JP2017050571A - 太陽電池封止シート、並びに太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池封止シート、並びに太陽電池モジュール及びその製造方法 Download PDF

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克彦 清水
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Abstract

【課題】裏面側封止材の回り込みを低減した太陽電池封止シートを提供する。【解決手段】太陽電池モジュールの発電素子に対する受光面側封止シートと裏面側封止シートとからなる一対の太陽電池封止シートであって、前記受光面側封止シートはエチレン共重合体(A)及び架橋剤(D1)を含んでなり、前記裏面側封止シートはエチレン共重合体(B)、着色剤(C)及び架橋剤(D2)を含んでなり、150℃で時間T1加熱した前記受光面側封止シートのゲル分率が40〜60%の範囲内となるとき、150℃で時間T1加熱した前記裏面側封止シートのゲル分率が10%以下(時間T1は任意の加熱時間を表し、前記受光面側封止シートのゲル分率が40〜60%の範囲内となるように定める)である事を特徴とする太陽電池封止シート;並びに、この太陽電池封止シートの受光面側封止シート及び裏面側封止シートを用いた太陽電池モジュール及びその製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池封止シート、並びに太陽電池モジュール及びその製造方法に関する。
従来より、太陽電池の発電効率向上の為に、入射した光をできるだけ効率良く太陽電池用発電素子に集光することが求められている。したがって、受光面側(表面側)の封止材は、できるだけ高い透明性を有し、入射した光を吸収したり反射したりすること無く透過させるものが望ましい。
一方、裏面側(受光面の反対側)の封止材としては、二酸化チタン等の白色着色剤を配合し、裏面と受光面との界面における光の反射や着色剤による光の乱反射によって、複数の太陽電池用素子の間に入射した光や太陽電池用素子を透過した光を反射させ、光の利用効率を高める封止材料が開発されている(例えば特許文献1〜3)。
一般に太陽電池モジュールは、受光面側透明保護部材、受光面側封止材、太陽電池セル、裏面側封止材及び裏面側保護部材(バックシート)をこの順で積層した積層体を、減圧下で脱気し、加熱加圧して接着一体化することにより製造されている。この工程において、溶融した裏面側封止材が流動し、積層体の側面や太陽電池用セル間の隙間から受光面側に回り込み、太陽電池用セルと受光面側封止材との間に侵入する場合がある。特に裏面側封止材が着色した材料からなる場合は、この裏面側封止材の回り込みによって発電効率の低下や外観不良が起こる場合がある。
このような現象を防止する為に、特許文献1では、14g/10min以下のメルトフローレートを有する封止膜が提案されている。また特許文献2では、着色した裏面側封止膜のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の酢酸ビニル含有量よりも、透明な受光面側封止膜のEVAの酢酸ビニル含有量を高くした太陽電池が提案されている。また特許文献3では着色した裏面側封止膜のEVAのメルトフローレートよりも、透明な受光面側封止膜のEVAのメルトフローレートを高くした太陽電池が提案されている。また特許文献4では、太陽電池用セルと着色した裏面側封止材との間に、さらに透明な封止材層を設ける事により着色した裏面側封止材の回り込みを防止している。
しかしながら、特許文献1〜3の方法では、製造工程における加熱加圧条件によっては、上記の現象を防止できない場合がある。また特許文献4の方法では、裏面側封止材として透明層と着色層の2層を設ける必要があり、製造負荷やコスト増を招いてしまう。
特開平6−177412号公報 特開2003−258283号公報 特開2005−050928号公報 特開2011−216804号公報
本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであって、裏面側封止材の回り込みを低減した太陽電池封止シート、並びにこの封止シートを用いた太陽電池モジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、太陽電池モジュールの発電素子に対する受光面側封止シートと裏面側封止シートとからなる一対の太陽電池封止シートであって、前記受光面側封止シートはエチレン共重合体(A)及び架橋剤(D1)を含んでなり、前記裏面側封止シートはエチレン共重合体(B)、着色剤(C)及び架橋剤(D2)を含んでなり、150℃で時間T1加熱した前記受光面側封止シートのゲル分率が40〜60%の範囲内となるとき、150℃で時間T1加熱した前記裏面側封止シートのゲル分率が5%以下(時間T1は任意の加熱時間を表し、前記受光面側封止シートのゲル分率が40〜60%の範囲内となるように定める)である事を特徴とする太陽電池封止シートである。
また本発明は、受光側保護部材と、受光面側封止シートと、発電素子と、裏面側封止シートと、裏面側保護部材とをこの順に積層してなる太陽電池モジュールであって、前記受光面側封止シート及び前記裏面側封止シートが、本発明の太陽電池封止シートの受光面側封止シート及び裏面側封止シートである事を特徴とする太陽電池モジュールである。
また本発明は、受光側保護部材と、受光面側封止シートと、発電素子と、裏面側封止シートと、裏面側保護部材とをこの順に重ねて、加熱圧着して積層体を得る工程を有する太陽電池モジュールの製造方法であって、前記受光面側封止シート及び前記裏面側封止シートが、本発明の太陽電池封止シートの受光面側封止シート及び裏面側封止シートである事を特徴とする太陽電池モジュールの製造方法である。
本発明の受光面側及び裏面側に用いられる一対の太陽電池封止シートによれば、ラミネート時において受光側封止シートが裏面側封止シートよりも架橋反応がより早く進行する。したがって、裏面側封止シートが溶融流動したとしても、積層体の側面やセル間の隙間から受光面側に回り込む事を架橋した受光面受光側封止シートが阻止し、その結果、発電効率の低下や外観不良を防止できる。
本発明の太陽電池モジュールは、そのような発電効率の低下や外観不良が防止された太陽電池モジュールである。また、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、そのような優れた太陽電池モジュールを簡易且つ効率的に製造できる方法である。
本発明の太陽電池封止シートは、発電素子に対して受光面側に用いられる封止シート(受光面側封止シート)と、裏面側に用いられる封止シート(裏面側封止シート)とからなる一対の封止シートである。
受光面側封止シートはエチレン共重合体(A)及び架橋剤(D1)を含んでなり、裏面側封止シートはエチレン共重合体(B)、着色剤(C)及び架橋剤(D2)を含んでなる。そして、150℃で時間T1加熱した受光面側封止シートのゲル分率が40〜60%の範囲内となるとき、150℃で時間T1加熱した裏面側封止シートのゲル分率が10%以下(より好ましくは5%以下)(時間T1は任意の加熱時間を表し、受光面側封止シートのゲル分率が40〜60%の範囲内となるように定める)である。
このゲル分率は、封止シートの樹脂成分の150℃における架橋特性の程度を示す指標である。具体的には、このゲル分率が高いほど架橋速度が早いことを意味する。すなわち、後述する実施例に記載のように、両封止シートを温度150℃の加熱条件で適当な任意の時間(例えばT1=2分30秒程度)プレス加工すると、エチレン・酢酸ビニル共重合体が架橋した架橋シートが得られる。そして、この架橋シートを適当な温度のキシレン等の溶媒に十分な時間浸漬し、それでも溶解しないものを未溶解ゲル分と判断し、その質量分率をゲル分率(%)とする。
以上のようなゲル分率に依る方法は、両封止シートの架橋速度の違いを1回の測定だけで判断できる簡易な方法である。すなわち、加熱時間は特定せずに任意とし、その任意の時間T1で加熱した後に受光面側封止シートの測定したゲル分率が40〜60%の範囲内であるならば、あとは同条件で加熱した裏面側封止シートのゲル分率を測定し、そのゲル分率の値が10%以下の場合は十分な架橋速度の差が有り、本発明の範囲内であると判断できる。
なお、加熱時間T1の基準となる受光面側封止シートのゲル分率をある特定の値に固定せずに40〜60%の範囲としたのは、加熱時間T1の調整によってゲル分率を特定の値に厳密に設定することは困難だからである。したがって、例えば受光面側封止シートのゲル分率が60%の場合に裏面側封止シートのゲル分率が10%以上であったとしても、再度測定して受光面側封止シートのゲル分率が40%であり裏面側封止シートのゲル分率が10%以下であったならば、十分な架橋速度の差が有り、本発明の範囲内であると判断する。
このような両封止シートのゲル分率の関係は、例えば、架橋剤(D1)の種類と量、並びに、架橋剤(D2)の種類と量を調整することにより実現できる。架橋剤(D1)及び(D2)の種類は、エチレン共重合体(A)及び(B)に対して架橋反応を発現する架橋剤であり、且つ上記のゲル分率の関係が得られるような架橋剤であれば良い。特に、有機過酸化物が好ましい。
一般に、有機過酸化物等の架橋剤の分解温度が低いほど、架橋反応が早く進行する。また一般に、架橋剤の配合量が多いほど、架橋反応が早く進行する。したがって、例えば、架橋剤(D1)として、架橋剤(D2)よりも半減期温度(例えば一時間半減期温度)が低い架橋剤を使用することにより、及び/又は、エチレン共重合体(A)に対する架橋剤(D1)の配合割合をエチレン共重合体(B)に対する架橋剤(D2)の配合割合よりも多くすることにより、先に述べたゲル分率の関係を実現できる。
架橋剤(D1)の一時間半減期温度は、好ましくは130℃未満、より好ましくは121℃以下である。その具体例としては、t−ブチルーパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート(一時間半減期温度121℃)、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(一時間半減期温度95℃)、t−ブチルーパーオキシ2−エチルヘキサノエート(一時間半減期温度116℃)等の有機過酸化物が挙げられる。有機過酸化物は一種を単独で又は二種以上を併用できる。
架橋剤(D2)の一時間半減期温度は、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上である。その具体例としては、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(一時間半減期温度140℃)等の有機過酸化物が挙げられる。また、一時間半減期温度が130℃以上の有機過酸化物と、それ以外の有機過酸化物、例えばt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(一時間半減期温度121℃)との混合物を用いることも好ましい。すなわち、有機過酸化物は一種を単独で又は二種以上を併用できる。
さらに架橋剤(D1)及び/又は架橋剤(D2)として、一時間半減期温度が上記の好適範囲から外れる架橋剤を併用することもできる。架橋剤(D1)として二種以上の架橋剤を用いる場合及び/又は架橋剤(D2)として二種以上の架橋剤を用いる場合は、架橋剤(D1)の中で一時間半減期温度が最も低い架橋剤(D1LOW)と、架橋剤(D2)の中で一時間半減期温度が最も低い架橋剤(D2LOW)とを比較し、架橋剤(D1LOW)の方が架橋剤(D2LOW)よりも一時間半減期温度が低ければ良い。
また、架橋剤(D1LOW)と架橋剤(D2LOW)が同じ種類の架橋剤である場合は、架橋剤(D1LOW)の配合割合を架橋剤(D2LOW)の配合割合よりも多くすれば良い。
架橋剤(D1)の配合量は、エチレン共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.6〜1.6質量部、より好ましくは1.0〜1.6質量部である。架橋剤(D2)の配合量は、エチレン共重合体(B)100質量部に対して、好ましくは0.1〜1.6質量部、より好ましくは0.1〜0.8質量部である。また、エチレン共重合体(A)100質量部に対する架橋剤(D1)の配合量は、エチレン共重合体(B)100質量部に対する架橋剤(D2)の配合量よりも多いことが好ましい。
本発明に用いるエチレン共重合体(A)及び(B)はエチレンと他のモノマーとの共重合体であり、エチレン−極性モノマー共重合体が好ましい。その具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン系アイオノマーが挙げられる。中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量は、エチレン及び酢酸ビニルの合計含量を100質量%として、好ましくは10〜40質量%である。
本発明に用いる着色剤(C)は、無機又は有機微粒子であり、例えば白色、黒色ないし青や赤等に着色するために配合される。炭酸カルシウム、二酸化チタン等の白色着色剤は、入射した光を反射させ、光の利用効率を高めるのに用いられる。同じ白色である水酸化マグネシウムは、難燃剤としても配合できる。またカーボンブラック等の黒色着色剤は、パネルの意匠性を高めるのに用いることもできる。他にウルトラマリンブルー、ウルトラマリンレッドも使用できる。着色剤(C)としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛及び二酸化チタンからなる群より選ばれる白色着色剤が好ましく、特に二酸化チタンが好ましい。
着色剤(C)の配合量は、エチレン共重合体(B)100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。
本発明における受光面側封止シート及び裏面側封止シートは、以上説明した各成分を含む樹脂組成物をシート状に成形することにより得られる。
各成分はそのまま混合しても良い。ただし、裏面側封止シートの場合は着色剤(C)を含むので、着色剤(C)を均一に分散させる点から、まずエチレン共重合体(B)及び着色剤(C)からなるマスターバッチ(MB)を作製し、エチレン共重合体(B)に対してこのMBを配合する方法が好ましい。MB中の着色剤(C)の濃度及びMBの配合量は特に制限されない。通常、MB中の着色剤(C)の濃度は好ましくは20〜60質量%である。そして、例えばMB中の着色剤(C)の濃度が50質量%の場合、エチレン共重合体(A)100質量部に対するMBの配合量は好ましくは5〜20質量部である。この樹脂組成物を、後述するように押出成形やカレンダ成形、特に押出成形により加工して樹脂シートを得る事が出来る。
本発明の封止シートは、以上説明した各成分の他に、必要に応じて、架橋助剤、接着促進剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の添加剤が含まれていてもよい。
架橋助剤の具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート等のアリル基含有化合物が挙げられる。架橋助剤の配合量は、エチレン共重合体(A)及び(B)100質量部に対して、好ましくは10質量部以下である。
接着促進剤の具体例としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル−トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。接着促進剤の配合量は、エチレン共重合体(A)及び(B)100質量部に対して、好ましくは5質量部以下である。
紫外線吸収剤の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第3オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化合物;フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等のサリチル酸エステル系化合物が挙げられる。光安定剤の具体例としては、ヒンダ−ドアミン系化合物が挙げられる。酸化防止剤の具体例としては、ヒンダ−ドフェノール系化合物やホスファイト系化合物が挙げられる。紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤は、本発明の目的及び効果を損なわない範囲の量で使用すればよい
本発明の太陽電池封止シートは、太陽電池モジュールの発電素子の裏面側に用いられる封止シートである。発電素子の裏面側とは、発電素子に対して受光面側(表面側)とは反対側を意味する。封止シートの厚みは、好ましくは100μm〜2.0mmである。
太陽電池封止シートの製造方法は、特に限定されない。例えば樹脂材料を押出成形、カレンダ成形等によりシート状に加工して樹脂シートを得る事が出来る。なお、裏面側封止シートの場合は着色剤(C)を含むので、先に述べたようなマスターバッチを含む樹脂組成物を溶融混錬し、押出成形する方法が特に好ましい。
本発明の太陽電池モジュールは、受光側保護部材(表面側透明保護部材等)と、受光面側封止シート(本発明の太陽電池封止シートの受光面側封止シート)と、発電素子と、裏面側封止シート(本発明の太陽電池封止シートの裏面側封止シート)と、裏面側保護部材(バックシート)とをこの順に積層してなる。
一般に、受光面側封止シートは必要に応じて設けられるものであるが、本発明においては受光側封止シートを設けることにより保護性能を高め、しかも着色剤(C)を含む裏面側池封止シートが太陽電池セル上に回り込むことを防止する。受光面側封止シートは、通常、裏面側封止シートと同じ樹脂材料で構成されるが、異なる樹脂材料であっても良い。受光面側封止シートは、透明性が要求されるので着色剤(C)は含有しない。
受光面側保護部材としては、耐久性や透明性の点から、通常はガラス材が用いられる。裏面側保護部材としては、樹脂シートやガラス材が用いられるが、特にポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂シートが好ましい。
太陽電池モジュールは、受光側保護部材(表面側透明保護部材等)と、受光面側封止シート(本発明の太陽電池封止シートの受光面側封止シート)と、発電素子と、裏面側封止シート(本発明の太陽電池封止シートの裏面側封止シート)と、裏面側保護部材(バックシート)とをこの順に重ね加熱圧着して積層体を得る工程により製造できる。その具体的な製造条件は特に限定されず、公知の方法に従えばよい。ただし、加熱圧着工程(ラミネート工程)において受光面側封止シート中のエチレン共重合体(A)と架橋剤(D1)が架橋反応して架橋シートとなり、また裏面側封止シート中のエチレン共重合体(B)と架橋剤(D2)が架橋反応して架橋シートとなるように、その加熱圧着の温度は、好ましくは120〜170℃である。また加熱時はまず一定時間真空に保持し、その後加圧してラミネートすることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。以下の記載において「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
<実施例1>
(受光面側封止シートの製造)
エチレン共重合体(A)としてエチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量28%)100部に、架橋剤(D1)としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(一時間半減期温度121℃)0.8部と、トリアリルイソシアヌレート0.8部とを配合して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をTダイ付押出機にて押し出し、厚さ約450μmの樹脂シート(受光面側封止シート)を成形した。
(裏面側封止シートの製造)
エチレン共重合体(B)としてエチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量28%)100部に、架橋剤(D2)として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(一時間半減期温度140℃)0.1部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(一時間半減期温度121℃)0.4部と、トリアリルイソシアヌレート0.8部と、着色剤(C)として二酸化チタンを含むマスターバッチ(二酸化チタン濃度50%)6部とを配合して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をTダイ付押出機にて押し出し、厚さ約450μmの樹脂シート(裏面側封止シート)を成形した。
(150℃で加熱したときの封止シートのゲル分率の測定)
以上の各封止シートを、それぞれ150℃、2分30秒(T1)でプレス加工し、エチレン・酢酸ビニル共重合体が架橋した架橋シートを得た。そして、各架橋シートのゲル分率を、次の方法で測定した。まず、封止シート1gを100mlのキシレンに浸漬し、110℃、24時間加熱した。その後、20メッシュ金網で濾過したときの未溶解分の質量分率を求めた。受光面側封止シートのゲル分率は52%であり、裏面側封止シートのゲル分率は0%であった。
(太陽電池モジュールの作製)
以上の各封止シートを用いて、3.2mm厚のガラス、受光面側封止シート、太陽電池セル、裏面側封止シート、PET系バックシート(裏面側保護部材)をこの順に積層し、真空ラミネーターを用いて165℃、真空5分、加圧15分の条件にてラミネートして、太陽電池モジュールを作製した。この太陽電池モジュールの裏面側封止シートが太陽電池セルの受光面上やバスバー電極上に着色剤(C)が回り込んでいるかどうか、ガラスを介して目視で確認したところ、回り込みは全く見られなかった。
<実施例2>
(受光面側封止シートの製造)
架橋剤(D1)であるt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートの配合量を1.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして厚さ約450μmの受光面側封止シートを成形した。
(裏面側封止シートの製造)
実施例1と同様にして厚さ約450μmの裏面側封止シートを成形した。
(150℃で加熱したときの封止シートのゲル分率の測定)
プレス時間を2分に変更したこと以外は実施例1と同様にしてプレス加工し、ゲル分率を測定した。受光面側封止シートのゲル分率は48%であり、裏面側封止シートのゲル分率は0%であった。
(太陽電池モジュールの作製)
以上の各封止シートを用いて実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。ガラスを介して目視で確認したところ、着色剤(C)の回り込みは全く見られなかった。
<実施例3>
(受光面側封止シートの製造)
実施例1と同様にして受光面側封止シートを製造した。
(裏面側封止シートの製造)
2種の架橋剤(D2)のうち、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネートは使用せず、その代わりに2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンの配合量を1.5部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして裏面側封止シートを製造した。
(150℃で加熱したときの封止シートのゲル分率の測定)
実施例1と同様にしてプレス加工し、ゲル分率を測定した。受光面側封止シートのゲル分率は52%であり、裏面側封止シートのゲル分率は0%であった。
(太陽電池モジュールの作製)
以上の各封止シートを用いて実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。ガラスを介して目視で確認したところ、着色剤(C)の回り込みは全く見られなかった。
<比較例1>
(受光面側封止シートの製造)
受光面側封止シートの樹脂成分の組成を、裏面側封止シートの樹脂成分の組成と同一、すなわち、エチレン・酢酸ビニル共重合体100部、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート0.4部及びトリアリルイソシアヌレート0.8部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして受光面側封止シートを製造した。
(裏面側封止シートの製造)
実施例1と同様にして裏面側封止シートを製造した。
(150℃で加熱したときの封止シートのゲル分率の測定)
実施例1と同様にしてプレス加工し、ゲル分率を測定した。受光面側封止シートのゲル分率は51%であり、裏面側封止シートのゲル分率は57%であった。
(太陽電池モジュールの作製)
以上の各封止シートを用いて実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。ガラスを介して目視で確認したところ、太陽電池セルの受光面上及びバスバー電極上に着色剤(C)が回り込んでいるのが確認された。
以上説明した実施例1〜3及び比較例1の結果から、受光面側封止シートとして架橋速度が速い樹脂シートを使用することで、着色剤(C)を含む裏面側池封止シートが太陽電池セル上に回り込むことを防止できることが分かる。したがって、本発明によれば特性を低下させることなく、太陽電池モジュールを良好に製造できる。

Claims (6)

  1. 太陽電池モジュールの発電素子に対する受光面側封止シートと裏面側封止シートとからなる一対の太陽電池封止シートであって、
    前記受光面側封止シートはエチレン共重合体(A)及び架橋剤(D1)を含んでなり、前記裏面側封止シートはエチレン共重合体(B)、着色剤(C)及び架橋剤(D2)を含んでなり、
    150℃で時間T1加熱した前記受光面側封止シートのゲル分率が40〜60%の範囲内となるとき、150℃で時間T1加熱した前記裏面側封止シートのゲル分率が5%以下(時間T1は任意の加熱時間を表し、前記受光面側封止シートのゲル分率が40〜60%の範囲内となるように定める)である事を特徴とする太陽電池封止シート。
  2. エチレン共重合体(A)に対する架橋剤(D1)の配合割合が、エチレン共重合体(B)に対する架橋剤(D2)の配合割合よりも多い請求項1記載の太陽電池封止シート。
  3. 架橋剤(D1)の半減期温度が、架橋剤(D2)の半減期温度よりも低い請求項1又は2記載の太陽電池封止シート。
  4. 着色剤(C)が、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛及び二酸化チタンからなる群より選ばれる白色着色剤である請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池封止シート。
  5. 受光側保護部材と、受光面側封止シートと、発電素子と、裏面側封止シートと、裏面側保護部材とをこの順に積層してなる太陽電池モジュールであって、
    前記受光面側封止シート及び前記裏面側封止シートが、請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池封止シートの受光面側封止シート及び裏面側封止シートである事を特徴とする太陽電池モジュール。
  6. 受光側保護部材と、受光面側封止シートと、発電素子と、裏面側封止シートと、裏面側保護部材とをこの順に重ねて、加熱圧着して積層体を得る工程を有する太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記受光面側封止シート及び前記裏面側封止シートが、請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池封止シートの受光面側封止シート及び裏面側封止シートである事を特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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