本発明の実施形態について、図1〜図12に基づいて説明すれば以下のとおりである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成は、特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。なお、下記の説明において、「音声」とは、音響製品で取り扱われる音声全般であり、人の声および背景音、楽音を含む。
〔実施形態1〕
(音響装置の構成)
図1(a)(b)は、実施形態1に係る音響装置の構成を示すブロック図である。図1(a)に示すように、音響装置20は、入力部21と、信号処理部22と、増幅部23と、スピーカ部25と、入力部21並びに信号処理部22および増幅部23を制御する制御部28とを備えており、外部装置70からの入力信号に信号処理等を施して得られる出力信号を再生することで音声出力を行う。なお、図1(b)に示すように、信号処理部22は、音量調整部31、バーチャルサラウンド処理部32、ミックス部33、およびフィルタ部34を含む。
図2に示すように、スピーカ部25は、長方形の表示画面60の周囲を取り囲む、12個のフルレンジスピーカユニット(メインスピーカユニット)SF1〜SF12および12個の低音スピーカユニット(サブスピーカユニット)SL1〜SL12を備える。なお、フルレンジスピーカユニットは1つのスピーカユニットで低音から高音までの再生を行えるように構成されたものであり、低音スピーカユニットは低音を好適に再生できるように構成されたものであって、例えば、低音スピーカユニットの口径は、フルレンジスピーカユニットの口径よりも大きく設計されていたり、低音スピーカユニットの振動板重量が、フルレンジスピーカユニットの振動板重量よりも大きく設計され、結果的にスピーカユニットの最低共振周波数(F0)が低く設計されていたりするものとする。また、低音スピーカユニットは必ずしも前向きに振動板が設置されている必要はなく、例えば背面向きに振動板を設置し、ダクト等を前向きに設置するような構成でも良い。この場合、低音スピーカユニットとしてより口径の大きなものを用いても、スピーカ部分の前向きの見かけ上の面積を削減することができる。
図2では、表示画面60の4隅に対応するよう、右回りに、スピーカユニットSF1、SF8、SF12、およびSF5が配される。また、スピーカユニットSF1およびSF5の間隙であり、表示画面60の2長辺の一方の外側となる領域には、スピーカユニットSF1側から順に、スピーカユニットSF2、SF3、およびSF4が配され、スピーカユニットSF8およびSF12の間隙であり、表示画面60の2長辺の他方の外側となる領域には、スピーカユニットSF8側から順に、スピーカユニットSF9、SF10、およびSF11が配され、また、スピーカユニットSF1およびSF8の間隙であり、表示画面60の2短辺の一方の外側となる領域に、スピーカユニットSF6が配され、スピーカユニットSF5およびSF8の間隙であり、表示画面60の2短辺の他方の外側となる領域に、スピーカユニットSF7が配される。さらに、隣り合う2つのフルレンジスピーカユニットの間に1つの低音スピーカユニットが配される。
以上により、表示画面60の周囲には、右回りに、スピーカユニットSF1(コーナ)、SL1、SF2、SL2、SF3、SL3、SF4、SL4、SF5(コーナ)、SL6、SF7、SL8、SF12(コーナ)、SL12、SF11、SL11、SF10、SL10、SF9、SL9、SF8(コーナ)、SL7、SF6、SL5が配される。なお、低音スピーカユニットは隣り合うフルレンジスピーカユニットの中間に配置されているとよいが、フルレンジスピーカユニットから等距離の位置に2個の低音スピーカユニットが配置されていればよく、低音スピーカユニットを必ずしも隣り合うフルレンジスピーカユニットの中間に配置する必要はない。
図1に戻って、入力部21は、外部装置70から有線または無線により入力信号を受け付け、信号処理部22に出力する。入力信号は、非特許文献1のARIB STD-B59規格に規定された三次元マルチチャンネル音響方式(以下、22.2chと略記)フォーマットの24チャンネル(図10・図11参照)のデジタル信号であり、受聴者の頭部よりも上層(トップ層)にあって、頭部から等距離の9音源に対応する9チャンネルと、受聴者の頭部と同レイヤ(ミドル層)にあって、頭部から等距離の10音源に対応する10チャンネルと、受聴者の頭部よりも下層(ボトム層)にあって、頭部から等距離の3音源に対応する3チャンネルと、低音効果に対応する2チャンネルとからなる。
22.2chのトップ層にかかる9チャンネルは、受聴者の左斜め前上方、正面上方、右斜め前上方およびそれぞれの音源に対応するTpFL、TpFC、TpFRの3チャンネルと、受聴者の左上方および右上方それぞれの音源に対応するTpSiL、TpSiRの2チャンネルと、受聴者の左斜め後ろ上方、背面上方、および右斜め後ろ上方それぞれの音源に対応するTpBL、TpBC、TpBRの3チャンネルと、受聴者の直上の音源に対応するTpCの1チャンネルとで構成される。
22.2chのミドル層にかかる10チャンネルは、受聴者の左斜め前、左斜め前正面寄り、正面、右斜め前正面寄り、および右斜め前それぞれの音源に対応するFL、FLc、FC、FRc、FRの5チャンネルと、受聴者の左横および右横それぞれの音源に対応するSiL、SiRの2チャンネルと、受聴者の左斜め後ろ、背面、および右斜め後ろそれぞれの音源に対応するBL、BC、BRの3チャンネルとで構成される。
22.2chのボトム層にかかる3チャンネルは、受聴者の左斜め前下方、正面下方、および右斜め前下方それぞれの音源に対応するBtFL、BtFC、BtFRで構成される。
また低音効果に対応する2チャンネルは、音源位置を特定しない、LFE−1,LFE−2で構成される。
22.2chフォーマットの入力信号は、HDMI(登録商標)ケーブルによれば1本で、アナログピンコネクタケーブルによれば24本で伝送できるが、信号伝送の形態は特に問わない。HDMIケーブルを用いる場合は映像信号と音声信号とが重畳されるが、音響装置20では音声信号のみ抽出して用い、映像信号は別途表示装置に接続するものとする。表示装置からHDMIを経由して音声信号のみ受信する構成でも構わない。
信号処理部22は、入力部21で受け付けた入力信号(22.2chフォーマットのデジタル信号)を処理し、増幅部23に出力する。具体的には、音量調整部31が入力信号をレベル調整し、前方音源に対応する11チャンネル(図10に示される、TpFL,TpFC,TpFR,FL,FLc,FC,FRc,FR,BtFL,BtFC,BtFR)の前方信号および低音効果に対応する2チャンネル(LFE−1,LFE−2)の低音信号(所定周波数未満の低周波信号)と、周囲音源(非前方音源)に対応する11チャンネル(BL,BR,BC,SiL,SiR,TpC,TpBL,TpBR,TpSiL,TpSiR,TpBC)の周囲信号とに分離し、11チャンネルの前方信号をミックス部33に出力し、11チャンネルの周囲信号をバーチャルサラウンド処理部32に出力する。
バーチャルサラウンド処理部32は、11チャンネルの周囲信号に対して、特定の受聴位置に対して実在しないスピーカユニットから発せられているように知覚させるバーチャルサラウンド処理を施し、ミックス部33に出力する。
ミックス部33は、11チャンネルの前方信号および2チャンネルの低音信号を、スピーカ部25のスピーカユニット配列(図2参照)に応じてミックスし、さらにバーチャルサラウンド処理が施された11チャンネルの周囲信号を加算することで、スピーカユニット配列(図2のフルレンジスピーカユニットSF1〜SF12および低音スピーカユニットSL1〜SL12)に応じた24チャンネル(F1〜F12およびL1〜L12)の出力信号とし、これをフィルタ部34に出力する。
フィルタ部34は、出力信号に対して、対応するスピーカユニットに合わせたフィルタ処理を施し、増幅部23に出力する。具体的には、各スピーカユニットに対し、想定された周波数帯域のみ通過するように帯域制限を行う。さらに総合的な周波数特性を調整するよう、各スピーカユニットの再生周波数特性を補正するような処理を行ってもよい。
増幅部23は、フィルタ部34でフィルタ処理が施された出力信号を、スピーカユニットの駆動信号に増幅し、スピーカ部25に出力する。
スピーカ部25では、増幅部23からの駆動信号によって図2の24個のスピーカユニット(フルレンジスピーカユニットSF1〜SF12および低音スピーカユニットSL1〜SL12)が駆動され、音声出力(再生)が行われる。
制御部29は、リモートコントローラ80に対する受聴者の入力を、リモートコントローラ80からの信号によって受け付け、入力部21並びに信号処理部22および増幅部23の少なくとも1つに制御信号を出力する。受聴者の指示とは、電源のON/OFF、入力切り替え、音量調整、音質切り替え、バーチャルサラウンド処理のON/OFF等である。
(音響装置の動作)
以下に、音響装置の動作を説明する。
受聴者がリモートコントローラ80に電源ONの入力を行うと、制御部28はリモートコントローラ80からの信号を受信し、音響装置20の起動処理を行う。起動処理は、各部に通電し、動作可能状態となったところで増幅部23のミュートを解除し、実際に放音可能状態とする処理である。
起動処理が完了すると、入力部21は、接続された外部装置70からの入力信号を受け付ける。入力部21は、複数の入力信号の受け付けが可能であるが、制御部28からの信号に応じた入力信号(受聴者の選択したもの)を受け付ける。
入力部21はさまざまな信号フォーマットに対応可能であるが、ここで受け付ける入力信号は、HDMI2.0を用いた22.2chフォーマットの音声信号とする。
入力部21ではそれら音声信号を統一されたデジタル信号にして信号処理部22に出力する。ここで、統一されたデジタル信号とは、例えば標本化周波数を48kHzと規定し、それ以外の入力信号を受け付けた場合は標本化周波数を48kHzに変換する処理などを含む。なお、アナログ信号を受け付けた場合もAD変換により同様のフォーマットに変換する。
信号処理部22では、まず、音量調整部31にて入力信号の音量調整を行う。音量処理部31は、入力信号と、制御部28で設定された設定音量に対応する係数をかけ合わせ、受聴者の設定音量を反映させる。音量調整部31でレベル調整された入力信号は、前述のとおり、前方に位置する11個の音源に対応する11チャンネルの前方信号および低音効果に対応する2チャンネルの低音信号と、周囲に位置する11個の音源に対応する11チャンネルの周囲信号とに分離し、11チャンネルの前方信号をミックス部33に出力し、11チャンネルの周囲信号をバーチャルサラウンド処理部32に出力する。
バーチャルサラウンド処理部32では、周囲信号に対し、定位処理およびクロストークフィルタ処理を行う。
定位処理では、受聴者位置から見た周囲11個の音源の、それぞれの位置に対応する信号に、受聴者位置から見た音源位置に対応する頭部伝達関数(HRTF)を畳み込み、左右の耳道への入力に対応する2チャンネルの信号にまとめる。
HRTFとは、ある位置から受聴者の耳道に入力されるまでの空間の特性であり、人間の頭部や肩、耳介などの形状により影響を受けた信号を反映させたものである。HRTFの畳み込みにより、ある位置から耳道に入力されるまでの空間を通ったのと同様な特性をもたせることができるため、受聴者の耳道にて再生することにより受聴者はあたかもある位置から発せられた音であるかのように知覚する。
ここで、ある位置から発せられた音声は、空間を経由し受聴者の両耳に入るが、ある位置とは別の位置から発せられた音声は、ある位置から発せられた音声とは異なる特性で受聴者の両耳に入るため、これら2つの位置から発せられた音声を組み合わせれば、おおよそ受聴者の片耳にのみ入る音声をそれぞれ生じさせることができる。これらの処理をここではクロストークフィルタ処理と呼ぶ。
そこで、左右の耳道への入力に対応する2チャンネルの信号に対し、実際にバーチャルサラウンド再生に用いられるスピーカユニット数に応じてクロストークフィルタ処理を行う。これにより、特定の位置にいる受聴者の耳元でHRTF処理された音声を再生するのと同様な効果を得て、周囲11個の音源が、あたかもそれぞれ対応する位置にスピーカユニットが実在するかのごとく受聴者に知覚させることができるようになる。
ミックス部33は、11チャンネルの前方信号および2チャンネルの低音信号を、スピーカ部25のスピーカユニット配列(図2参照)に応じてミックスし、さらにバーチャルサラウンド処理が施された11チャンネルの周囲信号を加算することで、スピーカユニット配列(図2のフルレンジスピーカユニットSF1〜SF12および低音スピーカユニットSL1〜SL12)に応じた24チャンネル(F1〜F12およびL1〜L12)の出力信号とし、これをフィルタ部34に出力する。
24チャンネルの出力信号(デジタル信号)は、フィルタ部34にてフィルタ処理が施され、さらに増幅部23にてスピーカユニットの駆動信号に増幅され、スピーカ部25に入力される。スピーカ部25にはアナログ信号を入力する必要があるため、増幅部23は、DA変換後に増幅を行う。なお、受け付けたデジタル信号に内部処理を施し、スイッチング動作によって増幅されたアナログ信号を生成するような構成でもよい。
以下に、スピーカ部25について説明する。
スピーカ部25では、図2に示すように、フルレンジスピーカユニットSF1〜SF12を表示画面60の周囲に配置している。すなわち、図10の前方11個のチャンネルについて、8個のチャンネル(TpFL,TpFC,TpFR,FL,FR,BtFL,BtFC,BtFR)は、それぞれ対応する位置の実スピーカユニット(SF1,SF3,SF5,SF6,SF7,SF8,SF10,SF12)から再生し、実スピーカユニットが対応付けられない3個のチャンネル(FLc,FC,FRc)については、それぞれ上下の位置にある実スピーカユニット(例えば、FLcについてはスピーカユニットSF2およびSF9)から同じ音圧で再生することにより、上下の実スピーカユニットから等距離の位置で聞くと上下のスピーカユニットを結ぶ直線の中点から音がしているように感じさせることができ、FLc,Fc,FRcに関しても画面上の対応位置から音が出ているように感じられる。
フルレンジスピーカユニットは、可聴帯域すべてを1個のスピーカユニットで再生することを目指して設計されているものの、現実的には高域と低域とがトレードオフ関係にあり、一般的に高域特性を充実されると低域特性が劣り、低域特性を充実させると高域特性が劣る傾向にある。また一般的に、スピーカユニットは口径を大きくすると低音再生に有利になるが高音再生に不利になり、口径を小さくするとその逆になる傾向がある。口径が大きいほど大量の空気を動かすことに有利になるゆえ、口径が大きいほど発生させる音圧が高くなる傾向もある。
テレビやその周辺機器として製品を考えるとき、デザインや重量の制約から小口径のスピーカユニットを選択せざるを得ないのが一般的である。図12の各スピーカユニット(UpperL等)においても、製品として許容される幅の制約から小口径のスピーカユニットを使わざるを得ず、これをフルレンジスピーカユニットとすると、低域特性が不利になる。また、高い音圧を発生させようとすると、振動板を大きく変位させることとなり、歪の発生につながる。特に、低音を高い音圧で発生させようとすると振動板の変位が大きくなり、振動板に許容される変位幅を超え、大きな歪を発生させたり、スピーカユニットを破損したりする。
そこで、音響装置20では、フルレンジスピーカユニットを用いても振動板の変位が大きくならないよう、フルレンジスピーカユニットに印加する駆動信号にフィルタをかけ、一定の周波数以下を減衰させたうえで、別途低音スピーカユニットを配置し、低音再生を補助する。このために、スピーカ部25においては、隣り合う2つのフルレンジスピーカユニットの中間に低音スピーカユニットを配置している。
フルレンジスピーカユニットSF1〜SF12に印加する駆動信号には、閾値(例えば、100Hz〜400Hzの値)以下の信号を減衰させるようなフィルタをかける。こうすれば、フルレンジスピーカユニットSF1〜SF12の振動板の変位を小さくして歪みを抑えることができ、さらに、フルレンジスピーカユニットから発生させる音声に関しては、その音像をフルレンジスピーカユニットに定位させることができる。
フルレンジスピーカユニットの駆動信号から減衰された、閾値(例えば、100Hz〜400Hzの値)以下の信号は、低音スピーカユニットから再生することにより音圧を補助する。具体的には、フルレンジスピーカユニットに隣接する2個の低音スピーカユニットに対し、フルレンジスピーカユニットに割り当てられた信号に、閾値(例えば、100Hz〜400Hzの値)以上の信号を減衰させるフィルタをかけ、印加する。このようにすることにより、フルレンジスピーカユニットの駆動信号で減衰された低音を補うことができる。また、フルレンジスピーカユニットに隣接する2個の低音スピーカユニットが、フルレンジスピーカユニットを挟む形で直線上に等距離で並んでいる場合、2個の低音スピーカユニットから同じ音圧で再生された音は、フルレンジスピーカユニット上に定位するので、結果的に広い帯域で音像をフルレンジスピーカユニット上に定位させた良好な音響再生が可能となる。
これらの処理を、すべてのフルレンジスピーカユニットSF1〜SF12に適用する。この際、四隅にあるフルレンジスピーカユニット(SF1,SF5,SF8,SF12)に対しては、直線上に配置された低音スピーカユニットがないが、それぞれのフルレンジスピーカユニット近傍に低音スピーカユニットがあるので、四隅にあるフルレンジスピーカユニットに関する大幅な定位の劣化は感じられない。
低音スピーカユニットの配置を、それぞれのフルレンジスピーカユニットから等距離に配置することを保ったうえで、四隅にあるフルレンジスピーカユニットに近づけることにより、音像定位の問題を改善することができる。
ここでは、フルレンジスピーカユニットおよび低音スピーカユニットの減衰周波数を概ね100Hz〜400Hzとしたが、これらは必ずしも一致する必要はない。具体的には、スピーカユニットSF3の駆動信号には150Hzのハイパスフィルタをかけ、スピーカユニットSL2およびSL3には、スピーカユニットSF3の駆動信号に200Hzのローパスフィルタをかけたものを加えてもよい。こうすれば、再生周波数帯域の重複するスピーカユニットSF3、SL2およびSL3が同時に再生されることになり、低域の再生性能を改善することができる。これらフィルタの次数は高くする必要はなく、6db/oct程度でもよい。それぞれの低音スピーカユニットには、それぞれ別の隣接するフルレンジスピーカユニットからの信号を加算して再生する。
なお、一般的な2Wayスピーカユニットは、同様に再生帯域を2つのスピーカユニットに分割して再生するが、低音再生に有利な低音スピーカユニットに、高音のみ再生する高音用スピーカユニットを加え、その分担の境界は1kHz〜8kHz程度であることが多い。このようなマルチウェイスピーカユニットを用いると、帯域ごとに対応するスピーカユニットに音像が移動してしまう。
実施形態1では、図2に示す、スピーカ部25のスピーカユニット配置(SF1〜SF12、SL1〜SL12)および駆動仕様に合わせ、信号処理部22内のミックス部33の係数およびフィルタ部34の設定を決定する。ミックス部33の係数の一例を図3に、フィルタ部34の設定の例を図4に示す。
なお、図2のフルレンジスピーカユニットSF1〜SF12それぞれに対する出力信号のチャンネル(出力チャンネル)をF1〜F12とし、図2の低音スピーカユニットSL1〜SL12それぞれに対する出力信号のチャンネル(出力チャンネル)をL1〜L12とし、入力信号は、図10・11に示す24個の音響チャンネルとする。
図3に示すように、出力チャンネルF1では音響チャンネルTpFLを用い、出力チャンネルF2では音響チャンネルFLcを用い、出力チャンネルF3では音響チャンネルFCおよびTpFCを用い、出力チャンネルF4では音響チャンネルFRcを用い、出力チャンネルF5では音響チャンネルTpFRを用い、出力チャンネルF6では音響チャンネルFLを用い、出力チャンネルF7では音響チャンネルFRを用い、出力チャンネルF8では音響チャンネルBtFLを用い、出力チャンネルF9では音響チャンネルFLcを用い、出力チャンネルF10では音響チャンネルFCおよびBtFCを用い、出力チャンネルF11では音響チャンネルFRcを用い、出力チャンネルF12では音響チャンネルBtFRを用いる。
また、出力チャンネルL1では音響チャンネルLFE−1、FLc、およびTpFLを用い、出力チャンネルL2では音響チャンネルFC、LFE−1、FLcおよびTpFCを用い、出力チャンネルL3では音響チャンネルFC、FRc、LFE−2およびTpFCを用い、出力チャンネルL4では音響チャンネルFRc、LFE−2、およびTpFRを用い、出力チャンネルL4では音響チャンネルFRc、LFE−2、およびTpFRを用い、出力チャンネルL5では音響チャンネルFL、LFE−1、およびTpFLを用い、出力チャンネルL6では音響チャンネルFR、LFE−2、およびTpFRを用い、出力チャンネルL7では音響チャンネルFL、LFE−1、およびBtFLを用い、出力チャンネルL8では音響チャンネルFR、LFE−2、およびBtFRを用い、出力チャンネルL9では音響チャンネルLFE−1、FLc、およびBtFLを用い、出力チャンネルL10では音響チャンネルFC、LFE−1、FLc、およびBtFCを用い、出力チャンネルL11では音響チャンネルFC,FRc、LFE−2、およびBtFCを用い、出力チャンネルL12では音響チャンネルFRc、LFE−2、およびBtFRを用いる。
ここでは、図4(a)(b)に示すように、出力チャンネルF1〜F12には、カットオフ周波数150Hz、フィルタ特性12db/octのHPF(ハイパスフィルタ)をかけ、出力チャンネルL1〜L12には、カットオフ周波数120Hz(閾値)、フィルタ特性6db/octのLPF(ローパスフィルタ)をかけている。
こうすれば、音像定位性能を保ったままで、フルレンジスピーカユニットのみを用いてスピーカ部を構成した時よりも高い音圧を良好な周波数帯域で発生させることができる音響装置を実現できる。また、フルレンジスピーカユニットのみで構成されたものと同じ音圧を発生させた場合、歪を低く抑えることができるので、バーチャルサラウンド技術等を併用した場合、より良好に効果を実現することができる。バーチャルサラウンド処理された信号はフルレンジスピーカユニットのみに供給されると前述の歪を低く抑える効果を良好に発揮できるが、低音スピーカユニットにも供給した場合、低音スピーカユニットの振る舞いが変わる。しかし、バーチャルサラウンド技術で低音を意図したように定位させるのは困難であるのでさほど影響はない。
スピーカ部25のスピーカユニットと増幅部23のアンプとを1対1で対応させる構成にすれば、スピーカユニットに合わせて最適化されたアンプを用いることができる。一般的に低音スピーカユニットは耐入力が大きく、駆動電力も大きなものが要求されるので、低音スピーカユニットに対しては強力なアンプを設け、フルレンジスピーカユニットに対しては標準的なアンプを設けることによってコストを抑えることができる。
また、図3では、低音信号に対応する2チャンネル(LFE−1,LFE−2)が出力チャンネルに加算され、実際のスピーカユニット配列に合わせてLFE-1およびLFE-2の音像が定義されているため、低音信号のうち比較的周波数が高く、定位に影響がある帯域の信号を良好に再生することができる。その結果、LFE-1およびLFE-2の低音信号を含めて映像と音像の一致を測ることができるので、より没入感の高い映像・音響の提示が可能となる。
〔実施形態2〕
図5(a)(b)は、実施形態2に係る音響装置の構成を示すブロック図である。図5(a)に示すように、音響装置40は、入力部41と、信号処理部42と、増幅部43と、フィルタ部44と、スピーカ部45と、入力部41並びに信号処理部42および増幅部43を制御する制御部48とを備えており、外部装置70からの入力信号に信号処理等を施して得られる出力信号を再生することで音声出力を行う。なお、図5(b)に示すように、信号処理部42は、音量調整部51、バーチャルサラウンド処理部52、およびミックス部53を含む。
図6に示すように、スピーカ部45は、長方形の表示画面60の上下に配された、10個のフルレンジスピーカユニットSF101〜SF110および8個の低音スピーカユニットSL101〜SL108からなる。具体的には、表示画面60の4隅に対応するよう、右回りに、スピーカユニットSF101、SF105、SF110、およびSF106が配される。また、スピーカユニットSF101およびSF105の間隙であり、表示画面60の2長辺の一方の外側となる領域には、スピーカユニットSF101側から順に、スピーカユニットSF102、SF103、およびSF4が配され、スピーカユニットSF106およびSF110の間隙であり、表示画面60の2長辺の他方の外側となる領域には、スピーカユニットSF106側から順に、スピーカユニットSF107、SF108、およびSF109が配され、さらに、隣り合う2つのフルレンジスピーカユニットの間に1つの低音スピーカユニットが配される。
以上により、表示画面60の上側には、左から順に、スピーカユニットSF101(コーナ)、SL101、SF102、SL102、SF103、SL103、SF104、SL104、S10F5(コーナ)が配され、表示画面60の下側には、左から順に、SF106(コーナ)、SL105、SF107、SL106、SF108、SL107、SF109、SL108、SF110(コーナ)が配される。
図5に戻って、入力部41は、外部装置70から有線または無線により入力信号を受け付け、信号処理部42に出力する。入力信号は、図10・図11に示す、22.2chフォーマット(24チャンネル)のデジタル信号である。
信号処理部42は、入力部41で受け付けた入力信号(22.2chフォーマットのデジタル信号)を処理し、増幅部43に出力する。具体的には、音量調整部51が入力信号をレベル調整し、前方に位置する音源に対応する11チャンネル(図10に示される、TpFL,TpFC,TpFR,FL,FLc,FC,FRc,FR,BtFL,BtFC,BtFR)の前方信号および低音効果に対応する2チャンネル(LFE−1,LFE−2)の低音信号と、周囲に位置する音源に対応する11チャンネル(BL,BR,BC,SiL,SiR,TpC,TpBL,TpBR,TpSiL,TpSiR,TpBC)の周囲信号とに分離し、11チャンネルの前方信号をミックス部53に出力し、11チャンネルの周囲信号をバーチャルサラウンド処理部52に出力する。
バーチャルサラウンド処理部52は、11チャンネルの周囲信号に対して、特定の受聴位置に対して実在しないスピーカユニットから発せられているように知覚させるバーチャルサラウンド処理を施し、ミックス部53に出力する。
ミックス部53は、11チャンネルの前方信号および2チャンネルの低音信号を、スピーカユニット配列に応じてミックスし(後述)、さらにバーチャルサラウンド処理が施された11チャンネルの周囲信号を加算することで、スピーカユニット配列(図2のフルレンジスピーカユニットSF1〜SF10)に応じた10チャンネル(F101〜F110)の出力信号とし、これを増幅部43に出力する。
実施形態2では、図6等に示す、スピーカ部45のスピーカユニット配置(SF101〜SF1)および駆動仕様に合わせ、信号処理部42内のミックス部53の係数を決定する。ミックス部53の係数の一例を図9に示す。
なお、図6のフルレンジスピーカユニットSF101〜SF110それぞれに対する出力信号のチャンネル(出力チャンネル)をF1〜F10とし、入力信号は、図10・11に示す24個の音響チャンネルとする。
図9に示すように、出力チャンネルF101では、音響チャンネルFL、LFE−1、TpFLを用い、出力チャンネルF102では、音響チャンネルLFE−1およびFLcを用い、出力チャンネルF103では、音響チャンネルFC、LFE−1、LFE−2、およびTpFCを用い、出力チャンネルF104では、音響チャンネルFRc、およびLFE−2を用い、出力チャンネルF105では、音響チャンネルFR、LFE−2、およびTpFRを用い、出力チャンネルF106では、音響チャンネルFL、LFE−1、およびBtFLを用い、出力チャンネルF107では、音響チャンネルLFE−1、およびFLcを用い、出力チャンネルF108では、音響チャンネルFC、LFE−1、LFE−2、およびBtFCを用い、出力チャンネルF109では、音響チャンネルFRc、およびLFE−2を用い、出力チャンネルF110では、音響チャンネルFR、LFE−2、およびBtFRを用いる。
増幅部43は、信号処理部42からの10チャンネルの出力信号を、スピーカユニットの駆動信号に増幅し、フィルタ部44に出力する。
フィルタ部44は、増幅部43からの10チャンネルの駆動信号に、コイル、コンデンサ、および抵抗を含むフィルタ(後述)によるフィルタ処理を施すことで18チャンネルの駆動信号を生成し、スピーカ部45に出力する。
スピーカ部45では、フィルタ部44からの18チャンネルの駆動信号によって図6の18個のスピーカユニット(フルレンジスピーカユニットSF101〜SF110および低音スピーカユニットSL101〜SL108)が駆動され、音声出力が行われる。
制御部48は、リモートコントローラ80に対する受聴者の入力を、リモートコントローラ80からの信号によって受け付け、入力部41並びに信号処理部42および増幅部43の少なくとも1つに制御信号を出力する。受聴者の指示とは、電源のON/OFF、入力切り替え、音量調整、音質切り替え、バーチャルサラウンド処理のON/OFF等である。
スピーカ部45は、図6のように構成されるが、フルレンジスピーカユニットSF101〜SF105および低音スピーカユニットSL101〜SL104が設けられた筐体45xと、フルレンジスピーカユニットSF106〜SF110および低音スピーカユニットSL105〜SL108が設けられた筐体45yとは、分割されていてもよいし、図7のように、表示画面60を取り囲むように一体化されていてもよい。低音スピーカユニットは隣り合う2つのフルレンジスピーカユニットの中間に配置されているとよいが、フルレンジスピーカユニットから等距離の位置に2個の低音スピーカユニットが配置されていればよく、必ずしも中間位置でなくても良い。
スピーカ部45では、図6・図7に示すように、フルレンジスピーカユニットSF1〜SF10を表示画面60の上下に配置している。すなわち、図10の前方11個のチャンネルについて、6個のチャンネル(TpFL,TpFC,TpFR,BtFL,BtFC,BtFR)は、それぞれ対応する位置の実スピーカユニット(SF101,SF103,SF105,SF106,SF108,SF110)から再生し、実スピーカユニットが対応付けられない5個のチャンネル(FL,FLc,FC,FRc,FR)については、それぞれ上下の位置にある実スピーカユニット(例えば、FLについてはスピーカユニットSF101およびSF106)から同じ音圧で再生することにより、上下の実スピーカユニットから等距離の位置で聞くと上下のスピーカユニットを結ぶ直線の中点から音がしているように感じさせることができ、FL,FLc,FC,FRc,FRに関しても画面上の対応位置から音が出ているように感じられる。
なお、図6の配置では、4隅のフルレンジスピーカユニットの低音部分を補う低音スピーカユニットが1つずつになってしまうので、あらかじめ対応する出力チャンネルの低音を補っておくとよい。具体的には、信号処理部42内にイコライザを新たに設け、当該出力チャンネルの低音を増量することで低音の音圧不足を防ぐことができる。
図8は、実施形態2における、増幅部、フィルタ部、およびスピーカ部の構成例を示す模式図である。図8に示すように、実施形態2では、チャンネルFi(i=101,103,106,108)の入力端子をアンプBiの入力端子に接続し、アンプBiの出力端子を、コンデンサCiを介してスピーカユニットSFiのプラス入力端子に接続するともに、コイルLiを介してスピーカユニットSLiのプラス入力端子に接続する。また、チャンネルF(i+1)の入力端子をインバータIVを介してアンプB(i+1)の入力端子に接続し、アンプB(i+1)の出力端子を、コンデンサC(i+1)を介してスピーカユニットSF(i+1)のマイナス入力端子に接続するともに、スピーカユニットSLiのマイナス入力端子に接続する。なお、各アンプはGND基準で動作させ、スピーカユニットSFiのマイナス入力端子およびスピーカユニットSF(i+1)のプラス入力端子をGNDに接続する。インバータIVは、インバータの接続されたアンプの出力が、インバータを接続しない場合の出力と比較して、位相がGND基準で逆相になるように動作する。
また、チャンネルFj(j=102,104,107,109)の入力端子をインバータIVを介してアンプBjの入力端子に接続し、アンプBjの出力端子を、コンデンサCjを介してスピーカユニットSFjのマイナス入力端子に接続するともに、コイルLjを介してスピーカユニットSLjのマイナス入力端子に接続する。また、チャンネルF(j+1)の入力端子をアンプB(j+1)の入力端子に接続し、アンプB(j+1)の出力端子を、コンデンサC(j+1)を介してスピーカユニットSF(j+1)のプラス入力端子に接続するともに、スピーカユニットSLjのプラス入力端子に接続する。なお、各アンプはGND基準で動作させ、スピーカユニットSFjのプラス入力端子およびスピーカユニットSF(j+1)のマイナス入力端子をGNDに接続する。
こうすれば、低音スピーカユニットを、隣り合うフルレンジスピーカユニットそれぞれの加算信号で駆動することができる。
フィルタ部44は、受動素子のみで構成されたフィルタであり、一般的にスピーカユニットネットワークとも呼ばれる。図8では1次フィルタで構成されているが、何次のフィルタを構成しても良い。フルレンジスピーカユニットを接続するハイパスフィルタ部分のみ2次としてもよい。この場合、低音信号によるフルレンジスピーカユニットの振幅増加を効果的に抑えられる。なお、図8中に抵抗を図示していないが、スピーカユニットの能率調整に抵抗を用いることができるのは言うまでもない。スピーカユニットの入力電圧に対する出力音圧をを調整する目的でスピーカユニットのインピーダンスを調整することも有効である。
音響装置40によれば、信号処理部42から増幅部43までの処理チャンネルを削減したうえでフルレンジスピーカユニットの振幅を抑圧し、歪の小さな音響装置を実現することができる。
〔実施形態3〕
実施形態2で示したスピーカ部45(図6・図7参照)を、実施形態1で示した信号処理部22および増幅部23を用いて駆動することもできる。その場合、4隅のフルレンジスピーカユニットに対する低音スピーカユニットが1つである問題に対しては、ミックス部33の混合比を変えることにより解決することができる。
また、実施形態1で示したスピーカ部25を、実施形態2で示した増幅部43およびフィルタ部44を用いて駆動することもできる。その場合、実施形態2で示したような4隅のフルレンジスピーカユニットに対する低音スピーカユニットが1つであるという問題が生じない。
〔まとめ〕
以上のように、本発明の態様1に係る音響装置は、表示画面の外側に並ぶ3以上のメインスピーカユニット(フルレンジスピーカユニットSF1〜SF3等)を備え、複数チャンネルの入力信号を再生する音響装置(20・40)であって、2以上のサブスピーカユニット(低音スピーカユニットSL1〜SL2等)を備え、各サブスピーカユニットは、隣り合う2つのメインスピーカユニットの間隙に配され、各サブスピーカユニットでは、隣り合う2つのメインスピーカユニットそれぞれに対応する出力信号の閾値未満の周波数成分から得られる信号が再生される構成である。
前記構成によれば、隣り合う2つのメインスピーカユニットの間隙に、これら2つのメインスピーカユニットそれぞれに対応する出力信号の閾値未満の周波数成分から得られる信号を再生するサブスピーカユニットが設けられているため、メインスピーカユニットに小型軽量のスピーカユニットを用いても必要な音圧・再生帯域を確保し、かつ音像を意図した位置に定位させることができる。
本発明の態様2に係る音響装置は、前記態様1において、前記2つのメインスピーカユニットそれぞれにおいては、対応する出力信号から前記閾値あるいは別の閾値未満の周波数成分を減衰させて得られる信号が再生される構成である。
前記構成によれば、メインスピーカユニットのストロークを抑え、歪を低減することができる。
本発明の態様3に係る音響装置は、前記態様1において、前記複数チャンネルの入力信号に、所定周波数未満の低周波信号(LFE−1等)が含まれ、前記低周波信号が、少なくとも1つのサブスピーカユニットで再生される構成である。
前記構成によれば、低周波入力信号を適正に再生し、低音領域を充実させることができる。
本発明の態様4に係る音響装置は、前記態様1において、前記2つのメインスピーカユニットそれぞれに対応する出力信号は、受聴者の前方音源に対応するチャンネル(FL等)の入力信号を用いて生成されている構成である。
受聴者の前方の音源についてのチャンネルが3以上ある場合には、態様1に係る音響装置が好適である。
本発明の態様5に係る音響装置は、前記態様1において、前記2つのメインスピーカユニットそれぞれに対応する出力信号は、受聴者の非前方音源(BL等)に対応するチャンネルの入力信号に所定の処理を施した信号をさらに用いて生成されている構成である。
前記構成によれば、メインスピーカでの歪みが抑えられるため、バーチャルサラウンドを適正に実現することができる。
本発明の態様6に係る音響装置は、前記態様5において、前記所定の信号処理が頭部伝達関数に基づいている構成である。
前記構成によれば、バーチャルサラウンドをより適正に実現することができる。
本発明の態様7に係る音響装置は、前記態様1において、前記複数チャンネルは、三次元マルチチャンネル音響方式(22.2ch)に則ったものである構成である。
受聴者の前方の音源についてのチャンネルが3以上ある三次元マルチチャンネル音響方式については、態様1に係る音響装置が好適である。
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態を技術常識に基づいて適宜変更したものやそれらを組み合わせて得られるものも本発明の実施の形態に含まれる。