[第1実施例]
図1は、この発明の一実施例である情報処理装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図1を参照して、この発明の第1実施例である情報処理装置10はCPU12を含む。CPU12には、バス30を介してRAM14、タッチパネル制御回路16および描画制御回路18が接続される。また、タッチパネル制御回路16にはタッチパネル20が接続され、描画制御回路18にはディスプレイ22が接続される。
この第1実施例では、情報処理装置10が電子黒板に適用される場合について説明する。ただし、情報処理装置10は、電子黒板のような比較的大型の情報機器のみならず、タブレット端末などの比較的小型の情報機器ないし電子機器に適用されてもよい。
また、この第1実施例では、入力手段の一例として、タッチパネル20が用いられる場合について説明するが、タッチパネル20以外の入力手段として、たとえばタッチパッドなどの他のポインティングデバイスを用いてもよい。また、情報処理装置10には、他の入力手段として、操作パネルのようなハードウェアキーが設けられたり、ハードウェアのキーボードが接続されたりすることがある。
図1に戻って、CPU12は、情報処理装置10の全体的な制御を司る。RAM14は、CPU12のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
タッチパネル制御回路16は、タッチパネル20に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル20のタッチ有効範囲内でのタッチ操作(タッチ入力)を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU12に出力する。
タッチパネル20は、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。この第1実施例では、タッチパネル20としては、静電容量方式のタッチパネルがディスプレイ22の表示面上に設けられる。
タッチパネル20を用いた操作(入力)としては、タップ(短押し)、スライド(ドラッグ)、フリック、ロングタッチ(長押し)などがあり、この第1実施例では、これらを「タッチ入力」または単に「入力」のように総称することがある。また、タッチパネル20をタッチしていない状態からタッチしている状態に変化することをタッチオンと言い、タッチパネル20をタッチしている状態からタッチしていない状態に変化することをタッチオフと言う。継続的なタッチ入力、つまり、スライドまたはフリックによる入力に対しては、タッチパネル20は、現在のタッチ位置に対応するタッチ座標データを所定周期よりも短い周期で出力する。たとえば、所定周期は、1〜数フレームであり、1フレームは1/30秒、1/60秒または1/120秒である。
図1に戻って、描画制御回路18は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU12の指示の下、GPUは、RAM14に記憶された手書き入力データ332および画像生成データ334(図4参照)を用いてディスプレイ22に表示画面(後述するタッチ画面100)を表示するための画面データをVRAMに生成し、生成した画面データに対応する画面をディスプレイ22に表示する。ディスプレイ22としては、たとえばLCDまたはELディスプレイなどを用いることができる。
このような構成の情報処理装置10では、描画アプリケーションが起動されると、通常の編集モードが設定される。通常の編集モードでは、手書き画像を描画したり、消去(削除)したり、コピーしたり、ペーストしたり、手書き画像の色や大きさを変更したりするなどの作業を行うことができる。
たとえば、手書き入力モードにおいて、ユーザがタッチパネル20を利用して文字、図形、記号など(以下、「文字等」ということがある。)を手書き入力(タッチ入力)すると、タッチパネル制御回路16は、そのタッチ入力を検出してタッチ位置に対応するタッチ座標データをCPU12に出力する。CPU12は、タッチパネル制御回路16から出力されたタッチ座標データに基づいてディスプレイ22に手書きの文字等を描画(表示)する。つまり、CPU12の指示の下、描画制御回路18において手書きの文字等を含む画面の画面データがVRAM上に描画され、VRAM上に描画された画面データがディスプレイ22に出力される。したがって、ユーザが手書きした文字等を含む画面がディスプレイ22に表示される。以下、この明細書においては、ユーザが文字等を手書きすることを前提とし、手書きの文字等を含む画像を「手書き画像」と呼ぶことにする。
図2(A)〜(E)は、手書き画像を拡大表示して消去する場合の操作例およびタッチ画面100の変化の一例を示す図解図である。図3(A)〜(D)は、手書き画像を拡大表示して消去する場合の操作例およびタッチ画面100の変化の他の例を示す図解図である。
たとえば、手書き入力モードでは、上述したように、ユーザは文字等を手書きすることができ、図2(A)に示すようなタッチ画面100がディスプレイ22に表示される。ただし、手書き入力モードが開始された時点においては、文字等はディスプレイ22に描画(表示)されていないが、保存しておいたデータを読み込んだ場合には、編集途中または編集後の文字等がディスプレイ22に表示される。
なお、上述したように、ディスプレイ22の表示面上にはタッチパネル20が設けられる(図7および図10についても同じ)。以下、タッチ画面100が表示される場合について同様である。
図示は省略するが、タッチ画面100には、たとえばペンアイコンまたは消しゴムアイコン等、それぞれ所定の機能を発揮するアイコン(機能ボタン)または描画の属性を設定するためのアイコン(属性ボタン)が表示される。ペンアイコンが選択(タッチ)されると、手書き入力モードが設定され、ユーザの手指または専用のペン(ペン40)を用いて点または線を含む文字等を手書きすることができる。ただし、ペン40は、ポインティングデバイスに含まれる編集手段である。また、消しゴムアイコンが選択されると、手書き画像を消去する消去モードが設定され、手書き画像のうち、ユーザが手指またはペン40でなぞった部分が消去される。また、属性ボタンは、線種、線色、線幅(太さ)を選択(設定)するためのボタンないしアイコンである。
また、上記以外の機能(新規ページを開く、保存、元に戻すなど)を選択するためのアイコンなども表示される。なお、これらのアイコンは、ユーザの操作に応じて、タッチ画面100に表示または非表示される。
また、この情報処理装置10では、ポインティングデバイスに含まれる他の編集手段である専用のイレーサ50でタッチ入力を行うことによって、消去モードを設定し、手書き画像のうち、イレーサ50でなぞった部分を消去することもできる。
この場合には、イレーサ50が検出され、消去モードが自動的に設定される。たとえば、複数のタッチ入力が検出された場合に、複数のタッチ位置が一つの塊(一つの物体)によるものかどうかが判断されることにより、タッチ入力がイレーサ50によって行われているかどうかが判断される。
具体的には、11か所以上のタッチ入力が検出され、かつ複数のタッチ入力に対応する複数のタッチ位置が所定範囲(イレーサ50と同等の大きさ)内に収まっているかどうかが判断され、複数のタッチ位置が所定範囲に収まっている場合に、タッチ入力がイレーサ50によって行われていると判断される。
なお、11か所以上のタッチ入力が検出されたかどうかを判断するのは、ユーザが複数の指でタッチ入力した場合と区別するためである。
ユーザが文字等を手書きする場合には、誤って書いてしまうことがある。図2(B)には、ユーザが平仮名を50音順に横書きで手書きした際に、 “あいうえお”と書くべきところ、誤って“あいうえか”と書かれた状態が示される。このような誤記を修正する場合には、上述したように、ユーザがイレーサ50を用いて消去モードを設定し、消去モードにおいて、所望の点または線上をなぞると、手書き画像のうち、イレーサ50が移動された部分が消去される。そして、イレーサ50がタッチオフされ、たとえばユーザがペンアイコンをタッチすると、再び手書き入力モードが設定され、正しい内容(文字等)を手書きすることができる。
このような場合において、イレーサ50の大きさ(タッチパネル20に接触する範囲)よりも手書きした文字が小さく、また、文字の間隔または行間が狭い場合には、修正する必要の無い点または線までも消去してしまうことがある。また、手書き画像のうち、比較的広い範囲を消去する場合には、イレーサ50をこの比較的広い範囲で移動させる必要がある。このため、タッチ画面100を拡大または縮小して手書き画像を修正する方法が一般的である。具体的には、ユーザの操作によって、手書き画像を拡大または縮小するモード(拡大縮小モード)が設定され、手書き画像が拡大表示または縮小表示された後に、消去モードが設定され、対象となる文字等が消去される。
しかしながら、このような方法では、拡大縮小モードを設定して、手書き画像を拡大または縮小した後に、消去モードを設定して、手書き画像を消去するため、操作が面倒である。
したがって、この第1実施例では、手書き画像の大きさを変更して消去する場合に、簡単な操作で所望の画像を消去することができるようにしてある。ただし、以下においては、手書き画像を拡大して消去する方法について詳述する。したがって、手書き画像を縮小して消去する方法については詳細な説明は省略するが、手書き画像を拡大することに代えて縮小する以外は、手書き画像を拡大して消去する方法と同じである。
簡単に説明すると、この第1実施例では、消去モードにおいて、イレーサ50による長押し操作が検出された場合には、表示倍率を変更して手書き画像を編集するモード(以下、「倍率変更編集モード」という。)が設定される。つまり、手書き画像を編集可能な状態で、タッチ画面100が所定の表示倍率(たとえば、2倍)で拡大表示される。ただし、表示倍率は、デフォルトで設定またはユーザによって予め設定される。また、表示倍率は、通常のタッチ画面100の表示倍率(以下、「元の表示倍率」ということがある)を1.0倍とした場合の倍率である。さらに、この倍率変更編集モードにおける「編集」は、手書き画像を消去することおよび修正(訂正)することを意味する。
具体的には、図2(C)に示すように、ユーザがイレーサ50でタッチ画面100(タッチパネル20)にタッチし、所定時間(たとえば、3〜5秒)継続してタッチ(指示)した場合に、イレーサ50による長押し操作が検出される。すると、倍率変更編集モードが設定され、図2(D)に示すように、長押し操作が行われた位置を中心(拡大の中心)にタッチ画面100が2倍の表示倍率で表示される。ただし、第1実施例では、所定時間継続してタッチされた場合であっても、イレーサ50が移動された場合には、倍率変更編集モードが設定されずに、イレーサ50でなぞった部分が消去されるようにしてある。したがって、この第1実施例では、タッチ位置の移動が検出されない範囲(たとえば、最初のタッチ位置から半径1〜2cm以内)内において所定時間継続してタッチした場合に、長押し操作が検出されるようにしてある。また、長押し操作が行われた位置は、イレーサ50でタッチ画面100(タッチパネル20)をタッチした場合の複数のタッチ位置の中心位置である。なお、長押し操作が行われた位置としては、長押し操作の最初のタッチ位置を採用してもよいし、長押し操作が検出されたときのタッチ位置を採用してもよいし、長押し操作の最初のタッチ位置から、長押し操作が検出されたときのタッチ位置までの全てのタッチ位置を平均した位置を採用してもよい。
このとき、タッチ画面100には、倍率ウインドウ110および戻るアイコン120が表示される。倍率ウインドウ110は、現在の表示倍率をテキスト(文字列)で表示するためのウインドウである。第1実施例では、イレーサ50による長押し操作が検出された場合には、タッチ画面100は2倍で拡大表示されるため、倍率ウインドウ110には“×2.0”の文字列が表示される。戻るアイコン120は、タッチ画面100を元の表示倍率に戻すとともに、手書き入力モードを設定するためのアイコンである。手書き入力モードが設定されると、消去モードおよび倍率変更編集モードは終了される。つまり、戻るアイコン120が選択されると、消去モードおよび倍率変更編集モードが手書き入力モードに切り替えられる。
なお、この第1実施例では、戻るアイコン120が選択されると、手書き入力モードを設定するようにしてあるが、倍率変更編集モードを終了して、消去モードを設定するようにしても良い。
また、第1実施例では、イレーサ50によるスライドが検出された場合に手書き画像が消去されるようにしてある。このため、イレーサ50でタッチ画面100を単にタッチしただけでは、手書き画像は消去されない。したがって、イレーサ50による長押し操作が行われ、タッチ画面100が拡大表示された後に、たとえば、図2(E)に示すように、イレーサ50がタッチオフされた場合には、長押し操作が行われた位置に描画(表示)されている手書き画像は消去されない。
また、ユーザがイレーサ50を用いてスライドを行うと、手書き画像のうち、イレーサ50でなぞった部分が消去される。たとえば、図3(A)に示すように、タッチ画面100において“え”の右隣に表示された“か”の上でイレーサ50がスライドされると、この“か”が消去される。このように、手書き画像が拡大表示された状態であれば、イレーサ50を用いて手書き画像の一部を消去するのが簡単である。また、消去する必要のない部分を誤って消去してしまうこともほとんどない。
続いて、ペンアイコンが選択されると、手書き入力モードが設定される。この手書き入力モードでは、ユーザはペン40を用いて文字等を手書きすることができる。たとえば、図3(B)に示すように、“か”が消去されたスペースに“お”を手書きすることができる。つまり、手書き画像が修正される。
その後、図3(C)に示すように、戻るアイコン120が選択されると、タッチ画面100の拡大表示が解除され、図3(D)に示すように、タッチ画面100は元の表示倍率に戻される。
また、図示は省略するが、第1実施例の情報処理装置10では、イレーサ50による長押し操作が検出されない場合であっても、イレーサ50によるタッチ入力であることが判断されると、消去モードが設定され、ユーザのスライドに従って手書き画像が消去される。
なお、上記の消去モードの操作例では、誤って手書きした文字を消去して書き直す場合について説明したが、単に手書き画像を拡大して消去するだけの場合もある。
情報処理装置10の上記のような動作は、CPU12がRAM14に記憶された情報処理プログラムを実行することによって実現される。具体的な処理については、後でフロー図を用いて説明する。
図4は図1に示したRAM14のメモリマップ300の一例を示す。図4に示すように、RAM14は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。プログラム記憶領域302には、情報処理プログラムが記憶される。情報処理プログラムは、入力検出プログラム310、画像生成プログラム312、表示プログラム314、イレーサ検出プログラム316、長押し検出プログラム318、スライド検出プログラム320、倍率変更編集プログラム322および解除プログラム324を含む。
入力検出プログラム310は、タッチパネル制御回路16から出力されたタッチパネル20におけるタッチ入力が示すタッチ位置についてのタッチ座標データを取得し、データ記憶領域304に時系列に従って記憶するためのプログラムである。ただし、入力検出プログラム310は、情報処理装置10に接続されたハードウェアのキーボードまたは情報処理装置10に設けられたハードウェアの操作パネルからの入力を検出するためのプログラムでもある。
画像生成プログラム312は、入力検出プログラム310に従って検出されたタッチ座標データ330を使用したり、後述する画像生成データ334を使用したりして、タッチ画面100に対応する画面データを生成するためのプログラムである。具体的には、画像生成プログラム312が実行されると、CPU12の指示の下、描画制御回路18において、GPUがタッチ画面100に対応する画面データをVRAMに描画する。
表示プログラム314は、画像生成プログラム312に従って生成された画面データをディスプレイ22に出力するためのプログラムである。したがって、生成された画面データに対応するタッチ画面100がディスプレイ22に表示される。
イレーサ検出プログラム316は、タッチ入力がイレーサ50によって行われているかどうかを検出するためのプログラムである。具体的には、CPU12は、イレーサ検出プログラム316に従って、入力検出プログラム310に従って検出したタッチ座標データを参照して、タッチ入力に対応するタッチ座標の数が所定数以上かどうか、および所定数以上のタッチ位置が所定範囲内に収まっているかどうかに応じて、イレーサ50によるタッチ入力であるかどうかを判断する。イレーサ検出プログラム316によってイレーサ50によるタッチ入力であることが判断されると、消去モードが設定される。ただし、現在消去モードが設定されていない場合に限る。
長押し検出プログラム318は、消去モードにおいて、イレーサ50による長押し操作を検出するためのプログラムである。具体的には、CPU12は、消去モードが設定されると、長押し検出プログラム318に従って、入力検出プログラム310に従って検出したタッチ座標データ参照し、タッチ位置が変化しない状態が所定時間(たとえば3〜5秒)継続したかどうかを判断する。そして、CPU12は、所定時間継続してタッチ位置が変化しない場合に、長押し操作を検出する。
スライド検出プログラム320は、スライドを検出するためのプログラムである。具体的には、CPU12は、スライド検出プログラム320に従って、入力検出プログラム310に従って検出されたタッチ座標データを参照して、先に検出されたタッチ座標が示すタッチ位置と、その次に検出されたタッチ座標が示すタッチ位置との距離を算出する。そして、算出された距離が所定の長さ以上である場合に、スライドを検出する。たとえば、所定の長さは単なる手振れとスライドを区別するための長さであり、実験等により経験的に得られる。
倍率変更編集プログラム322は、長押し検出プログラム318に従ってイレーサ50による長押し操作を検出した場合に、倍率変更編集モードを設定し、編集可能な状態で、タッチ画面100の表示倍率を変更するためのプログラムである。たとえば、CPU12は、倍率変更編集プログラム322に従って、後述する倍率データを参照し、タッチ画面100の表示倍率を変更して表示(第1実施例では、拡大表示)する。ただし、表示倍率を変更して表示する場合の中心は、イレーサ50によるタッチ入力の中心である。また、CPU12は、イレーサ50によるスライドに応じて手書き画像を消去したり、ペン40または手指によるタッチ入力に応じて手書き画像を描画したりする。
解除プログラム324は、タッチ画面100の表示倍率の変更を解除するとともに、倍率変更編集モードおよび消去モードを終了して、手書き入力モードを設定するためのプログラムである。具体的には、CPU12は、解除プログラム326に従って、入力検出プログラム310に従って検出したタッチ座標データを参照して、戻るアイコン120が選択(タッチ)されたかどうかを判断し、戻るアイコン120がタッチされた場合に、タッチ画面100の表示倍率を元に戻す。したがって、元に戻した表示倍率(1.0倍)で、タッチ画面100が表示(第1実施例では、縮小表示)される。ただし、表示倍率の変更を解除する場合の中心は、表示倍率を変更したときの中心である。また、CPU12は、倍率変更編集モードおよび消去モードを終了して、手書き入力モードを設定する。
なお、図示は省略するが、情報処理プログラムには、情報処理装置10で実行される他の様々な機能を実行するためのプログラムおよび手書き入力データ332などを不揮発性のメモリに保存(セーブ)するためのプログラムなども記憶される。
データ記憶領域304には、タッチ座標データ330、手書き入力データ332、画像生成データ334および表示倍率データ336などが記憶される。
タッチ座標データ330は、入力検出プログラム310に従って検出(取得)されたタッチ座標データであり、時系列に従って記憶される。
手書き入力データ332は、ユーザによって手書きされた文字等、すなわち手書き画像についてのタッチ座標データの集合である。具体的には、手書き入力データ332は、タップによる点、または、スライドによる線を、点または線毎に管理するテーブルのデータである。ただし、線については、スライドにおけるタッチオンからタッチオフまでに検出された複数のタッチ入力に対応するタッチ座標データが記憶(管理)される。また、アイコン等の指示または任意のアクションの指示のためのタッチ座標データは、手書き入力データ332に含まれない。なお、詳細な説明は省略するが、手書き入力データ332は、点または線毎に識別情報が付されて識別可能に管理されるとともに、点または線毎に属性情報(線種、線色および線幅の情報)も管理される。
画像生成データ334は、タッチ画面100のような各種の画面に対応する画面データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータなどのデータである。また、画像生成データ334には、タッチ画面100に表示される各種のアイコンについての画面データも含まれる。
表示倍率データ336は、表示倍率についてのデータである。この第1実施例では、タッチ画面100を拡大する場合について説明するため、表示倍率データ336は、2倍、3倍などの拡大率を示す数値データであり、上述したように、デフォルトで設定またはユーザによって設定される。
なお、データ記憶領域304には、情報処理プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、情報処理プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)またはレジスタが設けられたりする。
図5および図6は図1に示したCPU12の編集処理(通常の編集モードの処理)を示すフロー図である。
情報処理装置10において描画アプリケーションが起動されると、CPU12は、通常の編集モードにおいて手書き入力モードを設定し、図5に示す編集処理を開始する。CPU12は、編集処理を開始すると、ステップS1で、タッチ入力が有るかどうかを判断する。ここでは、CPU12は、現フレームにおいて、タッチ入力に対応するタッチ座標データ330がデータ記憶領域304に記憶されているかどうかを判断する。以下、タッチ入力が有るかどうかを判断する場合について同様である。ただし、タッチ入力を検出して、対応するタッチ座標データをデータ記憶領域304に時系列に従って書き込む処理は、この編集処理と並行して実行される。
ステップS1で“NO”であれば、つまり、タッチ入力が無ければ、同じステップS1に戻り、タッチ入力が有るのを待機する。一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり、タッチ入力が有れば、ステップS3で、上述したイレーサ検出プログラム316に従って、イレーサ50によるタッチかどうかを判断する。
ステップS3で“NO”であれば、つまり、イレーサ50によるタッチでなければ、ステップS5で、他の処理を実行して、ステップS1に戻る。たとえば、ステップS5では、ユーザが文字等を手書きしたことに応じて、手書き画像がディスプレイ22に描画される。ただし、消去モードが設定されている場合には、手書き画像がディスプレイ22に描画されることはない。また、消去モードが設定されている場合には、ユーザがペン40を用いてタッチ画面100(タッチパネル20)をタッチすると、タッチされた位置に消しゴムカーソルが表示され、ユーザがペン40をスライド(ドラッグ)すると、このスライドに従って消しゴムカーソルが移動され、消しゴムカーソルが移動された部分の手書き画像がディスプレイ22から消去される。さらに、ユーザが所定のアイコンをタッチしたことに応じて、当該アイコンに設定された機能が実行される。たとえば、手書き入力モードにおいて、消しゴムアイコンがタッチされると、消去モードが設定される(消去モードに切り替えられる)。以下、他の処理が実行される場合について同様である。
一方、ステップS3で“YES”であれば、つまり、イレーサ50によるタッチであれば、ステップS7で、消去モードを設定し、ステップS9で、長押し検出プログラム318に従って、長押し操作が有るかどうかを判断する。
ステップS9で“NO”であれば、つまり、長押し操作が無ければ、ステップS11で、スライド検出プログラム320に従って、スライドが有るかどうかを判断する。ステップS11で“YES”であれば、つまり、スライドが有れば、ステップS13で消去処理を実行して、ステップS1に戻る。ステップS13では、スライド(移動)されるイレーサ50によってなぞられた部分の手書き画像が消去される。以下、消去処理が実行される場合について同様である。一方、ステップS11で“NO”であれば、つまり、スライドが無ければ、そのままステップS1に戻る。
また、ステップS9で“YES”であれば、つまり、長押し操作が有れば、ステップS15で、倍率変更編集モードを設定し、ステップS17で、イレーサ50によるタッチ入力の複数のタッチ位置の中心を中心にタッチ画面100を設定された表示倍率で表示する。
続いて、図6に示すステップS19で、スライドがあるかどうかを判断する。ステップS19で“YES”であれば、つまり、スライドが有れば、ステップS21で、消去処理を実行して、ステップS23に進む。一方、ステップS19で“NO”であれば、つまり、スライドが無ければ、そのままステップS23に進む。
ステップS23では、タッチオフされたかどうかを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまり、タッチオフされていない場合は、上述したステップS19に戻る。一方、ステップS23で“YES”であれば、つまり、タッチオフされた場合は、ステップS25で、タッチ入力が有るかどうかを判断する。
ステップS25で“NO”であれば、つまり、タッチ入力が無ければ、同じステップS25に戻り、タッチ入力が有るのを待機する。ただし、一定時間(たとえば、1分)以上タッチ入力が無い場合には、元の表示倍率に戻したり、手書き入力モードを設定したりして、ステップS1に戻るようにしてもよい。一方、ステップS25で“YES”であれば、つまり、タッチ入力が有れば、ステップS27で、イレーサ50によるタッチかどうかを判断する。
ステップS27で“YES”であれば、つまり、イレーサ50によるタッチであれば、上述したステップS19に戻る。一方、ステップS27で“NO”であれば、つまり、イレーサ50によるタッチでなければ、ステップS29で、戻るアイコン120が選択されたかどうかを判断する。ステップS29で“NO”であれば、つまり、戻るアイコン120が選択されていない場合は、ステップS31で、他の処理を実行して、ステップS25に戻る。
一方、ステップS29で“YES”であれば、つまり、戻るアイコン120が選択された場合は、ステップS33で、タッチ画面100の表示倍率を元に戻す。つまり、ステップS33では、タッチ画面100の表示倍率の変更が解除される。したがって、タッチ画面100の表示が、表示倍率を変更した(拡大した)ときの中心と同じ位置を中心として、元の表示倍率に戻される(縮小される)。そして、ステップS35で、手書き入力モードを設定して、図5に示したステップS1に戻る。ただし、ステップS35では、倍率変更編集モードおよび消去モードが終了される。
なお、この第1実施例では、表示倍率データ336が示す表示倍率として拡大倍率を設定した場合について説明したが、縮小倍率を設定することもできる。かかる場合には、イレーサ50によって長押し操作が行われた場合に、タッチ画面100を設定された表示倍率で表示すると、タッチ画面100が縮小される。このようにすれば、比較的広い範囲の手書き画像を少ない手数(操作)で消去することができる。ただし、表示倍率データ336が示す表示倍率として拡大倍率と縮小倍率の両方を記憶しておくことにより、拡大表示および縮小表示を選択可能な構成としてもよい。拡大表示および縮小表示を選択可能にする場合には、長押し操作が行われている場合に、一定時間(たとえば、5秒〜10秒)毎に、拡大表示および縮小表示を切り替えて、タッチオフしたときの拡大表示または縮小表示(表示倍率)で固定されるようにしてもよい。
この第1実施例によれば、消去モードにおいて長押し操作が検出された場合に、手書き画像を編集可能な状態でタッチ画面100の表示倍率を変えて表示させるので、ユーザは、長押し操作を行うだけでタッチ画面100の表示倍率を変えて、手書き画像を消去および修正することができる。したがって、手書き画像の大きさを変更して消去および修正する場合に、消去モード、拡大縮小モードおよび手書き入力モードの各モードへの切換を行う必要が無くなり、簡単な操作で所望の画像を消去および修正することができる。
また、第1実施例によれば、消去モードにおいて長押し操作が検出された場合に、タッチ画面100の表示倍率を大きくするので、消去の対象となる文字等が小さかったり、文字間または行間が狭かったりする場合などに、手書き画像を拡大して表示することにより、消去し易くすることができる。
さらに、第1実施例によれば、消去対象となる文字等が比較的広い範囲に描画されている場合には、手書き画像を縮小して表示することにより、消去し易くすることができる。
さらにまた、第1実施例によれば、イレーサ50のような所定の編集手段を用いてタッチパネル20にタッチされた場合に、手書き画像を消去する消去モードを自動的に設定するので、操作が簡単である。
また、第1実施例によれば、長押し操作が行われたときのタッチ入力による複数のタッチ位置の中心を中心にタッチ画面100の表示倍率を変えるので、タッチ画面100が拡大表示される場合には、消去の対象となる文字等の付近を長押しすることによって、消去の対象となる文字等およびその近辺がディスプレイ22に表示される。したがって、消去の対象となる文字等を消去し易くなり、情報処理装置10の使い勝手を向上させることができる。
さらにまた、第1実施例によれば、長押し操作が検出されなくなった場合に、長押し操作が検出されなくなったときの表示倍率で、タッチ画面100の表示倍率が固定されるので、拡大または縮小して表示した状態で所望の画像を消去し易くなり、情報処理装置10の使い勝手を向上させることができる。
なお、第1実施例では、イレーサ50によってタッチ入力されていることが判断されると、消去モードが自動的に設定されるようにしたが、ユーザによって消去モードが設定されてもよい。
また、第1実施例では、静電容量方式のタッチパネル20を用いてタッチ入力がイレーサ50によるものかどうかを判定する方法の一例について説明したが、他の方法または他の方式のタッチパネル20でもタッチ入力がイレーサ50によるものかどうかを判定することができる。
たとえば、静電容量方式のタッチパネル20を用いた別の方法として、特開2015−79350号公報に開示される方法を採用することができる。
また、赤外線方式のタッチパネル20を用いる場合には、複数の赤外線センサを有し、複数の方向からスキャンしてタッチ入力に用いられている物体の大きさを検出し、検出された物体の大きさと、予め登録されたイレーサ50の大きさとを比較して、タッチ入力がイレーサ50によるものかどうかを判定する方法がある。
[第2実施例]
第2実施例の情報処理装置10は、消去モードが設定された(手書き入力モードから消去モードに切り換えられた)後に、イレーサ50以外の編集手段による長押し操作が検出された場合にも、手書き画像を編集可能な状態でタッチ画面100の表示倍率を変えて表示するようにした以外は、第1実施例の情報処理装置10と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
なお、第2実施例においても、表示倍率として拡大倍率が設定されている場合について説明するが、第1実施例と同様に、縮小倍率が設定されていてもよいし、拡大倍率と縮小倍率の両方が設定されていてもよい。
図7(A)〜(D)は、手書き画像を拡大表示して消去する場合の操作例およびタッチ画面100の変化の一例を示す図解図である。図7(A)には、ユーザが平仮名を50音順に横書きで手書きした際に、 “あいうえお”と書くべきところ、誤って“あいうえか”と書かれた状態が示される。
このような場合、第2実施例では、誤って書かれた手書き画像を消去するために、消しゴムアイコンが選択されることによって消去モードが設定される。
消去モードが設定されると、図7(B)に示すように、ユーザがペン40でタッチ画面100にタッチすると、ペン40によるタッチ入力のタッチ位置を中心に消しゴムカーソル130が表示される。この消しゴムカーソル130の大きさはデフォルトで設定されており、ユーザの選択により変更可能である。そして、ペン40によって長押し操作が行われた場合に、タッチ画面100(手書き画像)の表示倍率が変更される。
表示倍率が変更されると、図7(C)に示すように、タッチ画面100が変更後の表示倍率(第2実施例では、2倍)で表示される。ただし、この第2実施例では、ペン40によるタッチ入力のタッチ位置を中心に、タッチ画面100が拡大表示される。このことは、タッチ画面100が縮小表示される場合も同じである。
そして、図7(D)に示すように、ユーザがペン40でタッチ画面100の“あいうえか”における“か”の上でスライドを行うと、これに従って消しゴムカーソル130が移動され、この消しゴムカーソル130が移動した部分にある手書き画像(ここでは“か”)が消去される。
なお、手書き画像を消去した後の操作(動作)は、第1実施例で示した内容と同じであるため、重複した説明は省略する。
以下、フロー図を用いて、第2実施例における情報処理装置10のCPU12の消去モード処理について説明するが、第1実施例の編集処理(図5および図6)で説明した処理と同じ処理については、詳しい説明を省略する。
図8および図9は、第2実施例におけるCPU12の消去モード処理を示すフロー図である。たとえば、この消去モード処理のフローは、第1実施例で示した編集処理のステップS5において実行されるサブルーチンである。
具体的には、情報処理装置10において描画アプリケーションが起動されると、上述したように、通常の編集モードにおいて手書き入力モードを設定する。この手書き入力モードにおいて、たとえば、ユーザが消しゴムアイコンをタッチすると、CPU12は、消去モードを設定し、図8に示すように、消去モード処理を開始する。CPU12は、消去モード処理を開始すると、ステップS51で、長押し操作があるかどうかを判断する。ステップS51で“NO”であれば、ステップS53で、スライドが有るかどうかを判断する。ステップS53で“YES”であれば、ステップS55で、消去処理を実行する。このステップS55では、手書き画像のうち、ペン40のスライドに従って移動される消しゴムカーソル130でなぞった部分が消去される。以下、第2実施例の消去処理において、同様である。一方、ステップS53で“NO”であれば、そのままステップS51に戻る。
また、ステップS51で“YES”であれば、ステップS57で、倍率変更編集モードを設定し、ステップS59で、タッチ入力のタッチ位置を中心にタッチ画面100を設定された表示倍率で表示する。
続いて、図9に示すステップS61で、スライドがあるかどうかを判断する。ステップS61で“YES”であれば、ステップS63で、消去処理を実行して、ステップS65に進む。一方、ステップS61で“NO”であれば、そのままステップS65に進む。
ステップS65では、タッチオフされたかどうかを判断する。ステップS65で“NO”であれば、上述したステップS61に戻る。一方、ステップS65で“YES”であれば、ステップS67で、タッチ入力が有るかどうかを判断する。
ステップS67で“NO”であれば、同じステップS67に戻る。一方、ステップS67で“YES”であれば、ステップS69で、戻るアイコン120が選択されたかどうかを判断する。
ステップS69で“NO”であれば、つまり、戻るアイコン120が選択されていない場合は、上述したステップS61に戻る。一方、ステップS69で“YES”であれば、つまり、戻るアイコン120が選択された場合は、ステップS71で、タッチ画面100の表示倍率を元に戻し、ステップS73で、手書き入力モードを設定して、通常の編集モードの処理(編集処理)にリターンする。ただし、消去された部分に文字等が手書きされる場合は、第1実施例で示した編集処理に戻った後に、編集処理のステップS5において処理される。
なお、この第2実施例では、消しゴムアイコンが選択されることによって消去モードが設定されるようにしたが、これに限定される必要は無い。たとえば、ペン40が電子ペンであって、消去モードを設定する機能が割り当てられた押しボタンが設けられるような場合、ユーザによって当該押しボタンが押下されたときに消去モードが設定されるようにしてもよい。ただし、この場合、電子ペンと情報処理装置10とが通信可能な構成にされる。
この第2実施例においても、第1実施例と同様に、簡単な操作で所望の画像を消去することができる。
なお、第2実施例では、イレーサ50のみならず、ペン40を用いた場合にも、消去モードにおいて、長押し操作が検出されると、タッチ画面100(手書き画像)の表示倍率を変更して、消去することができるようにしたが、ペン40のみを用いるようにしてもよい。
[第3実施例]
第3実施例の情報処理装置10は長押し操作の継続時間に応じて、タッチ画面100の表示倍率を変化させるようにした以外は、第1実施例の情報処理装置10と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
この第3実施例では、イレーサ50による長押し操作が検出されると、倍率変更編集モードが設定され、長押し操作が継続している場合においては、タッチ画面100の表示倍率が所定時間(たとえば、3秒〜5秒)毎に変化される。たとえば、表示倍率は、1倍、2倍、3倍、4倍に決定されており、イレーサ50による長押し操作の継続時間に応じて、2倍から3倍、3倍から4倍へと順次変化され、最大倍率(たとえば、4倍)の場合に所定時間が継続すると、2倍に戻され、上記の変化が繰り返される。そして、長押し操作が検出されなくなったときの表示倍率で、タッチ画面100の表示倍率が固定される。
図10(A)〜(C)は、手書き画像を拡大表示して消去する場合の操作例およびタッチ画面100の変化の一例を示す図解図である。
第1実施例と同様に、ユーザがイレーサ50でタッチ画面100にタッチし、所定時間継続して指示した場合、長押し操作が検出され、倍率変更編集モードが設定される。倍率変更編集モードが設定されると、図10(A)に示すように、タッチ画面100は、2倍の表示倍率で表示される。
その後、長押し操作が継続している場合において、タッチ画面100が2倍の表示倍率で表示されてから所定時間を経過したときに、図10(B)に示すように、タッチ画面100は、3倍の表示倍率で表示される。図10(B)に示すタッチ画面100は、3倍の表示倍率で表示されているため、倍率ウインドウ110には“×3.0”と表示される。
また、さらに長押し操作が継続している場合において、タッチ画面100が3倍の表示倍率で表示されてから所定時間を経過したときに、図10(C)に示すように、タッチ画面100は、4倍の表示倍率で表示される。図10(C)に示すタッチ画面100は、4倍の表示倍率で表示されているため、倍率ウインドウ110には“×4.0”と表示される。
そして、イレーサ50がタッチオフされた場合には、タッチ画面100の表示倍率は、タッチオフされたときの表示倍率に固定される。たとえば、タッチ画面100が3倍の表示倍率で表示されているときにタッチオフされると、タッチ画面100の表示倍率は3倍に固定される。
なお、タッチ画面100の表示倍率が変更された後の動作(操作)は、第1実施例で示した内容と同じであるため、重複した説明は省略する。
したがって、第3実施例では、倍率変更編集プログラム322において、イレーサ50による長押し操作が継続される場合において、所定時間毎に、表示倍率が変化される処理が追加される。
また、第3実施例では、表示倍率データ336は、変化される複数の表示倍率の各々についての数値データである。
以下、フロー図を用いて、第3実施例における情報処理装置10のCPU12の編集処理について説明するが、ステップS1〜S15およびステップS19〜S33の処理は、第1実施例と同じあるため、重複した内容については、説明を省略する。
図11は、第3実施例におけるCPU12の編集処理の一部を示すフロー図である。図11に示すように、第3実施例の編集処理では、第1実施例の編集処理において、ステップS17がステップS17´に変更され、ステップS17´とステップS19の間に、ステップS91〜ステップS101が設けられる。
図11に示すように、第3実施例では、CPU12は、ステップS17´で、タッチ画面100を最小の表示倍率よりも一段階大きい表示倍率(ここでは、2倍)で表示し、続くステップS91で、タッチ画面100の表示倍率が最大の表示倍率(ここでは、4倍)であるかどうかを判断する。ただし、ステップS17´の処理が実行されてから、ステップS91の処理が実行されるまでの時間は、表示倍率を変更する所定時間(3秒〜5秒)と同じ時間に設定される。
ステップS91で“NO”であれば、つまり、タッチ画面100の表示倍率が最大の表示倍率でなければ、ステップS93で、イレーサ50の複数のタッチ入力に対応する複数のタッチ位置の中心を中心に、タッチ画面100を一段階大きい表示倍率で表示して、ステップS97に進む。
一方、ステップS91で“YES”であれば、つまり、タッチ画面100の表示倍率が最大の表示倍率であれば、ステップS95で、タッチ画面100を最小の表示倍率よりも一段階大きい表示倍率で表示して、ステップS97に進む。
ステップS97では、タイマをリセットおよびスタートする。ただし、タイマは、長押し操作が継続している場合に、所定時間をカウントするためのタイマであり、情報処理装置10の内部に設けられる。
続くステップS99では、所定時間を経過したかどうかを判断する。つまり、タイマのカウント値が所定時間に到達したかどうかを判断する。ステップS99で“YES”であれば、つまり、所定時間を経過すれば、ステップS91に戻る。一方、ステップS99で“NO”であれば、つまり、所定時間を経過していなければ、ステップS101で、タッチオフかどうかを判断する。つまり、CPU12は、長押し操作が継続しているかどうかを判断する。
ステップS101で“NO”であれば、つまりタッチオンであれば、長押し操作が継続していると判断して、ステップS99に戻る。一方、ステップS101で“YES”であれば、つまりタッチオフであれば、長押し操作が終了したと判断して、ステップS19に進む。
なお、第3実施例では、タッチ画面100が最大の表示倍率で表示されてから所定時間経過したとき、タッチ画面100を、最小の表示倍率よりも一段階大きい表示倍率で表示して、表示倍率を循環させるようにしたが、これに限定される必要はない。たとえば、タッチ画面100が最大の表示倍率まで変化させた後、最大の表示倍率から表示倍率が徐々に小さくなるように変化させて、表示倍率が線形的に増大および減少するように変化させてもよい。
また、第3実施例では、タッチ画面100が拡大される場合について説明したが、タッチ画面100が縮小される場合についても同様である。たとえば、消去モードにおいて、長押し操作が継続する場合において、所定時間を経過する毎に、表示倍率を、0.75倍、0.5倍、0.25倍のように次第に変化させてもよい。
この第3実施例によれば、長押し操作の継続時間に応じて、タッチ画面100の表示倍率を変化させるので、予め設定した一つの表示倍率に限定されず、選択的にタッチ画面100の表示倍率を設定することができ、情報処理装置10の使い勝手を向上させることができる。
また、第3実施例においても、第1実施例と同様に、簡単な操作で所望の画像を消去および修正することができる。
なお、第2実施例に示した態様を、第3実施例に適用することも可能である。
また、上述の実施例で挙げた具体的な数値、画面構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。