JP2017045647A - 温度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、従来のような冷却装置を設ける必要がないシンプルかつコンパクトな構成を有し、しかも対象物の温度を高度に制御することができる温度制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の温度制御装置は、断熱材の片面に熱応答性部材を有する温度制御部材を含み、
前記温度制御部材は、温度制御部材Aを含み、
前記温度制御部材Aは、予め定められた温度X以上の時には伸長し、予め定められた温度X未満のときには元の形状に戻る特性を有する熱応答性部材aを有しており、
予め定められた温度X未満の時には、前記温度制御部材は対象物の表面を覆っており、
予め定められた温度X以上になった時には、前記温度制御部材Aの熱応答性部材aが伸長して、前記温度制御部材Aと対象物との間隔が広がって対象物の熱が外部に放出される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、対象物の温度を制御するための温度制御装置に関する。
断熱材は多くの分野で使用されており、例えば、充電池は、その性能を十分に発揮させるための適切な温度範囲が存在するため、寒冷地等の気温の低い場所では充電池の温度を下げないために断熱材が用いられている。
しかし、充電池を断熱材等で覆うと、充電池を使用したときに発生した熱を放出することが出来なくなるため、充電池の温度が上昇し、その性能が低下する。
従来、この問題を解決するために、充電池を断熱材で覆い、充電池の温度が一定以上に達したときにファン等で冷却する温度制御装置が知られている(特許文献1)。
しかし、従来の温度制御装置は断熱材と共に冷却装置を設ける必要があり、温度制御装置が大型になるという問題があった。さらに、冷却装置として冷却ファン等を設けた場合は、冷却時に継続的にファンを回す電力が必要となる上、非常に複雑な配線の構成等が必要となる等の問題もあった。また、冷却装置としてヒートパイプ等を備えた場合(特許文献2)も同様に、その構造は非常に複雑かつ大きくなるという問題があった。
特開2001−76771号公報 特開平10−55827号公報
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、従来のような冷却装置を設ける必要がないシンプルかつコンパクトな構成を有し、しかも対象物の温度を高度に制御することができる温度制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、対象物の温度を制御する温度制御装置であって、
断熱材の片面に熱応答性部材を有する温度制御部材を含み、
前記温度制御部材は、温度制御部材Aを含み、
前記温度制御部材Aは、予め定められた温度X以上の時には伸長し、予め定められた温度X未満のときには元の形状に戻る特性を有する熱応答性部材aを有しており、
予め定められた温度X未満の時には、前記温度制御部材は対象物の表面を覆っており、
予め定められた温度X以上になった時には、前記温度制御部材Aの熱応答性部材aが伸長して、前記温度制御部材Aと対象物との間隔が広がって対象物の熱が外部に放出される、温度制御装置に関する。
前記温度制御部材は、温度制御部材Bを含み、
前記温度制御部材Bは、予め定められた温度Y(ただし、温度Y>温度X)以上の時には伸長し、予め定められた温度Y未満のときには元の形状に戻る特性を有する熱応答性部材bを有しており、
予め定められた温度Y以上になった時には、前記温度制御部材Bの熱応答性部材bが伸長して、前記温度制御部材Bと対象物との間隔が広がって対象物の熱がさらに外部に放出される態様であってもよい。
前記温度制御部材は、温度制御部材Cを含み、
前記温度制御部材Cは、予め定められた温度Z(ただし、温度Z>温度Y)以上の時には伸長し、予め定められた温度Z未満のときには元の形状に戻る特性を有する熱応答性部材cを有しており、
予め定められた温度Z以上になった時には、前記温度制御部材Cの熱応答性部材cが伸長して、前記温度制御部材Cと対象物との間隔が広がって対象物の熱がさらに外部に放出される態様であってもよい。
本発明の温度制御装置は、断熱材の片面に熱応答性部材を有する温度制御部材によって構成されており、対象物の温度がある温度未満の時には、温度制御部材は対象物の表面を覆っているため断熱性に優れる。そして、本発明の温度制御装置は、対象物の温度がある温度になった時には、温度制御部材の熱応答性部材が伸長して、温度制御部材と対象物との間隔が広がって対象物の熱が外部に放出されるため冷却性(放熱性)に優れる。したがって、本発明によれば、温度によって断熱性と冷却性を大きく切り替えることができるため、従来のような冷却装置を設ける必要がないシンプルかつコンパクトな構成の温度制御装置を提供することができる。また、温度によって応答性の異なる複数の温度制御部材を用いた場合には、段階的に対象物の温度を制御することが可能であり、対象物の温度を高度に制御することができる。
本発明の温度制御装置が対象物の周囲に設けられた状態の一例を示す概略図
本発明の温度制御装置を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の温度制御装置が対象物の周囲(6面)に設けられた状態の一例を示す概略図(断面図)である。
図1(a)は、予め定められた温度X未満の時の温度制御装置の状態を示す概略図である。温度制御装置1は、断熱材2の片面に熱応答性部材a(3)を有する2つの温度制御部材Aと、断熱材2の片面に熱応答性部材b(4)を有する2つの温度制御部材Bと、断熱材2の片面に熱応答性部材cを有する2つの温度制御部材C(図示せず)とによって構成されている。本発明の温度制御装置1は、少なくとも1つの温度制御部材Aを有していればよいが(残りは通常の断熱材でよい)、2つ以上の温度制御部材Aを有することが好ましい。また、本発明の温度制御装置1は、さらに、少なくとも1つの温度制御部材Bを有することが好ましく、2つ以上の温度制御部材Bを有することがより好ましい。また、本発明の温度制御装置1は、さらに、少なくとも1つの温度制御部材Cを有することが好ましく、2つ以上の温度制御部材Cを有することがより好ましい。また、対象物5の周囲(例えば6面)に、温度によって応答性の異なる6つの温度制御部材A〜Fをそれぞれ設けることも可能である。温度によって応答性の異なる複数の温度制御部材を用いることにより、段階的に対象物の温度を制御することが可能であり、対象物の温度を高度に制御することができる。なお、本発明の温度制御装置1が有する前記温度制御部材及び通常の断熱材の数は特に制限されず、対象物5の温度を制御する観点から適宜設計することができる。
図1(a)に示すように、予め定められた温度X未満の時には、前記温度制御部材A〜Cは対象物5の表面を覆っており、温度制御装置1は断熱性を発揮している。
断熱材2は特に制限されず、公知のものを用いることができ、例えば、ポリウレタン発泡体及びポリスチレン発泡体などの樹脂発泡体が挙げられる。
熱応答性部材aは、予め定められた温度X以上の時には伸長し、予め定められた温度X未満のときには元の形状に戻る特性を有する。熱応答性部材bは、予め定められた温度Y(ただし、温度Y>温度X)以上の時には伸長し、予め定められた温度Y未満のときには元の形状に戻る特性を有する。熱応答性部材cは、予め定められた温度Z(ただし、温度Z>温度Y)以上の時には伸長し、予め定められた温度Z未満のときには元の形状に戻る特性を有する。
当該特性を有する材料としては、例えば、液晶エラストマーが挙げられる。当該液晶エラストマーとしては、例えば、液晶ポリウレタンエラストマー、液晶シリコーンエラストマー、液晶アクリレートエラストマー、ポリN置換(メタ)アクリルアミド(例えば、ポリN−イソプロピルアクリルアミド)、ポリビニルエーテル等が挙げられる。
液晶エラストマーとしては、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物にアルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドを付加した液晶性化合物と、当該液晶性化合物の活性水素基と反応する化合物とを反応させて得られる液晶エラストマーを用いることが好ましい。前記液晶性化合物は、液晶性が発現する温度範囲が低い。そのため、当該液晶性化合物を用いることにより、無溶媒でかつ液晶性が発現した状態で反応硬化を行って液晶エラストマーを得ることができる。前記液晶エラストマーは、原料である前記液晶性化合物の液晶性が発現する温度範囲が低く、かつ架橋によるネットワーク構造を有するため、低温(例えば、0〜80℃)で液晶性とゴム弾性を有する。当該液晶エラストマーは、メソゲン基が一軸方向に配向しているため、熱が加わることによりメソゲン基の配向度が減少して配向方向に縮むと共に配向方向に対して垂直方向に伸び、熱を除くことによりメソゲン基の配向度が増加して配向方向に伸びると共に配向方向に対して垂直方向に縮むという特徴的な応答挙動を示す。
前記メソゲン基含有化合物は、低温(例えば、0〜80℃)で液晶エラストマーに液晶性とゴム弾性を発現させる観点から、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2017045647

(式中、Xは活性水素基であり、Rは単結合、−N=N−、−CO−、−CO−O−、又は−CH=N−であり、Rは単結合、又は−O−であり、Rは単結合、又は炭素数1〜20のアルキレン基である。ただし、Rが−O−であり、かつRが単結合である場合を除く。)
Xとしては、例えば、OH、SH、NH、COOH、又は二級アミンなどが挙げられる。
液晶相から等方相へ、又は等方相から液晶相への転移温度(Ti)が、0〜100℃である液晶エラストマーを得るために、ビフェニル骨格(Rが単結合)を有する化合物を用いることが好ましい。また、Rがアルキレン基の場合、炭素数は2〜10であることが好ましい。
付加するアルキレンオキシドは特に制限されず、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、及びアリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。付加するスチレンオキシドは、ベンゼン環にアルキル基、アルコキシル基、又はハロゲンなどの置換基を有していてもよい。液晶相から等方相へ、又は等方相から液晶相への転移温度(Ti)が、0〜100℃である液晶エラストマーを得るために、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、及びスチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種のオキシドを付加することが好ましい。
また、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドは、一般式(1)で表される化合物1モルに対して2〜10モル付加することが好ましく、2〜8モル付加することがより好ましい。付加モル数が2モル未満の場合には、液晶性化合物の液晶性が発現する温度範囲を十分に下げることが難しくなり、無溶媒でかつ液晶性が発現した状態で反応硬化を行うことが困難になる傾向にある。一方、付加モル数が10モルを超える場合には、液晶性化合物が液晶性を発現しなくなる傾向にある。
前記液晶性化合物は、液晶相から等方相へ、又は等方相から液晶相への転移温度(Ti)が、15〜150℃であることが好ましく、より好ましくは25〜125℃である。
前記液晶性化合物は、1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記液晶性化合物の活性水素基と反応する化合物としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、シラノール基含有化合物、ハロゲン化物、カルボン酸、アルコールなどが挙げられる。特に、液晶相から等方相へ、又は等方相から液晶相への転移温度(Ti)が、0〜100℃である液晶エラストマーを得るために、イソシアネート化合物を用いることが好ましい。以下、液晶エラストマーについて、液晶ポリウレタンエラストマーを例に挙げて説明する。
液晶ポリウレタンエラストマーの原料であるイソシアネート化合物は、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液晶ポリウレタンエラストマー内に架橋点を導入してネットワーク化するために、3官能以上のイソシアネート化合物を併用することが好ましく、特に3官能のイソシアネート化合物を併用することが好ましい。3官能以上のイソシアネート化合物としては、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、及びビシクロヘプタントリイソシアネートなどのトリイソシアネート、テトライソシアネートシランなどのテトライソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、多量化ジイソシアネートを用いてもよい。多量化ジイソシアネートとは、3つ以上のジイソシアネートが付加することにより多量化したイソシアネート変性体又はそれらの混合物である。イソシアネート変性体としては、例えば、1)トリメチロールプロパンアダクトタイプ、2)ビュレットタイプ、3)イソシアヌレートタイプなどが挙げられる。
ジイソシアネートと3官能のイソシアネート化合物を併用する場合、前者/後者=19/1〜1/1(重量比)で配合することが好ましい。
前記液晶エラストマーの効果を損なわない範囲で高分子量ポリオールを用いてもよい。高分子量ポリオールとしては、液晶ポリウレタンエラストマー内に架橋点を導入してネットワーク化するために、水酸基数3以上の高分子量ポリオールを用いてもよい。水酸基数は3であることが好ましい。高分子量ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリエステルポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子量ポリオールの他に、前記液晶エラストマーの効果を損なわない範囲で活性水素基含有低分子量化合物を用いてもよい。活性水素基含有低分子量化合物とは、分子量が400未満の化合物であり、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオール;エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミン;モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンなどが挙げられる。これら活性水素基含有低分子量化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記液晶エラストマーは、原料として前記液晶性化合物を50〜90重量%含むことが好ましく、より好ましくは60〜80重量%である。液晶性化合物の配合量を多くしてメソゲン基の含有量を多くすることにより、温度変化によって大きく変形する液晶エラストマーを得ることができる。本発明においては、前記液晶性化合物を用いているため、液晶性化合物の含有量を多くしても得られる液晶エラストマーは低弾性率である。液晶性化合物の含有量が50重量%未満の場合には、液晶エラストマーの液晶が発現し難くなる傾向にある。一方、液晶性化合物の含有量が90重量%を超える場合には、分子内に架橋点を導入し難くなるため、硬化し難くなる傾向にある。
前記液晶ポリウレタンエラストマーは、ポリウレタン原料組成物を加熱してウレタン化反応によって硬化させることにより得られる。そして、ウレタン化反応中に、液晶性化合物が液晶性を発現した状態で、液晶性化合物のメソゲン基を一軸方向に配向させ、メソゲン基を配向させた状態で硬化させる。メソゲン基を一軸方向に配向させる方法は特に制限されないが、例えば、配向膜上でウレタン化反応を行う方法、ウレタン化反応時に電場又は磁場をかけて配向させる方法、半硬化状態の時に延伸する方法などが挙げられる。
活性水素基を有するメソゲン基含有化合物に、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドを付加することによりメソゲン基の熱的安定性が低下し、それにより液晶性が発現する温度範囲を低下させることが出来る。当該液晶性化合物を用いることにより、無溶媒でかつ液晶性が発現した状態で反応硬化を行うことができる。液晶性が発現した状態で反応硬化を行うことにより、メソゲンの結晶性を阻害して結晶相の形成を防ぐことができる。
ポリウレタン原料組成物中の液晶性化合物の含有量は50〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは60〜80重量%である。ポリウレタン原料組成物は無溶媒条件下で各原料成分を混合して調整する。
前記液晶ポリウレタンエラストマーは、プレポリマー法により製造してもよく、ワンショット法により製造してもよい。なお、第3級アミン系等の公知のウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。
前記液晶エラストマーは、液晶相から等方相へ、又は等方相から液晶相への転移温度(Ti)が、0〜100℃であることが好ましく、より好ましくは0〜85℃である。
前記予め定められた温度X、Y、及びZは、前記熱応答性部材a〜cを構成する材料に応じて適宜調整することができる。一例としては、前記熱応答性部材a〜cの材料として液晶ポリウレタンエラストマーを用いた場合、前記予め定められた温度X、Y、及びZの調整は、前記液晶ポリウレタンエラストマーのTiを調整することによって行うことが出来る。前記液晶ポリウレタンエラストマーのTiは、種々の手法により調整することが出来る。例えば、前記一般式(1)で表されるメソゲンジオールのアルキレンオキサイドの付加数が大きいと前記Tiが小さくなり、当該付加数が小さいとTiが大きくなることから、当該アルキレンオキサイドの付加数を調整することによりTiを調整することができる。他の例としては、前記液晶ポリウレタンエラストマー内に架橋点が多いとTiが小さくなり、当該架橋点が少ないとTiが大きくなることから、架橋剤を調整することによりTiを調整することができる。他の例としては、液晶性発現の元となるメソゲンの凝集を阻害する方向に配合を調整するとTiが小さくなり、凝集を誘起する方向に配合を調整するとTiが大きくなることから、メソゲンの凝集を調整することによりTiを調整することができる。また、前記メソゲンジオールの含有量が多くなるほどTiは高くなるので、当該含有量を調整することによっても液晶ポリウレタンエラストマーのTiを調整することができる。液晶ポリウレタンエラストマーの原料であるイソシアネート化合物として高結晶性イソシアネート化合物、芳香環含有イソシアネート化合物を用いるとTiが高くなる傾向があることから、イソシアネート化合物の種類によってTiを調整することができる。
前記熱応答性部材a、b、又はcは、予め定められた温度X、Y、又はZ以上の時に液晶相から等方相に相転移するモノドメイン構造を有することが好ましい。前記熱応答性部材a〜cの材料として前記液晶ポリウレタンエラストマーを用いる場合、モノドメインの配向方向が縮む方向になり、配向方向に対して垂直方向が伸びる方向になる。そのため、モノドメインの配向方向を断熱材2の平面に対して平行にしておくことが好ましい。また、前記熱応答性部材a〜cの材料として液晶ポリウレタンエラストマーを用いる場合、配向方向の縮み量は、例えば、モノドメインの配向度、架橋度、及び液晶性発現の元となるメソゲンの凝集度などを調整することにより調整することができる。
前記熱応答性部材a〜cは、温度制御装置の断熱性能を向上させるために、空隙を有することが好ましい。熱応答性部材a〜cの材料として液晶エラストマーを用いる場合、発泡液晶エラストマーを用いることが好ましい。断熱性能の観点から発泡率は高い方が好ましいが、発泡率が高すぎると前記熱応答性部材a〜cの機能が発現し難くなるため、液晶エラストマーの種類に応じて発泡率を適宜調整する。発泡液晶エラストマーは、例えば、メカニカルフロス法、中空フィラーを含有させる方法、及び発泡剤により発泡させる方法などにより製造することができる。
図1(b)は、予め定められた温度X以上になった時の温度制御装置の状態を示す概略図である。
対象物5が発熱し、予め定められた温度X以上になると、前記熱応答性部材a(3)が伸長して前記温度制御部材Aと対象物5との間隔が広がって、隣接する断熱材2の間に隙間が生じ、当該隙間から対象物5の熱が外部に放出されやすくなり、対象物5は冷却される。
図1(a)に示す温度制御装置の状態と図1(b)に示す温度制御装置の状態は、予め定められた温度Xを境に可逆的に変化する。
図1(c)は、予め定められた温度Y(ただし、温度Y>温度X)以上になった時の温度制御装置の状態を示す概略図である。
対象物5がさらに発熱し、予め定められた温度Y以上になると、前記熱応答性部材b(4)が伸長して前記温度制御部材Bと対象物5との間隔が広がって、隣接する断熱材2の間の隙間が大きくなり、当該隙間から対象物5の熱がさらに外部に放出されやすくなり、対象物5はさらに冷却される。
図1(b)に示す温度制御装置の状態と図1(c)に示す温度制御装置の状態は、予め定められた温度Yを境に可逆的に変化する。
対象物5がさらに発熱し、予め定められた温度Z(ただし、温度Z>温度Y)以上になると、前記熱応答性部材cが伸長して前記温度制御部材Cと対象物5との間隔が広がって、隣接する断熱材2の間の隙間が大きくなり、当該隙間から対象物5の熱がさらに外部に放出されやすくなり、対象物5はさらに冷却される(図示せず)。
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<測定・評価方法>
〔熱応答性部材の液晶相から等方相への転移温度(Ti)の測定〕
Tiは、示差走査熱量分析器DSC(株式会社日立ハイテクサイエンス社製、商品名:X−DSC 7000)を用いて、20℃/分の条件で測定した。
〔伸長率の評価〕
熱応答性部材を40℃及び60℃に加熱した時の長さを測定し、20℃における長さと比較した。
製造例1
〔液晶性化合物であるメソゲンジオールAの合成〕
反応容器にBH6(100g)、KOH3.8g、及びDMF600mlを入れて混合し、その後、プロピレンオキシドをBH6(1モル)に対して4当量添加し、加圧条件下で120℃で2時間反応させた。その後、シュウ酸3.0gを添加して付加反応を停止させ、吸引ろ過により塩を除去し、さらにDMFを減圧蒸留により除去して、目的物であるメソゲンジオールA(構造異性体を含んでいてもよい)を得た。当該反応を下記化学式2に示す。
Figure 2017045647

(式中、m+n=4である。)
製造例2
〔液晶性化合物であるメソゲンジオールBの合成〕
反応容器にBH6(100g)、KOH3.8g、及びDMF600mlを入れて混合し、その後、プロピレンオキシドをBH6(1モル)に対して3当量添加し、加圧条件下で120℃で2時間反応させた。その後、シュウ酸3.0gを添加して付加反応を停止させ、吸引ろ過により塩を除去し、さらにDMFを減圧蒸留により除去して、目的物であるメソゲンジオールB(構造異性体を含んでいてもよい)を得た。当該反応を下記化学式3に示す。
Figure 2017045647

(式中、m+n=3である。)
実施例1
前記メソゲンジオールA100g、ヘキサメチレンジイソシアネート23g、HDI系イソシアヌレート(住化バイエルウレタン株式会社製、スミジュールN3300)6g、及び触媒(TEDA−L33、東ソー社製)1gを100℃で混合した。その後、反応溶液を予め100℃に加温した金型内に流し入れ、100℃で30分硬化させて、所定のサイズの半硬化状態の液晶ポリウレタンエラストマーを得た。金型から脱型した後、20℃で試料を一軸方向に伸長することで、液晶ポリウレタンエラストマーからなる熱応答性部材aを作製した。
実施例2
前記メソゲンジオールB100g、ヘキサメチレンジイソシアネート25g、HDI系イソシアヌレート(住化バイエルウレタン株式会社製、スミジュールN3300)7g、整泡剤(B−8017、ゴールドシュミット社製)1g、及び触媒(TEDA−L33、東ソー社製)1gを100℃で混合した。そして、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約1分間激しく撹拌を行った。その後、反応溶液を予め100℃に加温した金型内に流し入れ、100℃で30分硬化させて、所定のサイズの半硬化状態の液晶ポリウレタンエラストマーを得た。金型から脱型した後、20℃で試料を一軸方向に伸長することで、発泡液晶ポリウレタンエラストマーからなる熱応答性部材bを作製した。
熱応答性部材a及びbに係る測定・評価結果を表1に示す。
Figure 2017045647
以上、本発明を詳細に説明してきたが、上記の説明はあらゆる点において本発明の一例にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことが可能である。
本発明の温度制御装置は、対象物の温度を制御するための温度制御装置として利用することができる。
1 温度制御装置
2 断熱材
3 熱応答性部材a
4 熱応答性部材b
5 対象物
A 温度制御部材A
B 温度制御部材B

Claims (7)

  1. 対象物の温度を制御する温度制御装置であって、
    断熱材の片面に熱応答性部材を有する温度制御部材を含み、
    前記温度制御部材は、温度制御部材Aを含み、
    前記温度制御部材Aは、予め定められた温度X以上の時には伸長し、予め定められた温度X未満のときには元の形状に戻る特性を有する熱応答性部材aを有しており、
    予め定められた温度X未満の時には、前記温度制御部材は対象物の表面を覆っており、
    予め定められた温度X以上になった時には、前記温度制御部材Aの熱応答性部材aが伸長して、前記温度制御部材Aと対象物との間隔が広がって対象物の熱が外部に放出される、温度制御装置。
  2. 前記温度制御部材は、温度制御部材Bを含み、
    前記温度制御部材Bは、予め定められた温度Y(ただし、温度Y>温度X)以上の時には伸長し、予め定められた温度Y未満のときには元の形状に戻る特性を有する熱応答性部材bを有しており、
    予め定められた温度Y以上になった時には、前記温度制御部材Bの熱応答性部材bが伸長して、前記温度制御部材Bと対象物との間隔が広がって対象物の熱がさらに外部に放出される、請求項1に記載の温度制御装置。
  3. 前記温度制御部材は、温度制御部材Cを含み、
    前記温度制御部材Cは、予め定められた温度Z(ただし、温度Z>温度Y)以上の時には伸長し、予め定められた温度Z未満のときには元の形状に戻る特性を有する熱応答性部材cを有しており、
    予め定められた温度Z以上になった時には、前記温度制御部材Cの熱応答性部材cが伸長して、前記温度制御部材Cと対象物との間隔が広がって対象物の熱がさらに外部に放出される、請求項2に記載の温度制御装置。
  4. 前記熱応答性部材は、予め定められた温度以上の時に液晶相から等方相に相転移するモノドメイン構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載の温度制御装置。
  5. 前記熱応答性部材のモノドメインの配向方向は、前記断熱材の平面に対して平行である請求項4に記載の温度制御装置。
  6. 前記熱応答性部材は、液晶ポリウレタンエラストマーを含む請求項1〜5のいずれかに記載の温度制御装置。
  7. 前記熱応答性部材は、空隙を有する請求項1〜6のいずれかに記載の温度制御装置。
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