JP6758833B2 - タイヤ - Google Patents

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本発明は、トレッド部にタイヤ周方向に延びる主溝を備えたタイヤに関する。
車両用のタイヤでは、ウエット路面での排水性能を確保するため、タイヤ周方向に延びる主溝がトレッド部に設けられている。タイヤの転動時には、路面の水が主溝により排水されて、タイヤのトレッド部が路面に接地する。ところが、タイヤの転動に伴い、主溝が溝幅方向に繰り返し変形して、変形が主溝内の角部に集中することがある。角部におけるゴムの変形の程度によっては、耐クラック性能に影響が生じる虞がある。そのため、主溝内にクラックが発生するのを抑制する観点から、角部の変形を抑制することが求められている。
これに対し、従来、主溝の角部を円弧状に形成してクラックの発生を抑制する空気入りタイヤが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された従来の空気入りタイヤでは、主溝の角部の曲率半径が比較的大きくなる。その結果、主溝の容積が減少して、タイヤの排水性能に影響が生じる虞がある。
主溝の溝幅を広くすることで、主溝の容積を大きくして、タイヤの排水性能を向上させることができる。ところが、主溝の溝幅が広くなると、ネガティブ比が大きくなり、タイヤの接地面積が小さくなる。そのため、主溝の溝幅を広くすることなく、主溝の容積を大きくして、タイヤの排水性能を確保するのが好ましい。同時に、主溝内にクラックが発生するのを抑制する必要もある。
特開2014−189161号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、タイヤの排水性能を維持しつつ、タイヤ周方向に延びる主溝内にクラックが発生するのを抑制することである。
本発明は、トレッド部にタイヤ周方向に延びる主溝を備えたタイヤである。タイヤは、溝よりも細い細溝を備える。主溝は、主溝の溝幅方向に沿って形成された溝底と、一対の溝壁と、溝壁と溝底の間に位置し、円弧状に湾曲した凹状の一対の湾曲部を有する。細溝が、主溝の溝壁と湾曲部には設けられずに、1つの細溝が、主溝内で主溝の溝底のみに設けられて、主溝のタイヤ周方向の全体にわたって主溝に沿って延びる。細溝は、円弧状に湾曲した凹状の底部を有する。主溝の溝幅方向の断面において、主溝の湾曲部の曲率半径をR1、細溝の底部の曲率半径をR2としたとき、R1>R2である。主溝の深さをD1、細溝の深さをD2としたとき、D1>D2である。主溝の溝幅をW、主溝の溝幅方向の中心に位置する中心線をL、主溝の中心線Lから溝幅方向の両外側のそれぞれにW/4の距離を隔てた一対の境界線をKとしたとき、細溝は、一対の境界線Kの間に位置し、主溝の湾曲部は、境界線Kよりも主溝の溝幅方向の外側に位置する。
本発明によれば、タイヤの排水性能を維持しつつ、タイヤ周方向に延びる主溝内にクラックが発生するのを抑制することができる。
本実施形態のタイヤのタイヤ幅方向の断面図である。 本実施形態のタイヤの主溝を示す断面図である。 比較品と従来品の主溝の断面図である。
本発明のタイヤの一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のタイヤは、車両用の空気入りタイヤ(例えば、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、重荷重用タイヤ)であり、種々の車両のリムに装着される。
図1は、本実施形態のタイヤ1のタイヤ幅方向Fの断面図であり、タイヤ赤道CLの一方側の断面を示している。また、図1は、正規状態のタイヤ1の断面を示している。
ここでは、正規状態とは、タイヤ1を正規リムに装着して、タイヤ1に正規内圧を充填し、タイヤ1を無負荷にしたときの状態である。タイヤ1に関する寸法、位置、角度等は、正規状態のタイヤ1における寸法、位置、角度等である。また、正規リムと正規内圧は、タイヤ1に適用される規格により規定される。例えば、JATMA YEAR BOOK(日本自動車タイヤ協会規格)では、正規リムは標準リムであり、正規内圧は最高空気圧である。タイヤ1の使用地又は製造地において、他の規格が適用されるときには、各々の規格に従って、タイヤ1の正規状態が規定される。他の規格は、例えば、アメリカ合衆国ではTRA(The Tire and Rim Association Inc.)のYEAR BOOKであり、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organization)のSTANDARDS MANUALである。
図示のように、タイヤ1は、路面に接地する環状のトレッド部2と、トレッド部2のタイヤ半径方向Sの内側に位置する一対のビード部3と、トレッド部2の端部とビード部3の間に位置する一対のサイドウォール部4を備えている。また、タイヤ1は、ビード部3に配置された環状のビードコア5と、カーカス6と、トレッド部2に配置されたベルト7と、トレッドゴム8を備えている。カーカス6は、1層以上のカーカスプライを有し、一方のビードコア5から他方のビードコア5まで配置される。
ベルト7は、少なくとも1つの傾斜ベルト層(ここでは、2つの傾斜ベルト層7A、7B)と、1つの周方向ベルト層7Cを有し、カーカス6のタイヤ半径方向Sの外側に配置される。傾斜ベルト層7A、7Bは、それぞれ、タイヤ周方向に対して傾斜した状態で並列する複数のコードを有し、タイヤ半径方向Sに重ねて配置される。一方の傾斜ベルト層7Aのコードと他方の傾斜ベルト層7Bのコードは、タイヤ周方向に対して互いに反対側に傾斜する。周方向ベルト層7Cは、タイヤ周方向に沿って配置されたコードを有し、傾斜ベルト層7A、7Bのタイヤ半径方向Sの外側に配置される。周方向ベルト層7Cのコードは、タイヤ周方向に延びるとともに、タイヤ幅方向Fに並列する。ここでは、周方向ベルト層7Cは、スパイラルベルト層であり、タイヤ周方向に沿って螺旋状に配置されたコードを有する。
トレッドゴム8は、トレッド部2の路面に接地する部分(トレッド部2の外周部)であり、ベルト7のタイヤ半径方向Sの外側に配置される。トレッド部2のトレッドゴム8には、所定のトレッドパターンが形成されている。タイヤ1は、トレッド部2に、複数の主溝10と複数の陸部20を備えている。複数の主溝10は、タイヤ周方向に延びる周方向溝であり、タイヤ1の一対のショルダー部9の間に位置する。複数の陸部20は、複数の主溝10によりトレッド部2に区画された凸部であり、2つの主溝10の間と、主溝10とショルダー部9の間に位置する。
図2は、本実施形態のタイヤ1の主溝10を示す断面図であり、主溝10の溝幅方向Hの断面を示している。溝幅方向Hは、主溝10の幅方向であり、主溝10の延びる方向に直交する。ここでは、主溝10の延びる方向はタイヤ周方向であり、溝幅方向Hはタイヤ幅方向Fである。
図示のように、主溝10は、溝底11と、一対の溝壁12と、一対の湾曲部13を有する。溝底11は、主溝10の深さ方向(溝深さ方向T)の最深部に位置する主溝10の底部(底面)であり、主溝10の溝幅方向Hの断面において、溝幅方向Hに沿って形成されている。
一対の溝壁12は、主溝10内で対向する主溝10の壁部(壁面)であり、主溝10の溝幅方向Hの断面において、直線状に形成されている。また、主溝10の溝幅方向Hの断面において、トレッド表面21の法線をN、法線Nと溝壁12とのなす角度をθとしたとき、溝壁12の角度θは、0°以上10°以下である(0°≦θ≦10°)。
トレッド表面21は、トレッド部2の表面(陸部20の踏面)であり、トレッド表面21の法線Nは、トレッド表面21と主溝10の溝壁12の交わる位置におけるトレッド表面21の法線である。主溝10の溝壁12は、トレッド表面21の法線Nに沿って配置され、又は、法線Nに対して主溝10の溝幅方向Hの外側に0°より大きく10°以下の角度(0°<θ≦10°)で傾斜する。ここでは、溝壁12は、タイヤ半径方向Sの外側に向かうにつれて、法線Nに対して溝幅方向Hの外側に傾斜する傾斜面である。主溝10は、トレッド表面21から溝底11に向かって次第に狭くなる。
主溝10の湾曲部13は、凹状の湾曲面であり、主溝10内で溝壁12と溝底11の間に位置する。また、湾曲部13は、トレッドゴム8内に向かって窪む凹形状に形成され、所定の曲率半径R1の円弧状に湾曲する。曲率半径R1は、主溝10の溝幅方向Hの断面における湾曲部13の曲率半径であり、曲率半径R1の中心は、主溝10内に位置する。一対の湾曲部13は、一対の溝壁12と溝底11が交わる位置に設けられた交わり部(主溝10の角部)であり、一対の溝壁12と溝底11は、一対の湾曲部13により連結される。溝壁12と湾曲部13は滑らかに連続し、溝底11と湾曲部13は滑らかに連続する。
タイヤ1は、主溝10よりも細い細溝30を備えている。細溝30は、主溝10の内部に形成された内部溝であり、主溝10内で溝底11のみに設けられている。即ち、細溝30は、主溝10の溝壁12と湾曲部13には設けられず、主溝10は、溝底11に1つの細溝30を有する。細溝30は、主溝10に沿って延び、主溝10のタイヤ周方向の全体にわたって形成されている。主溝10は、細溝30よりも深く、細溝30は、溝底11からベルト7に向かって形成されている。細溝30はベルト7のタイヤ半径方向Sの外側に位置し、細溝30とベルト7の間にはトレッドゴム8が配置される。
主溝10の溝幅方向Hの断面において、主溝10と細溝30の断面形状は、U字状に形成されている。主溝10の深さをD1、細溝30の深さをD2としたとき、主溝10の深さD1は、細溝30の深さD2より大きく、深さD1、D2は、(D1>D2)の条件を満たす。また、細溝30の溝幅Mは、主溝10の溝幅Wより小さく、0.25mm以上2mm以下である(0.25mm≦M≦2mm)。
主溝10の中心線をL、溝底11の一対の境界線をKとしたとき、細溝30は、一対の境界線Kの間に位置する。中心線Lは、主溝10の溝幅方向Hの中心に位置するとともに、一対の境界線Kの間に位置する。一対の境界線Kは、主溝10の中心線Lから溝幅方向Hの両外側のそれぞれにW/4の距離を隔てた線であり、中心線Lと一対の境界線Kは、主溝10に沿って延びる。ここでは、細溝30は、主溝10の中心線Lに位置する。また、主溝10の湾曲部13は、境界線Kよりも溝幅方向Hの外側に位置する。
細溝30は、一対の壁部(溝壁)31と、底部(溝底)32を有する。細溝30の底部32は、凹状の湾曲面であり、一対の壁部31の間に位置する。また、底部32は、タイヤ半径方向Sの内側に向かって窪む凹形状に形成され、所定の曲率半径R2の円弧状に湾曲する。曲率半径R2は、主溝10の溝幅方向Hの断面における底部32の曲率半径であり、曲率半径R2の中心は、細溝30又は主溝10内に位置する。細溝30内で、一対の壁部31と底部32は、滑らかに連続する。
主溝10の溝幅方向Hの断面において、主溝10の湾曲部13の曲率半径R1は、細溝30の底部32の曲率半径R2より大きく、曲率半径R1、R2は、(R1>R2)の条件を満たす。また、曲率半径R1、R2は、(0.05≦R2/R1≦0.4)の条件を満たす。底部32の曲率半径R2は、底部32と壁部31が滑らかに連続するように、一対の壁部31の間隔に対応して設定される。
タイヤ1の転動時には、主溝10が繰り返し変形して、主溝10の溝壁12と溝底11の間に位置する部分にゴムの変形が集中する。これに対し、本実施形態のタイヤ1では、溝壁12と溝底11の間に位置する湾曲部13が円弧状に湾曲しており、ゴムの変形が湾曲部13内で分散される。また、タイヤ1の転動に伴い、細溝30が変形して、湾曲部13への変形の集中が緩和される。細溝30は、湾曲部13よりも変形が集中し難い主溝10の溝底11に設けられている。そのため、細溝30の底部32の曲率半径R2を湾曲部13の曲率半径R1より小さくしても、細溝30への変形の集中が抑制される。R1>R2であるときには、湾曲部13の変形がより抑制される。従って、主溝10内の変形が分散されて、主溝10内にクラックが発生するのを抑制することができる。
主溝10の湾曲部13の曲率半径R1を小さくしても、細溝30により、湾曲部13への変形の集中が緩和される。湾曲部13の曲率半径R1を変化させることで、主溝10の溝幅Wを広くすることなく、主溝10の容積を大きくすることができる。これにより、主溝10の容積を確保して、タイヤ1の排水性能を、従来と同程度に維持することができる。また、ネガティブ比が大きくなるのを抑制して、タイヤ1の接地面積を確保することもできる。
主溝10の湾曲部13の曲率半径R1と細溝30の底部32の曲率半径R2の比に関し、(R2/R1)が0.05未満であるときには、細溝30の底部32が狭くなり、細溝30を形成し難くなる。また、(R2/R1)が0.4より大きいときには、細溝30の底部32が広くなり、細溝30の変形が小さくなる虞がある。この場合には、主溝10内で変形を分散する効果に影響が生じる虞がある。これに対し、2つの曲率半径R1、R2が(0.05≦R2/R1≦0.4)の条件を満たすときには、細溝30を主溝10の溝底11に容易に形成して、細溝30により、主溝10内の変形をより確実に分散することができる。
主溝10の深さD1を細溝30の深さD2より大きくすることで、主溝10の容積が大きくなる。また、細溝30の深さD2が主溝10の深さD1以上であるときには、主溝10内で変形を分散する効果に影響が生じる虞がある。そのため、(D1>D2)であるのが好ましい。
細溝30の溝幅Mが0.25mm未満であるときには、細溝30を形成し難くなることがある。これに対し、細溝30の溝幅Mが2mmより大きいときには、細溝30の変形が小さくなる虞がある。従って、細溝30の溝幅Mは0.25mm以上2mm以下であるのが好ましい。これにより、細溝30を主溝10の溝底11に容易に形成して、細溝30により、主溝10内の変形をより確実に分散することができる。
細溝30が一対の境界線Kの間に位置することで、一対の湾曲部13において、同程度に変形の集中を緩和することができる。トレッド表面21の法線Nと主溝10の溝壁12とのなす角度θが(0°≦θ≦10°)の条件を満たすときには、湾曲部13への変形の集中が生じ易い。この場合には、細溝30により、湾曲部13への変形の集中を効果的に緩和することができる。
なお、細溝30は、タイヤ1の少なくとも1つの主溝10に設ければよい。従って、1つの主溝10に細溝30を設けてもよく、全ての主溝10に細溝30を設けてもよい。また、ベルト7のタイヤ半径方向Sの外側に位置する主溝10に細溝30を設けるのが好ましく、タイヤ1の1周にわたって細溝30を主溝10に沿って設けるのが好ましい。主溝10と細溝30は、タイヤ周方向に沿って直線状に延びるストレート溝であってもよく、ストレート溝以外のタイヤ周方向に沿って延びる溝であってもよい。ストレート溝以外の溝は、例えば、ジグザグ状に延びるジグザグ溝、タイヤ周方向に対して傾斜する傾斜溝、波状に延びる湾曲溝である。
タイヤ1のトレッド部2には(図1参照)、主溝10と細溝30以外のトレッドパターンの構成要素を設けてもよい。トレッドパターンの構成要素は、例えば、タイヤ幅方向Fに延びる幅方向溝、サイプ、又は、副溝である。また、タイヤ1の陸部20は、タイヤ周方向に延びるリブであってもよく、複数のブロックを有するブロック列であってもよい。タイヤ1は、新品のタイヤであってもよく、更生タイヤであってもよい。タイヤ1が更生タイヤであるときには、例えば、主溝10と細溝30はプレキュアトレッドに形成される。
トレッドゴム8は、複数のゴム層を有していてもよく、トレッドゴム8の複数のゴム層は、互いに特性(正接損失、モジュラス、硬度、ガラス転移温度、材質等)が異なるゴムにより形成されていてもよい。例えば、複数のゴム層をタイヤ半径方向Sに重ねて、トレッドゴム8を形成する。この場合には、複数のゴム層のタイヤ半径方向Sの厚みの比率をタイヤ幅方向Fにおいて変化させてもよく、トレッドゴム8の一部(主溝10の溝底11の部分のみ等)を周辺部とは異なるゴム層にしてもよい。また、例えば、複数のゴム層をタイヤ幅方向Fに連接して、トレッドゴム8を形成する。この場合には、複数のゴム層のタイヤ幅方向Fの幅の比率をタイヤ半径方向Sにおいて変化させてもよく、トレッドゴム8の一部の領域(主溝10を含む領域、トレッド端を含む領域、ショルダー陸部、センター陸部等)のみに、周辺部とは異なるゴム層を設けてもよい。
最幅広傾斜ベルト層の幅は、トレッド幅の90〜115%の幅であるのが好ましく、特に、トレッド幅の100〜105%の幅であるのが好ましい。最幅広傾斜ベルト層は、複数の傾斜ベルト層7A、7Bのうちの最も幅が広い傾斜ベルト層である。傾斜ベルト層7A、7Bのコードは、一般に、金属コードであり、傾斜ベルト層7A、7Bのコードとしては、スチールコードが最も広く用いられる。スチールコードの主成分は鉄であるが、スチールコードは種々の微量含有物(炭素、マンガン、ケイ素、リン、硫黄、銅、クロム等)を含む。これに対し、傾斜ベルト層7A、7Bのコードは、有機繊維コードであってもよい。
傾斜ベルト層7A、7Bのコードは、タイヤ周方向に対して10°以上の角度で傾斜させるのが好ましい。また、傾斜ベルト層7A、7Bのコードは、モノフィラメントコードであってもよく、複数のフィラメントを撚り合わせた撚りコードであってもよい。撚りコードの構造は様々に設計することができ、撚りコードの設計要素(構造要素)は様々に変更することができる。撚りコードの設計要素は、例えば、断面構造、撚りピッチ、撚り方向、隣接フィラメントの距離である。撚りコードの撚り構造としては、様々な構造(単撚り、層撚り、複撚り等)が採用でき、撚りコードは様々な断面構造に形成される。撚りコードは、互いに材質の異なる複数種類のフィラメントを撚り合わせたハイブリットコードであってもよい。
周方向ベルト層7Cの破断強度を高くするため、波状コードを周方向ベルト層7Cに用いてもよく、ハイエロンゲーションコードを周方向ベルト層7Cに用いてもよい。例えば、ハイエロンゲーションコードの破断時の伸びは、4.5〜5.5%である。また、周方向ベルト層7Cには、様々な材質のコードを用いることができる。周方向ベルト層7Cのコードの材質は、例えば、レーヨン、ナイロン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アラミド、ガラス繊維、カーボン繊維、スチールである。タイヤ1の重量を削減するためには、周方向ベルト層7Cのコードは、有機繊維コードであるのが好ましい。
周方向ベルト層7Cのコードは、モノフィラメントコードであってもよく、複数のフィラメントを撚り合わせた撚りコードであってもよい。撚りコードは、互いに材質の異なる複数種類のフィラメントを撚り合わせたハイブリットコードであってもよい。一般的な周方向ベルト層7Cでは、タイヤ幅方向Fの単位長さ(50mm)あたり、20〜60本のコードがタイヤ幅方向Fに並列する(密度:20〜60本/50mm)。ただし、周方向ベルト層7Cのコードの密度は、一般的な密度(20〜60本/50mm)に限定されず、一般的な密度以外の密度であってもよい。
周方向ベルト層7Cの性状(剛性、材質、層数、コードの密度等)をタイヤ幅方向Fにおいて変化させてもよい。例えば、周方向ベルト層7Cのタイヤ幅方向Fの端部のみで、周方向ベルト層7Cの層数を増加させてもよく、周方向ベルト層7Cのタイヤ幅方向Fの中央部のみで、周方向ベルト層7Cの層数を増加させてもよい。周方向ベルト層7Cの幅を傾斜ベルト層7A、7Bの幅より広くしてもよく、周方向ベルト層7Cの幅を傾斜ベルト層7A、7Bの幅より狭くしてもよい。例えば、周方向ベルト層7Cは、最幅広傾斜ベルト層の幅の90〜110%の幅に形成される。
周方向ベルト層7Cは、スパイラルベルト層であるのが好ましい。これにより、周方向ベルト層7Cをベルト7に容易に形成することができる。なお、周方向ベルト層7Cをベルト7に設けないようにしてもよい。この場合には、ベルト7は、傾斜ベルト層7A、7Bのみにより形成される。
タイヤ1のタイヤ幅方向Fの断面において、カーカス6の配置ライン(カーカスライン)として、様々な構造の空気入りタイヤのカーカスラインを採用できる。また、カーカス6の最大幅位置をタイヤ半径方向Sに変化させてもよく、タイヤ半径方向Sにおけるカーカス6の最大幅位置をビード部3側又はトレッド部2側に近づけてもよい。カーカス6の最大幅位置は、ビードベース部よりもタイヤ半径方向Sの外側に配置されており、例えば、カーカス6の最大幅位置とビードベース部のタイヤ半径方向Sの距離は、タイヤ1の高さの50〜90%の距離である。
カーカス6の構造としては、様々な空気入りタイヤのカーカス構造を採用できる。一般的なカーカス6では、単位長さ(50mm)あたり、20〜60本のコードが配置される(密度:20〜60本/50mm)。ただし、カーカス6のコードの密度は、一般的な密度(20〜60本/50mm)に限定されず、一般的な密度以外の密度であってもよい。
タイヤ1は、ビードコア5からタイヤ半径方向Sの外側に延びるビードフィラ40を備えている。カーカス6の折り返し部6Aは、ビードコア5の周りで折り返して、ビードフィラ40に沿って配置される。折り返し部6Aの先端6Bは、ビードフィラ40の先端よりもタイヤ半径方向Sの内側に位置させてもよい。これに対し、折り返し部6Aの先端6Bを、ビードフィラ40の先端又はタイヤ1の最大幅位置よりもタイヤ半径方向Sの外側に位置させてもよい。また、カーカス6の折り返し部6Aをベルト7まで配置して、折り返し部6Aの先端6Bをベルト7の端部よりもタイヤ幅方向Fの内側に位置させてもよい。カーカス6が複数のカーカスプライを有するときには、折り返し部6Aにおいて、複数のカーカスプライの先端をタイヤ半径方向Sの互いに異なる位置に配置してもよい。
カーカス6に折り返し部6Aを設けないようにしてもよい。この場合には、例えば、カーカス6をビードコア5に巻き付ける。ビードコア5は、様々な断面形状(円形状、楕円形状、多角形状等)又は構造に形成される。ビードコア5が複数のコア部材に分割されているときには、カーカス6をビードコア5の複数のコア部材の間に挟み込んでもよい。ビード部3を補強するため、ビード部3に補強層(ゴム層、コード層等)を設けてもよい。補強層は、カーカス6又はビードフィラ40の様々な位置に設けられる。また、ビードフィラ40をタイヤ1のビード部3に設けないようにしてもよい。
タイヤ1の最大幅位置は、ビードベース部よりもタイヤ半径方向Sの外側に配置されており、例えば、タイヤ1の最大幅位置とビードベース部のタイヤ半径方向Sの距離は、タイヤ1の高さの50〜90%の距離である。サイドウォール部4には、リムガードを形成してもよい。タイヤ1のインナーライナは、ゴム層であってもよく、フィルム層であってもよい。インナーライナのゴム層は、ブチルゴムを主成分とするゴムであり、インナーライナのフィルム層は、樹脂を主成分とするフィルムである。
空洞共鳴音を低減するため、タイヤ1の内面に多孔質部材(例えば、スポンジ)を配置してもよく、タイヤ1の内面に静電植毛加工を施してもよい。パンク時の空気の漏れを防止するため、タイヤ1の内面にシーラント部材を設けてもよい。タイヤ1は、サイド補強型のランフラットタイヤであってもよい。この場合には、三日月型の補強ゴムがサイドウォール部4に設けられる。
(タイヤ試験)
本発明の効果を確認するため、本実施形態のタイヤ1に対応する1つの実施例のタイヤ(実施品という)、2つの比較例のタイヤ(比較品1、2という)、及び、1つの従来例のタイヤ(従来品という)を作成して、それらの性能を評価した。実施品、比較品1、2、及び、従来品は、同じタイヤサイズ(205/55R16)(JATMA YEAR BOOK(2015、日本自動車タイヤ協会規格))の乗用車用ラジアルプライタイヤである。また、実施品、比較品1、2、及び、従来品は、同じリム(6.5J−16)に装着して、同じ内圧を充填した。実施品では、全ての主溝10の溝底11に細溝30を設けた。
図3は、比較品1、2と従来品の主溝10の断面図である。
図示のように、比較品1、2と従来品では、主溝10の溝底11に細溝30を設けていない。また、実施品と比較品1、2では、湾曲部13の曲率半径R1が相違する。その他の構成は、実施品、比較品1、2、及び、従来品で同じである。
試験では、実施品、比較品1、2、及び、従来品のそれぞれを、車両の全てのリムに装着して、耐ハイドロプレーニング性能を評価した。具体的には、車両を80km/hの速度でウエット路面(水深:10mm)に進入させた後、車両を加速して、ハイドロプレーニングが発生した速度を測定した。測定結果は、従来品の測定結果を100とした指数で表す。数値が大きいほど、ハイドロプレーニングが発生し難いことを示す。
また、オゾンドラム試験機を用いて、実施品、比較品1、2、及び、従来品の耐クラック性能を評価した。試験では、以下の条件で、実施品、比較品1、2、及び、従来品をドラムに押し付けて走行させた。
試験荷重:600kg
試験内圧:240kPa
試験速度:60km/h
走行距離:10000km
通常の大気よりもオゾンが多い環境で試験を行い、主溝10内でのクラックの発生を促進させた。試験後、主溝10の湾曲部13の所定面積内に発生したクラックの数を測定した。測定結果は、従来品の測定結果を100とした指数で表す。数値が大きいほど、クラックが発生し難いことを示す。
Figure 0006758833
表1に示すように、従来品と実施品では、主溝10の湾曲部13の曲率半径R1が3mmであり、主溝10の深さD1が7mmである。また、実施品では、細溝30の底部32の曲率半径R2が1mmであり、細溝30の深さD2が1.2mmである。比較品1では、R1が0.5mmであり、D1が7mmである。比較品2では、R1が5mmであり、D1が7mmである。
比較品1の耐クラック性能は、90であり、従来品の耐クラック性能よりも低くなった。比較品2の耐ハイドロプレーニング性能は、95であり、従来品の耐ハイドロプレーニング性能よりも低くなった。これに対し、実施品の耐クラック性能は、103であり、従来品の耐クラック性能よりも高くなった。また、実施品の耐ハイドロプレーニング性能は、100であり、従来品の耐ハイドロプレーニング性能と同等であった。これより、実施品では、従来品と同等の排水性能が得られることが分かった。以上の結果から、実施品では、タイヤ1の排水性能を維持しつつ、主溝10内にクラックが発生するのを抑制できることが分かった。
1・・・タイヤ、2・・・トレッド部、3・・・ビード部、4・・・サイドウォール部、5・・・ビードコア、6・・・カーカス、7・・・ベルト、8・・・トレッドゴム、9・・・ショルダー部、10・・・主溝、11・・・溝底、12・・・溝壁、13・・・湾曲部、20・・・陸部、21・・・トレッド表面、30・・・細溝、31・・・壁部、32・・・底部、40・・・ビードフィラ、CL・・・タイヤ赤道、F・・・タイヤ幅方向、H・・・溝幅方向、K・・・境界線、L・・・中心線、S・・・タイヤ半径方向、T・・・溝深さ方向。

Claims (4)

  1. トレッド部にタイヤ周方向に延びる主溝を備えたタイヤであって、
    溝よりも細い細溝を備え、
    主溝は、主溝の溝幅方向に沿って形成された溝底と、一対の溝壁と、溝壁と溝底の間に位置し、円弧状に湾曲した凹状の一対の湾曲部を有し、
    細溝が、主溝の溝壁と湾曲部には設けられずに、1つの細溝が、主溝内で主溝の溝底のみに設けられて、主溝のタイヤ周方向の全体にわたって主溝に沿って延び、
    細溝は、円弧状に湾曲した凹状の底部を有し、
    主溝の溝幅方向の断面において、主溝の湾曲部の曲率半径をR1、細溝の底部の曲率半径をR2としたとき、R1>R2であり、
    主溝の深さをD1、細溝の深さをD2としたとき、D1>D2であり、
    主溝の溝幅をW、主溝の溝幅方向の中心に位置する中心線をL、主溝の中心線Lから溝幅方向の両外側のそれぞれにW/4の距離を隔てた一対の境界線をKとしたとき、細溝は、一対の境界線Kの間に位置し、主溝の湾曲部は、境界線Kよりも主溝の溝幅方向の外側に位置するタイヤ。
  2. 請求項に記載されたタイヤにおいて、
    主溝の湾曲部の曲率半径R1と細溝の底部の曲率半径R2は、0.05≦R2/R1≦0.4の条件を満たすタイヤ。
  3. 請求項1又は2に記載されたタイヤにおいて、
    主溝の溝幅方向の断面において、主溝の溝壁と交わる位置のトレッド表面の法線をNとしたとき、主溝の溝壁は、トレッド表面の法線Nに沿って配置され、又は、トレッド表面の法線Nに対して主溝の溝幅方向外側に0°より大きく10°以下の角度で傾斜するタイヤ。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載されたタイヤにおいて、
    細溝の溝幅は、0.25mm以上2mm以下であるタイヤ。
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