JP2017046534A - 制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電電力の大きな変動が長時間続いても、合成出力の変動を抑制する。【解決手段】上昇変化率制限部3Cは、再生可能エネルギー電源1の発電出力の上昇時の変化率を制限する。平滑化部3Fは、上昇時の変化率が制限された発電出力の値を平滑化することにより、合成出力目標を生成する。出力制御部3Iは、発電出力が合成出力目標を上回る場合には、蓄電地システム2に発電出力を充電し、発電出力が合成出力目標以下である場合には、放電を行う。出力上昇リミッタ信号作成部3Mは、合成出力目標に、蓄電地システム2の充電量に応じた値を加算した値を、発電出力の上限値として出力し、発電出力が、発電出力の上限値を上回らないように制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、制御装置及び制御方法に関する。
温室効果ガスの削減等を目的として、太陽光又は風力等の再生可能エネルギーを利用した発電機の導入が進んでいる。再生可能エネルギーで発電を行う発電機の発電出力は、天候等の環境により大きく変動するため、電力系統に電圧変動等の影響を及ぼす可能性がある。そこで、再生可能エネルギーで発電を行う発電機とともに蓄電池を併設し、再生可能エネルギーで発電を行う発電機の発電出力と蓄電池の放電電力とを合成して出力することにより、電力系統へ送電する出力を平滑化する分散型電源が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された分散型電源は、再生可能エネルギー電源の発電出力を平滑化することにより、再生可能エネルギー電源の発電出力と蓄電池の放電出力との合成出力の目標値を生成する。この分散型電源は、再生可能エネルギー電源の発電出力が合成出力目標を上回った場合には蓄電池に蓄電を行い、再生可能エネルギー電源の発電出力の値が合成出力目標値を下回った場合には蓄電池から放電を行っている。
特許第5391598号公報
合成出力を十分に平滑化し安定的な電力供給を行うためには、蓄電池の出力容量は大きければ大きいほどよく、放電可能な電力量は多ければ多いほどよい。しかしながら、出力容量が大きくなればなるほど、放電可能な電力量が多くなればなるほど蓄電池は高価になる。実際に平滑化に用いる蓄電池の出力容量、放電可能な電力量には限界がある。
また、上述のように再生可能エネルギー電源の発電出力は、天候等によって大きく変動する。蓄電池の出力容量が発電機出力容量に比べて小さい場合、発電出力の大きな変動が長時間続くと、蓄電池への充電電力および蓄電池からの放電電力に不足が生じ、合成出力が合成出力目標値に対して変動し、平滑化が十分にできなくなる場合がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、発電出力の変動幅を抑制し、発電出力容量に比べてより小さい蓄電池の充放電出力容量で、合成出力の変動を抑制することができる制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る制御装置は、
再生可能エネルギーで発電を行う発電機と、前記発電機の発電出力を貯蔵し放電する電力貯蔵装置とを備え、前記発電機の発電出力を前記電力貯蔵装置の放電電力と合成することにより電力系統へ送電する出力を平滑化する電源装置を制御する制御装置であって、
前記発電機の発電出力の変動に従って変動し、かつ、上昇時の変化率が制限された値を出力する上昇変化率制限部と、
前記上昇変化率制限部で上昇時の変化率が制限された前記発電機の発電出力の値を平滑化することにより、前記発電機及び前記電力貯蔵装置の合成出力目標を生成して出力する合成出力目標生成部と、
前記発電機の発電出力が前記合成出力目標を上回る場合には、前記電力貯蔵装置に対して前記発電機の発電出力を充電し、前記発電機の発電出力が前記合成出力目標以下である場合には、放電を行うように、前記電力貯蔵装置を制御する充放電制御部と、
前記合成出力目標に、前記電力貯蔵装置の充電量に応じた値を加算した値を、前記発電機の発電出力の上限値として出力する加算部と、
前記発電機の発電出力が、前記発電出力の上限値を上回らないように、前記発電機を制御する発電機制御部と、
を備える。
この場合、前記発電機の発電出力の値を平滑化する平滑化部と、
前記平滑化部で平滑化された値に基づいて、前記電力貯蔵装置の充電状態の目標値を設定する充電状態目標設定部と、
前記電力貯蔵装置の充電状態を計測する充電状態計測部と、
前記充電状態目標設定部で設定された前記電力貯蔵装置の充電状態の目標値に対する、前記充電状態計測部で計測された前記電力貯蔵装置の充電状態の偏差を算出する減算部と、
を備え、
前記合成出力目標生成部は、
前記上昇変化率制限部から出力された値に、前記電力貯蔵装置の充電状態の目標値との偏差に応じた補正値が加算された加算値を平滑化することにより、前記合成出力目標を生成する、
こととしてもよい。
この場合、前記充電状態計測部で計測された前記電力貯蔵装置の充電状態が、前記充電状態目標設定部で設定された目標値を上回っている場合にその偏差に応じた値だけ前記合成出力目標を引き上げる合成出力目標補正部を備える、
こととしてもよい。
また、前記充電状態計測部で計測された前記電力貯蔵装置の充電状態が上限値を超えた場合に、
前記合成出力目標生成部は、
前記上昇変化率制限部で上昇時の変化率が制限された前記発電機の発電出力の値に代えて、前記平滑化部で平滑化された値をさらに平滑化した値を、前記発電機及び前記電力貯蔵装置の合成出力目標として生成して出力し、
前記加算部は、
前記合成出力目標に前記電力貯蔵装置の充電量に応じた値を加算し、その加算値を前記発電機の発電出力の上限値として出力する、
こととしてもよい。
また、前記発電機の発電出力の値の高周波成分を除去するローパスフィルタを備え、
前記上昇変化率制限部は、
前記ローパスフィルタを介して得られる前記発電機の発電出力の上昇時の変化率を制限する、
こととしてもよい。
本発明の第2の観点に係る制御方法は、
再生可能エネルギーで発電を行う発電機と、前記発電機の発電出力を貯蔵し放電する電力貯蔵装置とを備え、前記発電機の発電出力を前記電力貯蔵装置の放電電力と合成することにより電力系統へ送電する出力を平滑化する電源装置を制御する制御方法であって、
前記発電機の発電出力の変動に従って変動し、かつ、上昇時の変化率が制限された値を出力する上昇変化率制限ステップと、
前記上昇変化率制限ステップで上昇時の変化率が制限された前記発電機の発電出力の値を平滑化することにより、前記発電機及び前記電力貯蔵装置の合成出力目標を生成して出力する合成出力目標生成ステップと、
前記発電機の発電出力が前記合成出力目標を上回る場合には、前記電力貯蔵装置に対して前記発電機の発電出力を充電し、前記発電機の発電出力が前記合成出力目標以下である場合には、放電を行うように、前記電力貯蔵装置を制御する充放電制御ステップと、
前記合成出力目標に、前記電力貯蔵装置の充電量に応じた値を加算した値を、前記発電機の発電出力の上限値として出力する加算ステップと、
前記発電機の発電出力が、前記発電出力の上限値を上回らないように、前記発電機を制御する発電機制御ステップと、
を含み、
前記各ステップを繰り返す。
本発明によれば、発電機の発電出力の値の上昇時の変化率を制限し、上昇時の変化率が制限された発電出力で合成出力目標値が生成される。これにより、発電機の発電出力の変動が大きくなればなるほど、また、その変動が長時間に渡れば渡るほど、合成出力目標は発電機の発電出力の平均値よりも低くなるので、その分だけ、より多くの電力を蓄電池に蓄電することができるようになる。また、合成出力目標に、蓄電池の充電量に応じた値を加算した値に、発電機の発電出力が制限されるため、発電機の発電出力の変動幅が抑制される。この結果、発電出力の大きな変動が長時間続く状態においても、発電機の出力容量に比べてより小さい蓄電池の充放電出力容量で、合成出力の変動を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る分散電源の全体構成を示すブロック図である。 図1の分散電源における再生可能エネルギー電源の構成を示すブロック図である。 図1の分散電源における蓄電池システムの構成を示すブロック図である。 図1の分散電源における制御部の制御系の構成を示すブロック図である。 図4の上昇変化率制限部の動作を示すテーブルである。 図4の上昇変化率制限部の動作を示すグラフである。 図4の平滑化部(その1)の構成を示すブロック図である。 図4のSOC維持設定部の構成を示すブロック図である。 図4の平滑化部(その2)の構成を示すブロック図である。 図4のSOC処理部の構成を示すブロック図である。 図4の出力上昇リミッタ信号作成部の構成を示すブロック図である。 図4の制御部を中心とする分散電源の動作の流れのフローチャートである。 図4の制御部の動作を示すグラフである。 図14(A)は、従来の分散電源の発電出力等の変動を示すグラフである。図14(B)は、図1の分散電源の発電出力等の変動を示すグラフである。 図15(A)は、従来の分散電源における風車推定出力変動率と発電出力変動率との相関関係を示すグラフである。図15(B)は、図1の分散電源における風車推定出力変動率と発電出力変動率との相関関係を示すグラフである。 図16(A)は、従来の分散電源における発電出力変動率と合成出力変動率との相関関係を示すグラフである。図16(B)は、図1の分散電源における発電出力変動率と合成出力変動率との相関関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。各図において同一の構成要素には、同一の符号を付している。
図1に示すように、分散電源100は、再生可能エネルギー電源1と、蓄電池システム2と、制御部3と、変圧器4、5と、電流センサ6、7とを備える。分散電源100は、再生可能エネルギー電源1で発電された電力と、蓄電池システム2から放電された電力とを合成し、電力系統10へ送電する。
再生可能エネルギー電源1は、風力又は太陽光等の再生可能エネルギーを利用して発電した発電出力を電力系統10に送電する。蓄電池システム2は、再生可能エネルギー電源1から電力系統10を介して送電される発電出力を充電するか、電力系統10に充電した電力を放電する。
制御部3は、変圧器4、5を介して電力系統10における電圧情報を入力するとともに、電流センサ6を介して電力系統10と再生可能エネルギー電源1とを接続する支線に流れる電流情報を入力し、電流センサ7を介して電力系統10と蓄電池システム2とを接続する支線に流れる電流情報を入力する。
制御部3は、変圧器4を介して入力された電圧情報と、電流センサ6を介して入力された電流情報に基づいて、発電出力の上昇を制限する出力上昇リミッタ信号を再生可能エネルギー電源1に出力する。これにより、制御部3は、再生可能エネルギー電源1を制御する。
さらに、制御部3は、蓄電池システム2からその充電状態(SOC;State Of Charge)に関する情報(SOC信号)を入力する。SOCとは、一般的に、蓄電地の相対的な充電レベルであり、蓄電地の充電容量に対する充電残量の比率として定義される。制御部3は、変圧器5を介して入力された電圧情報と、電流センサ7を介して入力された電流情報と、蓄電池システム2の充電状態(SOC)を示すSOC信号とに基づいて、蓄電池システム2の充放電を制御する充放電制御信号を出力する。これにより、制御部3は、蓄電地システム2における充放電を制御する。
以下、再生可能エネルギー電源1、蓄電池システム2及び制御部3についてさらに詳細に説明する。
図2に示すように、再生可能エネルギー電源1は、発電機1Aと、出力制御部1Bと、を備える。発電機1Aは、風力又は太陽光等の再生可能エネルギーを利用して発電を行う。発電機1Aで発電された電力は、電力系統10へ送電される。出力制御部1Bは、制御部3から出力上昇リミッタ信号を入力する。出力上昇リミッタ信号は、発電機1Aの発電出力の上昇を制限するための信号であり、制御部3より出力される。出力制御部1Bは、出力上昇リミッタ信号に基づいて、発電機1Aの発電出力が上昇するのを制限する。
図3に示すように、蓄電池システム2は、蓄電池2Aと、双方向電力変換器2Bと、変換器制御器2Cと、蓄電池コントローラ2Dと、を備える。蓄電池2Aは、充放電可能な電池であり、例えばNaS(ナトリウム−硫黄)電池であるが、リチウムイオン電池等の他のタイプの電池であってもよい。
双方向電力変換器2Bは、蓄電池2Aを放電させて電力系統10へ出力する機能と、電力系統10からの電力を蓄電池2Aに充電する機能とを有し、外部から入力されるスイッチング信号により、両機能を切り替え可能である。
変換器制御器2Cは、スイッチング信号を双方向電力変換器2Bに出力して、双方向電力変換器2Bを、その入出力方向を切り替えることにより、蓄電池2Aの充放電を制御する。
蓄電池コントローラ2Dは、保護回路2Eと、SOC計測回路2Fとを備える。保護回路2Eは、蓄電池2Aの過充電および過放電による蓄電池2Aの損傷劣化から蓄電池2Aを保護するために設けられている。充放電制御信号は、保護回路2Eを介して変換器制御器2Cに入力されている。SOC計測回路2Fは、蓄電池2Aの出力に基づいて、蓄電池2Aの充電状態(SOC)を計測する。
制御部3は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ及び入出力装置を備えるPLC(Programmable Logic Controller)である。制御部3では、メモリに格納されたプログラムを実行して、入出力装置から入力される各種信号を用いた制御演算が行われる。これにより、図4に示すような制御系が制御部3に構築されている。
図4に示すように、制御部3の制御系は、電力換算部3Aと、ローパスフィルタ(LPF)3Bと、上昇変化率制限部3Cと、スイッチング部3Dと、加算部3Eと、平滑化部3Fと、SOC維持設定部3Gと、減算部3Hと、出力制御部3Iと、電力換算部3Jと、平滑化部3Kと、SOC処理部3Lと、出力上昇リミッタ信号作成部3Mと、を備える。
電力換算部3Aは、再生可能エネルギー電源1の電圧情報(変圧器4から)及び電流情報(電流センサ6から)に基づいて、再生可能エネルギー電源1の発電出力の値を算出して、その値を示す信号を出力する。
ローパスフィルタ3Bは、電力換算部3Aで換算された発電出力の値を示す信号の高周波成分を除去して出力する。
上昇変化率制限部3Cは、発電機1Aの発電出力の値の上昇時の変化率を上限値に制限する。上昇変化率制限部3Cは、入力(発電出力)の上昇時の変化率が変化率の上限値を上回る場合には、上昇変化率制限部3Cの出力を、変化率の上限値で変化させる。すなわち、上昇変化率制限部3Cは、発電機1Aの発電出力の変動に従って変動し、かつ、上昇時の変化率が制限された値を示す信号を出力する。
図5には、上昇変化率制限部3Cの入力と出力の関係が示されている。ここで、上昇変化率制限部3Cの入力をINとし、出力をOUTとする。上昇変化率制限値をV1(kW/s)とし、サンプリング周期をΔTとする。図5に示すように、入力INと出力OUTとの差が、サンプリング周期ΔTあたりの上昇変化率制限値(V1×ΔT)以上となる場合には、上昇変化率制限部3Cの出力OUTは、前回の出力OUTにV1×ΔTを加えた値とする。一方、入力INと出力OUTとの差が、サンプリング周期ΔTあたりの上限変化率制限値(V1×ΔT)を下回る場合には、出力OUTを入力INと同じとする。
例えば、図6に示すように、発電機1Aの発電出力が変化した場合について考える。期間T1、T3、T5では、発電出力が増加しており、期間T2、T4、T6では、発電出力が減少しているものとする。また、期間T1、T3、T5における発電出力の上昇率は、変化率の上限値V1以上となっている。この場合、図6に示すように、発電出力に比べ、上昇変化率制限部3Cの出力は上昇変化率制限値で制限される。また、期間T2、T4、T6において、上昇変化率制限部3Cの出力は、発電出力の値と等しくなるまで、上昇変化率制限値(V1×ΔT)で上昇を続け、発電出力の値と等しくなると、発電出力に追従する。
図4に戻り、スイッチング部3Dは、スイッチ30Dと、SOCレベル検出部31Dと、を備える。スイッチ30Dは、通常は、b接点とc接点とを接続しており、上昇変化率制限部3Cの出力が加算部3Eに入力される。SOCレベル検出部31Dは、SOC処理部3Lから蓄電池2AのSOCを入力し、SOCが上限を上回ったことを検出すると、スイッチ30Dのc接点をb接点から切り離し、c接点をa接点と接続する。この状態では、平滑化部3Kの出力が、加算部3Eに入力される。
加算部3Eは、スイッチング部3Dのc接点からの出力(通常は、上昇変化率制限部3Cの出力)と、SOC処理部3Lから出力されたSOC補正信号を加算する。SOC補正信号は、蓄電池2AにおけるSOCに応じて発電出力を補正するための信号である。後述するSOCの測定値が目標値より高い場合には、SOC補正信号は正となるので、その信号が加算された合成出力目標はその値が高くなる。一方、SOCの測定値が目標値より低い場合には、SOC補正信号は負となり、その信号が加算された合成出力目標はその値が低くなる。
平滑化部3Fは、加算部3Eで加算された信号を平滑化し、平滑化された信号を合成出力目標として出力する。図7に示すように、平滑化部3Fは、変動幅制限部30Fと、変化率制限部31Fと、変動幅上下限設定部32Fと、を備える。
変動幅制限部30Fは、入力した信号の振幅レベルを、設定された上下幅に制限する。ここでは、一定時間内における信号の最大値と最小値が、設定された上下幅に収まるように制限される。変化率制限部31Fは、変動幅制限部30Fで制限された信号の変化率が、上限値と下限値との間に収まるように出力信号の変化率を制限する。変動幅上下限設定部32Fは、変化率制限部31Fで変化率が制限された信号の変動幅に基づいて、変動幅の上下限を、変動幅制限部30Fに設定する。
図4に戻り、SOC維持設定部3Gは、蓄電池2AのSOCが上限を下回った場合には、合成出力目標を示す信号を出力し、蓄電池2AのSOCが上限を上回った場合には、発電出力を示す信号を出力する。
図8に示すように、SOC維持設定部3Gは、減算部30Gと、変動幅制限部31Gと、一次遅れ要素32Gと、加算部33Gと、上下限設定部35Gと、零レベル設定部36Gと、スイッチ37Gと、高低維持点検出部38Gとを備える。
減算部30Gは、電力換算部3Aから出力された発電出力を示す信号から、平滑化部3Fから出力された合成出力目標を示す信号を減算する。変動幅制限部31Gは、減算部30Gの減算結果を示す信号が、上限値と下限値の間に入るように制限する。上限値と下限値に制限された信号は一次遅れ要素32Gを経て加算部33Gに入力される。
加算部33Gは、平滑化部3Fの出力(合成出力目標)に一次遅れ要素32Gの出力信号を加算する。加算部33Gの加算結果を示す信号が、SOC維持設定部3Gの出力信号として、出力される。
上下限設定部35Gは、変動幅制限部31Gで制限される上限値と下限値とを設定する。零レベル設定部36Gは、0を出力している。スイッチ37Gは、変動幅制限部31Gに接続する設定部を、上下限設定部35Gか、零レベル設定部36Gかのいずれかに切り替える。ただし、スイッチ37Gは、上限設定用と下限設定用の2回路が存在し、高低維持点検出部38Gの高維持点検出出力および低維持点検出出力によりそれぞれ個別に切り替える。上下限設定部35Gに接続されている場合には、変動幅制限部31Gには、零でない上限値と下限値とが設定される。一方、零レベル設定部36Gに接続されている場合には、変動幅制限部31Gの上限値及び下限値は零となる。
高低維持点検出部38Gは、SOC処理部3Lから蓄電池2AのSOCの信号を入力し、SOCが上限または下限を超えたか否かを示す信号を出力し、スイッチ37Gを切り替える。スイッチ37Gは通常、b接点とc接点とを接続して、零レベル設定部36Gを変動幅制限部31Gに接続している。
SOCが通常の範囲のとき、高低維持点検出部38Gの出力はオフとなっており、スイッチ37Gはb接点とc接点とを接続している。この場合、変動幅制限部31Gの上限値及び下限値は零に設定され、変動幅制限部31Gの出力は零となり、一次遅れ要素32Gの出力も零となる。この場合、加算部33Gの出力(SOC維持設定部3Gの出力)は、合成出力目標を示す信号となる。この場合、減算部3Hは、合成出力目標から発電出力を差し引いた信号を出力制御部3Iに入力する。
一方、SOCが高の維持点以上となったとき、高低維持点検出部38Gの上限設定用出力がオンとなり、スイッチ37G(上限設定用)は、a接点とc接点とを接続する。この場合、上下限設定部35Gの上限設定値が、変動幅制限部31Gの上限側設定値として設定される。この結果、発電出力が合成出力目標より高い場合のみ、変動幅制限部31Gの出力が発電出力と合成出力目標との差となって、加算部33Gの出力(SOC維持設定部3Gの出力)は、発電出力と等しくなる。この場合、減算部3Hでは、発電出力同士が減算されて、出力制御部3Iには零が入力される。
このように、SOCが上限値を超えており、発電出力が合成出力目標を上回っている場合には、SOC維持設定部3Gは、発電出力を示す信号を出力する。この場合、減算部3Hでは、発電出力を示す信号同士が減算されて、その出力は0となる。一方、SOCが上限値を上回っており、発電出力が合成出力目標を上回っていない場合には、SOC維持設定部3Gは、合成出力目標を出力する。この場合、減算部3Hでは、合成出力目標から発電出力が減算されて、その減算値が出力制御部3Iに入力される。すなわち、SOCが上限値を超えたとき、後述のように、充電は行わず放電のみ行われるようにして、SOCを下げて通常の範囲に戻すように制御系全体が動作するようになる。
さらに、SOCが下限値を下回ったとき,高低維持点検出部38Gの下限設定用出力がオンとなり、スイッチ37G(下限設定用)は、a接点とc接点とを接続し、上下限設定部35Gの下限設定値が、変動幅制限部31Gの下限側設定値として設定される。この結果、発電出力が合成出力目標より低い場合のみ、変動幅制限部31Gの出力は、発電出力と合成出力目標との差となって、加算部33Gの出力(SOC維持設定部3Gの出力)は、発電出力と等しくなる。この場合、減算部3Hでは、発電出力同士が減算されて、出力制御部3Iには零が入力される。
このように、SOCが下限値を下回っており、発電出力が合成出力目標を下回っている場合には、SOC維持設定部3Gは、発電出力を出力する。この場合、減算部3Hでは、発電出力同士が減算されて、その出力は0となる。一方、SOCが下限値を下回っており、発電出力が合成出力目標を下回っていない場合には、SOC維持設定部3Gは、合成出力目標を示す信号を出力する。この場合、減算部3Hでは、合成出力目標から発電電力が減算されて、その減算値が出力制御部3Iに入力される。すなわち、SOCが下限値を下回ったとき、後述のように、放電は行わず充電のみ行われるようにして、SOCを上げて通常の範囲に戻すように制御系全体が動作するようになる。
SOCが通常の範囲(上限値と下限値との間)に復帰すればSOCの高低維持点検出部38Gの出力はオフになり、SOC維持設定部3Gは、合成出力目標を出力し、減算部3Hは、合成出力目標から発電出力を減算した信号を出力制御部3Iに入力する。
図4に戻り、出力制御部3Iは、減算部3Hから出力された信号に基づいて、蓄電池システム2の充放電を制御する。例えば、出力制御部3Iは、発電出力が合成出力目標よりも大きい場合には、充電を行うように、蓄電池システム2を制御する。また、出力制御部3Iは、発電出力が合成出力目標を下回っている場合には、放電を行うように、蓄電池システム2を制御する。
一方、電力換算部3Jは、蓄電池システム2からの電圧情報及び電流情報に基づいて蓄電池システム2の充放電電力の値を算出して、その信号を出力制御部3Iに入力している。出力制御部3Iでは、発電出力と合成出力目標との差分を先行信号とし、これと蓄電池システム2の充放電電力との偏差を比例微積分(PID)して加算し、制御を行って蓄電池システム2の充放電を制御する。このように、出力制御部3Iは、蓄電池システム2の充放電電力をフィードバック信号として微分動作を加えることにより、蓄電池システム2の応答特性の改善を行っている。
平滑化部3Kは、電力換算部3Aから出力された発電出力の値を示す情報を平滑化する。図9に示すように、平滑化部3Kは、ローパスフィルタ30Kと、変動幅制限部31Kと、変化率制限部32Kと、変動幅上下限設定部33Kと、を備える。ローパスフィルタ30Kは、入力された信号の高周波成分を除去する。変動幅制限部31Kは、ローパスフィルタ30Kの出力を設定された上限と下限との間に収める。変化率制限部32Kは、上限と下限との範囲内に収められた出力信号の変化率を、上限値と下限値との間に収める。このようにして変動幅が制限された信号の最大値及び最小値は、新たな変動幅の上限値及び下限値として変動幅上下限設定部33Kに設定される。
図4に戻り、SOC処理部3Lは、主として、蓄電池システム2における蓄電池2Aの充電状態(SOC)に基づいて、合成出力目標を補正する。SOC処理部3Lは、図10に示すように、SOC目標設定部30Lと、SOC出力換算部31Lと、減算部32Lと、SOC制御部33Lと、変動幅制限部34Lと、SOC関数部35Lと、下限制限部36Lと、減算部37Lと、を備える。
SOC目標設定部30Lは、平滑化部3Kから出力された平滑化された発電出力に基づいて、SOC目標値を決定する。SOC出力換算部31Lは、蓄電池システム2から出力されるSOC信号を入力し、SOC信号に基づいて、蓄電池2Aの出力換算充電状態(SOC)を算出し、出力する。
減算部32Lは、SOC出力換算部31Lから出力されたSOCから、SOC目標値を減算してその偏差を出力する。SOC制御部33Lは、偏差に応じたSOC補正信号(PまたはPI制御信号)を出力する。変動幅制限部34Lは、設定された変動幅に制限されたSOC補正信号を加算部3Eに出力する。
SOC出力換算部31Lで算出されたSOCは、SOC関数部35Lにも出力されている。SOC関数部35Lは、SOC関数を用いて、変動幅制限部34Lにおける変動幅を決定している。
一般的に、蓄電池2Aの出力(蓄電池出力)とSOC補正信号(SOC補正値)との間には、以下の関係がある。
(平滑化用蓄電池出力)=(蓄電池出力)−(SOC補正値)
したがって、SOC補正値が大きくなると、平滑化用蓄電池出力が不足(出力上限が定格値で制限されるため)する頻度が増加し、平滑化の質が低下する。変動幅制限部34Lは平滑化の質の低下を防ぐためSOC補正値を最小限に制限する。変動幅制限部34Lの正側の制限値はSOC測定値の関数で与えられる。変動幅制限部34Lは、SOCが通常の変動範囲より高くなるにしたがって、正側の制限値を大きくし、SOC補正値の増加を許容してSOCの上昇を抑える。
下限制限部36Lは、SOC補正信号の正の補正値のみを出力する、減算部37Lは、合成出力目標から正のSOC補正信号を減算して、SOCを考慮した合成出力目標(SOC)として、出力上昇リミッタ信号作成部3Mに出力する。この仕組みは、SOCが目標値より高いとき、発電機1Aへの出力上限リミッタ信号がSOCの正側補正分上昇し、発電出力が上昇することにより、SOCが益々上昇することを防止するために設けられている。
なお、SOC出力換算部31Lで生成されたSOCは、スイッチング部3D、SOC維持設定部3G及び出力上昇リミッタ信号作成部3Mに出力されている。
図4に戻り、出力上昇リミッタ信号作成部3Mは、電力換算部3Aから発電出力の信号を入力し、SOC処理部3LからSOC及び合成出力目標(SOC)を入力し、出力上昇リミッタ信号を再生可能エネルギー電源1に出力している。
図11に示すように、出力上昇リミッタ信号作成部3Mは、バイアス出力部30Mと、加算部31Mと、上昇下降変化率制限部32Mと、上限制限部33Mと、充電電力上限設定部34Mと、充電電力下限設定部35Mと、スイッチ36Mと、SOCレベル検出部37Mと、加算部38Mと、を備える。
バイアス出力部30Mは、正のバイアス信号を出力する。加算部31Mは、発電出力に正のバイアス信号を加算して出力する。上昇下降変化率制限部32Mは、加算部31Mの出力の上昇変化率及び下降変化率を制限する。上限制限部33Mは、上昇下降変化率制限部32Mから出力された信号の上限を制限する。上限制限部33Mで上限が制限された信号は、出力上昇リミッタ信号として、再生可能エネルギー電源1に出力される。再生可能エネルギー電源1は、出力上昇リミッタ信号で制限された上限値に発電出力を制限する。
一方、充電電力上限設定部34Mには、充電電力の上限値が設定される。この上限値には、通常、蓄電池2Aの定格出力が設定される。
充電電力下限設定部35Mには、充電電力の下限値(例えば0〜100kW程度)が設定される。この下限値は、発電機1Aの定格出力や出力制御の精度により変化する。
スイッチ36Mは、c接点をa接点かb接点かのいずれかに接続する。a接点は充電電力下限設定部35Mに接続され、b接点は充電電力上限設定部34Mに接続されている。スイッチ36Mは、通常b接点とc接点とを接続している。これにより、充電電力上限設定部34Mの上限値が、加算部38Mに出力される。この場合、合成出力目標に上限値を加算した値が、出力上昇リミッタ信号で設定される発電出力の上限値となる。
SOCレベル検出部37Mは、SOCが上限値に達した場合に、切替信号をスイッチ36Mに出力する。SOCレベル検出部37Mから切替信号を入力すると、スイッチ36Mは、c接点とa接点に接続する。これにより、充電電力下限設定部34Mの下限値が加算部38Mに出力される。この場合、合成出力目標に下限値を加算した値が、出力上昇リミッタ信号で設定される発電出力の上限値となる。このように、SOCが上限値を超えた場合には。上限制限部33Mへ出力される信号を合成出力目標とほぼ同じとして、放電のみ行うように全体が制御される。
なお、充電電力下限値を0kWに設定すると、発電機出力が漸減する場合が多い。このため、充電電力下限値を、発電機の定格出力の2〜5%程度に設定し、発電機1Aの出力を維持又は発電機1Aへの入力が連続的に増加する場合は漸増を許容するようにするのが望ましい。
次に、本実施の形態に係る制御部3を中心とする分散電源100の動作について説明する。
図12には、制御部3の動作の流れのフローチャートが示されている。このフローチャートは、制御部3等の特徴的な動作を時系列でまとめたものであり、個々の詳細な動作については適宜省略している。
まず、制御部3(上昇変化率制限部3C)は、電力換算部3A、LPF3Bを通過した発電機1Aの発電出力を入力し、その発電出力の変動に従って変動し、かつ、上昇時の変化率が制限された値を出力する(ステップS1)。
続いて、制御部3(平滑化部3F)は、ステップS1で上昇時の変化率が制限され、スイッチング部3Dを経た発電機1Aの発電出力の値を平滑化することにより、発電機1A及び蓄電地2Aの合成出力目標を生成して出力する(ステップS2)。
続いて、制御部3(SOC維持設定部3G及び出力制御部3I)は、発電機1Aの発電出力が合成出力目標を上回る場合には、蓄電地2Aに対して発電機1Aの発電出力を充電し、発電機1Aの発電出力が合成出力目標以下である場合には、放電を行うように、蓄電地2Aを制御する(ステップS3)。
さらに、制御部3(出力上昇リミッタ信号作成部3M)は、SOC処理部3Lを経た合成出力目標に、蓄電地2Aの充電量に応じた値を加算した値を、発電機1Aの発電出力の上限値(出力上昇リミッタ信号)として出力する(ステップS4)。
さらに、再生可能エネルギー電源1の出力制御部1Bは、入力した出力上昇リミッタ信号に基づいて、発電機1Aの発電出力が、発電出力の上限値を上回らないように、発電機1Aを制御する(ステップS5)。
以降、ステップS1〜S5が高速で繰り返され、発電出力の平滑化制御が実行される。なお、ステップS3とステップS4、S5とは、同時並行的に実行される。
図13には、本実施の形態に係る制御部3により制御される発電出力、上昇変化率制限部3Cの出力及び合成出力目標の変化の一例が示されている。図13に示すように、発電機1Aの発電出力は時間によって変動し、上昇変化率制限部3Cの出力も発電機1Aの発電出力の変動に追従して変動する。ただし、発電機1Aの発電出力の上昇変化率が上限値を上回る場合には、上昇変化率制限部3Cの出力は、上限値で増加するようになり、発電機1Aの発電出力を下回るようになる。合成出力目標は、この上昇変化率制限部3Cの出力に基づいて生成されるため、発電出力から生成された場合の合成出力目標よりも、低めにシフトする。
なお、発電機1Aの発電出力は、制限がなければ点線のように上限なしで変化するが、本実施の形態では、発電機1Aの発電出力は、出力上昇リミッタ信号により、合成出力目標に蓄電池2Aの充電量に応じた値を加算した値に、その上限が制限される。
図14(A)には、本実施の形態に係る上昇変化率制限部3Cにより上昇変化率に制限を加えなかった場合における再生可能エネルギー電源1の発電出力と、合成出力目標との関係が示されている。図14(A)に示すように、発電出力が合成出力目標を上回ると、蓄電池システム2への充電が行われ、下回ると蓄電池システム2より放電が行われる。発電出力の変動が大きくなると、再生可能エネルギー電源1の発電出力は合成出力目標に充電量に応じた値を加算した値に制限される。このため、発電出力から合成出力目標を減算した値は蓄電池システム2の充電能力の範囲内となり、合成出力は変動しない。この状況で、発電出力が合成出力目標を下回ると、蓄電池から放電が行われるが、発電電力と合成出力目標値の差が蓄電池の放電能力を超えて発電電力が低下する場合、放電出力不足となり、これにより合成出力が合成出力目標より低下する。
図14(B)には、本実施の形態に係る上昇変化率制限部3Cにより上昇変化率に制限を加えた場合における再生可能エネルギー電源1の発電出力と、合成出力目標との関係が示されている。図14(B)に示すように発電出力が合成出力目標を上回ると、蓄電池システム2への充電が行われ、下回ると蓄電池システム2より放電が行われる。発電出力の変動が大きくなり、発電出力の上昇率が、上昇変化率制限部3Cの上限値を上回ると、上昇変化率制限部3Cの出力は、発電出力を下回るため、その出力に基づいて生成される合成出力目標は下側にシフトする。この状態で発電出力が上昇すると、図14(A)と同様に、再生可能エネルギー電源1の発電出力に制限が加えられ、発電出力から合成出力目標を減算した値は蓄電池システム2の充電能力の範囲内となり、合成出力は変動しない。この状態で発電出力が低下すると、合成出力目標から発電出力を減じた値は、図14(A)に比べ合成出力目標のシフト分だけ減少する。したがって、蓄電池2Aの出力要求値は放電能力の範囲内となり、合成出力の低下は起きない。また、合成出力目標が下側にシフトすれば、その分だけ蓄電池2Aで充電される電力を多く充電することができる。このため、蓄電池2Aの放電不足を解消することができる。
図15(A)には、合成出力シフト制御を行わない場合の再生可能エネルギー電源1(ここでは風車とする)の推定出力の変動率(風車推定出力変動率)と、発電出力変動率との20分間の変動率の相関が示されている。図15(A)に示すように、この場合、風車推定出力と発電出力の変動率はほぼ同じ値を示しており、風車の出力抑制はほとんど起きていない。
図15(B)には、合成出力目標のシフト制御を行った場合の風車推定出力の変動率(風車推定出力変動率)と、発電出力変動率との20分間の変動率の相関が示されている。図15(B)に示すように、この場合、風車推定出力変動率が40%を超えるあたりから発電出力変動が抑制され、発電出力変動率は、おおよそ50%以下に抑制されているのがわかる。このときの発電出力の上昇変化率制限部3Cの設定は0.15%/秒で、上昇変化率制限部3Cの出力信号は、周期10分以下の変動に対し、その変動幅を45%(0.15×600秒/2)以下に制限され、合成出力目標は、その変動の中間値になる。また、出力上昇リミッタ信号作成部3Mの出力は、合成出力目標に蓄電池の充電出力の上限である25%を加算した値である。これにより、風車の出力は、合成出力目標に25%を加えた値以下に抑制され、その変動幅は、47.5%(45%/2+25%)以下に抑制される。この結果、図15(A)に比べ風車推定出力の変動率は大きいにもかかわらず発電出力の変動はおおよそ50%以下に抑制されている。
図16(A)には、合成出力目標のシフト制御を行わない場合の発電出力変動率と合成出力変動率との20分間の変動率の相関関係が示されている。図16(A)に示すように、発電出力の変動が50%を超えるに従って合成出力の変動が増加しているのがわかる。これは蓄電池の出力範囲が±25%であるため、発電出力の変動が50%を超えると平滑化できない部分が生ずるためである。
図16(B)には、合成出力目標のシフト制御を行った場合の発電出力変動率と合成出力変動率との20分間の変動率の相関関係が示されている。図16(B)で示すように、発電出力変動が50%以下に抑制された結果、蓄電池の出力範囲25%で平滑化が十分達成できたことを示している。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、発電機1Aの発電出力の値の上昇時の変化率を制限し、上昇時の変化率が制限された発電出力で合成出力目標値が生成される。これにより、発電機1Aの発電出力の変動が大きくなればなるほど、また、その変動が長時間に渡れば渡るほど、合成出力目標は発電機1Aの発電出力の平均値よりも低くなるので、その分だけ、より多くの電力を蓄電地2Aに蓄電することができるようになり、放電不足を抑制することができる。さらに、合成出力目標に蓄電池2Aの充電量に応じた値を加算した値に、発電機1Aの発電出力が制限されることにより、発電機出力の変動幅が蓄電池2Aの充放電能力の範囲内に抑制される。この結果、発電電力の大きな変動が長時間続く条件においても、発電出力変動が抑制され、合成出力の変動を抑制することができる。このような制御を合成出力目標のシフト制御ともいう。
また、本実施の形態では、上述の合成出力目標のシフト制御により、SOCが大きくなり過ぎるのを防止するため、合成出力目標をSOCに応じて補正している。さらには、蓄電池2AのSOCが許容値を超えた場合には、合成出力目標のシフト制御を一時停止し、蓄電池2Aの放電を優先する。また、蓄電池2Aの充放電の繰り返しにより、蓄電池2Aの充電量が次第に低下していくのを防止する仕組みも設けられている。このような仕組みを設けることにより、蓄電池2Aの充電量を過不足のない状態に保ち、合成出力の平滑化を滞りなく継続することができるようになる。
上記実施の形態に係る制御部3に構築される制御系等のブロック構成はあくまで一例であり、適宜変更が可能である。
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
本発明は、太陽光又は風力等の再生可能エネルギーを利用した発電機に適用することができる。
1 再生可能エネルギー電源、1A 発電機、1B 出力制御部、2 蓄電池システム、2A 蓄電池、2B 双方向電力変換器、2C 変換器制御器、2D 蓄電地コントローラ、2E 保護回路、2F SOC計測回路、3 制御部、3A 電力換算部、3B ローパスフィルタ(LPF)、3C 上昇変化率制限部、3D スイッチング部、3E 加算部、3F 平滑化部、3G SOC維持設定部、3H 減算部、3I 出力制御部、3J 電力換算部、3K 平滑化部、3L SOC処理部、3M 出力上昇リミッタ信号作成部、4、5 変圧器、6、7 電流センサ、10 電力系統、30D スイッチ、31D SOCレベル検出部、30F 変動幅制限部、31F 変化率制限部、32F 変動幅上下限設定部、30G 減算部、31G 変動幅制限部、32G 一次遅れ要素(LAG)、33G 加算部、35G 上下限設定部、36G 零レベル設定部、37G スイッチ、38G 高低維持点検出部、30K ローパスフィルタ(LPF)、31K 変動幅制限部、32K 変化率制限部、33K 変動幅上下限設定部、30L SOC目標設定部、31L SOC出力換算部、32L 減算部、33L SOC制御部、34L 変動幅制限部、35L SOC関数部、36L 下限制限部、37L 減算部、30M バイアス出力部、31M 加算部、32M 上昇下降変化率制限部、33M 上限制限部、34M 充電電力上限設定部、35M 充電電力下限設定部、36M スイッチ、37M SOCレベル検出部、38M 加算部、100 分散電源。

Claims (6)

  1. 再生可能エネルギーで発電を行う発電機と、前記発電機の発電出力を貯蔵し放電する電力貯蔵装置とを備え、前記発電機の発電出力を前記電力貯蔵装置の放電電力と合成することにより電力系統へ送電する出力を平滑化する電源装置を制御する制御装置であって、
    前記発電機の発電出力の変動に従って変動し、かつ、上昇時の変化率が制限された値を出力する上昇変化率制限部と、
    前記上昇変化率制限部で上昇時の変化率が制限された前記発電機の発電出力の値を平滑化することにより、前記発電機及び前記電力貯蔵装置の合成出力目標を生成して出力する合成出力目標生成部と、
    前記発電機の発電出力が前記合成出力目標を上回る場合には、前記電力貯蔵装置に対して前記発電機の発電出力を充電し、前記発電機の発電出力が前記合成出力目標以下である場合には、放電を行うように、前記電力貯蔵装置を制御する充放電制御部と、
    前記合成出力目標に、前記電力貯蔵装置の充電量に応じた値を加算した値を、前記発電機の発電出力の上限値として出力する加算部と、
    前記発電機の発電出力が、前記発電出力の上限値を上回らないように、前記発電機を制御する発電機制御部と、
    を備える制御装置。
  2. 前記発電機の発電出力の値を平滑化する平滑化部と、
    前記平滑化部で平滑化された値に基づいて、前記電力貯蔵装置の充電状態の目標値を設定する充電状態目標設定部と、
    前記電力貯蔵装置の充電状態を計測する充電状態計測部と、
    前記充電状態目標設定部で設定された前記電力貯蔵装置の充電状態の目標値に対する、前記充電状態計測部で計測された前記電力貯蔵装置の充電状態の偏差を算出する減算部と、
    を備え、
    前記合成出力目標生成部は、
    前記上昇変化率制限部から出力された値に、前記電力貯蔵装置の充電状態の目標値との偏差に応じた補正値が加算された加算値を平滑化することにより、前記合成出力目標を生成する、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記充電状態計測部で計測された前記電力貯蔵装置の充電状態が、前記充電状態目標設定部で設定された目標値を上回っている場合にその偏差に応じた値だけ前記合成出力目標を引き上げる合成出力目標補正部を備える、
    請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記充電状態計測部で計測された前記電力貯蔵装置の充電状態が上限値を超えた場合に、
    前記合成出力目標生成部は、
    前記上昇変化率制限部で上昇時の変化率が制限された前記発電機の発電出力の値に代えて、前記平滑化部で平滑化された値をさらに平滑化した値を、前記発電機及び前記電力貯蔵装置の合成出力目標として生成して出力し、
    前記加算部は、
    前記合成出力目標に前記電力貯蔵装置の充電量に応じた値を加算し、その加算値を前記発電機の発電出力の上限値として出力する、
    請求項2に記載の制御装置。
  5. 前記発電機の発電出力の値の高周波成分を除去するローパスフィルタを備え、
    前記上昇変化率制限部は、
    前記ローパスフィルタを介して得られる前記発電機の発電出力の上昇時の変化率を制限する、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制御装置。
  6. 再生可能エネルギーで発電を行う発電機と、前記発電機の発電出力を貯蔵し放電する電力貯蔵装置とを備え、前記発電機の発電出力を前記電力貯蔵装置の放電電力と合成することにより電力系統へ送電する出力を平滑化する電源装置を制御する制御方法であって、
    前記発電機の発電出力の変動に従って変動し、かつ、上昇時の変化率が制限された値を出力する上昇変化率制限ステップと、
    前記上昇変化率制限ステップで上昇時の変化率が制限された前記発電機の発電出力の値を平滑化することにより、前記発電機及び前記電力貯蔵装置の合成出力目標を生成して出力する合成出力目標生成ステップと、
    前記発電機の発電出力が前記合成出力目標を上回る場合には、前記電力貯蔵装置に対して前記発電機の発電出力を充電し、前記発電機の発電出力が前記合成出力目標以下である場合には、放電を行うように、前記電力貯蔵装置を制御する充放電制御ステップと、
    前記合成出力目標に、前記電力貯蔵装置の充電量に応じた値を加算した値を、前記発電機の発電出力の上限値として出力する加算ステップと、
    前記発電機の発電出力が、前記発電出力の上限値を上回らないように、前記発電機を制御する発電機制御ステップと、
    を含み、
    前記各ステップを繰り返す制御方法。
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