちタイヤ幅方向に最大幅を有する、最大幅ベルト層のタイヤ幅方向両端部よりタイヤ幅方向内側にあり、且つ、タイヤ幅方向中央位置における、タイヤ径方向最外側の補強部材(ベルト層及びベルト補強層)よりタイヤ径方向外側にあるトレッドゴムの体積をV1とし、トレッド踏面に形成した溝の合計体積をV2とするとき、比V2/V1と定義される。
ここで、タイヤが狭幅大径サイズであり、タイヤの車両装着方向が指定される場合には、タイヤ赤道面CLを境界とした車両装着内側と車両装着外側とのタイヤ幅方向半部間でネガティブ率に差を設けてもよい。
陸部のうち、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝とトレッド接地端Eにより区分されるリブ状とすることができるショルダー陸部に関しては、様々な構成を採用することができる。例えば、車両装着方向が指定されるタイヤおいて、車両装着外側と内側におけるショルダー陸部のタイヤ幅方向の幅を変えることもできる。なお、操縦安定性を考慮した場合には車両装着外側のショルダー陸部のタイヤ幅方向の幅を車両装着内側のショルダー陸部のタイヤ幅方向の幅よりも大きくすることが好ましい。
狭幅大径サイズのタイヤの場合には、図10に示すように、タイヤ幅方向断面にて、タイヤ赤道面CLにおけるトレッド表面上の点Pを通りタイヤ幅方向に平行な直線をm1とし、接地端E’を通りタイヤ幅方向に平行な直線をm2として、直線m1と直線m2とのタイヤ径方向の距離を落ち高LCRとし、タイヤのトレッド幅をTW’とするとき、比LCR/TW’を0.045以下とすることが好ましい。比LCR/TW’を上記の範囲とすることにより、タイヤのクラウン部がフラット化(平坦化)し、接地面積が増大して、路面からの入力(圧力)を緩和して、タイヤ径方向の撓み率を低減し、タイヤの耐久性及び耐摩耗性を向上させることができる。
ここで、上記「接地端E’」とは、タイヤをリムに装着し、タイヤを装着する車両毎に規定される最高空気圧を充填して平板上に垂直に置き、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷に相当する重量を負荷した際の、平板との接触面における、タイヤ幅方向両端点をいう。
狭幅大径サイズのタイヤの場合には、トレッドゴムは、異なる複数のゴム層がタイヤ径方向に積層されて形成されていてもよい。上記の複数のゴム層としては正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを用いることができる。また、複数のゴム層のタイヤ径方向の厚さの比率は、タイヤ幅方向に変化していてもよく、また周方向主溝底のみ等をその周辺と異なるゴム層とすることもできる。
トレッドゴムはタイヤ幅方向に異なる複数のゴム層で形成されていてもよい。上記の複数のゴム層としては正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等が異なっているものを使用することができる。また、複数のゴム層のタイヤ幅方向の幅の比率は、タイヤ径方向に変化していてもよく、また周方向主溝近傍のみ、トレッド接地端E近傍のみ、ショルダー陸部のみ、センター陸部のみといった限定された一部の領域のみをその周囲とは異なるゴム層とすることもできる。
狭幅大径サイズのタイヤは、タイヤ周方向に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層からなる傾斜ベルト層を有することが好ましく、この場合、傾斜ベルト層は1層のみとすることもできる。但し、狭幅大径サイズのタイヤにおいては、傾斜ベルト層が1層のみでは旋回時の接地面形状が歪みやすいため、2層以上の層間でコードが互いに交差する方向に延びる傾斜ベルト層とすることが好ましく、2層のベルト層が傾斜ベルト層を形成するベルト構造が最も好ましい。
狭幅大径サイズのタイヤでは、最もタイヤ幅方向の幅の大きい最大幅傾斜ベルト層のタイヤ幅方向の幅が、トレッド幅TWの90%〜115%であることが好ましく、トレッド幅TWの100%〜105%であることが特に好ましい。
狭幅大径サイズのタイヤにおいて、傾斜ベルト層のベルトコードとしては、金属コード、特にスチールコードを用いるのが最も一般的であるが、有機繊維コードを用いることも可能である。スチールコードはスチールを主成分とし、炭素、マンガン、ケイ素、リン、硫黄、銅、クロムなど種々の微量含有物を含むことができる。

狭幅大径サイズのタイヤにおいて、傾斜ベルト層のベルトコードはモノフィラメントコードや、複数のフィラメントを撚り合せたコードを用いることができる。撚り構造も種々の設計が採用可能であり、断面構造、撚りピッチ、撚り方向、隣接するフィラメント同士の距離も様々なものを用いることができる。さらには異なる材質のフィラメントを撚り合せたコードを用いることもでき、断面構造としても特に限定されず、単撚り、層撚り、複撚りなど様々な撚り構造を取ることができる。
狭幅大径サイズのタイヤにおいて、傾斜ベルト層のベルトコードの傾斜角度は、タイヤ周方向に対して10°以上とすることが好ましい。
狭幅大径サイズのタイヤにおいて、傾斜ベルト層のベルトコードの傾斜角度を高角度、具体的にはタイヤ周方向に対して35°以上、特にタイヤ周方向に対して55°〜85°の範囲とすることが好ましい。
傾斜角度を35°以上とすることにより、タイヤ幅方向に対する剛性を高め、特にコーナリング時の操縦安定性能を向上させることができるからである。また、層間ゴムのせん断変形を減少させて、転がり抵抗性能を向上させることができるからである。
狭幅大径サイズのタイヤにおいて、傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に1層以上の周方向ベルト層からなる周方向ベルトを有することができる。
傾斜ベルト層のベルトコードの傾斜角度θ1、θ2が35°以上の場合には、周方向ベルトは、タイヤ赤道面CLを含む中央領域Cの単位幅あたりのタイヤ周方向剛性が、その他の領域の単位幅あたりのタイヤ周方向剛性より高いことが好ましい。
図11は、ベルト構造の一例を概略的に示しており、傾斜ベルト層111、112のタイヤ径方向外側に周方向ベルト層53、114が積層されており、中央領域Cにおいて、周方向ベルト層113、114が互いにタイヤ径方向に重なっている。
例えば、図11に示すように、当該中央領域Cにおける周方向ベルト層の層数をその他の領域より多くすることにより、中央領域Cの単位幅あたりのタイヤ周方向剛性を、その他の領域の単位幅あたりのタイヤ周方向剛性より高くすることができる。
傾斜ベルト層のベルトコードがタイヤ周方向に対して35°以上で傾斜するタイヤの多くは、400Hz〜2kHzの高周波域において、断面方向の1次、2次および3次等の振動モードにて、トレッド踏面が一律に大きく振動する形状となるため、大きな放射音が生じる。そこで、トレッドのタイヤ幅方向中央領域のタイヤ周方向剛性を局所的に増加させると、トレッドのタイヤ幅方向中央領域がタイヤ周方向に広がり難くなり、トレッド踏面のタイヤ周方向への広がりが抑制される結果、放射音を減少させることができる。
さらに、上述のごとく、タイヤ赤道面CLを含む中央領域のタイヤ周方向の剛性を高めたタイヤでは、トレッドはトレッド踏面の少なくともタイヤ赤道面CLを含む領域に、タイヤ周方向に連続する陸部を有することが好ましい。タイヤ赤道面CL上又はその付近に周方向主溝を配置すると、当該領域におけるトレッドの剛性が低下して、該周方向主溝を区画する陸部における接地長が極端に短くなる場合がある。そこで、タイヤ赤道面CLを含む一定領域にわたって、タイヤ周方向に連続する陸部(リブ状陸部)を配置することが、コーナリングパワーを低減させることなく騒音性能を改善する観点から好ましい。
図12は、ベルト構造の他の例を概略的に示しており、2層の傾斜ベルト層121、122のタイヤ径方向外側に、1層の周方向ベルト層123が積層されている。
狭幅大径サイズのタイヤにあっては、図12に示す例のように、傾斜ベルト層のベルトコードの傾斜角度が35°以上の場合には、傾斜ベルト層は、タイヤ幅方向の幅の異なる2層の傾斜ベルト層を少なくとも含み、最広幅の傾斜ベルト層をなすコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ1と、最狭幅の傾斜ベルト層をなすコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度θ2とが、35°≦θ1≦85°、10°≦θ2≦30°、及び、θ1>θ2を満たすことが好ましい。
タイヤ周方向に対して35°以上で傾斜するベルトコードを有する傾斜ベルト層を備えたタイヤの多くは、400Hz〜2kHzの高周波域において、断面方向の1次、2次および3次等の振動モードにて、トレッド踏面が一律に大きく振動する形状となるため、大きな放射音が生じる。そこで、トレッドのタイヤ幅方向中央領域のタイヤ周方向剛性を局所的に増加させると、トレッドのタイヤ幅方向中央領域がタイヤ周方向に広がり難くなり、トレッド面のタイヤ周方向への広がりが抑制される結果、放射音を減少させることができる。
図13は、ベルト構造の別の例を概略的に示しており、2層の傾斜ベルト層131、132のタイヤ径方向外側に、1層の周方向ベルト層133が積層されている。
狭幅大径サイズのタイヤにおいては、周方向ベルト層は高剛性であることが好ましく、より具体的にはタイヤ周方向に延びるコードのゴム引き層からなり、コードのヤング率をY(GPa)、打ち込み数をn(本/50mm)とし、周方向ベルト層をm層として、X=Y×n×mと定義するとき、1500≧X≧750であることが好ましい。狭幅大径サイズのタイヤにおいては、路面からの旋回時における入力に対しタイヤ周方向において局所的な変形を起こし、接地面は略三角形状、すなわち、タイヤ幅方向の位置によって周方向の接地長が大きく変化する形状となりやすい。これに対し、高剛性の周方向ベルト層とすることにより、タイヤのリング剛性が向上して、タイヤ周方向の変形が抑制されることとなるため、ゴムの非圧縮性により、タイヤ幅方向の変形も抑制され、接地形状が変化しにくくなる。さらには、リング剛性が向上することにより偏心変形が促進され、転がり抵抗も同時に向上する。この転がり抵抗の向上効果は、狭幅大径サイズのタイヤにおいて、特に向上効果の幅が大きくなる。
さらに、上記のように高剛性の周方向ベルト層を用いた場合には、傾斜ベルト層のベルトコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度を高角度、具体的には35°以上とすることが好ましい。高剛性の周方向ベルト層を用いた場合には、タイヤ周方向の剛性が高くなるこいとにより、タイヤによっては、接地長が減少してしまうことがある。そこで、高角度の傾斜ベルト層を用いることにより、タイヤ周方向の面外曲げ剛性を低下させて、踏面変形時のゴムのタイヤ周方向の伸びを増大させ、接地長の減少を抑制することができる。
また、狭幅大径サイズのタイヤでは、周方向ベルト層には、破断強度を高めるために波状のコードを用いてもよい。同様に破断強度を高めるために、ハイエロンゲーションコード(例えば破断時の伸びが4.5〜5.5%)を用いてもよい。
さらに、狭幅大径サイズのタイヤでは、周方向ベルト層には、種々の材質が採用可能であり、代表的な例としては、レーヨン、ナイロン、ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド、ガラス繊維、カーボン繊維、スチール等が採用できる。軽量化の点から、有機繊維コードが特に好ましい。
ここで、狭幅大径サイズのタイヤでは、周方向ベルト層のコードはモノフィラメントコードや、複数のフィラメントを縒り合せたコード、さらには異なる材質のフィラメントを縒り合せたハイブリットコードを採用することもできる。
また、狭幅大径サイズのタイヤでは、周方向ベルト層の打ち込み数は、20〜60本/50mmの範囲とすることができるが、この範囲に限定されるのもではない。
さらに、狭幅大径サイズのタイヤでは、タイヤ幅方向に剛性・材質・層数・打ち込み密度等の分布を持たせることもでき、例えばタイヤ幅方向端部のみにおいて、周方向ベルト層の層数を増やすこともでき、一方でセンター部のみにおいて、周方向ベルト層の層数を増やすこともできる。
また、狭幅大径サイズのタイヤでは、周方向ベルト層は、傾斜ベルト層よりも広幅または狭幅に設計することができる。例えば、傾斜ベルト層のうちタイヤ幅方向の幅の最も大きい最大幅傾斜ベルト層の90%〜110%のタイヤ幅方向の幅とすることができる。
ここで、周方向ベルト層は、スパイラル層として構成することが製造の観点から特に有利である。
なお、狭幅大径サイズのタイヤでは、周方向ベルト層を設けないことも可能である。
狭幅大径サイズのタイヤでは、カーカスラインには様々な構造を採用することができる。例えば、タイヤ径方向において、カーカス最大幅位置をビード部側に近づけることも、トレッド側に近づけることもできる。例えば、カーカス最大幅位置は、ビードベース部からタイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さ対比で50%〜90%の範囲に設けることができる。
また、狭幅大径サイズのタイヤでは、カーカスも様々な構造を採用することができる。例えば、カーカスの打ち込み数としては、20〜60本/50mmの範囲とすることができるが、これに限定されるものではない。
さらに、例えば、カーカスの折り返し端をビードフィラのタイヤ径方向端よりもタイヤ径方向内側に位置させることができ、またカーカス折り返し端をビードフィラのタイヤ径方向外側端やタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に位置させ、場合によっては傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端よりもタイヤ幅方向内側まで延在させることもできる。さらに、カーカスが複数枚のカーカスプライで構成される場合には、カーカス折り返し端のタイヤ径方向位置を異ならせることもできる。また、そもそもカーカス折り返し部を存在させずに、複数のビードコア部材で挟みこんだり、ビードコアに巻きつけた構造を採用したりすることもできる。
狭幅大径サイズのタイヤにおいて、タイヤサイド部を薄くすることが好ましい。「タイヤサイド部を薄くする」とは、例えば、ビードフィラのタイヤ幅方向断面積S1を、ビードコアのタイヤ幅方向断面積S2の1倍以上4倍以下とすることができる。また、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部のゲージTsと、ビードコアのタイヤ径方向中心位置におけるビード幅Tbとの比Ts/Tbを、15%以上40%以下とすることができる。また、タイヤ最大幅部におけるサイドウォール部のゲージTsと、カーカスコードの径Tcとの比Ts/Tcを5以上10以下とすることができる。
なお、ゲージTsはゴム、補強部材、インナーライナーなどすべての部材の厚みの合計となる。また、ビードコアがカーカスによって複数の小ビードコアに分割されている構造の場合には、全小ビードコアのうちタイヤ幅方向最内側端部と最外側端部の距離をTbとする。
狭幅大径サイズのタイヤでは、タイヤ最大幅位置は、ビードベース部からタイヤ径方向外側に、タイヤ断面高さ対比で50%〜90%の範囲に設けることができる。
狭幅大径サイズのタイヤは、リムガードを有する構造とすることもできる。
狭幅大径サイズのタイヤのタイヤは、ビードフィラを設けない構造とすることもできる。
狭幅大径サイズのタイヤでは、ビードコアは断面円形や断面多角形状など、様々な構造を採用することができる。また、カーカスをビードコアに巻きつける構造のほか、カーカスを複数のビードコア部材で挟みこむ構造とすることもできる。
狭幅大径サイズのタイヤでは、ビード部には補強等を目的としてゴム層・コード層等をさらに設けることもできる。このような追加部材はカーカスやビードフィラに対して様々な位置に設けることができる。
狭幅大径サイズのタイヤでは、インナーライナーを厚くすることが、80−100Hzの車内騒音を低減する観点から好ましい。具体的には通常(1.0mm程度)よりも厚い1.5mm〜2.8mm程度とすることが好ましい。
狭幅大径サイズのタイヤは特に高内圧使用化において80−100Hzの車内騒音が悪化しやすいという知見が得られている。インナーライナーを厚くすることで振動減衰性を高め、80−100Hzの車内騒音を低減することができる。なお、インナーライナーは転がり抵抗に寄与するロスが、トレッド等の他の部材と比較すると小さいため、転がり抵抗の悪化を最小限にとどめつつ、騒音性能を改善することができる。
狭幅大径サイズのタイヤでは、インナーライナーは、ブチルゴムを主体としたゴム層のほか、樹脂を主成分とするフィルム層によって形成することもできる。
狭幅大径サイズのタイヤでは、空洞共鳴音を低減するために、タイヤ内面に、多孔質部材を配置したり、静電植毛加工を行ったりすることもできる。
狭幅大径サイズのタイヤは、タイヤ内面に、パンク時の空気の漏れを防ぐためのシーラント部材を備えることもできる。
狭幅大径サイズのタイヤは、タイヤサイド部に断面三日月型の補強ゴムを有した、サイド補強型ランフラットタイヤとすることもできる。
狭幅大径サイズのタイヤにおいて、サイド補強型ランフラットタイヤとする場合には、サイド部を簡素化させた構造により、ランフラット耐久性と燃費性能の両立を実現することができる。これは、狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルランフラットタイヤの場合には、ランフラット走行時に、サイド部及びトレッド部の変形が相対的に小さく、一方でショルダー部からバットレス部にかけて相対的に変形が大きくなるという知見に基づくものである。この変形は、従来サイズではサイド部に変形が相対的に大きくなるのと対照的である。
このような、狭幅大径サイズに特徴的な変形のために、簡素化構造によってもランフラット耐久性を十分に確保し、かつ燃費性能をさらに向上させることができる。
具体的な簡素化手法としては少なくとも以下の(i)〜(iii)のいずれか一つの条件を満たすことにより可能となる。
図14は、本発明のタイヤが狭幅大径サイズのランフラットタイヤである場合における、本発明の一実施形態にかかるタイヤのタイヤ幅方向概略断面図である。
(i)図14に示すように、カーカス折り返し部の折り返し端Aが、タイヤ最大幅位置Pよりタイヤ径方向内側に位置する、(ii)タイヤをリムに組み込み、所定の内圧を充填し、無負荷とした、基準状態の際のタイヤ幅方向断面における、サイド補強ゴム141のタイヤ径方向最大長さをH1とし、ビードフィラのタイヤ径方向最外側点とビードコアのタイヤ径方向最外側点とを結んだ線分の長さをH2とするとき、1.8≦H1/H2≦3.5、を満たす、(iii)タイヤをリムに組み込み、所定の内圧を充填し、無負荷とした、基準状態の際のタイヤ幅方向断面における、サイド補強ゴム141のタイヤ径方向最大長さをH1(mm)とするとき、関係式、10(mm)≦(SW/OD)×H1≦20(mm)を満たす。
狭幅大径サイズのタイヤにおいて、サイド補強型ランフラットタイヤとする場合には、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝を、タイヤ幅方向のタイヤ赤道面CLよりに配置することにより、ランフラット耐久性の更なる向上を実現することができる。これは、狭幅大径サイズの乗用車用空気入りラジアルランフラットタイヤの場合には、ランフラット走行時に、サイド部及びトレッド部の変形が相対的に小さく、一方でショルダー部からバットレス部にかけて相対的に変形が大きくなるという知見に基づくものである。この変形は、従来サイズではサイド部に変形が相対的に大きくなるのと対照的である。このような、狭幅大径サイズに特徴的な変形のために、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝をタイヤ赤道面CLよりに配置することで、ランフラット走行時のショルダー陸部からバットレス部にかけての接地性を高めることができ接地圧が緩和される。この結果として、ランフラット耐久性をさらに向上させることができる。
図15は、本発明のタイヤが狭幅大径サイズのランフラットタイヤである場合における、本発明の他の実施形態にかかるタイヤのタイヤ幅方向概略一部断面図である。
具体的には、タイヤをリムに組み込み、所定の内圧を充填し、無負荷とした、基準状態の際のタイヤ幅方向断面における、1層以上のベルト層のうちタイヤ幅方向の幅が最大のベルト層のタイヤ幅方向の半幅をWBとし、タイヤ幅方向の幅が最大のベルト層のタイヤ幅方向端部から1本以上の周方向主溝のうちタイヤ幅方向最外側の周方向主溝151のタイヤ幅方向中心位置までのタイヤ幅方向距離をWGとするとき、関係式、0.5≦WG/WB≦0.8を満たすことが好ましい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の空気入りタイヤは、上記の例に限定されることは無く、適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではない。
本発明の効果を確かめるため、以下の実施例1〜3および比較例1〜3のタイヤをそれぞれ試作した。
[実施例1]
実施例1のタイヤは、図6に示すような、タイヤサイズ165/60R19であるラジアルタイヤであって、表1に示す諸元の構成を有し、トレッド踏面Tに、3本の周方向主溝が配設されている。また、実施例1のタイヤは、当該3本の周方向主溝で区画される2本のリブ状陸部において、中央領域CRのみに位置する周方向サイプ部分と幅方向サイプ部分とを有する周方向サイプと、側方領域SRに位置する両端閉口サイプ(小穴)と、を有している。また、実施例1のタイヤのリブ状陸部の小穴の周囲の半径R1=0.15Wとする円C1に囲まれる領域内に溝およびサイプが存在せず、小穴の周囲の半径R2=0.50Wとする円C2に囲まれる領域内に溝およびサイプが存在し、また、小穴の図心Oから他のサイプまたは溝の最短距離は0.39Wである。なお、周方向主溝は、溝幅が7.5mm、深さが7mmであり、周方向サイプは、溝幅が0.7mm、深さが5mmであり、小穴は、径が1.5mm、深さが6mmである。
[実施例2]
実施例2のタイヤは、リブ状陸部の小穴の周囲の半径R1=0.15Wとする円C1に囲まれる領域内に溝またはサイプが存在し、また、小穴の図心Oから他のサイプまたは溝の最短距離が0.12Wとなった以外、実施例1のタイヤと同様である。
[実施例3]
実施例3のタイヤは、リブ状陸部の小穴の周囲の半径R2=0.5Wとする円C2に囲まれる領域内に溝またはサイプが存在せず、また、小穴の図心Oから他のサイプまたは溝の最短距離が0.60Wとなった以外、実施例1のタイヤと同様である。
[比較例1]
比較例1のタイヤは、タイヤサイズ195/65R15であるラジアルタイヤであって、表1に示す諸元の構成を有し、トレッド踏面Tに、3本の周方向主溝が配設されている。また、比較例1のタイヤは、周方向主溝により区画される2本の陸部において、両端が周方向主溝に開口する陸部を横断する溝が配設され、周方向サイプおよび両端閉口サイプのいずれも配設されていない。周方向主溝は、溝幅が9mm、溝深さが6.5mmである。
[比較例2]
比較例2のタイヤは、比較例1のタイヤとはタイヤサイズが異なるものであり、また、3本の周方向主溝で区画される2本のリブ状陸部において、両端が周方向主溝に開口する陸部を横断する溝が配設され、周方向サイプおよび両端閉口サイプのいずれも配設されていない以外、実施例1のタイヤと同様である。なお、陸部を横断する溝は、溝幅が3mm、溝深さが5mmである。
[比較例3]
比較例3のタイヤは、3本の周方向主溝で区画される2本のリブ状陸部において、両端閉口サイプが配設されない以外、実施例1のタイヤと同様である。
上記の各供試タイヤを以下に示す方法で評価した。
[ウェット性能]
上記の各供試タイヤを、下記の条件でリムに装着し内圧を充填して、車両に装着した後、ウェット路面を時速80km/hで走行させた。そして、上記状態で走行後、フルブレーキを行った際の、停止距離(m)を計測し、このときの平均減速度(m/s2)(平均減速度a、初速v、質量m、停止距離Lとすると、mv2/2=maLより、a=v2/2Lと計算できる)を算出した。評価結果は、比較例1に記載のタイヤを100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどウェット性能がよいことを意味する。
実施例1〜3、比較例2、3:リムサイズ5.5J−19、内圧300kPa
比較例1:リムサイズ6.5J−15、内圧220kPa
[転がり抵抗性能]
上記の各供試タイヤを、ウェット性能の測定条件と同じ条件で、リムに装着し内圧を充填して、各タイヤに規定される最大荷重を負荷して、ドラム回転速度100km/hの条件にて転がり抵抗値を測定した。
評価結果は、各供試タイヤについての値を逆数にして、比較例1に記載のタイヤを100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗性能がよいことを意味する。
[コーナリングパワー]
コーナリングパワーは、フラットベルト式コーナリング試験機を用いて測定した。具体的には、上記の各供試タイヤを、ウェット性能の測定条件と同じ条件で、リムに装着し内圧を充填して、フラットベルト式コーナリング試験機取り付けて測定を行った。ベルト速度を100km/hとして、タイヤの転動方向とドラムの円周方向との間のスリップアングル(SA)を1°の状態でコーナリングフォースを測定した。
評価結果は、比較例1のコーナリングフォースを100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど、スリップアングルがある場合のコーナリングフォース、すなわちスリップアングルがある場合のコーナリングパワーが良好であることを意味する。
表1より実施例1〜3は、比較例1〜3のタイヤと比較して、ウェット性能が向上していることがわかる。
本発明によれば、トレッド部におけるタイヤ周方向の陸部剛性を高めつつ、ウェット性能を向上させることが可能な空気入りタイヤを提供することができる。
1:空気入りタイヤ、 21:ビード部、 22:カーカス、 23:トレッドゴム、 24:トレッド部、 25:サイドウォール部、 26:ベルト、 3:周方向主溝、
4:リブ状陸部、 5:ショルダー陸部、 6:周方向サイプ、 61:周方向サイプ部分、 62:幅方向サイプ部分、 7:両端閉口サイプ、 81:接続部分、 82:連結部分、 111、112、121、122、131、132:傾斜ベルト層、 113、114、123、133:周方向ベルト層、 141:サイド補強ゴム、 151:周方向主溝、 A:タイヤ幅方向中心線、 C1〜C3:円、 E:トレッド接地端、 L:ピッチ長、 O:(両端閉口サイプの)図心、 O’:リブ状陸部の表面の任意の点、 P1〜P3:パターン、 R1〜R3:半径、 R4、R5:曲率半径、 T:トレッド踏面、 TW:トレッド幅、 W:リブ状陸部の陸部幅

Claims (3)

  1. トレッド踏面に、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも2本の周方向主溝と、相互に隣り合う2本の前記周方向主溝で区画される少なくとも1本のリブ状陸部と、を備えた空気入りタイヤであって、
    前記リブ状陸部は、タイヤ周方向に延びる周方向サイプ部分を有する周方向サイプと、当該リブ状陸部内で両端が終端する両端閉口サイプと、を有し、
    前記リブ状陸部において、当該リブ状陸部の陸部幅を3つに等分し、タイヤ幅方向で中央の領域を中央領域および当該中央領域のタイヤ幅方向で両隣の領域を側方領域とするとき、
    前記周方向サイプ部分は前記中央領域のみに位置し、前記側方領域は前記両端閉口サイプを有することを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記リブ状陸部の陸部幅をWとしたとき、
    トレッド踏面展開視において、少なくとも1つの前記両端閉口サイプの図心を中心とし半径を0.15Wとする円で囲まれる領域内には、当該両端閉口サイプ以外の溝およびサイプのいずれも存在しない、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記リブ状陸部の陸部幅をWとしたとき、
    トレッド踏面展開視において、少なくとも1つの前記両端閉口サイプの図心を中心とし半径を0.50Wとする円で囲まれる領域内には、当該両端閉口サイプ以外に、当該両端閉口サイプ以外の溝およびサイプのいずれかがさらに存在する、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
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