JP2017048587A - 壁用建材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 喫煙施設に用いる壁面用の建材として、煙草の臭いを消臭し、且つ、煙草のタール汚れを退色可能な建材、例えば壁面仕上げ材を提供する。
【解決手段】 ゼオライトを含有する壁材に水酸化ナトリウムを規定量添加することによって、臭い消臭効果及びタール汚れの退色効果を備えた建材、例えば壁面仕上げ材を提供する。この建材のベース材料はゼオライトであり、ゼオライト特有の効果であるホルムアルデヒドをはじめとしたアルデヒド類やアンモニアといった臭い物質の消臭効果を活かし、且つ、本発明に基づいて添加した水酸化ナトリウムにより誘起させる鹸化反応によって、喫煙施設の建材として、煙草の臭いに強く、且つ、煙草のタールも退色可能なこれまでにない建材を提供することを得た。また、喫煙施設での用途の他にも、飲食店舗等、壁に臭いも有機性汚れも発生し易い場所等に用いる用途が考えられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、喫煙施設等に用いる壁用建材であって、特に、煙草の臭い消臭効果及びそのタール汚れの退色効果を備えた建築物の壁用建材に関するものである。
近年、分煙という考え方が普及していくのに伴い、企業や商業施設・公的施設には、喫煙者と非喫煙者とをすみ分け、非喫煙者が煙草の副流煙により被害を受けることがないように、煙が外部に漏れない閉鎖された空間である喫煙施設、例えば喫煙ルームや喫煙ブース等が配置されるようになってきている。
一般的な喫煙施設である喫煙ルームや喫煙ブースでは、煙草の煙(主流煙及び副流煙)の臭気を効率よく排気するために、低い場所に給気口を備え、且つ、高い位置、例えば天井に排気口を備えることによって、換気が行われている。この換気にかかるコストは小さなものではなく、コストの削減が望まれている。さらには、煙草の煙には臭い物質のみが含有されているわけではなく、同時に、タールも排出されることを忘れてはならない。
このようなタールが吸着することによって、喫煙施設の壁部、給気設備や排気設備を変色劣化させてしまうだけでなく、タール自体の臭気に起因して、付着した壁部等から臭気が発生することとなり、完全な換気を行うのは困難な状況であった。このような利用が長期間続くことによって、煙草の臭いが染み残ってしまうだけでなく、設備の清潔感が失われてしまうことで、喫煙施設やひいては喫煙者に対してもイメージダウンに繋がっていた。
上記のような問題点を解消するために、特許文献1(特開2007−136043号公報)には消臭芳香剤を用いることが記載されており、詳細には、活性炭内部に芳香成分を包含させることにより、悪臭の吸着と良好な芳香の放出の両面を併せ持つ消臭芳香剤が記載されている。しかしながら、喫煙施設内における煙草の臭いの消臭には一定の効果を発揮すると考えられるものの、喫煙時に同時に発生するタールに対する汚れ等に対する処理は考慮されておらず、このタールに対しては別の手段も併用して処理しなければならない。
特許文献2(特開2010−131550号公報)には光触媒を用いた消臭剤及び内装材が記載されており、詳細には可視光応答型光触媒と、ゼオライト等の物理吸着剤と、希土類金属等の化学吸着剤を含む消臭剤が記載されている。この消臭剤を用いることによって、煙草の臭い等を物理吸着剤又は化学吸着剤で吸着し、可視光応答型の光触媒で分解消臭することとしている。こちらの技術においては、臭いの吸着剤に光触媒を添加しているため、煙草の臭いを吸着及び分解することが可能ではあるが、喫煙時に同時に発生する煙草のタールの付着に起因して、上記効果が鈍化し、劣化することは避けられない。また、特許文献2の、喫煙施設にて必要とされる光触媒としては、屋内施設となることから紫外光応答型の光触媒ではなく、可視光応答型光触媒となるため、材料コストも高騰するものと思われる。なお、紫外光応答型である一般的な光触媒を屋内で使用するための一つの手段として、喫煙施設の照明にブラックライトを用いる手段も考えられるが、紫外光自体に、日焼け、皮膚ガン、免疫力低下や白内障等といった健康被害を引き起こす危険性があるため、なるべく使用は避けるべきである。
特許文献3(特開2012−117222号公報)には塩化ビニル等の表面層からなる防汚消臭壁紙が記載されており、詳細には多孔質無機物質とアミン化合物と金属酸化物とからなる消臭剤と、撥水樹脂化合物と、層状ケイ酸塩鉱物とをバインダ樹脂により固着して製造される防汚消臭壁紙が記載されている。こちらの技術では、消臭剤による煙草臭の吸着は当然のこと、撥水樹脂化合物及び層状ケイ酸塩鉱物により汚れの付着の防止又は付着した場合も汚れの除去が可能となる。しかしながら、タールの汚れの場合、付着するやいなやの除去が必要となるため、メンテナンスにコストがかかる。
また、長期的に効果を発揮させる目的で光触媒の利用を検討したくとも、この壁紙の構成物質の固着剤に樹脂バインダを用いていることから自らを分解させる危険のある光触媒は使用することができない。仮に、光触媒を利用するため、固着剤を樹脂バインダから、分解の恐れのないラミネート等に変更したとしても、破れなどの恐れが存在し、メンテナンスが難しくなってしまう。
特開2007−136043号公報 特開2010−131550号公報 特開2012−117222号公報
従って、これまで説明してきたように、本発明の課題は、喫煙施設等に用いる壁面用の壁用建材であって、特に、煙草の臭いを消臭し、且つ、煙草のタール汚れを同時に退色可能な壁または壁面仕上げ材として使用可能である壁用建材を提供することである。
上記の目的を達成するために本発明に係る悪臭の消臭効果及び有機性汚れの退色効果を同時に備えた壁用建材は、建築物の壁面の材料として用いるため、ゼオライト35〜65%と、塩基性物質0.01〜20.00%と、固形化材15〜64.99%を混合して成る構成である。
具体的には、本発明は、ゼオライト特有の効果である、ホルムアルデヒドをはじめとしたアルデヒド類やアンモニア等といった臭い物質の消臭効果、並びに、塩基性物質、例えば水酸化ナトリウムを規定量添加して誘起させる鹸化反応を利用したタール汚れの退色効果を同時に奏するとした解決手段を講じている。
これは、本発明の壁用建材の構成要素を挙げたものであり、上記効果を奏するためには塩基性物質を追加で添加するだけでよいという極めて簡単な構成かつ低コストで実現できるということを明らかにしている。
また、前記固形化材は、樹脂剤または消石灰からなり、前記壁用建材を板状に固化して壁体とした構成である。
また、前記壁用建材は、水に溶解し、平板に塗布して壁体とした構成でもある。
また、前記悪臭は、例えば煙草の臭いであることを特徴とするものである。
本発明の壁用建材は、主に喫煙施設の用途で用いることを企図していることから、主に消臭する臭いを煙草の煙としたものである。
また、前記有機性汚れは、例えばタールであることを特徴とするものである。
本発明の壁用建材は、主に喫煙施設の用途で用いることを企図していることから、主に退色させる有機性汚れをタールとしたものである。
また、本発明の壁用建材は、例えば壁面仕上げ材に用いることを特徴とするものである。
本発明の壁用建材は、主に喫煙施設の壁面仕上げ材で用いることを企図していることから、主な用途を壁面仕上げ材としたものである。
また、前記塩基性物質は、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群より選択される一または複数の材料からなる構成である。
これらは、塩基性物質の中でも特に有効な例を挙げている。これらの物質は、一般的な鹸化反応を生じさせるために使用される物質である。本発明においても、同様に選択され得る物質であり、これらは一種単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
また、前記塩基性物質とは水酸化ナトリウムからなることを特徴とするものである。
水酸化ナトリウムは、上記の塩基性金属化合物の中でも、鹸化反応を誘起させるために比較的多頻度で使用される物質であり、本発明においても、同様に選択され得る物質である。
また、前記壁用建材は、水酸化ナトリウムが、ゼオライトを含有する壁用建材に対して、0.01%〜20.00%の割合で添加されていることを特徴とするものである。
これは、塩基性物質として水酸化ナトリウムを利用した場合の添加量を規定したものである。この規定の添加量を下回る場合には、タール汚れに対する鹸化反応が不十分にしか誘起されず、汚れが残留してしまう恐れがある。一方で、この規定の添加量を上回る場合には、含有ゼオライト量が不足し、消臭効果が限定的となる恐れが残る。
1.ゼオライト35〜65%と、塩基性物質0.01〜20.00%とを含有する為、消臭効果および退色効果が期待できる。また、固形用部材を含有するため、固化可能な壁用建材を提供できる。
2.壁用建材に、樹脂剤または消石灰からなる固形用部材を混成して板状に固化したため、消臭効果および退色効果を有する壁体を提供することが可能となる。
3.壁用建材を水に溶解し、平板に塗布する構成としたため、既存の壁体に塗布することで容易に消臭効果および退色効果を有する壁体を構成することが可能となる。
4.壁用建材が、ゼオライト35〜65%と塩基性物質0.01〜20.00%とを含有する為、主に煙草の臭いを消臭することが可能となる。
5.壁用建材が、ゼオライト35〜65%と塩基性物質0.01〜20.00%とを含有する為、主にタールの汚れを退色することが可能となる。
6.壁用建材を壁面に塗布可能な構成としたため、壁面仕上げ材に使用することが可能となる。
7.塩基性物質が、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物から一または複数を選択して使用できる構成としたため、効果的な消臭効果および退色効果が期待できる。
8.塩基性物質を水酸化ナトリウムとしたため、煙草の煙に含まれるタールを、鹸化反応により分解退色させることが可能となる。
9.水酸化ナトリウムを0.01%〜20.00%の割合で添加する構成としたため、タールの汚れをより効果的に分解退色させることが可能となる。
本発明の壁用建材は、ゼオライトをベース材料としていることでゼオライト特有の効果であるホルムアルデヒドをはじめとしたアルデヒド類やアンモニアといった臭い物質の消臭効果を活かし、且つ、本発明に基づき添加した塩基性物質により誘起させる鹸化反応を利用することによって、悪臭の消臭効果とタール等の有機性汚れの退色効果を同時に得ている。
また、本発明の壁用建材に用いるゼオライトは白色であるであることが望ましく、例えばカチオン染料といった染料を用いることで、豊かなデザイン性を実現することができる。当然、染色に起因する、ゼオライト特有の消臭効果を失うといった不具合は生じない。
また、本発明の実施例として、壁用建材のベース材料に使用するジークライト株式会社のエコ壁カロンは天然ゼオライトを主要材料としており、国土交通大臣認定防火材料(認定番号NM−2014、区分不燃材料、通達番号国住指第744号、ゼオライト混入消石灰系塗材塗/基材(不燃材料(金属板を除く))<平成20年7月11日認定>)に認定された、防火建材として安全性の高い建材でもある。従って、本発明の壁用建材は、喫煙施設の用途として、出火等万一の事態に対しても高い安全性を誇り、この上ない最適な材料であることは明らかである。
また、本発明の壁用建材が天然ゼオライトを主要材料としていることは、天然ゼオライトが低コストであるという点で、コストの面で非常に有利である。しかしながら、本発明は天然のゼオライトだけに限定されるものではない。コストの面では更に、これまでの消臭機能を有さない喫煙施設においては、煙草の煙を排気・給気の機能のみで流出させ、消臭する必要があったが、本発明の壁用建材を用いることで、消臭効果を期待できるようになるため、排気・給気における使用電力の低減につながり、ひいては電力コストが削減される。
一度本発明の壁用建材を板状に加工した上で壁として施工した後に、再度本発明の壁用建材を板状に加工して施工することも有効である。また、従来の壁面に対して、本発明の壁用建材に水を混合して塗布可能とし、これを上塗りすることも可能である。更に、既に施工済みの建築物の壁に対して塗布することも可能である。これまでは、タール等で汚れてしまった既設の壁面に対して従来の壁用の建材を上塗りしてもタール汚れが浮く懸念があったが、本発明の壁用建材の場合にはタールが退色するため、タール汚れが浮くことのない綺麗な壁面を、既設の壁面を剥がすことなく極めて低コストでの実現が期待できる。
また、本発明の壁用建材には、光触媒を添加し、上記の効果を更に向上させることも有効である。用いる光触媒は屋外用でも屋内用でもいずれでもよく、その添加手法については、公知の手法を適用すれば足りる。
本発明の壁用建材の臭い消臭効果を示したグラフ
本発明に係る壁用建材は、ゼオライト由来の建材を用いて、煙草の臭いの消臭効果及びタールの退色効果を同時に奏すという目的を、塩基性物質、特に水酸化ナトリウムの添加により実現したものである。
本発明では、天然素材として、ゼオライトに着目した。ゼオライトは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含むアルミノケイ酸塩の多孔質物質であり、陽イオン交換容量(CEC)が大きいことをはじめとして、水分の吸放湿特性に優れ、ホルムアルデヒドをはじめとしたアルデヒド類やアンモニアといった悪臭成分の吸着にも優れた天然鉱物であるが、上記のような著しい効果を有しているにもかかわらず低コストであり、用途としてこれまでにも、調湿性建材、肥料の補助剤、家畜の飼料添加剤として、例えば悪臭の消臭や調湿の目的で用いられてきている。本発明では、ゼオライトの悪臭消臭効果に特に着目し、また、世界的に産出されるゼオライトの中でも、日本国内においてトップレベルの陽イオン交換能を誇り、且つ、原色が白色でありデザイン性に優れる、山形県米沢市板谷産の天然ゼオライトを含有する壁材を用いて試験を行った。
上記の天然ゼオライトを含有する壁材が、本発明の実施例として使用するジークライト株式会社で販売されている「エコ壁カロン」であり、本発明では、この「エコ壁カロン」の「しっくい調」と「砂かべ調」を壁用建材の材料として用いている。
これに添加するのは、塩基性物質であるが、本実施例では、塩基性物質としてアルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物のうちいずれか一または複数を選択して添加混成することとしている。これらの塩基性物質を一または複数選択して添加することにより、退色効果を促進することが期待できる。また、本実施例では特に、塩基性物質として、水酸化ナトリウムを使用している。水酸化ナトリウムは強塩基性物質であり、煙草の煙に含まれるタールを、鹸化反応により分解退色させる目的で用いている。この水酸化ナトリウムを用いるにより、より強い退色効果が期待できる。なお、水酸化ナトリウムに加えて更に他の前記塩基性物質を選択して混成してもよい。
但し、タールを鹸化反応させることにより生じた物質が、ゼオライトの孔を塞ぎ、ゼオライト特有の悪臭の消臭効果まで阻害する恐れがある。従って、タール塗布後に、煙草の煙の臭いを消臭可能であるかを検証している。
これらのゼオライトおよび水酸化ナトリウムは、それぞれ、ゼオライト35〜65%および水酸化ナトリウム0.01〜20.00%の割合で含有する構成である。この配分で混成した上で、建築物の壁面の材料とすることにより、壁面の消臭効果と有機性汚れの退色効果を得ることが可能となる。
また、本発明に係る壁用建材は、更に固形化材が15〜64.99%の割合で混合されている。これにより、壁用建材を固化することか可能となり、強度を有する建築物の壁面を構成することが可能となる。
具体的な実施例としては、上記の割合で混成した本発明に係る壁用建材を樹脂剤または消石灰からなる固形化材を混成することで板状に加工した上で壁体として施工する。また、本発明の壁用建材に水を混合して塗布可能とし、これを平板からなる既存の壁用部材に塗布することで壁体を構成する。これにより、予め定められた大きさからなる板状の壁体であって、消臭効果および退色効果を有する壁体を提供することが可能となる。なお、本発明に係る壁用建材の固形化材として、樹脂剤や消石灰を使用しているが、これに限定される事はなく、でんぷん糊や石膏など他の固化材を用いることも可能である。
更に、本発明の壁用建材に水を混合して塗布可能とし、これを既に建築物に施工済みの壁に塗布することも可能である。これにより、既に施工済みの壁であっても、容易に本発明に係る壁用建材を塗布施工することが可能となり、消臭効果および退色効果を得ることが可能となる。
本発明に係る壁用建材の具体的な実施例として、主に、喫煙施設の壁面仕上げ材として用いることを想定している。喫煙施設の壁面仕上げ材として、壁用建材を用いて板状に加工して壁として施工し、または既存の壁面に貼付または塗布する。これにより、喫煙施設の消臭効果及び壁に着いた汚れの退色効果を発揮することが可能となり、メンテナンスフリーである快適な喫煙施設を提供することが可能となる。なお、本発明に係る壁用材の用途は喫煙施設に限定されるものではなく、汚れやにおいが付着する可能性のある様々な施設の壁面に用いることが可能である。
本実施例では、エコ壁カロンを100重量部、水酸化ナトリウムを1〜10重量部、上記2つの材料を溶解させるための水分を80〜90重量部用いて混合し、本発明の壁用建材としている。これをボックスサンプルの壁部へ塗布し、1日から2日で乾燥させた。
試験用の煙草は、日本たばこ産業株式会社(登録商標)のメビウス(登録商標)スーパーライトタール6mgである。
図1のグラフは、煙草の副流煙をボックスサンプル内に充満させ、煙草の副流煙の臭いの消臭効果を確認したものであり、グラフの横軸が時間(単位は分)、縦軸が臭い数値である。この臭い数値は、台湾のGASTECH Co.,LTD.製のにおいモニター「OT−300」の測定数値であり、CIAQ値(Composite Index of Air Quality)と呼ばれ、空気中の炭化水素系化合物等の濃度と臭いを数値化したものである。なお、この臭い数値は、通常の大気状態で5〜20を示すことになっている。
図1のグラフにおける試験の流れについて説明する。まず、上記の銘柄の煙草「メビウス(登録商標)スーパーライトタール6mg」15本分を用いて抽出し作製を行ったタールの抽出液を、同じサンプルボックスへ刷毛又は霧吹きを用いて塗布を行う。このタールの抽出液は黄褐色であり、本発明の壁用建材による鹸化反応と考えられる反応により分解し、タール色は退色、その特有の臭いも消臭された。
次に、上記の同じサンプルボックスを引き続き用いて、グラフの横軸における0分から10分にかけて、煙草の副流煙をボックスサンプル内に充満させる。それから、副流煙の発生源をボックスサンプル内から除去し、グラフの横軸における10分から20分の間の10分間、無風状態とした。その後、グラフの横軸における20分から40分にかけて、ボックスサンプル内においてドラフト通風を実施している。
但し、当該のボックスサンプルには排気口は備わっておらず、給気口から煙草の煙が流れ込むだけとなっているため、ボックスサンプルからの逃げ場はない。なお、ドラフト通風を実施しているのは、給気口、排気口を備えた喫煙施設のような還流状態を想定しているためである。このようにして、図1において、試験データを得ている。
図1の4本のグラフについてであるが、品質の保証として、製造後の効果持続期間を示したものである。四角点のグラフは、エコ壁カロン「しっくい調」を材料とした、開封直後の本発明の壁用建材で試験を行ったグラフである。次に、三角点のグラフは、エコ壁カロン「しっくい調」を材料とした、製造後2ヶ月の経過した本発明の壁用建材で試験を行ったグラフである。そして、バツ点のグラフは、エコ壁カロン「砂かべ調」を材料とした、製造後1ヶ月経過した開封直後の本発明の壁用建材で試験を行ったグラフである。最後に、3本線の交差した点のグラフであるが、エコ壁カロン「砂かべ調」を材料とした、製造後1ヶ月開封後1ヶ月経過した本発明の壁用建材で試験を行ったグラフである。
図1のいずれのグラフからも、消臭試験の結果、ドラフト通風により還流状態を作り出すことで、煙草の副流煙の臭いが消臭されたことがわかる。これらの結果から、時間の経過による効果の劣化は極めて限定的であり、長期間の保存に向く壁用建材であることがわかった。
今回実施した試験結果より、本発明の壁用建材は、煙草の煙を消臭することはもちろんのこと、同時に、煙草のタールをも退色させることが可能となることが明らかとなったため、給気口、排気口を備えた実際の喫煙施設に本発明の壁用建材を用いることによって、ほぼメンテナンスフリーの喫煙施設を提供することができるものと考えられる。
更に、本発明の壁用建材には、光触媒を添加することで、上記の効果の向上を図ることができ、EVONIK INDUSTRIES(登録商標)の光触媒「製品名 P25」を、前記重量組成に対して0.1〜5.0重量部混ぜ込んだ壁面に、タールの抽出液を塗布したところ、光触媒を添加しないサンプルと比較して、室内での試験結果にもかかわらず、タール抽出液の退色速度が向上した。
また、本発明の壁用建材は、山形県米沢市板谷産の天然鉱物ゼオライトをベース材料としており、白色であることが大きな特徴である。従って、デザインのため、様々な色調に染色することが可能である。本発明では、臭いの消臭効果を活かしつつ、デザイン性も充実させるため、日本化薬株式会社(登録商標)のカチオン染料を用いており、煙草の消臭試験においては、青色のカチオン染料「B.GTL−ED(t)」を用いた。使用方法としては、本発明の壁用建材の粉末を溶解させる際に同時に添加してもよいし、壁面への施工後に刷毛塗してもよい。染色具合がより映えるのは、壁用建材の粉末を溶解させる際に同時に添加する方法である。
また、本発明の壁用建材は、既設の壁の上より再度施工することも有効である。但し、施工に際しては、既設の壁の材質に従い、適切に行うこととする。
本発明の壁用建材によって、煙草の臭いの消臭と、煙草のタールの退色を同時に行うことが可能となる。当然、本発明の壁用建材は、煙草の臭いや煙草のタールに限らず、一般的な臭いや有機性汚れにも対応可能であり、また防火建材でもあることから、例えば、同様の問題を有する飲食店舗等の用途にも幅広く適用できる。

Claims (9)

  1. 悪臭の消臭効果及び有機性汚れの退色効果を同時に備えた壁用建材が、
    建築物の壁の材料として用いるため、ゼオライト35〜65%と、塩基性物質0.01〜20.00%と、固形化材15〜64.99%を混合して成ることを特徴とする壁用建材。
  2. 前記固形化材は、樹脂剤または消石灰からなり、前記壁用建材を板状に固化して壁体としたことを特徴とする請求項1記載の壁用建材。
  3. 前記壁用建材は、水に溶解し、平板に塗布して壁体としたことを特徴とする請求項1記載の壁用建材。
  4. 前記悪臭は、煙草の臭いであることを特徴とする、請求項1記載の壁用建材。
  5. 前記有機性汚れは、タールであることを特徴とする、請求項1記載の壁用建材。
  6. 前記壁用建材は、壁面仕上げ材に用いることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の壁用建材。
  7. 前記塩基性物質は、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物からなる群より選択される一または複数の材料からなることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の壁用建材。
  8. 前記塩基性物質は、水酸化ナトリウムからなることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の壁用建材。
  9. 前記壁用建材は、前記水酸化ナトリウムを0.01%〜20.00%の割合で添加したことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の壁用建材。
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