JP2017050353A - 圧電素子、及び圧電素子応用デバイス - Google Patents

圧電素子、及び圧電素子応用デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】圧電特性の向上した圧電素子及び圧電素子応用デバイスを提供する。
【解決手段】第1電極60と、前記第1電極60上に溶液法によって形成され、カリウムと、ナトリウムと、ニオブと、を含む擬立方晶以外の結晶構造を有するペロブスカイト型構造の複合酸化物からなる圧電体層70と、前記圧電体層70上に設けられた第2電極80と、を備えた圧電素子300であって、前記圧電体層70は、比誘電率の温度変化をみたとき、キュリー温度よりも低い温度で変化点を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、第1電極、圧電体層及び第2電極を具備する圧電素子、及び圧電素子を具備する圧電素子応用デバイスに関する。
圧電素子は、一般に、電気機械変換特性を有する圧電体層と、圧電体層を挟持する2つの電極と、を有している。このような圧電素子を駆動源として用いたデバイス(圧電素子応用デバイス)の開発が、近年、盛んに行われている。圧電素子応用デバイスの一つとして、インクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッド、圧電MEMS素子に代表されるMEMS要素、超音波センサー等に代表される超音波測定装置、更には、圧電アクチュエーター装置等がある。
圧電素子の圧電体層の材料(圧電材料)として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が知られているが、環境負荷低減の観点から、鉛の含有量を抑えた非鉛系の圧電材料の開発が進められている。そのような非鉛系の圧電材料の1つとして、たとえば、特許文献1や非特許文献1のように、ニオブ酸カリウムナトリウム(KNN;(K,Na)NbO)を主成分としたKNN系圧電体が提案されている。しかし、KNN系圧電体では、いまだPZTを凌駕する程の特性が得られていないのが現状であり、さらになる特性の向上が必要とされている。たとえば、バルクのKNN系圧電体では、KNNと他の酸化物とを固溶体とすることなどで、特性を向上させる試みが行われている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2011−035370号公報
Yiping Guo et al. Appl. Phys. Lett. 85, 4121 (2004)
しかしながら、このようなバルクのKNN系圧電体を薄膜化した場合、結晶相は擬立方晶となることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。擬立方晶では、その他結晶相と相境界を作製できたとしても、ドメイン構造の関係から、擬立方晶以外の結晶相を利用した場合と比較して、大きな変位を得ることは難しい。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッドに搭載された圧電アクチュエーターに用いられる圧電素子に限定されず、他の圧電素子応用デバイスに用いられる圧電素子においても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、圧電特性の向上した薄膜のKNN系圧電体を用いた圧電素子、及び圧電素子応用デバイスを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、第1電極と、前記第1電極上に溶液法によって形成され、カリウムと、ナトリウムと、ニオブと、を含む擬立方晶以外の結晶構造を有するペロブスカイト型構造の複合酸化物からなる圧電体層と、前記圧電体層上に設けられた第2電極と、を備えた圧電素子であって、前記圧電体層は、比誘電率の温度変化をみたとき、キュリー温度よりも低い温度で変化点を有することを特徴とする圧電素子にある。
かかる態様では、ドメインの動きを積極的に利用でき、また、低い温度域で比誘電率が高くなるため、圧電特性の向上した圧電素子となる。
ここで、前記圧電体層は、θ−2θ測定によるX線回折パターンにおいて、(200)面に由来するピークと(002)面に由来するピークとを有することが好ましい。これによれば、θ−2θ測定によるX線回折パターンにおいて、(200)面に由来するピークと(002)面に由来するピークとを有することで、擬立方晶ではなく、正方晶又は斜方晶となり、圧電特性が向上し、変位が大きくなる。
また、前記カリウム、ナトリウム、及びニオブの総和の金属モル数が、前記圧電体層内の金属モル数の80%を超えていることが好ましい。これによれば、KNNに由来する特性が顕著となる。
さらに、本発明の他の態様は、上記圧電素子を具備することを特徴とする圧電素子応用デバイスにある。
かかる態様では、リーク電流の抑制、及び圧電特性の向上の少なくとも一方を実現した圧電素子応用デバイスを提供できる。
記録装置の概略構成を示す図である。 記録ヘッドの分解斜視図である。 記録ヘッドの平面図及び断面図である。 記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。 比誘電率と温度との関係を示す図である。 X線回折パターンを示す図である。 図7の一部拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下の説明は、本発明の一態様を示すものであって、本発明の範囲内で任意に変更可能である。各図において同じ符号を付したものは、同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。また、図2〜図5において、X、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX方向、Y方向、及びZ方向として説明する。Z方向は、板、層、及び膜の厚み方向あるいは積層方向を表す。X方向及びY方向は、板、層、及び膜の面内方向を表す。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態に係る圧電素子応用デバイスである記録ヘッドを備えた液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置である。図示するように、インクジェット式記録装置Iにおいて、複数のインクジェット式記録ヘッドを有するインクジェット式記録ヘッドユニット(ヘッドユニット)IIが、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられている。ヘッドユニットIIを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられており、例えば各々ブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとされている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニットIIを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。記録シートSを搬送する搬送手段は搬送ローラーに限られず、ベルトやドラム等であってもよい。
このようなインクジェット式記録装置Iによれば、インクジェット式記録ヘッド(以下、単に「記録ヘッド」とも称する)を具備するため、安価に製造できる。また、後に詳しく述べる圧電素子を用いることによって、圧電アクチュエーターを構成する圧電素子の変位特性の向上も期待されるため、噴射特性の向上を図ることができる。
以上説明したインクジェット式記録装置Iに搭載される記録ヘッド1の一例について図2〜図3を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッドの分解斜視図である。図3は、流路形成基板の圧電素子側の平面図、及びA−A′線に準ずる断面図である。
流路形成基板10(以下、基板10と称する)は例えばシリコン単結晶基板からなり、圧力発生室12が形成されている。そして、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が、同じ色のインクを吐出する複数のノズル開口21がX方向に沿って並設されている。
基板10のうち、圧力発生室12のY方向の一端部側には、インク供給路13と連通路14とが形成されている。インク供給路13は、圧力発生室12の片側をX方向から絞ることで、その開口面積が小さくなるように構成されている。また、連通路14は、X方向において圧力発生室12と略同じ幅を有している。連通路14の外側(+Y方向側)には、連通部15が形成されている。連通部15は、マニホールド100の一部を構成する。マニホールド100は、各圧力発生室12の共通のインク室となる。このように、基板10には、圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15からなる液体流路が形成されている。
基板10の一方の面(−Z方向側の面)上には、例えばSUS製のノズルプレート20が接合されている。ノズルプレート20には、X方向に沿ってノズル開口21が並設されている。ノズル開口21は、各圧力発生室12に連通している。ノズルプレート20は、接着剤や熱溶着フィルム等によって基板10に接合することができる。
基板10の他方の面(+Z方向側の面)上には、振動板50が形成されている。振動板50は、例えば、基板10上に形成された弾性膜51と、弾性膜51上に形成された絶縁体膜52と、により構成されている。弾性膜51は、例えば二酸化シリコン(SiO)からなり、絶縁体膜52は、例えば酸化ジルコニウム(ZrO)からなる。弾性膜51は、基板10とは別部材でなくてもよい。基板10の一部を薄く加工し、これを弾性膜として使用してもよい。
絶縁体膜52上には、密着層56を介して、第1電極60と、圧電体層70と、第2電極80と、を含む圧電素子300が形成されている。密着層56は、第1電極60と下地との密着性を向上させるためのものであり、密着層56としては、例えば、酸化チタン(TiO)、チタン(Ti)、又は、窒化シリコン(SiN)等を用いることができる。また、酸化チタン(TiO)、チタン(Ti)、又は、窒化シリコン(SiN)等からなる密着層56を設けた場合、密着層56は、絶縁体膜52と同様に、後述する圧電体層70を形成する際に、圧電体層70の構成元素であるカリウム及びナトリウムが第1電極60を透過して基板10に到達するのを防ぐストッパーとしての機能を有する。なお、密着層56は省略可能である。
本実施形態では、電気機械変換特性を有する圧電体層70の変位によって、振動板50及び第1電極60が変位する。すなわち、本実施形態では、振動板50及び第1電極60が、実質的に振動板としての機能を有している。弾性膜51及び絶縁体膜52を省略して、第1電極60のみが振動板として機能するようにしてもよい。基板10上に第1電極60を直接設ける場合には、第1電極60にインクが接触しないように、第1電極60を絶縁性の保護膜等で保護することが好ましい。
第1電極60は、圧力発生室12毎に切り分けられている、つまり、第1電極60は、圧力発生室12毎に独立する個別電極として構成されている。第1電極60は、X方向において、圧力発生室12の幅よりも狭い幅で形成されている。また、第1電極60は、Y方向において、圧力発生室12よりも広い幅で形成されている。すなわち、Y方向において、第1電極60の両端部は、圧力発生室12に対向する領域より外側まで形成されている。Y方向において、第1電極60の一端部側(連通路14とは反対側)には、リード電極90が接続されている。
圧電体層70は、第1電極60と第2電極80との間に設けられている。圧電体層70は、X方向において、第1電極60よりも広い幅で形成されている。また、圧電体層70は、Y方向において、圧力発生室12のY方向の長さよりも広い幅で形成されている。Y方向において、圧電体層70のインク供給路13側の端部(+Y方向の端部)は、第1電極60の端部よりも外側まで形成されている。つまり、第1電極60の他方の端部(+Y方向側の端部)は、圧電体層70によって覆われている。一方、圧電体層70の一方の端部(−Y方向側の端部)は、第1電極60の一方の端部(−Y方向側の端部)よりも内側にある。つまり、第1電極60の一方の端部(−Y方向側の端部)は、圧電体層70によって覆われていない。
第2電極80は、X方向に亘って、圧電体層70、第1電極60及び振動板50上に連続して設けられている。つまり、第2電極80は、複数の圧電体層70に共通する共通電極として構成されている。なお、第2電極80ではなく、第1電極60を共通電極としてもよい。
圧電素子300が形成された基板10上には、保護基板30が接着剤35により接合されている。保護基板30は、マニホールド部32を有している。マニホールド部32により、マニホールド100の少なくとも一部が構成されている。本実施形態に係るマニホールド部32は、保護基板30を厚さ方向(Z方向)に貫通しており、更に圧力発生室12の幅方向(X方向)に亘って形成されている。そして、マニホールド部32は、上記のように、基板10の連通部15と連通している。これらの構成により、各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100が構成されている。
保護基板30には、圧電素子300を含む領域に、圧電素子保持部31が形成されている。圧電素子保持部31は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有している。この空間は、密封されていても密封されていなくてもよい。保護基板30には、保護基板30を厚さ方向(Z方向)に貫通する貫通孔33が設けられている。貫通孔33内には、リード電極90の端部が露出している。
保護基板30上には、信号処理部として機能する駆動回路120が固定されている。駆動回路120は、例えば回路基板や半導体集積回路(IC)を用いることができる。駆動回路120及びリード電極90は、接続配線121を介して電気的に接続されている。駆動回路120は、プリンターコントローラー200に電気的に接続可能である。このような駆動回路120が、本実施形態に係る制御手段として機能する。
保護基板30上には、封止膜41及び固定板42からなるコンプライアンス基板40が接合されている。固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向である第3の方向Zに完全に除去された開口部43となっている。マニホールド100の一方の面(+Z方向側の面)は、可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
次に、圧電素子300の詳細について説明する。圧電素子300は、第1電極60と、第2電極80と、第1電極60と第2電極80との間に設けられた圧電体層70と、を含む。第1電極60の厚さは約50nmである。圧電体層70は、厚さが50nm以上2000nm以下の、いわゆる薄膜の圧電体である。第2電極80の厚さは約50nmである。ここに挙げた各要素の厚さはいずれも一例であり、本発明の要旨を変更しない範囲内で変更可能である。
第1電極60及び第2電極80の材料は、白金(Pt)やイリジウム(Ir)等の貴金属が好適である。第1電極60の材料や第2電極80の材料は、導電性を有する材料であればよい。第1電極60の材料と第2電極80との材料は、同一であっても良く、異なっていてもよい。
圧電体層70は、溶液法によって形成され、カリウム(K)と、ナトリウム(Na)と、ニオブ(Nb)と、を含む一般式ABOで示されるペロブスカイト型構造の複合酸化物である。すなわち、圧電体層70は、下記式(1)で表されるKNN系の複合酸化物からなる圧電材料を含む。
(K,Na1−X)NbO ・・・ (1)
(0.1≦X≦0.9)
上記式(1)で表される複合酸化物は、いわゆるKNN系の複合酸化物である。KNN系の複合酸化物は、鉛(Pb)等の含有量を抑えた非鉛系圧電材料であるため、生体適合性に優れ、また環境負荷も少ない。しかも、KNN系の複合酸化物は、非鉛系圧電材料の中でも圧電特性に優れているため、各種の特性向上に有利である。その上、KNN系の複合酸化物は、他の非鉛系圧電材料(例えば、BNT−BKT−BT;[(Bi,Na)TiO]−[(Bi,K)TiO]−[BaTiO])に比べてキュリー温度が比較的高く、また温度上昇による脱分極も生じ難いため、高温での使用が可能である。
上記式(1)において、Kの含有量は、Aサイトを構成する金属元素の総量に対して30モル%以上70モル%以下である(言い換えると、Naの含有量が、Aサイトを構成する金属元素の総量に対して30モル%以上70モル%以下である)ことが好ましい。すなわち、上記式(1)において、0.3≦x≦0.7であることが好ましい。これによれば、圧電特性に有利な組成を有する複合酸化物となる。また、Kの含有量は、Aサイトを構成する金属元素の総量に対して35モル%以上55モル%以下である(言い換えると、Naの含有量が、Aサイトを構成する金属元素の総量に対して35モル%以上55モル%以下である)ことが、より好ましい。すなわち、上記式(1)において、0.35≦x≦0.55であることが、より好ましい。これによれば、より圧電特性に有利な組成を有する複合酸化物となる。
圧電体層70を構成する圧電材料は、KNN系の複合酸化物であればよく、上記式(1)で表される組成に限定されない。たとえば、ニオブ酸カリウムナトリウムのAサイトやBサイトに、他の金属元素(添加物)が含まれていてもよい。このような添加物の例としては、マンガン(Mn)、リチウム(Li)、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、タンタル(Ta)、アンチモン(Sb)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)及び銅(Cu)等が挙げられる。
この種の添加物は、1つ以上含まれていてもよい。一般的に、添加物の量は、主成分となる元素の総量に対して20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。添加物を利用することにより、各種特性を向上させて構成や機能の多様化を図りやすくなるが、KNNが80%より多く存在するのがKNNに由来する特性を発揮する観点から好ましい。なお、これら他の元素を含む複合酸化物である場合も、ABO型ペロブスカイト構造を有するように構成されることが好ましい。
Aサイトのアルカリ金属は化学量論の組成に対して過剰に加えられてもよい。また、Aサイトのアルカリ金属は、化学量論の組成に対して不足していても良い。従って、本実施形態の複合酸化物は、下記式(2)でも表すことができる。下記式(2)において、Aは、過剰に加えられてもよいK及びNaの量、又は不足していてもよいK及びNaの量を表している。K及びNaの量が過剰である場合は1.0<Aである。K及びNaの量が不足している場合は、A<1.0である。例えば、A=1.1であれば、化学量論の組成におけるK及びNaの量を100モル%としたときに、110モル%のK及びNaが含まれていることを表す。A=0.9であれば、化学量論の組成におけるK及びNaの量を100モル%としたときに、90モル%のK及びNaが含まれていることを表す。尚、Aサイトのアルカリ金属が化学量論の組成に対して過剰でなく不足もしていない場合は、A=1である。特性向上の観点から、0.85≦A≦1.15、好ましくは0.90≦A≦1.10、より好ましくは0.95≦A≦1.05である。
(KAX,Na1−X))NbO ・・・ (2)
(0.1≦x≦0.9,好ましくは0.3≦x≦0.7,より好ましくは0.35≦x≦0.55)
圧電材料には、元素の一部欠損した組成を有する材料、元素の一部が過剰である組成を有する材料、及び元素の一部が他の元素に置換された組成を有する材料も含まれる。圧電体層70の基本的な特性が変わらない限り、欠損・過剰により化学量論の組成からずれた材料や、元素の一部が他の元素に置換された材料も、本実施形態に係る圧電材料に含まれる。
また、本明細書において「K、Na及びNbを含むABO型ペロブスカイト構造の複合酸化物」とは、K、Na及びNbを含むABO型ペロブスカイト構造の複合酸化物のみに限定されない。すなわち、本明細書において「K、Na及びNbを含むABO型ペロブスカイト構造の複合酸化物」は、K、Na及びNbを含むABO型ペロブスカイト構造の複合酸化物(例えば、上記に例示したKNN系の複合酸化物)と、ABO型ペロブスカイト構造を有する他の複合酸化物と、を含む混晶として表される圧電材料を含む。
他の複合酸化物は、本発明の範囲で限定されないが、鉛(Pb)を含有しない非鉛系圧電材料であることが好ましい。また、他の複合酸化物は、鉛(Pb)及びビスマス(Bi)を含有しない非鉛系圧電材料であることがより好ましい。これらによれば、生体適合性に優れ、また環境負荷も少ない圧電素子300となる。
以上のような複合酸化物からなる圧電体層70は、本実施形態では、所定の結晶面に対して優先配向している。例えば、KNN系の複合酸化物からなる圧電体層70は、(100)面に自然配向しやすい。この他、必要に応じて設けられる所定の配向制御層によっては、圧電体層70は、(110)面や(111)面に優先配向する場合もある。所定の結晶面に優先配向した圧電体層70は、ランダム配向した圧電体層に比べて、各種の特性の向上を図りやすい。なお、本明細書において、優先配向とは、50%以上、好ましくは80%以上の結晶が、所定の結晶面に配向していることを示すものとする。例えば「(100)面に優先配向している」とは、圧電体層70の全ての結晶が(100)面に配向している場合と、半分以上の結晶(50%以上、好ましくは80%以上)が(100)面に配向している場合を含む。
また、圧電体層70は、多結晶であるから、面内における応力が分散して均等になるので、圧電素子300の応力破壊が生じ難く、信頼性が高い。
また、本実施形態の圧電体層70は、比誘電率の温度変化をみたとき、キュリー温度より低い温度域に変化点を有するものである。KNNのキュリー温度は約420℃であるから、変化点は420℃以下に存在する。また、変化点の前の比誘電率の温度変化と、変化点の後の比誘電率の温度変化を直線で近似した場合、変化点の前の直線の傾きの方が大きい。つまり、本実施形態の圧電体層70は、より低い温度域で比誘電率が高くなるため、圧電特性の向上が見込める。この変化点は、例えば、インピーダンスアナライザーを用いてホットプレートで加熱しながら比誘電率と温度との関係を測定することによって確認できる。変化点は、好ましくは、250℃以下に存在することが好ましい。室温により近い温度で変化点を有することにより、圧電特性の向上がより一層見込めるからである。
ここで、変化点とは、比誘電率と温度との関係をグラフにした際に、両者の関係が直線的に変化すると仮定した際に、その傾きが変化する点である。変化点の具体的な求め方は、後述する。
また、圧電体層70は、θ−2θ測定によるX線回折パターンにおいて、(200)面に由来するピークと(002)面に由来するピークとを有する。このことは、すなわち、圧電体層70が擬立方晶ではなく、正方晶又は斜方晶であることを意味する。
同じ組成の圧電体が、バルクにおいて正方晶又は斜方晶である場合でも、薄膜では擬立方晶となる場合が多い。しかし、本実施形態のKNN系の複合酸化物からなる圧電体層70は、薄膜の圧電体であるにもかかわらず、バルクの場合と同じ正方晶又は斜方晶であり、結晶の歪みが大きく、さらに、結晶配向とドメイン構造の利用により高い圧電特性を持つと考えられる。
また、θ−2θ測定によるX線回折パターンにおいて、(200)面に由来するピークと、(002)面に由来するピークとが、0.68°以上離れていることがより好ましい。このような特性を持つことにより、圧電体層70が正方晶又は斜方晶であることがより確実となり、より高い圧電特性を持つことが期待できる。
また、(200)面に由来するピークと(002)面に由来するピークとが一緒になったピークの半価幅、すなわち、ピークトップの強度の半分の強度となる位置のピーク幅(上りと下りの角度の差)が、1°以上、好ましくは、1.52°以上となることが好ましい。このような特性を持つことにより、圧電体層70が正方晶又は斜方晶であることがより確実となり、より高い圧電特性を持つことが期待できる。
圧電体層70の結晶の状態は、主に、圧電体を構成する元素の組成比、圧電体層を形成する際の条件(たとえば、焼成温度や焼成の際の昇温レートなど)、などによって変化する。これらの条件を適宜調整することにより、キュリー温度より低い温度域に比誘電率の変化点を有するものである。
次に、図4〜図5を参照して、圧電素子300の製造方法の一例について、インクジェット式記録ヘッド1の製造方法とあわせて説明する。まず、シリコン基板(以下ウェハーともいう)110を準備する。次に、シリコン基板110を熱酸化することによって、その表面に、二酸化シリコンからなる弾性膜51を形成する。さらに、弾性膜51上にスパッタリング法でジルコニウム膜を形成し、これを熱酸化することによって絶縁体膜52を形成する。このようにして、弾性膜51と絶縁体膜52とからなる振動板50を得る。次いで、絶縁体膜52上に、酸化チタンからなる密着層56を、スパッタリング法やチタン膜の熱酸化等により形成する。そして、図4(a)に示すように、密着層56上に、第1電極60をスパッタリング法や蒸着法等により形成する。
次いで、図4(b)に示すように、第1電極60上に所定形状のレジスト(図示なし)をマスクとして形成し、密着層56及び第1電極60を同時にパターニングする。次に、図4(c)に示すように、密着層56、第1電極60及び振動板50に重なるように圧電体膜74を複数層形成する。圧電体層70は、これら複数層の圧電体膜74によって構成される。また、圧電体層70は、例えばMOD法やゾル−ゲル法等の溶液法(化学溶液法)により形成することができる。このように溶液法によって圧電体層70を形成することで、圧電体層70の生産性を高めることができる。このように溶液法によって形成された圧電体層70は、前駆体溶液を塗布する工程(塗布工程)から前駆体膜を焼成する工程(焼成工程)までの一連の工程を複数回繰り返すことによって形成される。
圧電体層70を溶液法で形成する場合の具体的な手順は、例えば次のとおりである。まず、所定の金属錯体を含む前駆体溶液を調整する。前駆体溶液は、焼成によりK、Na及びNbを含む複合酸化物を形成しうる金属錯体を、有機溶媒に溶解又は分散させたものである。このとき、Mn等の添加物を含む金属錯体を更に混合してもよい。
Kを含む金属錯体としては、2−エチルヘキサン酸カリウム、酢酸カリウム等が挙げられる。Naを含む金属錯体としては、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。Nbを含む金属錯体としては、2−エチルヘキサン酸ニオブ、ペンタエトキシニオブ等が挙げられる。添加物としてMnを加える場合、Mnを含む金属錯体としては、2−エチルヘキサン酸マンガン等が挙げられる。このとき、2種以上の金属錯体を併用してもよい。例えば、Kを含む金属錯体として、2−エチルへキサン酸カリウムと酢酸カリウムとを併用してもよい。溶媒としては、2−nブトキシエタノール若しくはn−オクタン又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。前駆体溶液は、K、Na、Nbを含む金属錯体の分散を安定化する添加剤を含んでもよい。このような添加剤としては、2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。
そして、振動板50、密着層56、及び第1電極60が形成されたウェハー110上に、上記の前駆体溶液を塗布して、前駆体膜を形成する(塗布工程)。次いで、この前駆体膜を所定温度、例えば130℃〜250℃程度に加熱して一定時間乾燥させる(乾燥工程)。次に、乾燥させた前駆体膜を所定温度、例えば300℃〜450℃に加熱し、この温度で一定時間保持することによって脱脂する(脱脂工程)。最後に、脱脂した前駆体膜をより高い温度、例えば650〜800℃程度に加熱し、この温度で一定時間保持することによって結晶化させると、圧電体膜74が完成する(焼成工程)。また、乾燥工程での昇温レートは、30〜350℃/secとするのが好適である。溶液法を用いてこのような昇温レートで圧電体膜74を焼成することで、擬立方晶でない圧電体層70が実現できる。なお、ここで言う「昇温レート」とは、350℃から目的とする焼成温度に達するまでの温度の時間変化率を規定する。
乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程で用いられる加熱装置としては、例えば、赤外線ランプの照射により加熱するRTA(Rapid Thermal Annealing)装置やホットプレート等が挙げられる。上記の工程を複数回繰り返して、複数層の圧電体膜74からなる圧電体層70を形成する。尚、塗布工程から焼成工程までの一連の工程において、塗布工程から脱脂工程までを複数回繰り返した後に、焼成工程を実施してもよい。
また、圧電体層70上に第2電極80を形成する前後で、必要に応じて600℃〜800℃の温度域で再加熱処理(ポストアニール)を行ってもよい。このようにポストアニールを行うことで、圧電体層70と第1電極や第2電極80との良好な界面を形成することができ、且つ圧電体層70の結晶性を改善することができる。
本実施形態では、圧電材料にアルカリ金属(KやNa)が含まれる。アルカリ金属は、上記の焼成工程で第1電極60中や密着層56中に拡散しやすい。仮に、アルカリ金属が第1電極60及び密着層56を通り越してウェハー110に達すると、そのウェハー110と反応を起こしてしまう。しかし、本実施形態では、上記の酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜52が、KやNaのストッパー機能を果たしている。従って、アルカリ金属がシリコン基板であるウェハー110に到達することを抑制できる。
その後、複数の圧電体膜74からなる圧電体層70をパターニングして、図4(d)に示すような形状にする。パターニングは、反応性イオンエッチングやイオンミリング等のドライエッチングや、エッチング液を用いたウェットエッチングによって行うことができる。その後、圧電体層70上に第2電極80を形成する。第2電極80は、第1電極60と同様の方法により形成できる。以上の工程により、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とを備えた圧電素子300が完成する。言い換えると、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とが重なり合う部分が圧電素子300となる。
次に、図5(a)に示すように、ウェハー110の圧電素子300側の面に、接着剤35(図3(b)参照)を介して保護基板用ウェハー130を接合する。その後、保護基板用ウェハー130の表面を削って薄くする。また、保護基板用ウェハー130に、マニホールド部32や貫通孔33(図3(b)参照)を形成する。次いで、図5(b)に示すように、ウェハー110の圧電素子300とは反対側の面に、マスク膜53を形成し、これを所定形状にパターニングする。そして、図5(c)に示すように、マスク膜53を介して、ウェハー110に対してKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)を実施する。これにより、個々の圧電素子300に対応する圧力発生室12の他、インク供給路13、連通路14、及び連通部15(図3(b)参照)を形成する。
次に、ウェハー110及び保護基板用ウェハー130の外周縁部の不要部分をダイシング等により切断・除去する。更に、ウェハー110の圧電素子300とは反対側の面に、ノズルプレート20を接合する(図3(b)参照)。また、保護基板用ウェハー130にコンプライアンス基板40を接合する(図3(b)参照)。ここまでの工程によって、インクジェット式記録ヘッド1のチップの集合体が完成する。この集合体を個々のチップに分割することにより、インクジェット式記録ヘッド1が得られる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例)
基板10となるシリコン基板の表面を熱酸化することで、シリコン基板上に二酸化シリコンからなる弾性膜51を形成した。次に、弾性膜51上にジルコニウム膜をスパッタリング法によって成膜し、ジルコニウム膜を熱酸化することで酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜52を形成した。次に、絶縁体膜52上にチタンをスパッタリング法によって成膜し、熱酸化することにより酸化チタンからなる密着層56を形成した。そして、密着層56上に白金をスパッタリング法によって成膜した後、所定形状にパターニングすることで厚さ50nmの第1電極60を形成した。
次いで、以下の手順で圧電体層70を形成した。
まず、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ニオブ、2−エチルヘキサン酸マンガンからなる溶液を準備し、これを用いて以下の組成となるように前駆体溶液を調合した。
(K0.4Na0.6)(Nb0.995Mn0.005)O
前駆体溶液をスピンコート法により前記基板上に塗布した(塗布工程)。その後、ホットプレート上にシリコン基板を載せ、180℃で4分間乾燥させた(乾燥工程)。次いで、380℃で4分間の脱脂を行った(脱脂工程)。そして、RTA(Rapid Thermal Annealing)を使用して500℃で3分間加熱処理を行った(第1焼成工程)。この塗布工程〜第1焼成工程を7回繰り返した後、電気炉を用いて700℃でさらに追加で熱処理をする(第2焼成工程)ことで、ニオブ酸ナトリウムカリウム(KNN)から成る圧電体層70を作製した。
この圧電体層70上に白金をスパッタリング法によって成膜することで第2電極80を形成した。
その後、白金と圧電体層との密着性を高めるため、ホットプレート上にシリコン基板を載せ、650℃で3分間の再加熱(ポストアニール)を行うことで、実施例の圧電素子を形成した。
<誘電率測定>
インピーダンスアナライザーを用いて、ホットプレートで加熱しながら室温から300℃までの比誘電率と温度との関係を測定した。この結果を図6に示す。図6(a)は、測定結果を示すグラフである。
以下、かかる測定結果から変化点を求める一例を説明する。
図6(a)のグラフにおいて、隣り合う2点の傾きをそれぞれ求め、各点の前後の傾きを比較して、前後で傾きが明らかに異なる点があるかどうかを判断する。
図6(a)の場合、200−220℃の点間の傾きΔ200−220℃が約2であり、それよりも低温側の2点間の傾きである約3と、それよりも高温側の2点間の傾きである約1と明らかに異なる。これから200℃と220℃の間に比誘電率の変化点があることが推測できる。
そこで、60〜200℃までの温度−比誘電率のデータと、220℃〜300℃までの温度−比誘電率のデータから、2つの近似直線を求める。この結果を図6(b)に示す。 図6(b)から、2つの近似直線の交点の座標を求め、この交点を、比誘電率の変化点として特定する。
何れにしても、実施例の圧電体層70には、比誘電率の変化点が200℃近傍にあることが明らかとなった。
<X線回折パターン>
実施例について、室温(25℃)で、θ−2θ測定によるX線回折パターンの測定を行った。その結果を図7に示す。また、図7の42°〜50°付近を拡大したものを図8に示す。
この結果より、実施例の圧電体層は、22°付近の(100)面のピーク強度、46°付近の(200)面のピーク強度が大きいことから、KNNは(100)面に配向していることがわかった。
また、実施例では、46°付近で観察される(200)面に由来するピークと共に45.3°付近に(002)面に由来するピークとが観察されるが、これをピークフィッティングにより分離した結果、分離1及び分離2のピークとなり、これにより、実施例の圧電体層は正方晶か斜方晶であることがわかった。
なお、図7において、2θ=40°付近のピークは、電極を構成する白金に由来するピークである。また、図7及び図8において、2θ=47.5°付近のピークは、基板を構成するシリコンに由来するピークである。
(他の実施形態)
以上、本発明の圧電材料や圧電素子、この圧電素子が搭載される液体噴射ヘッド及び液体噴射装置の一実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上記のものに限定されるものではない。例えば、上記の実施形態1では、流路形成基板10としてシリコン基板を例示したが、これに限定されず、例えば、SOI基板、ガラス等の材料を用いるようにしてもよい。
上記の実施形態1では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般に適用可能であり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等がある。
また、本発明は、液体噴射ヘッドに搭載される圧電素子に限られず、他の圧電素子応用デバイスに搭載される圧電素子にも適用することができる。圧電素子応用デバイスの一例としては、超音波デバイス、モーター、圧力センサー、焦電素子、強誘電体素子などが挙げられる。また、これらの圧電素子応用デバイスを利用した完成体、たとえば、上記液体等噴射ヘッドを利用した液体等噴射装置、上記超音波デバイスを利用した超音波センサー、上記モーターを駆動源として利用したロボット、上記焦電素子を利用したIRセンサー、強誘電体素子を利用した強誘電体メモリーなども、圧電素子応用デバイスに含まれる。
図面において示す構成要素、すなわち層等の厚さ、幅、相対的な位置関係等は、本発明を説明する上で、誇張して示されている場合がある。また、本明細書の「上」という用語は、構成要素の位置関係が「直上」であることを限定するものではない。例えば、「基板上の第1電極」や「第1電極上の圧電体層」という表現は、基板と第1電極との間や、第1電極と圧電体層との間に、他の構成要素を含むものを除外しない。
I…インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、II…インクジェット式記録ヘッドユニット(ヘッドユニット)、1…インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、10…流路形成基板、12…圧力発生室、13…インク供給路、14…連通路、15…連通部、20…ノズルプレート、21…ノズル開口、30…保護基板、31…圧電素子保持部、32…マニホールド部、40…コンプライアンス基板、50…振動板、51…弾性膜、52…絶縁体膜、56…密着層、60…第1電極、70…圧電体層、74…圧電体膜、80…第2電極、90…リード電極、100…マニホールド、110…ウェハー、130…保護基板用ウェハー、300…圧電素子

Claims (4)

  1. 第1電極と、
    前記第1電極上に溶液法によって形成され、カリウムと、ナトリウムと、ニオブと、を含む擬立方晶以外の結晶構造を有するペロブスカイト型構造の複合酸化物からなる圧電体層と、
    前記圧電体層上に設けられた第2電極と、
    を備えた圧電素子であって、
    前記圧電体層は、比誘電率の温度変化をみたとき、キュリー温度よりも低い温度で変化点を有することを特徴とする圧電素子。
  2. 前記圧電体層は、θ−2θ測定によるX線回折パターンにおいて、(200)面に由来するピークと(002)面に由来するピークとを有することを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  3. 前記カリウム、ナトリウム、及びニオブの総和の金属モル数が、前記圧電体層内の金属モル数の80%を超えていることを特徴とする請求項1又は2記載の圧電素子。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の圧電素子を具備することを特徴とする圧電素子応用デバイス。
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