JP2017051265A - 遊技場用システム - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者の利便性の向上と、遊技場従業員の作業負担の軽減と、を両立しながら、遊技者に出玉感を効果的に与えることができる遊技場用システムを提供すること。
【解決手段】遊技場用システム1は、遊技者が遊技により獲得した玉を受付可能とし、遊技者の持玉を特定する価値特定手段と、疑似収納箱により遊技場の床面の報知位置にて持玉を報知する箱ロボ2と、待機位置にて箱ロボ2を待機させる待機手段と、持玉に応じて箱ロボ2を待機位置から報知位置へと移動させる移動手段と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、遊技場用システムに関する。
従来より、パチンコ店のような遊技場の中には所謂各台計数機や、所謂封入式の遊技機を採用する遊技場がある。このような遊技場は、獲得価値を数値化して管理することで、玉やメダル等の獲得価値を所謂玉箱等の収納箱に収納する手間や、玉箱の持ち運び等の必要性を軽減し、これにより、遊技者の利便性の向上と、遊技場従業員の作業負担の軽減と、を両立しようとしている。
さて、上記のように各台計数機等を採用した場合、遊技者の利便性等が高まる一方、従来とは相違し玉箱が床に積み上げられることがないため出玉感を演出することが難しくなる。そこで、例えば下記の特許文献1では、出玉感を演出するための擬似的な玉箱の利用が提案されている。
特開2010−172671号公報
しかしながら、上記従来の擬似的な玉箱の場合、出玉数に応じて遊技場従業員が疑似玉箱を持ち運んで設置する必要性が生じ、遊技場従業員の負担が増えてしまうおそれがある。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技者の利便性の向上と、遊技場従業員の作業負担の軽減と、を両立しながら、遊技者に出玉感を効果的に与えることができる遊技場用システムを提供することを目的とする。
本発明の遊技場用システムは、遊技者が遊技により獲得した遊技価値である獲得価値を受付可能とし、その獲得価値を特定する価値特定手段と、疑似収納箱により獲得価値を報知する価値報知手段と、を備えるシステムである。疑似収納箱を含む価値報知手段は、価値特定手段により特定された獲得価値に応じて待機位置から報知位置へと移動し、獲得価値を報知する。
本発明の遊技場用システムは、遊技者の利便性の向上と、遊技場従業員の作業負担の軽減と、を両立しながら、遊技者に出玉感を効果的に与えることが可能な優れた特性のシステムとなっている。
遊技場用システムの構成を示す説明図。 遊技機と遊技装置との組合せを示す正面図。 箱ロボを示す斜視図。 箱ロボの長手方向に沿う断面の構造を示す断面図。 持玉演出中の箱ロボの3態様を例示する説明図。 持玉演出中の箱ロボの3態様を例示する断面図。 箱ロボの電気的構成を示す断面図。 椅子に収納された状態の箱ロボを示す説明図。 箱ロボの制御に関する設定情報を示す説明図。 箱ロボの制御に関する他の設定情報を示す説明図。 移動説明図の構成の説明図。 箱ロボの移動説明図その1。 箱ロボの移動説明図その2。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、台毎の遊技価値の計数が可能な遊技場において出玉感の演出を可能とする遊技場用システム1に関する。この内容について、図1〜図13を参照して説明する。
遊技場では、図1のごとく、パチンコ遊技機やスロットマシン(図示略)等の遊技機5が複数、設置されている。各遊技機5には、遊技媒体の付与機能(貸出機能、払出機能、払戻機能)及び計数機能を備える遊技装置3や、従業員の呼出機能を備える情報表示装置16等が個別に設置されている。なお、図1では省略しているが数百台程度の遊技機、数十種類の遊技機種(遊技機グループ)を対象となる遊技機5として例示できる。
遊技場内に設けられた景品カウンタには、景品交換に用いられるPOS端末7が設置されている。遊技場の管理者が詰める管理スペースには、遊技場内の各種機器の稼動状況を管理する管理装置10等が設置されている。また、遊技機5が配列された遊技島の島端には、図示しない残高精算装置等が設置されている。
本例の遊技場用システム1は、図1に示すごとく、POS端末7、管理装置10、パチンコ遊技機等の遊技機5、遊技機5毎の遊技装置3及び情報表示装置16、図示しない残高精算装置、無線アクセスポイント(AP)13等が、場内ネットワーク11に接続されたシステムである。POS端末7は、遊技装置3から発行可能な一般カードなどの遊技カード100に記録された持玉(獲得価値)等を利用した景品交換をサポートする端末である。図示しない残高精算装置は、遊技カード100に記録された残高分の貨幣を遊技者に払い戻す装置である。
遊技機5は、対応する遊技装置3及び情報表示装置16と共に中継装置111を介して場内ネットワーク11に接続され、遊技機5や遊技装置3等はこの中継装置111を介して管理装置10等に接続されている。遊技機5と遊技装置3とは、中継装置111を介して相互に通信可能である。
特に、本例の遊技場用システム1は、出玉感を演出するための擬似収納箱をなす箱ロボ2を含むシステムとなっている。箱ロボ2は、遊技島に設置された所定数のAP13を介して場内ネットワーク11に接続されており、遊技装置3や管理装置10等による無線遠隔制御が可能になっている。
以下、遊技機5の構成を概説した後、出玉感の演出(持玉演出)に必要な構成機器について説明する。
(遊技機)
図1及び図2に例示の遊技機5は、液晶表示部(役物)51や始動口52等が配置された遊技領域53に玉を打ち込んで遊技するパチンコ遊技機である。この遊技機5では、遊技媒体である玉が遊技価値として利用される。遊技領域53の下側には、内部の発射装置に玉を供給する上皿57と、上皿57から溢れた玉等を貯える下皿58と、が設けられている。下皿58の手前側の縁には、スライドレバー585が設けられ、このスライドレバー585の操作に応じて下皿58の底が抜けるようになっている。
上皿57の縁部の上面には、表示部513、貸出釦514、返却釦515が配設されている。表示部513は、遊技装置3に投入された貨幣の入金残高の度数を表示する7セグメントディスプレイを含む表示部である。貸出釦514は、入金残高の金額を対価として遊技用の貸玉を上皿57に払出させる操作釦である。返却釦515は、入金残高がある状態で遊技を終了するときや、持玉がある状態で遊技を終了するとき等に、その残高や持玉が記録された一般カードなどの遊技カード100を発行させる操作釦である。
遊技機5は、セブン機と呼ばれるパチンコ遊技機であり、始動口52に玉が入賞(始動入賞)すると大当り抽選が実行される。始動口52としては、入賞率が変動しないへそタイプの第1始動口52Aと、入賞率が変動する電動チューリップタイプの第2始動口52Bと、がある。電動チューリップが開くと玉の受け皿のように機能して高入賞率が実現される。
電動チューリップの動作による第2始動口52Bの開放条件は、普図抽選の当選(普図当選)である。普図入賞口である通過ゲート54を玉が通過したとき、抽選乱数が抽出されて普図抽選が実行され、図示しない普図表示部により対応する図柄変動が実行される。普図変動時間は、通常状態では30秒、時短状態(時短)では3秒となっている。また、普図当選時の第2始動口52Bの開放時間は、通常状態では0.3秒、時短状態では5秒となっている。時短状態(時短中)では、通常状態と比較して普図変動時間が短くなると共に、第2始動口52Bの開放時間が長くなることで始動入賞率が高くなる。
始動口52に玉が入賞して始動条件が成立すると、内部で大当り判定用の抽選乱数が抽出されて大当り抽選が実行されると共に、液晶表示部51で図柄変動が開始される。大当り当選が発生した場合には、液晶表示部51に「777」等の揃いの図柄が停止表示されて大当り当選が報知される。大当り当選の報知後には、アタッカーと呼ばれる大入賞口55が開口するラウンド遊技が15ラウンド繰り返される大当り状態(大当り)が開始される。1ラウンドの上限入賞数は10玉、上限開放時間は30秒に設定され、上限入賞数に達するか、あるいは上限開放時間が経過したときに1回のラウンドが終了する。
大当り抽選・普図抽選の図柄変動中に始動入賞が発生した場合には、抽出された抽選乱数に対応する図柄変動が累積的に保留される。保留された図柄変動は、図柄変動が終了した後、古いものから順番に開始される。なお、図柄変動の保留数には所定の保留上限値(例えば各4つ)が設定され、保留上限値に到達した状態で始動入賞が発生した場合、抽選乱数の抽出が行われないか、あるいは抽出された抽選乱数が図柄変動として保留されずにそのまま消去される。
大当りとしては、大当り抽選の当選確率(大当り抽選確率)が高くなる確変状態が後続して発生する確変大当りと、確変状態が後続しない通常大当りと、がある。大当り当選のうち確変大当りの割合である確変率は、通常状態であるか確変状態であるかに関わらず66.6%となっている。つまり、大当り抽選の当選確率通りであれば、大当り当選3回のうちの2回が確変大当り、残りの1回が通常大当りということになる。
通常状態下の大当り抽選の当選確率(大当り確率)が1/360に設定されている一方、確変状態では大当り確率が1/36に向上する。さらに、確変状態では、上記のように第2始動口52Bの入賞率が高くなる時短状態が併せて発生する。確変状態の終了条件は、大当りの発生であり、その大当りが確変大当りであれば、大当り状態の終了後に再び確変状態が継続的に発生する。確変状態は、大当り状態の終了後に通常大当りが発生するまで継続し、通常大当りに対応する大当り状態が終了した後、図柄変動が所定回数(例えば100回)分の時短状態を経て通常状態に戻る。
遊技機5は、遊技進行に応じて各種の遊技信号を外部出力する。中継装置111を介して遊技装置3、情報表示装置16、管理装置10等に向けて外部出力される遊技信号としては、例えば以下の各信号がある。なお、管理装置10に送信される各遊技信号に対しては、遊技機5の識別情報である台番IDが中継装置111により対応付けされる。管理装置10側では、遊技信号に対応付けされた台番IDを利用し、送信元の遊技機5を特定可能である。
(1)アウト信号:消費玉を回収する図示しないアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定可能である。なお、遊技機5から出力されるアウト信号であっても良い。
(2)セーフ信号:遊技機5から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定可能である。なお、玉を補給する図示しない補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
(3)始動信号:遊技機5から出力される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部(役物)51における始動処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力される信号入力に応じて図柄変動を特定するので、「始動信号数×1」を始動回数として特定可能である。なお、始動口52に入賞したことを示す信号としても良い。
(4)大当り信号:遊技機5から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定可能である。
(5)特別状態信号:遊技機5から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口52Bの入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定可能である。勿論、確変中に出力される信号であっても良い。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定可能である。
(情報表示装置)
図1の情報表示装置16は、大型の液晶ディスプレイによる表示画面を備える呼出装置である。表示画面の下側には、データ切替釦やメニュー釦や呼出釦や消去釦などの各種の操作ボタンが配置されている。情報表示装置16の外周のうち下部を除く部分には、表示画面を取り囲むようにランプ部が配設されている。情報表示装置16の表示画面には、大当り回数や連荘回数や始動回数等の遊技情報のほか、大当り間ゲーム数の履歴を示す棒グラフ等が表示される。
(遊技装置)
遊技装置3は、図1及び図2に示すごとく、各遊技機5に個別に対応するよう、隣り合う遊技機5との台間スペースに設置された装置である。遊技装置3は、遊技媒体である玉の付与(貸出、払出、払戻)機能と、獲得された玉の計数機能と、一般カード等の遊技カード100を発行する記録媒体発行機能と、を備えている。
遊技装置3の前面には、図2のごとく、作動状態を表示する状態表示灯31、貸玉代金となる貨幣を投入する貨幣投入口32、液晶表示パネルの表示画面にタッチスクリーンシートが積層されたタッチパネル33、持玉(獲得価値)を対価とした玉の払戻のために操作する払出釦34、遊技機5の上皿57に玉を供給する払出ノズル37、遊技カード100を挿入あるいは排出するカード挿入口36が設けられている。前面最下部には、遊技機5の下皿58から流下した玉を受け止める計数アーム372が先端側に延設された中空ダクト371が取り付けられている。
カード挿入口36には、カードID(識別情報)、入金残高、持玉等を記録するICチップが実装された一般カード等の遊技カード100を挿入可能である。ここで、入金残高は、貨幣投入口32を介して投入された貨幣などの貨幣価値のうちの残りであって、貸出処理の対価として使用可能な貨幣価値である。持玉は、遊技者が獲得した計数済みの玉であり、遊技用の玉の払戻処理の対価として使用可能な遊技価値である。
なお、残高(入金残高)や持玉などの有価価値を管理装置10にてカードIDに対応付けて管理し、カードIDの受付に応じて管理装置10に問合せて有価価値を特定する構成を採用しても良い。この構成であれば、カードIDを遊技カード100に記録する構成だけであっても有価価値を特定可能である。このように、遊技カード100自体に有価価値を示す情報を記録する構成を採用しても良く、有価価値を特定する構成はどのような構成であっても良い。
遊技装置3は、貨幣を受け付ける貨幣受付処理の実行に応じて、タッチパネル33に表示する残高に入金額を加算する。なお、残高の度数は、遊技機5の前記表示部513にも表示される。残高がある状態で、貸出釦514(遊技機5)の押下操作(貸出操作、付与操作)が特定されたときには、例えば500円分など貸出1単位分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機5に払出させる対価付与処理(貸出処理)を実行すると共に、その対価分を残高から引落とす。遊技装置3は、例えば1万円等を上限として、複数回分の対価付与処理に対応する貨幣を受付可能である。なお、上記のような貸出処理上の通信については、中継装置111を介さず、遊技機5と遊技装置3とで直接、通信を行っても良い。
遊技装置3は、計数玉を受け付けたとき、その計数玉を持玉として特定する。持玉がある状態では、払出釦34の押下に応じてその持玉を払戻す払戻処理が可能となっている。遊技装置3は、持玉を払戻した場合には、その対価分(例えば払戻した玉数と同数)の持玉を減算する。なお、払戻処理は払出ノズル37、貸出処理は遊技機5から玉を払出せば良いが、貸出処理時に払出ノズル37から払出等、必ずしも例示した構成により払い出す必要はない。
遊技装置3は、残高あるいは持玉が残っている状態で、遊技機5の返却釦515の押下操作(発行操作)が特定されたとき、残高や持玉を特定可能な一般カードを発行する。なお、残高、あるいは持玉の一部を一般カードの発行対象とする分割発行を可能としても良く、この場合、分割発行分の持玉が減算される。また、一般カードを受け付けた際には、遊技装置3は、その残高や持玉を引き継ぐようになっている。
遊技装置3は、一般カードのほか会員カードも受付可能で、会員カードに対しても一般カード同様に持玉や残高を対応付け可能である。但し、残高は一般カード同様に会員カードに書き込まれるが、持玉を表す持玉情報は会員カードには書込まれないようになっている。持玉情報は、管理装置10にて会員カードの識別情報である会員IDに対応付けて管理され、会員IDが対応付けられた持玉は貯玉として特定される。即ち、遊技者の獲得価値として会員IDに対応付けられた獲得価値が貯玉であり、未対応のものが持玉となる。貯玉と持玉の違いは、貯玉は翌日以降も払戻処理や景品交換等が可能である一方、持玉は当日限り有効等、有効期限が異なる点等にある。
遊技装置3は、中継装置111を介したシリアル通信により管理装置10に対して各種の情報を出力する。管理装置10では、このシリアル通信により、貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び一般カード等の遊技カード100の受付や発行処理等の各種の情報や処理等を特定可能となっている。例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等のパルス信号を管理装置10に送信することで、上記の各情報や処理等を特定できるようにしても良い。
遊技装置3は、少なくとも以下の各手段としての機能を備えている。
(1)価値特定手段:遊技者が遊技により獲得した遊技価値である獲得価値を受付可能とし、その獲得価値を持玉として特定する手段。価値特定手段は、玉を計数したときや遊技カード100を受付けたときに、その計数玉や遊技カードに対応付けられた持玉等を、持玉として加算、或いは特定する。なお、遊技装置3が特定した持玉は、台番IDを対応付けて管理装置10に送信される。
(2)設定情報記憶手段:各種設定情報(図9を参照して後述する。)を記憶する手段。遊技装置3の設定情報記憶手段は、管理装置10で設定された設定情報を取得して記憶する。
(3)演出態様特定手段:対応する遊技機を対象とした持玉演出につき、必要な箱数などの演出態様を特定する手段。演出態様特定手段は、上記の設定情報に基づいて演出態様を特定する。
(4)制御手段:各種制御情報を出力する手段。遊技装置3の制御手段は、主として持玉を表す箱ロボ2の演出動作を制御する。
(5)台数変更情報出力手段:演出態様特定手段による箱数等の特定に応じて、箱ロボの増台あるいは減台が必要になった際、管理装置10に対してその旨を表す情報を出力する手段。
(管理装置)
管理装置10(図1)は、遊技機5、遊技装置3、情報表示装置16、POS端末7、残高精算装置等、遊技場に設置された各機器の稼動状況を管理する装置である。
管理装置10は、液晶ディスプレイ等のPCモニタや図示しないプリンタ等を含む出力部と、各種の演算処理を実行する装置本体と、キーボード及び図示しないマウスを含む入力部と、を備えている。装置本体は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)を中心とした制御機能、ハードディスクドライブやROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を利用する記憶機能、及び各種信号あるいは情報を送受信する通信機能等を有している。
管理装置10は、例えばハードディスクドライブから読み出したソフトウェアプログラムをCPUが実行等することにより、さまざまな機能を実現する。特に、価値報知手段をなす箱ロボ2を利用して出玉感を演出可能な本例の遊技場用システム1では、管理装置10が遊技者毎の出玉に応じて箱ロボ2を制御する役割を担っている。
管理装置10は、少なくとも以下の各手段としての機能を備えている。
(1)遊技情報特定手段:遊技機5が稼動状態であるのか非稼動状態であるのかを特定可能な遊技信号を入力することにより遊技機5の稼動状態を特定する手段。ここで稼動状態は、例えば上述したアウト信号や始動信号を所定期間(例えば1分)入力しない場合に非稼動状態と判定し、入力すれば所定期間分は稼動状態と判定する方法や、遊技機5の前方に設けられる椅子12にセンサを設けてそのセンサからの信号により遊技者等を検出した場合に稼動と判定する等の周知の稼動判定方法にて判定すれば良い。また、上述した遊技機5や遊技装置3等から出力される遊技信号を入力することにより他の遊技情報を特定する。なお、遊技装置3が特定した稼動状態を取得することで、遊技場内の各遊技機5の稼動状態を特定することも良い。
(2)遊技者個別情報特定手段:各遊技装置3や中継装置111が特定している遊技機毎の持玉等の各種遊技情報を、遊技者毎の個別情報として特定する手段。遊技者個別情報特定手段は、各遊技機5側から受信した持玉を各遊技者の個別情報として特定する。
(3)設定情報記憶手段:各種設定情報(図9を参照して後述する。)を記憶する手段。
(4)待機手段:報知位置とは異なる待機位置にて価値報知手段としての箱ロボ2を待機させる手段。
(5)移動手段:価値特定手段により特定された獲得価値に応じて価値報知手段としての箱ロボ2を待機位置から報知位置へと移動させる手段。
(6)制御手段:各種制御情報を出力する手段。管理装置10の制御手段は、主として箱ロボ2の移動を制御する。
(箱ロボ)
図3及び図4に例示の箱ロボ2は、遊技価値が物理的に付与される場合に当該遊技価値を収納するための収納箱を模した疑似収納箱の一例である箱部21、23により、遊技場の床に対応した報知位置にて獲得価値を報知する価値報知手段である。
箱ロボ2は、図3の斜視図、及び図4の長手方向に沿う断面図に示すように、移動機構をなす車輪27が下面側に設けられた土台部25と、2箱分の擬似収納箱をなす第1箱部21と、土台部25と第1箱部21とを伸縮可能に連結すると共に3箱目の擬似収納箱をなす第2箱部23と、第1箱部21の上段の箱(上段部211)に収納された玉を表す価値シート26と、を含めて構成されている。
擬似価値の一例をなす価値シート26は、玉を並べたような凸凹面が表面側に形成された板状部材である。価値シート26の裏面側には、側面にラックギアが設けられた棒状のラックバー263が立設されている。ラックバー263は、長手方向両側に2本立設されており、後述する第2昇降機構262を構成している。
車輪27を含む移動機構は、車輪27を回転駆動する駆動機構と、車輪27の向きを変更する操舵機構と、を含めて構成されている。駆動機構及び操舵機構は、土台部25の長方形の底面の角部にそれぞれ配置された4つの車輪27に対応して設けられている。この移動機構によれば、前後左右への移動のほか、その場での回転等、多彩な動きが可能である。
第1箱部21は、2箱分の収納箱を表し、上側の上段部211と、ひと回り小さい下側の下段部213と、の2段構造を呈し、上段部211及び下段部213がそれぞれ1箱分の収納箱を表している。上段部211の側面には表示部217が設けられ、持玉等を表示可能である。なお、表示部217は、例示した側面に代えて他の側面や上面等に設けたり複数設けたりしても良い。
上段部211と下段部213との間には仕切り板210が設けられている。この仕切り板210には、価値シート26の裏面側に立設されたラックバー263を貫通配置するための貫通孔212が設けられている。また、下段部213の下端には、内周側に折り返す係合部218が形成されている。この係合部218は、第2箱部23との係合により、下段部213が土台部25から抜け落ちないようにするための構成である。
仕切り板210の裏面では、長手方向両側の2箇所の貫通孔212の間隙に位置するよう、平板状のサポートプレート274が固定されている。このサポートプレート274の両端には、昇降モータ(図7中の符号260)により回転駆動されるピニオンギア265が軸支されている。このピニオンギア265は、貫通孔212を貫通するラックバー263のラックギアにギア係合するギアである。ピニオンギア265が回転すると、ラックアンドピニオンのギア機構よりなる第2昇降機構262が作動し、ラックバー263の軸方向の進退により価値シート26の高さを昇降できる。
仕切り板210の裏面に固定されたサポートプレート274には、第1昇降機構271を構成するパンタグラフ276の上端が固定されている。このパンタグラフ276の下端は、土台部25に固定されており、パンタグラフ276の伸張により第1箱部21の上昇が可能となっている。
なお、第2昇降機構262がギア式である一方、第1昇降機構271はパンタグラフ式を採用し、異なる昇降機構を例示しているが、各昇降機構に同一あるいは同種類の昇降機構を採用しても良いし、例示した以外の昇降機構を採用しても良い。第1箱部21及び価値シート26をそれぞれ独立して昇降可能な機構であれば、1つの昇降機構を各昇降機構に共用することも良い。
第2箱部23は、3箱目の収納箱を模した長四角の筒状をなし、収納箱1箱分の高さとなっている。第1箱部21の抜け止め機能を備える第2箱部23の上下端には、外周側に折り返された係合部238、232が設けられている。上端側の係合部238は、第1箱部21の下端の内周側に折り返された上記の係合部218に係合するように構成されている。下端側の係合部232は、土台部25に設けられた後述の係合部252に係合するように構成されている。
箱ロボ2の土台部25は、長四角の箱状をなし、長手方向の一方の端面をなす正面には、バッテリ充電端子289P(図4)が設けられている。土台部25の上面には、外周縁部を残して開口する長方形状の開口部が設けられている。この開口部は、第1箱部21の下段部213を隙間少なく内挿可能であって、かつ、上段部211よりもひと回り小さく形成されている。この開口部を取り巻くように内周側に折り返された外周縁部は、第2箱部23の下端の係合部232と係合する係合部252を形成している。
前記価値報知手段としての箱ロボ2は、前記第1昇降機構271による第1昇降処理と、前記第2昇降機構262による第2昇降処理と、を行うことにより持玉(獲得価値)を報知可能である。
第1昇降機構271による第1昇降処理は、疑似収納箱である第1及び第2箱部21、23を昇降することにより擬似的に箱積みされる疑似収納箱の積上げ箱数を変化させる処理である。
第2昇降機構262による第2昇降処理は、疑似収納箱である第1箱部21内にて持玉を模した擬似価値である価値シート26を昇降することにより擬似収納箱内に収納される持玉を疑似的に増減させる処理である。
第1昇降機構271を最も縮めたときには、第1箱部21の下段部213が土台部25にすっぽりと収納され、第1箱部21の上段部211が土台部25に載るような図5(a)及び図6(a)の状態となる。
第1昇降機構271のパンタグラフ276を伸張すると、まず、第2箱部23の従動を伴うことなく第1箱部21のみを上昇でき、図5(b)及び図6(b)のように第1箱部21の下段部213が現れて玉箱が2箱積み上がった状態を演出できる。
図5(b)及び図6(b)の状態では、第1箱部21の下段部213の下端の係合部218が第2箱部23の上端の係合部238と係合する状態となっている。さらに、パンタグラフ276を伸ばせば、第1箱部21の上昇に応じて土台部25から引き出すように第2箱部23を従動でき、下端の係合部232が土台部25の係合部252と係合するまでパンタグラフ276を伸張できる(図5(c)及び図6(c)の状態。)。このとき、土台部25から第1箱部21全体が引き出され、両者の高さ方向の間隙に第2箱部23が現れる状態となり、第1箱部21の2箱分と第2箱部23の1箱分とを合わせて収納箱が3箱積み上げられたような状態となる。
さらに、第2昇降機構262による第2昇降処理によれば、第1箱部21の上段部211の収納玉を擬似する価値シート26の昇降が可能である。価値シート26は、第1箱部21の仕切り板210の裏面に固定されたサポートプレート274に軸支されたピニオンギア265により昇降駆動され、第1昇降機構271による第1箱部21の昇降状態に関わりなく独立して昇降可能である。
本例では、価値シート26の昇降位置として、1箱の高さに対して1/4の高さの「段階1」、2/4の高さの「段階2」、3/4の高さの「段階3」、4/4の高さの「段階4」の4段階が設定されている。各段階は、それぞれ、1/4箱分、2/4箱分、3/4箱分、4/4箱分の持玉を擬似的に表す位置となっている。なお、図5及び図6の(a)、(b)、(c)は、それぞれ、擬似シートが3段階(3/4高さ)、2段階(2/4高さ)、1段階(1/4高さ)に制御された状態を例示している。
例えば1箱分の玉(後述する図9中の「箱単位」)を2000玉とし、価値シート26の1段階が表す玉(同「箱内単位」)を500玉としたとき、図5及び図6の(a)は3段階×500玉で1500玉を擬似的に表し、同図(b)は1箱×2000玉に2段階×500玉を加えた3000玉を擬似表示し、同図(c)は、2箱×2000玉に1段階×500玉を加えた4500玉を擬似表示することになる。
上記の通り箱ロボ2には表示部217が設けられており、図5及び図6に例示する持玉演出の際、持玉の値を表示可能である。図5では省略しているが、持玉演出の際は、対象機の台番(遊技機ID)を併せて表示することが望ましい。なお、複数台の箱ロボ2が演出対象となる場合、表示対象は持玉の総数(遊技機5の持玉)でも良いし、各箱ロボ2が単体で演出対象としている持玉でも良い。
なお、本例では、第1箱部21が2箱分、第2箱部23が1箱分として構成した箱ロボ2を例示したが、第1箱部21を1箱分としたり、第2箱部23を区分して2箱分以上とする等、図5及び図6に例示した3箱以外の箱数に対応しても勿論良い。また、土台部25を設けているが必須の構成ではなく省略することもできる。
次に、箱ロボ2の電気的な構成を図7を参照して説明する。箱ロボ2は、各種の演算処理を実行するCPU、RAM、ROM、I/Fを含む制御部28を中心として電気的に構成されている。制御部28には、前記移動機構を構成する車輪27毎の駆動モータ272及び操舵モータ273、第1昇降機構271を構成する昇降モータ270、第2昇降機構262を構成する昇降モータ260、検知手段としてのラインセンサ281及びマーカリーダ283、AP13との無線通信を実現する無線通信ユニット285及びアンテナ、前記表示部217、障害物を検知する障害物センサ287、バッテリ289等が接続されている。
車輪27毎の駆動モータ272及び操舵モータ273は、制御パルスの入力を受けて1ステップずつ回転するステッピングモータである。駆動モータ272が回転したステップ数に基づけば各車輪27の回転距離を計算でき、操舵モータ273の回転位置に基づけば各車輪27の回転方向である舵角を検出できる。制御部28は、各車輪27の回転距離、舵角に基づいて箱ロボ2の変位量を2次元的に算出可能である。
昇降モータ260、270もステッピングモータである。制御部28は、第2昇降機構262を構成する昇降モータ260が回転したステップ数を利用して上記の価値シート26の高さ(前記段階1〜段階4)を制御する。また、第1昇降機構271を構成する昇降モータ270が回転したステップ数を利用して箱ロボ2の高さ、すなわち持玉演出の際の擬似的な箱数を制御する。
ラインセンサ281は、遊技場の床面に敷設されたライン(図11などの符号191、192。)を検知するためのセンサである。本例では、ラインとして磁気テープを採用しており、ラインセンサ281としては、ホール素子等の磁気センサを横方向に配列したものを採用している。ラインとしては、磁気テープのほか、例えば黄色等でペイントされた着色ライン等を採用できる。着色ラインの場合には、CCD(Charge Coupled Device)素子等を利用した光学的なラインセンサを採用できるが、床内に埋め込む等して視認不能としても良い。
マーカリーダ283は、遊技場の床面に敷設されたラインに沿う所定位置、例えば駐車位置や各遊技機5の正面に当たる位置等に敷設された番地マーカを読み取るセンサである。番地マーカには、例えば、位置を表す番地情報等が磁気的に記録されており、制御部28は、マーカリーダ283が番地マーカから読み取った番地情報に基づいて箱ロボ2の位置を特定可能である。
障害物センサ287は、他の箱ロボ2との接触や遊技者に対する衝突等を未然に回避するための超音波センサである。障害物センサ287が出力するセンサ信号は、制御部28に取り込まれ、障害物との接触や衝突を回避するための制御が実行される。
なお、ラインセンサ281等で読み取るラインや番地マーカの敷設は必須の構成ではない。例えば遊技場内の遊技島の位置や、持玉演出を実行する報知位置や、待機位置である駐車位置等の絶対的な位置情報をマップデータ化してマップ情報として記憶しておき、箱ロボ2の移動位置を推定しながら移動制御を行う、所謂自律航法を採用することもできる。箱ロボ2の移動位置は、例えば、上記のように制御部28が算出する箱ロボ2の変位量を、駐車位置など基準となる位置に足し合わせることで算出可能である。
箱ロボ2は、図8のように、遊技機5の正面に設置された椅子12の座面121の下側に設けられた収納部120に収納可能である。収納部120は、椅子12の背面から掘り込まれたガレージのように形成され、この収納位置が箱ロボ2の待機位置のひとつとなっている。収納部120の奥側の壁面には、電源供給部125が配設されている。収納部120に箱ロボ2が収納された状態では、電源供給部125に対して箱ロボ2のバッテリ充電端子289Pが電気的に接続され、これにより箱ロボ2が搭載するバッテリ289の充電が可能となっている。
なお、遊技場では、箱ロボ2の駐車場を設けた駐車スペースが遊技島の島端に設けられている。駐車中の箱ロボ2を充電可能なように電源供給手段を、この駐車スペースに設けることも良い。このとき、駐車中の一部の箱ロボ2のみを充電対象としても良い。
図8では箱ロボ2を1台収納可能な椅子12を例示しているが、複数台の箱ロボ2を収納可能な椅子であっても良い。遊技機5に対応して箱ロボ2を収納する場合、椅子12以外に収納スペースを設けることもでき、例えば遊技機5下方に当たる遊技島の袴部分に収納スペースを設けることも良い。遊技機5に対応する収納スペースである収納部120を廃止し、遊技島の島端の駐車スペースの駐車位置のみを箱ロボ2の待機位置とすることも良い。
遊技場用システム1では、各箱ロボ2に対して識別情報であるロボIDが割り付けられている。管理装置10は、ロボIDを利用して各箱ロボ2を個別に制御したり、使用中であるか否か、演出態様(箱数や価値シート26の位置等)、位置等を個別に確認可能である。遊技装置3は、対応する遊技機5の台番IDを管理装置10に照会することで、対応する遊技機5で持玉演出中の箱ロボ2のロボIDや、演出態様等を特定可能である。
次に、以上のような構成を備える遊技場用システム1について、システム運用、箱ロボ2の制御等について詳しく説明する。以下の説明では、まず、遊技場用システム1の動作を概説した後、箱ロボ2に関する設定情報や制御等について詳しく説明する。
遊技場用システム1では、場内ネットワーク11を介して接続された遊技機5、遊技装置3、管理装置10等の各機器間で各種情報の送受信が行われる。遊技装置3は、遊技者の残高や持玉を特定可能な一般カードを発行可能であると共に会員カードの受付等を可能とし、情報表示装置16は、遊技信号により特定される持玉等の遊技情報を遊技者向けに表示する。
遊技場用システム1では、例えば管理装置10にて所定の設定操作を受け付けることで箱ロボ2の制御のための設定情報(図9を参照して後述する。)を設定可能である。遊技場用システム1では、管理装置10で設定された設定情報に基づいて箱ロボ2が制御され、遊技装置3が特定した遊技者の持玉に応じた所定の持玉演出が実行される。
箱ロボ2は、持玉演出の待機中では、図8に示す様に遊技機5前方の椅子12に収納される等、遊技機5に対応する位置で充電可能な状態で待機するか、あるいは遊技島の島端等に設けられた駐車場にて充電可能な状態で待機する。箱ロボ2は、持玉演出を実行する場合は、椅子12の収納位置や島端の駐車位置等の待機位置から持玉演出の対象となる遊技者の遊技機5の近傍の報知位置へと移動することで持玉演出を実行する。
遊技島には、磁気テープを敷設した第1ラインと第2ライン(図11〜図13中の符号191、192)とが設けられ、第1ライン上で箱ロボ2が持玉演出を行う。新たな箱ロボ2が必要となった場合、予め設定される優先順位と、上記の設定情報(図9を参照して後述。)と、に基づいて追加する箱ロボ2が特定され、持玉演出を実行するための報知位置に向けて移動する。なお、箱ロボ2の移動制御については、図11〜図13を参照して後で詳しく説明する。
遊技場用システム1では、箱ロボ2に対して図9や図10に例示する設定情報を設定可能である。ここで、本例で採用しているのは図9の設定情報であり、図10は他の設定情報の参考例である。遊技機5の持玉を演出するための装置であって、遊技装置3の計数機能により遊技機単位で特定された持玉を示すことが可能な箱ロボ2は、例えば図9の設定情報に基づいて制御される。
図9の「箱単位」は、1箱に収容可能と想定する玉数の設定値である。同「箱内単位」は、価値シート26の上記の段階1〜段階4の1段階に対応する玉数の設定値である。例えば「箱内単位」が500玉であれば、価値シート26の段階1、2、3、4が、それぞれ、500玉、1000玉、1500玉、2000玉を表すことになる。
遊技装置3は、持玉を特定すると、その持玉と図9の設定情報とを比較し、その持玉に対応する箱数と価値シート26の段階を特定する。持玉と設定情報とを比較する方法の一例としては、例えば持玉を「箱単位」の玉数で除した商(自然数)に1箱を加算して演出対象の箱数を特定し、その商の余りを更に「箱内単位」の玉数で除した商(自然数)を価値シート26の上記の1〜4の段階として設定する方法がある。この方法に代えて、図10のように予め持玉の各範囲に対して、箱数及び価値シート26の段階を設定しておき、持玉と設定情報とを比較する方法を採用しても良い。
例えば持玉1500玉のときには、箱数が1箱で、箱内単位が段階3の持玉演出となる(図5(a)及び図6(a)参照。)。例えば持玉3000玉のときには、箱数が2箱で、箱内単位が段階2の持玉演出となる(図5(b)及び図6(b)参照。)。例えば持玉4500玉のときには、箱数が3箱で、箱内単位が段階1の持玉演出となる(図5(c)及び図6(c)参照。)。このように、「箱単位」分の持玉は、第1昇降機構271の駆動による第1及び第2箱部21、23の昇降により「箱単位」で持玉が示され、「箱単位」に満たない持玉は、第2昇降機構262の駆動による価値シート26の昇降により、「箱内単位」で持玉が示される。
図9中の「開始価値」は、遊技機5に対応する位置への箱ロボ2の移動等、箱ロボ2が持玉演出を開始するための持玉の設定値である。遊技場用システム1では、持玉が「開始価値」に達することにより開始条件が成立したとして箱ロボ2での持玉演出が開始される。
同図中の「終了価値」は、持玉演出を終了する持玉の設定値である。遊技場用システム1では、持玉が「終了価値」となった場合、あるいは「終了価値」に達しない状況になった場合に終了条件が成立したとして箱ロボ2での持玉演出が終了される。勿論、遊技者が遊技を終了するために一般カードの発行処理を行った場合にも終了条件が成立し、使用中の箱ロボ2を全て収納する制御が実行される。
図9中の「新規ロボ」は、2台目以降の追加の箱ロボ2が必要になった場合の制御設定である。箱ロボ2は、図8のように遊技機5(の椅子12)に対応して1台ずつ収納されているが、持玉演出のために2台目以降の箱ロボ2が必要となると、対応する遊技機5(以下、対象機)に収納される箱ロボ2のみでは足りない状況となる。「新規ロボ」は、このような場合の制御設定であり、設定内容としては「駐車場」、「稼動考慮」、「稼動非考慮」がある。「駐車場」は、近隣の遊技機5(以下、近隣機)に収納される箱ロボ2を借り出さず島端に設けられる駐車場の箱ロボ2を最優先に使用する制御設定である。「稼動考慮」は、近隣機に収納される箱ロボ2を借り出して使用するが、その遊技機5が非稼動であることを条件に借り出す制御設定である。「稼動非考慮」は、箱ロボ2が近隣機に収納されている場合にその近隣機が稼動中であっても借り出して使用する制御設定である。
箱ロボ2を使用する場合、最優先は対象機に収納される箱ロボ2となるが、その箱ロボ2が無い場合には、管理装置10等は、図9中の「新規ロボ」の設定に基づいて使用する箱ロボ2を特定する。近隣機に収納される箱ロボ2を使用する際の優先順位は、まず、対象機の背面(向いの遊技島)の近隣機、次に対象機の隣の近隣機、次に隣の遊技機5の背面の近隣機、次に隣の近隣機の更に隣の近隣機・・・という優先順位となっている。この優先順位についてはどのように設定しても良く、優先順位を設定しなくとも良い。
なお、箱ロボ2を複数台使用する際、箱ロボ2は移動よりも昇降の方が容易であることを考慮すると次のような制御が好ましい。例えば、持玉が6500玉に達しており2台の箱ロボ2が必要となる状態が生じた後、払戻処理や分割発行処理等により持玉が6500玉を割り込んで1台の箱ロボ2だけで持玉演出を実行可能な状態に推移した状況を想定する。この状況での持玉演出では、演出対象が全3箱となることから、この箱数を使用中の2台の箱ロボ2に分配して2箱と1箱とをそれぞれ演出対象に設定すると良い。このように設定すれば、持玉が6500玉に達した状態から6500玉を割り込んだ状態に移行したとき、減台のために箱ロボ2を移動させる必要が生じず、2台の箱ロボ2を使用して持玉演出をそのまま継続できる。
その後、更に持玉が減少して価値シート26を昇降する必要性が生じた状況では、演出する箱数が多い方の箱ロボ2の価値シート26を演出(変更)対象とし、他の箱ロボ2の価値シート26は最上段である前記段階4のままとすると良い。その後、使用中の箱ロボ2(2台)にて持玉演出できなくなる持玉(2500玉に達しない持玉)となった場合に箱ロボ2を削減して減台すれば良く、この場合も上記の使用の際の優先順位と同様に対象機→近隣機→駐車場等と収納する先の優先順位を定めることが望ましい。
同様に、使用する箱ロボ2を増加する場合についても、例えば2台の箱ロボ2が必要となる6500玉を超える6700玉の持玉の場合、持玉演出の演出対象が全4箱となる。この場合、追加した箱ロボ2を含む使用対象の箱ロボ2にて全4箱を按分し、各箱ロボ2にて2箱分を演出対象とし、一方の箱ロボ2の価値シート26を最上段である段階4に制御する一方、他方の箱ロボ2の価値シート26を用いて端数(1箱分未満)分の持玉を演出対象とすると良い。このような制御を適用すれば、箱ロボ2を移動させる必要性を低減できると共に、箱ロボ2を必要以上に高い位置とせず転倒リスクを軽減できる。ここで、昇降対象となる箱ロボ2は予め設定される条件に見合う箱ロボ2であれば、必ずしも箱数が多い箱ロボ2を対象としなくとも、例えば箱数が少ない箱ロボ2を対象とする等しても良い。また、持玉演出とは遊技機近傍に箱ロボ2を移動することで持玉数を示すことを指し、必ずしも別途光や音等による演出を行わなくとも良い。
箱ロボ2は、無線通信機能を有しており、遊技島に設置されたAP13を介して遊技装置3や管理装置10からの無線遠隔制御が可能となっている。上述の通り、各遊技機5の持玉演出に必要な箱数等の演出態様は、対応する遊技装置3で特定される。箱ロボ2の追加や削減がなく、持玉演出中の箱ロボ2の昇降動作のみで持玉の変化に対応可能である場合には、昇降させるための制御情報が遊技装置3からAP13経由で送信される。
一方、特定された演出態様が箱ロボ2の追加や削減を必要とするものであった場合、遊技装置3から管理装置10に向けてその旨の情報が送信される。この管理装置10では、各箱ロボ2の制御を行うために必要な情報(ロボID単位での箱ロボ2の使用の有無、対象機の台番、駐車場での待機や、遊技機単位の稼動の有無等)を管理している。箱ロボ2の追加や削減等の情報を受信した際の管理装置10は、自身が管理する上記のような情報に基づき、追加の箱ロボ2、あるいは削減する箱ロボ2の収納位置や、対象機の台番ID、対象機の駐車台数、追加される箱ロボ2が何台目なのかを特定する。そして、図12及び図13を参照して後述する移動制御を実行できるよう、対象となる箱ロボ2に対してAP13経由で制御情報を送信し、その箱ロボ2は受信した制御情報に基づいて移動する。
遊技場用システム1では、対象機に対する箱ロボ2の報知位置が予め設定されている。対象機に対する箱ロボ2の使用台数の変動に対応できるよう、1台の場合、2台の場合、3台の場合等、報知位置は台数別にそれぞれ設定されている。さらに、使用台数のうち何台目の箱ロボ2であるのかに応じて箱ロボ単位での報知位置も予め設定されている。
箱ロボ2は、管理装置10から受信した制御情報に応じて自身の報知位置を特定して移動する。箱ロボ2には各種センサーが設けられ、移動中に箱ロボ2同士が互いに接触しないように停止可能になっている。また、椅子12に座っていない遊技者等を移動経路近辺にて検知した場合には遊技者にぶつからないように一旦移動を中断する。なお、移動中断中は遊技者等に移動経路を確保して欲しい等、移動を中断している旨を報知することが望ましい。また、遊技客に接触しないよう、ブザーや光で警告しながら移動することも良い。障害物に接触したら直ちに停止するように制御することが良く、何らかの事情により動けなくなったときには遊技場従業員に対してインカムで通報するように構成しておくと良い。
なお、追加する箱ロボ2として、対象機の椅子12に収納中の箱ロボ2を適用する場合や、削減する箱ロボ2を対象機に収納する場合については、管理装置10経由ではなく遊技装置3から箱ロボ2へと移動する旨の制御情報を送信しても良い。また、移動中は図8のように第1箱部21を最も下げた状態で箱ロボ2を移動させ、持玉演出を実施する報知位置への駐車完了後に遊技装置3から昇降処理のための制御情報を送信することも良い。なお、削減対象となる箱ロボ2は遊技装置3にて特定すれば良い。
上記では、箱ロボ2の移動は管理装置10、昇降は遊技装置3での制御を例示したが、遊技装置3同士で情報を送受信して箱ロボ2の移動を制御したり、管理装置10にて昇降を制御したりする等、箱ロボ2のいずれの制御をいずれの装置にて行っても良いし、必要な情報を箱ロボ2へと送信し、箱ロボ2での制御を可能としても良い。
次に、箱ロボ2の移動制御の内容について説明する。まず、説明で参照する移動説明図の構成について、図11を用いて説明する。
図11に示す通り、遊技機5が設けられる遊技島では、遊技装置3の計数アーム372等が対応する遊技機5手前のカウンタ等に設けられている。遊技装置3は、遊技機5の下皿58から排出される玉数を計数し、遊技者の持玉を特定可能である。ここで、遊技機5の枠内の「1稼動」や「14非稼動」等の表示は説明のために付したものであり、台番と稼動中であるか否かの稼動状況を示している。「1稼動」は、1番台の遊技機5が稼動中である旨を示し、「14非稼動」は、14番台の遊技機5が非稼動中である旨を示している。すなわち、図11〜図13の移動説明図は、管理装置10にて管理している遊技機5の情報をレイアウト上に示した図となっている。また、稼動の判定はアウト信号等の遊技信号の所定期間の非入力や、持玉がないこと等の周知の判定方法により特定すれば良い。なお、図11〜図13では、遊技者の図示を省略してある。
図8を参照して上述した通り箱ロボ2は椅子12内に収納されるが、図11〜図13の移動説明図では、椅子12に収納された待機位置(収納位置)の箱ロボ2を椅子12の枠内に図示している(図11中の14番台参照。)。各遊技島には第1ライン191が設けられており、箱ロボ2は第1ライン191上で遊技島に対して垂直に配置(以下、駐車)される。また、第1ライン191を走行できない場合に走行するラインとして、第2ライン192が設定されている。第2ライン192は複数の遊技島の間で共用であるが、遊技島に其々設けても良い。図11の例示では、1番台では対応する持玉が箱ロボ1台分であるため、1台の箱ロボが1番台に対応する第1ライン191上の位置に駐車されている。
図12及び図13の移動説明図を参照し、箱ロボ2の移動制御の内容を具体的に説明する。図12(a)に例示の状況では、1番台、9番台、11番台、14番台にて対象機に収納された箱ロボ2を使用した持玉演出が行われている。この持出演出では、各対象機に対応する第1ライン191上の報知位置で箱ロボ2が持玉を示している。
図12(a)に例示する状況で1番台にて2台目の追加の箱ロボ2が必要となった場合、まず1番台にて使用中の箱ロボ2が位置を微調整して追加の箱ロボ2の報知位置を確保する(図12(b)参照。)。その後、前述の図9中の「新規ロボ」の設定と、上記の優先順位に基づき追加の箱ロボ2が特定される。図12(b)では、14番台の箱ロボ2が使用中であるため非稼動中の2番台に収納されている箱ロボ2が追加の箱ロボ2として特定され、その箱ロボ2が待機位置から移動している状態を例示している。
特定された箱ロボ2は、移動先の報知位置までの移動経路上に接触するおそれのある箱ロボ2がないことから、第1ライン191に沿って移動し、上記のように確保された報知位置に駐車する(図12(c)参照。)。続いて1番台にて更に追加の箱ロボ2が必要となった場合、まず、1番台にて既に使用中の箱ロボ2が位置調整を実行し、新たに追加する箱ロボ2の報知位置を確保する。そして、図12(c)では13番台と3番台が稼動中であることから非稼動中の12番台に収納される箱ロボ2が追加の箱ロボ2として特定され、第1ライン191上を走行して報知位置へと移動する。
図13(a)は、図12(c)に例示する状況から更に遊技者が持玉を増やし、1番台で4台、6番台で1台、9番台にて2台、11番台と14番台ではそのまま1台の箱ロボ2が使用されている状況を例示している。この持玉演出の状況では、椅子12に箱ロボ2を収納している遊技機5は全て稼動中となっている。そのため、この持玉演出の状況にて1番台で追加の箱ロボ2が必要となった場合、遊技島の島端の駐車場の箱ロボ2が使用されることになる。
この場合、まず1番台にて、追加の箱ロボ2の報知位置を確保するため使用中の箱ロボ2が図13(b)に例示するように位置調整を実行する。一方、図13(b)中の上方に位置する図示しない駐車場から箱ロボ2が1番台に向けて移動する経路上には、6番台、9番台、11番台にて使用中の箱ロボ2が駐車しており接触のおそれがある。そこで、6番台、9番台、11番台にて使用中の箱ロボ2は、移動経路を確保できるよう、遊技機5に対して水平(第1ライン191に沿う方向)となるように回転する(図13(b))。1番台に向かう追加の箱ロボ2は、このような回転によって確保された移動経路となる第2ライン192に沿って1番台に対応する報知位置へと移動する。
その後、追加の箱ロボ2の移動後は、移動経路の確保のために回転した箱ロボ2が順次、元の姿勢に復帰するために回転する(図13(c))。このような回転の際、例えば9番台のように複数の箱ロボ2が使用され回転スペースが十分確保されていない場合には、互いに回転スペースを確保するべく位置調整を行った上で回転する。なお、このような移動経路の確保は箱ロボ2の削減時にも行われる。
上記の例では、第1ライン191を優先して使用するようにしたが、第1ライン191は持玉演出のための駐車用、第2ライン192は移動用とする等、第1ライン191を優先しない、あるいは移動用としては使用しないようにしても良い。更に第1ライン191、第2ライン192を設けず報知位置のみを設定し、その報知位置へと移動させるようにしても良い。
以上の通り、本例の遊技場用システム1では、計数機能を備える遊技装置3が遊技機5毎に設けられ、各台計数を可能として遊技者の利便性が高められている。このような遊技場の場合、持玉を玉箱等に収納する必要がなく玉箱の積上げによる出玉感の演出が難しい。情報表示装置16等で持玉や、その持玉の収納に必要な箱数等を表示しても、出玉感の演出には不十分である。各台計数が可能な遊技場においても従来と同様の出玉感の演出が求められている一方、遊技場従業員に擬似玉箱を持ち運ばせればその作業負担が過大となって人件費コストの上昇が誘発される。
そこで本例の遊技場用システム1では、遊技価値が物理的に付与される場合に当該遊技価値を収納するための収納箱を模した疑似収納箱により、遊技場の床に対応した報知位置にて持玉を報知する箱ロボ2を採用している。箱ロボ2は、遊技者の獲得価値である持玉に応じて椅子12の収納位置(待機位置)から所定の報知位置へと移動して持玉演出を実行する。
この遊技場用システム1では、従来の所謂玉箱と同様、遊技場の床に対応した報知位置にて持玉を疑似玉箱により報知することで遊技者に出玉感を効果的に与えることが可能になっている。この遊技場用システム1では、付与された遊技価値を実際に玉箱へと収納する必要がなく遊技者の利便性を確保できる。さらに、箱ロボ2が報知位置に向けて自動で移動するため、箱ロボ2を持ち運ぶ等の作業を遊技場従業員に負担させることもない。
このように、遊技場用システム1によれば、各台計数による遊技者の利便性の向上と遊技場従業員の作業負担の軽減とを両立しながら、遊技者に出玉感を効果的に与えることができる。
箱ロボ2は、第1昇降処理と第2昇降処理という2種類の昇降処理によって持玉演出を実行可能である。第1昇降処理は、疑似収納箱である第1及び第2箱部21、23を昇降することにより擬似的に箱積みされる疑似収納箱数を変化させる処理であり、第2昇降処理は、疑似収納箱である第1箱部21の内側にて擬似価値である価値シート26を昇降することで収納される持玉を疑似的に増減させる処理である。
このように遊技場用システム1では、箱ロボ2の高さの変更により疑似玉箱数を変化させるだけでなく、疑似玉箱内に収納される疑似的な玉数を増減可能となっている。このような持玉演出によれば、実際の持玉に、より近似する疑似持玉を表現可能となる。
箱ロボ2が持玉演出を実行する報知位置は、対応する遊技者が遊技する遊技機5に対応しており、管理装置10が備える移動手段は、価値報知手段である箱ロボ2を待機位置から報知位置へと移動させる場合に報知位置にて滞留する他の箱ロボ2を移動させて移動経路を確保するための制御を実行する。
遊技場用システム1は、このような制御を実行することで、移動中の箱ロボ2が他の箱ロボ2に接触するおそれを未然に回避している。遊技者が持玉を増加させ、これにより追加の箱ロボ2による持玉演出が必要となった場合には、他の箱ロボ2の回避動作により移動経路を確保した上で追加の箱ロボ2が移動する。このような回避動作を実行すれば、他の遊技者が箱ロボ2の追加に気付き易くなり、対象の遊技者に優越感を持たせることも可能である。
遊技場用システム1では、遊技場の床に対応して第1ライン191と、当該第1ライン191とは異なる第2ライン192とが設けられている。箱ロボ2が持玉演出を実行する報知位置は、第1ライン191により特定される位置である。本例では、箱ロボ2を待機位置から報知位置へと移動させるに当たって第1ライン191を優先的に利用し、第1ライン191に沿う箱ロボ2の移動経路上に持玉演出中の他の箱ロボ2が駐車している場合には、第2ライン192に沿って箱ロボ2を移動させている。これに代えて、箱ロボ2を待機位置から報知位置に移動させる際、第1ライン191ではなく第2ライン192を優先的に利用することも良い。報知位置が床の場合、移動経路も床上となるが、報知位置に対応する第1ライン191とは異なる第2ライン192に沿って箱ロボ2を移動させれば、移動中に他の箱ロボ2に接触するおそれを低減出来る。
遊技場用システム1では、箱ロボ2の待機位置が遊技機5に対応した位置に設けられている。移動手段としての管理装置10は、待機位置から報知位置へと移動させる箱ロボ2を特定するに当たり、待機位置に対応する遊技機5の稼動状態に応じて特定する。
遊技場用システム1では、待機位置が遊技機5に対応しているので、箱ロボ2の移動距離を短くできる。一方、稼動中、即ち遊技者が遊技する他の遊技機5に対応した待機位置にて待機する箱ロボ2を、追加の箱ロボ2として特定して持玉演出に使用すると、当該他の遊技機5の遊技者が気分を害するおそれがある。
そこで上記のように、追加の箱ロボ2を特定する際、対応する遊技機の稼動状態を考慮すれば、いずれかの遊技者が遊技中の遊技機に対応する箱ロボ2が他の遊技機の持玉演出のために借り出されて使用される状況を未然に回避できる。稼動中の遊技機の箱ロボ2について、他の遊技機の持玉演出での借り出し使用を回避すれば、稼動中のその遊技機で持玉演出が必要となったとき、その遊技機に対応して待機する箱ロボ2を直ちに使用可能となる。このように遊技機に対応して待機する箱ロボ2を使用できれば、持玉演出のために必要となる箱ロボ2の移動距離を少なくできるので効率的である。
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせた構成を採用することも良い。
箱ロボ2を自走させる構成を例示したが、自走させず従業員が持運び、図6の昇降処理による持玉演出を行う様にしても良い。また、箱数を変更するための昇降処理、及び価値シート26の昇降処理のうちの一方だけを実行可能な箱ロボを採用しても良い。
箱ロボ2を自走させるための移動機構として車輪27を例示したが、例えば磁力やプロペラ等により浮上させて移動させる等、移動機構はどのような機構を採用しても良い。
AP13による無線通信を例示したが、第1ライン191や第2ライン192を場内ネットワーク11に接続し、第1ライン191等から情報を送信する等、必ずしもAPを採用する必要はない。
疑似的な箱積みとして箱積み対象とならない箱部が完全に土台部25に収納されて視認できなくなる構成を例示したが、箱積みされている箱数を把握可能であれば、必ずしも箱積み対象とならない箱部を土台部25に完全に収納しなくても良く、一部が土台部25から露出して視認可能とする構成であっても良い。
持玉演出する場合の駐車位置としては、例示した様に遊技機5(対応する遊技装置3を含む)を基準とするだけでなく遊技者基準としても良く、遊技者基準とする場合には例えば会員カードにタグを設けたり、遊技者所有の携帯電話等の携帯端末のGPS機能等により遊技者の位置を別途特定すれば良い。また、双方を基準としても良い。
説明における、特定の値を「超えない」という表現は、特定の値との比較において、超過だけでなく以上か否かを判定する構成も包含する。同様に、特定の値に「達している」という表現は、未満だけなく以下か否かを判定する構成も包含する。
本例では、記録媒体に獲得価値を対応付け、その記録媒体を受け付けること、及び遊技媒体を計数することで獲得価値を受け付ける構成を例示したが、いずれか一方の受付のみを採用しても良いし、例えば指紋等の記録媒体以外の識別情報に獲得価値を対応付け、その識別情報を受け付けることにより獲得価値を受け付けても良い。
例示した設定値は予め設定されれば良く、遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置10の製造メーカにて設定しても、例えばチェーン店本部等の外部の管理サーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。また、記録媒体としてカードを例示したが、有価価値を特定可能な情報を記録可能であれば例えばコイン等の他の記録媒体であっても良い。
遊技装置3として貨幣受付処理や、その貨幣による対価付与処理(貸出処理)の所謂貸出機の機能を備えた遊技装置3を例示したが、持玉の計数や払戻しが可能であれば、必ずしも貸出機能を備える必要はない。また、例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用する等して間接的に特定しても良い。また、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
対象となる遊技機5は遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機やスロットマシン等も採用できる。なお、所謂封入式等を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。また、封入式等の場合、有価価値を遊技に消費出来る状態とすることが遊技に使用可能な遊技価値を付与する対価付与処理となる。
また、例示した処理は遊技装置3だけでなく、中継装置111や情報表示装置16等を含み、どのような機器により行っても良い。また、変形例を含む例示した構成をどのように組合わせても良い。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
1 遊技場用システム
10 管理装置(遊技情報特定手段、遊技者個別情報特定手段、設定情報記憶手段、待機手段、移動手段、制御手段)
111 中継装置
12 椅子
120 収納部
121 座面
13 無線アクセスポイント(AP)
191 第1ライン
192 第2ライン
2 箱ロボ(価値報知手段)
21 第1箱部
23 第2箱部
25 土台分
26 価値シート
271 第1昇降機構
262 第2昇降機構
3 遊技装置(価値特定手段、設定情報記憶手段、演出態様特定手段、制御手段、台数変更情報出力手段)
5 遊技機

Claims (5)

  1. 遊技者が遊技により獲得した遊技価値である獲得価値を受付可能とし、その獲得価値を特定する価値特定手段と、
    遊技価値が物理的に付与される場合に当該遊技価値を収納するための収納箱を模した疑似収納箱により、遊技場の床に対応した報知位置にて前記獲得価値を報知する価値報知手段と、
    前記報知位置とは異なる待機位置にて価値報知手段を待機させる待機手段と、
    前記価値特定手段により特定された獲得価値に応じて前記価値報知手段を前記待機位置から前記報知位置へと移動させる移動手段と、
    を備えた遊技場用システム。
  2. 前記価値報知手段は、第1昇降処理と第2昇降処理とを行うことにより前記獲得価値を報知し、
    前記第1昇降処理は、前記疑似収納箱を昇降することにより擬似的に箱積みされる疑似収納箱数を変化させる処理であり、
    前記第2昇降処理は、前記疑似収納箱内にて遊技価値を模した擬似価値を昇降することにより擬似収納箱内に収納される獲得価値を疑似的に増減させる処理である請求項1に記載の遊技場用システム。
  3. 前記報知位置は、対応する遊技者、及びその遊技者が遊技する遊技機のうち、少なくとも一方に対応しており、
    前記移動手段は、前記価値報知手段を前記待機位置から前記報知位置へと移動させる場合に、報知位置にて滞留する他の価値報知手段を移動させて移動経路を確保する請求項1又は2に記載の遊技場用システム。
  4. 遊技場の床に対応して第1ラインと、当該第1ラインとは異なる第2ラインとが設けられ、
    前記報知位置は、前記第1ラインにより特定される位置であり、
    前記移動手段は、前記第2ラインにより前記価値報知手段を前記待機位置から前記報知位置へと移動させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技場用システム。
  5. 遊技機が稼動状態であるのか非稼動状態であるのかを特定可能な遊技信号を入力することにより遊技機の稼動状態を特定する遊技情報特定手段を備え、
    前記待機位置は、遊技機に対応した位置に設けられ、
    前記移動手段は、前記待機位置から報知位置へと移動させる価値報知手段を、待機位置に対応する遊技機の稼動状態に応じて特定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技場用システム。
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