JP2017044168A - インペラの取付け構造、及びそれを用いた遠心ファン - Google Patents

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【課題】ロータヨークとインペラとの結合強度を十分に得られるとともに、さらなる薄型化を図ったインペラの取付け構造、及びそれを用いた遠心ファンを提供する。【解決手段】インペラ10の取付け構造は、主板12に傾斜面が形成され、主板12の傾斜面の下方に空間15が形成されたインペラ10と、インペラ10が装着され、突起用貫通穴23aを有するカップ状のロータヨーク23と、突起24aを突起用貫通穴23aに嵌入することによってロータヨーク23に結合された環状のバックヨーク24と、を備えることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、インペラの取付け構造、及びそれを用いた遠心ファンに関する。
家電機器、OA機器、産業機器の冷却、換気、空調や、車両用の空調、送風などに広く用いられている送風機として、遠心式ファンが知られている。従来の遠心式ファンとして、ケーシングが上ケーシングと下ケーシングとからなり、上ケーシングと下ケーシングの間に羽根車を収納し、この羽根車の回転に伴って吸い込み口から吸入した空気を上ケーシングと下ケーシングの間の側面に形成された吹き出し口から外方に向けて排出する遠心式ファンが知られている(例えば、特許文献1参照)
図7に示す特許文献1に記載された遠心ファン100は、モータ160のロータヨーク163の外周にインペラ(羽根車に相当)130のハブ141を装着した構成で、ロータの高さを遠心ファン100の上下方向の高さHの1/2以下とすることで薄型化を図った構造となっている。これによってロータとインペラ130のハブ141は吸込み口133の方向に突出しないため、モータ160の回転に伴って回転するインペラ130によって空気吸込み口133から吸い込まれた空気がロータヨーク163及びハブ141に衝突せず、空気の流れを阻害することなく、羽根151の間に案内される。この結果、騒音の発生を抑制することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の遠心ファン100は、一般にインペラ130のハブ141の内周にロータヨーク163を圧入して装着が行われるが、インペラ130は高速で回転するため、圧入、及び接着では十分な結合強度が得られないという問題がある。また、ロータマグネットもロータヨーク163の内周面に接着されるが、圧入時に接着剤がしごかれ、接着剤が不足した場合には、十分な結合強度が得られないという問題がある。
さらに遠心ファンの薄型化の要求に対して、モータ160の薄型化を図る必要があるが、回路基板169に実装された電子部品がインペラのハブ141の下面に衝突してしまう問題がある。
特開2014−15849号公報(図3)
本発明は上述のような課題に鑑み、ロータヨークとインペラとの結合強度を十分に得られるとともに、さらなる薄型化を図ったインペラの取付け構造、及びそれを用いた遠心ファンを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の第1の観点は、インペラの取付け構造であって、主板に傾斜面が形成され、前記主板の傾斜面の下方に空間が形成されたインペラと、前記インペラが装着され、突起用貫通穴を有するカップ状のロータヨークと、突起を前記突起用貫通穴に嵌入することによって前記ロータヨークに結合された環状のバックヨークと、を備えることを特徴とする。
(2)上記(1)の構成において、前記環状のバックヨークの前記突起は、前記突起用貫通穴から突出する先端において折り曲げられていてもよい。
(3)上記(1)の構成において、前記環状のバックヨークの前記突起は、前記突起用貫通穴から突出する先端においてかしめられていてもよい。
(4)本発明の第2の観点は、遠心ファンであって、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載のインペラの取付け構造を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ロータヨークとインペラとの結合強度を十分に得られるとともに、さらなる薄型化を図ったインペラの取付け構造、及びそれを用いた遠心ファンを提供することができる。
本発明の第1実施形態におけるロータにインペラを装着した状態を示した図である。 図1におけるインペラとロータの分解斜視図である。 図2におけるロータの構成を示した図である。 図3におけるバックヨークを示した図である。 第2実施形態におけるロータの構成を説明した図である。 図5におけるバックヨークのかしめを説明した図である。 従来構造における遠心ファンを示した断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
<第1実施形態>
まず、第1実施形態に係るインペラ10の取付け構造について説明する。図1に示すように、遠心ファン1のロータ20には、インペラ10が装着されている。
ロータ20は、図2及び図3に示すように、金属材からなるシャフト21と、ボス部22と、金属材からなるカップ状のロータヨーク23と、金属材からなる環状(ここでは、円環状)のバックヨーク24と、バックヨーク24の内側に装着されたロータマグネット25と、を備えている。
ボス部22は、例えば、真鍮にて形成され、大径部と小径部を有している。ボス部22の中央の貫通穴にシャフト21を圧入し、ロータヨーク23の中央の開口にボス部22の小径部を嵌め込み、ボス部22の小径部の外周縁の一部をかしめ、ロータヨーク23とボス部22を結合している。
環状のバックヨーク24は、ロータヨーク23に次のような態様で結合されている。バックヨーク24は、図4に示すように、例えば、鉄材からなる板状の部材をプレス加工することによって形成されており、その両端24c,24cは、カーリングして結合して環状に形成される。図2及び図3に戻って、バックヨーク24は、その外周縁の上端に形成された突起24a(第1実施形態では周方向に均等ピッチで9個形成)を有しており、この突起24aをロータヨーク23の突起用貫通穴23aに嵌入し、突起用貫通穴23aから突出する突起24aの先端を折り曲げることにより、ロータヨーク23に結合されている。
バックヨーク24の内周面には接着剤が塗布されており、ロータマグネット25が接着されている。また、あわせて、バックヨーク24は、その内周面の下部に形成された係合爪24b(第1実施形態では周方向に均等ピッチで3個形成)を有しており、この係合爪24bをロータマグネット25に形成された凹部25aに係合される。この係合爪24bは、ロータマグネット25の脱落防止として機能する。ロータマグネット25に形成された凹部25aは、ロータマグネット25の磁極の境(N極とS極の境)に形成されている。
ロータマグネット25は円筒状であっても、シート状ラバーマグネットであっても構わない。シート状ラバーマグネットの場合、カーリングしてバックヨーク24の内周面に圧入される。
インペラ10は合成樹脂製で形成されており、環状のシュラウド11と、主板12と、環状のシュラウド11と主板12の間に配置された複数の羽根13と、を備えている。主板12と羽根13は射出成形にて形成され、各羽根13の上面と環状のシュラウド11とは、例えば、超音波溶着にて結合されている。羽根13は全て同じ形状で形成されており、回転方向に対して後向き羽根を構成している。主板12の下面には射出成形時に一体に形成された複数のピン12aが突設している。なお、環状のシュラウド11の中央に形成された開口11aが空気吸込み口となる。
図1及び図2を参照して、ロータヨーク23へのインペラ10の装着について説明する。主板12に形成されたピン12aをロータヨーク23に形成されたピン用貫通穴23bにそれぞれ挿通することにより、インペラ10がロータヨーク23に載置され、ピン用貫通穴23bから突出したピン12aの先端を熱で潰すことによって、ロータヨーク23にインペラ10が結合される。インペラ10に形成されたピン12aと、ロータヨーク23に形成されたピン用貫通穴23bは周方向に均等ピッチで形成されている。
ここで、インペラ10の主板12は内周側から外周側に向けて傾斜面を形成している。インペラ10をロータヨーク23に結合すると、軸方向において、主板12の傾斜面の下方に空間15が形成される。このため、この空間15が逃げ部となって、回路基板(不図示)に実装された電子部品(不図示)の一部がこの空間15に収容されるため、電子部品(不図示)がインペラ10と衝突することが回避される。この空間15に電子部品(不図示)の一部が収容される結果、軸方向の薄型化を図ることができる。
上述のとおり、インペラ10の装着について説明したが、このインペラ10は、例えば、図7の従来のような遠心ファン100にも用いることができる。また、モータにも同様に適用できる。なお、図7の従来の遠心ファン100のインペラ130は主板を備えていないものが図示されているが、第1実施形態のインペラ10を使用する場合、インペラ10は主板12を備えた構成となる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るインペラ10の取付け構造について説明する。第1実施形態では、ロータヨーク23とバックヨーク24とは、バックヨーク24に形成された突起24aをロータヨーク23に形成された突起用貫通穴23aに嵌入し、バックヨーク24の突起24aの先端を折り曲げることによって、結合されている。これに対して、第2実施形態では、ロータヨーク23とバックヨーク24とは、図5に示すように、バックヨーク24に形成された突起24aをロータヨーク23に形成された突起用貫通穴23aに嵌入した後、突起用貫通穴23aから突出する突起24aの先端を周方向にかしめることによって、結合されている。
具体的には、図6に示したように、バックヨーク24に形成された突起24aの先端に凹部24dが形成されており、凹部24dを周方向に押し広げるようにかしめることによって、バックヨーク24はロータヨーク23に結合されている。
<実施形態の効果>
上記2つの実施形態によれば、次のような効果が得られる。
イ.インペラ10の主板12は内周側から外周側に向けて傾斜面を形成しているため、主板の傾斜面の下方に空間15が形成される。この結果、この空間15が逃げ部となって、回路基板(不図示)に実装された電子部品(不図示)の一部がこの空間15に収容されるため、電子部品(不図示)がインペラ10と衝突することが回避され、軸方向の薄型化を図ることができる。
ロ.ロータヨーク23とインペラ10との結合強度を十分に得ることができる。
ハ.以上に加えて、バックヨーク24にロータマグネット25を装着した状態でロータマグネット25に着磁することができ、バックヨーク24を着磁ヨークとして使うことができる。このため、着磁した後、ロータマグネット25を外すことなく、そのまま使うことができる。
このように、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を行ったものも含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
1…遠心ファン、10…インペラ、11…シュラウド、11a…開口(シュラウド11の)、12…主板、12a…ピン(主板12の)、13…羽根、15…空間、20…ロータ、21…シャフト、22…ボス部、23…ロータヨーク、23a…突起用貫通穴(ロータヨーク23の)、23b…ピン用貫通穴(ロータヨーク23の)、24…バックヨーク、24a…突起(バックヨーク24の)、24b…係合爪(バックヨーク24の)、24c…両端(バックヨーク24の)、24d…凹部(突起24aの)、25…ロータマグネット、25a…凹部(ロータマグネット25の)

Claims (4)

  1. インペラの取付け構造であって、
    主板に傾斜面が形成され、前記主板の傾斜面の下方に空間が形成されたインペラと、
    前記インペラが装着され、突起用貫通穴を有するカップ状のロータヨークと、
    突起を前記突起用貫通穴に嵌入することによって前記ロータヨークに結合された環状のバックヨークと、を備えることを特徴とするインペラの取付け構造。
  2. 前記環状のバックヨークの前記突起が、前記突起用貫通穴から突出する先端において折り曲げられていることを特徴とする請求項1に記載のインペラの取付け構造。
  3. 前記環状のバックヨークの前記突起が、前記突起用貫通穴から突出する先端においてかしめられていることを特徴とする請求項1に記載のインペラの取付け構造。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のインペラの取付け構造を備えることを特徴とする遠心ファン。
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