JP2017043313A - 鉄道車両の台車装置 - Google Patents
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Abstract
Description
NIKKEI MONOZUKURI 2006.08 p.113
台車枠110とその周辺の構成について、主に図1〜図3を参照しながら説明する。台車枠110は、図1〜図3に示したように、輪軸120や後述するモータ200などの各装置を装備し、台車装置100に作用する各荷重を負担する主要フレームである。台車枠110は、車体100の側部に沿って延びる左右の側ばり112と、側ばり112の長さ方向中央位置において、左右の側ばり112を連結する横ばり114と、によって略H字型の枠が構成されている。
が下方に延びている。側ばりブロック116には、後述の軸箱支持装置140が連結される。台車枠110は、炭素繊維強化プラスチック成型(以下、CFRPという。)の一体構造である。
輪軸120は車輪121と車軸122を組み立てたものであり、図1〜図3に示したように、1つの台車枠110に2組の輪軸120が車体の進行方向に沿って設けられる。
軸箱130は、図1及び図2に示したように、輪軸120の車軸122の左右の先端に設けられ、輪軸120の回転を保持する軸受を内蔵した箱である。軸受は、図示はしていないが、転がり軸受のころ軸受が用いられる。
軸箱支持装置140は、図1〜図3に示したように、台車枠110と軸箱130との間に設けられ、軸ばね141と円筒ゴムばね142を併用して、台車枠110と軸箱130との間の上下方向、前後方向及び左右方向の変位を受ける。軸ばね141は、コイルばねであり、軸ばね受け143と軸ダンパ144との間に配置されて、台車枠110の上下荷重を支持する。一方、円筒ゴムばね142は、台車枠110の前後方向及び左右方向の荷重を支持する。軸ばね141と円筒ゴムばね142は、台車枠110の荷重変動の状況に応じて、同時に作用する。
ブレーキ装置150は、ブレーキシリンダと制輪子をユニット化した踏面ブレーキである。ブレーキ装置150は、車輪121のレール20との当接面である車輪踏面121aに制輪子を押し付けることによって輪軸120の回転を規制する。また、ブレーキ装置150は、車両が長時間停車する場合のパーキングブレーキとしての機能も兼ね備えている。ブレーキ装置150は、ブレーキシリンダと制輪子をユニット化して構成されているため、分解・組立て性が向上している。
ヨーダンパ160は、図1及び図3に示したように、車体フレーム10と、台車枠110の側ばり112とを連結するオイルダンパであり、車体のヨーイングを抑える。ヨーイングとは車体が重心を中心として、水平方向に回転するように動くことであり、ヨーイングによって台車装置100の蛇行動が引き起こされる。よって、ヨーダンパ160によって、台車装置100の蛇行動が軽減される。
けん引装置170は、図2及び図3に示したように、Zリンク方式であり、横ばり114の長さ方向中央に配置されて、台車フレーム10と台車枠110とを連結している。けん引装置170は、前後方向の力を確実に伝達しながら、車体フレーム10と台車枠110との間の上下、左右、ヨー(台車100の旋回)などの動きを拘束しないように、ゴムブッシュなどが入れられている。さらに、けん引装置170には、振動吸収のためのダンパや大きな変異に至らないようにするためのゴム製のストッパなどが付設されている。
車体支持空気バネ180は、図1〜図3に示したように、車体フレーム101と台車枠110とを連結している。車体支持空気バネ180は、横ばり112の両端に設けられている。車体支持空気バネ180は、ゴム製ダイヤフラム内に圧縮空気を使用して、バネ定数を小さく設定し、曲線通過時の車体フレーム10と台車装置100との間の変位を、ゴムのせん断変形を利用することで受けるものである。このような構成により、車体支持空気バネ180は、車体の荷重を支えながら、車体が曲線を通過するときにスムーズに走行させることができる。
モータ200は、図2及び図3に示したように、車軸122に搭載され、モータ200の出力を車軸122に直接伝達するDDM(Direct Drive Motor)方式である。以下に、図4〜図13を参照しながら、モータ200の各部の構成について、説明する。
固定子220は、図4及び図5に示したように、車軸122の軸方向に幅方向中央に配置される。また、固定子220の軸心には、図6及び図7に示したように、車軸122が貫通しており、固定子220と車軸122との間には隙間Sが形成されている。これにより、車軸122の回転が固定子220に伝わらないようになっている。
回転子240は、図9に示したように、固定子220を挟んで回転子240の両端に配置される。固定子220の巻き鉄心221と回転子240の後述する永久磁石243とは対面して配置されている。固定子220の巻き鉄心221と回転子240の永久磁石243との間には、固定子ケース222が巻き鉄心221よりも軸方向に突出しているため、空間が形成される。この空間が磁気空間Jとなり、固定子220から回転子240への電磁気の受け渡しが車軸122の軸方向間(以下、アキシャルギャップという。)で行われる。
シール260は、図5に示したように、回転子240の永久磁石243と、固定子220の巻き鉄心221との磁気空間Jにごみや水滴などが入らないように防塵するシールである。
以上説明したように、本実施形態によれば、モータ200の固定子220から回転子240への電磁気の受け渡しをアキシャルギャプで行うため、固定子220を台車の横ばり112に固定して、固定子220の質量はすべて横ばり112に持たせることができる。このように、車軸122に直接、固定子の質量がかからない構造とすることができるので、台車装置100の軸箱支持装置140のばね下荷重を軽減することができる。
以上説明した第1の実施形態では、台車装置100の姿勢を制御することができないため、レール20の直線区間と曲線区間とを接続する緩和曲線区間を通過するときに、台車装置100の姿勢を改善することができない。そこで、以下に説明する第2の実施形態では、第1の実施形態のこのような課題を改善したものであり、第1の実施形態と同様にばね下荷重を低減することができるだけでなく、さらに姿勢を制御することが可能な台車装置300について説明する。
前の軸箱支持装置520は、後の輪軸320−2の両端部に設けられる軸箱330を支持する。軸箱支持装置520は、後述する操舵フレーム540が、上部ピン542と下部ピン543とで構成されるピンを中心に旋回するときに、旋回する角度分だけ台車枠310に対して捩れか生じる。したがって、軸箱支持装置520は、この捩れを吸収できる機構を必要とする。仮に、軸箱支持装置520の捩れを吸収できる機構が摩擦抵抗の大きなものであるとすると、操舵フレーム540の旋回抵抗が大きくなる。操舵フレーム540の旋回抵抗が大きいと、レール20の急な曲線の入り口で摩擦抵抗に打ち勝った途端、はずみで操舵フレーム540が急旋回する可能性がある。操舵フレーム540が急旋回すると、最悪、脱線するなどして、非常に危険である。このため、軸箱支持装置520は、摩擦抵抗の非常に小さい機構とされる。以下に、軸箱支持装置520の構成を説明する。
操舵フレーム540は、図14〜図16に示したように、中央部が台車枠310の横ばり314に旋回可能に連結されており、両端部が軸箱330を介して後の輪軸320−2に連結されている。よって、後の輪軸320−2は操舵フレーム540と一体に旋回する。
操舵緩衝器560とその周辺の構成について、主に図19を参照しながら説明する。本台車装置300の操舵は、台車枠310の前の輪軸320−1が固定であることから、前の輪軸320−1を起点として台車枠310の後の輪軸320−2が自己操舵機能により操舵フレーム540が旋回することによって行われる。操舵緩衝器560は、操舵フレーム540が蛇行動によりふらつかないようにするものであり、図14及び図15に示したように、前の軸箱330と側張りブロック316との間に設けられる。
ブレーキ装置590とその周辺の構成について、主に図15、図16を参照しながら説明する。ブレーキ装置590は、鉄道車両のスピードを減じるものであり、図15及び図16に示したように、後の輪軸320−2に設けられる。ブレーキ装置590は、ブレーキディスク591と、ディスクパッド592及びブレーキキャリパー593から構成される。ブレーキディスク591は、後の輪軸320−2に取り付けられて一体に回転する。ディスクパッド592は、間にブレーキディスク591を挟むように配置され、ブレーキディスク591の両面を挟み付けることにより、ブレーキディスク591の回転を止めるものである。ブレーキキャリパー593は、一端にディスクパッド592が設けられ、他端が操舵フレーム540に連結されることにより、ディスクパッド592を操舵フレーム540に連結する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、操舵装置500を設けたことにより、以下のような効果を有する。
20 レール
100 台車装置
110 台車枠
112 側ばり
114 横ばり
116 側ばりブロック
120 輪軸
120−1 前の輪軸
120−2 後の輪軸
121 車輪
121a 車輪面
122 車軸
122a 大径部
130 軸箱
140 軸箱支持装置
141 軸ばね
142 円筒ゴムばね
143 軸ばね受け
144 軸ダンパ
145 ゴムブッシュ
146 モノリンク
147 偏心カム
150 ブレーキ装置
160 ヨーダンパ
170 けん引装置
180 車体支持空気バネ
200 モータ
220 固定子
220−1 上部固定子
220−2 下部固定子
221 巻き鉄心
222 固定子ケース
222−1、222−2 上下半割れの2つの固定子ケース
222−1a、222−2a 円弧状の凹部
223 ケース固定ボルト
224 ケースフレーム
224−1、224−2 上下2つに半割れしたケースフレーム
225 フレーム固定ボルト
226 ケース冷却フィン
227 シール収納室
228 シール固定枠
229 固定枠ボルト
240 回転子
241 円盤板
242 円盤板固定金具
243 永久磁石
244 集電環受け
244a 環状溝部
245集電環
260 シール
261−1 上シール基部
261−2 下シール基部
261-1a、261−2a 半円状の溝
262、262−1、262−2 上下のカーボンブラシ
263−1、263−2 上下のエキスパンダコイル
263−1a、263−2a フランジ
264 コイル締結金具
H 中空部
J 磁気空間
K 開口部
S 隙間
300 台車装置
310 台車枠
314 横ばり
316 側ばりブロック
320 輪軸
320−1 前の輪軸
320−2 後の輪軸
330 軸箱
340 軸箱支持装置
350 ブレーキ装置
360 ヨーダンパ
370 けん引装置
380 車体支持空気バネ
400 モータ
500 操舵装置
520 軸箱支持装置
522 上部軸受け
523 球体上部
523a カイド孔
524 上部バネ受け
525 下部軸受け
526 球体下部
526a ガイド棒
527 下部バネ受け
528 軸バネ
529 軸ダンパ
540 操舵フレーム
541 フレーム
542 上部ピン
542a 半円溝
542b 凸部
543 下部ピン
543a 半円溝
543b 凸部
544 上部ピンブラケット
544a 凹溝
545 下部ピンブラケット
545a 凹溝
546 ブラケット取付けボルト
560 操舵緩衝器
561 第1関節球体
561a 挿通孔
561b 挿入部
562 第1球体受け
563 球体受けボルト
564 球体受けナット
565 逆止弁
566 逆止弁ケース
567 逆止弁ボール
568 逆止弁ボール受け
569 逆止弁ばね
570 逆止弁ボス
570a 挿通孔
571 防塵蛇腹
572 空気ピストン
572a、572b 挿通孔
572c 安全弁配置部
573 上ばね受け
573a 挿通孔
574 下ばね受け
575 操舵外ばね
576 操舵内ばね
578 第2関節球体
579 第2球体受け
580 安全弁
581 安全弁ケース
582 弁
583 安全弁ばね
584 安全弁ばね受け
590 ブレーキ装置
591 ブレーキディスク
592 ディスクパッド
593 ブレーキキャリパー
600 モータ
620 モータ回転子
622 中空軸
622a 突き出し部
640 固定子フレーム
660 継手
662 モータ側円盤板
662a、664a 突起部
664 車軸側円盤板
666 防振ゴム
700 車軸
Claims (6)
- 鉄道車両の台車装置であって、
車体に取り付けられる台車枠と、
前記台車枠に前記車体の進行方向に沿って設けられる2組の輪軸と、
前記輪軸の車軸に設けられ、前記輪軸を回転駆動するモータと、
を備え、
前記モータは、
前記車軸が軸心を回転自在に挿通し、前記台車枠に固定される固定子と、
前記車軸の軸方向において前記固定子の両端部に磁気空間を構成して相対回転可能に配置され、軸心を挿通する前記車軸と一体回転する回転子と、
を備え、
前記固定子から前記回転子への電磁気の受け渡しが前記車軸の軸方向間で行われることを特徴とする、鉄道車両の台車装置。 - 前記固定子は鉄心と、前記鉄心を収納するケースとを備えており、
前記鉄心はアモルファス金属で構成されており、前記ケースには、冷却フィンが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の鉄道車両の台車装置。 - 前記固定子と前記回転子の全周にわたって防塵防水シールが設けられ、
前記防塵防水シールは、エキスパンダコイルでシール面の外周を締め付けることによって、前記磁気空間を密封し、
前記エキスパンダコイルと前記シール面は、半割れの円環状に構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鉄道車両の台車装置。 - 前記回転子は、軸心に挿通する前記車軸に固定される円盤板と、円盤板の外周に設けられる集電環と、を備え、
前記集電環に、前記防塵防水シールのシール面を構成するメタリックカーボン製のブラシが接触することを特徴とする、請求項3に記載の鉄道車両の台車装置。 - 前記輪軸は前記台車枠に対して両者間の捩れを吸収する軸箱支持装置を介して連結されており、
前記軸箱支持装置が有するモノリンクが前記台車枠とゴムブッシュを介して偏心カムによって連結されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の鉄道車両の台車装置。 - 前記2組の輪軸のうち、進行方向において後の輪軸には、前記後の輪軸を旋回する操舵装置が設けられ、進行方向において前の輪軸には、前記モータが設けられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の鉄道車両の台車装置。
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