JP2017045999A - インプリント装置およびインプリント転写体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本発明のインプリント装置等に用いられるインプリント法については、特に断らない限り、光インプリント法を示すものとする。
まず、本発明のインプリント装置について説明する。
本発明のインプリント装置は、凹凸のパターンが形成されたテンプレートを保持するテンプレート保持手段と、被転写基板上に被転写層を形成する樹脂塗布手段と、上記被転写基板を保持するステージと、気流制御部と、を有し、上記ステージは、上記被転写層を上記樹脂塗布手段と対向する位置から上記テンプレート保持手段に保持された上記テンプレートと対向する位置に移動可能に設けられ、上記気流制御部の上面は、上記ステージの上記被転写基板が載置される面と平行であり、上記上面の位置が上記ステージの上記被転写基板が載置される面および上記テンプレート表面の間であるインプリント装置であって、上記気流制御部が上記ステージのテンプレート保持手段側端部に形成され、上記気流制御部の上記上面からの厚みが、テンプレート保持手段側から樹脂塗布手段側に向かって、厚くなることを特徴とするもの、または、上記気流制御部が上記ステージの上記被転写層が形成される領域よりもテンプレート保持手段側に形成され、上記気流制御部のテンプレート保持手段側端部が、上記樹脂塗布手段により上記被転写基板上に上記被転写層を形成する際に、上記テンプレートと平面視上重なる位置であることを特徴とするものである。
なお、この例においては、テンプレートの近傍に高溶解性ガスgを供給するガス供給手段5を有するものである。また、図1では、断面視上ガス供給手段5はテンプレートの2辺に配置されているが、上記ガス供給手段5は、平面視上テンプレートの全周囲を囲むように配置され、テンプレートの全周囲から高溶解性ガスgを供給するものである。
なお、この例においては、気流制御部4がステージ3のテンプレート保持手段側端部に形成されるものである。
このため、テンプレートおよび被転写層の間への空気などの気体の入り込みを防ぐためにテンプレート表面近傍に供給された高溶解性ガスの濃度の低下を抑制できる。
したがって、被転写層がテンプレートと対向した際には、高溶解性ガスが両者の間に充満した状態とすることができ、微細な凹凸パターンを高精度で転写可能とすることができる。
以下、本発明のインプリント装置の各構成について詳細に説明する。
本発明における気流制御部は、上記ステージのテンプレート保持手段側端部に形成され、上記気流制御部の上面は、上記ステージの上記被転写基板が載置される面と平行であり、上記上面の位置が上記ステージの上記被転写基板が載置される面および上記テンプレート表面の間であり、上記気流制御部の上記上面からの厚みが、テンプレート保持手段側から樹脂塗布手段側に向かって、厚くなる態様(第1態様)と、上記ステージの上記被転写層が形成される領域よりもテンプレート保持手段側に形成され、上記気流制御部のテンプレート保持手段側端部が、上記樹脂塗布手段により上記被転写基板上に上記被転写層を形成する際に、上記テンプレートと平面視上重なる位置である態様(第2態様)との2態様に分けることができる。
以下、各態様に分けて本発明に用いられる気流制御部について説明する。
本態様の気流制御部は、上記ステージのテンプレート保持手段側端部に形成され、上記気流制御部の上面は、上記ステージの上記被転写基板が載置される面と平行であり、上記上面の位置が上記ステージの上記被転写基板が載置される面および上記テンプレート表面の間であり、上記気流制御部の上記上面からの厚みが、テンプレート保持手段側から樹脂塗布手段側に向かって、厚くなるものである。
具体的には、図3に例示するように、ステージ3もしくは被転写層12の重心がXの軌跡を描くように移動する場合には辺BDから辺ACに向かう方向がステージ移動方向であり、ステージ3もしくは被転写層12の重心がYの軌跡を描くように移動する場合には辺CDから辺ABに向かう方向がステージの移動方向である。また、テンプレート保持手段側端部は、それぞれ辺ACおよび辺ABとなる。
なお、図3は、本発明のインプリント装置の一例を示す概略平面図である。また、図3中の符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。さらに、説明の容易のため、樹脂塗布手段、テンプレート保持手段、気流制御部、および被転写基板等については記載を省略するものである。また、A〜Dは、ステージ3の角の絶対的な位置を示す符号である。
また、樹脂塗布手段側とは、上記移動方向側と180°反対側の方向をいうものである。
このような上面の位置としては、上記ステージの上記被転写基板が載置される面および上記テンプレート表面の間であり、テンプレート表面近傍に供給された高溶解性ガスの濃度の低下を抑制できるものであれば特に限定されるものではないが、テンプレート表面との間隔が上記被転写基板およびテンプレート表面の間隔と同じとなる位置、または、上記被転写基板およびテンプレート表面の間であることが好ましく、なかでも、上記被転写基板およびテンプレート表面の間であることが好ましい。テンプレート表面近傍に供給された高溶解性ガスの濃度の低下を効果的に抑制できるからである。
具体的には、上記気流制御部の上面およびテンプレート表面の間隔が、1mm以下であることが好ましく、なかでも、0.5mm〜0.3mmの範囲内であることが好ましい。上記被転写基板の厚さの公差に対する裕度を保持しつつ、テンプレート表面近傍に供給された高溶解性ガスの濃度の低下を効果的に抑制できるからである。
ここで、テンプレート保持手段側から樹脂塗布手段側に向かって、厚くなるものとしては、既に説明した図1に示すように、一定の割合で厚くなるものであっても良く、図4または図5に例示するように、断面形状が曲線状となるように厚くなるものであっても良い。また、図6に例示するように、テンプレート保持手段側端部においても一定の厚みを有するものであっても良い。
また、図4〜図6中の符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
なお、テーパー角度の下限については小さければ小さいほど好ましいので、テーパー角度の下限については特に限定されない。
また、テーパー角度とは、既に説明した図1または図6中のθで表される角度を示すものである。
また、このような最大厚みとしては、具体的には、ステージの厚みが20mmの場合、10mm〜20mmの範囲内であることが好ましく、なかでも20mmであることが好ましい。上記厚みであることにより、上記ステージが移動する際に、空気を効果的に下方に流し、テンプレート表面近傍に供給された高溶解性ガスの濃度の低下を効果的に抑制できるからである。
なお、上記ステージの被転写基板が載置される面からの最大厚みとは、既に説明した図4中のd2で表される距離を示すものである。また、図4では、上記最大厚みd2がステージの厚みより厚い場合を示すものである。
このような上面の幅としては、例えば、上記ステージの厚みに対する比率(上面の幅/ステージの厚み)が、0.3〜2.9の範囲内であることが好ましく、なかでも、0.6〜2.3の範囲内であることが好ましく、特に、1.0〜1.6の範囲内であることが好ましい。上記比率が上述の範囲内であることにより、上記ステージが移動する際に、空気を効果的に下方に流し、高溶解性ガスの濃度の低下を効果的に抑制できるからである。
また、このような上面の幅としては、具体的には、ステージの厚みが20mm、被転写基板の厚みが6.4mm、60°から25°のテーパー角の三角形状とした場合、6mm〜58mmの範囲内であることが好ましく、なかでも、12mm〜46mmの範囲内であることが好ましく、特に45°〜40°のテーパー角とした場合、20mm〜32mmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記上面の幅とは、ステージが上記被転写層を上記樹脂塗布手段と対向する位置から上記テンプレート保持手段に保持された上記テンプレートと対向する位置に移動する際の移動方向の幅をいうものであり、具体的には、すでに説明した図1のd1で示される距離をいうものである。
また、上記気流制御部が、そのテンプレート保持手段側端部が上記樹脂塗布手段により上記被転写基板上に上記被転写層を形成する際に、その上面が上記テンプレートの微細な凹凸パターンが形成された領域と重ならない長さを有するものであることが好ましい。テンプレートの微細な凹凸パターン表面近傍への高溶解性ガスの供給を安定的に行うことが可能となるからである。
なお、気流制御部のテンプレート保持手段側端部および上記テンプレートが平面視上重なる位置とは、図7に例示するように、気流制御部のテンプレート保持手段側端部Kと、テンプレートの樹脂塗布側端部Tとが断面視上同一箇所である場合をも含む、すなわち、気流制御部のテンプレート保持手段側端部および上記テンプレートの重なり幅が0以上であることを指すものである。
また、気流制御部の上面がテンプレートの微細な凹凸パターンが形成された領域と重ならない長さとは、気流制御部のテンプレート保持手段側端部とテンプレートの上記領域の樹脂塗布側端部とが断面視上同一箇所である場合をも含むことを指すものであり、気流制御部の上面および上記領域の重なり幅が0以上とならない長さを示すものである。
図8は、気流制御部の他の例を示す概略断面図であり、上記気流制御部の上面が上記テンプレートの微細な凹凸パターンが形成された領域11aと重ならない長さを有する場合の一例を示すものである。
また、図7〜図8中の符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、ステージの全周囲に形成されるものであることが好ましい。ステージのバランス制御が容易であり、テンプレート保持手段および樹脂塗布手段に対して平行に移動することが容易なものとすることができるからである。
なお、ステージの移動方向に向かいあったテンプレートの幅および気流制御部の幅とは、ステージが上記被転写層を上記樹脂塗布手段と対向する位置から上記テンプレート保持手段に保持された上記テンプレートと対向する位置に移動する方向に対して垂直方向の幅のうち、最大の幅をいうものである。
具体的には、インプリント装置を平面視した図9、図10および図11中のHおよびhを指すものである。また、図9〜図11中の符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。さらに、図9〜図11においては、説明の容易のため、テンプレート、ステージおよび気流制御部以外の構成の記載を省略するものである。
また、図10および図11は、気流制御部がステージのプレート保持手段側端部の全面に形成される場合の一例を示すものであり、図11は、気流制御部がステージの全周囲に形成される場合の一例を示すものである。
また、上記ステージと別体として形成された場合の上記気流制御部の材料としては、所望の形状とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、金属、樹脂等とすることができる。
本態様の気流制御部は、上記ステージの上記被転写層が形成される領域よりもテンプレート保持手段側に形成され、上記気流制御部のテンプレート保持手段側端部が、上記樹脂塗布手段により上記被転写基板上に上記被転写層を形成する際に、上記テンプレートと平面視上重なる位置であるものである。
本発明においては、なかでも上記気流制御部のテンプレート保持手段側端部が、上記ステージのテンプレート保持手段側端部より、テンプレート保持手段側であることが好ましい。上記位置であることにより、上記気流制御部と上記テンプレートの間への空気の流入を抑制し、ステージの移動により排除された空気を、ステージの下側に向かって排出することが可能になり、テンプレート表面近傍に供給された高溶解性ガスの濃度の低下を効果的に抑制できるからである。
図12は、気流制御部の他の例を示す概略断面図であり、上記ステージのテンプレート保持手段側端部Sが上記気流制御部のテンプレート保持手段側端部Kより、テンプレート保持手段側となる例を示すものである。なお、図12中の符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明におけるステージは、上記被転写基板を保持するものであり、上記被転写層を上記樹脂塗布手段と対向する位置から上記テンプレート保持手段に保持された上記テンプレートと対向する位置に移動可能に設けられるものである。
なお、上記ステージの上記被転写層を上記樹脂塗布手段と対向する位置から上記テンプレートと対向する位置に直線的に移動するとは、上記樹脂塗布手段と対向する位置における被転写層の重心から上記テンプレートと対向する位置における被転写層の重心とを直線で結ぶ方向に移動することをいうものである。
上記断面視上の移動方向であることにより、本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
なお、ステージの移動速度が速い程、上記ステージおよび上記テンプレートの間への空気の流入が増加するが、本発明においては、上記気流制御部を有することから、このような空気の流入を抑制することが可能となり、本発明の効果をより効果的に発揮できる。
したがって、本発明においては、上記ステージの移動速度を上述のような移動速度より高速なものとしても良い。
上記被転写基板のステージ上の設置位置としては、上記被転写層を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、通常、被転写基板の中心とステージの中心とが一致する位置である。
また、上記被転写基板の気流制御部に対する距離としては、狭いことが好ましく、なかでも上記気流制御部に接することが好ましい。
本発明におけるテンプレート保持手段は、凹凸のパターンが形成されたテンプレートを保持するものである。
また、上記テンプレート保持手段は、上記被転写体表面に対して垂直方向にテンプレート表面を接近させ、押し付け、被転写層にテンプレートの凹凸パターンの転写の完了後に、テンプレートをインプリント転写体から垂直方向に剥離可能に移動できる等、テンプレートの微細な凹凸パターンを被転写層に転写可能に移動できるものとすることができる。
このようなテンプレートの固定方法や上記テンプレート保持手段に保持されるテンプレートについては、インプリント装置に一般的に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明における樹脂塗布手段は、被転写基板上に被転写層を形成するものである。
また、インクジェット法のように塗布される樹脂の液滴が非常に小さいことにより生じやすい樹脂に含まれる揮発成分の揮発およびそれに伴う粘性などの特性の変化が懸念される場合、特に液滴周囲の雰囲気の制御が重要な要素となりうる。より、高溶解性ガスが、樹脂に溶解される必要があるからである。したがって、ステージを高速移動する場合であっても、テンプレート表面近傍に流れ込んだ周辺空気によるテンプレート表面近傍に供給された高溶解性ガスの濃度の低下を効果的に抑制できることから本発明の効果をより効果的に発揮できる。すなわち、微細な凹凸パターンを高精度で転写可能されたインプリント転写体を高精度で形成することができるからである。
なお、このような光硬化性樹脂については、インプリント装置に一般的に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明のインプリント装置は、テンプレート保持手段、樹脂塗布手段、ステージおよび気流制御部を有するものであるが、通常、テンプレート保持手段近傍に配置され、テンプレート表面近傍に高溶解性ガスを供給するガス供給手段、テンプレート保持手段近傍に配置され、テンプレートを被転写層に接触させた状態で被転写層に対して光照射を行う光照射手段を有するものである。
また、上記テンプレート保持手段、樹脂塗布手段、ステージ等を収納する収納容器、インプリント装置内部(収納容器内部)の空気を清浄化するフィルター、収納容器内に空気を取り入れるまたは空気を循環させるファン等を有するものとすることができる。
さらに、テンプレートに対する被転写層の平面視上の位置を決定する位置決め手段や、テンプレートおよび被転写層周辺の高溶解性ガスや周辺空気(収容容器内の空気)の温度の調整を行う冷却機やヒーター等の温調手段を有するものとすることができる。
なお、これらの各手段については、一般的にインプリント装置に用いられるものを使用できるため、ここでの説明は省略する。
また、高溶解性ガスとしては、一般的にインプリント装置に用いられるものを使用でき、具体的には、ヘリウム等を挙げることができる。
次に、本発明のインプリント転写体の製造方法について説明する。
本発明のインプリント転写体の製造方法は、ステージ上に保持された被転写基板上に樹脂塗布手段を用いて被転写層を形成する樹脂塗布工程を有し、上記樹脂塗布工程は、上記ステージのテンプレート保持手段側に形成された気流制御部のテンプレート保持手段側端部が、テンプレート保持手段に保持されたテンプレートと平面視上重なる状態で行うものであり、上記気流制御部の上面は、上記ステージの上記被転写基板が載置される面と平行であり、上記上面の位置が上記ステージの上記被転写基板が載置される面および上記テンプレート表面の間であることを特徴とするものである。
なお、図13中の(a)が樹脂塗布工程およびガス供給工程、(b)が移動工程、(c)〜(d)がインプリント工程である。
以下、本発明のインプリント転写体の製造方法の各工程について詳細に説明する。
本発明における樹脂塗布工程は、ステージ上に保持された被転写基板上に樹脂塗布手段を用いて被転写層を形成する工程である。
また、本工程は、上記ステージのテンプレート保持手段側に形成された気流制御部のテンプレート保持手段側端部が、テンプレート保持手段に保持されたテンプレートと平面視上重なる状態で行うもの、すなわち、本工程の実施時において上記テンプレートと平面視上重なる位置となる長さを有する気流制御部を用いるものである。
図14および図15は、上記被転写基板13の上面が上記気流制御部4の上面として機能している場合の一例を示す概略断面図である。
なお、図14および図15中の符号については、図13と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
また、上記気流制御部として用いられる被転写基板の一部は、通常、被転写基板のうち被転写層が形成されない領域である。
本発明のインプリント転写体の製造方法は、上記樹脂塗布工程を有するものであるが、通常、上記樹脂塗布工程後に、上記ステージを移動することにより、上記被転写層を上記樹脂塗布手段と対向する位置からテンプレート保持手段に保持されたテンプレートと対向する位置に移動する移動工程と、上記移動工程後に、上記テンプレートおよび上記被転写層を接触させることにより、上記被転写層を上記テンプレートの凹凸パターンが転写されたインプリント転写体とするインプリント工程と、テンプレート表面近傍に高溶解性ガスを供給するガス供給工程と、上記被転写層に対して光照射し硬化させる光照射工程と、を有するものである。
本発明における移動工程は、上記樹脂塗布工程後に、上記ステージを移動することにより、上記被転写層を上記樹脂塗布手段と対向する位置からテンプレート保持手段に保持されたテンプレートと対向する位置に移動する工程である。
また、ステージの移動方法や移動方向等については、上記被転写層を上記樹脂塗布手段と対向する位置からテンプレート保持手段に保持されたテンプレートと対向する位置に移動することができる方法等であれば特に限定されるものではなく、インプリント法を用いたインプリント転写体の製造方法に一般的に用いられる方法等を用いることができる。例えば、上記「A.インプリント装置」の「2.ステージ」の項に記載のものと同様とすることができる。
本発明におけるインプリント工程は、上記移動工程後に、上記テンプレートおよび上記被転写層を接触させることにより、上記被転写層を上記テンプレートの凹凸パターンが転写されたインプリント転写体とする工程である。
本発明におけるガス供給工程は、上記テンプレート表面近傍に高溶解性ガスを供給する工程である。
本工程の実施タイミングとしては、上記樹脂塗布工程の前後またはそれと同時に行うものとすることができる。
また、本工程において高溶解性ガスを供給する方法としては、上記テンプレート保持手段近傍に配置されたガス供給手段を用いることができ、例えば、上記「A.インプリント装置」の「5.インプリント装置」の項に記載のものと同様のものとすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明における光照射工程は、上記被転写層に対して光照射し被転写層を硬化させる工程である。
本工程の実施タイミングとしては、上記インプリント工程と同時にまたはその後に行うことができる。
また、本工程において光照射する方法としては、上記被転写層に対して照射することができる方法であれば特に限定されるものではなく、インプリント装置に一般的に用いられるUV照射装置等を使用する方法とすることができる。
本発明のインプリント転写体の製造方法は、上記各工程以外にも、テンプレートに対する被転写層の平面視上の位置を決定する位置決め工程や、被転写基板について、インプリント転写体をマスクとして加工し、パターン転写基板とする加工工程等を有するものとすることができる。
なお、これらの各工程については、インプリント法によるインプリント転写体の製造方法に一般的に行われるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、図16に記載のテンプレート、気流制御部およびステージの寸法、位置関係等は後述する実施例1のシミュレーションで用いたものを示すものである、また、シミュレーション条件については、気流制御部およびステージを固定し、テンプレート保持手段側から樹脂塗布手段側に向かう方向に風速0.1m/sの空気を流す条件とした。
また、シミュレーション結果中の矢印は、空気の流れの方向を示すものであり、色の濃さは、空気の流れの速さを示すものである。
気流制御部のテンプレート保持手段側端部がテンプレートと重ならない状態について、シミュレーションを行った。結果を図17に示す。
なお、気流制御部の上面およびテンプレート間の厚み方向の間隔を図16に示すように0.8mmとし、平面視上の気流制御部のテンプレート保持手段側端部およびテンプレートの樹脂塗布手段側端部間の間隔を図16に示すように4.0mmとした。
気流制御部を有しないものとし、平面視上の被転写基板のテンプレート保持手段側端部およびテンプレートの樹脂塗布手段側端部間の間隔を4.0mmとした以外は、実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を図18に示す。
その結果、比較例1のように気流制御部を有しない場合、気流はステージの高さ方向の中心付近より上下に分かれるが、実施例1のように気流制御部を備える場合、気流制御部の高さを基準としてその80%程度の部分が下方に流れることが確認できた。流速については、広い空間を有し、抵抗の小さい下方が、速くなっていることが確認できた。また、気流制御部で、上方へ流れる空気の量を抑制できることが確認できた。
気流制御部のテンプレート保持手段側端部がテンプレートの樹脂塗布手段側端部と重なる状態(両端部の重なりが0の状態)とした以外は、実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を図19に示す。
気流制御部を有しないものとし、被転写基板のテンプレート保持手段側端部がテンプレートの樹脂塗布手段側端部と重なる状態(両端部の重なりが0の状態)とした以外は、実施例2と同様のシミュレーションを行った。結果を図20に示す。
その結果、実施例2に示すように気流制御部のテンプレート保持手段側端部がテンプレートと重なる、もしくは、被転写基板のテンプレート保持手段側端部がテンプレートと重なることにより、空気はほとんどステージ下方へ流れていることが確認できた。これは、間隔が狭くなることにより空気の流れに対する抵抗が大きくなるためであると考えられる。
気流制御部のテンプレート保持手段側端部がテンプレートの樹脂塗布手段側端部と重なる状態(両端部の重なりが4.4mm)とした以外は、実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を図21に示す。
気流制御部を有しないものとし、被転写基板のテンプレート保持手段側端部がテンプレートの樹脂塗布手段側端部と重なる状態(両端部の重なりが4.4mmの状態)とした以外は、実施例2と同様のシミュレーションを行った。結果を図22に示す。
実施例1〜3の比較、ならびに、比較例1〜3の比較より、気流制御部のテンプレート保持手段側端部がテンプレートと重なることにより、さらに、その重なりが大きくなるにつれて、インプリント装置内清浄化のための空気の流れがある場合やステージにより排除された空気がテンプレート近傍に流れることを抑制することができることが確認できた。
したがって、気流制御部のテンプレート保持手段側端部をテンプレートと重なる状態で、樹脂塗布手段により被転写層を形成することにより、その後のステージの移動による、テンプレート表面近傍に供給された高溶解性ガスの濃度の低下を抑制することが可能であることが確認できた。
気流制御部の先端角度を90°、63°、45°および27°とした以外は、実施例1と同様のシミュレーションを行った。結果を図23に示す。
また、気流が上下に分かれる高さを上方への廻り込み量を、気流制御部の先端角度が90°の場合を基準として、その比を評価した結果を、図24に示す。角度が小さいほどテンプレート表面近傍への空気の流れ込みを抑制できることが確認できた。
特に、角度が45°以下である場合には、90°の場合を基準として、廻り込みを半減できること、すなわち、上部回り込み量を効果的に少ないものとすることができ、テンプレート表面近傍への空気の流れ込みを抑制できることが確認できた。
被転写基板およびテンプレートが対向した状態とし、両者の間隔を0.4mm、0.8mm、1.2mm、2.0mm、2.8mmおよび4.0mmとした以外は、比較例1と同様のシミュレーションを行った。結果を図25に示す。
図中の両者の間に流れる気流の流速を評価することにより、両者の間隔が狭いほど、テンプレート表面近傍への空気の流れ込みを抑制できることが確認できた。
特に、1mm以下とすることで、流速をほぼ0に抑制できるといった結果が得られることが確認できた。
2 … 樹脂塗布手段
3 … ステージ
4 … 気流制御部
5 … ガス供給手段
10 … インプリント装置
11 … テンプレート
12 … 被転写層
13 … 被転写基板
22 … インプリント転写体
Claims (4)
- 凹凸のパターンが形成されたテンプレートを保持するテンプレート保持手段と、
被転写基板上に被転写層を形成する樹脂塗布手段と、
前記被転写基板を保持するステージと、
前記ステージの前記被転写層が形成される領域よりもテンプレート保持手段側に形成された気流制御部と、
を有し、
前記ステージは、前記被転写層を前記樹脂塗布手段と対向する位置から前記テンプレート保持手段に保持された前記テンプレートと対向する位置に移動可能に設けられ、
前記気流制御部の上面は、前記ステージの前記被転写基板が載置される面と平行であり、
前記上面の位置が前記ステージの前記被転写基板が載置される面および前記テンプレート表面の間であり、
前記気流制御部のテンプレート保持手段側端部が、前記樹脂塗布手段により前記被転写基板上に前記被転写層を形成する際に、前記テンプレートと平面視上重なる位置であり、
前記気流制御部により気流を制御して前記テンプレート表面近傍の高溶解性ガスの濃度の低下を抑制することを特徴とするインプリント装置。 - 前記気流制御部のテンプレート保持手段側端部が、前記ステージのテンプレート保持手段側端部より、前記テンプレート保持手段側であることを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
- 請求項1または請求項2に記載のインプリント装置を用いるインプリント転写体の製造方法であって、
前記ステージ上に保持された前記被転写基板上に前記樹脂塗布手段を用いて前記被転写層を形成する樹脂塗布工程を有し、
前記樹脂塗布工程は、前記ステージのテンプレート保持手段側に形成された前記気流制御部のテンプレート保持手段側端部が、前記テンプレート保持手段に保持された前記テンプレートと平面視上重なる状態で行うものであり、
前記気流制御部の上面は、前記ステージの前記被転写基板が載置される面と平行であり、
前記上面の位置が前記ステージの前記被転写基板が載置される面および前記テンプレート表面の間であることを特徴とするインプリント転写体の製造方法。 - 前記気流制御部が、前記被転写基板と一体形成されていることを特徴とする請求項3に記載のインプリント転写体の製造方法。
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