JP2017048094A - 炭素系材料、並びにそれを備える電極及び微生物燃料電池 - Google Patents

炭素系材料、並びにそれを備える電極及び微生物燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒活性が高く、容易に製造することができ、さらに経時劣化を抑制することが可能な炭素系材料、並びに当該炭素系材料を備える電極及び微生物燃料電池を提供する。【解決手段】炭素系材料(10)は、膨張黒鉛粒子(2)からなる膨張黒鉛シート(1)を含有する。また、炭素系材料は、膨張黒鉛粒子の表面にドープされている、窒素及び硫黄の少なくとも一方の非金属元素における非金属原子又は非金属イオンを含有する。さらに炭素系材料は、膨張黒鉛粒子の表面にドープされている、周期表の8〜11族の元素群から選ばれる少なくとも一種の金属元素における金属原子又は金属イオンを含有する。また、電極は上述の炭素系材料を備え、微生物燃料電池は上述の電極を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素系材料、並びにそれを備える電極及び微生物燃料電池に関する。詳細には、本発明は、触媒活性が高く、さらに容易に製造することが可能な炭素系材料、並びに当該炭素系材料を備える電極及び微生物燃料電池に関する。
下記に示す酸素還元反応は、H/O燃料電池、食塩電解等における正極反応であり、エネルギー変換電気化学デバイスなどにおいて重要である。
+4H+4e→2H
また、この酸素還元反応の逆反応である下記の酸素発生反応は、水の電気分解等における負極反応として重要である。
2HO→O+4H+4e
各種デバイスにおいて酸素還元反応又は酸素発生反応を進行させる場合、通常は触媒として白金、酸化ルテニウム、酸化イリジウムなどの貴金属が広く使用されている。例えば、特許文献1では、カーボンブラック担体に、白金族金属及び白金族合金からなる群より選ばれる金属粒子が担持された金属担持触媒を使用した固体高分子形燃料電池の製造方法が開示されている。また、上記触媒と含フッ素イオン交換樹脂とを含む固形物を粉砕し、得られた粉末をカーボンクロス等からなるガス拡散層に固定することが開示されている。
特開2002−184414号公報
しかしながら、特許文献1のように、触媒が粒子状の場合には、ガス拡散層等に触媒を固定化させるための手間を要するようになる。また、触媒をガス拡散層等の部材に固定するためには、含フッ素イオン交換樹脂等のバインダーが必要となる。ただ、ガス拡散電極を長期間使用すると、電極反応により生成する酸素ラジカル種等によって、バインダーが次第に劣化してしまう。その結果、ガス拡散電極が経時劣化しやすくなるという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、触媒活性が高く、容易に製造することができ、さらに経時劣化を抑制することが可能な炭素系材料、並びに当該炭素系材料を備える電極及び微生物燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第一の態様に係る炭素系材料は、膨張黒鉛粒子からなる膨張黒鉛シートを含有する。また、炭素系材料は、膨張黒鉛粒子の表面にドープされている、窒素及び硫黄の少なくとも一方の非金属元素における非金属原子又は非金属イオンを含有する。さらに炭素系材料は、膨張黒鉛粒子の表面にドープされている、周期表の8〜11族の元素群から選ばれる少なくとも一種の金属元素における金属原子又は金属イオンを含有する。
本発明の第二の態様に係る炭素系材料は、膨張黒鉛粒子からなる膨張黒鉛シートを含有する。また、炭素系材料は、窒素及び硫黄の少なくとも一方の非金属元素における非金属原子又は非金属イオンと、周期表の8〜11族の元素群から選ばれる少なくとも一種の金属元素における金属原子又は金属イオンとを含む化合物を含有する。そして、当該化合物は、膨張黒鉛粒子の表面に担持されている。
本発明の第三の態様に係る電極は、上述の炭素系材料を備える。
本発明の第四の態様に係る微生物燃料電池は、上述の電極を備える。
本発明によれば、触媒活性が高く、容易に製造することができ、さらに経時劣化を抑制することが可能な炭素系材料を得ることができる。また、当該炭素系材料を備えた電極及び微生物燃料電池は、経時劣化が抑制されるため、長期間に亘り高い発電性能を維持することができる。
本発明の実施形態に係る炭素系材料を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池を示す概略図である。 実施例1のガス拡散電極におけるリニアスイープボルタンメトリーの測定結果を示すグラフである。 実施例2のガス拡散電極におけるリニアスイープボルタンメトリーの測定結果を示すグラフである。 実施例3のガス拡散電極におけるリニアスイープボルタンメトリーの測定結果を示すグラフである。 実施例4のガス拡散電極におけるリニアスイープボルタンメトリーの測定結果を示すグラフである。 比較例1のガス拡散電極におけるリニアスイープボルタンメトリーの測定結果を示すグラフである。 比較例2のガス拡散電極におけるリニアスイープボルタンメトリーの測定結果を示すグラフである。 実施例1、比較例1及び比較例2のガス拡散電極におけるリニアスイープボルタンメトリーの測定結果を示すグラフである。 密度汎関数理論を用いて酸素還元活性を計算する際に使用したモデル構造体を示す図である。 図10のモデル構造体を用いて計算した結果を示すグラフである。
以下、本実施形態に係る炭素系材料、並びに当該炭素系材料を備える電極及び微生物燃料電池について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[炭素系材料]
本実施形態の炭素系材料10は、図1に示すように、膨張黒鉛粒子2からなる膨張黒鉛シート1を備えている。さらに炭素系材料10は、膨張黒鉛粒子2の表面に存在し、窒素及び硫黄の少なくとも一方の非金属元素における非金属原子又は非金属イオンと、周期表の8〜11族の元素群から選ばれる少なくとも一種の金属元素における金属原子又は金属イオンとを含有する。そして、膨張黒鉛粒子2の表面に存在する非金属原子又は非金属イオンと、金属原子又は金属イオンは、例えば酸素還元反応を促進する活性層3を形成している。
上述の膨張黒鉛シートは、例えば、次のようにして得られるものである。まず、天然黒鉛を酸によって化学処理を施し、黒鉛のグラフェン層の層間へ挿入物を形成させる。次に、これを高温で急速加熱することで、層間挿入物の熱分解によるガス圧でグラフェン層間が押し広がった膨張黒鉛が得られる。そして、この膨張黒鉛を加圧し、ロール圧延することにより、膨張黒鉛シートが得られる。このようにして得られた膨張黒鉛シートは、図1に示すように、扁平状の膨張黒鉛粒子2が膨張黒鉛シート1の面方向に沿って配列している。そのため、膨張黒鉛シート1の面方向の導電性が高いことから、炭素系材料と外部回路との間の導電性が向上し、電池反応の効率をより高めることが可能となる。また、膨張黒鉛粒子2の層間に空隙が存在するため、膨張黒鉛シート1は可撓性を有している。
膨張黒鉛シート1は、可能な限り電気抵抗が小さい方が好ましい。後述するように、炭素系材料10を電極として用いる際、膨張黒鉛シート1の電気抵抗が小さい場合には、抵抗損失を抑制することが可能となる。膨張黒鉛シート1の電気抵抗率は、面方向が10mΩ・cm以下であることが好ましく、厚さ方向が10Ω・cm以下であることが好ましい。なお、上述の電気抵抗率は、例えば四探針法により測定することができる。
膨張黒鉛シート1の密度は、0.05〜10g/cmの範囲であることが好ましい。膨張黒鉛シート1の密度が当該範囲外でも本実施形態の効果を発揮することは可能である。ただ、膨張黒鉛シート1の密度が0.05g/cm未満の場合、可撓性が極めて小さくなり、シートとしての形状を保持することが難しくなる恐れがある。また、膨張黒鉛シート1の密度が10g/cmを超える場合、膨張黒鉛シートの厚さ方向の気体透過性が小さくなり、炭素系材料の触媒活性が低下する恐れがある。
膨張黒鉛粒子2の表面に存在する活性層3は、膨張黒鉛シート1を構成する膨張黒鉛粒子2の周囲全体に亘って形成されていてもよく、また膨張黒鉛粒子2の表面の一部に形成されていてもよい。また、膨張黒鉛シート1の最表面に存在する膨張黒鉛粒子2の表面露出部2aにのみ形成されていてもよい。
炭素系材料10において、非金属原子又は非金属イオンと、金属原子又は金属イオンとが、膨張黒鉛粒子2の表面にドープされていることが好ましい。言い換えれば、活性層3は、膨張黒鉛粒子2の表面に非金属原子又は非金属イオンと、金属原子又は金属イオンとがドープされることで形成されていることが好ましい。
ここで、本明細書において、「非金属原子又は非金属イオンが膨張黒鉛粒子の表面にドープされている」とは、膨張黒鉛粒子を構成する原子と非金属原子又は非金属イオンとが化学結合していることをいう。特に、非金属原子又は非金属イオンが、膨張黒鉛粒子中の炭素骨格の中に組み込まれていることが好ましい。より具体的には、例えば、sp炭素が順次結合して構成されている炭素骨格における1つ以上の炭素が、非金属元素からなるドーパント原子(非金属原子又は非金属イオン)と置換されていることが好ましい。
上述のように、活性層3は、膨張黒鉛粒子2の周囲全体に亘って形成されていてもよく、膨張黒鉛粒子2の表面の一部に形成されていてもよい。また、活性層3は、膨張黒鉛粒子2の表面露出部2aにのみ形成されていてもよい。言い換えれば、本実施形態において、非金属原子又は非金属イオンと、金属原子又は金属イオンとが、膨張黒鉛粒子2のうち、膨張黒鉛シート1の最表面に存在する部分にドープされていてもよい。膨張黒鉛シート1の最適な箇所に、活性層3を構成する非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとをドープすることにより、活性層3による触媒活性の最適化を図ることが可能となる。
膨張黒鉛粒子2に非金属原子又は非金属イオンがドープされていることは、例えば、ラマン分光測定を行うことにより確認することができる。具体的には、まず、炭素系材料に関し、ラマン分光測定によって得られるラマンスペクトルにおける、炭素のsp軌道による結合に由来するGバンドのピークと、炭素のsp軌道による結合の欠陥に由来するDバンドのピークとを確認する。このDバンドのピークの強度(Id)と、Gバンドのピークの強度(Ig)との比(Id/Ig)は、炭素系材料に異種元素がドープされることで大きくなる。そのため、非金属原子又は非金属イオンがドープされていない炭素系材料の場合と比較し、強度比(Id/Ig)が大きい場合には、異種元素がドープされていると判断できる。
また、膨張黒鉛粒子2に非金属原子又は非金属イオンがドープされていることは、X線光電子分析法(XPS)でも確認することができる。具体的には、炭素系材料に関し、XPSにより得られた束縛エネルギースペクトルにおける、炭素系材料にドープされた非金属原子及び非金属イオンに由来するピーク位置に基づいて、異種元素がドープされていることを確認できる。このようなピーク位置としては、例えば窒素原子の1s軌道電子に由来するピーク位置を用いることができる。そのため、例えば、非金属原子が窒素である場合、束縛エネルギースペクトルにおける、窒素の1s軌道電子に由来するピークが399.9eV付近に位置していれば、炭素骨格の中に組み込まれた窒素の存在を確認できる。
また、本明細書において、「金属原子又は金属イオンが膨張黒鉛粒子の表面にドープされている」とは、膨張黒鉛粒子を構成する原子と金属原子又は金属イオンとが化学結合していることをいう。特に、金属原子又は金属イオンが、膨張黒鉛粒子にドープされている非金属原子又は非金属イオンと、配位結合又はイオン結合していることが好ましい。この場合、膨張黒鉛粒子にドープされている金属原子又は金属イオンは、膨張黒鉛粒子中の炭素原子と直接結合していなくてもよい。
膨張黒鉛粒子2に金属原子又は金属イオンがドープされていることは、例えば、K端広域X線吸収微細構造(EXAFS)より確認することができる。具体的には、炭素系材料について、Pt、Ir、Osを除く金属原子又は金属イオンのEXAFSをフーリエ変換して得られる動径分布関数に、金属原子と非金属原子との配位結合(又はイオン結合)距離付近でピークが現れているか否かを確認する。このようなピークが現れていれば、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとの配位結合又はイオン結合の存在を確認できる。Pt、Ir、Osについては、金属原子又は金属イオンのLIII端EXAFSをフーリエ変換して得られる動径分布関数に、金属原子と非金属原子との配位結合(又はイオン結合)距離付近でピークが現れているか否かを確認する。このようなピークが現れていれば、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとの配位結合又はイオン結合の存在を確認できる。
ここで、上記EXAFSについて説明する。EXAFSとは、XAFS(X線吸収微細構造)スペクトルにおける、X線の吸収端より約100eV以上高エネルギー側に現れるスペクトルの微細構造をいう。また、XAFSスペクトルにおける吸収端近傍構造は、XANES(X線吸収端近傍構造)という。
一般に、EXAFSの振動成分(X線の電子の波数kによって振動する吸収スペクトルの振動強度)χ(k)は、次の式で表される。
Figure 2017048094
Riはi番目の散乱原子における吸収原子からの距離、Aiはi番目の散乱原子の数、σiはi番目の散乱原子における熱振動の平均二乗振幅である。λは光電子の平均自由工程、δiはi番目の散乱原子における散乱による位相シフト、fi(π)はi番目の散乱原子における180°の散乱角で後方散乱する原子散乱因子である。動径分布関数は、χ(k)をフーリエ変換することにより求めることができる。
炭素系材料10の金属原子に関し、K端EXAFSスペクトルの測定を行う場合、測定の対象となるのは炭素系材料10のみである。炭素系材料10に混入している物質や、炭素系材料10に付着している物質などのように、炭素系材料10とは独立して存在している物質は、測定の対象からは除外される。このため、炭素系材料10の金属原子に対するK端EXAFSスペクトルの測定にあたっては、予め酸性水溶液により炭素系材料10を洗浄するなどして、炭素系材料10とは独立して存在している物質の混入量を充分に低減しておく必要がある。
EXAFS及び動径分布関数を得る方法について、更に具体的に説明する。まず、XAFSスペクトルは、例えばイオンチャンバー検出器を用いた透過法にて測定される。スペクトルの測定にあたっては、測定ごとに事前にエネルギー軸を較正する必要がある。エネルギー軸較正にあたっては、例えばCu金属のCuK端XANESについて、X軸をエネルギー、Y軸を吸光度としたグラフにおける第1ピークの極大点の値を、8980.3eVとすることとする。
このXAFSスペクトルデータから、次の手法により、動径分布関数が導出される。まず、XAFSスペクトルデータから、定法によりバックグラウンドノイズを差し引く。続いて、吸収端エネルギー(E0)を原点として、−150eV〜−30eVの範囲における平均強度がゼロとなるような強度軸ゼロとなるベースラインを設定する。また、+150eV〜+550eVの範囲における平均強度が1となるような強度軸1となるベースラインも設定する。このとき、吸収端エネルギー(E0)付近の立ち上がりスペクトル上における、2つのベースラインの中間点に吸収端エネルギー(E0)がくるように、二つのベースラインを設定する。続いて、これらの二つのベースラインを直線に置き換えて波形を調整する。この操作により、エネルギー(単位:eV)軸が波数(k、単位:1/Å)軸に置き換わり、上記数式で定義されるEXAFSの振動成分χ(k)が抽出される。
次に、上記操作によって得られたスペクトルにkの3乗を乗じた後、フーリエ変換を実施する。フーリエ変換を実施するk領域は2.5〜11.5(1/Å)とする。これにより、強度をY軸、原子間距離RiをX軸とする動径分布関数が得られる。そして、当該動径分布関数における金属原子と非金属原子との配位結合(又はイオン結合)距離付近のピークにより、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとの配位結合又はイオン結合の存在を確認することができる。
ここで、金属原子又は金属イオンがPt、Ir、Osを除く金属である場合、金属原子又は金属イオンのEXAFSをフーリエ変換して得られる動径分布関数における、金属原子又は金属イオンの金属結合距離付近に現れる最大ピークの強度を強度Bとする。さらに、金属原子又は金属イオンと非金属原子又は非金属イオンとの配位結合(又はイオン結合)距離付近に現れる最大ピークの強度を強度Aとする。そして、強度Bに対する強度Aの比A/Bは、4.0以上であることが好ましい。強度Bに対する強度Aの比A/Bが4.0以上である場合、金属炭化物などの不純物に相当する化合物の割合が低くなるため、触媒反応を阻害せず、電極の触媒活性を高くすることが可能となる。
また、金属原子又は金属イオンがPt、Ir、Osの場合、金属原子又は金属イオンのLIII端EXAFSをフーリエ変換して得られる動径分布関数における、金属原子又は金属イオンの金属結合距離付近に現れる最大ピークの強度を強度Bとする。さらに、金属原子又は金属イオンと非金属原子又は非金属イオンとの配位結合(又はイオン結合)距離付近に現れる最大ピークの強度を強度Aとする。そして、強度Bに対する強度Aの比A/Bは、4.0以上であることが好ましい。上述と同様に、比A/Bが4.0以上である場合、金属炭化物などの不純物に相当する化合物の割合が低くなるため、電極の触媒活性を高くすることが可能となる。
なお、膨張黒鉛粒子2に金属原子又は金属イオンがドープされていることは、例えば、X線吸収スペクトル(XAS)によっても確認することができる。具体的には、まず、炭素系材料について得られるX線吸収スペクトルにおける、非金属原子又は非金属イオンの内殻電子(例えば窒素原子であれば1s軌道電子)の非占有軌道への励起に由来する吸収ピークの位置を測定する。さらに、金属原子又は金属イオンの内殻電子(例えば鉄原子であれば2p軌道電子)の非占有軌道への励起に由来する吸収ピークの位置を測定する。そして、これらの吸収ピーク位置の各々が、配位結合又はイオン結合が存在しない場合のピーク位置からシフトし、且つ、これらのピーク位置のシフト方向が互いに異なる方向か否かを確認する。その結果、ピーク位置からシフトし、かつ、シフト方向が互いに異なる場合には、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとの配位結合又はイオン結合の存在を確認できる。これは、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとが配位結合又はイオン結合することにより、一方の原子の電子密度が高く、他方の原子の電子密度が低くなるからである。すなわち、非金属原子と金属原子のうち、電子密度が高くなる原子に由来する吸収エネルギーのピークは低エネルギー側にシフトし、電子密度が低くなる原子に由来する吸収エネルギーのピークは高エネルギー側にシフトするからである。
上述のように、本実施形態の炭素系材料10は、膨張黒鉛粒子2の表面に、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとが存在している。そして、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとは、膨張黒鉛粒子2の表面にドープされていることが好ましい。ただ、本実施形態はこの態様に限定されず、非金属原子又は非金属イオンと、金属原子又は金属イオンとを含む化合物が、膨張黒鉛粒子2の表面に担持されていてもよい。言い換えれば、活性層3は、膨張黒鉛粒子2の表面に、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物が担持されることで形成されていてもよい。
本明細書では、「非金属原子又は非金属イオンと、金属原子又は金属イオンとを含む化合物が、膨張黒鉛粒子の表面に担持されている」とは、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物が、膨張黒鉛粒子の表面に付着していることをいう。
非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとは、他の炭素粒子を介して膨張黒鉛粒子2の表面に付着していてもよい。つまり、例えば、当該炭素粒子に、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとをドープした後、得られた炭素粒子の化合物を、膨張黒鉛粒子の表面に付着させてもよい。このように、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとが他の炭素粒子を介して担持されても、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンは、酸素還元反応を促進することが可能となる。
上述のように、活性層3は、膨張黒鉛粒子2の周囲全体に亘って形成されていてもよく、膨張黒鉛粒子2の表面の一部に形成されていてもよい。また、活性層3は、膨張黒鉛粒子2の表面露出部2aにのみ形成されていてもよい。言い換えれば、本実施形態において、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物が、膨張黒鉛粒子2のうち、膨張黒鉛シート1の最表面に存在する部分に担持されていてもよい。また、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物が、膨張黒鉛シート1を構成する膨張黒鉛粒子2の表面全体に担持されていてもよい。膨張黒鉛シート1の最適な箇所に、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物を担持することにより、活性層3による触媒活性の最適化を図ることが可能となる。
上述のように、本実施形態の炭素系材料10は、窒素及び硫黄の少なくとも一方の非金属元素における非金属原子又は非金属イオンと、周期表の8〜11族の元素群から選ばれる少なくとも一種の金属元素における金属原子又は金属イオンとを含有している。金属元素としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金及び金からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を使用することができる。ただ、炭素系材料10は、窒素原子又は窒素イオンと、鉄原子又は鉄イオンとを含有することが好ましい。つまり、炭素系材料10において、非金属元素として窒素を使用し、金属元素として鉄を使用することが好ましい。窒素及び鉄は、膨張黒鉛粒子の表面にドープ又は担持されやすく、さらに膨張黒鉛粒子の表面に存在することで触媒活性を容易に高めることが可能となる。
次に、本実施形態に係る炭素系材料の製造方法について説明する。本実施形態の炭素系材料の製造方法は、膨張黒鉛シート1における膨張黒鉛粒子2の表面に、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとが存在させることが可能ならば特に限定されない。
非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを、膨張黒鉛粒子2の表面にドープした炭素系材料は、次のように製造することができる。まず、非金属原子及び非金属イオンのうちの少なくとも一種と、金属原子及び金属イオンのうちの少なくとも一種とを含む分散溶液又は錯体溶液を調製し、この溶液を膨張黒鉛シート1の表面に塗布する。次に、塗布された膨張黒鉛シート1を、不活性ガス雰囲気下、800℃〜1000℃の高温で数十秒〜数分間の短時間焼成した後、硫酸などの酸性溶液で洗浄する。これにより、非金属原子又は非金属イオンと、金属原子又は金属イオンとを、膨張黒鉛粒子2の表面にドープすることができる。
ここで、上述の分散溶液又は錯体溶液としては、非金属原子と当該非金属原子に配位結合した金属原子とを含む化合物を用いることができ、特に非金属原子と当該非金属原子に配位結合した金属原子とを含む錯体を用いることが好ましい。そして、当該化合物は、ポルフィリン環及びフタロシアニン環の少なくとも一方をさらに含むことが好ましい。このような化合物としては、例えば、鉄−プロトポルフィリンIX錯体、コバルト−プロトポルフィリンIX錯体、ベンジルジスルフィド−銅錯体、フタロシアニン鉄(II)錯体、鉄−ペンタエチレンヘキサミン錯体溶液が挙げられる。
また、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを、膨張黒鉛粒子2のうち膨張黒鉛シート1の最表面に存在する部分にドープした炭素系材料は、次のように製造することができる。まず、非金属原子及び非金属イオンのうちの少なくとも一種と、金属原子及び金属イオンのうちの少なくとも一種とを含む分散溶液又は錯体溶液を、粘度が10000mPa・s以上となるように調製する。そして、この溶液を膨張黒鉛シートの表面に塗布する。次に、塗布された膨張黒鉛シート1を、不活性ガス雰囲気下、800℃〜1000℃の高温で数十秒〜数分間の短時間焼成した後、硫酸などの酸性溶液で洗浄する。これにより、非金属原子又は非金属イオンと、金属原子又は金属イオンとが、膨張黒鉛シート1の最表面に存在する膨張黒鉛粒子2の表面露出部2aにドープすることができる。
非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを、膨張黒鉛シート1を構成する膨張黒鉛粒子2の表面全体にドープした炭素系材料は、次のように製造することができる。まず、非金属原子及び非金属イオンのうちの少なくとも一種と、金属原子及び金属イオンのうちの少なくとも一種とを含む分散溶液又は錯体溶液を、溶液の粘度が100mPa・s以下となるように調製する。そして、この溶液中に膨張黒鉛シートを浸し、膨張黒鉛シートに溶液を浸透させる。その後、溶媒を除去することで、膨張黒鉛粒子の表面に、非金属原子又は非金属イオンのうちの少なくとも一種と、金属原子及び金属イオンのうちの少なくとも一種が付着した状態とする。次に、これらが付着した膨張黒鉛シートを、不活性ガス雰囲気下、800℃〜1000℃の高温で数十秒〜数分間の短時間焼成した後、硫酸などの酸性溶液で洗浄する。これにより、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを、膨張黒鉛粒子2の表面全体にドープすることができる。
非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物を、膨張黒鉛粒子2の表面に担持した炭素系材料は、次のように製造することができる。まず、非金属原子及び非金属イオンのうちの少なくとも一種と、金属原子及び金属イオンのうちの少なくとも一種とを含む高分子の溶液を調製し、この溶液を膨張黒鉛シート1の表面に塗布する。次に、塗布された膨張黒鉛シート1を、不活性ガス雰囲気下、600℃〜1000℃で30分〜数時間焼成した後、硫酸などの酸性溶液で洗浄する。これにより、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物を、膨張黒鉛粒子の表面に担持することができる。
非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物を、膨張黒鉛粒子2のうち膨張黒鉛シート1の最表面に存在する部分に担持した炭素系材料は、次のように製造することができる。まず、非金属原子及び非金属イオンのうちの少なくとも一種と、金属原子及び金属イオンのうちの少なくとも一種とを含む高分子の溶液を、粘度が10000mPa・s以上となるように調製する。そして、この溶液を膨張黒鉛シート1の表面に塗布する。次に、塗布された膨張黒鉛シート1を、不活性ガス雰囲気下、600℃〜1000℃で30分〜数時間焼成した後、硫酸などの酸性溶液で洗浄する。これにより、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物を、膨張黒鉛シート1の最表面に存在する膨張黒鉛粒子2に担持することができる。
非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物を、膨張黒鉛シート1を構成する膨張黒鉛粒子2の表面全体に担持した炭素系材料は、次のように製造することができる。まず、非金属原子及び非金属イオンのうちの少なくとも一種と、金属原子及び金属イオンのうちの少なくとも一種とを含む高分子の溶液を、粘度が100mPa・s以下となるように調製する。そして、この溶液中に膨張黒鉛シートを浸し、膨張黒鉛シートに溶液を浸透させる。その後、溶媒を除去することで、膨張黒鉛粒子の表面に、非金属原子及び非金属イオンのうちの少なくとも一種と、金属原子及び金属イオンのうちの少なくとも一種が付着した状態とする。次に、これらが付着した膨張黒鉛シートを、不活性ガス雰囲気下、600℃〜1000℃で30分〜数時間焼成した後、硫酸などの酸性溶液で洗浄する。これにより、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物を、膨張黒鉛シート1を構成する膨張黒鉛粒子2の表面全体に担持することができる。
このように、本実施形態の炭素系材料10は、膨張黒鉛粒子2からなる膨張黒鉛シート1を含有する。また、炭素系材料10は、膨張黒鉛粒子2の表面にドープされている、窒素及び硫黄の少なくとも一方の非金属元素における非金属原子又は非金属イオンを含有する。さらに、炭素系材料10は、膨張黒鉛粒子2の表面にドープされている、周期表の8〜11族の元素群から選ばれる少なくとも一種の金属元素における金属原子又は金属イオンも含有する。
また、本実施形態の炭素系材料10は、膨張黒鉛粒子2からなる膨張黒鉛シート1を含有する。炭素系材料10は、窒素及び硫黄の少なくとも一方の非金属元素における非金属原子又は非金属イオンと、周期表の8〜11族の元素群から選ばれる少なくとも一種の金属元素における金属原子又は金属イオンとを含有する。そして、当該化合物は、膨張黒鉛粒子2の表面に担持されている。
本実施形態の炭素系材料10は、膨張黒鉛シート1又は膨張黒鉛粒子2の表面自体が高い触媒活性を有することから、粒子状の触媒を担持することが不要となる。そのため、バインダーの劣化に伴う電極性能の劣化が抑制されることから、電極として高耐久性を有することが可能となる。
さらに、膨張黒鉛シート1は高い気体透過性を有する一方、水を透過し難い。そのため、後述する撥水層を備えない構成においても、微生物燃料電池などの水に浸漬する用途におけるガス拡散電極として、本実施形態の炭素系材料10を用いることができる。さらに、膨張黒鉛シート1は、面方向の導電性が高いことから、ガス拡散電極として用いた場合、燃料電池の発電性能を向上させることが可能となる。また、膨張黒鉛シート1は、可撓性に優れていることから、炭素系材料10を例えば耐水圧性の高い形状など、任意の形状に変形することが可能となる。
[電極及び微生物燃料電池]
次に、本実施形態の電極及び微生物燃料電池について説明する。本実施形態の電極は上述の炭素系材料を備え、微生物燃料電池は当該電極を備えるものである。
図2は、本実施形態における燃料電池20の構成の一例を示す断面図である。なお、同図には、燃料電池20に接続された場合に電流が供給される外部回路30も図示されている。燃料電池20は、炭素系材料10を電極として備える。この燃料電池20は、電気を放出することのできる一次電池であり、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)及びリン酸形燃料電池(PAFC)のような水素燃料電池、並びに微生物燃料電池(MFC)を包含するものである。
水素燃料電池は、水の電気分解の逆反応により、水素と酸素から電気エネルギーを得る燃料電池であり、PEFC、PAFC、アルカリ形燃料電池(AFC)、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、固体電解質形燃料電池(SOFC)等が知られている。本実施形態の燃料電池20は、PEFC又はPAFCであることが好ましい。PEFCはプロトン伝導性イオン交換膜を電解質材とする燃料電池であり、PAFCはマトリクス層に含浸されたリン酸(HPO)を電解質材とする燃料電池である。
このような燃料電池20は、図2に示すように、例えば、電解液21(電解質材)を備える。また、燃料電池20は、負極22(燃料極)と正極23(空気極)とを備える。負極22は、酸素発生反応により、外部回路30に電子を放出する電極である。また、正極23は、酸素還元反応により、外部回路30から電子が流入する電極である。
本実施形態において、正極23はガス拡散電極として構成され、上述の炭素系材料10を備える。具体的には、本実施形態の炭素系材料10は、ガス拡散層及び電極触媒として正極23に含まれる。
ガス拡散電極は、水素燃料電池及びMFC等の電極に好適に適用され得る。本実施形態における燃料電池20は、正極23を備え、さらに正極23が炭素系材料10を含む電極触媒を備えるガス拡散電極であること以外は、公知の構成を有していればよい。例えば、燃料電池20は、電気学会燃料電池発電次世代システム技術調査専門委員会編、「燃料電池の技術」、株式会社オーム社、2002年8月に記載の構成を有することができる。また、燃料電池20は、Watanabe,K., Journal of Bioscience and Bioengineering, 2008, 106, 528-536に記載の構成を有することもできる。
なお、上記説明では、正極23がガス拡散電極として構成され、炭素系材料10を備えているとして説明したが、これに限らない。本実施形態における燃料電池20において、ガス拡散電極は、負極22及び正極23のいずれにも用いることができる。
例えば、本実施形態における燃料電池20が水素燃料電池である場合、炭素系材料10を含む電極触媒を備えるガス拡散電極は、負極22として用いられてもよい。この場合、負極22に含まれる電極触媒は、燃料である水素ガスの酸化反応(H→2H+2e)を促進して、負極22に電子を供与する。また、炭素系材料10を含む電極触媒を備えるガス拡散電極は、正極23として用いられてもよい。この場合、正極23に含有される電極触媒は、酸化剤である酸素ガスの還元反応(1/2O+2H+2e→HO)を促進する。
このように、炭素系材料10が酸素還元電極触媒として用いられる場合、この電極触媒を備えるガス拡散電極等の電極は、例えば燃料電池における正極、二酸化炭素透過装置における正極、食塩電解装置における正極等に適用される。また、炭素系材料10が酸素発生電極触媒として用いられる場合、この電極触媒を備えるガス拡散電極等の電極は、例えば水の電気分解装置における負極、金属空気電池における負極等に適用される。
ここで、上述のように、本実施形態の炭素系材料10は、高い気体透過性を有する一方、水を透過し難い膨張黒鉛シートを使用している。そのため、炭素系材料10自体をガス拡散電極として使用することができる。しかしながら、電極の強度を高めるために、気体透過性を有する撥水層を、炭素系材料10に接合した状態で使用してもよい。
撥水層を備える場合、電解液や電解質膜などと接する側に炭素系材料10を配置し、空気などの気体と接する側に撥水層を配置する。撥水層は炭素系材料10のシートの内部に配置されていてもよく、シートの外部に配置されていてもよく、またシートの内部と外部の両方に配置されていてもよい。シートの外部に撥水層が配置される場合には、撥水層はシート状炭素系材料との距離が近いほど好ましく、接していることがより好ましい。
撥水層は多孔質材料であることが好ましい。多孔質材料を用いることで、撥水性と高い気体透過性を両立することができる。撥水層に用いる材料の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ジメチルポリシロキサン(PDMS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。撥水層と炭素系材料は、直接接合された形態をとってもよく、接着剤などで接合された形態をとってもよい。
接着剤は、高い酸素透過性を有することが好ましい。接着剤が高い酸素透過性を有するためには、硬化後の接着剤が空隙を有していること、又は酸素透過性が高い材料であることの少なくとも一方を満たしていればよい。接着剤の材質の好適な例としては、酸素透過性が高い材料であるシリコーン樹脂、天然ゴム、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニルなどが挙げられる。接着剤が空隙を有しており、かつ、撥水層と炭素系材料を固定することができるならば、接着剤は上記材料に限定されるものではない。
上述のように、本実施形態の炭素系材料10は、高い気体透過性を有する一方、水を透過し難い膨張黒鉛シート1を使用している。そのため、炭素系材料10は、微生物燃料電池などの水に浸漬する用途におけるガス拡散電極として使用することが特に好ましい。
ここで、本実施形態の炭素系材料10を、微生物燃料電池の正極23に適用した場合について説明する。燃料電池(微生物燃料電池)20は、図2に示すように、負極22及び正極23を備えている。燃料電池20では、負極22が電解液21に浸漬しており、正極23の一方の面が気相に露出している。
負極22は薄板状であり、その材質は例えばカーボン及び白金の少なくともいずれか一方であることが好ましい。そして、負極22には、嫌気性微生物が保持されている。具体的には、負極22の表面に嫌気性微生物を含むバイオフィルムが重ねられて固定されることで、負極22に嫌気性微生物が保持される。なお、バイオフィルムとは、一般に、微生物集団と、微生物集団が生産する菌体外重合体物質(extracellular polymeric substance、EPS)とを含む三次元構造体のことをいう。ただ、嫌気性微生物は、バイオフィルムによらずに負極22に保持されていてもよい。
負極22に保持される嫌気性微生物は、例えば細胞外電子伝達機構を有する電気生産細菌であることが好ましい。具体的には、嫌気性微生物として、例えばGeobacter属細菌、Shewanella属細菌、Aeromonas属細菌、Geothrix属細菌、Saccharomyces属細菌が挙げられる。
正極23としては、上述の炭素系材料10を備えるガス拡散電極を使用することができる。炭素系材料10は、膨張黒鉛シートを使用しているため、高い気体透過性を有する一方、水を透過し難い特性を有している。また、炭素系材料10の膨張黒鉛粒子2に存在する非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンは、高い酸素還元活性を有している。そのため、正極23として炭素系材料10を用いることで、高い発電性能を得ることが可能となる。
なお、上述のように、炭素系材料10の表面に撥水層を備える場合、気相に露出する側に撥水層を配置し、電解液21側に炭素系材料10を配置することが好ましい。
このような構成の燃料電池20では、電解液21が供給されると共に、負極22及び正極23が外部回路30に接続されることで、燃料電池20が閉回路状態となる。そして、負極22では、嫌気性微生物の代謝によって電解液21中の有機物が分解され、電子、プロトン及び二酸化炭素が生じる。ここで生じた電子は負極22から外部回路へ流れ、さらにプロトンは電解液21を通じて正極23へ到達する。一方、正極23では、炭素系材料10の活性層3の作用により、気相から供給される酸素がプロトン及び電子と反応して還元され、水が生じる。このような電気化学反応により、正極23と負極22との間に起電力が生じると共に、電解液21中の有機物が分解される。このため、発電ができると共に、電解液21中の有機物の分解処理が可能となる。
このように、本実施形態の炭素系材料10は、触媒活性が高く、さらにガス透過性及び撥水性が高いため、特に微生物燃料電池のガス拡散電極として好ましく用いることができる。さらに、微生物の存在下において、金属材料は容易に腐食されるが、炭素系材料は腐食され難いことからも、炭素系材料10は微生物燃料電池のガス拡散電極として特に好ましく用いることができる。また、当該炭素系材料10は経時劣化を抑制できるため、微生物燃料電池は、長期間に亘り高い発電性能を維持することが可能となる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本例では、膨張黒鉛粒子からなる膨張黒鉛シートを有し、当該膨張黒鉛粒子の表面に窒素および鉄をドープした炭素系材料を作製した。
まず、鉄−プロトポルフィリンIX錯体をN,N‐ジメチルホルムアミドに溶解した錯体溶液を調製した。なお、錯体溶液の濃度は、0.1Mとなるように調整した。次に、密度が0.2g/cmの膨張黒鉛シートの表面に、当該錯体溶液を、鉄−プロトポルフィリンIX錯体が1cmあたり0.70mgとなるように110℃の加熱条件下で塗布した。
溶媒を十分に気化させた後、膨張黒鉛シートを窒素雰囲気下900℃で90秒熱処理した。その後、膨張黒鉛シートを5%硫酸中に6時間浸漬して攪拌し、不純物を除去した。水洗後、十分に乾燥させることで、鉄および窒素をドープした膨張黒鉛シートを得た。
得られた膨張黒鉛シートとポリエチレン不織布(デュポン株式会社製、タイベック(登録商標)1073B)とを、シリコーン接着剤(信越化学工業株式会社製、信越シリコーン(登録商標)KE−3475−T)を用いて張り合わせることで、ガス拡散電極を得た。
得られたガス拡散電極を作用極に用いて、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)により、電位と電流密度との関係を調べた。なお、電解液には、pH8.0の1.0M Trizma−HCl緩衝液を用い、窒素バブリングを行うことで溶液中の酸素を脱気した。また、対極には白金メッシュを用いた。なお、掃引速度は1mV/secで行った。測定結果を図3に示す。
[実施例2]
本例では、膨張黒鉛粒子からなる膨張黒鉛シートを有し、当該膨張黒鉛粒子の表面に窒素およびコバルトをドープした炭素系材料を作製した。
具体的には、鉄−プロトポルフィリンIX錯体の代わりに、コバルト−プロトポルフィリンIX錯体を用いた以外は実施例1と同様にして、本例のガス拡散電極を作製した。また、実施例1と同様に、リニアスイープボルタンメトリーにより、ガス拡散電極における電位と電流密度との関係を調べた。測定結果を図4に示す。
[実施例3]
本例では、膨張黒鉛粒子からなる膨張黒鉛シートを有し、当該膨張黒鉛粒子の表面に硫黄および銅をドープした炭素系材料を作製した。
まず、ベンジルジスルフィド−銅錯体を60℃のメタノールに溶解した溶液を調製した。なお、錯体溶液の濃度は、0.1Mとなるように調整した。次に、密度が0.2g/cmの膨張黒鉛シートの表面に、当該錯体溶液を、1cmあたりベンジルジスルフィド−銅錯体が0.70mgとなるように60℃の加熱条件下で塗布した。
溶媒を十分に気化させた後、膨張黒鉛シートを窒素雰囲気下1050℃で10分間熱処理した。その後、膨張黒鉛シートを50℃の5%硝酸中に6時間浸漬して攪拌し、不純物を除去した。水洗後、十分に乾燥させることで、銅および硫黄をドープした膨張黒鉛シートを得た。
実施例1と同様に、得られた膨張黒鉛シートを、シリコーン接着剤によりポリエチレン不織布に張り合わせることで、ガス拡散電極を得た。そして、実施例1と同様に、リニアスイープボルタンメトリーにより、ガス拡散電極における電位と電流密度との関係を調べた。測定結果を図5に示す。
[実施例4]
本例では、膨張黒鉛粒子からなる膨張黒鉛シートを有し、当該膨張黒鉛シートの最表面に存在する部分に窒素および鉄をドープした炭素系材料を作製した。
まず、塩化鉄2.5gをエタノール200mLに溶解し、さらにペンタエチレンヘキサミン12mLを添加して、鉄−ペンタエチレンヘキサミン錯体溶液を調製した。次に、ロータリーエバポレータにより、この錯体溶液における溶媒のエタノールを除去していくことで、粘度が15000mPa・s程度である高粘度の鉄−ペンタエチレンヘキサミン錯体溶液を調製した。そして、密度が0.2g/cmの膨張黒鉛シートの表面に、得られた高粘度の鉄−ペンタエチレンヘキサミン錯体溶液を6μL/cmとなるように塗布した。
溶媒を十分に気化させた後、膨張黒鉛シートを窒素雰囲気下900℃で90秒熱処理した。その後、膨張黒鉛シートを5%硫酸中に6時間浸漬して攪拌し、不純物を除去した。水洗後、十分に乾燥させることで、鉄および窒素をドープした膨張黒鉛シートを得た。
実施例1と同様に、得られた膨張黒鉛シートを、シリコーン接着剤によりポリエチレン不織布に張り合わせることで、ガス拡散電極を得た。そして、実施例1と同様に、リニアスイープボルタンメトリーにより、ガス拡散電極における電位と電流密度との関係を調べた。測定結果を図6に示す。
[比較例1]
本例では、黒鉛化炭素繊維からなるカーボンペーパーの表面に窒素および鉄をドープした炭素系材料を作製した。
具体的には、膨張黒鉛シートの代わりに、黒鉛化炭素繊維からなるカーボンペーパー(東レ株式会社製、燃料電池用電極基材TGP−H−120)を用いた以外は実施例1と同様にして、本例のガス拡散電極を作製した。また、実施例1と同様に、リニアスイープボルタンメトリーにより、ガス拡散電極における電位と電流密度との関係を調べた。測定結果を図7に示す。
[比較例2]
本例では、無定形炭素からなる不織布の表面に窒素および鉄をドープした炭素系材料を作製した。
具体的には、膨張黒鉛シートの代わりに、無定形炭素からなる不織布(大阪ガスケミカル株式会社製、ドナカーボ(登録商標)・フェルトLFP−105)を用いた以外は実施例1と同様にして、本例のガス拡散電極を作製した。また、実施例1と同様に、リニアスイープボルタンメトリーにより、ガス拡散電極における電位と電流密度との関係を調べた。測定結果を図8に示す。
図9は、表面に窒素及び鉄を配置した実施例1、比較例1及び比較例2のガス拡散電極におけるリニアスイープボルタンメトリーの測定結果のグラフを重ね合わせたものである。ここで、図3〜図5及び図7〜図9では、0.6〜0.8V vs.RHEの領域において、電流密度が低下している部分Aが存在する。しかし、当該部分Aは炭素系材料の評価とは無関係であり、0.6〜0.8V vs.RHEの領域における一点鎖線の値を基に炭素系材料の評価を行っている。
図9より、電位が0.6〜0.75V vs.RHEの範囲において電流密度の絶対値を比較した場合、比較例2のガス拡散電極に比べて実施例1及び比較例1のガス拡散電極は絶対値が大きいことが分かる。そして、電流密度の絶対値が大きいほど酸素還元性能に優れていることから、実施例1及び比較例1のガス拡散電極は高い酸素還元活性を有していることが分かる。
ここで、表1では、実施例1で使用した膨張黒鉛シート、比較例1で使用した黒鉛化炭素繊維からなるカーボンペーパー、及び比較例2で使用した無定形炭素からなる不織布の電気抵抗率と可撓性とを示している。電気抵抗率は、各シートの面方向の電気抵抗率を示しており、四探針法により測定した結果である。また、可撓性は、各シートを180°繰り返し屈曲した際の切断までの回数を示している。
Figure 2017048094
表1に示すように、実施例1の膨張黒鉛シートは比較例1のカーボンペーパー、及び比較例2の無定形炭素不織布と比べて電気抵抗率が低い。また、実施例1の膨張黒鉛シートは比較例1のカーボンペーパーと比べて可撓性に優れる。そのため、膨張黒鉛シートを使用した実施例1の炭素系材料は、黒鉛化炭素繊維製ペーパーを使用した比較例1と同等の高い触媒活性を有し、且つ、黒鉛化炭素繊維製ペーパーでは得られない可撓性を有していることが分かる。したがって、本実施形態の炭素系材料は、抵抗損失が小さいことによる高い触媒活性と、屈曲に強いことによる高い耐久性及びスケールアップの容易性とを両立することが可能となる。
また、図4乃至図6の結果から、実施例2〜4のガス拡散電極も、良好な酸素還元活性を示し、ガス拡散電極として好適であることが分かる。なお、実施例1〜4では、膨張黒鉛シートの表面に、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとをドープした例を示した。しかし、膨張黒鉛シートの表面に、非金属原子又は非金属イオンと金属原子又は金属イオンとを含む化合物を担持した場合でも、実施例1〜4と同様に良好な酸素還元活性を示す。
[参考例]
密度汎関数理論(Density Functional Theory;DFT)を用いて、図10に示す構造を有するモデル構造体において、酸素還元活性を計算した。なお、計算は、Federico Calle-Vallejo, Jose Ignacio Martinezac, and Jan Rossmeisl, Physical Chemistry Chemical Physics, 2011,13, 15639-15643に基づいて行った。この計算により、窒素と各種金属原子を用いた場合の触媒活性を見積もることができる。計算結果を図11に示す。図11の結果から、8〜11族の金属元素を用いた場合では、いずれも酸素還元反応に対して触媒として有効に機能すると推定された。
以上、本実施形態を実施例及び比較例によって説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
1 膨張黒鉛シート
2 膨張黒鉛粒子
10 炭素系材料
20 燃料電池(微生物燃料電池)
23 正極(電極)

Claims (9)

  1. 膨張黒鉛粒子からなる膨張黒鉛シートと、
    前記膨張黒鉛粒子の表面にドープされている、窒素及び硫黄の少なくとも一方の非金属元素における非金属原子又は非金属イオンと、
    前記膨張黒鉛粒子の表面にドープされている、周期表の8〜11族の元素群から選ばれる少なくとも一種の金属元素における金属原子又は金属イオンと、
    を含有する、炭素系材料。
  2. 前記非金属原子又は前記非金属イオンと、前記金属原子又は前記金属イオンとが、前記膨張黒鉛粒子のうち、前記膨張黒鉛シートの最表面に存在する部分にドープされている、請求項1に記載の炭素系材料。
  3. 前記非金属原子又は前記非金属イオンと、前記金属原子又は前記金属イオンとが、前記膨張黒鉛シートを構成する前記膨張黒鉛粒子の表面全体にドープされている、請求項1に記載の炭素系材料。
  4. 膨張黒鉛粒子からなる膨張黒鉛シートと、
    窒素及び硫黄の少なくとも一方の非金属元素における非金属原子又は非金属イオンと、周期表の8〜11族の元素群から選ばれる少なくとも一種の金属元素における金属原子又は金属イオンとを含み、前記膨張黒鉛粒子の表面に担持されている化合物と、
    を含有する、炭素系材料。
  5. 前記化合物が、前記膨張黒鉛粒子のうち、前記膨張黒鉛シートの最表面に存在する部分に担持されている、請求項4に記載の炭素系材料。
  6. 前記化合物が、前記膨張黒鉛シートを構成する前記膨張黒鉛粒子の表面全体に担持されている、請求項4に記載の炭素系材料。
  7. 窒素原子又は窒素イオンと、鉄原子又は鉄イオンとを含有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の炭素系材料。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の炭素系材料を備える電極。
  9. 請求項8に記載の電極を備える微生物燃料電池。
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