以下に、図面を参照して本発明のプリンタの実施の形態について説明する。
<本実施の形態のプリンタの構成例>
図1〜図4は、本実施の形態のプリンタの一例を示す構成図である。ここで、図1は、本実施の形態のプリンタにおいて、カバーを開けた状態を背面から見た斜視図、図2は、本実施の形態のプリンタにおいて、カバーを閉じた状態を正面から見た斜視図である。また、図3は、本実施の形態のプリンタの用紙及びインクリボンテープの搬送経路を模式的に示す側面図、図4は、本実施の形態のプリンタの要部分解斜視図である。
更に、図5〜図6は、本実施の形態のインクリボンカセットの一例を示す構成図である。ここで、図5は、本実施の形態のインクリボンカセットの分解斜視図、図6は、本実施の形態のインクリボンカセットの外観斜視図である。
まず、インクリボンカセット10Aの構成について説明すると、本実施の形態のインクリボンカセット10Aは、インクリボン1Aが着脱可能に収納される本体ケース11を備える。
インクリボン1Aは、インクリボンテープ2が巻かれる繰り出し芯部20と、インクリボンテープ2が巻き取られる巻き取り芯部21を備える。
インクリボンテープ2は、本例では、熱と圧力で印刷対象物に転写可能なインクが、薄膜状で長尺の媒体に塗布されて構成される。
繰り出し芯部20は芯部の一例で、新規の使用開始時には、使用前のインクリボンテープ2が巻かれる。繰り出し芯部20は、紙、樹脂等の円筒状の部材で構成される。巻き取り芯部21は芯部の一例で、使用後のインクリボンテープ2が巻かれる。巻き取り芯部21は、紙、樹脂等の円筒状の部材で構成される。
インクリボンカセット10Aは、繰り出し芯部20の一方の端部及び巻き取り芯部21の一方の端部にそれぞれ取り付けられる第1の連結部材12と、繰り出し芯部20の他方の端部及び巻き取り芯部21の他方の端部にそれぞれ取り付けられる第2の連結部材13を備える。
本体ケース11は、インクリボンテープ2が巻かれる繰り出し芯部20が収納される第1の収納部14と、インクリボンテープ2が巻かれる巻き取り芯部21が収納される第2の収納部15を備える。
また、本体ケース11は、第1の収納部14と第2の収納部15の間に、第1の収納部14に収納された繰り出し芯部20から繰り出され、第2の収納部15に収納された巻き取り芯部21に巻き取られるインクリボンテープ2を露出させるテープ搬送部16を備える。
更に、本体ケース11は、第1の収納部14を開閉する第1のカバー17と、第2の収納部15を開閉する第2のカバー18を備える。
本体ケース11は、インクリボンテープ2の搬送方向に対して上流側に、インクリボンテープ2が巻かれる繰り出し芯部20が収納可能な形状の凹部を設けて第1の収納部14が構成される。
また、本体ケース11は、第1の収納部14に収納される繰り出し芯部20の軸方向の一方の端部と対向して、第1の収納部14の幅方向の一方の端部に、繰り出し芯部20に取り付けられる第1の連結部材12を支持する第1の受け部14aが形成される。更に、本体ケース11は、第1の収納部14に収納される繰り出し芯部20の軸方向の他方の端部と対向して、第1の収納部14の幅方向の他方の端部に、繰り出し芯部20に取り付けられる第2の連結部材13を支持する第2の受け部14bが形成される。
本体ケース11は、インクリボンテープ2の搬送方向に対して下流側に、インクリボンテープ2が巻かれる巻き取り芯部21が収納可能な形状の凹部を設けて第2の収納部15が構成される。
また、本体ケース11は、第2の収納部15に収納される巻き取り芯部21の軸方向の一方の端部と対向して、第2の収納部15の幅方向の一方の端部に、巻き取り芯部21に取り付けられる第1の連結部材12を支持する第1の受け部15aが形成される。更に、本体ケース11は、第2の収納部15に収納される巻き取り芯部21の軸方向の他方の端部と対向して、第2の収納部15の幅方向の他方の端部に、巻き取り芯部21に取り付けられる第2の連結部材13を支持する第2の受け部15bが形成される。
第1の連結部材12は、繰り出し芯部20の軸方向の一方の端部に挿入される芯取付部12aと、繰り出し芯部20の軸方向の取付位置を規制するフランジ部12bと、本体ケース11の第1の受け部14aに支持される軸支部12cと、駆動力が伝達されるギア12dと、プリンタ100Aに支持される軸部12eを備える。なお、巻き取り芯部21の軸方向の一方の端部に取り付けられる第1の連結部材12も同様の構成である。
第2の連結部材13は、繰り出し芯部20の軸方向の他方の端部に挿入される芯取付部13aと、繰り出し芯部20の軸方向の取付位置を規制するフランジ部13bと、本体ケース11の第2の受け部14bに支持される軸支部13cと、駆動力が伝達されるギア13dと、プリンタ100Aに支持される軸部13eを備える。なお、巻き取り芯部21の軸方向の他方の端部に取り付けられる第2の連結部材13も同様の構成である。
第1のカバー17は、本例では、支点部17aを支点とした回転で第1の収納部14を開閉可能に、本体ケース11に取り付けられる。なお、図5では、第1のカバー17を本体ケース11から取り外した形態で図示しているが、第1のカバー17は、支点部17aを外さなくても開閉が可能である。第1のカバー17は、ロック部17bが本体ケース11に係止されることで、第1の収納部14を閉状態で保持する。
第2のカバー18は、本例では、支点部18aを支点とした回転で第2の収納部15を開閉可能に、本体ケース11に取り付けられる。なお、図5では、第2のカバー18を本体ケース11から取り外した形態で図示しているが、第2のカバー18は、支点部18aを外さなくても開閉が可能である。第2のカバー18は、ロック部18bが本体ケース11に係止されることで、第2の収納部15を閉状態で保持する。
インクリボンカセット10Aは、第1のカバー17を開けることで、インクリボン1Aの繰り出し芯部20の第1の収納部14への着脱が可能となる。また、インクリボンカセット10Aは、第2のカバー18を開けることで、インクリボン1Aの巻き取り芯部21の第2の収納部15への着脱が可能となる。
インクリボンカセット10Aは、繰り出し芯部20の一方の端部に取り付けられた第1の連結部材12の軸支部12cが、第1の収納部14の第1の受け部14aに取り付けられる。また、繰り出し芯部20の他方の端部に取り付けられた第2の連結部材13の軸支部13cが、第1の収納部14の第2の受け部14bに取り付けられる。そして、第1のカバー17が閉じられる。
インクリボンカセット10Aは、巻き取り芯部21の一方の端部に取り付けられた第1の連結部材12の軸支部12cが、第2の収納部15の第1の受け部15aに取り付けられる。また、巻き取り芯部21の他方の端部に取り付けられた第2の連結部材13の軸支部13cが、第2の収納部15の第2の受け部15bに取り付けられる。そして、第2のカバー18が閉じられる。
これにより、インクリボンカセット10Aは、繰り出し芯部20と巻き取り芯部21との間のインクリボンテープ2がテープ搬送部16に露出する。そして、巻き取り芯部21を回転させることで、繰り出し芯部20からインクリボンテープ2が繰り出され、巻き取り芯部21でインクリボンテープ2が巻き取られて、テープ搬送部16に露出したインクリボンテープ2が搬送される。
なお、本実施の形態のインクリボンカセット10Aは、識別情報記録部としてRFIDタグを備えても良い。RFIDタグは、本体ケース11に貼着される形態、あるいは、第1の収納部14または第2の収納部15内に収納されるタグ取付部材に貼着される形態等で取り付けられる。RFIDタグは、記録された情報の無線通信による読み取り、及び、無線通信による情報の記録が可能に構成される。RFIDタグは、識別情報として、本例では、インクリボンテープ2で印刷可能なインクの色情報、インクリボンテープ2で印刷可能なインクの種類に関する種別情報、インクリボンテープ2の使用量情報、製造者情報等が記録される。
次に、プリンタ100Aの構成について説明すると、本実施の形態のプリンタ100Aは、長尺状の剥離紙P11に長尺状のシートP1が貼着された用紙Pを搬送して、シートP1に印刷を行うと共に、全切と称す用紙Pの全幅に亘る切断、シートP1の所定の形状での切り抜きや切断を行う機構を備える。
用紙Pは、シートP1の印刷面が外向きとなる外巻と称される形態で巻かれたロール紙P10として提供される。用紙Pは、剥離紙P11の幅方向の両端に、スプロケットホールと称す複数の貫通孔P12が、長手方向に一定の間隔で形成される。なお、シートP1、剥離紙P11にシートP1が貼着された用紙P、用紙Pが巻かれたロール紙P10は、印刷媒体の一例である。
プリンタ100Aは、ロール紙P10が装着される装着部101を備える。また、プリンタ100Aは、装着部101に装着されたロール紙P10から引き出された用紙Pに印刷を行う印刷ヘッド102と、印刷ヘッド102に用紙Pを押圧して搬送するプラテンローラ103を備える。
更に、プリンタ100Aは、装着部101に装着されたロール紙P10から引き出された用紙Pを搬送するスプロケットローラ104と、スプロケットローラ104に用紙Pを押さえる押さえローラ105a、105cと、用紙Pの幅方向において押さえローラ105aの内側で用紙Pを押さえる従動押さえローラ105bと、用紙Pの幅方向において押さえローラ105cの内側で用紙Pを押さえる従動押さえローラ105dを備える。
また、プリンタ100Aは、用紙Pを清掃する第1の清掃部材106及び第2の清掃部材107と、用紙Pをガイドする第1のガイドローラ108及び第2のガイドローラ109と、シートP1の切り抜き及び切断を行う第1の切断刃部110と、全切と称す用紙Pの全幅にわたる切断を行う第2の切断刃部111を備える。
更に、プリンタ100Aは、図5等に示すインクリボンカセット10Aが取り付けられるカセット取付部112と、カセット取付部112に取り付けられたインクリボンカセット10Aを支持するカセット支持部113と、インクリボンカセット10Aのインクリボンテープ2を搬送するインクリボン搬送部114を備える。なお、インクリボンカセット10AにRFIDタグを備える構成では、RFIDタグと通信を行うアンテナを備える。
プリンタ100Aは、装着部101、プラテンローラ103、スプロケットローラ104、押さえローラ105a、105c、従動押さえローラ105b、105d、第1の清掃部材106及び第2の清掃部材107、第1のガイドローラ108及び第2のガイドローラ109、第1の切断刃部110及び第2の切断刃部111、カセット支持部113を、プリンタ本体120に備える。
また、プリンタ100Aは、印刷ヘッド102、カセット取付部112、インクリボン搬送部114をカバー121に備える。カバー121は、プリンタ本体120に軸部122を支点に開閉可能に取り付けられる。プリンタ100Aは、プリンタ本体120の正面側に、用紙Pの排出口123が設けられる。
プリンタ100Aは、図1に示すように、カバー121を開くと、カセット取付部112に取り付けられたインクリボンカセット10Aが上方に退避して、用紙Pの搬送経路が露出する。これにより、装着部101にロール紙P10を装着し、スプロケットローラ104と押さえローラ105a、105cとの間に用紙Pを通して、用紙Pを搬送可能な状態とすることができる。また、ロール紙P10の交換が可能である。
更に、カバー121のカセット取付部112に対してインクリボンカセット10Aの着脱が可能である。
プリンタ100Aは、図2に示すように、カバー121が閉じられると、カセット取付部112に取り付けられたインクリボンカセット10Aが、プリンタ本体120のカセット支持部113で支持される。また、図3に示すように、インクリボンテープ2と用紙Pを挟んで、印刷ヘッド102とプラテンローラ103が対向する。
装着部101は、所定の径を有するロール紙P10を収納可能な空間を設けて構成され、ロール紙P10の外周を支持するシートローラ101aが設けられる。
印刷ヘッド102は印刷手段の一例で、本例ではサーマルヘッドで構成される。印刷ヘッド102は、図示しないライン状の素子が、プラテンローラ103の軸方向に沿った向きで、プラテンローラ103と対向する配置で設けられる。印刷ヘッド102は、一例として、本実施の形態では、長手方向の長さが、シートP1の幅より長く構成される。
印刷ヘッド102は、支持部材130に取り付けられる。支持部材130は、印刷ヘッド102に対してインクリボンテープ2の繰り出し側に第1のガイドローラ131を備え、インクリボンテープ2の巻き取り側に第2のガイドローラ132を備える。また、支持部材130は、プラテンローラ103の軸103aが入る軸受部133を備える。
印刷ヘッド102、第1のガイドローラ131及び第2のガイドローラ132は、後述するモータの動作で、支持部材130がプラテンローラ103に対して離接する方向に移動することで、プラテンローラ103に対して適切な位置に位置決めされる。
また、印刷ヘッド102は、図示しないバネで支持部材130がプラテンローラ103方向に付勢されることで、プラテンローラ103によって用紙Pが押圧される。
プラテンローラ103は搬送手段の一例で、後述するモータによって正逆両方向に回転駆動される本例では1本のローラで構成される。プラテンローラ103は、軸方向に沿った長さが、処理対象とする用紙Pの幅より長く構成され、用紙Pの幅方向の全体に円周面が接するようにして、用紙Pを印刷ヘッド102に押圧する。
プリンタ100Aは、カバー121が閉じられると、印刷ヘッド102が取り付けられた支持部材130の軸受部133に、プラテンローラ103の軸が入ることで、プラテンローラ103に対して印刷ヘッド102の向きが規定される。
スプロケットローラ104は搬送手段の一例で、正方向に搬送される用紙Pの搬送方向に対し、プラテンローラ103の下流側に設けられる。スプロケットローラ104は、用紙Pの幅方向の両端に設けられる貫通孔P12の配置に合わせて、用紙Pの幅方向の両側に設けられ、用紙Pの貫通孔P12に入るピン104aが、貫通孔P12の間隔に合わせて円周方向に設けられる。
スプロケットローラ104は、後述するモータによってプラテンローラ103と連動して正逆両方向に回転駆動される。プリンタ100Aでは、スプロケットローラ104及びプラテンローラ103が正方向に回転駆動されると、用紙Pが正方向に搬送され、プラテンローラ103で用紙Pが押圧された印刷ヘッド102で印刷が行われる。また、ロール紙P10から用紙Pが引き出される。スプロケットローラ104及びプラテンローラ103が逆方向に回転駆動されると、用紙Pが逆方向に搬送される。
押さえローラ105aは、スプロケットローラ104と対向して設けられ、後述するモータによってスプロケットローラ104及びプラテンローラ103と連動して正逆両方向に回転駆動される。
従動押さえローラ105bは、押さえローラ105aと同軸上で一対の押さえローラ105aの間に設けられ、用紙Pの幅方向において押さえローラ105aの内側で用紙Pを押さえる。従動押さえローラ105bは、押さえローラ105aを回転させる駆動力が伝達されず、用紙Pの搬送に従動して回転する。
押さえローラ105cは、正方向に搬送される用紙Pの搬送方向に対し、押さえローラ105aの下流側で、スプロケットローラ104と対向して設けられる。押さえローラ105cは、後述するモータによってスプロケットローラ104及びプラテンローラ103と連動して正逆両方向に回転駆動される。
従動押さえローラ105dは、押さえローラ105cと同軸上で一対の押さえローラ105cの間に設けられ、用紙Pの幅方向において押さえローラ105cの内側で用紙Pを押さえる。従動押さえローラ105dは、押さえローラ105cを回転させる駆動力が伝達されず、用紙Pの搬送に従動して回転する。
第1の清掃部材106は、繊維が絡められた材料で構成され、正方向に搬送される用紙Pの搬送方向に対し、スプロケットローラ104の下流側に設けられる。第1の清掃部材106は、用紙Pの搬送経路から退避可能に構成される。
第2の清掃部材107は清掃手段の一例で、繊維が絡められた材料で構成され、正方向に搬送される用紙Pの搬送方向に対し、プラテンローラ103の上流側に設けられる。第2の清掃部材107は、用紙Pの搬送経路から退避可能に構成される。
第1のガイドローラ108は、正方向に搬送される用紙Pの搬送方向に対し、第2の清掃部材107の下流側で、プラテンローラ103の上流側に設けられる。第2のガイドローラ109はガイド手段の一例で、正方向に搬送される用紙Pの搬送方向に対し、第2の清掃部材107の上流側に設けられる。第2のガイドローラ109は、第2の清掃部材107と連動して、用紙Pの搬送経路から退避可能に構成される。
本例では、第2の清掃部材107が取り付けられる取付部材140と、第1のガイドローラ108及び第2のガイドローラ109が取り付けられる取付部材141が、取付部材140に設けられた操作レバー140aの操作で連動して変位し、第2の清掃部材107と第2のガイドローラ109が、用紙Pの搬送経路を構成する搬送ガイド150に対し離接する方向に変位可能に構成される。
第1の切断刃部110は、正方向に搬送される用紙Pの搬送方向に対し、押さえローラ105aと従動押さえローラ105bが設けられた軸部材と、押さえローラ105cと従動押さえローラ105dが設けられた軸部材との間で、左右一対のスプロケットローラ104の間の部位と対向するように設けられる。第1の切断刃部110は、後述するモータに駆動されて用紙Pの幅方向に移動可能に構成され、用紙Pの搬送と、第1の切断刃部110の移動により、剥離紙P11に貼着されたシートP1の任意の形状での切り抜きや切断が行われる。
第2の切断刃部111は、正方向に搬送される用紙Pの搬送方向に対し、第1の清掃部材106の下流側に設けられ、印刷等の所定の処理が終了した用紙Pを全幅に亘って切断する。
カセット取付部112は、図6等に示すインクリボンカセット10Aが入る空間をカバー121に設けて構成され、インクリボンカセット10Aを着脱可能に係止する図示しない係止機構を備える。プリンタ100Aは、カセット取付部112にインクリボンカセット10Aが取り付けられると、テープ搬送部16に露出したインクリボンテープ2が印刷ヘッド102と対向する。
カセット取付部112は、図5等に示すインクリボンカセット10Aの繰り出し芯部20に取り付けられた第1の連結部材12の軸部12e、及び、第2の連結部材13の軸部13e、巻き取り芯部21に取り付けられた第1の連結部材12の軸部12e、及び、第2の連結部材13の軸部13eを押圧する押圧部112aを備える。
カセット支持部113は、図5等に示すインクリボンカセット10Aの繰り出し芯部20に取り付けられた第1の連結部材12の軸部12e、及び、第2の連結部材13の軸部13e、巻き取り芯部21に取り付けられた第1の連結部材12の軸部12e、及び、第2の連結部材13の軸部13eが入る位置に設けられる。
プリンタ100Aは、カセット取付部112にインクリボンカセット10Aが取り付けられたカバー121を閉じる動作で、繰り出し芯部20及び巻き取り芯部21に取り付けられた第1の連結部材12の軸部12e及び第2の連結部材13の軸部13eが、押圧部112aで押圧された状態で、それぞれ対応するカセット支持部113で支持される。
これにより、インクリボンテープ2が巻かれる繰り出し芯部20及び巻き取り芯部21の軸方向の向きが、プラテンローラ103及びスプロケットローラ104で搬送される用紙Pの搬送方向に略直交する向きに合わせられ、用紙Pとインクリボンテープ2が略平行に搬送される。
インクリボン搬送部114は、図5等に示すインクリボンカセット10Aの繰り出し芯部20に取り付けられた第1の連結部材12のギア12d、及び、第2の連結部材13のギア13dとかみ合うギア114aと、ギア114aと図示しない軸を介して連結される図示しない制動部材を備える。
また、インクリボン搬送部114は、インクリボンカセット10Aの巻き取り芯部21に取り付けられた第1の連結部材12のギア12d、及び、第2の連結部材13のギア13dとかみ合うギア114bと、ギア114bを駆動する後述するモータを備える。
プリンタ100は、カバー121のカセット取付部112にインクリボンカセット10Aが取り付けられると、繰り出し芯部20及び巻き取り芯部21に取り付けられた第1の連結部材12のギア12d及び第2の連結部材13のギア13dが、それぞれ対応するギア114a、ギア114bとかみ合う。
また、プリンタ100Aは、カセット取付部112にインクリボンカセット10Aが取り付けられたカバー121を閉じる動作で、繰り出し芯部20及び巻き取り芯部21に取り付けられた第1の連結部材12の軸部12e及び第2の連結部材13の軸部13eが、それぞれ対応するカセット支持部113で支持された状態で、第1の連結部材12のギア12d及び第2の連結部材13のギア13dと、それぞれ対応するギア114a、ギア114bのかみ合いが保持される。
図7及び図8は、従動押さえローラ及びガイドローラの一例を示す構成図である。ここで、図7は、従動押さえローラ105b、105d及び、第1のガイドローラ108、第2のガイドローラ109の斜視図、図8は、従動押さえローラ105b、105d及び、第1のガイドローラ108、第2のガイドローラ109の断面図である。
従動押さえローラ105b、105dはガイドローラの一例で、プラスチックで構成される。従動押さえローラ105b、105dは、本例では、軸方向の一方の端部側と他方の端部側の2か所に、円周面から径方向に突出させたフランジ部105eが形成される。フランジ部105eは接触部の一例で、従動押さえローラ105b、105dの軸方向に沿って所定の幅を有し、2つのフランジ部105eが、従動押さえローラ105b、105dの中心から同一の半径で円周方向に沿って延在する。フランジ部105eは、幅が1mm程度に構成される。
第1のガイドローラ108はガイドローラの一例で、プラスチックで構成される。第1のガイドローラ108は、本例では、軸方向の一方の端部側と他方の端部側の2か所に、円周面から径方向に突出させたフランジ部108aが形成される。フランジ部108aは接触部の一例で、第1のガイドローラ108の軸方向に沿って所定の幅を有し、2つのフランジ部108aが、第1のガイドローラ108の中心から同一の半径で円周方向に沿って延在する。フランジ部108aは、幅が1mm程度に構成される。
第2のガイドローラ109はガイドローラの一例で、プラスチックで構成される。第2のガイドローラ109は、本例では、軸方向の一方の端部側と他方の端部側の2か所に、円周面から径方向に突出させたフランジ部109aが形成される。フランジ部109aは接触部の一例で、第2のガイドローラ109の軸方向に沿って所定の幅を有し、2つのフランジ部109aが、第2のガイドローラ109の中心から同一の半径で円周方向に沿って延在する。フランジ部109aは、幅が1mm程度に構成される。
<本実施の形態のプリンタの機能構成例>
図9は、本実施の形態のプリンタの機能の一例を示すブロック図である。本実施の形態のプリンタ100Aは、印刷データに基づく文字、画像等の印刷、輪郭データに基づくシートP1の切り抜き、切断データに基づく用紙Pの全切と称する全幅に亘る切断等を制御する制御部200を備える。
また、プリンタ100Aは、プラテンローラ103、スプロケットローラ104及び押さえローラ105a、105cを駆動する用紙搬送モータ201と、巻き取り芯部21を駆動するインクリボン搬送モータ202を備える。また、プリンタ100は、第1の切断刃部110を駆動する第1の切断モータ203と、第2の切断刃部111を駆動する第2の切断モータ204を備える。更に、プリンタ100Aは、用紙Pの先端を検出する用紙センサ205を備える。
また、プリンタ100Aは、印刷ヘッド102が取り付けられた支持部材130を、プラテンローラ3に対して離接する方向に移動させる印刷ヘッド昇降モータ206と、第1の清掃部材106を、用紙Pの搬送経路に対して離接する方向に移動させる清掃部材昇降ソレノイド207を備える。更に、プリンタ100Aは、用紙Pの搬送操作等を受ける操作部208を備える。
制御部200は制御手段の一例で、パーソナルコンピュータ等の外部の情報処理装置300から印刷データ等を取得し、印刷ヘッド102、用紙搬送モータ201及びインクリボン搬送モータ202と、印刷ヘッド昇降モータ206及び清掃部材昇降ソレノイド207を駆動して、シートP1に印刷を行う。また、制御部200は、用紙搬送モータ201及び第1の切断モータ203を駆動して、シートP1を所定の形状で切り抜く。更に、制御部200は、用紙搬送モータ201及び第2の切断モータ204を駆動して、用紙Pを指定の位置で切断する。また、制御部200は、印刷媒体の交換モードである用紙交換モードが選択されると、用紙搬送モータ201と、第2の切断モータ204と、印刷ヘッド昇降モータ206及び清掃部材昇降ソレノイド207を駆動して、逆方向への搬送で用紙Pを排出する。
<本実施の形態のプリンタの動作例>
図10〜図13は、本実施の形態のプリンタの用紙交換モードの動作を示す説明図で、次に、各図を参照して、本実施の形態のプリンタ100Aの動作例について説明する。まず、用紙Pを装填する動作について説明すると、プリンタ100Aは、図1に示すように、カバー121を開くと、カセット取付部112に取り付けられたインクリボンカセット10Aが上方に退避して、用紙Pの搬送経路が露出する。
カバー121を開くときには、予め印刷ヘッド102が退避位置へ移動した状態になっているので、操作レバー140aが支持部材130と一体的に設けられているプレッシャプレート130aで押圧されていない。このため、第2の清掃部材107は、用紙Pと非接触になる退避位置に移動した状態となっている。また、第2のガイドローラ109は、用紙Pの逆方向搬送時に用紙Pの湾曲を押さえる第2の押さえ位置に位置した状態となっている。第2の清掃部材107が退避位置に移動して、第2のガイドローラ109が第2の押さえ位置に移動すると、第2の清掃部材107及び第2のガイドローラ209が用紙Pの搬送経路を構成する搬送ガイド150から離間することで、搬送ガイド150と、第2の清掃部材107及び第2のガイドローラ109との間に、用紙Pを通す動作が容易に行える。このとき、第2の清掃部材107は、第1のガイドローラ108と第2のガイドローラ109との間に位置しているので、ロール紙P10や、ロール紙P10を交換する作業者等が第2の清掃部材107に接触することが減らせて、第2の清掃部材107に異物が付着することを抑制できる。
用紙Pは、ロール紙P10が装着部101に装填され、スプロケットローラ104と押さえローラ105a、105cとの間に用紙Pが通されて、スプロケットローラ104のピン104aに、剥離紙P11に形成された貫通孔P12が入れられる。これにより、カバー121が閉じられることで、スプロケットローラ104による用紙Pの搬送が可能な状態で、ロール紙P10が装填される。
次に、用紙Pの印刷動作について説明する。印刷動作では、制御部200は、清掃部材昇降ソレノイド207を駆動して、図10に示すように、第1の清掃部材106を、用紙Pと接触する清掃位置から、用紙Pと非接触になる退避位置へ移動させ、第1の清掃部材106を用紙Pから離間させる。
また、制御部200は、印刷ヘッド昇降モータ206を駆動して、印刷ヘッド102を、プラテンローラ103と非接触になる退避位置から、プラテンローラ103と接触する印刷位置へ移動させて、印刷ヘッド102とプラテンローラ103で、用紙Pにインクリボンテープ2が押圧された状態とする。
プリンタ100Aでは、印刷ヘッド102が印刷位置に移動すると、プレッシャプレート130aで操作レバー140aが押圧される。これにより、第2の清掃部材107が、用紙Pと非接触になる退避位置から、用紙Pと接触する清掃位置に移動される。また、第2のガイドローラ209が、用紙Pの逆方向搬送時に用紙Pの湾曲を押さえる第2の押さえ位置から、用紙Pの正方向搬送時に用紙Pを押さえる第1の押さえ位置に移動される。
制御部200は、用紙Pにインクリボンテープ2が押圧された状態、かつ、第2の清掃部材107が用紙Pに押圧された状態で、用紙搬送モータ201を駆動して、プラテンローラ103、スプロケットローラ104及び押さえローラ105a、105cを矢印F1で示す正転方向に回転させる。また、インクリボン搬送モータ202を駆動して、巻き取り芯部21を回転させて、用紙Pの搬送に合わせてインクリボンテープ2を搬送する。更に、印刷ヘッド102を駆動する。
これにより、用紙Pが矢印F2で示す正方向に搬送され、用紙Pの搬送に合わせてインクリボンテープ2が搬送されて、印刷データに応じた文字、画像等が、印刷ヘッド102で用紙Pに印刷される。
また、矢印F2で示す正方向に用紙Pを搬送して印刷を行う動作では。用紙Pの搬送方向に対し、印刷ヘッド102の上流側で第2の清掃部材107が用紙Pの印刷面であるシートP1に接触した状態で、用紙Pが搬送される。
これにより、印刷ヘッド102に搬送される前の用紙Pの印刷面が、第2の清掃部材107により清掃されるので、用紙Pの印刷面にゴミの異物が付着した状態で印刷ヘッド102による印刷が行われることを抑制することができる。
第2のガイドローラ109は、用紙Pとの接触箇所がフランジ部109aであり、接触面積が少ないので、第2のガイドローラ109が接触する用紙Pの印刷面に第2のガイドローラ109が接した跡が付くことが抑制される。
第1のガイドローラ108は、第2のガイドローラ109と同様に、用紙Pとの接触箇所がフランジ部108aであり、接触面積が少ないので、第1のガイドローラ108が接触する用紙Pの印刷面に第1のガイドローラ108が接した跡が付くことが抑制される。
更に、従動押さえローラ105b、105dも、第1のガイドローラ108及び第2のガイドローラ109と同様に、用紙Pとの接触箇所がフランジ部105eであり、接触面積が少ないので、従動押さえローラ105b、105dが接触する用紙Pの印刷面に従動押さえローラ105b、105dが接した跡が付くことが抑制される。
次に、用紙交換モードについて説明する。以下の例では、用紙交換モードとして、印刷動作後に後工程があるラミネート処理モードについて説明する。ラミネート処理モードは、印刷動作で印刷が行われて、所定の長さに切断された用紙PのシートP1が貼着された面に、光透過性を有してシートP1表面の印刷物を目視可能な透明なシートを貼り付けるラミネート処理の後、同用紙Pを再度プリンタ100Aに装填して、透明なシートが貼着された当該用紙Pを印刷データ等に基づき所定の輪郭で切り抜く動作である。
制御部200は、情報処理装置300でラミネート処理モードが選択されると、印刷動作後に用紙交換モードを実行すると判断する。これに対し、情報処理装置300でラミネート処理モードが非選択であると、用紙交換モードを非実行とする。
まず、印刷後の用紙Pを全切りする動作について説明すると、制御部200は、清掃部材昇降ソレノイド207を駆動して、図11に示すように、第1の清掃部材106を、用紙Pと非接触になる退避位置へ移動させ、第1の清掃部材106を用紙Pから離間させる。
また、制御部200は、印刷ヘッド昇降モータ206を駆動して、印刷ヘッド102を、プラテンローラ103と非接触になる退避位置へ移動させる。プリンタ100Aでは、印刷ヘッド102が退避位置へ移動すると、操作レバー140aがプレッシャプレート130aで押圧されず、第2の清掃部材107が、用紙Pと非接触になる退避位置に移動される。また、第2のガイドローラ209が、用紙Pの逆方向搬送時に用紙Pの湾曲を押さえる第2の押さえ位置に移動される。
制御部200は、用紙Pからインクリボンテープ2を離間させた状態、用紙Pから第1の清掃部材106及び第2の清掃部材107を離間させた状態、かつ、用紙Pから第2のガイドローラ109を離間させた状態で、用紙搬送モータ201を駆動して、プラテンローラ103、スプロケットローラ104及び押さえローラ105a、105cを矢印F1で示す正転方向に回転させる。
これにより、用紙Pが矢印F2で示す正方向に搬送される。制御部200は、印刷動作での送り量等に基づき設定された送り量、用紙Pを正方向に搬送して、用紙搬送モータ201を停止し、第2の切断モータ204を駆動して、第2の切断刃部111で用紙Pを切断する。なお、ラミネート処理モードでは、切断された印刷済の用紙Pに対し、透明なシートを貼着する処理が行われる。
次に、未印刷の用紙Pを排出する動作について説明すると、制御部200は、用紙Pからインクリボンテープ2を離間させた状態、用紙Pから第1の清掃部材106及び第2の清掃部材107を離間させた状態、かつ、用紙Pから第2のガイドローラ109を離間させた状態で、用紙搬送モータ201を駆動して、プラテンローラ103、スプロケットローラ104及び押さえローラ105a、105cを矢印R1で示す逆転方向に回転させる。
これにより、図12に示すように、用紙Pが矢印R2で示す逆方向に搬送される。ロール紙P10は、用紙Pの繰り出しによって従動して回転する構成であるが、用紙Pの逆方向の搬送では、搬送量に対して回転量が少なく、用紙Pが撓む。
プリンタ100Aは、上述した排出動作では、印刷ヘッド102を退避位置に移動させた状態であり、第2の清掃部材107及び第2のガイドローラ109は、用紙Pの搬送経路から退避している。
これにより、用紙Pが矢印R2に示す逆方向に搬送されて用紙Pが撓むと、用紙Pの撓んだ部分が第2のガイドローラ109で押さえられ、用紙Pが第2の清掃部材107に接触することが抑制される。よって、用紙Pに付着している異物が第2の清掃部材107に付着することが抑制される。
第2のガイドローラ109は、用紙Pとの接触箇所がフランジ部109aであり、接触面積が少ないので、第2のガイドローラ109が接触する用紙Pの印刷面に第2のガイドローラ109が接した跡が付くことが抑制される。
制御部200は、印刷動作での送り量に基づき、図13に示すように、用紙Pの先端がスプロケットローラ104から外れることで、スプロケットローラ104に対する用紙Pの係止の解除が可能となる係止解除可能位置Ppまで用紙Pを逆方向に搬送して、用紙搬送モータ201を停止する。
従って、用紙Pの貫通孔P12がスプロケットローラ104のピン104aから外れる係止解除可能位置Ppまで用紙Pが排出されるので、未印刷の用紙Pをプリンタ100Aから外す動作で、貫通孔P12を損傷する等の障害の発生を抑制することができる。そして、未印刷の用紙Pが取り外された後、前述のラミネート処理が行われた用紙Pがプリンタ100Aに装填され、文字等の輪郭に合わせて切り抜く処理が行われる。このように、係止解除可能位置Ppまで後退させた用紙Pは、プリンタ100Aからの取り外しが容易に行え、次の処理対象であるラミネート処理が行われた用紙Pを装着する動作の手間が低減する。
<本実施の形態のプリンタの変形例>
制御部200は、未印刷の用紙Pを逆方向に搬送して排出する動作で、用紙センサ205が用紙Pの先端を検知すると、用紙センサ205と、用紙Pの先端がスプロケットローラ104から外れる係止解除可能位置Ppとの間の距離に基づき予め設定された送り量、用紙Pを逆方向に搬送して、用紙Pの先端がスプロケットローラ104から外れる位置まで搬送されたと判断すると、用紙搬送モータ201を停止しても良い。
また、制御部200は、他の用紙交換モードとして、印刷情報として、印刷データ等に基づき用紙Pの使用量を判断し、用紙Pの残量が所定量を下回ると判断すると、用紙交換モードを実行するようにしても良い。制御部200は、例えば、用紙Pの残量が、印刷データで特定される用紙Pの使用量より少ないと判断すると、用紙Pの交換を促す通知を行うと共に、用紙Pの先端がスプロケットローラ104から外れる係止解除可能位置Ppまで用紙Pを逆方向に搬送して、用紙搬送モータ201を停止することとしても良い。このように、用紙交換モードでは、用紙Pを全切せずに、係止解除可能位置Ppまで搬送しても良い。
更に、任意のタイミングで用紙交換モードを実行できるようにするため、制御部200は、プリンタ100Aに備えた操作部208での操作で用紙交換モードを実行できるようにしても良い。
一方、制御部200は、用紙Pを搬送可能な状態で保持するため、用紙交換モードの実行を制限する制限モードを有しても良い。制限モードは、情報処理装置300での操作で実行可能としても良いし、操作部208での操作で実行可能としても良い。
本実施の形態のプリンタ100Aは、搬送手段として、一対のローラの間で用紙Pを押圧する構成でもよい。一対のローラの間で用紙Pを押圧する構成では、係止解除可能位置Ppは、一対のローラの間を用紙Pの先端が抜けた位置である。