JP2017043443A - 乗客コンベアの移動手摺の製造方法及び乗客コンベアの移動手摺 - Google Patents

乗客コンベアの移動手摺の製造方法及び乗客コンベアの移動手摺 Download PDF

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佑介 中西
Yusuke Nakanishi
佑介 中西
斉藤 浩二
Koji Saito
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Abstract

【課題】成形時間を短縮すると共に、耳部垂れを抑制しながら肉厚成形された乗客コンベアの移動手摺を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の乗客コンベアの移動手摺の製造方法は、押出成形ダイス1に基材である帆布12及び抗張体13を供給する基材供給工程と、押出成形ダイス1に供給された熱可塑性樹脂を基材に塗布し、熱可塑性樹脂の断面形状がC字型形状である複合押出成形物を成形する手摺押出成形工程と、手摺押出成形工程を経た複合押出成形物を、寸法矯正をしながら強制冷却して固化する冷却固化工程と、を含む。手摺押出成形工程において、押出成形ダイス1から放出された複合押出成形物の耳部(移動手摺耳部4d)を、その下側端部が湾曲しないように調整することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、エスカレータや動く歩道など乗客コンベアの移動手摺に関するものである。
エスカレータや動く歩道などの乗客コンベア用の移動手摺は、一般的にその断面形状が利用者にとって掴みやすいC字型である。この移動手摺は、動力を伝えるローラと接する布部の外面に熱可塑性樹脂が押出成形され、熱可塑性樹脂内部に動作時に発生する張力による破断を抑制する抗張体を内包する構造である。利用者がこの移動手摺を握った際や、動力を伝えるローラに巻き取られた際に、移動手摺が変形によりC字型の開口部が拡がり過ぎない程度に、移動手摺の剛性を確保する必要があり、移動手摺は外形寸法が同程度の一般的な熱可塑性樹脂押出成形品よりも厚肉に成形される。また、移動手摺は外観上の美しさが要求されることが多く、移動手摺の熱可塑性樹脂表面の意匠性も必要であり、移動手摺の表面が平滑である必要がある。また、移動手摺の経済性を確保するために、移動手摺の製造コスト、製造設備のランニングコストの削減が必要である。すなわち、移動手摺は、製造の容易性、製造時間短縮が必要である。
特許文献1には、断面形状がC字型で厚肉に成形された熱可塑性ハンドレール(移動手摺)を製造する方法及び装置が記載されている。特許文献1の移動手摺の製造方法は、織物スライダ(布部)、ケーブル、熱可塑性エラストマをダイ組立体から押出して、平板状の複合押出物を成形し、その後、細長のマンドレル上を通過させて漸次C字型に成形する。このマンドレルは、内部で延伸方向(移動手摺移動方向)に設けられた穴に連通する複数のスロットが、表面で延伸方向に垂直に設けられており、内部に設けられた穴から真空引きすることにより、複合押出物を密着させて漸次C字型に成形する。特許文献1の移動手摺の製造方法は、最終的にC字型下部(以下、耳部)となる複合押出物の端部をマンドレルにより支えながら変形しており、成形時の耳部の自重による垂れを抑制し、厚肉成形品を成形している。
特表2010−538932号公報(0046段〜0051段、0059段〜0066段、図1、図10)
特許文献1に記載のような、従来の乗客コンベアの移動手摺の製造方法は、平板状の複合押出物からC字型に漸次成形するので、製造ラインが長大になるため大きな設備が必要となり、製造ラインが長大になるのにともない移動手摺の成形時間も長くなってしまうといった問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、成形時間を短縮すると共に、耳部垂れを抑制しながら肉厚成形された乗客コンベアの移動手摺を提供することを目的とする。
本発明の乗客コンベアの移動手摺の製造方法は、押出成形ダイスに基材である帆布及び抗張体を供給する基材供給工程と、押出成形ダイスに供給された熱可塑性樹脂を基材に塗布し、熱可塑性樹脂の断面形状がC字型形状である複合押出成形物を成形する手摺押出成形工程と、手摺押出成形工程を経た複合押出成形物を、寸法矯正をしながら強制冷却して固化する冷却固化工程と、を含むことを特徴とする。本発明の乗客コンベアの移動手摺の製造方法は、手摺押出成形工程において、押出成形ダイスから放出された複合押出成形物の耳部を、その下側端部が湾曲しないように調整することを特徴とする。
本発明の乗客コンベアの移動手摺の製造方法は、手摺押出成形工程において、押出成形ダイスから放出された複合押出成形物の耳部を、その下側端部が湾曲しないように調整するので、移動手摺の成形時間を短縮すると共に耳部垂れを抑制しながら肉厚な移動手摺を成形することができる。
本発明の実施の形態1による移動手摺製造装置の概略図である。 本発明の実施の形態1による移動手摺の断面図である。 本発明の実施の形態1による押出成形ダイスの概略図である。 図1の押出成形ダイスの出口から冷却サイジング装置を示す図である。 図1の耳部局所冷却器による冷却方式を説明する図である。 比較例の移動手摺製造装置における押出成形ダイスの出口から冷却サイジング装置を示す図である。 比較例の移動手摺の断面図である。 本発明の実施の形態2による移動手摺製造装置の概略図である。 図8の押出成形ダイス及びサイジングローラを示す図である。 図8の移動手摺の断面とサイジングローラを示す図である。 比較例のサイジングローラの断面図である。 本発明の実施の形態3による移動手摺製造装置の概略図である。 図12の押出成形ダイス及び耳部調整装置を示す図である。 本発明の実施の形態4による第1の移動手摺製造装置の要部を示す概略図である。 本発明の実施の形態4による第2の移動手摺製造装置の要部を示す概略図である。 本発明の実施の形態4による1段目の押出成形ダイスの概略図である。 図16の押出成形ダイスの上面図である。 本発明の実施の形態4による2段目の押出成形ダイスの概略図である。 図18の押出成形ダイスの上面図である。 本発明の実施の形態4による移動手摺の断面図である。 本発明の実施の形態4による第3の移動手摺製造装置の要部を示す概略図である。 本発明の実施の形態4による第4の移動手摺製造装置の要部を示す概略図である。 本発明の実施の形態5による移動手摺製造装置の概略図である。 本発明の実施の形態5による移動手摺の断面図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による移動手摺製造装置の概略図であり、図2は本発明の実施の形態1による移動手摺の断面図である。図3は本発明の実施の形態1による押出成形ダイスの概略図である。図4は図1の押出成形ダイスの出口から冷却サイジング装置を示す図であり、図5は図1の耳部局所冷却器による冷却方式を説明する図である。本実施の形態1の移動手摺製造装置20は、押出機10と、押出成形ダイス1と、冷却サイジング装置2と、引取装置3と、耳部調整装置15とを備える。押出機10は、熱可塑性樹脂を押出成形ダイス1に供給する。押出成形ダイス1は、押出機10から供給される熱可塑性樹脂を、移動手摺4の移動手摺布部4aとなる帆布12及び移動手摺抗張体4cとなる抗張体13に塗布し、図2のように熱可塑性樹脂を断面形状がC字型形状に成形する。なお、押出成形ダイス1は、適宜、単にダイス1とも称する。
冷却サイジング装置2は、押出成形ダイス1で成形された移動手摺4を冷却する水槽や、寸法を矯正するための矯正治具を備え、移動手摺4の冷却及び寸法矯正を行う。耳部調整装置15は、押出成形ダイス1と冷却サイジング装置2の間に設置され、移動手摺4の移動手摺耳部4dが、垂れた形状にならないように、すなわち所定の形状を維持するように耳部を調整する。耳部調整装置15は、例えば、移動手摺4の移動手摺耳部4dの下側端部が湾曲しないように、或いは下側端部が平面を維持するように調整する。引取装置3は、移動手摺4を引き、引取装置3より下流側に配置された巻取り装置へ移動手摺4を送る。移動手摺4は、引取装置3から加わる引取力により、移動手摺製造装置20を一軸方向に移動し、引取装置3より下流側の巻取り装置にて巻き取られ保管される。
移動手摺4は、移動手摺耳部4dを形成するように短手方向の端部が折り返されたC字型形状の断面形状を有しており、熱可塑性樹脂が図2の破線14よりも上側の移動手摺把持部4bと図2の破線14よりも下側の移動手摺耳部4dに成形される。図2の破線14は、移動手摺4の短手方向における開口側両端部の内側面を通過する線(両端部線)である。移動手摺4の短手方向は、移動手摺4の移動方向と垂直な方向である。移動手摺4は、乗客コンベアに組み付けられて駆動される際、動力を伝える1対の駆動ローラの一方を移動手摺4の内部空洞に銜え込み、移動手摺把持部4bの上部が1対の駆動ローラの他の一方に押し当てられる。1対の駆動ローラは、移動手摺4の内部(内面)及び移動手摺把持部4bの上部(表面)との摩擦によって駆動力を移動手摺4に伝達する。移動手摺布部4aは、駆動ローラとの摺動摩耗に耐え、駆動のための摩擦力を確保できるポリエステルなどの材質を織り込んだ布の帆布12をダイス1により変形したものであり、移動手摺4の内面に沿って配置されるように成形される。さらに、移動手摺布部4aは、駆動ローラに巻き取られた際の局所的な屈曲を防止するため、破線円21に示すように移動手摺耳部4dの肉厚中間あたりで折り返された形状に成形される。移動手摺把持部4bは、ポリウレタンエラストマーなどの、熱可塑性と耐摩耗性を備えた材質であり、利用者が握った際や、動力を伝える駆動ローラに巻き取られた際に変形してC字型の開口部が拡がり過ぎない程度の剛性を確保できる肉厚を有する。移動手摺抗張体4cは、例えば金属製のワイヤであり、必要に応じて、めっき、接着剤塗布といった表面処理を施す。また、移動手摺抗張体4cは、金属製のワイヤに限らず、薄板形状でもよい。
押出成形ダイス1の構造を、図1、図3を用いて説明する。押出成形ダイス1は、炭素鋼や工具鋼など、長期使用に耐える硬度と、良熱伝導性を確保できる材質であり、ダイス本体1fとダイス中子1cと組み合わせた構造物である。ダイス本体1fにダイス中子1cを組み付けることで、移動手摺4が通過する方向に移動手摺4に相似するC字型形状の空隙が形成される。図3では、移動手摺4に相似するC字型形状の空隙の終端であるダイス出口1bが示されている。ダイス出口1bの形状は、設計された移動手摺4の断面形状から、製造中における熱可塑性樹脂の形成収縮を加味してその形成収縮分だけ大きくした形状である。ダイス中子1cには、めっき処理などの表面処理が施され、押出成形の際に摺動する移動手摺布部4aとの摺動抵抗を低減させる。また、押出成形ダイス1のダイス本体1fには、押出機10から供給される溶融樹脂(溶融した熱可塑性樹脂)が注入されるダイス入口1a、押出機10から供給される溶融樹脂を適切な温度条件で管理するためのダイス加熱部1d、ダイス温度測定部1eが設けられている。ダイス加熱部1dにはヒーターが挿入され、ダイス温度測定部1eには熱電対等の温度測定器が挿入される。図3では、4つのダイス加熱部1dと、1つのダイス温度測定部1eが設けられた例を示した。
一般的に、移動手摺製造装置では、押出成形ダイス1の内部を流動する熱可塑性樹脂には押出機10から圧力が加わる。例えば押出成形ダイス1が長大になるとこにより、押出成形ダイス1の内部で溶融樹脂が固化すると、押出成形ダイス1内の溶融樹脂圧力損失が増大し、押出機10の吐出能力を超えてしまう。これを防ぐため、押出成形ダイス1は製品形状、押出機10の能力に適合する長さに設定し、かつ溶融樹脂が固化する前に押出成形ダイス1から開放させる必要がある。実施の形態1の押出成形ダイス1は、製品形状、押出機10の能力に適合する長さに設定し、かつ溶融樹脂が固化する前に押出成形ダイス1から開放させるように設定している。
押出成形ダイス1と冷却サイジング装置2の間には移動手摺4が大気開放される開放空間領域5が設けられる。図4に示すように、耳部調整装置15は、開放空間領域5を通過する移動手摺4の移動手摺耳部4dを調整する位置に配置される。耳部調整装置15は、例えば、冷却流体17を放出する耳部局所冷却器6である。耳部局所冷却器6である耳部調整装置15は、開放空間領域5を通過する移動手摺4の移動手摺耳部4dに冷却流体17の噴流を衝突させる位置に配置される。冷却流体17は、例えば、20℃以下の十分低温の空気、ミストである。押出成形ダイス1から放出され、開放空間領域5を通過する移動手摺4の移動手摺耳部4dは、耳部局所冷却器6により十分低温の冷却流体17が吹き付けされることで、冷却サイジング装置2に到達する前に自重による垂れが発生しない程度の粘度まで冷却される。押出成形ダイス1から放出された移動手摺4は、冷却サイジング装置2に到達するまでは、自重と引取装置による引張力以外の力が付加されない状態になるが、移動手摺耳部4dは、耳部局所冷却器6により局所的に冷却されるので、自重による垂れが発生せず、形状品質が良好である。
図6は比較例の移動手摺製造装置における押出成形ダイスの出口から冷却サイジング装置を示す図であり、図7は比較例の移動手摺の断面図である。比較例の移動手摺製造装置で製造される移動手摺44は、自然放熱しながら開放空間領域5を通過して冷却サイジング装置2に至るので、押出成形ダイス1から放出された押出成形物は、冷却サイジング装置2に到達するまで自重による重大な影響を受ける。図7に示すように、一般的な押出製造方式では、厚肉成形品である移動手摺44は、開放空間領域5を通過する間に移動手摺耳部44dにおいて特に顕著に自重による垂れ(耳部樹脂垂れ44e)が発生し、形状品質が悪化する。移動手摺44は、破線14よりも上側の移動手摺把持部44bと破線14よりも下側の移動手摺耳部44dを備え、内部空洞に移動手摺布部44aを有し、移動手摺把持部44bの内部に複数の移動手摺抗張体44cを有する。図7の破線23は、図2の移動手摺4における移動手摺耳部4dの外周を示す線である。
実施の形態1の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法を説明する。まず、押出成形ダイス1に基材である帆布12及び抗張体13を供給する(基材供給工程)。押出成形ダイス1に供給された熱可塑性樹脂を基材に塗布し、熱可塑性樹脂の断面形状がC字型形状に成形された複合押出成形物(開放空間領域5の移動手摺4)を成形する(複合押出成形工程)。押出成形ダイス1から放出された複合押出成形物(開放空間領域5の移動手摺4)の耳部(移動手摺耳部4d)を、耳部調整装置15により所定の形状を維持するように耳部(移動手摺耳部4d)を調整する(耳部調整工程)。耳部調整工程において、耳部調整装置15である耳部局所冷却器6は、複合押出成形物(開放空間領域5の移動手摺4)の耳部(移動手摺耳部4d)に冷却流体17を放出し、耳部(移動手摺耳部4d)を局所的に冷却する。複合押出成形工程、耳部調整工程は、手摺押出成形工程である。耳部調整工程、すなわち手摺押出成形工程を経た複合押出成形物(開放空間領域5の移動手摺4)を、寸法矯正をしながら強制冷却して固化する(冷却固化工程)。冷却固化工程を経た複合押出成形物(開放空間領域5の移動手摺4)を引取装置3により引き、引取装置3より下流側に配置された巻取り装置に複合押出成形物が巻き取られる(巻取り工程)。
実施の形態1の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、乗客コンベアの移動手摺断面形状、すなわち設計された移動手摺4の断面形状に成形収縮を加味したダイス出口1bを有する押出成形ダイス1により、1回の押出成形で最終製品の肉厚まで成形し、耳部調整装置15により押出成形ダイス1から出た直後に移動手摺耳部4dを自重による垂れが発生しない程度の粘度まで冷却固化する。実施の形態1の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、耳部調整装置15により移動手摺耳部4dを自重による垂れが発生しない程度の粘度になるように強制冷却するので、厚肉に押出成形する場合でも押出成形ダイス1から冷却サイジング装置2までの開放空間領域5において、移動手摺4の移動手摺耳部4dの垂れを抑制でき、冷却サイジング装置2を通過した移動手摺4における表面性状、表面形状などの意匠性を確保することができる。
本実施の形態1の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、押出成形ダイス1から冷却サイジング装置2までの開放空間領域5を特許文献1のマンドレルの長さよりも短くできるので、装置全体を大形化することなく、移動手摺4を耳垂れが抑制された形状でかつ厚肉に成形できる。実施の形態1の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、特許文献1の乗客コンベアの移動手摺の製造方法と異なり、装置全体が大形化することがないので、移動手摺4の成形時間を短縮することができ、設備コストを抑制することができる。また、実施の形態1の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、移動手摺4の成形時間を短縮することができるので、移動手摺4の製造コストを抑制でき、移動手摺4の製造ランニングコストを抑制できる。
実施の形態1の移動手摺製造装置20は、帆布12の外面に熱可塑性樹脂を押し出す押出機10と、移動手摺4の断面形状に成形収縮を加味した出口形状のダイス出口1bを有する押出成形ダイス1と、押出成形ダイス1から出た移動手摺4を冷却及び賦形するための冷却サイジング装置2と、押出成形ダイス1と冷却サイジング装置2との間に設置された耳部調整装置15とを備える。耳部調整装置15は、移動手摺4の移動手摺耳部4dに空気の噴流や霧状の水等の冷却流体17を放出し、移動手摺耳部4dを局所的に冷却する。実施の形態1の移動手摺製造装置20は、押出成形ダイス1と冷却サイジング装置2との間に、移動手摺4の移動手摺耳部4dに冷却流体17を放出して移動手摺耳部4dを局所的に冷却する耳部調整装置15を備えるので、装置全体を大形化することなく、移動手摺4を耳垂れが抑制され形状でかつ厚肉に成形できる。
なお、本実施の形態1の移動手摺製造装置20は、熱可塑性樹脂等の使用材料に応じて、複数回の押出成形をしてもよい。たとえば、1回目の押出成形では外観意匠性が悪くなるが安価なリサイクル材料の熱可塑性樹脂を使用したり、また、この材料を発泡させたり、この材料に添加物を加えた材料を使用する。そして、2回目の押出成形で移動手摺把持部4bの表層のみを意匠性が確保できる材料の熱可塑性樹脂で成形する。このようにすることで、製造工程が長くなり、多少製造コストが増大しても、熱可塑性樹脂の材料コストと、リサイクルにより使用済の移動手摺の廃却コストを削減できる。
以上のように、実施の形態1の移動手摺4の製造方法は、押出成形ダイス1に基材である帆布12及び抗張体13を供給する基材供給工程と、押出成形ダイス1に供給された熱可塑性樹脂を基材に塗布し、熱可塑性樹脂の断面形状がC字型形状である複合押出成形物を成形する手摺押出成形工程と、手摺押出成形工程を経た複合押出成形物を、寸法矯正をしながら強制冷却して固化する冷却固化工程と、を含むことを特徴とする。実施の形態1の移動手摺4の製造方法は、手摺押出成形工程において、押出成形ダイス1から放出された複合押出成形物の耳部(移動手摺耳部4d)を、その下側端部が湾曲しないように調整することを特徴とする。実施の形態1の移動手摺4の製造方法は、手摺押出成形工程にお
いて、押出成形ダイス1から放出された複合押出成形物の耳部(移動手摺耳部4d)を、その下側端部が湾曲しないように調整するので、移動手摺4の成形時間を短縮すると共に耳部垂れを抑制しながら肉厚な移動手摺4を成形することができる。
実施の形態2.
図8は本発明の実施の形態2による移動手摺製造装置の概略図である。図9は図8の押出成形ダイス及びサイジングローラを示す図であり、図10は図8の移動手摺の断面とサイジングローラを示す図である。実施の形態2の移動手摺製造装置20は、耳部調整装置15がサイジングローラ7である点で、実施の形態1の移動手摺製造装置20と異なる。実施の形態2の移動手摺製造装置20は、実施の形態1と同様の効果を奏する。
耳部調整装置15であるサイジングローラ7は、開放空間領域5に設置する。サイジングローラ7は、移動手摺把持部4b及び移動手摺耳部4dを形成する熱可塑性樹脂との接着力が低く、耐熱性、耐久性を有するアルミやフッ素樹脂で形成された円筒型のローラである。図9、図10に示したサイジングローラ7の設置位置は、押出成形ダイス1のダイス出口1bの下部を結んだ線に平行で、かつ移動手摺4における両側の移動手摺耳部4dの下部に接触する位置であり、押出成形進行方向に直角となる位置である。
サイジングローラ7は円筒形であるため、ローラ接触部において、ローラ回転速度と製品移動速度に差が生じない。一方、サイジングローラ7を、比較例である図11のような移動手摺4の下部の曲面に沿った下部調整窪み8aを有する曲面サイジングローラ8にすると、深さの異なる接触面によりローラ回転速度に分布が生じ、製品移動速度と一致しない接触面で移動手摺把持部の表面性状が悪化する。図11は比較例のサイジングローラの断面図である。図11では、シャフト19が曲面サイジングローラ8の中心に取り付けられ、下部調整窪み8aに移動手摺45が接触している状態を示した。
実施の形態2の移動手摺製造装置20では、ダイス1から開放された移動手摺4が開放空間領域5に到達し、自重により垂れた移動手摺耳部4dは、サイジングローラ7に接することで、移動手摺耳部4dの下側端部が平面を維持するように調整され、重力方向の垂れが抑制される。サイジングローラ7は、モータ等による回転制御を行わず、軸方向回転自由に設置することで、移動手摺4の移動速度に同期して回転し、移動手摺4との接触を線接触にできるため、実施の形態2の移動手摺製造装置20は移動手摺4の形状品質を確保できる。なお、サイジングローラ7の設置数は左右1対に限定せず、移動手摺4の形状に合わせて複数設置してもよい。
本実施の形態2の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、実施の形態1と同様に、移動手摺4の成形時間を短縮することができるので、移動手摺4の製造コストを抑制でき、移動手摺4の製造ランニングコストを抑制できる。また、実施の形態2の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、サイジングローラ7が移動手摺4の移動に伴う摩擦力で回転するので、電気や空気圧などの動力を追加せずに、移動手摺4の垂れを抑制できるため、実施の形態1よりも設備コスト、ランニングコストを削減できる。
実施の形態3.
図12は本発明の実施の形態3による移動手摺製造装置の概略図であり、図13は図12の押出成形ダイス及び耳部調整装置を示す図である。実施の形態3の移動手摺製造装置20は、耳部調整装置15がサイジングローラ7に冷媒を供給する冷媒供給管16(冷媒供給器)を備える点で、実施の形態2の移動手摺製造装置20と異なる。冷媒は、例えば低温の水等である。実施の形態3の耳部調整装置15は、サイジングローラ7の表面に低温の水等の冷媒を供給する。実施の形態3の耳部調整装置15は、移動手摺耳部4dの下側端部を冷却されたサイジングローラ7により冷却すると共に、移動手摺耳部4dの下側端部を平面に調整する。実施の形態3のサイジングローラ7は、冷媒供給管16から供給された冷媒によりサイジングローラ7の表面温度が低下するので、実施の形態2に比べて移動手摺4とサイジングローラ7の接触面の摩擦力が低減する。したがって、実施の形態3の移動手摺製造装置20は、移動手摺4とサイジングローラ7の接触面の摩擦力が低減するため、移動手摺4の表面粗さ(表面凹凸)が低減し、外観意匠性が向上し、さらに移動手摺4を冷却できるため移動手摺4の寸法が安定するので、移動手摺4の製品歩留まりを向上させることができる。
本実施の形態3の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、押出成形ダイス1から冷却サイジング装置2までの領域を特許文献1のマンドレルの長さよりも短くでき、実施の形態1及び2と同様に移動手摺4の成形時間を短縮することができるので、移動手摺4の製造コストを抑制でき、移動手摺4の製造ランニングコストを抑制できる。また、実施の形態3の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、実施の形態2に比べて移動手摺4とサイジングローラ7の接触面の摩擦力が低減するため、移動手摺4の外観意匠性を向上することができる。さらに、実施の形態3の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、移動手摺4の冷却ができるため移動手摺4の寸法が安定し、移動手摺4の製品歩留まりを実施の形態2よりも向上させることができる。実施の形態3の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、実施の形態2よりも移動手摺4とサイジングローラ7との接触面の摩擦力が低減するため、サイジングローラ7の耐久性も向上し、サイジングローラ7のメンテナンス及び交換に伴う製造ランニングコストも削減できる。
実施の形態4.
図14は本発明の実施の形態4による第1の移動手摺製造装置の要部を示す概略図であり、図15は本発明の実施の形態4による第2の移動手摺製造装置の要部を示す概略図である。実施の形態4の移動手摺製造装置20は、1段目の押出成形ダイス1と、2段目の押出成形ダイス11を備え、2回の押出成形により移動手摺4を成形する。押出成形ダイス1を出た移動手摺4は、耳部調整装置15による移動手摺耳部4dの冷却の後、押出成形ダイス11にて再び熱可塑性樹脂が塗布される。押出成形ダイス11から開放された移動手摺4は、押出成形ダイス1から押出成形ダイス11までの長さよりも短い長さで、即座に冷却サイジング装置2へ送られる。図14は耳部調整装置15が耳部局所冷却器6を備える例であり、図15は耳部調整装置15がサイジングローラ7を備える例である。図15に示した実施の形態4による第2の移動手摺製造装置20は、耳部調整装置15が冷媒供給管16を備えていてもよい。
実施の形態4の移動手摺製造装置20は、2つの押出成形ダイス1、11を備え、2段階の押出成形により移動手摺4を成形する。2段階の押出成形による各段階の断面形状は、多様な形状が考えられる。例えば、1段目(1回目)の押出成形では最終形状の移動手摺4における移動手摺把持部4bの表層がない状態で成形(変形C字型形状に成形)し、2段目(2回目)の押出成形では移動手摺把持部4bの表層を成形して、断面形状が最終的なC字型形状になるように成形する。このように2段階押出成形する例で、実施の形態4の移動手摺製造装置20及びこれを用いた移動手摺の製造方法を説明する。図16は本発明の実施の形態4による1段目の押出成形ダイスの概略図であり、図17は図16の押出成形ダイスの上面図である。図18は本発明の実施の形態4による2段目の押出成形ダイスの概略図であり、図19は図18の押出成形ダイスの上面図である。図20は、本発明の実施の形態4による移動手摺の断面図である。図16に示す1段目の押出成形ダイス1のダイス出口1b(第1ダイス出口)は、図18に示す2段目の押出成形ダイス11のダイス出口11b(第2ダイス出口)よりも小さな開口面積になっている。このような2つの押出成形ダイス1、11を用いることで、実施の形態1と同様の断面形状の移動手摺
4を成形することができる。
押出成形ダイス1、11は、炭素鋼や工具鋼など、長期使用に耐える硬度と、良熱伝導性を確保できる材質である。押出成形ダイス1は、ダイス本体1fとダイス中子1cと組み合わせた構造物である。ダイス本体1fにダイス中子1cを組み付けることで、移動手摺4が通過する方向に出口外周25を有する空隙が形成される。押出成形ダイス11は、ダイス本体11fにダイス中子11cを組み付けることで、移動手摺4が通過する方向に移動手摺4形状の空隙が形成される。図18では、移動手摺4形状の空隙の終端であるダイス出口11bが示されている。ダイス出口11bの形状は、設計された移動手摺4の断面形状から、製造中における熱可塑性樹脂の形成収縮を加味してその形成収縮分だけ大きくした形状である。
図16に示した破線24は、押出成形ダイス11のダイス出口11bの形状を示している。図16の出口外周25における上側の台形形状と破線24で囲まれた部分は、押出成形ダイス1のダイス出口1bと押出成形ダイス11のダイス出口11bとの差分である。実施の形態4の押出成形ダイス1は、ダイス出口1bの形状以外は実施の形態1と同じであり、説明は繰り返さない。ダイス出口1bの形状は、ダイス出口11bにおけるC字型の開口と逆側の表層がない変形C字型形状である。押出成形ダイス11のダイス中子11cには、押出成形ダイス1と同様にめっき処理などの表面処理が施され、押出成形の際に摺動する移動手摺布部4aとの摺動抵抗を低減させる。また、押出成形ダイス11のダイス本体11fには、押出機10から供給される溶融樹脂が注入されるダイス入口11a、押出機10から供給される溶融樹脂を適切な温度条件で管理するためのダイス加熱部11d、ダイス温度測定部11eが設けられている。ダイス加熱部11dにはヒーターが挿入され、ダイス温度測定部11eには熱電対等の温度測定器が挿入される。図18では、4つのダイス加熱部11dと、1つのダイス温度測定部11eが設けられた例を示した。押出成形ダイス1と押出成形ダイス11へ供給する熱可塑性樹脂は、1台の押出機10から分配して供給もよいし、2台の押出機10でそれぞれのダイスに供給してもよい。
実施の形態4の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法を説明する。まず、押出成形ダイス1に基材である帆布12及び抗張体13を供給する(基材供給工程)。押出成形ダイス1に供給された熱可塑性樹脂を基材に塗布し、熱可塑性樹脂の断面形状が最終形状であるC字型形状よりも小さな形状である変形C字型形状に成形された第1の複合押出成形物(中間複合押出成形物)を成形する(第1の複合押出成形工程)。押出成形ダイス1から放出された第1の複合押出成形物の耳部(移動手摺耳部4d)を、耳部調整装置15により所定の形状を維持するように耳部(移動手摺耳部4d)を調整する(耳部調整工程)。耳部調整工程を経た第1の複合押出成形物を押出成形ダイス11に供給し、この第1の複合押出成形物に熱可塑性樹脂を塗布し、熱可塑性樹脂の断面形状がC字型形状に成形された第2の複合押出成形物を成形する(第2の複合押出成形工程)。第1の複合押出成形工程、耳部調整工程、第2の複合押出成形工程は、手摺押出成形工程である。第2の複合押出成形工程、すなわち手摺押出成形工程を経た第2の複合押出成形物を、冷却サイジング装置2により寸法矯正をしながら強制冷却して固化する(冷却固化工程)。冷却固化工程を経た第2の複合押出成形物を引取装置3により引き、引取装置3より下流側に配置された巻取り装置に複合押出成形物が巻き取られる(巻取り工程)。
第2の複合押出成形工程を経た第2の複合押出成形物の断面形状は、図20に示すようにC字型形状になっている。また、耳部調整工程を経た第1の複合押出成形物の断面形状は、図20の破線26よりも内側の形状になっている。具体的には、耳部調整工程を経た第1の複合押出成形物の断面形状は、移動手摺耳部4dの形状が第2の複合押出成形物と同じであり、破線14よりも上側の外周形状が台形形状になっている。図20では、第1の複合押出成形工程において、移動手摺抗張体4cが熱可塑性樹脂により完全に覆われる例を示した。なお、第1の複合押出成形工程において、移動手摺抗張体4cの上部が熱可塑性樹脂により完全に覆われていなくてもよい。この場合は、第2の複合押出成形工程において、移動手摺抗張体4cが熱可塑性樹脂により完全に覆われるようにする。
なお、押出成形ダイス11での移動手摺把持部4bの表面温度によって、溶融樹脂の流動性が変化するため、成形性に応じて、図21、図22のように押出成形ダイス11の手前に移動手摺加熱装置9を設置する。図21は本発明の実施の形態4による第3の移動手摺製造装置の要部を示す概略図であり、図22は本発明の実施の形態4による第4の移動手摺製造装置の要部を示す概略図である。図21は図14の第1の移動手摺製造装置20に移動手摺加熱装置9を追加したものであり、図22は図15の第2の移動手摺製造装置20に移動手摺加熱装置9を追加したものである。移動手摺加熱装置9を設置した場合の第2の複合押出成形工程を説明する。第2の複合押出成形工程において、耳部調整工程を経た第1の複合押出成形物を移動手摺加熱装置9により加熱しながら押出成形ダイス11に供給し、この第1の複合押出成形物に熱可塑性樹脂を塗布し、熱可塑性樹脂の断面形状がC字型形状に成形された第2の複合押出成形物を成形する。移動手摺加熱装置9を設けることで、第1の複合押出成形物と第2の複合押出成形工程における熱可塑性樹脂とが十分に結合することができる。
本実施の形態4の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、押出成形ダイス1から冷却サイジング装置2までの領域を特許文献1のマンドレルの長さよりも短くでき、実施の形態1〜2と同様に移動手摺4の成形時間を短縮することができるので、移動手摺4の製造コストを抑制でき、移動手摺4の製造ランニングコストを抑制できる。また、実施の形態4の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、手摺押出成形工程において2回の複合押出成形工程を実行するので、例えば、1回目の押出成形(第1の複合押出成形工程)では外観意匠性は悪いが安価なリサイクル材料を使用し、2回目の押出成形(第2の複合押出成形工程)で移動手摺把持部4b表層のみを意匠性が確保できる材料で成形することができる。この場合は、移動手摺4の形状に1回の手摺押出成形工程で成形できるため、材料コストも削減できる。
実施の形態5.
図23は本発明の実施の形態5による移動手摺製造装置の概略図であり、図24は本発明の実施の形態5による移動手摺の断面図である。実施の形態5の移動手摺製造装置20は、図1の移動手摺製造装置20から耳部調整装置15を除いた装置である。ただし、実施の形態5の移動手摺製造装置20では、押出成形ダイス1に、帆布12、抗張体13、と共に移動手摺耳部挿入部材4e、4fを供給する。図23では移動手摺耳部挿入部材4fは省略した。実施の形態5の移動手摺4は、断面形状がC字型形状の熱可塑性樹脂からなる移動手摺把持部4b及び移動手摺耳部4dと、熱可塑性樹脂の内部に配置された移動手摺抗張体4cと、移動手摺把持部4b及び移動手摺耳部4dの内面及び移動手摺耳部4dの端部に配置された移動手摺布部4aと、移動手摺耳部4dに移動手摺耳部挿入部材4e及び移動手摺耳部挿入部材4fのいずれか、又は両方を備える。図23では、移動手摺耳部挿入部材4e及び移動手摺耳部挿入部材4fの両方を備えた例を示した。移動手摺耳部挿入部材4e及び移動手摺耳部挿入部材4fは、手摺押出成形工程において供給される押出成形ダイス1の内部における溶融した熱可塑性樹脂(溶融樹脂)よりも十分低い温度(例えば、溶融樹脂の軟化点以下の温度)となる材料であればよく、例えば移動手摺布部4aと独立した帆布や、金属、樹脂等である。
移動手摺耳部挿入部材4e及び移動手摺耳部挿入部材4fの両方を備えた移動手摺4の製造方法を説明する。まず、基材供給工程において、押出成形ダイス1に基材である帆布12、抗張体13、移動手摺耳部挿入部材4e、4fを供給する。移動手摺耳部挿入部材4e、4fは移動手摺4の移動手摺耳部4dに配置する。手摺押出成形工程において、押出成形ダイス1に供給された熱可塑性樹脂を基材に塗布し、熱可塑性樹脂の断面形状がC字型形状に成形された複合押出成形物を成形する(複合押出成形工程)。押出成形ダイス1から放出された複合押出成形物の耳部(移動手摺耳部4d)には、溶融樹脂よりも低温の移動手摺耳部挿入部材4e、4fが設置されているので、移動手摺耳部挿入部材4e、4fによりこれらの周囲に供給される溶融樹脂が冷却される。すなわち、押出成形ダイス1から放出された複合押出成形物の耳部(移動手摺耳部4d)は、移動手摺耳部挿入部材4e、4fにより内部及び端部から冷却され、耳垂れのない所定の形状を維持するように耳部(移動手摺耳部4d)を調整する(耳部調整工程)。冷却固化工程において、手摺押出成形工程を経た複合押出成形物を、寸法矯正をしながら強制冷却して固化する。巻取り工程において、冷却固化工程を経た複合押出成形物を引取装置3により引き、引取装置3より下流側に配置された巻取り装置に複合押出成形物が巻き取られる。
実施の形態5の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、移動手摺耳部挿入部材4e、4fを移動手摺耳部4dに設置することで、耳部調整装置15を用いることなく移動手摺耳部挿入部材4e、4fにより溶融樹脂が冷却され、開放空間領域5での移動手摺耳部4dの耳垂れが抑制できる。なお、実施の形態5の移動手摺4は、2段階の押出成形を行う製造方法でも製造できる。また、基材供給工程において、移動手摺耳部挿入部材4e、4fに冷媒を吹き付ける冷却装置を用いて移動手摺耳部挿入部材4e、4fを冷却してもよい。この場合は、移動手摺耳部挿入部材4e、4fの温度を正確に調整できるので、耳垂れのない所定の形状をより適切に維持するように移動手摺耳部4dを調整することができる。
本実施の形態5の移動手摺製造装置20を用いた移動手摺の製造方法は、耳部調整装置15を用いることなく移動手摺耳部4dを冷却する耳部調整工程を実行するので、移動手摺耳部4dの耳垂れを抑制できるため、実施の形態1〜4の移動手摺製造装置20よりも押出成形ダイス1から冷却サイジング装置2までの領域を小さくでき、さらに設備を小形にできる。また、実施の形態5の移動手摺の製造方法及び移動手摺4は、移動手摺耳部挿入部材4fを移動手摺布部4aと同じ部材とし、図23のように移動手摺4の内表面(移動手摺耳部4dの外周面)に露出するように設置することで、移動手摺4の内表面の耐摩耗性も向上できる。また、実施の形態5の移動手摺の製造方法及び移動手摺4は、移動手摺耳部挿入部材4e、4fの材料を、移動手摺把持部4bの熱可塑性樹脂よりも安価な部材とすることで材料コストも削減できる。
以上のように実施の形態5の移動手摺4の製造方法は、押出成形ダイス1に基材である帆布12、抗張体13、移動手摺4の耳部(移動手摺耳部4d)に配置する耳部挿入部材(移動手摺耳部挿入部材4e、4f)を供給する基材供給工程と、押出成形ダイス1に供給された熱可塑性樹脂を基材に塗布し、熱可塑性樹脂の断面形状がC字型形状である複合押出成形物を成形する手摺押出成形工程と、手摺押出成形工程を経た複合押出成形物を、寸法矯正をしながら強制冷却して固化する冷却固化工程と、を含むことを特徴とする。実施の形態5の移動手摺4の製造方法は、基材供給工程において、耳部挿入部材(移動手摺耳部挿入部材4e、4f)が熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度にして押出成形ダイス1に供給され、手摺押出成形工程において、押出成形ダイス1から放出された複合押出成形物の耳部(移動手摺耳部4d)を、その下側端部が湾曲しないように調整することを特徴とする。実施の形態5の移動手摺4の製造方法は、耳部挿入部材(移動手摺耳部挿入部材4e、4f)を耳部(移動手摺耳部4d)に設置することで、耳部挿入部材(移動手摺耳部挿入部材4e、4f)により溶融された熱可塑性樹脂が冷却され、複合押出成形物の耳部(移動手摺耳部4d)の耳垂れが抑制でき、移動手摺4の成形時間を短縮すると共に耳部垂れを抑制しながら肉厚な移動手摺4を成形することができる。
実施の形態5の移動手摺4は、帆布12と、抗張体(移動手摺抗張体4c)と、断面形状がC字型である熱可塑性樹脂とを含む複合材料を備えた乗客コンベアの移動手摺であって、当該移動手摺4は、短手方向における開口側両端部の内側面を通過する両端部線(破線14)よりも開口側である熱可塑性樹脂である耳部(移動手摺耳部4d)と、耳部(移動手摺耳部4d)と反対側の把持部(移動手摺把持部4b)とを備え、把持部(移動手摺把持部4b)に短手方向に垂直な長手方向に抗張体(移動手摺抗張体4c)が配置され、把持部(移動手摺把持部4b)及び耳部(移動手摺耳部4d)における内面側に帆布12からなる布部(移動手摺布部4a)が配置され、耳部(移動手摺耳部4d)の内部において長手方向に耳部挿入部(移動手摺耳部挿入部材4e、4f)が配置されたことを特徴とする。実施の形態5の移動手摺4は、耳部挿入部材(移動手摺耳部挿入部材4e、4f)が耳部(移動手摺耳部4d)に設置されるので、移動手摺4の製造の際に耳部挿入部材(移動手摺耳部挿入部材4e、4f)により溶融された熱可塑性樹脂が冷却され、移動手摺4の耳部(移動手摺耳部4d)の耳垂れが抑制でき、移動手摺4の成形時間が短縮されると共に耳部垂れを抑制しながら肉厚に成形することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1…押出成形ダイス、1b…ダイス出口、4…移動手摺、4a…移動手摺布部、4b…移動手摺把持部、4c…移動手摺抗張体、4d…移動手摺耳部、4e…移動手摺耳部挿入部材、4f…移動手摺耳部挿入部材、7…サイジングローラ、11…押出成形ダイス、11b…ダイス出口、12…帆布、13…抗張体、14…破線(両端部線)、15…耳部調整装置、16…冷媒供給管(冷媒供給器)、17…冷却流体

Claims (16)

  1. 帆布、抗張体及び熱可塑性樹脂を含む複合材料を備えた乗客コンベアの移動手摺の製造方法であって、
    押出成形ダイスに基材である前記帆布及び前記抗張体を供給する基材供給工程と、
    前記押出成形ダイスに供給された前記熱可塑性樹脂を前記基材に塗布し、前記熱可塑性樹脂の断面形状がC字型形状である複合押出成形物を成形する手摺押出成形工程と、
    前記手摺押出成形工程を経た前記複合押出成形物を、寸法矯正をしながら強制冷却して固化する冷却固化工程と、を含み、
    前記手摺押出成形工程において、
    前記押出成形ダイスから放出された前記複合押出成形物の耳部を、その下側端部が湾曲しないように調整することを特徴とする乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  2. 前記手摺押出成形工程において、
    2つの前記押出成形ダイスを用いた2段階の押出成形を行い、
    第1段階目の前記押出成形ダイスを用いて、前記熱可塑性樹脂の断面形状が前記C字型形状を変形した変形C字型形状である中間複合押出成形物を成形し、
    前記中間複合押出成形物を第2段階目の前記押出成形ダイスを用いて、前記熱可塑性樹脂の断面形状が前記C字型形状である複合押出成形物を成形することを特徴とする請求項1記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  3. 第1段階目の前記押出成形ダイスのダイス出口である第1ダイス出口は、第2段階目の前記押出成形ダイスのダイス出口である第2ダイス出口よりも小さく、かつ前記第2ダイス出口の形状は、前記移動手摺の断面形状に相似した前記C字型形状であり、かつ前記第1ダイス出口の形状は、前記第2ダイス出口におけるC字型の開口と逆側の表層がない前記変形C字型形状であり、
    前記手摺押出成形工程において、
    第1段階目の前記押出成形ダイスに供給された前記熱可塑性樹脂を前記基材に塗布し、前記熱可塑性樹脂の断面形状が前記変形C字型形状である前記中間複合押出成形物を成形する第1の複合押出成形工程と、第2段階目の前記押出成形ダイスに供給された前記熱可塑性樹脂を前記中間複合押出成形物に塗布し、前記熱可塑性樹脂の断面形状が前記C字型形状に成形された複合押出成形物を成形する第2の複合押出成形工程とを実行することを特徴とする請求項2記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  4. 前記手摺押出成形工程において、
    前記押出成形ダイスから放出された前記複合押出成形物の前記耳部を、耳部調整装置により前記下側端部の形状を調整することを特徴とする請求項1記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  5. 前記手摺押出成形工程において、
    前記耳部調整装置が、前記押出成形ダイスから放出された前記複合押出成形物の前記耳部に冷却媒体を放出し、前記複合押出成形物の前記耳部が局所冷却されることを特徴とする請求項4記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  6. 前記耳部調整装置はサイジングローラを備え、
    前記手摺押出成形工程において、
    前記耳部調整装置が、前記押出成形ダイスから放出された前記複合押出成形物の前記耳部に前記サイジングローラを接触させ、前記耳部の下側端部が平面に調整されることを特徴とする請求項4記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  7. 前記耳部調整装置は、前記サイジングローラに冷媒を供給する冷媒供給器をさらに備え、
    前記手摺押出成形工程において、
    前記耳部調整装置が、前記押出成形ダイスから放出された前記複合押出成形物の前記耳部に前記サイジングローラを接触させ、前記耳部の下側端部が冷却されると共に平面に調整されることを特徴とする請求項6記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  8. 前記手摺押出成形工程において、
    第1段階目の前記押出成形ダイスから放出された前記中間複合押出成形物の耳部を、耳部調整装置により前記下側端部の形状を調整することを特徴とする請求項2または3に記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  9. 前記手摺押出成形工程において、
    前記耳部調整装置が、第1段階目の前記押出成形ダイスから放出された前記中間複合押出成形物の前記耳部に冷却媒体を放出し、前記中間複合押出成形物の前記耳部が局所冷却されることを特徴とする請求項8記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  10. 前記耳部調整装置はサイジングローラを備え、
    前記手摺押出成形工程において、
    前記耳部調整装置が、第1段階目の前記押出成形ダイスから放出された前記中間複合押出成形物の前記耳部に前記サイジングローラを接触させ、前記耳部の下側端部が平面に調整されることを特徴とする請求項8記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  11. 前記耳部調整装置は、前記サイジングローラに冷媒を供給する冷媒供給器をさらに備え、
    前記手摺押出成形工程において、
    前記耳部調整装置が、第1段階目の前記押出成形ダイスから放出された前記中間複合押出成形物の前記耳部に前記サイジングローラを接触させ、前記耳部の下側端部が冷却されると共に平面に調整されることを特徴とする請求項10記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  12. 前記基材供給工程において供給する前記基材は、前記移動手摺の前記耳部に配置する耳部挿入部材を含み、
    前記耳部挿入部材は、前記手摺押出成形工程において供給される前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の温度にして前記基材供給工程が実行されることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  13. 前記耳部挿入部材は、前記帆布と同じ部材とし、
    前記手摺押出成形工程において、前記耳部挿入部材を前記耳部の外周面に露出するように配置して前記熱可塑性樹脂を前記基材に塗布することを特徴とする請求項12記載の乗客コンベアの移動手摺の製造方法。
  14. 帆布と、抗張体と、断面形状がC字型である熱可塑性樹脂とを含む複合材料を備えた乗客コンベアの移動手摺であって、
    当該移動手摺は、短手方向における開口側両端部の内側面を通過する両端部線よりも開口側である前記熱可塑性樹脂である耳部と、前記耳部と反対側の把持部とを備え、
    前記把持部に前記短手方向に垂直な長手方向に前記抗張体が配置されており、
    前記把持部及び耳部における内面側に前記帆布からなる布部が配置されており、
    前記耳部の内部において前記長手方向に耳部挿入部が配置されたことを特徴とする乗客コンベアの移動手摺。
  15. 前記耳部の外周面に露出するように他の耳部挿入部材が配置されたことを特徴とする請求項14記載の乗客コンベアの移動手摺。
  16. 前記他の耳部挿入部材は、前記帆布と同じ部材であることを特徴とする請求項15記載の乗客コンベアの移動手摺。
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