JP6622082B2 - 熱応答性材料、並びに、熱応答性材料を用いた熱制御装置及び繊維 - Google Patents

熱応答性材料、並びに、熱応答性材料を用いた熱制御装置及び繊維 Download PDF

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Description

本発明は、温度変化に応じて液晶相と等方相との間で可逆的に変化する液晶性ポリマーをマトリックスとして含む熱応答性材料、並びに、熱応答性材料を用いた熱制御装置及び繊維に関する。
分子構造内にメソゲン基を有する液晶性ポリマーは、液晶(メソゲン基)の配向度が変化すると、液晶性ポリマーの物性も変化する。このような性質に着目し、液晶性ポリマーを様々な用途で利用する試みがなされている。
例えば、一対の電極の間に液晶性ポリマーの一種である液晶エラストマーを含む液晶層を挟み込み、これを車両用のアクチュエータに利用しようとする技術が公開されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1の液晶エラストマーアクチュエータは、液晶エラストマーに低分子液晶を含浸させて液晶層を構成し、当該液晶層に接する電極表面の凹凸形状と液晶層に含まれる低分子液晶の大きさとの関係を最適化することで、低分子液晶の配向状態を最適化し、これにより、電界に対する低分子液晶の応答性を向上させようとするものである。
特開2010−17066号公報
液晶エラストマーを工業製品に組み入れて実用化するためには、液晶エラストマーの強度(耐久性)を一定以上に維持しながら、温度等の外部環境の変化に応じて液晶エラストマーの力学的物性や変位量を大きく変化させることが求められる。
この点に関し、特許文献1の液晶エラストマーアクチュエータは、電極間に電界を印加することにより、液晶エラストマーに含浸している低分子液晶を電界方向に配向させ、これがトリガーとなって液晶エラストマーの液晶(メソゲン基)を動き易くさせるというものである。つまり、特許文献1の液晶エラストマーアクチュエータでは、液晶エラストマーに含まれる液晶(メソゲン基)の配向状態は、電界を印加した低分子液晶の配向状態に依存しており、液晶の配向が能動的に変化するものではない。このため、特許文献1の液晶エラストマーアクチュエータは、マトリックスとなる液晶エラストマーのみでは、温度変化に応じて材料としての力学的物性や変位量を大きく変化させ、良好な応答性を得ることは困難である。
また、特許文献1の液晶エラストマーアクチュエータにおいて、低分子液晶をトリガーとして利用するためには、マトリックスとなる液晶エラストマーがある程度の柔軟性(すなわち、分子鎖が構造緩和し易い特性)を有している必要がある。このため、特許文献1の液晶エラストマーアクチュエータを使用する際には、マトリックスとして弾性率の低い液晶エラストマーを選択するか、あるいは液晶エラストマーのガラス転移温度(T)よりかなり高い温度領域で使用する必要があると考えられる。ところが、そのような場合、液晶エラストマーの強度が不十分なものとなり得るため、応答性材料としての耐久性や信頼性を確保できない虞がある。
このように、従来においては、液晶性ポリマーの強度を一定以上に維持しながら、温度変化に応じて液晶性ポリマーの力学的物性や変位量を大きく変化させる技術は未だ十分に確立されておらず、液晶性ポリマーの用途展開を検討していく上で改善の余地は大きい。本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、温度変化によって液晶性ポリマーが液晶層から等方相に相転移するときの弾性率の変化に着目し、一定以上の強度(耐久性)を有するとともに、応答性に優れた熱応答性材料を提供することを目的とする。さらに、本発明は、当該熱応答性材料を用いた熱制御装置及び繊維を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明にかかる熱応答性材料の特徴構成は、
温度変化に応じて液晶相と等方相との間で可逆的に変化する液晶性ポリマーをマトリックスとして含む熱応答性材料であって、
前記液晶相を含むときの前記マトリックスの弾性率をEとし、前記等方相を含むときの前記マトリックスの弾性率をEとしたとき、
/E ≦ 1000 を満たすことにある。
一般に、高分子材料の構造は物性に大きく影響することが知られており、液晶性ポリマーを含む熱応答性材料においても、当該液晶性ポリマーの相構造(液晶相及び等方相)と力学的物性との相関関係を把握することは、熱応答性材料を設計する上で重要な手掛かりとなる。そこで、本発明者らは、液晶性ポリマーをマトリックスとして含む新たな熱応答性材料を開発するにあたり、液晶性ポリマーの相構造の変化(相転移)に伴う力学的物性の変化に着目し、液晶相及び等方相を夫々含むときのマトリックスの弾性率を変更して、本発明の目的に合致する熱応答性材料を探索した。
本構成の熱応答性材料によれば、マトリックスとして、温度変化に応じて液晶相と等方相との間で可逆的に変化する液晶性ポリマーを使用し、液晶相を含むときのマトリックスの弾性率をEとし、等方相を含むときのマトリックスの弾性率をEとしたとき、 E/E ≦ 1000 を満たすように構成した。この条件を満たす熱応答性材料は、液晶相と等方相との間で相転移が発生すると、マトリックスの弾性率が最大で1000倍に変化する。このとき、相転移に伴って、液晶性ポリマーの分子構造の秩序(エントロピー)が増減し、それに応じてマトリックスが変位(伸縮)する。なお、マトリックスが変位しても、マトリックスの弾性率の変化は、上記のとおり1000倍以内に維持される。このように、本構成の熱応答性材料は、液晶相と等方相との間で一定以上の強度(耐久性)を有するものでありながら、弾性率を大きく変化させることができるため、相転移を利用した熱応答性を有する材料として有用である。
本発明にかかる熱応答性材料において、
前記Eは、0.1MPa以上であることが好ましい。
本構成の熱応答性材料によれば、Eが有意な値に設定されているため、十分な耐久性を備えた実用的な熱応答性材料として有用である。
本発明にかかる熱応答性材料において、
前記液晶相と前記等方相との境界となる相転移温度(T)は、前記液晶性ポリマーのガラス転移温度(T)以上かつ100℃以下であることが好ましい。
本構成の熱応答性材料によれば、液晶性ポリマーの相転移温度(T)が、ガラス転移温度(T)と100℃との間に存在するため、常温を含む比較的低温の領域でマトリックスの弾性率が大きく変化し、使い勝手が良好な実用的な熱応答性材料となる。
本発明にかかる熱応答性材料において、
前記相転移温度(T)と前記ガラス転移温度(T)との差は、20℃以上であることが好ましい。
本構成の熱応答性材料によれば、相転移温度(T)とガラス転移温度(T)との差を20℃以上とすることで、弾性率が大きくなる液晶相の領域が広く確保され、使い勝手が良好な実用的な熱応答性材料となる。
本発明にかかる熱応答性材料において、
前記液晶性ポリマーは、液晶性ポリウレタンであることが好ましい。
本構成の熱応答性材料によれば、液晶性ポリウレタンによる液晶性と伸縮性とを兼ね備えたものとなり、特に、温度変化に応じて可逆的に伸縮する熱応答性伸縮材料として利用することができる。
本発明にかかる熱応答性材料において、
前記液晶性ポリウレタンは、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物と、イソシアネート化合物と、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドと、架橋剤との反応物を含むことが好ましい。
本構成の熱応答性材料によれば、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物と、イソシアネート化合物と、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドと、架橋剤とが反応して液晶性ポリウレタンが生成する際、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドが液晶性ポリウレタンに含まれるメソゲン基の熱的安定性を低下させるように作用するため、液晶性ポリウレタンの液晶性発現温度が低下し、常温において無溶媒で熱応答性材料を成形することが可能となる。
本発明にかかる熱応答性材料において、
前記架橋剤は、少なくとも3つの反応性官能基を有するポリオールであることが好ましい。
本構成の熱応答性材料によれば、架橋剤として少なくとも3つの反応性官能基を有するポリオールを使用することで、マトリックスが緻密化されるため、材料として一定以上の強度を確保することができる。また、少なくとも3つの反応性官能基を有するポリオールは、分子構造内の立体障害が少ないため、液晶性ポリマーの相転移温度前後における過剰な弾性率の変化が抑制される。従って、熱応答性材料が液晶相から等方相に相転移したとき、熱応答性は維持しながら、マトリックスの応力低下を少なくすることができる。
本発明にかかる熱応答性材料において、
前記メソゲン基含有化合物、前記イソシアネート化合物、前記アルキレンオキシド及び/又は前記スチレンオキシド、並びに前記架橋剤の合計量を100重量部としたとき、前記架橋剤の配合量は、0.1〜20重量部であることが好ましい。
本構成の熱応答性材料によれば、液晶性ポリウレタンの原材料中の架橋剤の配合量が適切な範囲に設定されているため、液晶性ポリウレタン中のメソゲン基は適度に動くことが可能であり、熱応答性と液晶性とをバランスよく発現させることができる。
本発明にかかる熱応答性材料において、
前記マトリックス中に気泡が分散されていることが好ましい。
本構成の熱応答性材料によれば、マトリックス中に気泡が分散されているため、熱応答性材料の断熱性が高まり、幅広い温度域で使用することが可能となる。
上記課題を解決するための本発明にかかる熱制御装置の特徴構成は、
上記何れか一つの熱応答性材料を含むことにある。
本構成の熱制御装置によれば、上記の熱応答性材料を含むものであるため、一定以上の強度(耐久性)を有するとともに、熱応答性に優れた熱制御装置として有用なものとなる。また、上記の熱応答性材料は、液晶相から等方相への相転移に伴う変位量が大きいため、本構成の熱制御装置は、放熱部材のアクチュエータとして利用することができる。
上記課題を解決するための本発明にかかる繊維の特徴構成は、
上記何れか一つの熱応答性材料を紡糸してなることにある。
本構成の繊維によれば、上記の熱応答性材料を紡糸したものであるため、一定以上の強度(耐久性)を有するとともに、熱応答性に優れた繊維材料として有用なものとなる。また、上記の熱応答性材料は、液晶相から等方相への相転移に伴う変位量が大きいため、本構成の繊維は、スポーツウェアやサポーター等の伸縮性が求められる衣料製品の素材として利用することができる。
図1は、熱応答性材料について、温度変化に伴う相構造と弾性率との関係を示した説明図である。 図2は、熱応答性材料について、相構造の違いによる破断応力を示した説明図である。 図3は、熱応答性材料を利用した熱制御装置の説明図である。 図4は、熱応答性材料を利用した衣料製品の説明図である。
以下、本発明の熱応答性材料、並びに、熱応答性材料を用いた熱制御装置及び繊維に関する実施形態について説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
〔熱応答性材料の組成〕
本発明の熱応答性材料は、液晶性ポリマーをマトリックスとして含むエラストマーである。本明細書において、「マトリックス」とは、材料の主成分であることを意味する。従って、本発明の熱応答性材料は、主成分の他に、少量添加される副成分(例えば、他のポリマー、低分子物質、フィラー等)や、微小な三次元構造物(例えば、気泡、空隙等)などを含み得ることを排除するものではない。
マトリックスである液晶性ポリマーは、例えば、液晶性ポリウレタン、液晶性シリコーン樹脂、液晶性アクリレート樹脂、液晶性ポリN置換(メタ)アクリルアミド、及び液晶性ポリビニルエーテル等が挙げられる。これらのうち、液晶性ポリウレタンは、液晶性と伸縮性とを兼ね備えた液晶性エラストマーであり、繊維、フィルム、発泡体等への加工が容易である。液晶性ポリウレタンは、本発明の熱応答性材料のマトリックスとして好ましい材料である。従って、以下の実施形態では、液晶性ポリマーとして、特に液晶性ポリウレタンを使用した熱応答性材料について例示する。
液晶性ポリウレタンは、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物(以下、単に「メソゲン基含有化合物」と称する。)と、イソシアネート化合物と、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドと、架橋剤とを反応させることにより生成される。
メソゲン基含有化合物は、例えば、下記の一般式(1)で表される化合物が使用される。
Figure 0006622082
一般式(1)において、Xは活性水素基であり、Rは単結合、−N=N−、−CO−、−CO−O−、又は−CH=N−であり、Rは単結合、又は−O−であり、Rは単結合、又は炭素数1〜20のアルキレン基である。ただし、Rが−O−であり、且つRが単結合であるものを除く。Xとしては、例えば、OH、SH、NH、COOH、二級アミン等が挙げられる。
イソシアネート化合物は、例えば、ジイソシアネート化合物、又は3官能以上のイソシアネート化合物を使用することができる。ジイソシアネート化合物を例示すると、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、及びm−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、並びに1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。上掲のジイソシアネート化合物は、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。3官能以上のイソシアネート化合物を例示すると、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、ビシクロヘプタントリイソシアネート等のトリイソシアネート、及びテトライソシアネートシラン等のテトライソシアネートが挙げられる。上掲の3官能以上のイソシアネート化合物は、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。イソシアネート化合物は、上掲のジイソシアネート化合物と、上掲の3官能以上のイソシアネート化合物とを混合したものを使用することも可能である。イソシアネート化合物の配合量は、液晶性ポリウレタンの全原材料に対して、10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%となるように調整される。イソシアネート化合物の配合量が10重量%未満の場合、ウレタン反応による高分子化が不十分となるため、液晶性ポリウレタンを連続成形することが困難となる。イソシアネート化合物の配合量が40重量%を超える場合、全原材料に占めるメソゲン基含有化合物の配合量が相対的に少なくなるため、液晶性ポリウレタンの液晶性が低下する。
アルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドを使用することができる。上掲のアルキレンオキシドは、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。スチレンオキシドについては、ベンゼン環にアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン等の置換基を有するものでもよい。アルキレンオキシドは、上掲のアルキレンオキシドと、上掲のスチレンオキシドとを混合したものを使用することも可能である。アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドの配合量は、メソゲン基含有化合物1モルに対して、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドが1〜10モル、好ましくは2〜6モル付加されるように調整される。アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドの付加モル数が1モル未満の場合、液晶性ポリウレタンの液晶性が発現する温度範囲を十分に低下させることが困難となり、そのため、無溶媒で且つ液晶性が発現した状態で原材料を反応硬化させながら液晶性ポリウレタンを連続成形することが困難となる。アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドの付加モル数が10モルを超える場合、液晶性ポリウレタンの液晶性が発現し難くなる虞がある。
架橋剤は、例えば、少なくとも3つの反応性官能基を有するポリオールを使用することができる。このようなポリオールを架橋剤として使用すれば、マトリックスが緻密化されるため、材料として一定以上の強度を確保することができる。また、ポリオールは、分子構造内の立体障害が少ないため、液晶性ポリマーの相転移温度前後における過剰な弾性率の変化や破断応力の変化が抑制される(弾性率の変化及び破断応力の変化については、後で詳しく説明する)。従って、熱応答性材料が液晶相から等方相に相転移したとき、熱応答性は維持しながら、マトリックスの応力低下を少なくすることができる。少なくとも3つの反応性官能基を有するポリオールを例示すると、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリエステルポリカーボネートポリオール等の3つ以上の水酸基を有する高分子量ポリオール(分子量400以上)、並びにトリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、meso−エリトリトール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールが挙げられる。上掲のポリオールは、単独で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。架橋剤の配合量は、すべての原材料(メソゲン基含有化合物、イソシアネート化合物、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシド、並びに架橋剤)の合計量を100重量部としたとき、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜18重量部に調整される。このような範囲であれば、液晶性ポリウレタン中のメソゲン基は適度に動くことが可能であり、熱応答性と液晶性とをバランスよく発現させることができる。架橋剤の配合量が0.1重量部未満の場合、液晶性ポリウレタンが十分に硬化しないため、マトリックス自体が流動して熱応答性が得られなくなる虞がある。架橋剤の配合量が20重量部を超える場合、液晶性ポリウレタンの架橋密度が高くなり過ぎるため、メソゲン基の配向が阻害されて液晶性が発現し難くなり、熱応答性が得られなくなる虞がある。
液晶性ポリウレタンは、例えば、以下の反応スキームにより生成される。初めに、メソゲン基含有化合物とアルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドとを反応させ、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドが付加されたメソゲン基含有化合物(以下、「メソゲンジオール」と称する。)を調製する。得られたメソゲンジオールに、架橋剤及びイソシアネート化合物を添加し、加熱しながら混合すると半硬化状態の液晶性ウレタン化合物(プレポリマー)が得られる。この半硬化状態の液晶性ウレタン化合物を適切な条件下で養生すると、液晶性ウレタン化合物が高分子化しながら硬化し、液晶性ポリウレタン(エラストマー)が生成する。液晶性ポリウレタンは、使用目的に応じて、繊維、フィルム、発泡体等の形態に成形される。このとき、液晶性ポリウレタンをガラス転移温度(T)以上かつ相転移温度(T)以下(すなわち、液晶性が発現する温度)で延伸しながら成形すると、液晶性ポリウレタンに含まれるメソゲン基が延伸方向に沿うように動いて高度な配向性が得られる。そして、延伸した状態で液晶性ポリウレタンを養生すると、液晶性と伸縮性とを兼ね備えた熱応答性材料が完成する。この熱応答性材料は、液晶性ポリウレタン中のメソゲン基が延伸方向に配向したものであり、熱が加わるとメソゲン基の配向が崩れて(不規則となって)延伸方向に収縮し、熱を取り除くとメソゲン基の配向が復活して延伸方向に伸張するという特異的な熱応答挙動を示す。
ちなみに、液晶性ポリウレタンの配向性は、メソゲン基の配向度によって評価することができる。配向度の値が大きいものは、メソゲン基が一軸方向に高度に配向している。配向度は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた1回全反射測定法(ATR)により、芳香族エーテルの逆対称伸縮振動の吸光度(0°、90°)、及びメチル基の対称変角振動の吸光度(0°、90°)を測定し、これらの吸光度をパラメータとする以下の計算式に基づいて算出される。
配向度=(A−B)/(A+2B)
A:0°で測定したときの芳香族エーテルの逆対称伸縮振動の吸光度/0°で測定したときのメチル基の対称変角振動の吸光度
B:90°で測定したときの芳香族エーテルの逆対称伸縮振動の吸光度/90°で測定したときのメチル基の対称変角振動の吸光度
熱応答性材料が有意な伸縮性を発現するためには、液晶性ポリウレタンの配向度が0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましい。
上述の反応スキームにより得られた液晶性ポリウレタンは、そのまま本発明の熱応答性材料のマトリックスとして利用可能であるが、液晶性ポリウレタンに副成分を少量添加したり、気泡を分散させて利用することも可能である。液晶性ポリウレタンに添加可能な副成分を例示すると、有機フィラー、無機フィラー、補強剤、増粘剤、離型剤、賦形剤、カップリング剤、難燃剤、耐炎剤、顔料、着色料、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、及び界面活性剤等が挙げられる。また、副成分として、他のポリマーや低分子物質を添加することも可能である。副成分が添加された液晶性ポリウレタンは、当該副成分の機能が付与されたものとなり、様々な場面で利用することができる。
マトリックス(液晶性ポリウレタン)中に気泡を分散させる方法としては、例えば、液晶性ポリウレタンの原材料に発泡剤を混合しておき、液晶性ポリウレタンの硬化反応時に発泡剤を発泡させる方法が挙げられる。この場合、発泡剤として、例えば、炭酸水素ナトリウムを使用することができる。また、マトリックス中に気泡を分散させる別の方法として、例えば、液晶ポリウレタンの原材料に空気を含ませながら当該原材料を混合することにより、マトリックス中に気泡を混入させるメカニカルフロス法、液晶性ポリウレタンの原材料に中空フィラーを混合することにより、マトリックス中に中空フィラーを分散させる方法等が挙げられる。マトリックス中に気泡が分散した熱応答性材料は、気泡によって断熱性が高まるため、温度変化が大きい環境でも使用することが可能となる。また、マトリックス中に気泡が含まれることで熱応答性材料が軽量化されるため、例えば、自動車等の輸送用機械に好適に適用することができる。
〔熱応答性材料の物性〕
本発明の熱応答性材料は、マトリックスである液晶性ポリウレタンが液晶相を含む状態と等方相を含む状態との間で力学的物性が大きく異なっていることに特徴がある。以下の実施形態では、液晶性ポリウレタンの相構造が、特に、弾性率及び破断応力に与える影響について説明する。
(液晶性ポリウレタンの相構造と弾性率との関係)
図1は、本発明の熱応答性材料について、温度変化に伴う相構造と弾性率との関係を示した説明図である。低温状態にある熱応答性材料を加熱して温度を連続的に上昇させると、ガラス転移温度(T)を境として、マトリックスである液晶性ポリマーの弾性率が低下する。しかし、ガラス転移温度(T)を超えた領域では、その後の弾性率は維持される。これは、破線円(a)内のイメージに示すように、ガラス転移温度(T)より上では液晶性ポリマーのメソゲン基が配向することにより液晶相が発現し、その配向方向においてメソゲン基が応力を負担できるためである。この状態から熱応答性材料をさらに加熱すると、相転移温度(T)を境として、液晶性ポリマーの弾性率が著しく低下する。これは、破線円(b)内のイメージに示すように、液晶性ポリマーのメソゲン基の配向が崩れることにより液晶相から等方相に相転移し、メソゲン基の応力負担能力が低下するためである。ここで、マトリックスである液晶性ポリマーが液晶相を含むときの弾性率をEとし、等方相を含むときの弾性率をEとしたとき、本発明の熱応答性材料は、以下の力学的条件1:
<力学的条件1>: E/E ≦ 1000
を満たすように設計される。弾性率Eは、例えば、液晶性ポリマーの相転移温度(T)より10〜30℃低い温度で測定した弾性率を採用することができる。弾性率Eは、例えば、液晶性ポリマーの相転移温度(T)より10〜30℃高い温度で測定した弾性率を採用することができる。なお、弾性率は、引張試験より求められるヤング率Eであってもよいし、動的粘弾性測定より求められる貯蔵弾性率E´であってもよい。
上記の力学的条件1を満たす熱応答性材料は、液晶相と等方相との間で相転移が発生すると、マトリックスの弾性率Eが最大で1000倍に変化する。具体的には、液晶相から等方相に相転移すると、マトリックスの弾性率は1/1000倍まで低減し得る。このとき、相転移に伴って配向していたメソゲン基が不規則になるため、液晶性ポリマーの分子構造の秩序(エントロピー)が増大し、マトリックスのサイズは配向方向において縮むとともに非配向方向において伸びるように変位する。反対に、等方相から液晶相に相転移すると、マトリックスの弾性率は1000倍まで増大し得る。このとき、相転移に伴って不規則であったメソゲン基が再び配向するため、液晶性ポリマーの分子構造の秩序(エントロピー)が低下し、マトリックスのサイズは配向方向において伸びるとともに非配向方向において縮むように変位する。なお、上記の力学的条件1において、E/Eの下限値は特に規定していないが、図1から理解されるように、弾性率Eが弾性率Eより小さくなることは現実的には考え難いため、E/Eは1より大きい値とするのが妥当である。従って、相転移に伴ってマトリックスが変位しても、マトリックスの弾性率の変化は、上記のとおり1000倍以内に維持される。このように、本発明の熱応答性材料は、液晶相と等方相との間で一定以上の強度(耐久性)を有するものでありながら、弾性率を大きく変化させることができるため、相転移を利用した熱応答性を有する材料として有用である。
熱応答性材料が実用的な強度を有するためには、先に定義したE及びEが所定以上の値であることが好ましい。本発明では、特に、液晶性ポリマーの相転移温度(T)より高い温度で測定されるEが0.1MPa以上、好ましくは0.12MPa以上となるように設定される。Eが0.1MPa以上であれば、十分な耐久性を備えた実用的な熱応答性材料として好適に利用することができる。なお、Eの値については、上記の力学的条件1より、例えば、E=0.1MPaの場合、E≦100Mpaとなる。
(液晶性ポリウレタンの相構造と破断応力との関係)
図2は、本発明の熱応答性材料について、相構造の違いによる破断応力を示した説明図(応力−歪み曲線)である。本発明の熱応答性材料は、エラストマーであるため、例えば、引張応力を付与すると引張方向に伸張し、引張応力をさらに増加させるとそれに伴って熱応答性材料はさらに伸張する。そして、引張応力が限界値を超えると、熱応答性材料は破断することになる。この熱応答性材料が破断したときの応力が破断応力である。本発明の熱応答性材料は、マトリックスである液晶性ポリウレタンが液晶相を含む状態にある場合、図2(a)に示すように、液晶性ポリマーのメソゲン基が配向することにより液晶相が発現し、配向方向においてメソゲン基が応力を負担できるため、比較的高い破断応力を有する。一方、液晶性ポリウレタンが等方相を含む状態にある場合、図2(b)に示すように、液晶性ポリマーのメソゲン基の配向が崩れることにより液晶相から等方相に相転移し、メソゲン基の応力負担能力が低下するため、破断応力が著しく低下する。ここで、マトリックスである液晶性ポリマーが液晶相を含むときの破断応力をσとし、等方相を含むときの破断応力をσとしたとき、本発明の熱応答性材料は、以下の力学的条件2:
<力学的条件2>: σ/σ ≦ 40
を満たすように設計される。破断応力σは、例えば、液晶性ポリマーの相転移温度(T)より10〜30℃低い温度で測定した破断応力を採用することができる。破断応力σは、例えば、液晶性ポリマーの相転移温度(T)より10〜30℃高い温度で測定した破断応力を採用することができる。
上記の力学的条件2を満たす熱応答性材料は、液晶相と等方相との間で相転移が発生すると、マトリックスの破断応力σが最大で40倍に変化する。具体的には、液晶相から等方相に相転移すると、マトリックスの破断応力は1/40倍まで低減し得る。このとき、相転移に伴って配向していたメソゲン基が不規則になるため、液晶性ポリマーの分子構造の秩序(エントロピー)が増大し、マトリックスのサイズは配向方向において縮むとともに非配向方向において伸びるように変位する。反対に、等方相から液晶相に相転移すると、マトリックスの破断応力は40倍まで増大し得る。このとき、相転移に伴って不規則であったメソゲン基が再び配向するため、液晶性ポリマーの分子構造の秩序(エントロピー)が低下し、マトリックスのサイズは配向方向において伸びるとともに非配向方向において縮むように変位する。なお、上記の力学的条件2において、σ/σの下限値は特に規定していないが、上述した弾性率Eと弾性率Eとの関係と同様に、破断応力σが破断応力σより小さくなることは現実的には考え難いため、σ/σは1より大きい値とするのが妥当である。従って、相転移に伴ってマトリックスが変位しても、マトリックスの破断応力の変化は、上記のとおり40倍以内に維持される。このように、本発明の熱応答性材料は、液晶相と等方相との間で一定以上の強度(耐久性)を有するものでありながら、破断応力を大きく変化させることができるため、相転移を利用した熱応答性を有する材料として有用である。
熱応答性材料が実用的な強度を有するためには、先に定義したσ及びσが所定以上の値であることが好ましい。本発明では、特に、液晶性ポリマーの相転移温度(T)より高い温度で測定されるσが0.5MPa以上、好ましくは1.0MPa以上となるように設定される。σが0.5MPa以上であれば、十分な耐久性を備えた実用的な熱応答性材料として好適に利用することができる。なお、σの値については、上記の力学的条件2より、例えば、σ=0.5MPaの場合、σ≦20Mpaとなる。
(液晶性ポリウレタンのガラス転移温度(T)及び相転移温度(T))
熱応答性材料が常温を含む温度領域で使用可能であるためには、マトリックスとして適切なガラス転移温度(T)及び相転移温度(T)を有する液晶性ポリマーを選択する必要がある。本発明では、液晶性ポリマーとして、相転移温度(T)が、当該液晶性ポリマーのガラス転移温度(T)以上かつ100℃以下のものが好適に使用される。さらに、相転移温度(T)とガラス転移温度(T)との差は、20℃以上であることが好ましく、25℃以上であることがより好ましい。このような液晶性ポリマーをマトリックスとして含む熱応答性材料は、常温を含む比較的低温の領域でマトリックスの弾性率及び破断応力が大きく変化し、しかも弾性率が大きくなる液晶相の領域が広く確保されるため、熱応答性に優れながら、使い勝手が良好な実用的な熱応答性材料となる。
上記の弾性率E及び弾性率Eに関する力学的条件1、上記の破断応力σ及び破断応力σに関する力学的条件2、並びに上記のガラス転移温度(T)及び相転移温度(T)を満たす、本発明の熱応答性材料のマトリックスとして好ましい液晶性ポリマーは、先の「熱応答性材料の組成」の項目で説明した液晶性ポリウレタンであり、メソゲン基含有化合物と、イソシアネート化合物と、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドと、架橋剤とを反応させることにより生成されるものである。本発明において利用可能な液晶性ポリウレタンの好ましい物性値を以下に例示する。
・ガラス転移温度(T) :−30〜60℃
・相転移温度(T) :0〜100℃
・−30〜60℃における弾性率E :20〜120MPa
・0〜100℃における弾性率E :0.1〜50MPa
・−30〜60℃における破断応力σ :3〜80MPa
・0〜100℃における破断応力σ :0.5〜30MPa
〔熱応答性材料の用途〕
本発明の熱応答性材料は、マトリックスである液晶性ポリウレタンの液晶性と伸縮性とを利用して様々な用途に適用することができる。そのような適用例について説明する。
(適用例1:熱制御装置)
適用例1は、本発明の熱応答性材料を熱制御装置に適用したものである。図3は、熱応答性材料を利用した熱制御装置10の説明図である。
熱制御装置10は、例えば、熱制御を行う対象物11に取り付けられるものであり、放熱板12と、伝熱部材13と、支持部材14とを備える。放熱板12は、対象物11から伝熱部材13に伝達された熱を受け取って外部に放出するように機能する。伝熱部材13は、放熱板12に取り付けられるとともに、対象物11に対して接触/離間可能に構成されている。支持部材14は、対象物11と放熱板12との間に設置され、対象物11に対して放熱板12及び伝熱部材13を支持するものである。
上記の熱制御装置10において、支持部材14に本発明の熱応答性材料が使用される。図3(a)に示すように、熱制御装置10が液晶性ポリウレタンの相転移温度(T)未満の環境にあり、破線円内のイメージに示すように、支持部材14を構成する熱応答性材料が液晶相を含んでいる状態では、支持部材14が伸張している。このため、伝熱部材13は対象物11から離間し、対象物11の熱は放熱板12に伝達されない。一方、図3(b)に示すように、熱制御装置10が液晶性ポリウレタンの相転移温度(T)を超える環境にあり、破線円内のイメージに示すように、支持部材14を構成する熱応答性材料が等方相を含んでいる状態では、支持部材14が収縮している。このため、伝熱部材13は対象物11に接触し、対象物11の熱は放熱板12に伝達される。従って、熱制御装置10の支持部材14として使用する液晶性ポリウレタンの相転移温度(T)が当該熱制御装置10の設置環境温度に含まれるように熱制御装置10を設計すれば、対象物11に対して適切な熱制御を行うことができる。
ところで、熱制御装置10は、図3(a)の状態から図3(b)の状態に移行すると、温度上昇に伴って液晶性ポリウレタンのメソゲン基が不規則になるため、支持部材14の弾性率や破断応力が低下することになる。このため、熱制御装置10の強度や耐久性が不足するのではないかという懸念が生じる。しかしながら、図3(b)の状態では、伝部材13が対象物11に接触することにより、支持部材14に加えて伝部材13も応力を負担できるようになる。従って、温度上昇により支持部材14の弾性率や破断応力が低下したとしても、その低下分を伝部材13が分担することができるため、結果として、熱制御装置10全体の強度を維持することが可能となる。
(適用例2:衣料製品)
適用例2は、本発明の熱応答性材料を衣料製品に適用したものである。図4は、熱応答性材料を利用した衣料製品20の説明図である。
衣料製品20は、例えば、熱応答性材料を紡糸してなる繊維21を編み上げた編地22を用いて縫製される。衣料製品20の素材となる編地22を構成する繊維21は、液晶性ポリウレタンを液晶紡糸することにより製造される。
液晶紡糸された繊維21は、その繊維長の方向に液晶性ポリウレタンの分子鎖が高度に配向し、優れた液晶性を示すものとなる。図4(a)に示すように、衣料製品20が液晶性ポリウレタン2の相転移温度(T)未満の環境にあり、破線円内のイメージに示すように、繊維21を構成する熱応答性材料が液晶相を含んでいる状態では、繊維21が伸張しているため編地22は比較的緩んだ状態となっている。このため、衣料製品20の利用者は、当該衣料製品20を身体に容易に着用することができる。利用者が衣料製品20を着用した後、利用者の体温により衣料製品20が温められ、液晶性ポリウレタンの相転移温度(T)を超えると、図4(b)の破線円内のイメージに示すように、繊維21を構成する熱応答性材料が等方相を含む状態となり、それに伴って繊維21が収縮して編地22が縮んだ状態となり、衣料製品20が利用者の身体にフィットする。従って、繊維21に使用する液晶性ポリウレタンの相転移温度(T)を、ヒトの体温(約35〜37℃)より低くなるように設定すれば、例えば、スポーツウェアやサポーター等の伸縮性が求められる衣料製品の素材として好適に利用することができる。
本発明の熱応答性材料の有用性を確認するため、原材料の配合を変更して熱応答性材料を製造し、それらの特性について評価を行った。以下、熱応答性材料の実施例として説明する。
〔液晶性ポリウレタンの合成〕
熱応答性材料のマトリックスとなる液晶性ポリウレタンを合成した(実施例1〜5、比較例1〜2)。なお、実施例及び比較例では、液晶性ポリウレタンの各原材料の配合量の単位を「g」としているが、本発明は、任意の倍率でスケールアップが可能である。すなわち、液晶性ポリウレタンの各原材料の配合量の単位については、「重量部」と読み替えることができる。
<実施例1>
反応容器に、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物としてBH6(500g)、水酸化カリウム(19.0g)、及び溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド(3000ml)を入れて混合し、さらに、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドを1モルのBH6に対して2当量添加し、これらの混合物を、加圧条件下、120℃で2時間反応させた(付加反応)。次いで、反応容器にシュウ酸(15.0g)を添加して付加反応を停止させ、反応液中の不溶な塩を吸引ろ過によって除去し、さらに、反応液中のN,N−ジメチルホルムアミドを減圧蒸留法により除去することにより、メソゲンジオールAを得た。メソゲンジオールAの合成スキームを式(2)に示す。なお、式(2)中に示したメソゲンジオールAは代表的なものであり、種々の構造異性体を含み得る。
Figure 0006622082
次に、メソゲンジオールA(100g)、架橋剤としてトリメチロールプロパン(1.8g)、及びイソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(38g)を混合して100℃に加熱した。原材料の混合物において、3つ以上の反応性官能基を有する成分であるトリメチロールプロパンの含有量は1.3重量%であった。次いで、この混合物を予熱した金型に充填し、100℃で30分間反応硬化させることにより、半硬化状態の液晶性ウレタン化合物(プレポリマー)を得た。この液晶性ウレタン化合物を金型から離型し、20℃で延伸倍率が2倍となるように一軸延伸した。その後、液晶性ウレタン化合物の延伸状態を維持したまま20℃で完全に硬化するまで養生し、液晶(メソゲン基)が配向した実施例1の液晶性ポリウレタンを得た。
<実施例2>
半硬化状態の液晶性ウレタン化合物を得るに際し、トリメチロールプロパンの配合量を3.7gとし、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの配合量を41gとした。原材料の混合物において、3つ以上の反応性官能基を有する成分であるトリメチロールプロパンの含有量は2.6重量%であった。その他の原材料、及びその配合量、並びに、反応条件、延伸条件、及び養生条件については、実施例1と同様とし、実施例2の液晶性ポリウレタンを得た。
<実施例3>
半硬化状態の液晶性ウレタン化合物を得るに際し、トリメチロールプロパンの配合量を0.3gとし、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの配合量を32gとした。原材料の混合物において、3つ以上の反応性官能基を有する成分であるトリメチロールプロパンの含有量は0.2重量%であった。その他の原材料、及びその配合量、並びに、反応条件、延伸条件、及び養生条件については、実施例1と同様とし、実施例3の液晶性ポリウレタンを得た。
<実施例4>
半硬化状態の液晶性ウレタン化合物を得るに際し、架橋剤としてポリエーテルポリオール(旭硝子株式会社製、商品名「エクセノール(登録商標)400MP」)を30g配合し、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの配合量を54gとした。原材料の混合物において、3つ以上の反応性官能基を有する成分であるポリエーテルポリオールの含有量は16.3重量%であった。その他の原材料、及びその配合量、並びに、反応条件、延伸条件、及び養生条件については、実施例1と同様とし、実施例4の液晶性ポリウレタンを得た。
<実施例5>
反応容器に、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物としてBH6(500g)、水酸化カリウム(19.0g)、及び溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド(3000ml)を入れて混合し、さらに、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドを2モルのBH6に対して7当量(すなわち、1モルのBH6に対して3.5当量)添加し、これらの混合物を、加圧条件下、120℃で2時間反応させた(付加反応)。次いで、反応容器にシュウ酸(15.0g)を添加して付加反応を停止させ、反応液中の不溶な塩を吸引ろ過によって除去し、さらに、反応液中のN,N−ジメチルホルムアミドを減圧蒸留法により除去することにより、メソゲンジオールBを得た。メソゲンジオールBの合成スキームを式(3)に示す。なお、式(3)中に示したメソゲンジオールBは代表的なものであり、種々の構造異性体を含み得る。
Figure 0006622082
次に、メソゲンジオールB(100g)、架橋剤としてトリメチロールプロパン(1.8g)、及びイソシアネート化合物として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(29g)を混合して100℃に加熱した。原材料の混合物において、3つ以上の反応性官能基を有する成分であるトリメチロールプロパンの含有量は1.4重量%であった。次いで、この混合物を予熱した金型に充填し、100℃で30分間反応硬化させることにより、半硬化状態の液晶性ウレタン化合物(プレポリマー)を得た。この液晶性ウレタン化合物を金型から離型し、20℃で延伸倍率が2倍となるように一軸延伸した。その後、液晶性ウレタン化合物の延伸状態を維持したまま20℃で完全に硬化するまで養生し、液晶(メソゲン基)が配向した実施例5の液晶性ポリウレタンを得た。
<比較例1>
半硬化状態の液晶性ウレタン化合物を得るに際し、トリメチロールプロパンの配合量を0.04gとし、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの配合量を32gとした。すなわち、比較例1の液晶性ポリウレタンは、架橋剤であるトリメチロールプロパンの配合量を過少にした。原材料の混合物において、3つ以上の反応性官能基を有する成分であるトリメチロールプロパンの含有量は0.03重量%であった。その他の原材料、及びその配合量、並びに、反応条件、延伸条件、及び養生条件については、実施例1と同様とし、比較例1の液晶性ポリウレタンを得た。
<比較例2>
半硬化状態の液晶性ウレタン化合物を得るに際し、架橋剤としてポリエーテルポリオールを60g配合し、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの配合量を72gとした。すなわち、比較例2の液晶性ポリウレタンは、架橋剤であるポリエーテルポリオールの配合量を過大にした。原材料の混合物において、3つ以上の反応性官能基を有する成分であるポリエーテルポリオールの含有量は25.9重量%であった。その他の原材料、及びその配合量、並びに、反応条件、延伸条件、及び養生条件については、実施例1と同様とし、比較例2の液晶性ポリウレタンを得た。
〔液晶性ポリウレタンの特性〕
実施例1〜5、及び比較例1〜2の液晶性ポリウレタンについて、熱応答性材料としての特性(物性)を確認するため、ガラス転移温度(T)、相転移温度(T)、液晶性、弾性率、及び熱応答性について測定を行った。各測定項目の測定方法及び測定条件を以下に説明する。
<ガラス転移温度(T)、相転移温度(T)>
示差走査熱量分析計[DSC](株式会社日立ハイテクサイエンス社製、X−DSC 7000)を使用し、各試料のガラス転移温度(T)、及び相転移温度(T)を測定した。測定時の昇温速度については、20℃/分とした。
<液晶性>
偏光顕微鏡(株式会社ニコン社製、LV−100POL)によって各試料を観察し、液晶性の有無を確認した。さらに、示差走査熱量分析計[DSC](株式会社日立ハイテクサイエンス社製、X−DSC 7000)の測定結果からも液晶性の有無を確認した。
<弾性率>
動的粘弾性測定装置(株式会社上島製作所社製、全自動粘弾性アナライザ VR−7110)を使用し、各試料(長さ:40mm、幅:3mm、厚み:2mm)の貯蔵弾性率E´を測定した。測定条件は、昇温速度を2℃/分とし、測定モードを引張モードとし、歪を0.5%とし、振動数を5Hzとした。各試料について、相転移温度(T)より20℃低い温度における貯蔵弾性率E´を弾性率Eとし、相転移温度(T)より20℃高い温度における貯蔵弾性率E´を弾性率Eとした。
<熱応答性>
各試料について、液晶相から等方相への相転移に伴って発生する配向方向におけるサイズの減少(試料の長さの減少)をスケールで測定し、減少率(収縮率)が大きいものを、熱応答性が大きいと評価した。
各試料の測定結果を以下の表1にまとめる。
Figure 0006622082
実施例1〜5の液晶性ポリウレタンは、何れも弾性率Eが0.1MPa以上であり、弾性率Eと弾性率Eとの比率(E/E)が2.2〜613.3であり、上述の力学的条件1を満たすものであった。このように、実施例1〜5の液晶性ポリウレタンは、液晶相と等方相との間で一定以上の強度(耐久性)を有するものでありながら、相転移により弾性率が大きく変化し得ることが示された。また、実施例1〜5の液晶性ポリウレタンは、液晶相から等方相への相転移に伴って、配向方向におけるサイズの減少(収縮)が認められた。特に、実施例1、2、及び5の液晶性ポリウレタンは、相転移前後での収縮率が大きく、高い熱応答性を示すものであった。従って、本発明の液晶性ポリウレタンをマトリックスとして含む熱応答性材料は、一定以上の強度(耐久性)を有するとともに、熱応答性に優れており、液晶性と伸縮性とを兼ね備えた材料として有用であることが示唆された。
これに対し、比較例1〜2の液晶性ポリウレタンは、熱応答性材料としての性能は不十分であった。比較例1の液晶性ポリウレタンは、弾性率Eが小さくなり、弾性率の比率(E/E)が過大となった。弾性率Eが小さくなった理由は、3つ以上の反応性官能基を有する成分であるトリメチロールプロパンの含有量が不足しているためと考えられる。従って、比較例1の液晶性ポリウレタンは、等方相を含む状態になると一定以上の強度を有することができず、応力を付与されている状態での熱応答性が低下することとなった。比較例2の液晶性ポリウレタンは、3つ以上の反応性官能基を有する成分であるポリエーテルポリオールの含有量が過剰であるため、メソゲン基の動きが架橋構造によって阻害され、液晶相が発現し難いものとなった。その結果、比較例2の液晶性ポリウレタンは、ほとんど伸縮しない(熱応答性を示さない)材料となった。
本発明の熱応答性材料は、その優れた熱応答性、伸縮性、弾性率変化特性を利用し、実施形態で説明した熱制御装置や衣料製品(繊維)の他にも様々な用途で利用することができる。例えば、本発明の熱応答性材料は、アクチュエータ、フィルター等の工業分野において利用できる可能性がある。また、本発明の熱応答性材料を用いた繊維は、人工筋肉、カテーテル等の医学・医療分野においても利用できる可能性がある。
10 熱制御装置
14 支持部材(熱応答性材料)
20 衣料製品
21 繊維(熱応答性材料)

Claims (7)

  1. 温度変化に応じて液晶相と等方相との間で可逆的に変化する液晶性ポリマーをマトリックスとして含む熱応答性材料であって、
    前記液晶性ポリマーは、液晶性ポリウレタンであり、
    前記液晶性ポリウレタンは、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物と、イソシアネート化合物と、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドと、架橋剤との反応物を含み、
    前記メソゲン基含有化合物は、下記の一般式(1)で表される化合物であり、
    Figure 0006622082
    (ここで、Xは活性水素基であり、R は単結合、−N=N−、−CO−、−CO−O−、又は−CH=N−であり、R は単結合、又は−O−であり、R は単結合、又は炭素数1〜20のアルキレン基である。ただし、R が−O−であり、且つR が単結合であるものを除く。)
    前記架橋剤は、少なくとも3つの反応性官能基を有するポリオールであり、
    前記メソゲン基含有化合物、前記イソシアネート化合物、前記アルキレンオキシド及び/又は前記スチレンオキシド、並びに前記架橋剤の合計量を100重量部としたとき、前記架橋剤の配合量は、0.1〜20重量部であり、
    前記液晶相を含むときの前記マトリックスの弾性率をEとし、前記等方相を含むときの前記マトリックスの弾性率をEとしたとき、
    /E ≦ 1000 を満たす熱応答性材料。
  2. 前記Eは、0.1MPa以上である請求項1に記載の熱応答性材料。
  3. 前記液晶相と前記等方相との境界となる相転移温度(T)は、前記液晶性ポリマーのガラス転移温度(T)以上かつ100℃以下である請求項1又は2に記載の熱応答性材料。
  4. 前記相転移温度(T)と前記ガラス転移温度(T)との差は、20℃以上である請求項3に記載の熱応答性材料。
  5. 前記マトリックス中に気泡が分散されている請求項1〜4の何れか一項に記載の熱応答性材料。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の熱応答性材料を含む熱制御装置。
  7. 請求項1〜5の何れか一項に記載の熱応答性材料を紡糸してなる繊維。
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