JP2017049188A - 電池の満充電容量推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の満充電容量をより短い時間で精度よく推定することである。
【解決手段】充電前電池の電池電圧の時間についての変化率を第1の電圧変化率として、第1の電圧変化率を複数回に分けて推定し、複数回の第1の電圧変化率の推定が所定値を超えるか否かに基づいて充電前電池について充電前分極の有無を推定し、複数回の第1の電圧変化率の推定が所定値を超えるときは充電前分極が有ると推定し、充電前電池について第1の昇温処理を行い、第1の電圧変化率が前記所定値以下となった後で、電池の第1の開放電圧を取得し、第1の開放電圧の取得後に充電を開始する。充電後の電池についても同様な処理手順を行って電池の第2の開放電圧を取得する。充電期間における充電電流積算値と第1の開放電圧と第2の開放電圧とに基づいて満充電容量を推定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電池の満充電容量推定方法に関する。
電動車両等に用いられる電池は、充放電可能な二次電池で、その満充電容量が大きいほど、走行距離が延びる。電池の充電状態を示す値として用いられるSOC(State Of Charge)は、現在の充電容量と満充電容量との比である。SOCは充電によって増加し、放電によって減少する。そこで、電池の満充電容量を求める式として、満充電容量(Ah)={充電期間における充電電流積算値(Ah)}/[{充電前後のSOC変化量(%)}/100(%)])が用いられる。ここで、{充電前後のSOC変化量(%)}=[{充電後のSOC(%)}−{充電前のSOC(%)}]である。なお、SOCは、電池の開放電圧(Open Circuit Voltage:OCV)と関連付けられるので、OCVからSOCを推定することができる。
特許文献1は、満充電容量を、充電前後のSOCの変化量と充電電流積算値とから求めるときに分極の影響で正確な値の把握が困難であると述べている。ここでは、電池温度が高いと誤差が大きいので、電池温度に応じて学習パラメータを変化させて学習満充電容量を求める。
特許文献2は、電池温度やSOCが所定範囲にあるときの電池の開放電圧を求めるために温度調節やSOC調節を行うと、電池が充放電されて分極が生じるので、分極解消のために例えば5分待ってOCVを求めると述べている。
特開2013−101072号公報 特開2015−045561号公報
充電前後のSOCの変化量と充電電流積算値とから満充電容量を推定するときに分極が有ると、満充電容量の推定精度が低下する。分極が解消するまで待てば正確な満充電容量を得ることが可能となるが推定に時間がかかる。そこで、電池の満充電容量をより短い時間で精度よく推定することが望まれる。
本発明の形態の1つに係る電池の満充電容量推定方法は、充電前電池の電池電圧の時間についての変化率を第1の電圧変化率として、第1の電圧変化率を複数回に分けて推定し、複数回の第1の電圧変化率の推定が所定値を超えるか否かに基づいて充電前電池について充電前分極の有無を推定し、複数回の第1の電圧変化率の推定が所定値を超えるときは充電前分極が有ると推定し、充電前電池について第1の昇温処理を行い、第1の電圧変化率が所定値以下となった後で、電池の第1の開放電圧を取得し、第1の開放電圧の取得後に充電を開始し、充電期間において充電電流積算値を算出し、充電完了した充電後電池の電池電圧の時間についての変化率を第2の電圧変化率として、第2の電圧変化率を複数回に分けて推定し、複数の第2の電圧変化率の推定が所定値を超えるか否かに基づいて充電後電池について充電後分極の有無を推定し、複数の第2の電圧変化率の推定が所定値を超えるときは充電後分極が有ると推定し、充電後電池について第2の昇温処理を行い、第2の電圧変化率が所定値以下となった後で、電池の第2の開放電圧を取得し、充電電流積算値と第1の開放電圧と第2の開放電圧とに基づいて満充電容量を推定することを特徴とする。
上記構成の電池の満充電容量推定方法によれば、電池の分極の有無を推定し、分極が有ると推定されるときは、電池の昇温処理を行う。電池温度が高いほど、分極解消は短時間で済むことが知られている。そして分極解消後にOCVを取得する。これらの処理は、電池の充電前後で行われるので、分極を短時間で解消し、{充電前後のSOCの変化量(%)}=[{充電後のSOC(%)}−{充電前のSOC(%)}]が正確に推定できる。分極解消が短時間で済むことから、電池の充電処理時間が短縮でき、充電前後のSOC変化量を正確に推定できるので、充電期間における充電電流積算値を用いて、満充電容量を正確に推定できる。
本発明に係る電池の満充電容量推定方法によれば、電池の満充電容量をより短い時間で精度よく推定できる。
本発明に係る実施の形態における電池の満充電容量推定方法が適用される車両搭載用電池への充電を示す図である。 図1の車両搭載用電池の充電において、分極の影響を含むSOCの時間についての変化と、充電前後のOCVの例を示す図である。 本発明に係る実施の形態における電池の満充電容量推定方法の手順のうち充電完了までの手順を示すフローチャートである。 図3に引き続き、充電完了後から満充電容量推定までの手順を示すフローチャートである。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、電池として、車両搭載用電池を述べるが、これは説明のための例示であって、充放電に対し分極が生じ得る電池であれば、他の用途に用いられる電池でもよい。電池が搭載される車両としては、回転電機とエンジンとを搭載するハイブリッド車両を述べるが、エンジンを搭載しない電気自動車であってもよい。以下では、車両が自宅等に戻ったときに車庫に備える充電用のコンセント口を用いて充電を行うものとするが、これは説明のための例示であって、例えば、充電スタンドに立ち寄って充電を行うものとしてもよい。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、車両10に搭載される電池20への外部充電を示す図である。車両10は、図示しない回転電機とエンジンとを搭載するハイブリッド車両である。
図1の例では、車両10は右ハンドル車で、運転者が乗降する右側ドアと同じ側の後部側である右側後部車体に充電口12が設けられる。充電口リッド14は充電口12を覆う蓋カバーで、通常は閉じられ充電時に開かれて充電口12が露出する。接続ケーブル16は、充電口12と電池20とを接続する電力用ケーブルである。
電池20は、複数の単電池を組み合わせた電池セルを所定数用いて積層体とした組電池である。単電池としては、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等を用いることができる。
電池20に付随して設けられるヒータ22は、電池20を充放電に適した温度に調節するために用いられる電池昇温手段である。ここでは、後述するように、電池20に分極が存在すると推定されるときに電池20を昇温し、分極を短時間で解消する手段として用いられる。
電池20に付随して設けられるファン24は、電池20の外部から空気を吸い込み、電池20の外部に排気するための換気手段である。ファン24の作動は、外気温度である吸気温度と電池温度とを比較して行われる。すなわち、電池20を冷却したいときは、吸気温度が電池温度より低いときにファン24を作動させる。電池20を昇温したいときは、吸気温度が電池温度より高いときにファン24を作動させる。
図1では図示しないが、電池20と接続ケーブル16との間、及び電池20と回転電機との間には、交流直流変換器、電圧変換器等の電力変換器が設けられる。
制御装置30は、電池20の充放電制御を実行するコンピュータである。ここでは、電池20の満充電容量推定のための処理手順を実行する。制御装置30が実行する処理手順等は、図2〜図4で詳述する。
充電ケーブル40は、電池20の充電に用いられる電力用ケーブルである。充電パドル42は、充電ケーブル40の一方端に設けられ、運転者等のユーザの操作によって車両10の充電口12に接続される車両側接続部である。プラグ44は、充電ケーブル40の他方端に設けられ、外部電源用接続口46に接続されるコンセント部材である。外部電源用接続口46は、商用交流電力が供給される電力供給部である。外部電源用接続口46としては、一般家庭の交流100Vまたは200Vのコンセント口を用いることができる。
次に、車両10に搭載される電池20の満充電容量推定について、図2を用いながら、図3、図4のフローチャートでその手順を説明する。
図2は、車両10に搭載される電池20について、車両停止後に充電を行う場合について、電池状態の時間についての変化の例を示す図である。図1の横軸は時間tで、縦軸はSOCである。SOCとOCVは関連付けができるので、縦軸のSOCは、対応するOCVと読み替えることができる。
時間t1までの期間は車両10が走行中の状態である。今の場合、車両10が自宅等の車庫に向かって走行している期間である。時間t1は、車両10が自宅等の車庫に到着し、車両10が停止状態になり、充電を始めようとする時間である。ここで、ユーザは、車両10に搭載されている電池20に充電を行うために、車両10の右側後部車体に設けられている充電口リッド14を開いて充電口12を露出させる。次に、充電ケーブル40の他方端に設けられたプラグ44を外部電源用接続口46に接続し、充電ケーブル40の一方端に設けられた充電パドル42を車両10の充電口12に接続する。
充電パドル42と充電口12には、電力線の他に複数の制御信号線が設けられ、充電パドル42が充電口12に接続されると、これらの制御信号線も相互に接続され、制御装置30と充電パドル42との間で充電に関する情報が伝達される。ここでは、充電パドル42と充電口12とが接続されたことを示す信号を制御装置30が取得した時間を、時間t1とする。
制御装置30は、時間t1において充電パドル42と充電口12とが接続された信号を取得しても、充電パドル42からの電力を直ちには電池20に供給しないように、図示しない電力変換器を制御する。これは、時間t1以前において車両10が走行しており、図1に示すように、電池20のSOCが次第に低下する放電を継続していたので、その放電により電池20に分極が生じているか否かを判断するためである。
電池20の分極は、電池20が放電停止直後と充電停止直後とで逆極性となる。時間t1では、車両10が走行後停止しているので、電池20の端子間電圧は開放電圧(OCV)である。時間t1は放電停止直後である。このとき、OCVを低下させる方向に分極が生じ得る。生じた分極が解消すると、低下していたOCVが上昇して分極がないときの本来のOCVとなる。
図2の例では、時間t1から時間が経過するに従いOCVが上昇し、時間t2でほぼ一定値のOCV1となる。時間t1から時間t2の間のOCVの上昇はΔVP1で、この大きさが放電停止直後の時間t1に生じている分極電圧である。時間t1における分極が解消して時間t2でほぼ一定値となったOCV1が、放電停止のときの本来のOCVである。
満充電容量推定には、電池20の充電前SOCを正確に推定する必要がある。そのためには、電池20の放電停止のときに生じた充電前分極を解消し、放電停止のときの本来のOCVとしてのOCV1を正確に取得する必要がある。図3のフローチャートにおいて、S10からS16までは、分極の影響を抑制して、正確なOCV1を取得するための処理手順である。
制御装置30は、時間t1から適当なサンプリング周期のタイミングで電池20の端子間電圧Vを取得して記憶し、1サンプリング周期のΔt経過したときにおいて取得した端子間電圧(V+ΔV)との差であるΔVを演算する。そして、ΔV/Δtを電池電圧の時間についての変化率である電圧変化率(dV/dt)として算出する。電圧変化率の算出は、複数回に分けて行われる(S10)。電池20は複数の電池セルで構成されるので、電池20の複数箇所で端子間電圧を取得するときは、電圧変化率の算出も複数箇所について行うことが好ましい。
Δtは1サンプリング周期でなくてもよい。例えば、Δtを2サンプリング周期以上としてもよい。S10で算出した電圧変化率は、電池20の充電前の状態における電圧変化率であるので第1の電圧変化率と呼び、後述する充電後の状態における電圧変化率(図4のS30参照)と区別する。
推定された第1の電圧変化率の推定は、予め定めた所定値と比較される。充電前分極がないときは、第1の電圧変化率=0である。予め定めた所定値は、充電前分極が生じたと考えられる大きさの電圧変化率に設定される。複数回の第1の電圧変化率の推定値については、各回の推定値をそれぞれ所定値と比較し、複数回の第1の電圧変化率の推定値が所定値を超えるときは充電前分極が有ると推定する(S12)。複数回の第1の電圧変化率の推定値が所定値以下のときは分極なしと推定する。電池20の複数箇所で第1の電圧変化率の推定を行うときは、各箇所の推定値をそれぞれ所定値と比較して、充電前分極の有無を推定することが好ましい。
例えば、電池20の3箇所において端子間電圧を取得し、3箇所のそれぞれについて4回の第1の電圧変化率の推定を行うときは、合計12の第1の電圧変化率の推定値が得られる。より正確なOCV1を取得したいときは、合計12の第1の電圧変化率の推定値の1つでも所定値を超えるときは、充電前分極有りと推定し、全部の第1の電圧変化率の推定値が所定値以下のときは分極なしと推定する。これは例示であって、OCV1の正確性と、充電処理時間の短縮性との兼ね合いで、S12の推定のための基準を定めてよい。このように第1の電圧変化率の推定を複数とすることで、電圧変化率が所定値を超えるか否かの判断についての偶発的な誤差を適切に抑制することができる。
S12の判断が肯定されて、充電前分極ありと推定されると、充電前分極が解消するまで待機する必要がある。特許文献2の例では、5分待つ。充電前分極が解消する時間を短縮するため、電池20の昇温処理を行う(S14)。これは、電池温度が高いほど、分極解消は短時間で済むからである。昇温処理は、ヒータ22を作動させて行う。昇温処理は、第1の電圧変化率が所定値以下となるまで継続する。その判断基準はS12と同じとする。場合によってはS12と異なる基準としてもよい。
なお、電池20の温度は低温であるが、電池20の外部の温度を示す吸気温度が電池温度より高いときには、ファン24を作動させることでも電池20の昇温処理を行うことができる。この場合、ファン24の作動に加え、ヒータ22も併用することで、分極解消をより短時間で済ませることができる。
S12の判断が否定されるときは、充電前分極がないと推定されるときであるので、ヒータ22による昇温処理を行わなくてもよい。
S14における電池20の昇温処理は、充電前分極の早期解消のための昇温処理であるので第1の昇温処理と呼び、後述する充電後分極の早期解消のための昇温処理(図4のS34参照)と区別する。
第1の昇温処理が行われると、S10へ戻り、S12の判断が再度行われる。第1の昇温処理の後のS12が否定されて第1の電圧変化率が所定値以下となると、充電前分極が解消されたとして、電池20の開放電圧をOCV1として取得する(S16)。OCV1は、電池20の充電前の開放電圧であるので、電池20の第1の開放電圧と呼び、後述する電池20の充電後の開放電圧であるOCV2(図4のS36参照)と区別する。
制御装置30は、S16でOCV1を取得すると、ここで初めて、充電パドル42からの電力を電池20に供給するように、図示しない電力変換器を制御する。これによって電池20の充電開始となる(S18)。
図2において、充電前の分極電圧ΔVP1が解消し、OCV1を取得した時間は時間t2であるので、時間t2が充電開始時間である。充電は、充電可能な時間の長さを考慮し、過充電にならない範囲で実行される。例えば、自宅等の車庫で夜間を利用して充電する場合は、約8時間程度が充電可能な時間の長さとなる。制御装置30は、OCV1から推定される充電前SOCから、予め定めた充電上限SOCまで充電するのに要する電流時間積(Ah)を概算し、充電可能な時間の長さに基づいて充電電流を設定して、その充電電流で充電することを電力変換器に指示する。設定された電流時間積になれば、充電パドル42から電池20への電力の供給を停止する。図2では、時間t3において充電電力の供給が停止される。
時間t2から時間t3の間が充電期間である。制御装置30は、この充電期間を充電電流積算期間とし、電池20に供給された電流値を充電電流積算期間について積算し、充電期間における充電電流積算値(Ah)を算出する(S20)。t3と同時に充電電流積算値の算出が終了し、充電完了となる(S22)。S22以降の処理手順は図4に示される。
図2に示されるように、時間t3では、充電が停止したので、電池20の端子間電圧は開放電圧(OCV)である。時間t3は充電停止直後である。このとき、時間t1におけるときと反対に、OCVを上昇させる方向に分極が生じ得る。生じた分極が解消すると、上昇していたOCVが低下して分極がないときの本来のOCVとなる。
図2の例では、時間t3から時間が経過するに従いOCVが低下し、時間t4でほぼ一定値のOCV2となる。時間t3から時間t4の間のOCVの低下はΔVP2で、この大きさが充電停止直後の時間t3に生じている分極電圧である。時間t3における分極が解消して時間t4でほぼ一定値となったOCV2が、充電停止のときの本来のOCVである。
満充電容量推定には、電池20の充電後SOCを正確に推定する必要がある。そのためには、電池20の充電停止のときに生じた充電後分極を解消し、充電停止のときの本来のOCVとしてのOCV2を正確に取得する必要がある。図4のフローチャートにおいて、S30からS36までは、分極の影響を抑制して、正確なOCV2を取得するための処理手順である。
S30からS36までの処理手順は、充電前と充電後とが相違するだけで、S10からS16までの処理手順と実質的内容は同じである。
すなわち、S30では、充電完了した充電後電池の電池電圧の時間についての変化率dV/dtを第2の電圧変化率として、第2の電圧変化率を複数回に分けて推定する。S32では、複数の第2の電圧変化率の推定が予め定めた所定値を超えるか否かに基づいて充電後電池について充電後分極の有無を推定する。予め定めた所定値は、S12で述べた所定値を同じものを用いることができる。場合によってはS12で述べた所定値と異なる値を用いてもよい。そして、S32において、複数の第2の電圧変化率の推定が予め定めた所定値を超えて充電後分極が有ると推定されるときは、S34において充電後電池について第2の昇温処理を行う。第2の昇温処理が終了するとS30に戻り、S32の判断が再度行われる。第2の昇温処理の後のS32が否定されて第1の電圧変化率が所定値以下となった後で、S36において電池20の第2の開放電圧としてのOCV2を取得する。
これらの処理手順についてのさらなる詳細な内容は、S10からS16において説明した通りであるので、重複する説明を省略する。
S36までの処理手順が済むと、満充電容量推定が行われる(S38)。満充電容量推定は、満充電容量(Ah)={充電期間における充電電流積算値(Ah)}/[{充電前後のSOC変化量(%)}/100(%)])の式を用いる。ここで、{充電前後のSOC変化量(%)}=[{充電後のSOC(%)}−{充電前のSOC(%)}]である。充電期間における充電電流積算値は、S20の算出値を用いる。充電後のSOCと充電前のSOCは、予め電池20について求めたSOCとOCVとの間の関係式を用い、S16で取得したOCV1と、S36で取得したOCV2とをあてはめてそれぞれ推定する。図2に、充電前後のSOCの変化量であるΔSOCを示す。OCV1とOCV2は、分極の解消後の値であるので、満充電容量推定を正確に行うことができる。また、分極の解消には電池20の昇温処理を行って分極の解消時間を短縮するので、電池の満充電容量をより短い時間で精度よく推定することができ、さらに、電池の満充電容量推定を含めた充電処理に要する時間を短縮できる。
10 車両、12 充電口、14 充電口リッド、16 接続ケーブル、20 電池、22 ヒータ、24 ファン、30 制御装置、40 充電ケーブル、42 充電パドル、44 プラグ、46 外部電源用接続口。

Claims (1)

  1. 充電前電池の電池電圧の時間についての変化率を第1の電圧変化率として、該第1の電圧変化率を複数回に分けて推定し、
    前記複数回の前記第1の電圧変化率の推定が所定値を超えるか否かに基づいて前記充電前電池について充電前分極の有無を推定し、
    前記複数回の前記第1の電圧変化率の推定が所定値を超えるときは前記充電前分極が有ると推定し、前記充電前電池について第1の昇温処理を行い、
    前記第1の電圧変化率が前記所定値以下となった後で、電池の第1の開放電圧を取得し、
    前記第1の開放電圧の取得後に充電を開始し、
    充電期間において充電電流積算値を算出し、
    充電完了した充電後電池の電池電圧の時間についての変化率を第2の電圧変化率として、該第2の電圧変化率を複数回に分けて推定し、
    前記複数の前記第2の電圧変化率の推定が前記所定値を超えるか否かに基づいて前記充電後電池について充電後分極の有無を推定し、
    前記複数の前記第2の電圧変化率の推定が所定値を超えるときは前記充電後分極が有ると推定し、前記充電後電池について第2の昇温処理を行い、
    前記第2の電圧変化率が前記所定値以下となった後で、電池の第2の開放電圧を取得し、
    前記充電電流積算値と前記第1の開放電圧と前記第2の開放電圧とに基づいて満充電容量を推定する電池の満充電容量推定方法。
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