JP2017050064A - 非水電解液二次電池の電極積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高負荷充放電に対する耐性を高めることができる、非水電解液二次電池の電極積層体を提供する。【解決手段】非水電解液二次電池の電極積層体は、負極合材層102と、正極合材層202と、負極合材層102と正極合材層202との間に介在するセパレータ300と、を備える。セパレータ300の幅方向において、セパレータ300は、中央部303と、中央部を挟む第1端部301および第2端部302とを含む。中央部303と第1端部301および第2端部302との境界は、正極合材層202と対向する位置にある。第1端部301および第2端部302は、中央部303よりも厚みがある。第1端部301および第2端部302は、負極合材層102と直に接する。中央部303は、負極合材層102と直には接しない。正極合材層202の幅に対する、中央部303の幅の割合は、20%以上80%以下である。【選択図】図5
Description
本発明は、非水電解液二次電池の電極積層体に関する。
特開2013−118057号公報(特許文献1)には、樹脂製の基材層と、該基材層上に配置され、かつ無機フィラーを含有する無機層とを含むセパレータが開示されている。
樹脂製の基材層の表面に、無機層を配置することにより、セパレータの耐熱性を高めることができる。無機層を構成する無機フィラー(たとえばアルミナ)が、基材層を構成する樹脂材料よりも融点が高いためである。
一般に、無機層は空孔率が高く、電解液を保持できる。電極積層体において、負極合材層とセパレータとの間に、無機層を配置することにより、負極合材層における電解液の枯渇を抑制する効果が期待できる。さらに特許文献1によれば、無機層の周縁に樹脂層を設けることにより、無機層からの電解液の流出を抑制できるとされている。
しかし、無機層に含有される無機フィラーが負極合材層と直に接する部分では、リチウム(Li)イオンの移動が無機フィラーに妨害されることになる。そのため負極合材層の表面において、無機フィラーと直に接する部分と、無機フィラーと直に接しない部分との間で、電極反応に差が生じ、性能劣化が促進される。高負荷充放電を繰り返した場合、その傾向は特に顕著である。
それゆえ本発明の目的は、高負荷充放電に対する耐性を高めることができる、非水電解液二次電池の電極積層体を提供することである。
非水電解液二次電池の電極積層体は、負極合材層と、正極合材層と、該負極合材層と該正極合材層との間に介在するセパレータと、を備える。セパレータの幅方向において、該セパレータは、中央部と、該中央部を挟む第1端部および第2端部とを含む。中央部と第1端部および第2端部との境界は、正極合材層と対向する位置にある。第1端部および第2端部は、中央部よりも厚みがある。第1端部および第2端部は、負極合材層と直に接する。中央部は、負極合材層と直には接しない。正極合材層の幅に対する、中央部の幅の割合は、20%以上80%以下である。
上記の構成において、「直に接する」とは、セパレータと負極合材層とが密着し、それらの剥離に外力が必要な状態を示す。「直には接しない」とは、セパレータと負極合材層との剥離に外力を必要としない状態を示す。セパレータと負極合材層とが直には接しない場合、セパレータと負極合材層とは離れていてもよいし、接していてもよい。
セパレータの両端部(すなわち第1端部および第2端部)は、中央部よりも厚みがある。さらに第1端部および第2端部と中央部との境界は、正極合材層と対向する位置にある。このため、電極積層体の積層方向に圧力を加えた場合、セパレータの中央部において、セパレータが負極合材層と直に接することが抑制される。厚みのある両端部に圧力が集中しやすく、中央部には圧力が加わり難いためである。なお両端部と中央部との境界が正極合材層と対向しない位置にある場合には、中央部にも圧力が加わり、中央部と負極合材層とが直に接する可能性がある。
上記のように、電極積層体に圧力を加えると、セパレータの両端部は、負極合材層と直に接することになる。同時に、セパレータの中央部と負極合材層とが直に接することが抑制される。このため両端部に挟まれた中央部と負極合材層との間には、空間が形成される。非水電解液二次電池において、当該空間には電解液を保持させることができる。当該空間に保持された電解液では、Liイオンの移動度が高い。障害物が少ないためである。ゆえに当該空間と隣接する負極合材層では、電極反応が均一になりやすい。
またこの構成によれば、セパレータにおいて、負極と対向する面に無機層が配置されている場合にも、Liイオンの移動が無機フィラーの妨害を受け難い。セパレータの中央部が、負極合材層と直には接しないためである。
ただしセパレータの幅方向において、正極合材層の幅に対する、中央部の幅の割合は、20%以上80%以下とする。当該割合が20%未満であると、セパレータと負極合材層との間の空間が減少するため、前述の効果が得られない可能性がある。また同割合が80%を超えると、電極とセパレータとを巻回した際に、セパレータに加わる応力によって、セパレータの中央部と負極合材層とが密着し、中央部と負極合材層との間に空間が形成されない可能性がある。
上記の電極積層体によれば、非水電解液二次電池の高負荷充放電に対する耐性を高められる。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と記す)の一例を説明する。ただし本実施形態はこれに限定されるものではない。以下の説明では、非水電解液二次電池を単に「電池」と記す場合がある。また非水電解液二次電池の電極積層体を単に「電極積層体」と記す場合がある。
〔非水電解液二次電池〕
図1は、非水電解液二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。電池1000は、電池ケース500を備える。電池ケース500は、たとえばアルミニウム(Al)合金等から構成される。電池ケース500は、外部端子501,502を有する。電池ケース500は、注液口、安全弁、電流遮断機構等を有していてもよい。電池ケース500には、電極積層体800および電解液900が収容されている。電極積層体800は、外部端子501,502と接続されている。
図1は、非水電解液二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。電池1000は、電池ケース500を備える。電池ケース500は、たとえばアルミニウム(Al)合金等から構成される。電池ケース500は、外部端子501,502を有する。電池ケース500は、注液口、安全弁、電流遮断機構等を有していてもよい。電池ケース500には、電極積層体800および電解液900が収容されている。電極積層体800は、外部端子501,502と接続されている。
〔電極積層体〕
図2は電極積層体の構成の一例を示す概略図である。図2に示す電極積層体800は、巻回型の電極積層体である。すなわち電極積層体800は、セパレータ300を挟んで、負極100と正極200とを積層し、さらに巻回してなる。電極積層体は、扁平状に加圧成形されていてもよい。
図2は電極積層体の構成の一例を示す概略図である。図2に示す電極積層体800は、巻回型の電極積層体である。すなわち電極積層体800は、セパレータ300を挟んで、負極100と正極200とを積層し、さらに巻回してなる。電極積層体は、扁平状に加圧成形されていてもよい。
セパレータ300、負極100および正極200は、いずれも帯状のシート部材である。負極100は、負極集電箔101と、負極集電箔101上に配置された負極合材層102とを含む。負極の厚さ(負極集電箔の厚さと負極合材層の厚さとの合計)は、たとえば50〜150μm程度である。負極集電箔は、たとえば銅(Cu)箔である。負極集電箔の厚さは、たとえば5〜20μm程度である。
正極200は、正極集電箔201と、正極集電箔201上に配置された正極合材層202とを含む。正極の厚さ(正極集電箔の厚さと正極合材層の厚さとの合計)は、たとえば40〜100μm程度である。正極集電箔は、たとえばAl箔である。正極集電箔の厚さは、たとえば5〜25μm程度である。正極容量に対する負極容量の比(=負極容量÷正極容量)は、たとえば1.7〜2.0程度である。
図3は、参考形態の電極積層体を示す概略断面図である。図3に示すように、セパレータ30は、基材層31と、基材層31上に配置された無機層32とを含む。電極積層体80では、基材層31および無機層32が、幅方向の全域に亘って略均等な厚さを有する。そのため負極合材層102の全面が無機層32(セパレータ30)と直に接している。図4は、図3中の領域IVの拡大図である。参考形態では、無機層32に含有される無機フィラー2が、負極合材層102と直に接する部分1が存在する。部分1では、無機フィラー2によってLiイオンの移動が妨害される。これにより負極合材層における電極反応が不均一になると考えられる。
図5は、本実施形態の電極積層体を示す概略断面図である。図5に示すように、電極積層体800は、負極合材層102と、正極合材層202と、負極合材層102と正極合材層202との間に介在するセパレータ300とを備える。セパレータ300は、基材層310と、基材層310と負極合材層102との間に介在する無機層320とを含む。セパレータ300の幅方向において、セパレータ300は、中央部303と、中央部303を挟む第1端部301および第2端部302とを含む。中央部303と第1端部301との境界305、および中央部303と第2端部302との境界305は、それぞれ正極合材層202と対向する位置にある。第1端部301および第2端部302は、中央部303よりも厚みがある。第1端部301および第2端部302は、負極合材層102と直に接する。中央部303は、負極合材層102と直には接しない。
第1端部301、第2端部302および中央部303は、セパレータ300の長手方向(図5では紙面の法線方向)に延びている。
図5に示すように、セパレータ300の中央部303と、負極合材層102との間には空間がある。第1端部301および第2端部302が、負極合材層102と直に接し、中央部303が、負極合材層102と直には接しないためである。当該空間には電解液900を保持させることができる。当該空間に保持された電解液では、障害物が少ないため、Liイオンの移動度が高い。本実施形態では、第1端部301および第2端部302の表面が、中央部303の表面よりも負極合材層102側に突出している。すなわち中央部303が凹部(溝部)となっている。このため、電解液を保持できる空間が効率的に形成される。
負極合材層102の表面のうち中央部303と対向する領域では、電極反応が均一となる。中央部303では、セパレータ300(無機層320)と負極合材層102とが直には接しないためである。
第1端部301および第2端部302の厚さと、中央部303の厚さの差(図5中のt)は、たとえば1〜10μm程度であり、好ましくは1〜5μm程度である。
セパレータ300の幅方向において、正極合材層202の幅(図5中のW202)に対する、中央部303の幅の割合は、20%以上80%以下である。同割合が20%未満になると、セパレータと負極合材層との間の空間が減少するため、本実施形態に期待される効果が得られない可能性がある。同割合が80%を超えると、電極とセパレータとを巻回した際に、セパレータに加わる応力によって、セパレータの中央部と負極合材層とが密着し、中央部と負極合材層との間に空間が形成されない可能性がある。なお巻回時の張力(引張応力)、すなわち巻回時にセパレータに加わる張力をセパレータの断面積で除した値は、たとえば0.35〜4.3N/m2程度である。
〔セパレータ〕
セパレータは、基材層を含む。基材層は、たとえば樹脂製の多孔質フィルムでよい。基材層を構成する樹脂材料は、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂材料でよい。基材層の厚さは、たとえば9〜30μm程度でよい。基材層は、多層構造を有することが好ましい。多層構造は、たとえばPP製の多孔質フィルムからなるPP層と、PE製の多孔質フィルムからなるPE層とが積層された2層構造でもよい。あるいは多層構造は、PP層、PE層およびPP層がこの順に積層された3層構造でもよい。多層構造における各層の厚さは、たとえば3〜10μm程度である。
セパレータは、基材層を含む。基材層は、たとえば樹脂製の多孔質フィルムでよい。基材層を構成する樹脂材料は、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂材料でよい。基材層の厚さは、たとえば9〜30μm程度でよい。基材層は、多層構造を有することが好ましい。多層構造は、たとえばPP製の多孔質フィルムからなるPP層と、PE製の多孔質フィルムからなるPE層とが積層された2層構造でもよい。あるいは多層構造は、PP層、PE層およびPP層がこの順に積層された3層構造でもよい。多層構造における各層の厚さは、たとえば3〜10μm程度である。
多層構造において最表層の中央部を欠落させることにより、図5に示す凹形状(第1端部301、第2端部302および中央部303)を形成することができる。すなわち本実施形態の基材層は、セパレータの幅方向に、中央部と、該中央部を挟む第1端部および第2端部とを含み、第1端部および第2端部が中央部よりも厚みがあるものであってもよい。ここで「セパレータの幅方向」とは、セパレータの長手方向と直交する方向を示す。セパレータの平面形状が正方形である場合、正方形の各辺と直交する方向は、いずれも幅方向とみなす。
セパレータは、基材層上に配置された無機層を含んでいてもよい。無機層は、負極と対向する側に配置されていてもよいし、正極と対向する側に配置されていてもよい。基材層の両側に無機層が配置されている場合、無機層の厚さおよび組成はそれぞれ異なっていてもよいし、同じであってもよい。
無機層は、無機フィラーを含有する。無機層において無機フィラーの含有量は、たとえば30〜98質量%程度である。無機層において無機フィラー以外の残部は、たとえば樹脂バインダ等であってもよい。無機フィラーは、たとえばαアルミナ(αAl2O3)、ベーマイト(AlO(OH))、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)およびマグネシア(MgO)等の金属酸化物粒子でよい。無機フィラーは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。無機フィラーの平均粒子径は、たとえば0.1〜2.0μm程度である。ここで平均粒子径は、レーザ回折・散乱法によって測定された粒度分布における積算値50%での粒径(「D50」、「メジアン径」とも称される)を示している。
樹脂バインダは、たとえばアクリル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系樹脂、アラミド系樹脂等でもよい。樹脂バインダは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル系樹脂は、たとえば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体を重合してなる樹脂である。アクリル系樹脂は、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。またアクリル系樹脂は、その一部が変性された変性アクリル系樹脂であってもよい。ここで「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの少なくともいずれかを示し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの少なくともいずれかを示している。
PVDF系樹脂は、フッ化ビニリデン(VDF)の単独重合体であってもよいし、VDFとその他の単量体との共重合体であってもよい。VDFと共重合可能な単量体としては、たとえばヘキサフルオロプロピレン(HFP)等が挙げられる。
アラミド系樹脂は、芳香族ポリアミンと芳香族ポリカルボン酸との縮合重合により生じる樹脂である。芳香族ポリアミンとしては、たとえばパラフェニレンジアミン等が挙げられる。芳香族ポリカルボン酸としては、たとえばテレフタル酸等が挙げられる。たとえばテレフタル酸ジクロリドのようなカルボン酸塩化物を用いてもよい。アラミド系樹脂は、メタ系アラミドでもよいし、パラ系アラミドでもよい。
無機層の厚さは、たとえば1〜9μm程度である。無機層の厚さは、2μm以上が好ましい。無機層の厚さを2μm以上とすることにより、短絡抑制効果の向上が期待できる。無機層の厚さは6μm以下が好ましい。無機層の厚さを6μm以下とすることにより、イオン透過性の向上が期待できる。
以上、巻回型の電極積層体を例示して本実施形態を説明した。ただし、本実施形態は巻回型に限定されない。電極積層体は、たとえば図5に示す積層構造を1積層単位として、積層単位を複数積層した構造としてもよい。こうした構造の電極積層体は、積層型あるいはスタック型とも称される。非水電解液二次電池において、電極積層体を収容する電池ケースは、角形であってもよいし、円筒形であってもよい。また電池ケースは、ラミネート式の電池ケースでもよい。
本実施形態は高負荷の充放電に対する耐性が重視される用途に好適である。そうした用途には、たとえば車載用途がある。
以下、実施例を用いて本実施形態を説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
〔電極積層体および非水電解液二次電池の作製〕
〔実施例1〕
1.セパレータの作製
1−1.基材層の作製
図6は、基材層を図解する概略図である。まず所定のPPフィルムおよびPEフィルムを準備した。図6に示すように、第1層311(PPフィルム)上に第2層312(PEフィルム)を積層した。次いで第2層312の幅方向の両端に、第2層312よりも幅が狭い第3層313(PPフィルム)を積層した。さらに全体をMD方向に延伸し、各フィルムに細孔を形成した。こうして基材層310を作製した。かかる基材層は、PP層(厚さ7μm)、PE層(厚さ10μm)、PP層(厚さ7μm)からなる3層構造を有する。図6に示すように、最表層である第3層313(PP層)の中央部は欠落している。中央部(凹部)は基材層の長手方向に延びる。欠落した中央部の幅は、正極合材層の幅に対して20%の幅となるように調整した。
〔実施例1〕
1.セパレータの作製
1−1.基材層の作製
図6は、基材層を図解する概略図である。まず所定のPPフィルムおよびPEフィルムを準備した。図6に示すように、第1層311(PPフィルム)上に第2層312(PEフィルム)を積層した。次いで第2層312の幅方向の両端に、第2層312よりも幅が狭い第3層313(PPフィルム)を積層した。さらに全体をMD方向に延伸し、各フィルムに細孔を形成した。こうして基材層310を作製した。かかる基材層は、PP層(厚さ7μm)、PE層(厚さ10μm)、PP層(厚さ7μm)からなる3層構造を有する。図6に示すように、最表層である第3層313(PP層)の中央部は欠落している。中央部(凹部)は基材層の長手方向に延びる。欠落した中央部の幅は、正極合材層の幅に対して20%の幅となるように調整した。
1−2.無機層の配置
以下の材料を準備した
無機フィラー:αアルミナ
樹脂バインダ:アクリル系樹脂。
以下の材料を準備した
無機フィラー:αアルミナ
樹脂バインダ:アクリル系樹脂。
エム・テクニック社製のクレアミックスを用いて、無機フィラー(97質量部)および樹脂バインダ(3質量部)を所定の溶媒中に均一に分散させた。これにより無機層となるべきペーストを作製した。グラビアコータを用いて、当該ペーストを、基材層の凹部を有する側の主面の全面に塗工し、乾燥させた。これにより無機層(厚さ5μm)を形成した。以上より、基材層と無機層とを含む、帯状のセパレータを作製した。セパレータは、長手方向と直交する幅方向に、中央部と、該中央部を挟む第1端部および第2端部とを含み、第1端部および第2端部が中央部よりも厚みがあるものである。
2.負極の作製
以下の材料を準備した
負極活物質:アモルファスコートグラファイト
増粘材 :カルボキシメチルセルロース
樹脂バインダ:スチレンブタジエンゴム
負極集電箔:Cu箔(厚さ10μm)。
以下の材料を準備した
負極活物質:アモルファスコートグラファイト
増粘材 :カルボキシメチルセルロース
樹脂バインダ:スチレンブタジエンゴム
負極集電箔:Cu箔(厚さ10μm)。
混練装置を用いて、負極活物質、増粘材および樹脂バインダを所定の溶媒中で混練することにより、負極合材ペーストを作製した。ダイコータを用いて、負極集電箔の両主面に、負極合材ペーストを塗工し、乾燥させた。これにより負極合材層を形成した。ロール圧延機を用いて、負極合材層を圧縮した。さらに所定の寸法に裁断することにより、帯状の負極を作製した。
3.正極の作製
以下の材料を準備した
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材 :アセチレンブラック
樹脂バインダ:PVDF系樹脂
正極集電箔:Al箔(厚さ15μm)。
以下の材料を準備した
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材 :アセチレンブラック
樹脂バインダ:PVDF系樹脂
正極集電箔:Al箔(厚さ15μm)。
混練装置を用いて、正極活物質、導電材および樹脂バインダを溶媒中で混練することにより、正極合材ペーストを作製した。ダイコータを用いて、正極集電箔の両主面に、正極合材ペーストを塗工し、乾燥させた。これにより正極合材層を形成した。ロール圧延機を用いて、正極合材層を圧縮した。さらに所定の寸法に裁断することにより、帯状の正極を作製した。
4.組み立て
巻回装置を用いて、負極、セパレータおよび正極を積層し、さらに巻回した。このときセパレータの無機層は、負極と対向させた。またセパレータの中央部(薄い部分)と両端部(厚い部分)との境界が、正極合材層と対向するように各部材を積層した。これにより電極積層体を作製した。さらに平板プレス機を用いて、電極積層体を扁平状に成形した。電極積層体におけるセパレータの積層数は130層とした。この電極積層体は、セパレータの両端部が負極合材層と直に接し、セパレータの中央部が負極合材層と直には接しない構成を備える。以上より実施例1に係る電極積層体を作製した。
巻回装置を用いて、負極、セパレータおよび正極を積層し、さらに巻回した。このときセパレータの無機層は、負極と対向させた。またセパレータの中央部(薄い部分)と両端部(厚い部分)との境界が、正極合材層と対向するように各部材を積層した。これにより電極積層体を作製した。さらに平板プレス機を用いて、電極積層体を扁平状に成形した。電極積層体におけるセパレータの積層数は130層とした。この電極積層体は、セパレータの両端部が負極合材層と直に接し、セパレータの中央部が負極合材層と直には接しない構成を備える。以上より実施例1に係る電極積層体を作製した。
電池ケースに設けられた外部端子と、電極積層体とを接続した。電池ケースに電極積層体を収容した。図1に示す電極積層体800の外形寸法は次のように設定した。
電極積層体の高さ(H800):50mm
電極積層体の幅 (W800):130mm。
電極積層体の幅 (W800):130mm。
5.注液
エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジメチルカーボネート(DMC)を混合することにより、混合溶媒を調製した。該混合溶媒に、支持塩および添加剤を溶解させることにより、電解液を調製した。電解液の組成は次のとおりである。
エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジメチルカーボネート(DMC)を混合することにより、混合溶媒を調製した。該混合溶媒に、支持塩および添加剤を溶解させることにより、電解液を調製した。電解液の組成は次のとおりである。
支持塩:LiPF6(1.1mоl/L)
溶媒 :[EC:EMC:DMC=3:3:4]
添加剤:Li[B(C2O4)2](略称「LiBOB」)、LiPO2F2。
溶媒 :[EC:EMC:DMC=3:3:4]
添加剤:Li[B(C2O4)2](略称「LiBOB」)、LiPO2F2。
今回は支持塩にLiPF6を用いたが、支持塩は、たとえばLi[(FSO2)2N](略称「LiFSI」)等に代えてもよい。また添加剤としては、LiBF2(C2O4)、LiPF2(C2O4)2等のオキサレート錯体をアニオンとするLi塩、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、エチレンサルファイト(ES)、プロパンスルトン(PS)、Li[(CF3SO2)2N](略称「LiTFSI」)等を用いてもよい。
電池ケースに電解液を注入し、電池ケースを密閉した。以上より非水電解液二次電池を作製した。
〔比較例1〕
PP層/PE層/PP層の3層構造を有する基材層を準備した。この基材層は、最表層に欠落部分を有しない。この基材層の表面に、無機層を配置した。これを除いては、実施例1と同様にして比較例1に係る電極積層体およびこれを用いた電池を作製した。
PP層/PE層/PP層の3層構造を有する基材層を準備した。この基材層は、最表層に欠落部分を有しない。この基材層の表面に、無機層を配置した。これを除いては、実施例1と同様にして比較例1に係る電極積層体およびこれを用いた電池を作製した。
〔実施例2〕
実施例2では、実施例1と同じ構成の無機層を負極側および正極側の両方に配置した。これを除いては、実施例1と同様にして、実施例2に係る電極積層体およびこれを用いた電池を作製した。
実施例2では、実施例1と同じ構成の無機層を負極側および正極側の両方に配置した。これを除いては、実施例1と同様にして、実施例2に係る電極積層体およびこれを用いた電池を作製した。
〔実施例3ならびに比較例2および3〕
表1に示すように、正極合材層の幅に対する、中央部(最表層を欠落させた部分)の幅の割合を変更することを除いては、実施例1と同様にして、実施例3ならびに比較例2および3に係るに係る電極積層体およびこれを用いた電池を作製した。表1において「凹部の割合」は、図5のセパレータの幅方向における、正極合材層202の幅(W202)に対する中央部303の幅の割合を示している。
表1に示すように、正極合材層の幅に対する、中央部(最表層を欠落させた部分)の幅の割合を変更することを除いては、実施例1と同様にして、実施例3ならびに比較例2および3に係るに係る電極積層体およびこれを用いた電池を作製した。表1において「凹部の割合」は、図5のセパレータの幅方向における、正極合材層202の幅(W202)に対する中央部303の幅の割合を示している。
〔実施例4〜6および比較例4〜6〕
表1に示すように、PE層/PP層の2層構造を有する基材層において、PP層(最表層)の欠落部分の割合を変更し、かつ無機層の構成を変更することを除いては、実施例1〜3および比較例1〜3と同様にして、実施例4〜6および比較例4〜6に係る電極積層体およびこれを用いた電池を作製した。
表1に示すように、PE層/PP層の2層構造を有する基材層において、PP層(最表層)の欠落部分の割合を変更し、かつ無機層の構成を変更することを除いては、実施例1〜3および比較例1〜3と同様にして、実施例4〜6および比較例4〜6に係る電極積層体およびこれを用いた電池を作製した。
〔性能評価〕
上記で作製した各電池を以下のようにして評価した。室温において、以下の「充電→休止→放電」を1サイクルとする高負荷充放電サイクルを1000サイクル実行した。ここで電流の単位「C」は、電池の定格容量を1時間で放電しきる電流を示している。
上記で作製した各電池を以下のようにして評価した。室温において、以下の「充電→休止→放電」を1サイクルとする高負荷充放電サイクルを1000サイクル実行した。ここで電流の単位「C」は、電池の定格容量を1時間で放電しきる電流を示している。
充電:2.5C×240秒
休止:120秒
放電:30C×20秒。
休止:120秒
放電:30C×20秒。
1000サイクルの前後で、電池抵抗を測定し、下記式により抵抗上昇率(百分率)を求めた。結果を表1に示す。表1中、抵抗上昇率が低いほど、高負荷充放電に対する耐性が高いことを示している
抵抗上昇率(%)={(サイクル後抵抗)−(サイクル前抵抗)}÷(サイクル前抵抗)。
抵抗上昇率(%)={(サイクル後抵抗)−(サイクル前抵抗)}÷(サイクル前抵抗)。
〔結果と考察〕
表1に示すように、セパレータに凹部(中央部)を設けることにより、高負荷充放電に対する耐性が向上することが分かる。セパレータの中央部に、セパレータと負極合材層とが直には接しない部分、すなわち空間が形成されるためと考えられる。また表1より、正極合材層の幅に対する中央部の幅の割合が20%以上80%以下の範囲において、その効果が特に大きいことが分かる。
表1に示すように、セパレータに凹部(中央部)を設けることにより、高負荷充放電に対する耐性が向上することが分かる。セパレータの中央部に、セパレータと負極合材層とが直には接しない部分、すなわち空間が形成されるためと考えられる。また表1より、正極合材層の幅に対する中央部の幅の割合が20%以上80%以下の範囲において、その効果が特に大きいことが分かる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 部分、2 無機フィラー、30,300 セパレータ、31,310 基材層、32,320 無機層、80,800 電極積層体、100 負極、101 負極集電箔、102 負極合材層、200 正極、201 正極集電箔、202 正極合材層、301 第1端部、302 第2端部、303 中央部、305 境界、311 第1層、312 第2層、313 第3層、500 電池ケース、501,502 外部端子、900 電解液、1000 電池。
Claims (1)
- 負極合材層と、
正極合材層と、
前記負極合材層と前記正極合材層との間に介在するセパレータと、を備え、
前記セパレータの幅方向において、
前記セパレータは、中央部と、前記中央部を挟む第1端部および第2端部とを含み、
前記中央部と前記第1端部および前記第2端部との境界は、前記正極合材層と対向する位置にあり、
前記第1端部および前記第2端部は、前記中央部よりも厚みがあり、
前記第1端部および前記第2端部は、前記負極合材層と直に接し、
前記中央部は、前記負極合材層と直には接しなく、
前記正極合材層の幅に対する、前記中央部の幅の割合は、20%以上80%以下である、非水電解液二次電池の電極積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015170384A JP2017050064A (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | 非水電解液二次電池の電極積層体 |
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JP2015170384A JP2017050064A (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | 非水電解液二次電池の電極積層体 |
Publications (1)
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JP2017050064A true JP2017050064A (ja) | 2017-03-09 |
Family
ID=58279885
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JP2015170384A Pending JP2017050064A (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | 非水電解液二次電池の電極積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017050064A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020203289A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 株式会社Gsユアサ | 蓄電素子用非水電解質、非水電解質蓄電素子及び非水電解質蓄電素子の製造方法 |
WO2021131914A1 (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-01 | 日本ゼオン株式会社 | 二次電池およびその製造方法 |
-
2015
- 2015-08-31 JP JP2015170384A patent/JP2017050064A/ja active Pending
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