JP2017048750A - エンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン1の吸気ポート31に向けて燃料を噴射するインジェクタ6と、インジェクタ6供給する燃料の圧力(例えばデリバリ燃圧)を調整する燃圧調整手段(例えば燃料ポンプ72)とを備え、エンジン停止後にインジェクタノズル6aの温度が高くなっても、噴孔付近のデポジットの堆積を抑制する。【解決手段】エンジン1の運転中に、停止後のインジェクタノズル6aの温度を推定する推定手段(ステップST4,ST5)と、この推定手段によるノズル6aの温度の推定値Tstopが所定値Tstop1以上であれば、エンジン1の停止前のアイドル運転状態において燃圧調整手段によりデリバリ燃圧を変更する燃圧変更手段(ステップST6〜ST8)と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタを備えた燃料噴射装置に関連し、特に、そのインジェクタに供給する燃料の圧力を調整可能としたものに関する。
従来より、例えば自動車などのエンジンにおいては、各気筒毎の吸気ポートに配設したインジェクタにより燃料を噴射するようにしている。また、近年では、吸気バルブの開閉する時期を変更可能とする可変動弁機構(VVT)が広く用いられており、エンジンの運転状態に応じて吸気バルブの開時期を進角させ、排気バルブとのオーバーラップを大きくすることで、既燃ガスの掃気性を高めるようにしている。
そうして吸排気のバルブオーバーラップを大きくすると、排気の一部が吸気ポートに流れる(いわゆる排気の吹き返し)が起こることがあり、このときにインジェクタが開弁していると、その噴孔に排気中のPMが付着して、デポジットの生成、堆積を助長するおそれがある。これに対して特許文献1に記載のエンジンでは、吸気バルブの開時期を進角させるときに、インジェクタによる燃料の噴射時期も進角させて、吸気バルブが開く以前に燃料噴射を完了させるようにしている。
特開平06−317209号公報
しかしながら、前記従来例のように吸気バルブが開く以前に燃料噴射を完了させても、その後、排気の吹き返しによってインジェクタの噴孔付近にPMが付着すると、燃料のデポジット化を助長することがある。すなわち、燃料噴射の後にインジェクタの噴孔付近には燃料が付着しており、高負荷運転後のエンジンの停止状態などにおいてインジェクタのノズルの温度が高くなると、その噴孔付近に付着している燃料がPMを核として凝集し、デポジット化するものと考えられる。
かかる不具合に対し本発明の目的は、エンジンの停止後にインジェクタのノズルの温度が高くなっても、噴孔付近のデポジットの堆積を抑制することにある。
前記の目的を達成するために本発明は、エンジンの吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタと、このインジェクタに供給する燃料の圧力を調整する燃圧調整手段と、を備える燃料噴射装置を対象とする。そして、エンジンの運転中に、停止後のインジェクタのノズルの温度を推定する推定手段と、この推定手段による温度の推定値が所定値以上であれば、エンジンの停止前のアイドル運転状態において前記燃圧調整手段により、前記インジェクタに供給する燃料の圧力を変更する燃圧変更手段と、を備えたものである。
前記の特定事項により、エンジンの運転中には、例えばその運転状態や冷却水の温度、或いは吸気の温度なども考慮して、エンジンが停止された場合に、その後のインジェクタのノズルの温度がどの程度、高くなるのか推定手段によって推定される。この推定温度が所定値以上であれば、エンジンの停止後にインジェクタの噴孔の付近に付着している燃料のデポジット化が促進されるおそれがある。
そこで、実際にエンジンが停止する前のアイドル運転状態において、燃圧変更手段によって燃圧調整手段を制御し、インジェクタに供給する燃料の圧力を変更させる。すなわち、燃圧を上昇させることにより、噴孔から噴出する燃料噴霧の貫徹力が増大し、噴孔付近に付着する燃料が少なくなる。また、反対に燃圧を低下させても、燃料の噴射量が減少することによって、噴孔付近に付着する燃料が少なくなることがある。こうしてデポジットの生成、堆積を抑制することができる。
なお、エンジンのアイドル運転状態では、気筒内に流入する吸気および燃料の量が少なく、吸気による流動も非常に弱いので、このとき前記のように燃圧を変化させると、燃焼状態が変化することによって、車両の乗員などが違和感を覚えるおそれがある。そこで、前記アイドル運転状態における燃圧の変更制御は、例えばVVTによって吸気バルブの開時期が進角されていて、いわゆる排気の吹き返しが起きるような状況でのみ、行うようにしてもよい。
また、そのように排気の吹き返しが起きる状況か否かによって、燃圧の変更制御を行うか否か判定するのではなく、その判定の基準となるノズルの推定温度(所定値)を変更するようにしてもよいし、燃圧の変更度合いを変えるようにしてもよい。すなわち、排気の吹き返しが起きる状況であれば、判定の基準となる温度を低くして、燃圧の変更制御が行われ易くすればよく、また、燃圧の変更度合いを大きくするようにしてもよい。
以上、説明したように本発明では、例えば高負荷運転などの後のエンジンの停止後に、インジェクタのノズルの温度が高くなると、その噴孔付近に付着している燃料のデポジット化が促進されることに着目した。そして、エンジンの停止後にノズルの温度が所定温度以上になると推定すれば、そのエンジン停止前のアイドル運転状態において燃圧を変更し、インジェクタの噴孔付近に付着する燃料を減少させることにより、デポジットの生成、堆積を抑制することができる。
実施の形態に係る燃料噴射装置を適用するエンジンの要部を示す概略構成図である。 燃圧変更制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン停止後のインジェクタのノズル温度を設定した温度推定マップの一例を示す図である。 デリバリ燃圧と、インジェクタの噴孔付近の燃料付着量との関係の一例を示すグラフ図である。 インジェクタの噴孔付近の燃料付着量と、流量変化率との関係の一例を示すグラフ図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態に係る燃料噴射装置を適用したガソリンエンジン1(以下、エンジン1と称する)の要部を示している。このエンジン1は、シリンダブロック2の上部にシリンダヘッド3を組み付けて、シリンダ2a(気筒)の内部に嵌挿したピストン4との間に燃焼室5を形成している。シリンダブロック2の側壁にはウォータジャケット2bが形成され、冷却水の温度(エンジン水温)を検出するための水温センサ101が配設されている。
図1の例ではシリンダヘッド3の下面に、燃焼室5の天井面となる浅い窪みが形成されていて、この天井面の吸気側(図1の左側)に開口し、そこから斜め上方に向かって延びるように吸気ポート31が形成されている。同様に、燃焼室5の天井面の排気側(図1の右側)には排気ポート32が開口し、そこから斜め上方に向かって延びている。そして、それら吸気ポート31および排気ポート32の燃焼室5に臨む開口部は、それぞれ吸気バルブ33および排気バルブ34によって開閉されるようになっている。
すなわち、一例としてエンジン1の動弁系は、吸気側および排気側にそれぞれカムシャフト35,36を備えており、これら2本のカムシャフト35,36がそれぞれ、図示しないクランクシャフトの回転に同期して回転することにより、吸気バルブ33および排気バルブ34がシリンダ2a毎に好適なタイミングで開閉される。また、本実施の形態では、それら吸気バルブ33および排気バルブ34の開閉する時期を変更可能なVVT37,38が各カムシャフト35,36にそれぞれ設けられている。
本実施の形態ではVVT37,38は例えば公知のベーンタイプの油圧アクチュエータからなり、詳しい説明は省略するが、油圧回路37a,38aから作動油(エンジンオイル)の共有を受けて、各カムシャフト35,36とスプロケット(図示せず)とを相対的に回動させるようになっている。例えば吸気側のカムシャフト35の回転する方向にスプロケットを回動させれば、吸気バルブ33の開閉する時期が遅角側に変化し、反対に回動させれば進角側に変化する。
一方、前記吸気ポート31の上端の開口には、図示しない吸気マニホルドが取り付けられて、その上流側(吸気の流れの上流側)のエアクリーナを通過した空気(吸気)を吸気ポート31へ流通させるようになっている。また、エアクリーナと吸気マニホルドとの間の吸気通路には、吸気の流れを絞る電動のスロットルバルブ39が配設されるとともに、吸気の流量を計測するエアフローメータ102や吸気温センサ103なども配設されている。
さらに、吸気ポート31にはインジェクタ6が配設されている。このインジェクタ6は、先端側のノズル6aを下方に向けてシリンダヘッド3に取り付けられ、吸気ポート31に向かって斜め下向きに燃料を噴射するように配設されている。一方、インジェクタ6の基端部(図の上端部)は、燃料供給系7の一部を構成するデリバリパイプ70に接続されていて、ここから燃料の供給を受けるようになっている。
すなわち、デリバリパイプ70は、複数のシリンダ2aの並ぶ方向(図1の紙面に直交する方向)に延びていて、燃料配管71によって圧送されてくる燃料を各シリンダ2a毎のインジェクタ6に分配する。デリバリパイプ70は、燃料配管71を介して電動の燃料ポンプ72に接続されており、この燃料ポンプ72は燃料タンク73内に貯留されている燃料を吸い込んで、燃料配管71に送り出す。
本実施の形態の燃料ポンプ72は、電動モータによって駆動するインペラの回転数に応じて燃料の吐出量が変化するものであり、吐出する燃料の圧力を調整可能な燃圧調整手段としても機能する。デリバリパイプ70は、そうして圧送されてくる燃料を一時的に貯留する蓄圧容器としても機能し、このように貯留する燃料の圧力(デリバリ燃圧)を検出するための燃圧センサ104が配設されている。
そして、図1に表れているようにシリンダ2aの吸気行程では、吸気側のカムシャフト35の回転に伴い吸気バルブ33が開動作され、吸気ポート31の下端の開口が開かれると、ピストン4の下降に伴い吸気が吸気ポート31を流通して、シリンダ2a内に吸い込まれるようになる。こうして吸い込まれる吸気の流れに沿うようにインジェクタ6から燃料が噴射され、この燃料が吸気ポート31および燃焼室5において吸気と混じり合って、混合気を形成する。
このようにして形成された混合気は、図示しないが、シリンダ2aの圧縮行程におけるピストン4の上昇によって圧縮された後に、点火プラグ8によって点火されて燃焼する。すなわち、図1に表れているようにシリンダヘッド3には、シリンダ2a毎に点火プラグ8が配設されており、イグナイタ8aから電力の供給を受けて点火プラグ8の電極間に火花放電することにより、燃焼室5内に形成された混合気に点火するようになっている。
そして、図示しないが、シリンダ2aの排気行程において排気側のカムシャフト36の回転に伴い排気バルブ34が開動作され、排気ポート32の下端の開口が開かれると、既燃ガスがシリンダ2aから排気ポート32へ排出されるようになる。なお、図には1つのシリンダ2aのみを示しているが、本実施の形態のエンジン1は、例えば4つのシリンダ2aが図の手前から奥に向かって並んだ直列4気筒エンジンである。
前記のインジェクタ6、イグナイタ8a、VVT37,38、スロットルバルブ39、燃料ポンプ72などの制御は、エンジン1の制御装置100(以下、ECU100と表記する)によって行われる。ECU100は公知のデジタルコンピュータからなり、水温センサ101、エアフローメータ102、吸気温センサ103、燃圧センサ104の他、図示はしないが、例えばクランク角センサ、空燃比センサ等、エンジン1の運転状態を表す種々のセンサからの信号を入力する。そして、ECU100は、各種の制御ルーチンを実行することによりエンジン1の吸気量や燃料噴射量、デリバリ燃圧、点火時期、バルブタイミング等々を制御する。
また、本実施の形態においてECU100は、車速センサ105からの信号も入力し、以下に説明するようにエンジン1の運転中に、インジェクタ6のノズル6aの温度がエンジン停止後に所定以上に高くなると推定すれば、エンジン1の停止前のアイドル運転状態において一時的に燃料ポンプ72の回転数を高めて、デリバリ燃圧を上昇させる燃圧変更制御を行う。
−エンジン停止前の燃圧変更制御−
一例として本実施の形態のエンジン1は、所定の運転状態において吸気バルブ33の開時期を大きく進角させ、いわゆる吸排気のバルブオーバーラップが大きな状態で運転するものである。こうしてバルブオーバーラップが大きくなると、排気行程においてシリンダ2a内から排出される排気の一部が、吸気ポート31に吹き返されることがあり(排気の吹き返し)、その排気中に含まれるPMがインジェクタ6のノズル6aの先端の噴孔付近に付着しやすくなる。
こうしてインジェクタ6の噴孔の付近にPMが付着すると、これを核として燃料が凝集し、デポジットの生成、堆積が助長されるおそれがある。すなわち、燃料の噴射後にインジェクタ6の噴孔の付近には燃料が付着しており、例えばエンジン1が高負荷運転の後に停止して、インジェクタ6のノズル6aの温度が高くなると、噴孔付近の燃料が変質してPMと共に凝集し、デポジット化するものと考えられる。
そこで、本実施の形態では、エンジン1の運転中にエンジン水温などに基づいて、仮にエンジン1が停止した場合、インジェクタ6のノズル6aの温度がどの程度、高くなるか推定しておく。そして、この推定値が所定値以上であれば、エンジン1の停止前のアイドル運転状態において一時的に燃圧を上昇させる燃圧変更制御を行い、燃料噴霧の貫徹力を増大させて、噴孔付近に付着する燃料を減らすようにしている。
以下、図2のフローチャートを参照して具体的に、本実施の形態における燃圧変更制御ルーチンについて説明する。このルーチンは、エンジン1の運転中に所定のタイミングで繰り返し実行され、まず、スタート後のステップST1では、エンジン回転数、エンジン水温、吸気量などのデータを読み込む。なお、エンジン回転数は、クランク角センサからの信号に基づいて算出されるものであり、エンジン水温および吸気量はそれぞれ、水温センサ101およびエアフローメータ102からの信号に基づいて算出される。
続いてステップST2において、吸気側および排気側のそれぞれのVVT37,38の制御値から吸排気のバルブオーバーラップ量を算出し、エンジン回転数も考慮して、排気の吹き返しが起きるような状況か否かをステップST3において判定する。この判定が否定判定(NO)であればルーチンを終了する(エンド)一方、肯定判定(YES)であればステップST4に進んで、今度は車速、吸気温度などのデータを読み込む。なお、車速および吸気温度はそれぞれ、車速センサ105および吸気温センサ103からの信号に基づいて算出される。
そうして読み込んだ車速および吸気温度と、ステップST1で読み込んだエンジン水温とに基づいてステップST5では、この時点でエンジン1が停止された場合に、その後のインジェクタ6のノズル6aの温度がどの程度、高くなるか推定する。すなわち、一例としてECU100のROMには、エンジン水温、車速および吸気温度をパラメータとして、エンジン停止後のノズル6aの温度Tstopの値を予め実験やシミュレーションによって設定した温度推定マップが記録されている。
図3は、例えば低車速域における温度推定マップのイメージ図であり、同様のマップが中車速域および高車速域についても設定、記録されて温度推定マップ群を構成している。図示のマップにおいてノズル温度Tstopは、エンジン水温および吸気温度が高いほど高温側の値になっており、図の右上のラインがノズル温度の所定値Tstop1(燃圧変更制御行うか否かの判定の基準となる温度)に対応する。なお、図3には表れていないがノズル温度Tstopは、車速が低いほど高温側の値になっている。
続いてステップST6において、前記のように推定したノズル温度Tstopが所定値Tstop1(例えば80℃)以上か否か判定する。この所定値は、排気の吹き返しによって噴孔付近にPMが付着した場合に、燃料の変質物によってデポジットの生成、堆積が助長されることになる温度として、予め実験やシミュレーションによって設定されており、前記図3において右上のラインとして表される。そして、推定したノズル温度Tstopが所定値Tstop1未満であれば、否定判定(NO)してルーチンを終了する(エンド)。
一方、推定したノズル温度Tstopが所定値Tstop1以上であれば、肯定判定(YES)してステップST7に進み、エンジン1の停止直前のアイドル運転状態か否か判定する。これは例えば車両が停車している、アクセル操作がなされていない、エンジン1がアイドル運転状態である、の3つの条件から判定し、これらの条件のいずれか1つでも成立していなければ否定判定して(NO)、ルーチンを終了する(エンド)。
これに対し、前記の条件が全て成立していれば肯定判定(YES)して、ステップST8に進んで所定期間、燃料ポンプ72の回転数(インペラの回転数)を高め、デリバリ燃圧を上昇させた後に、ルーチンを終了する(エンド)。なお、エンジン1のアイドル運転状態では通常、デリバリ燃圧は低めに制御されており、ステップST8では、それが予め設定した所定圧だけ高くなるように、燃料ポンプ72の回転数を高くする。
前記図2のフローのステップST4、ST5を実行することによってECU100は、エンジン1の運転中に、停止後のインジェクタ6のノズル6aの温度Tstopを推定する推定手段を構成する。本実施の形態において推定手段は、少なくともエンジン水温、車速および吸気温度に基づいて、ノズル6aの温度Tstopを推定する。
また、同ステップST6〜ST8を実行することによってECU100は、前記推定手段によって推定したノズル6aの温度Tstopが所定値Tstop1以上であれば、エンジン1の停止前のアイドル運転状態において燃料ポンプ72を制御し、デリバリ燃圧を変更する燃圧変更手段を構成する。本実施の形態において燃圧変更手段は、燃圧を一時的に高くするものである。
以上、説明したように本実施の形態に係る燃料噴射装置によると、エンジン1の運転中に、吸排気のバルブオーバーラップが所定以上に大きくなっていて、排気の吹き返しが起きると考えられる状況において、エンジン停止後のインジェクタ6のノズル6aの温度Tstopが所定値Tstop1以上に高くなると推定すれば、その噴孔付近に付着している燃料がデポジット化するおそれがあると判定する。そして、エンジン停止前のアイドル運転状態において燃圧を上昇させて、付着する燃料を減少させることにより、デポジットの生成、堆積を抑制することができる。
図4は、エンジン1のアイドル運転状態においてデリバリ燃圧Pを種々、変更して、そのノズル6aの噴孔付近に付着する燃料の量を調べた実験結果のグラフ図である。アイドル運転時における標準的な燃圧P0から燃圧を高くすることにより、燃料の付着量が少なくなることが分かる。これは燃料噴霧の貫徹力が増大することによると考えられ、図示の例では一例として通常よりも30%くらい高いデリバリ燃圧P1において、燃料の付着量が20%くらい減少している。
なお、図4に示す実験の結果からは、デリバリ燃圧Pを低下させることによっても燃料の付着量が減少することが分かる。これは、エンジン1のアイドル運転状態のように元々、燃料の噴射量が少なく、その噴射圧力も低い状態で、さらに噴射圧力を低下させると、燃料の噴射量が減少することによって、噴孔付近に付着する燃料が少なくなることによると考えられる。
図5には、そうしてインジェクタ6の噴孔付近に付着する燃料の量と、インジェクタ6の流量変化率との関係を調べた実験結果のグラフ図である。インジェクタ6の流量変化率は、未使用のインジェクタ6による燃料の噴射量を基準(流量変化率=0)とし、経年変化によって噴射量の減少する割合(%)を調べたものである。図5のグラフの横軸に現れているように燃料の付着量が多いほど、縦軸に示す流量変化率(負の値)の絶対値が大きくなっており、これは、燃料付着量が多いほど多くのデポジットが堆積し、噴孔が塞がれることによると考えられる。
また、本実施の形態では前記した燃圧の変更制御を、吸排気のバルブオーバーラップが大きく、排気の吹き返しが起きるような状況でのみ、行うようにしている。これは、エンジン1の停止直前のアイドル運転状態では、シリンダ2a内に流入する吸気および燃料の量が少なく、吸気による流動も非常に弱いので、このときに燃圧を変化させると、燃焼状態が変化することによって、車両の乗員などが違和感を覚えるおそれがあるからである。
−他の実施の形態−
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他の種々の形態を包含している。例えば前記実施の形態では、図2のフローのステップST2,ST3に表れているように、排気の吹き返しが起きるような状況でのみ、燃圧の変更制御を行うようにしているが、これに限らず、排気の吹き返しが起きないような状況でも燃圧の変更制御を行うようにしてもよい。
また、燃圧の変更制御を行うか否か判定するためのインジェクタノズル6aの温度の所定値Tstop1を、排気の吹き返しが起きるような状況か否かによって変更するようにしてもよい。すなわち、排気の吹き返しが起きるような状況であれば所定値Tstop1を低めの値にして、燃圧の変更制御が行われ易くすればよい。さらに、排気の吹き返しが起きるような状況であれば、燃圧の変更度合いを大きくするようにしてもよい。
また、前記実施の形態では燃圧変更制御として、図2のフローのステップST8のようにデリバリ燃圧を上昇させるようにしているが、これは反対にデリバリ燃圧を低下させるようにしてもよい。図4を参照して上述したようにアイドル運転状態では、デリバリ燃圧Pを低下させることによっても、燃料の付着量が減少するからである。
さらに、前記実施の形態では、吸気ポート31に燃料を噴射するインジェクタ6のみを備えたガソリンエンジン1に本発明を適用しているが、これに限らず、ポート噴射式のインジェクタ6以外に、例えばシリンダ2a内の燃焼室5に直接、燃料を噴射する筒内噴射式のインジェクタを備えたガソリンエンジンにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、ガソリンエンジンにも限定されず、例えばアルコール燃料や液化ガス燃料を用いるエンジンにも適用可能であり、前記実施の形態のように4つのシリンダ2aを備えたエンジン1にも限定されず、例えば単気筒、2気筒、3気筒若しくは5気筒以上のエンジンにも適用可能であることは勿論である。
本発明は、エンジンのインジェクタの噴孔付近におけるデポジットの生成、堆積を抑制でき、燃料制御の経年による制御性の低下を防止できるので、例えば自動車のエンジンに適用して効果が高い。
1 エンジン
6 インジェクタ
6a ノズル
31 吸気ポート
72 燃料ポンプ(燃圧調整手段)
100 ECU(推定手段、燃圧変更手段)

Claims (1)

  1. エンジンの吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタと、このインジェクタに供給する燃料の圧力を調整する燃圧調整手段と、を備える燃料噴射装置であって、
    エンジンの運転中に、停止後のインジェクタのノズルの温度を推定する推定手段と、
    前記推定手段による温度の推定値が所定値以上であれば、エンジンの停止前のアイドル運転状態において前記燃圧調整手段により、前記インジェクタに供給する燃料の圧力を変更する燃圧変更手段と、を備えることを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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