JP2017043915A - 水洗式便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】水洗式便器において、洗浄水の旋回水流と落下水流のバランスをコントロールする。
【解決手段】便鉢部110と、便鉢部110の内壁面126に設けられるリム通水路120と、内壁面126の側方に設けられ、リム通水路120に周方向に旋回する洗浄水を吐水するための吐水口と、内壁面126の下方に窪んで形成される凹部116と、凹部116とリム通水路120の間に形成される汚物受け面130と、を備える。汚物受け面130は、凹部116の両側方において左右方向に沿って凸面により形成される両側方領域10h、10mと、凹部116の前方において前後方向に沿って凹面により形成される前方領域10nと、を含み、前方領域10nは、その左右方向範囲が凹部116の左右方向範囲を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、水洗式便器、特に、便鉢内に旋回水流を形成する水洗式便器に関する。
水洗式便器においては、1以上の吐水口から便鉢部に洗浄水を吐出し、その洗浄水の勢いによって汚物を排水路管部に押し出す洗浄方式が知られている。以下、便器内部から汚物を排水路管部に押し出す力のことを「排出力」と表記することにする。また、便鉢部の内壁面に汚物の付着が残らないようにするため、便鉢部の内壁面を広域洗浄する水流も必要である。以下、便鉢内壁を洗う力のことを「洗浄力」と表記することにする。
洗浄力や排出力を強化するために、吐出口の数や位置、吐水方向、吐水タイミング、リム通水路を構成する部材等についてさまざまな研究がなされている。例えば、特許文献1には、ボウル部の左側に設けられる第1リム吐水部から吐水された洗浄水がボウル部の前方側から凹部に流入し、便鉢部の後方に設けられる第2リム吐水部から吐水された洗浄水が横方向から凹部に流入することによってボウル部内の浮遊系汚物を溜水内に沈めて排水路管部路内へ排出する水洗大便器が開示されている。
特開2015−068164号公報
ところで、このような水洗便器には節水の要請に対応するために、吐水の水量を小さくすることが考えられる。しかし、吐水の水量を小さくすると、旋回水流から徐々に下向きに流れ落ちる落下水流の水量も小さくなり、便鉢内壁の汚物受け面に付着した紙や汚物などが残留する懸念がある。この場合、再度洗浄水を吐水して残留分を洗浄すると、節水の要請に反する結果になる。また、特許文献1の水洗大便器では、前方側汚物受け面は平坦に形成されているから、第1リム吐水部から吐水される洗浄水の旋回水流と落下水流の割合をコントロールすることは難しい。
落下水流の割合を増やすために、汚物受け面の前方領域の傾斜を大きくして汚物受け面の下側を深くすることが考えられる。しかし、この構成では凹部の前方立壁の高さが低くなり、凹部において縦旋回する洗浄水の汚物が汚物受け面に飛散しやすくなる懸念がある。
そこで今回は、便鉢の前方の広い領域で汚物受け面の各領域における曲面形状を調整することにより、洗浄水のうち前方立壁から凹部に流れ落ちる落下水流の割合を増やすことが課題であると認識した。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的の一つは、洗浄水の旋回水流と落下水流のバランスのコントロールを可能とする水洗式便器を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の特徴とする水洗式便器は、便鉢部と、便鉢部の内壁面に設けられるリム通水路と、内壁面の側方に設けられ、リム通水路に周方向に旋回する洗浄水を吐水するための吐水口と、内壁面の下方に窪んで形成される凹部と、凹部とリム通水路の間に形成される汚物受け面と、を備える。汚物受け面は、凹部の両側方において左右方向に沿って凸面により形成される両側方領域と、凹部の前方において前後方向に沿って凹面により形成される前方領域と、を含み、前方領域は、その左右方向範囲が凹部の左右方向範囲を含む。
この態様によると、汚物受け面に凹面により形成される前方領域を含むから、洗浄水のうち前方立壁から凹部に流れ落ちる落下水流の割合を増やすことができる。
なお、凹面は、両端より中央がへこんでいる面をいい、曲率が一定である面、曲率が徐々に変化する面及び曲率が部分的に変化する面を含む。凹面の曲率というときは、凹面内の平均の曲率をいうものとする。
本発明によれば、洗浄水の旋回水流と落下水流のバランスのコントロールを可能とする水洗式便器を提供することができる。
本実施の形態の水洗式便器の側断面図である。 図1の水洗式便器の上面視による端面図である。 汚物受け面の周辺の側断面の模式図である。 洗浄水の第1水流を説明する模式図である。 洗浄水の第2水流を説明する模式図である。 便鉢部の延伸棚部の周辺の上面図である。 便鉢部の延伸棚部の周辺の側断面の模式図である。 図3に対応する比較例の汚物受け面の側断面の模式図である。 図5に対応する比較例の水流を説明する模式図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図1〜9を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
図1は本実施形態にかかる水洗式便器100の側断面図であり、図2は、図1のA−A線に沿った水平面で切断したときの水洗式便器100の上面図である。A−A線は、主に後に説明するリム通水路120の側壁面126aとオーバーハング部118の境界部に沿っている。
以下、図1等に示す様に、水洗式便器100の前側から後部に向かう方向をX軸、高さ方向をZ軸、左右方向をY軸と定める。Y軸正方向を「左方向」、Y軸負方向を「右方向」とする。
水洗式便器100は、便器本体102、便座(不図示)、給水タンク(不図示)を有する。便座は、平面視(z軸負方向)において環状の部材であり、ヒンジ(不図示)を介して便器本体102に開閉可能に取り付けられる。給水タンクは便器本体102などへ洗浄水を供給する。
便器本体102は、便鉢部110、排水路管部112、周壁部114を有する。便鉢部110は、内壁面126に、汚物を受け止めるための鉢状の汚物受け面130と、便鉢部110の周縁に設けられるリム部110aと、リム部110aに沿って形成されるリム通水路120と、汚物受け面130の下縁部から下方に窪んで形成される凹部116と、を有する。凹部116は有底筒状に形成され、その底部には封水部116eが設けられる。排水路管部112は、便鉢部110の下部に形成される。周壁部114は、便鉢部110や排水路管部112などの内部構造を遮蔽する。つまり、汚物受け面130はリム部110aに連なり、凹部116とリム通水路120の間に形成される。汚物受け面130は凹部116の外側に形成される外側受面10と、凹部116の内側に形成される内側受面30と、を含む。
排水路管部112は、便鉢部110との接続部分においてS字状の封水部116eを形成する。封水部116eには、常時、滞留水が溜められており、これにより排水路管部112の臭いを遮断する。封水部116eに落ちた汚物は、滞留水とともに洗浄水によって外部に押し出される。
便鉢部110の上端には、内側にせり出すオーバーハング部118が形成される。オーバーハング部118の上面は、便座の支持面となるように平坦化されている。オーバーハング部118の下面と便鉢部110の汚物受け面130に連なる内壁のリム部110aには、旋回水流の通り道となるリム通水路120が形成される。リム通水路120の外側面には側壁面126aが設けられ、リム通水路120の下面には側壁面126aの下側に棚状にせり出す棚部126bが設けられる。
図2は、便鉢部110にオーバーハング部118を重ね合わせて示しており、便器本体102の内壁面126とオーバーハング部118の関係を示す。また、便鉢部110の前後方向に延伸して、便鉢部110の外壁の左右方向範囲Lxを左右に二等分する直線を中心軸M1と表記する。
便鉢部110は、第1隔壁142及び第2隔壁144と、内壁面126と、を備える。
第1隔壁142と第2隔壁144とは、内壁面126の平面または斜面から上側に延在して水路を区画する。第1隔壁142は、側方吐水口122の左側を区画すると共に、便鉢部110の外周の少なくとも前端側半分を囲み、後方吐水口124の前方側を区画する。第2隔壁144は、側方吐水口122の右側を区画すると共に、凹部116の後方側を囲み、後方吐水口124の後側を区画する。なお、第1隔壁142と第2隔壁144とは一部につながった部分を有する。
内壁面126は、便鉢部110の前後方向に延伸する中心軸M1に対して左側方から右側方にかけて設けられる。内壁面126には、側方吐水口122、後方吐水口124、リム通水路120、後方リム通水路150、凹部116、汚物受け面130及び延伸棚部140を備える。
側方吐水口122は、水洗式便器100のリム部110aを前端側から見て左側のリム導水路120cに形成され、リム通水路120に連続するように前方に向けて開口している。側方吐水口122はリム通水路120に前向きの洗浄水を吐水する。吐水された洗浄水はリム通水路120に沿って周方向に旋回する。後方吐水口124は内壁面126の後方に設けられ、後方リム通水路150に左向きの洗浄水を吐水する。吐水された洗浄水は後方リム通水路150に沿って周方向に旋回する。凹部116は便鉢部110の汚物受け面130の下縁部から下方に設けられる。延伸棚部140は凹部116の後方に設けられる。
リム通水路120は第1隔壁142の内側に沿って設けられる。特に、リム通水路120は、側方吐水口122から第1隔壁142に沿って第1隔壁142の右端142bまで周方向に延在する。リム通水路120は、側方吐水口122から反時計周りに汚物受け面130と凹部116とを囲むように設けられる。
リム通水路120の上部は、オーバーハング部118によって覆われる(図1も参照)。リム通水路120の外側には第1隔壁142に形成される側壁面126aが設けられる。リム通水路120の下側には側壁面126aの下側にせり出す棚部126bが設けられる。つまり、リム通水路120は、オーバーハング部118の下面、側壁面126a及び棚部126bに囲まれた領域である。
後方リム通水路150は第2隔壁144の内側に沿って設けられる。特に、後方リム通水路150は、後方吐水口124から第2隔壁144に沿って第2隔壁144の左端144bまで周方向に延在する。第2隔壁144は、凹部116の後方に略左右方向に延在する部分と凹部116の左方を斜め前向きに延在する部分との接続部にコーナー部144cを有する。特に、コーナー部144cは、凹部116の左後方において後方側壁面126g(後述する)の曲率がその上流側及び下流側より大きい部分とその周辺をいう。後方リム通水路150は、後方吐水口124から反時計周りに汚物受け面130と凹部116とを囲むように設けられる。リム通水路120と後方リム通水路150には周方向に環状の洗浄水の旋回水流の流路が形成される。特に、後方リム通水路150とリム通水路120とは一部につながった部分を有する。
後方リム通水路150の上部は、オーバーハング部118によって覆われる(図1も参照)。後方リム通水路150の外側には第2隔壁144に形成される後方側壁面126gが設けられる。後方リム通水路150の下側には後方側壁面126gの下側にせり出す延伸棚部140が設けられる。つまり、後方リム通水路150は、オーバーハング部118の下面、後方側壁面126g及び延伸棚部140に囲まれた領域である。
凹部116は中心軸M1上の便鉢部110の前後方向中心のやや後方に位置する。凹部116は、上面視で略楕円形状の内筒面116aを有し、内筒面116aの途中に滞留水の溜水面が形成される。
内壁面126の凹部116の周囲の領域には汚物を受け止めるための汚物受け面130が設けられる。図3は、汚物受け面130の周辺の図2のB−B線に沿った側断面の模式図である。汚物受け面130には、リム通水路120から封水部116eに向かって汚物受け面130の後述する前方領域10nと、凹部116と、が連設される。凹部116には、前方領域10nより傾斜が急な前方立壁20と、前方立壁20より傾斜が緩やかな内側受面30と、が設けられる。特に、前方領域10nは、棚部126bの内側から凹部116に向かって延在する。前方立壁20は前方領域10nの下流側から下側に延在する。内側受面30は前方立壁20の下流側から封水部116eに向かって延在する。
汚物受け面130には、凹部116の両側方において左右方向に沿って凸面により形成される両側方領域10h、10mと、凹部116の前方において前後方向に沿って凹面により形成される前方領域10nと、を含む。前方領域10nの凹面には、前方側の傾斜大部40と、後方側に傾斜大部40より傾斜が小さい傾斜小部42と、が中心軸M1を跨ぐ略扇状に形成される(図2も参照)。棚部126bと傾斜大部40の境界には稜線部126kが形成される。傾斜大部40と傾斜小部42の境界には谷線部126jが形成される。傾斜大部40については後に詳述する。
理解を容易にするため、先に水流について説明する。
図4は便鉢部110の内壁面126における第1水流160の主な流れを示す模式図である。側方吐水口122から吐出される洗浄水は第1水流160を形成する。第1水流160は、リム通水路120に吐水され、リム通水路120を反時計回りに旋回する。第1水流160の一部は、リム通水路120を旋回する旋回水流162を形成する。
旋回水流162は、汚物受け面130から凹部116に入り大きく旋回しながら上面視で反時計回りの渦164に導かれる。渦164はその回りから汚物を巻き上げて封水部116eに誘導し、最終的にその汚物と共に排水路管部112から排出される。このようにして、旋回水流162は、便鉢部110の内壁面126を広く洗浄すると共に汚物の排出力を提供する。
第1水流160の一部は、旋回水流162から内側に分流し徐々に下向きに流れ落ちる落下水流166を形成する。落下水流166は棚部126bから前方領域10nを辿りながら凹部116に落下する。前方領域10nを流れ前方立壁20から凹部116に落下した落下水流166は凹部116に形成された渦を上下方向に縦旋回させる。また、落下水流166は、凹部116の封水部116eの内筒面116aに沿って下向きに流れ、渦164を下側の排水路管部112に誘導する。つまり、渦164は反時計回りに横旋回しながら縦旋回もする立体的な運動をする。図4では旋回水流162と落下水流166が交差するように描いているが、実際はこれらは合流して一体に運動する。
落下水流166は、便鉢部110の汚物受け面130を広く洗浄し、汚物受け面130に受け入れた汚物を凹部116に誘導し、最終的に封水部116eを通じて排水路管部112から排出する。また、落下水流166は、渦164の上側に浮き上がった汚物を下側の排水路管部112に押し込み排水路管部112から排出する。つまり、落下水流166は渦164中に浮遊する汚物を下側に押し込む押し込み力を生じる。
旋回水流162が多いと、渦164が過度に高く巻き上がることがある。渦164が過度に高く巻き上がと、渦の押し込み力が弱くなることがある。落下水流166は、前方領域10nから前方立壁20に沿って下向きに流れ込むことによって、縦旋回を生じ、渦164の巻き上げ高さを抑制する。したがって、落下水流166が減少すると、押し込み力が低下して旋回水流162が生成する渦164のコントロールが不十分になる懸念がある。つまり、渦164をコントロールするためには落下水流166の量を増やし、落下水流166が前方領域10nから前方立壁20の広い領域で前方から凹部116に落下することが望ましい。
次に、前方領域10nの傾斜大部40について説明する。図8(a)は比較例200の図3に対応する側断面の模式図である。比較例200は、前方領域210の形状が異なる他は水洗式便器100と同じである。前方領域210は、上流側の傾斜が小さく下流側に向かって傾斜が大きくなる凸面を有している。前方領域210の落下水流は前方領域10nの落下水流より少ないことが考えられる。
図8(b)は比較例300の図3に対応する側断面の模式図である。比較例300は、前方領域310の形状が異なる他は水洗式便器100と同じである。前方領域310は、上流側から下流側に亘って一定の傾斜の平坦な面を有している。前方領域310の落下水流は、前方領域210の落下水流より多く、前方領域10nの落下水流より少ないことが考えられる。
図8(c)は比較例400の図3に対応する側断面の模式図である。比較例400は、前方領域410と前方立壁420の形状が異なる他は水洗式便器100と同じである。前方領域410は前方領域310より急な傾斜の平坦な面を有している。前方領域410の落下水流は、前方領域310の落下水流より多く、前方領域10nの落下水流より少ないことが考えられる。
また、この場合、前方領域410の下端の位置が低くなるから、その分だけ前方立壁420の高さが低くなる。この場合、渦164の高さが一定であっても、渦164の上側が前方領域410に対して相対的に高くなり、渦164の内包物が前方領域410に飛散して残留する可能性が高くなる。
これに対して、本実施の形態の水洗式便器100では、前方領域10nは、上流側の傾斜大部40と下流側の傾斜小部42とを含み、前後方向に沿って凹面により形成されている。上流側の傾斜大部40の傾斜は下流側の傾斜小部42の傾斜より大きくされる。
前方領域10nの凹面によって第1水流160のうち落下水流166の割合を増やすと共に、前方立壁20の高さを高く維持することができる。つまり、前方領域10nを設けることにより洗浄水の旋回水流162と落下水流166のバランスをコントロールすることが可能になる。
前方領域10nの左右方向範囲が狭いと、落下水流166の押し込み力が十分に得られないことが考えられる。前方領域10nは、その左右方向範囲40dが凹部116の左右方向範囲116dを含むようにしてもよい(図2も参照)。特に、左右方向において前方領域10nの左端40bは凹部116の左端116bより左側に位置し、前方領域10nの右端40cは凹部116の右端116cより右側に位置している(図2も参照)。
特に、前方領域10nの左右方向範囲40dは封水部116eの左右方向範囲116eeの2倍以上であってもよい。本実施の形態の水洗式便器100では、前方領域10nの左右方向範囲40dは170mm〜200mmの範囲とし、封水部116eの左右方向範囲は80mm〜90mmの範囲としている。この構成によって、前方領域10nの範囲を一層広くして落下水流166の割合を増すことができる。
棚部126bの傾斜を前方領域10nの傾斜と同一にすることが考えられる。この場合、前方領域10nの傾斜を大きくすると、棚部126bの傾斜も大きくなる。棚部126bの傾斜が過大になると、第1水流160のうち落下水流166の割合が過大になることがある。これに対して本実施の形態の水洗式便器100では、棚部126bの傾斜は前方領域10nの傾斜より小さくされる。特に、前方領域10nと棚部126bの境界には稜線部126kが形成される。この結果、棚部126bの傾斜を調整することによって前方立壁20から落下する落下水流166の割合をコントロールすることができる。
棚部126bと前方領域10nとは一方の前後方向の幅を大きくすると他方の前後方向の幅が小さくなる関係にある。棚部126bの幅を小さくすることも考えられるが、この場合、第1水流160のうち落下水流166の割合が過度に大きくなることがある。これに対して本実施の形態の水洗式便器100では、棚部126bと前方領域10nの境界は、オーバーハング部118の内縁128より内側(図2において後側)に位置する。この結果、棚部126bの幅を調整することによって前方立壁20から落下する落下水流166の割合をコントロールすることができる。
図1に戻り、前方立壁20の形状を説明する。前方立壁20が高いと、汚物受け面130の前方領域10nも高くなるから、汚物の跳ね返りが増える懸念があり、また、使用者に対して圧迫感を与える恐れもある。これに対して、本実施の形態の水洗式便器100では、凹部116の前方立壁の内、最前端部20aの高さHfが後方立壁の高さHrの1/2以下に形成される。この構成により、前方立壁20が低いから、汚物受け面130の前方領域10nも低く深くすることができます。また、渦164の縦旋回が汚物受け面130に飛散しやすくなるから、前方からの渦164の抑えがより効果的になります。
次に、図3、図5から図7及び図9を参照して延伸棚部140について説明する。
延伸棚部140は、凹部116の内筒面116aの後方立壁116aaの上側から後方に延在する(図3を参照)。延伸棚部140の後縁から上側に後方側壁面126gが延在する。延伸棚部140の後部の上部は、オーバーハング部118によって覆われる。延伸棚部140の後部と後方側壁面126gとには後方リム通水路150が左右方向に延在する。延伸棚部140の右側には後方吐水口124が設けられる。
図5は便鉢部110の内壁面126における第2水流170の主な流れを示す模式図である。後方吐水口124は延伸棚部140の後部において左向きの第2水流170を吐水する。延伸棚部140に吐水された第2水流170は、後方リム通水路150を旋回する旋回水流172を形成する。
旋回水流172は後方リム通水路150を反時計回りに旋回する。旋回水流172の一部はコーナー部144cに衝突して徐々に減速して内側に分流して分流174を形成する。分流174の多くは内筒面116aの左方側の左方立壁116abを伝って、凹部116に流れ落ちる落下水流176を形成する(図5を参照)。
旋回水流172は、旋回しながら旋回水流162と合流して渦164を形成する。凹部116に落下した落下水流176は、落下水流166と同様に、渦164に縦旋回を生じさせ、渦164の高さを抑制し、渦164の上側に浮き上がった汚物を下側の排水路管部112に押し込み排水路管部112から排出する。つまり、左方立壁116abから凹部116に流れ落ちる落下水流176を調整することによって渦164をコントロールすることができる。
図9は、図5に対応する比較例500の水流を説明する模式図である。比較例500は、水洗式便器100に対して、後方側壁面126gをより前側に配置しており、延伸棚部140の前後方向の幅が小さい。つまり、比較例500は、凹部116の後方立壁116aaとの前後方向の距離が短く、他の構成は水洗式便器100と同様である。
比較例500では、前後方向において、第2隔壁144の左上のコーナー部144cが凹部116に近いから、旋回水流172がコーナー部144cに衝突した後に生じる分流174の多くは凹部116の左横を通り過ぎて前側に至り、左方立壁116abから凹部116に流れ落ちる落下水流176の割合は少なくなる。この結果、左方立壁116abから凹部116に落下する落下水流176が不足して、旋回水流162及び旋回水流172が生成する渦164の縦旋回が弱くなり、渦164のコントロールが不十分になる懸念がある。
これに対して、本実施の形態の水洗式便器100は、後方側壁面126gをより後方に配置して、延伸棚部140の前後方向の幅を大きくすることによって、渦164のコントロールの余地を大きくしている。
図6は便鉢部110の延伸棚部140の周辺の上面図である。図7は便鉢部110の延伸棚部140の周辺の側断面の模式図である。本実施の形態の水洗式便器100では、中心軸M1に沿った距離において、凹部116の後方立壁116aaから後方吐水口124の前側の端部124bまでの距離X2は、後方吐水口124の前側の端部124bから後方側壁面126gまでの距離X1より大きい。距離X2が距離X1より小さい場合に比べて延伸棚部140の前後方向の幅を大きくできる。この結果、左方立壁116abから凹部116に落下する落下水流176の割合を増やし、渦164のコントロールが容易になる。
特に、距離X2は距離X1の3倍以上にしてもよい。水洗式便器100では、一例として、距離X2は50mm〜90mmの範囲とし、距離X1は10mm〜30mmの範囲としている。渦164のコントロールが一層容易になる。なお、距離X2が過度に大きいと落下水流176のコントロールが困難になる懸念がある。距離X2が距離X1の10倍以下の範囲では、落下水流176はコントロール可能であった。
本実施の形態の水洗式便器100の特徴を説明する。
渦164が巻き上げた汚物の飛散を抑制するために前方立壁20を高くすることが考えられる。この場合、前方領域10nの部分で便鉢部110が浅くなるから、汚物の跳ね返りが増える懸念があり、また、使用者に対して圧迫感を与える恐れもある。これに対して、本実施の形態の水洗式便器100は、前方領域10nに傾斜大部40を含むことによって、落下水流166を増やし渦164の高さを抑制するから、前方立壁20の高さを抑制することができる。
また、水洗式便器100は、前方領域10nの左右方向範囲が凹部116の左右方向範囲を含むから、前方領域10nの範囲を広くして落下水流166を一層増やすことができる。
また、水洗式便器100は、前方領域10nがオーバーハング部118の内縁より内側に位置するから、棚部126bの幅を大きくして過度な落下水流166の増加を抑制できる。
また、水洗式便器100は、前方領域10nの前側の傾斜が棚部126bの傾斜より大きいから、棚部126bの傾斜を小さくして落下水流166を減らすことと、前方領域10nの傾斜を大きくして落下水流166を増やすことと、の両方の調整が可能になる。このため、旋回水流162と落下水流166とのバランスをコントロールすることが容易になる。
また、水洗式便器100は、後方側の後方立壁116aaから後方吐水口124の前側の端部124bまでの距離X2は、後方吐水口124の端部124bから後方側壁面126gまでの距離X1より大きいから、旋回水流172の旋回長さを長くして落下水流176の割合を調整できる。
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
本発明の実施の形態では、前方領域の傾斜が傾斜大部と傾斜小部の境界で変化する例について説明したが、これに限られない。前方領域は傾斜大部から傾斜小部に亘って徐々に傾斜が変化する形状にされてもよい。一例として、前方領域は傾斜大部から傾斜小部にかけて曲面状に形成されてもよい。
本発明の実施の形態では、吐水口が便鉢部の左方に設けられ反時計回りの旋回水流を生成する例について説明したが、これに限られない。例えば右方に設けられて時計回りの水流を生成してもよい。
10 外側受面、 10d 左右方向範囲、 20 前方立壁、
20a 最前端部、 30 内側受面、 40 傾斜大部、
40d 左右方向範囲、 42 傾斜小部、 100 水洗式便器、
102 便器本体、 110 便鉢部、 110a リム部、
112 排水路管部、 114 周壁部、 116 凹部、
116a 内筒面、 116aa 後方立壁、 116b 左端、
116c 右端、 116d 左右方向範囲、 116e 封水部、
118 オーバーハング部、 120 リム通水路、
120c リム導水路、 122 側方吐水口、 124 後方吐水口、
124b 端部、 126 内壁面、 126a 側壁面、
126b 棚部、 126g 後方側壁面、 126j 谷線部、
126k 稜線部、 130 汚物受け面、 140 延伸棚部、
142 第1隔壁、 142b 右端、 144 第2隔壁、
144b 左端、 144c コーナー部、 150 後方リム通水路、
160 第1水流、 162 旋回水流、 164 渦、
166 落下水流、 170 第2水流、 172 旋回水流、
176 落下水流、 M1 中心軸。

Claims (6)

  1. 便鉢部と、
    前記便鉢部の内壁面に設けられるリム通水路と、
    前記内壁面の側方に設けられ、前記リム通水路に周方向に旋回する洗浄水を吐水するための吐水口と、
    前記内壁面の下方に窪んで形成される凹部と、
    前記凹部と前記リム通水路の間に形成される汚物受け面と、
    を備え、
    前記汚物受け面は、前記凹部の両側方において左右方向に沿って凸面により形成される両側方領域と、前記凹部の前方において前後方向に沿って凹面により形成される前方領域と、を含み、
    前記前方領域は、その左右方向範囲が前記凹部の左右方向範囲を含むことを特徴とする水洗式便器。
  2. 前記凹部の前方立壁の内、最前端部の高さが後方立壁の高さの1/2以下であることを特徴とする請求項1に記載の水洗式便器。
  3. 前記便鉢部の上端には、内側にせり出すことにより、前記リム通水路を覆うオーバーハング部が形成され、
    前記前方領域は、前記オーバーハング部の内縁より内側に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の水洗式便器。
  4. 前記リム通水路は、前記前方領域の外縁から棚状に延在する棚部と、前記棚部の外端から上側に延在する側壁面とを含んで区画され、
    前記前方領域の前側の傾斜は前記棚部の傾斜より大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水洗式便器。
  5. 前記凹部の内筒面の後方側の立壁の上側から後方に延在する延伸棚部と、
    前記延伸棚部の後縁から上側に延在する後方側壁面と、
    前記延伸棚部と前記後方側壁面とに左右方向に延在する後方リム通水路と、
    前記延伸棚部に向かって別の洗浄水を吐水する後方吐水口と、
    をさらに備え、
    中心軸に沿った距離において、前記後方側の立壁から前記後方吐水口の前側の端部までの距離は、前記後方吐水口の前記端部から前記後方側壁面までの距離より大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の水洗式便器。
  6. 前記後方側の立壁から前記後方吐水口の前側の端部までの距離は、前記後方吐水口の前記端部から前記後方側壁面までの距離の3倍以上であることを特徴とする請求項5に記載の水洗式便器。
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