JP2017046375A - ケーブルガイドおよびケーブルユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーブルベア(登録商標)を用いることなく製造ラインにおける搬送機械等の可動部にケーブルを配線することができ、また静電気が発生した場合であっても静電気を除去することができる技術を提供する。【解決手段】ケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなり、並列に配置された複数本の金属チューブと、複数本の金属チューブのそれぞれの外周を囲うように設けられた絶縁層と、を備え、隣接する絶縁層同士が互いに接合されており、金属チューブと絶縁層との間には、複数本の金属チューブのそれぞれの外周を被覆し、半導電性を有する半導電層が設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、ケーブルガイドおよびケーブルユニットに関する。
従来より、例えば半導体や液晶画面等の製造ラインで用いられる(製造装置に配線される)ケーブルのうち、可動部(例えば繰り返しU字屈曲を受ける箇所)に配線されるケーブルは、断線や捩れ対策のためにケーブルベア(登録商標)の中に収容されて配線されている(例えば特許文献1参照)。つまり、製造ラインにおける搬送機械等に配線されるケーブル等の一定の軌道上を移動する動作をするケーブルは、ケーブルベア(登録商標)の中に収容して配線され、ケーブルベア(登録商標)に収容された状態で動かされている。
しかしながら、ケーブルは柔軟性を有するため、ケーブルをU字屈曲させた際に生じる直線部(屈曲部以外の箇所)が垂れ下がることがある。このようなケーブルがケーブルベア(登録商標)内に収容された状態で動かされると、ケーブルベア(登録商標)内でケーブルが垂れ下がり、ケーブルとケーブルベア(登録商標)とが接触し擦れることがある。これにより、ケーブルが摩耗し、これに伴う粉塵が発生することがある。その結果、ケーブルベア(登録商標)に収容されたケーブルが例えばクリーンルーム内の製造ラインにおける搬送機械に配線されている場合、粉塵が発生すると、例えば製造している製品の品質を低下させたりすることがある。
また、近年のスマートフォンやタブレット端末等の普及により、半導体や液晶画面等の製造ラインの稼働率の一層の向上が要求されている。例えば、製造ラインにおける搬送機械等の一層の高速化が要求されている。このため、搬送機械等の可動部に配線されるケーブルも、より速く、激しく動かされるとともに、長距離にわたって繰り返しU字屈曲を受けることがある。このとき、ケーブルが収容されたケーブルベア(登録商標)が速く激しく繰り返し動かされると、ケーブルやケーブルベア(登録商標)に静電気が発生し、ケーブルの品質や製造ラインの安全を保つことが難しいことがある。
本発明は、上記課題を解決し、ケーブルベア(登録商標)を用いることなく製造ラインにおける搬送機械等の可動部にケーブルを配線することができ、また静電気が発生した場合であっても静電気を除去することができる技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、
ケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなり、並列に配置された複数本の金属チューブと、
複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を囲うように設けられた絶縁層と、を備え、
隣接する前記絶縁層同士が互いに接合されており、
前記金属チューブと前記絶縁層との間には、複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を被覆し、半導電性を有する半導電層が設けられているケーブルガイドが提供される。
ケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなり、並列に配置された複数本の金属チューブと、
複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を囲うように設けられた絶縁層と、を備え、
隣接する前記絶縁層同士が互いに接合されており、
前記金属チューブと前記絶縁層との間には、複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を被覆し、半導電性を有する半導電層が設けられているケーブルガイドが提供される。
本発明の他の態様によれば、
ケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなり、並列に配置された複数本の金属チューブと、
複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を囲うように設けられた絶縁層と、を有し、
隣接する前記絶縁層同士が互いに接合されており、
前記金属チューブと前記絶縁層との間には、複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を被覆し、半導電性を有する半導電層が設けられているケーブルガイドと、
前記金属チューブが有する前記挿通孔内に挿通されたケーブルと、を備えるケーブルユニットが提供される。
ケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなり、並列に配置された複数本の金属チューブと、
複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を囲うように設けられた絶縁層と、を有し、
隣接する前記絶縁層同士が互いに接合されており、
前記金属チューブと前記絶縁層との間には、複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を被覆し、半導電性を有する半導電層が設けられているケーブルガイドと、
前記金属チューブが有する前記挿通孔内に挿通されたケーブルと、を備えるケーブルユニットが提供される。
本発明によれば、ケーブルベア(登録商標)を用いることなく製造ラインにおける搬送機械等の可動部にケーブルを配線することができ、また静電気が発生した場合であっても静電気を除去することができる。
<本発明の一実施形態>
(1)ケーブルガイドおよびケーブルユニットの構成
以下に、本発明の一実施形態にかかるケーブルガイドおよびケーブルユニットの構成について、図1および図2を参照しながら説明する。
(1)ケーブルガイドおよびケーブルユニットの構成
以下に、本発明の一実施形態にかかるケーブルガイドおよびケーブルユニットの構成について、図1および図2を参照しながら説明する。
図1および図2に示すように、ケーブルガイド10は、並列に配置された複数本(例えば5本)の金属チューブ11を備えている。
各金属チューブ11はそれぞれ、ケーブル20が挿通される挿通孔(貫通孔)11aが形成され、屈曲性(フレキシブル性)を有する管状部材からなっている。金属チューブ11は、挿通孔11a内に挿通されるケーブル20を保護する機能も果たす。金属チューブ11は例えばステンレス鋼(SUS)で形成されている。具体的には、金属チューブ11は、耐食性に優れた例えばSUS304で形成されていることが好ましい。ただし、金属チューブ11はSUS以外の金属材料で形成されていてもよい。
金属チューブ11は、その外周面に、金属チューブ11に屈曲性を付与する凹凸を有している。また、金属チューブ11は、金属チューブ11を屈曲させた際の屈曲箇所の内径が、屈曲していない箇所(非屈曲箇所)の内径とほぼ同程度になるように構成されていることが好ましい。つまり、金属チューブ11は屈曲箇所の内径が小さくならないように構成されていることが好ましい。例えば、金属チューブ11は、管軸方向に縮むことはできるけれども、伸びることはできないチューブであることが好ましい。つまり、金属チューブ11は、屈曲した場合であっても伸びることがないため、挿通孔11a内に挿通されたケーブル20が引っ張られることがなく、そのケーブル20に張力がかかることを抑制できるチューブであることが好ましい。これにより、後述のケーブルユニット1を動かした際、屈曲箇所において金属チューブ11の挿通孔11aに挿通されたケーブル20の外周面と金属チューブ11の挿通孔11aの内周面とが接触し擦れることを抑制することができる。その結果、粉塵が発生することを抑制することができる。
上述のような金属チューブ11としては、例えばインタロック型蛇管(Interlock Gooseneck Tube)を用いることができる。なお、インタロック型蛇管の詳細構造は既に公知であるため、本明細書では詳細な説明は省略する。
また、複数本の金属チューブ11を並列に配置することで、金属チューブ11の屈曲方向を制御でき、その結果ケーブルガイド10の屈曲方向を制御することができる。つまり、各金属チューブ11がそれぞれ種々の方向に屈曲するように構成されている場合であっても、金属チューブ11を複数本並列に配置してケーブルガイド10を構成することで、ケーブルガイド10は、金属チューブ11の並列方向と直交する方向には屈曲するが、並列方向には屈曲しないようになる。
金属チューブ11の両端には、金属チューブ11の挿通孔11a内に挿通されたケーブル20が金属チューブ11の端面(断面)に接触することを防止する治具(例えば銅製の治具)11bが設けられていることが好ましい。これにより、後述のケーブルユニット1を動かした際にケーブル20と金属チューブ11の端面とが擦れて粉塵が発生することを抑制することができる。
複数本の金属チューブ11のそれぞれの外周を囲うように絶縁層12が設けられている。絶縁層12は、金属チューブ11の両端部を露出させるように設けられていることが好ましい。隣接する絶縁層12同士は互いに接合されている。例えば、隣接する絶縁層12同士は互いに熱融着されている。この他、接着剤により接着されていてもよい。絶縁層12は、後述の半導電層13が外部からの負荷により損傷することを抑制する保護層としても機能する。
絶縁層12は、例えばフッ素樹脂とフッ素ゴムとを含有する絶縁材料で形成されていることが好ましい。具体的には、絶縁層12は例えば95:5〜20:80の質量比でフッ素ゴムとフッ素樹脂とを含有している(フッ素ゴム:フッ素樹脂=95:5〜20:80である)絶縁材料で形成されていることが好ましい。また、フッ素樹脂は、例えば99.5:0.5〜75:25の質量比でポリテトラフルオロエチレンと溶融性フッ素樹脂とを含有している(ポリテトラフルオロエチレン:溶融性フッ素樹脂=99.5:0.5〜75:25である)ことが好ましい。このような絶縁材料としては、例えばダイキン工業株式会社製のダイエル(登録商標)フルオロTPVを用いることができる。
これにより、絶縁層12を、フッ素樹脂による耐摩耗性と、フッ素ゴムによる柔軟性および弾力性と、を兼ね備える層にすることができる。絶縁層12が耐摩耗性を有することで、絶縁層12に外的負荷が加わった場合(例えば絶縁層12と床とが接触して擦れたり、絶縁層12と製造ライン上にある機械とが接触して擦れた場合)であっても、絶縁層12から粉塵が生じることを抑制することができる。したがって、ケーブルガイド10からの発塵をより抑制することができる。絶縁層12が柔軟性を有することで、上述の金属チューブ11が有する屈曲性を阻害することを抑制することができる。また、絶縁層12が柔軟性を有することで、耐U字屈曲性を向上させ、繰り返しU字屈曲させることができる。また、絶縁層12が弾力性を有することで、ケーブルガイド10をU字屈曲させた際、ケーブルガイド10の直線部(直進部)が垂れ下がることを抑制できる。
図2に示すように、各金属チューブ11において、金属チューブ11と絶縁層12との間には、半導電性を有する半導電層13が設けられている。つまり、半導電層13は、複数本の金属チューブ11のそれぞれの外周を被覆するように設けられている。
ここで、本明細書では、「半導電性を有する」とは、導電性と可撓性とを併せ持つ(兼ね備える)ことを意味する。例えば、半導電性を有する半導電層13とは、後述のケーブルユニット1を動かした際に生じた静電気を半導電層13によって吸収してケーブルガイド10の外部に放出する効果(静電気吸収除去効果)を得ることができる程度の導電性と、半導電層13が弾性変形しても破断しない程度の可撓性と、を併せ持つ層を意味する。半導電層13が半導電性を有することで、上述の金属チューブ11が有する屈曲性が阻害されることなく静電気吸収除去効果を得ることができる。
半導電層13に吸収された静電気は、半導電層13中で熱に変換されてケーブルガイド10の外部に放出されたり、半導電層13および金属チューブ11を導通してケーブルガイド10の外部に放出されることとなる。なお、半導電層13に吸収された静電気が半導電層13中で熱に変換されるのは、半導電層13は導電層に比べて導電性が低いためである。
半導電層13は、可撓性を有する樹脂材料に導電性を有する導電材料(導電粒子)を混入させたことで半導電性が付与された材料により形成されている。可撓性を有する樹脂材料としては、例えばポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂、ポリオレフィン(PO)樹脂等を用いることができる。導電材料としては、例えばカーボンブラックを用いることができる。
半導電層13は、例えば充実成形されていることが好ましい。これにより、後述のケーブルユニット1がどんな動きをした場合であっても、ケーブルガイド10やケーブル20に発生した静電気を吸収し、除去することができる。
具体的には、半導電層13は、金属チューブ11がその外周面に有している凹凸の凹部内に充填された状態で金属チューブ11の外周を被覆するように形成されていることが好ましい。例えば金属チューブ11がインタロック型蛇管である場合、半導電層13はインタロック型蛇管の外周面にあるインタロック部内の空隙を埋めるとともに、金属チューブ11の外周を被覆するように形成されていることが好ましい。
ケーブルガイド10に空隙が存在すると、後述のケーブルユニット1を動かした際に空隙内で電位差が生じて静電気が発生しやすくなる。したがって、金属チューブ11がその外周面に備える凹凸の凹部内を半導電層13で充填してケーブルガイド10に存在する空隙を減らすことで、後述のケーブルユニット1を動かした際に電位差が生じる箇所をゼロに近づけることができる。その結果、ケーブルガイド10に静電気が発生することをより抑制することができる。
半導電層13の体積抵抗率は例えば0.1Ω・cm以上103Ω・cm以下、例えば1Ω・cmであることが好ましい。半導電層13の体積抵抗率がこの範囲内であれば、本願の所望とする半導電性(導電性)を満足する。なお、半導電層13の体積抵抗率の調整は、導電材料の含有量(添加量)を調整することで行うことができる。
半導電層13の体積抵抗率が0.1Ω・cm未満であると、半導電層13の導電性が低く、所望の半導電性を有さないことがある。その結果、静電気吸収除去効果が得られないことがある。
半導電層13の体積抵抗率を0.1Ω・cm以上にすることで、これを解決することができる。これにより、半導電層13を半導電性を有する層、つまり所望の導電性と所望の可撓性とを兼ね備える層にすることができる。その結果、半導電層13を、静電気吸収除去効果を有するとともに、金属チューブ11の屈曲性を阻害しない層にすることができる。
しかしながら、半導電層13の体積抵抗率が103Ω・cmを超えると、半導電層13の可撓性が損なわれ、半導電層13が所望の半導電性を有さないことがある。これは、体積抵抗率が103Ω・cmを超える半導電層13を形成するには、半導電層13中の導電性材料の含有量を増やす必要があるが、半導電層13中の導電性材料の含有量が増えると、半導電層13の可撓性が損なわれ、上述の金属チューブ11の屈曲性を阻害することがある。
半導電層13の体積抵抗率を103Ω・cm以下にすることで、これを解決することができる。これにより、半導電層13を半導電性を有する層、つまり導電性と可撓性とを兼ね備える層にすることができる。その結果、半導電層13を、静電気吸収除去効果を有するとともに、金属チューブ11の屈曲性を阻害しない層にすることができる。
また、半導電層13の厚さは、上述の静電気吸収除去効果を得ることができる厚さであればよい。例えば、半導電層13の厚さは、後述のケーブルユニット1を動かした際に発生した静電気(ノイズ)を吸収し、吸収した静電気(熱に変換された静電気も含む)を半導電層13の長手方向(すなわち金属チューブ11の管軸方向)に均一に流して除去することができる厚さであればよい。
半導電層13の厚さは例えば0.1mm以上0.3mm以下、例えば0.2mmであることが好ましい。
半導電層13の厚さが0.1mm未満であると、上述の静電気吸収除去効果が得られないことがある。
半導電層13の厚さを0.1mm以上にすることで、これを解決することができ、上述の静電気吸収除去効果を得ることができる。
しかしながら、半導電層13の厚さが厚くなるほど、半導電層13の重量が増える。半導電層13の厚さが0.3mmを超えると、半導電層13の重量が増え、ケーブルガイド10を例えば半導体等の製造ラインにおける搬送機械等の可動部に配設した際、U字に屈曲したケーブルガイド10の直線部が垂れ下がることがある。
半導電層13の厚さを0.3mm以下にすることで、これを解決することができ、U字に屈曲したケーブルガイド10の直線部が垂れ下がることを抑制することができる。
また、ケーブルガイド10では、半導電層13および絶縁層12を積層した層(以下、積層体ともいう。)が200%伸びを有することが好ましい。これにより、金属チューブ11の屈曲性を阻害することをより確実に抑制することができる。なお、200%伸びとは、伸び率が200%であることを意味する。例えば、負荷を何も加えない状態の長さが10cmである積層体の場合、100%伸びを有するとは、積層体の長さを20cmに伸ばすことができることを意味し、200%伸びを有するとは、積層体の長さを30cmに伸ばすことができることを意味する。
上述のように構成されたケーブルガイド10は、少なくとも一端が金属チューブ11の並列方向と直交する方向に可動する製造ラインにおける搬送機械等の可動部に固定される。例えば、U字状に屈曲されたケーブルガイド10の一端を固定して固定端とし、他端を金属チューブ11の並列方向と直交する方向に可動する製造ラインにおける搬送機械等の可動部に固定して移動端とする。そして、移動端が所定方向(金属チューブ11の並列方向と直交する方向)に繰り返し往復動する。
金属チューブ11が有する挿通孔11a内にケーブル20が挿通されることで、ケーブルガイド10とケーブル20とを備えるケーブルユニット1が構成される。ケーブル20として、例えば、導体と、導体の外周を囲うように設けられる絶縁体と、を有する電線、電源線、信号線等を用いることができる。導体として、例えば耐屈曲かつフレキシブルな拠り線導体を用いることができる。また、絶縁体の形成材料として、耐摩耗性を有し(摩耗に強く)、粉塵が発生しにくいフッ素樹脂(例えばETFE、FEP、PFA、PTFE等)を用いることができる。また、ケーブル20としては、シールドが設けられた電線を用いてもよい。また、シールドの外周には、高い耐摩耗性を有し粉塵が発生しにくい例えばフッ素樹脂テープが巻かれていてもよく、あるいは、シールドの外周には、シールドの外周を例えばフッ素樹脂で被覆してジャケット層が設けられていてもよい。
(2)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
(a)内部にケーブル20が挿通される挿通孔11aが形成され、屈曲性を有する管状部材からなる金属チューブ11を用いて形成したケーブルガイド10を用い、金属チューブ11が備える挿通孔11a内にケーブル20を挿通させて形成されたケーブルユニット1を用いることで、ケーブルベア(登録商標)を用いることなく例えば半導体等の製造ラインにおける搬送機械等の可動部にケーブル20を配線することができる。本実施形態にかかるケーブルガイド10を用いることで、ケーブルベア(登録商標)を用いる場合よりも粉塵の発生を抑制することができる。本実施形態にかかるケーブルガイド10は、例えばクリーンルーム等に配置された搬送機械等の可動部に設置される場合に特に有効である。
(b)金属チューブ11と絶縁層12との間に金属チューブ11のそれぞれの外周を被覆し、導電性と可撓性とを兼ね備える半導電性を有する半導電層13を設けてケーブルガイド10を形成することで、金属チューブ11が有する屈曲性を損なうことなく静電気吸収除去効果を得ることができる。
つまり、ケーブルガイド10が半導電性を有する半導電層13を備えることで、ケーブルガイド10が有する挿通孔11a内にケーブル20を挿通したケーブルユニット1をU字に屈曲させて動かした際、ケーブル20の動きに追従させてケーブルガイド10を動かすことができるとともに、ケーブルユニット1を動かすことでケーブル20やケーブルガイド10に発生した静電気を半導電層13により吸収し、ケーブルガイド10(ケーブルユニット1)の外部に放出することができる。
なお、ケーブルガイド10を単に導通させて、ケーブルユニット1を動かすことで発生した静電気を吸収して除去する目的のみを達成すればよい場合は、半導電層13ではなく導電層を設けた方が好ましい。導電層は、通常例えば銅(Cu)等の金属からなる金属層で形成される。しかしながら、金属層は可撓性(柔軟性、屈曲性)を有さない。このため、半導電層13の代わりに導電層を設けると、ケーブルユニット1において、金属チューブ11が有する屈曲性が導電層によって損なわれ、ケーブル20の動きに追従させてケーブルガイド10を動かすことができなくなる。これに対し、本実施形態では、導電性と可撓性とを併せ持つ半導電性を有する半導電層13を設けている。これにより、金属チューブ11が有する屈曲性を損なうことなく静電気吸収除去効果を得ることができる。
(c)金属チューブ11がその外周面に凹凸を有している場合、半導電層13を金属チューブ11が有する凹凸の凹部内に充填された状態で金属チューブ11の外周を被覆するように形成することで、ケーブルユニット1を動かした際にケーブル20やケーブルガイド10に静電気が発生することを抑制することができる。
(d)絶縁層12をフッ素樹脂とフッ素ゴムとを含有する絶縁材料で形成することで、絶縁層12を、フッ素樹脂による耐摩耗性と、フッ素ゴムによる柔軟性および弾力性と、を兼ね備える層にすることができる。
(e)また、絶縁層12を上述の絶縁材料で形成することで、特にフッ素樹脂を含有する材料で形成することで、ケーブルユニット1を動かすことで絶縁層12と床が擦れたり、絶縁層12と搬送機械とが擦れた際に静電気が発生しやすくなる。本実施形態にかかるケーブルガイド10では、このような絶縁層12側に発生した静電気も半導電層13により吸収してケーブルガイド10の外部に放出することができる。
(f)本実施形態にかかるケーブルガイド10を用いて形成したケーブルユニット1は、優れた柔軟性を有するため、ケーブルユニット1を繰り返しU字屈曲させた場合であっても、破損することを抑制することができる。例えば、ケーブルユニット1を製造ラインにおける搬送機械等の可動部に配設し、配設されたケーブルガイド10(ケーブルユニット1)の移動端を所定方向に繰り返し往復動させても破損することを抑制することができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、金属チューブ11がその外周面に有する凹凸がインターロックチューブが有している凹凸である場合について説明したが、これに限定されない。
例えば、金属チューブ11の外周面に凹部となる溝部を設けることで、金属チューブ11の外周面に凹凸を形成してもよい。
例えば、金属チューブ11の外周面に凹部となる溝部を設けることで、金属チューブ11の外周面に凹凸を形成してもよい。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
内部にケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなる金属チューブとして、内径が4mmであり、外径が6mmであるインタロック型蛇管を用いた。金属チューブがその外周面に有する凹凸の凹部を充填するとともに、金属チューブの外周を被覆するように、厚さが0.2mmの半導電性を有する半導電層を金属チューブの外周に設けた。なお、半導電層の形成材料としては、ポリ塩化ビニル樹脂に所定量のカーボンブラックを添加して形成した半導電性ビニルを用いた。そして、絶縁材料としてダイエル(登録商標)フルオロTPVを用い、半導電層の外周に厚さが0.2mmの絶縁層を形成し、外径が6.8mmの3層チューブを形成した。この3層チューブを8本並列して配置し、隣接する絶縁層同士を熱風融着により接合してケーブルガイドを形成した。そして、金属チューブが有する挿通孔内に電源線や信号線や光ファイバ等のケーブルを必要に応じて挿通させてケーブルユニットを形成した。
形成したケーブルユニットをU字状に折り曲げ、ケーブルガイドの一端を固定して固定端とし、他端を金属チューブの並列方向と直交する方向に可動する製造ラインにおける搬送機械等の可動部に固定して移動端とし、ケーブルユニットを半導体等の製造ライン上の搬送機械等の可動部に敷設(配設)した。
ケーブルガイドの絶縁層(絶縁層に含まれるフッ素ゴム)が有する高弾力性によって、ケーブルユニットはケーブルベア(登録商標)を用いなくても最大L=1.5mの移動距離(直線部)で垂れ下がることがないことを確認した。
移動端を所定方向(金属チューブの並列方向と直交する方向)に、曲げ半径40.8mm(3層チューブの外径の6倍)、折り返し速度30回/分、移動距離1.5mの条件で往復動させるように動かした。そして、ケーブルユニットの移動端を1000万回以上往復動させても、つまりケーブルユニットを1000万回以上U字屈曲させても、ケーブルユニットは破損することがないことを確認した。また、ケーブルガイドが有する絶縁層をフッ素樹脂を含有する材料で形成することで、ケーブルガイドは優れた耐摩耗性を有し、絶縁層に外的負荷が加わった場合であっても摩耗による粉塵の発生をより抑制できていることを確認した。さらにまた、ケーブルユニットを動かす(ケーブルユニットの移動端を所定方向に往復動させる)ことで発生した静電気は、半導電層中で熱に変換されてケーブルガイドの外部に放出されたり、半導電層および金属チューブを導通してケーブルガイドの外部に放出されることを確認した。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
[付記1]
本発明の一態様によれば、
内部にケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなり、並列に配置された複数本の金属チューブと、
複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を囲うように設けられた絶縁層と、を備え、
隣接する前記絶縁層同士が互いに接合されており、
前記金属チューブと前記絶縁層との間には、複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を被覆し、半導電性を有する半導電層が設けられているケーブルガイドが提供される。
本発明の一態様によれば、
内部にケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなり、並列に配置された複数本の金属チューブと、
複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を囲うように設けられた絶縁層と、を備え、
隣接する前記絶縁層同士が互いに接合されており、
前記金属チューブと前記絶縁層との間には、複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を被覆し、半導電性を有する半導電層が設けられているケーブルガイドが提供される。
[付記2]
付記1のケーブルガイドであって、好ましくは、
前記半導電層は、可撓性を有する樹脂材料に導電性を有する導電材料(導電粒子)を混入させることで半導電性が付与された材料で形成されている。
付記1のケーブルガイドであって、好ましくは、
前記半導電層は、可撓性を有する樹脂材料に導電性を有する導電材料(導電粒子)を混入させることで半導電性が付与された材料で形成されている。
[付記3]
付記1または2のケーブルガイドであって、好ましくは、
前記半導電層は、前記金属チューブがその外周面に有している凹凸の凹部内に充填された状態で前記金属チューブの外周を被覆するように形成されている。
付記1または2のケーブルガイドであって、好ましくは、
前記半導電層は、前記金属チューブがその外周面に有している凹凸の凹部内に充填された状態で前記金属チューブの外周を被覆するように形成されている。
[付記4]
付記1ないし3のいずれかのケーブルガイドであって、好ましくは、
前記絶縁層は、フッ素樹脂とフッ素ゴムとを含有する絶縁材料で形成されている。
付記1ないし3のいずれかのケーブルガイドであって、好ましくは、
前記絶縁層は、フッ素樹脂とフッ素ゴムとを含有する絶縁材料で形成されている。
[付記5]
付記1ないし4のいずれかのケーブルガイドであって、好ましくは、
前記半導電層の体積抵抗率は0.1Ω・cm以上103Ω・cm以下である。
付記1ないし4のいずれかのケーブルガイドであって、好ましくは、
前記半導電層の体積抵抗率は0.1Ω・cm以上103Ω・cm以下である。
[付記6]
付記1ないし5のいずれかのケーブルガイドであって、好ましくは、
前記半導電層の厚さは0.1mm以上0.3mm以下(好ましくは0.2mm)である。
付記1ないし5のいずれかのケーブルガイドであって、好ましくは、
前記半導電層の厚さは0.1mm以上0.3mm以下(好ましくは0.2mm)である。
[付記7]
付記1ないし6のいずれかのケーブルガイドであって、好ましくは、
少なくとも一端が前記金属チューブの並列方向と直交する方向に可動する可動部に固定される。
付記1ないし6のいずれかのケーブルガイドであって、好ましくは、
少なくとも一端が前記金属チューブの並列方向と直交する方向に可動する可動部に固定される。
[付記8]
本発明の他の態様によれば、
内部にケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなり、並列に配置された複数本の金属チューブと、
複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を囲うように設けられた絶縁層と、を有し、
隣接する前記絶縁層同士が互いに接合されており、
前記金属チューブと前記絶縁層との間には、複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を被覆し、半導電性を有する半導電層が設けられているケーブルガイドと、
前記金属チューブが有する前記挿通孔内に挿通されたケーブルと、を備えるケーブルユニットが提供される。
本発明の他の態様によれば、
内部にケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなり、並列に配置された複数本の金属チューブと、
複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を囲うように設けられた絶縁層と、を有し、
隣接する前記絶縁層同士が互いに接合されており、
前記金属チューブと前記絶縁層との間には、複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を被覆し、半導電性を有する半導電層が設けられているケーブルガイドと、
前記金属チューブが有する前記挿通孔内に挿通されたケーブルと、を備えるケーブルユニットが提供される。
10 ケーブルガイド
11 金属チューブ
11a 挿通孔
12 絶縁層
13 半導電層
20 ケーブル
11 金属チューブ
11a 挿通孔
12 絶縁層
13 半導電層
20 ケーブル
Claims (4)
- ケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなり、並列に配置された複数本の金属チューブと、
複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を囲うように設けられた絶縁層と、を備え、
隣接する前記絶縁層同士が互いに接合されており、
前記金属チューブと前記絶縁層との間には、複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を被覆し、半導電性を有する半導電層が設けられている
ケーブルガイド。 - 前記半導電層は、前記金属チューブがその外周面に有している凹凸の凹部内に充填された状態で前記金属チューブの外周を被覆するように形成されている
請求項1に記載のケーブルガイド。 - 前記絶縁層は、フッ素樹脂とフッ素ゴムとを含有する絶縁材料で形成されている
請求項1または2に記載のケーブルガイド。 - ケーブルが挿通される挿通孔が形成され、屈曲性を有する管状部材からなり、並列に配置された複数本の金属チューブと、
複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を囲うように設けられた絶縁層と、を有し、
隣接する前記絶縁層同士が互いに接合されており、
前記金属チューブと前記絶縁層との間には、複数本の前記金属チューブのそれぞれの外周を被覆し、半導電性を有する半導電層が設けられているケーブルガイドと、
前記金属チューブが有する前記挿通孔内に挿通されたケーブルと、を備える
ケーブルユニット。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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CN201620926463.5U CN205943509U (zh) | 2015-08-24 | 2016-08-23 | 电缆导管和电缆单元 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015164676A JP2017046375A (ja) | 2015-08-24 | 2015-08-24 | ケーブルガイドおよびケーブルユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017046375A true JP2017046375A (ja) | 2017-03-02 |
Family
ID=57951672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015164676A Pending JP2017046375A (ja) | 2015-08-24 | 2015-08-24 | ケーブルガイドおよびケーブルユニット |
Country Status (3)
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JP (1) | JP2017046375A (ja) |
CN (1) | CN205943509U (ja) |
TW (1) | TW201709227A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2015
- 2015-08-24 JP JP2015164676A patent/JP2017046375A/ja active Pending
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2016
- 2016-08-23 CN CN201620926463.5U patent/CN205943509U/zh not_active Expired - Fee Related
- 2016-08-23 TW TW105126924A patent/TW201709227A/zh unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
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CN205943509U (zh) | 2017-02-08 |
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