JP2017049241A - 水圧試験装置 - Google Patents
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Abstract
Description
胴体は、長さ方向に並んだ複数の構成部材をボルト・ナットで連結一体化してなる。胴体の一端部には、胴体内部に水を供給する給水管が接続されている。また、胴体の両端部にそれぞれ大径孔があけられ、同長さ中央部に小径孔があけられている。
各膨張体は、加圧により膨張可能な環状体よりなり、その両縁部が胴体の隣り合う構成部材どうしの間に挟着されることにより、胴体に取り付けられている。
上記の検査具によれば、これを配管内に挿入して、両膨張体が管どうしの継手部を跨がるように配置しておいてから、胴体内に水を供給すると、大径孔を通じて両膨張体の裏面側に送り出された水の圧力により両膨張体が膨張して配管の内面に圧接させられる。さらに水の供給を継続すると、胴体の小径孔を通じて送り出された水が両膨張体間のスペースに満たされ、それによって管接続部からの漏水の有無が検査される。
各チューブリングは、ゴム等の膨張収縮可能な材料よりなる中空ドーナツ状のものであって、その内周部に注入口を有している。そして、注入口の縁部が本体の開口部の周囲に形成されたフランジ部に押え板を介してビスで固定されることにより、各チューブリングが本体に取り付けられている。
しかしながら、特許文献1記載の検査具の場合、胴体を一旦バラバラに分解しなければ止水体を取り外すことができず、止水体の交換作業に多くの手間と時間を要する。
また、特許文献2記載の水圧試験器では、本体へのチューブリングの取付箇所が露出していないため、チューブリングの交換作業を行い難い。しかも、チューブリングは、その構造上、サイズをあまり大きくすることができないため、比較的大きい口径の配管に対応することが難しかった。
さらに、これらの検査具や水圧試験器は、構造が複雑であって、コストを抑えるのが困難であった。
それぞれ円筒状の第1の端部および第2の端部ならびに第1の端部および第2の端部をこれらの内方空間どうしが連通するように連結する中空状の長さ中間部を有しかつ第1の端部および第2の端部が管どうしの継手部を跨ぐように配管内に配置される本体と、
ゴム状弾性を有するスリーブ材よりなりかつ本体の第1の端部に嵌め被せられて両端開口縁部が本体の第1の端部の外面に取り付けられている第1の止水体と、
ゴム状弾性を有するスリーブ材よりなりかつ本体の第2の端部に嵌め被せられて両端開口縁部が本体の第2の端部の外面に取り付けられている第2の止水体と、
各止水体を膨張させて配管の内面に圧接させるために本体の内側から本体の第1の端部および第2の端部をそれぞれ貫通して各止水体の裏面側のスペースに水を供給する第1の通水管路と、
管どうしの継手部に所定の試験水圧を負荷するために本体の内側から本体の長さ中間部を貫通して膨張状態の両止水体間のスペースに水を供給する第2の通水管路とを備えており、
第1の止水体の両端開口縁部は、本体の第1の端部の外面に本体の長さ方向に所定間隔をおいて固定状に設けられた2つの固定フランジと、両固定フランジにおける互いに向かい合う面と反対側の面にそれぞれ分離可能に結合された2つの押えフランジとによって挟着されており、
第2の止水体の両端開口縁部は、本体の第2の端部の外面に本体の長さ方向に所定間隔をおいて固定状に設けられた2つの固定フランジと、両固定フランジにおける互いに向かい合う面と反対側の面にそれぞれ分離可能に結合された2つの押えフランジとによって挟着されている、水圧試験装置。
また、上記1)の水圧試験装置によれば、装置全体の構造が単純であるので、コストを抑えることができる。
なお、以下の説明において、図2および図6〜図11の上下を「上下」といい、同右を「前」といい、同左を「後」というものとする。
これらの図に示すように、水圧試験装置(1)は、それぞれ円筒状の第1の端部および第2の端部ならびに両端部をこれらの内方空間どうしが連通するように連結する中空状の長さ中間部を有しかつ円筒状の本体(2)と、本体(2)の前端部、すなわち第1の端部に取り付けられている第1の止水体(3A)と、本体(2)の後端部、すなわち第2の端部に取り付けられている第2の止水体(3B)とを備えている。
本体(2)の前端開口は、同開口縁部に接合された円形の前端板(21)によって閉鎖されており、また、本体(2)の後端開口は、同開口縁部に接合された円形の後端板(22)によって閉鎖されている。
前後各端板(21)(22)の外面の下側部分には、左右1対の走行ローラ(23)が、前後方向よりみてハ字形に配置固定されている。これらの走行ローラ(23)により、配水管(P)内における水圧試験装置(1)の移動をスムーズに行うことができる。
また、前後各端板(21)(22)の外面には、水圧試験装置(1)を牽引するロープ(図示略)を接続するためのリング(24)が取り付けられている(図1参照)。
なお、水圧試験装置(1)の移動機構は、上記のような手動式のものに限らず、例えば本体(2)の前端部に自動走行装置を装着して自走式とすることも可能である。
図2に示すように、各止水体(3A)(3B)は、その前後両端の開口縁部(31)が半径方向内方に向かって折れ曲った略U形の横断面を有している。
各止水体(3A)(3B)の前後両端の開口縁部(31)には、各止水体(3A)(3B)の裏面側に向かって水平に突出した第1の嵌合凸条(311)と、各止水体(3A)(3B)の表面側に向かって水平に突出した第2の嵌合凸条(312)とがそれぞれ形成されている(図3参照)。
各止水体(3A)(3B)の外周面の前後幅中間部には、周方向にのびる複数の環状凸条(33)が前後方向に間隔をおいて形成されている。凸条(33)の寸法は、例えば高さが約6mm、幅が約5mmとなされ、また、凸条(33)どうしの間隔は、例えば約30mmとなされる。
各止水体(3A)(3B)のサイズ、より詳細には、各止水体(3A)(3B)における前後両端の開口縁部(31)の半径方向の幅は、水圧試験の対象とされる配水管(P)を構成する管(P1)の口径に応じて適宜設定される。好ましくは、管(P1)の口径が異なる複数種類の配水管(P)に対する水圧試験装置(1)の使用が可能となるように、これらの配水管(P)に応じたサイズを有する複数種類の止水体(3A)(3B)が予め用意される。各止水体(3A)(3B)は、例えば配水管(P)を構成する管(P1)の口径が500mmである場合、約450mmの外径(非膨張時)および約24mmの厚みを有するものとなされる。
同様に、第2の止水体(3B)の前後両端の開口縁部(31)は、本体(2)の後端部の外面に本体(2)の長さ方向に所定間隔をおいて固定状に設けられた前後2つの固定フランジ(25)と、両固定フランジ(25)における互いに向かい合う面と反対側の面にそれぞれ分離可能に結合された前後2つの押えフランジ(26)とによって挟着されている。
以上の構成により、各止水体(3A)(3B)は、本体(2)の第1の端部(201)、第2の端部(202)それぞれに着脱自在に取り付けられている。
なお、両止水体(3A)(3B)は、図1,2に示すように本体(2)の前後の端ギリギリの位置に取り付けられる他、同位置から本体(2)の長さ中央側に寄った位置に取り付けられてもよい。
この第1の通水管路(41)は、各止水体(3A)(3B)の裏面側のスペース(S1)に水を供給して、その水圧により各止水体(3A)(3B)を膨張させて配水管(P)の内面に圧接させる給水管路として使用されるとともに、前記スペース(S1)から水を取り出して回収するための排水管路として使用される(図7,10参照)。
後で詳しく説明するが、配水管(P)内に水圧試験装置(1)を挿入して、本体(2)の第1の端部(201)および第2の端部(202)が管(P1)どうしの継手部(P10)を跨ぐように配置しておいてから、第1の止水体(3A)および第2の止水体(3B)を膨張させて配水管(P)の内面に圧接せさることにより、膨張状態の両止水体(3A)(3B)間に環状の密閉スペース(S2)が形成され、この密閉スペース(S2)に管(P1)どうしの継手部(P10)が臨ませられる(図7等参照)。
上記の通水管路(41)は、パイプ・ホース等よりなる通水管材(411)、通水管材(411)どうし等を接続する継手部材(412)、および本体(2)の貫通孔に挿入固定されて管路(41)の先端部を構成する口部材(413)等によって構成されている。第1の通水管路(41)の2つの先端部は、それぞれ本体(2)の第1の端部(201)、第2の端部(202)それぞれの底部付近を貫通して、各止水体(3A)(3B)の裏面側の環状スペース(S1)の下側部分に開口させられている。但し、開口位置は上記に限定されず、周方向の他の位置でも構わない。
この第2の通水管路(42)は、膨張状態の両止水体(3A)(3B)間に形成された密閉スペース(S2)に水を供給して、同スペース(S2)に臨ませられた管(P1)どうしの継手部(P10)に所定の試験水圧を負荷する給水管路として使用されるとともに、前記スペース(S2)から水を取り出して回収するための排水管路として使用される(図8,9参照)。
上記の通水管路(42)も、通水管材(421)、継手部材(422)、口部材(423)等によって構成されている。また、同通水管路(42)の先端部は、本体(2)の長さ中間部(203)の底部付近を貫通して、両止水体(3A)(3B)間の環状スペースの下側部分に開口させられている。但し、開口位置は上記に限定されず、周方向の他の位置でも構わない。
この第1の通気管路(51)は、各止水体(3A)(3B)の裏面側のスペース(S1)に第1の通水管路(41)を通じて水を供給し充満させるために、同スペース(S1)内のエアを排出させる排気管路として使用されるとともに、前記スペース(S1)に供給された水を第1の通水管路(41)を通じて回収するために、前記スペース(S1)にエアを供給する給気管路として使用される(図7,10参照)。
上記の通気管路(51)は、パイプ・ホース等よりなる通気管材(511)、通気管材(511)どうし等を接続する継手部材(512)、および本体(2)の貫通孔に挿入固定されて通気管路(51)の先端部を構成する口部材(513)等によって構成されている。
第1の通気管路(51)の2つの先端部は、それぞれ本体(2)の第1の端部(201)、第2の端部(202)の頂部付近を貫通して、各止水体(3A)(3B)の裏面側の環状スペース(S1)の上側部分に開口させられている。また、これらの先端部には、ゴムチューブ等よりなる延長ノズル(514)が垂直上向きに取り付けられている。各延長ノズル(514)は、収縮状態の各止水体(3A)(3B)の頂部内面付近まで達する長さを有している。また、各延長ノズル(514)の先端部は、各止水体(3A)(3B)の頂部内面によって開口が塞がれないように、斜めにカットされている。
第1の通気管路(51)の各先端部が、以上のような構成となされていれば、各止水体(3A)(3B)の裏面側のスペース(S1)に第1の通水管路(41)を通じて水を供給する際、同スペース(S1)内のエアを第1の通気管路(51)を通じてほぼ完全に抜き出すことができ、ひいては同スペース(S1)全体に水を充満させて、各止水体(3A)(3B)を配水管(P)内面との間に隙間が生じないように全周に亘って均等に膨張させることができる。
この第2の通気管路(52)は、膨張状態の両止水体(3A)(3B)間の密閉スペース(S2)に第2の通水管路(42)を通じて水を供給し充満させるために、同スペース(S2)内のエアを排出させる排気管路として使用されるとともに、前記スペース(S2)に供給された水を第2の通水管路(42)を通じて回収するために、前記スペース(S2)にエアを供給する給気管路として使用される(図8,9参照)。
上記の通気管路(52)も、通気管材(521)、継手部材(522)、口部材(523)等によって構成されている。
同通気管路(52)の2つの先端部は、本体(2)の長さ中間部(203)の頂部付近を貫通して、両止水体(3A)(3B)間の環状スペースの上側部分に開口させられている。これらの先端部には、ゴムチューブ等よりなる延長ノズル(524)が垂直上向きに取り付けられている。各延長ノズル(524)は、配水管(P)の頂部内面付近まで達する長さを有している(図6等参照)。また、各延長ノズル(524)の先端部は、配水管(P)の頂部内面によって開口が塞がれないように、斜めにカットされている。
第2の通気管路(52)の各先端部が、以上のような構成となされていれば、膨張状態の両止水体(3A)(3B)間のスペース(S2)に第2の通水管路(42)を通じて水を供給する際、同スペース(S2)内のエアを第2の通気管路(52)を通じてほぼ完全に抜き出すことができ、従って、同スペース(S2)全体に水を充満させて、管(P1)どうしの継手部(P10)の全周に亘って試験水圧を均等に負荷して漏水の検査を行うことができる。
なお、第2の通気管路(52)の先端部は、必ずしも上記のように2つに分岐させることを要しないが、分岐させることによって、各先端部を通じてのエアの排出および供給が迅速に行われ、作業効率が向上する。
前固定フランジ(25)の前面および後固定フランジ(25)の後面、すなわち両固定フランジ(25)における押えフランジ(26)との結合面には、第2の止水体(3B)の第1の嵌合凸条(311)と嵌め合せられる環状の第1の嵌合凹溝(251)がそれぞれ形成されている。
各固定フランジ(25)の結合面のうち第1の嵌合凹溝(251)よりも内周側部分には、複数のねじ孔(図示略)が周方向に等間隔おきに形成されている。
各固定フランジ(25)の結合面のうち第1の嵌合凹溝(251)よりも外周側部分は、同内周側部分よりも幾分後退させられている。
各固定フランジ(25)の寸法は、例えば外径が約440mm、内径が約340mmとなされる。また、第1の嵌合凹溝(251)の寸法は、第1の嵌合凸条(311)の寸法に応じて適宜設定されるが、例えば幅が約8mm、深さが約6mmとなされる。
各押えフランジ(26)は、その内径が固定フランジ(25)の内径とほぼ同一であるが、その外径は固定フランジ(25)の外径よりも大きく、径方向の幅が固定フランジ(25)の幅よりも大きいものとなされている。以上の構成により、押えフランジ(26)のうち固定フランジ(25)よりも径方向外方に突出した部分が、第2の止水体(3B)の前後両端の開口縁部(31)の表面に沿わされるため、第2の止水体(3B)が水圧によって膨張させられる際、前後両端の開口縁部(31)が前後方向外方に広がるのが抑えられ、膨張した第2の止水体(3B)が配水管(P)内面に圧接し易くなる。
前押えフランジ(26)の後面および後押えフランジ(26)の前面、すなわち両押えフランジ(26)における固定フランジ(25)との結合面には、第2の止水体(3B)の第2の嵌合凸条(312)と嵌め合せられる環状の第2の嵌合凹溝(261)がそれぞれ形成されている。
各押えフランジ(26)の結合面のうち第2の嵌合凹溝(261)よりも内周側部分には、固定フランジ(25)のねじ孔と同数のボルト挿通孔(図示略)が周方向に等間隔おきに形成されている。
各押えフランジ(26)の結合面のうち第2の嵌合凹溝(261)よりも外周側部分は、同内周側部分よりも若干後退させられている。
各押えフランジ(26)の寸法は、例えば外径が約440mm、内径が約340mmとなされる。また、第2の嵌合凹溝(261)の寸法は、第2の嵌合凸条(312)の寸法に応じて適宜設定されるが、例えば幅が約8mm、深さが約6mmとなされる。
次いで、第2の止水体(3B)における前後各端の開口縁部(31)の第1の嵌合凸条(311)を、前後各固定フランジ(25)の第1の嵌合凹溝(251)に嵌め込むとともに、同第2の嵌合凸条(312)を、前後各押えフランジ(26)の第2の嵌合凹溝(261)に嵌め込み、この状態で、前後それぞれの固定フランジ(25)および押えフランジ(26)の結合面どうしを重ね合わせてボルト(27)で締結することにより、両フランジ(25)(26)が結合一体化されるとともに、第2の止水体(3B)の前後各端の開口縁部(31)が両フランジ(25)(26)によって挟着される。
こうして、第2の止水体(3B)が、本体(2)の第2の端部(202)に着脱自在に取り付けられる。
一方、第2の止水体(3B)を本体(2)の第2の端部(202)から取り外す場合は、上記と逆の操作を行えばよい。
インサート部材(6)は、例えばアルミニウムやステンレス鋼等の金属製板片よりなり、第2の止水体(3B)の前後両端の開口縁部(31)とほぼ同心状に湾曲した帯板状または扇状を呈している。インサート部材(6)の両面の内周縁部には、第2の止水体(3B)の第1および第2の嵌合凸条(311)内に向かってそれぞれ突出した凸条部(61)が形成されている(図4(c)および図5(c)参照)。なお、インサート部材(6)の材料は、上記に例示したものに限定されず、その他、例えば鉄、帆布、耐熱性樹脂等であっても構わない。
図4に示すように、第2の止水体(3B)の後端(左右方向外端)開口縁部(31)には、4個のインサート部材(6)が、周方向に等間隔おきに埋め込まれている。これらのインサート部材(6)の寸法は、例えば幅(W1)が約100mm、高さ(H1)が約20mm、厚さ(T1)が約6mmとなされる。
また、図5に示すように、第2の止水体(3B)の前端(左右方向内端)開口縁部(31)には、8個のインサート部材(6)が、周方向に等間隔おきに埋め込まれている。これらのインサート部材(6)の寸法は、例えば幅(W2)が約50mm、高さ(H2)が約20mm、厚さ(T2)が約6mmとなされる。
なお、前後両端の開口縁部(31)に埋め込まれるインサート部材(6)の数は、同数であっても構わない。
第2の止水体(3B)がその裏面側のスペース(S1)に供給された水の圧力によって膨張させられた際、上記のインサート部材(6)によって、前後両端の開口縁部(31)が半径方向外方に伸張するのが抑制されるので、同スペース(S1)に供給される水圧が通常より高い場合であっても、各開口縁部(31)がこれを挟着している固定フランジ(25)と押えフランジ(26)との間から外れるのが効果的に防止される。
また、インサート部材(6)は、第2の止水体(3B)の前後両端の開口縁部(31)に、周方向に間隔をおいて複数個ずつ埋め込まれているため、同止水体(3B)を本体(2)の第2の端部(202)に嵌め被せる際または本体(2)の第2の端部(202)から取り外す際に、同止水体(3B)の両端開口縁部(31)を周方向に伸張させて開口径を大きくすることができるので、本体(2)に対する同止水体(3B)の着脱操作をスムーズに行いうる。
ここで、配水管(P)における管(P1)どうしの継手部(P10)は、一方の管(P1)の挿し口(P11)が、横断面くさび形のゴム製環状シール部材(P13)を介して、他方の管(P1)のフランジ(P121)付き受口(P12)に差し込まれるとともに、環状シール部材(P13)を挿し口(P11)と受け口(P12)との間に押し込むための押圧リング(P14)を、受け口(P12)のフランジ(P121)に、ボルト(P15)とナット(P16)で締結することにより形成されている。なお、継手部の形態は、図示のものに限定されず、その他の形態のものであっても構わない。
水圧試験装置(1)の第1および第2の通気管路(51)(52)も、それぞれ本体(2)の後方において2つに分岐されており、その一方が、エアコンプレッサによってエアを供給する給気管部となされ、同他方が、供給されたエアを抜き出す排気管部となされている。給気管部および排気管部には、これらの流路を開閉するバルブが個別に設けられている。
また、上記の貯水タンク、水圧テストポンプおよびエアコンプレッサ、さらには電源ボックスやコントロールパネル等を単一のキャスター付きボックスに組み込んでユニット化してもよく、それによって水圧試験装置(1)を含めたシステム全体の搬送、設置、水圧試験の実施、撤去等を迅速にかつ容易に行うことができる。
そして、図6に示すように、本体(2)の第1の端部(201)および第2の端部(202)に取り付けられた第1および第2の止水体(3A)(3B)が、継手部(P10)を跨いだ位置に来た時点で、上記装置(1)を停止させ、その位置に保持する。
すると、供給された水の圧力により、各止水体(3A)(3B)の前後幅中間部が径方向外方に向かって膨張させられる。上記スペース(S1)が水で満たされたら、給水管部のバルブを閉じ、この状態が保持されることで、各止水体(3A)(3B)の前後幅中間部の表面が配水管(P)の内面に所定圧で圧接されられる。
こうして、図7に示すように、膨張状態の両止水体(3A)(3B)間に密閉スペース(S2)が形成される。この密閉スペース(S2)には、水圧試験の対象である管(P1)どうしの継手部(P10)が臨まされている。
図8に示すように、膨張状態の両止水体(3A)(3B)間の密閉スペース(S2)が水で満たされたら、給水管部のバルブを閉じ、この状態が保持されることで、同スペース(S2)に臨んでいる継手部(P10)に、所定の試験水圧(例えば0.5MPa程度)が負荷される。
試験水圧は所定時間(例えば5分程度)保持され、この間に継手部(P10)からの漏水があるかどうかを、作業者等が配水管(P)の外から目視によって確認する。また、漏水の有無は、試験水圧を示す水圧ゲージ(図示略)による水圧値の異常低下の検知によっても確認することができる。
こうして全ての工程が終了した後、水圧試験装置(1)が配水管(P)内から取り出される。
また、上記装置(1)の場合、第1および第2の止水体(3A)(3B)が、本体(2)の第1の端部および第2の端部にそれぞれ着脱自在に取り付けられていて、その着脱操作も極めて容易に行うことができるため、構成する管の口径が異なる複数種類の配水管に応じて、適宜サイズの止水体に取り替える作業を迅速にかつ確実に行うことができる。
しかも、上記装置(1)にあっては、各止水体(3A)(3B)における前後両端の開口縁部(31)それぞれに形成された第1および第2の嵌合凸部(311)(312)が、固定フランジ(25)および押えフランジ(26)の結合面に形成された第1および第2の嵌合凹溝(251)(261)に嵌め合せられているとともに、同開口縁部(31)にインサート部材(6)が埋め込まれているので、各止水体(3A)(3B)が本体(2)から容易に外れることがなく、したがって、各止水体(3A)(3B)に従来よりも高い水圧をかけて使用することが可能であり、ひいては、管(P1)どうしの継手部(P10)に負荷する試験水圧を従来よりも高く設定して試験を実施することができる。
加えて、上記装置(1)は、構造が簡易であるので、取扱性に優れており、コストも抑えられる。
さらに、上記装置(1)によれば、水圧試験に使用した水が試験終了後に回収されるため、回収した水を再使用することができ、経済的である。
この実施形態の水圧試験装置(1X)は、以下の点を除いて、図1〜10に示す第1の実施形態の水圧試験装置(1)と実質的に同一であって、同装置(1)と実質的に同一の作用効果を奏するものである。
すなわち、図11,12に示す水圧試験装置(1X)は、接続する複数の管に異形管が含まれている配管の水圧試験に好適に用いられるものであって、その本体(2X)の第1の端部(201X)および第2の端部(202X)が、それぞれ剛性を有する円筒材からなり、本体(2X)の長さ中間部(203X)が、第1の端部(201X)および第2の端部(202X)を構成する2つの円筒材の内方空間どうしを連通させるように両端部が両円筒材に接続されかつ少なくとも長さの一部が可撓性を有する筒材よりなる。
長さ中間部(203X)を構成する筒材については、水圧試験装置(1X)が配管内の異形管部分を通過する場合や、両側の管のうち少なくとも一方が異形管である継手部の水圧試験を行う場合に、異形管の形状に応じて曲がりうるような可撓性が要求されるとともに、水圧試験を行う際に負荷される水圧に耐えうる耐圧性が要求される。そのため、長さ中間部(203X)の筒材としては、例えば天然ゴム、合成ゴム、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂よりなる可撓性耐圧ホースや同パイプ等が好適に用いられる。筒材(203X)の長さは特に限定されないが、通常500〜1000mm程度となされる。筒材(203X)の外径は、第1の端部(201X)、第2の端部(202X)を構成する円筒材の外径以下であればよいが、外径を小さくすることでより耐圧性を高められることから、好適には、円筒材の外径よりも100〜200mm程度小さいものとなされる。
また、筒材(203X)の可撓性は、通常、最小曲げ半径が約2000mm程度、最大曲げ角度が30〜45°となるように設定される。
前フランジ継手(204)のフランジ部(204b)は、第1の端部を構成する円筒材(201X)の外周面後端部に設けられた後固定フランジ(25)に、後押えフランジ(26)を介して、複数本のボルト(B)により締付固定されている。同様に、後フランジ継手(204)のフランジ部(204b)は、第2の端部を構成する円筒材(202X)の外周面前端部に設けられた前固定フランジ(25)に、前押えフランジ(26)を介して、複数本のボルト(B)により締付固定されている。つまり、この実施形態では、フランジ継手(204)の円筒材(201X)(202X)への固定と、一方の固定フランジ(25)と押えフランジ(26)との結合を、共通のボルト(B)を用いて行うようになっている。これにより、装置(1X)の組立分解の工程数の減少による作業性の向上と、部品点数の削減によるコストダウンとが図られている。なお、フランジ部(204b)は、円筒材(201X)(202X)の端部に、溶接等によって固定状に取り付けられるか、またはボルト等によって着脱自在に取り付けられていても構わない。
(2):本体
(201):第1の端部
(202):第2の端部
(203):長さ中間部
(25):固定フランジ
(251):第1の嵌合凹溝
(26):押えフランジ
(261):第2の嵌合凹溝
(3A):第1の止水体
(3B):第2の止水体
(31):開口縁部
(311):第1の嵌合凸条
(312):第2の嵌合凸条
(33):環状凸条
(41):第1の通水管路
(42):第2の通水管路
(51):第1の通気管路
(52):第2の通気管路(通気管路)
(6):インサート部材
(P):配水管(配管)
(P1):管
(P10):継手部
(S1):各止水体の裏面側のスペース
(S2):膨張状態の両止水体間のスペース
Claims (8)
- 複数の管を接続してなる配管における管どうしの継手部の水密性を検査する水圧試験装置であって、
それぞれ円筒状の第1の端部および第2の端部ならびに第1の端部および第2の端部をこれらの内方空間どうしが連通するように連結する中空状の長さ中間部を有しかつ第1の端部および第2の端部が管どうしの継手部を跨ぐように配管内に配置される本体と、
ゴム状弾性を有するスリーブ材よりなりかつ本体の第1の端部に嵌め被せられて両端開口縁部が本体の第1の端部の外面に取り付けられている第1の止水体と、
ゴム状弾性を有するスリーブ材よりなりかつ本体の第2の端部に嵌め被せられて両端開口縁部が本体の第2の端部の外面に取り付けられている第2の止水体と、
各止水体を膨張させて配管の内面に圧接させるために本体の内側から本体の第1の端部および第2の端部をそれぞれ貫通して各止水体の裏面側のスペースに水を供給する第1の通水管路と、
管どうしの継手部に所定の試験水圧を負荷するために本体の内側から本体の長さ中間部を貫通して膨張状態の両止水体間のスペースに水を供給する第2の通水管路とを備えており、
第1の止水体の両端開口縁部は、本体の第1の端部の外面に本体の長さ方向に所定間隔をおいて固定状に設けられた2つの固定フランジと、両固定フランジにおける互いに向かい合う面と反対側の面にそれぞれ分離可能に結合された2つの押えフランジとによって挟着されており、
第2の止水体の両端開口縁部は、本体の第2の端部の外面に本体の長さ方向に所定間隔をおいて固定状に設けられた2つの固定フランジと、両固定フランジにおける互いに向かい合う面と反対側の面にそれぞれ分離可能に結合された2つの押えフランジとによって挟着されている、水圧試験装置。 - 各止水体の両端開口縁部に、各止水体の裏面側に突出した第1の嵌合凸条と、各止水体の表面側に突出した第2の嵌合凸条とがそれぞれ形成されており、第1の嵌合凸条と嵌め合せられる第1の嵌合凹溝が、固定フランジの結合面に形成され、第2の嵌合凸条と嵌め合せられる第2の嵌合凹溝が、押えフランジの結合面に形成されている、請求項1記載の水圧試験装置。
- 各止水体の両端開口縁部に、非伸縮性材料よりなるインサート部材が埋め込まれている、請求項1または2記載の水圧試験装置。
- インサート部材が、各止水体の両端開口縁部に、周方向に間隔をおいて複数個ずつ埋め込まれている、請求項3記載の水圧試験装置。
- 膨張状態の両止水体間のスペースに供給された水を第2の通水管路を通じて回収するために、本体の内側から本体の長さ中間部を貫通して前記スペースにエアを供給する通気管路を更に備えている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の水圧試験装置。
- 各止水体の外周面に、周方向にのびる複数の環状凸条が長さ方向に間隔をおいて形成されている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の水圧試験装置。
- 本体が、剛性を有する単一の円筒材からなり、円筒材の一端部によって本体の第1の端部が構成され、円筒材の他端部によって本体の第2の端部が構成され、円筒材の残りの部分によって本体の長さ中間部が構成されている、請求項1〜6のいずれか1つに記載の水圧試験装置。
- 本体の第1の端部および第2の端部が、それぞれ剛性を有する円筒材からなり、本体の長さ中間部が、第1の端部および第2の端部を構成する2つの円筒材の内方空間どうしを連通させるように両端部が両円筒材に接続されかつ少なくとも長さの一部が可撓性を有する筒材よりなる、請求項1〜6のいずれか1つに記載の水圧試験装置。
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