JP2017042246A - 超電導磁石装置および磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】巻線内部の熱伝導性を向上させた超電導磁石装置を提供する。【解決手段】超電導磁石装置は、超電導線材30がソレノイド状に巻き回されて形成される第1層と、第1層と同軸上、かつ、外径側に超電導線材30がソレノイド状に巻き回されて形成される第2層と、第1層と第2層との間に配置され、通液性を有する第1伝熱部材45とを有し、第1層、第2層および第1伝熱部材45は、第1伝熱部材45を通過し硬化した熱可塑性樹脂32によって固定される。【選択図】図1
Description
本発明は、超電導磁石装置および磁気共鳴イメージング装置に関する。
超電導磁石装置は超電導コイルを利用することによって、常電導コイルを採用した磁石装置と比較して数十倍から数百倍程度の電流密度となる電流が通電可能で、かつ、電気抵抗による損失もないことから、MRI装置やNMR装置、加速器用マグネットなどに適用されている。
超電導コイルの製造方法は複数存在し、例えば次のようなものが挙げられる。例えば、熱硬化性樹脂を塗布したガラス繊維を超電導線材に巻きつけ、または、コイル層間に挿入し、巻線後に加熱して硬化させるプリプレグ法がある(例えば特許文献1)。また、熱可塑性樹脂を塗布した超電導線材を巻線後に加熱し、表面の樹脂を一旦溶融させて、その後冷却して硬化させる自己融着法がある(例えば特許文献2)。
しかし、上述の従来技術によって製造した超電導コイルは、巻線内部の空隙の影響でコイルの熱伝導率が低下し、冷却性能が低下しやすいという課題があった。
以上の点より本発明の課題は、巻線内部の熱伝導性を向上させた超電導磁石装置を提供することにある。
上記課題を解決するにあたって本発明は様々な実施形態を採り得るが、その一例として本発明の超電導磁石装置は、超電導線材がソレノイド状に巻き回されて形成される第1層と、前記第1層と同軸上、かつ、外径側に前記超電導線がソレノイド状に巻き回されて形成される第2層と、前記第1層と前記第2層との間に配置され、通液性を有する第1伝熱部材から形成される第3層とを有し、前記第1層、前記第2層および前記第3層は、前記第3層を通過し硬化した熱可塑性樹脂によって固着されることを特徴とする。
上記のような特徴によれば、巻線内部の熱伝導性を向上させた超電導磁石装置を提供することができる。
本発明の具体的実施形態御を説明する前に、まず超電導磁石装置が有する超電導コイルに発生するクエンチ現象について説明する。
クエンチ現象が発生すると、通電中の超電導コイルは常電導転移するため磁場を保持できなくなる。クエンチ現象の発生、進展のメカニズムは次のように考えられる。まず何らかの擾乱で超電導コイルの一部が常電導転移する。次にその部位でのジュール発熱が液体ヘリウムに代表される冷媒による冷却より上回る場合、常電導領域が拡大し、超電導装置の磁気エネルギーが常電導領域で消費されることで発生する。
一度クエンチ現象が発生すると、超電導コイルの温度が上昇するため、再冷却に必要な冷媒費用負担が生じることや、再冷却するまでの期間、装置が使用不可となる。
クエンチの原因として要因の一つは、電磁力で超電導線材が変位したことによる摩擦発熱や、超電導線材を固定するために充填した成形樹脂が冷却による熱応力や電磁力にて破壊され発熱するといった機械的擾乱と考えられる。
クエンチを避けるためさまざまの成形方法が検討されるが、樹脂含浸方法は樹脂を硬化させた後にコイル表面に残存する樹脂を取り除くといった作業が必要であり、他の成形方法と比較して成形作業に時間を要する。プリプレグ法や自己融着法による成形時間の短縮化が期待されるが、超電導線材間に樹脂を充填することで巻線内部に空隙がほとんど存在しない状態で成形可能な樹脂含浸法と比較して、これらの2種類の成形方法は成形後の巻線内部に多くの空隙が残存する。特に、液体ヘリウムに代表される冷媒を使用せず冷凍機からの伝熱部材を介して超電導コイルを冷却する伝導冷却型超電導コイルに樹脂含浸法以外の成形方法を適用した場合は、空隙による熱伝導率の低下の影響は大きくなると考えられる。
プリプレグ法や自己融着法での熱伝導率低下を補うため銅やアルミニウムに代表される高熱伝導材料からなる伝熱部材をコイル巻線内に挿入する方法も検討される。しかし、自己融着法で用いられる熱可塑性樹脂の粘性は比較的高く加熱溶融した際の伝熱部材との濡れ性が悪いため、プリプレグ法と比較して接着強度が低くなる可能性が懸念される。
このため、冷却による熱応力と電磁力で伝熱部材と超電導線材が剥離し、その機械的擾乱にてクエンチが発生してしまう可能性は残るものと考えられる。
以上の検討を踏まえ、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる第1の実施形態について、図1から図2を参照して説明する。図1に本実施例の超電導コイルの断面とコイル巻線34の一部を拡大した図を示す。超電導磁石装置1が備える超電導コイル100は、断面が矩形の超電導線材30がボビン11を巻き芯として内周側からソレノイド状に巻き回されて形成される。
以下、本発明を適用してなる第1の実施形態について、図1から図2を参照して説明する。図1に本実施例の超電導コイルの断面とコイル巻線34の一部を拡大した図を示す。超電導磁石装置1が備える超電導コイル100は、断面が矩形の超電導線材30がボビン11を巻き芯として内周側からソレノイド状に巻き回されて形成される。
このように形成された超電導コイル100を、ボビン11の中心軸、すなわち超電導線材30を巻く際の中心軸21に平行な断面で分割すると、図1に示すようなコイル巻線34の構造を観察することができる。すなわち超電導線材30が中心軸21を中心とし、かつ漸増的に径が大きくなるようにソレノイド状に巻き回され、図1に示すように断面が第1層、第2層...第n層(nは自然数)というように多層構造を形成している。
コイル巻線34とボビン11との間には電気絶縁を目的とした絶縁板50が設けられている。また、コイル巻線34の外周面には、冷凍機(図示せず)に熱的に接続された冷却板40が設けられている。コイル巻線34と冷却板40との間にも電気絶縁を目的とした絶縁板50が設けられている。なお、冷却板40の電気絶縁性能が十分高い場合は、絶縁板50の設置を省いてもよい。また、ボビン11はコイル巻線34を成形後取り外し、空芯形の超電導コイル100としてもよい。
超電導線材30の表面には電気絶縁のためのエナメル層31が塗布され、さらにエナメル層の上には熱可塑性樹脂32が塗布される。なお、超電導線材30の断面が矩形で有る場合は、その断面の角部は超電導線材30同士の接触によってエナメル層の損傷が考えられるため、損傷を防ぐための角落し加工が有効である。
しかし、特に角落し加工が施された場合は、あるいは角落し加工がされずとも超電導線材30の表面に微小な凹凸がある場合は、図1に示すように熱可塑性樹脂が充填されていない空隙が存在すると考えられる。この空隙は、熱の伝達を阻害するようにはたらくため、コイル巻線34の内部に空隙が少ない場合と比較して熱伝導率が低下する。
そこでコイル巻線34を構成するソレノイド状に巻き回された超電導線材30から形成される各層間に、銅またはアルミニウムに代表される高熱伝導体で構成される伝熱部材45(第1伝熱部材)が挿入される。なお、好ましくはこの伝熱部材45はシート状あって、超電導線材30がソレノイド状に巻き回される場合において、巻線の層が切り替わる際に挿入され、あるいは共巻きされることが望ましい。
また伝熱部材45は、メッシュ構造(すなわち網状の構造を有し微小孔が形成されている)を有する。このような構造を有することによって、伝熱部材45は通液性を有することができる。伝熱部材45が通液性を有すると、超電導線材30からなる第1層、第2層...第n層の各層間の接着は、伝熱部材45を通過し硬化した樹脂によって実現される。このとき各層間の接着強度は、同材料間での接着となるため、伝熱部材が通液性を有さない場合、すなわち各層間は互いに直接的に接着されるのではなく伝熱部材を介して異種材料間が接着される場合よりも強くなり、強固な接着を実現することが可能となる。
特に上述したような通液性を有する伝熱部材45は、自己融着法にて超電導コイル100を形成する場合に有用であると考えられる。その理由として、自己融着法で用いられる熱可塑性樹脂の粘性は比較的高いものが利用されるやすいことが挙げられる。
粘性が高い熱可塑性樹脂は、加熱され溶融しても伝熱部材との濡れ性に優れないため、例えばプリプレグ法と比較して接着強度が低くなってしまう。すなわち超電導コイル100のコイル巻線34は、超電導線材30から形成される各層が強固に接着される必要がある一方で、層間に挿入される伝熱部材が通液性を有さない場合、熱可塑性樹脂と伝熱部材との接着強度が低いため、結果として各層間を強固に接着することが困難である。
しかし、本実施例のように、超電導線材30がソレノイド状に巻き回されて形成される第1層と、第1層と同一の中心軸21を中心とし、かつ、第1層の外径側に超電導線30がソレノイド状に巻き回されて形成される第2層と、第1層と第2層との間に配置され、通液性を有する伝熱部材45とを基本構造として、これを繰り返すことで形成される超電導コイル100であれば、加熱成形時に溶融した熱可塑性樹脂32が伝熱部材45のメッシュの両面から空隙46に侵入し混合され、冷却後に固化する構造となっている。この構造をとることで伝熱部材と熱可塑性樹脂といった異種材料間の接着強度と比較して強い接着力を発揮することが可能となる。なお、上述の例では巻線前に予め伝熱部材45の空隙46に熱可塑性樹脂を浸透させておいても同様の性能が得られる。
また、図2に示されるように、コイル巻線34の層間に挿入する伝熱部材45をコイル周方向にむけて展開した外観図において、コイル巻線34の中心軸21に平行な方向に延びるスリット55を設けてもよい。このように伝熱部材45がシート状である場合、中心軸21に対する周回方向を考えたときに複数の箇所にて中心軸21方向に長いスリット55が設けられた構造とすることで、超電導コイル100に電流が流れている際に、伝熱部材45に発生する誘導電流を抑制し、誘導電流によるジュール発熱を低減することができる。なお、このスリット55の間隔が狭く、多数のスリット55が密に形成されている場合は、伝熱部材45はスリット55によって通液性を実現できるため、メッシュ構造が形成されていなくてもよい。また、スリット55は、周回方向が長手方向となるように形成されていてもよい。
以上説明するように、本実施形態の超電導コイル100は、コイル巻線34の各層間に伝熱部材45を挿入することで、コイル巻線34を効率的に冷却することが可能である。また伝熱部材45は通液性を有するため、成形時には伝熱部材45の空隙46に溶融した熱可塑性樹脂が両面から侵入し混合され、冷却後に固化することで、伝熱部材45と熱可塑性樹脂といった異種材料間の接着強度と比較して強い接着力を発揮することが可能となる。これによりコイル巻線34内部の接着強度を確保しつつ熱伝導性を向上させた自己融着成形コイルを得ることが可能となる。
(第2の実施形態)
図3に第2の実施形態に係る超電導コイル100の断面とコイル巻線34の一部を拡大した図を示す。また、図4にコイル巻線34の層間に挿入する伝熱部材45をコイル周方向にむけて展開した外観とその一部を拡大した図を示す。第2の実施形態は、図1に示す第1の実施形態と比較して、冷凍機に熱的に接続された冷却板40(第2伝熱部材)が、超電導コイル100の中心軸21方向において上側に設けられた点と、コイル巻線34の層間に挿入された伝熱部材45がメッシュ構造のような微細な孔よりも大きな開口部47を持ったシート状となっている点で異なる。
図3に第2の実施形態に係る超電導コイル100の断面とコイル巻線34の一部を拡大した図を示す。また、図4にコイル巻線34の層間に挿入する伝熱部材45をコイル周方向にむけて展開した外観とその一部を拡大した図を示す。第2の実施形態は、図1に示す第1の実施形態と比較して、冷凍機に熱的に接続された冷却板40(第2伝熱部材)が、超電導コイル100の中心軸21方向において上側に設けられた点と、コイル巻線34の層間に挿入された伝熱部材45がメッシュ構造のような微細な孔よりも大きな開口部47を持ったシート状となっている点で異なる。
このような構造をとることで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、
冷却板40を基点とし、超電導コイル100の中心軸21方向に伸びた伝熱部材45を介した伝熱経路にて超電導コイル100が冷却され、冷却性能をさらに向上させることが可能となる。
冷却板40を基点とし、超電導コイル100の中心軸21方向に伸びた伝熱部材45を介した伝熱経路にて超電導コイル100が冷却され、冷却性能をさらに向上させることが可能となる。
(第3の実施形態)
図5に第3の実施形態に係る超電導コイル100の断面とコイル巻線34の一部を拡大した図を示す。第3の実施形態は、図1から図4に示す第1および第2の実施形態と比較して、断面形状が円形の超電導線材30を採用した点が異なる。また、円形の断面形状を有する超電導線材30は俵積み状に巻き線され、層間に挿入された伝熱部材45はガラス繊維シートに代表される熱可塑性樹脂が浸透可能な、すなわち通液性を有する絶縁部材48にて両面から挟まれた構造になっている点においても異なる。
図5に第3の実施形態に係る超電導コイル100の断面とコイル巻線34の一部を拡大した図を示す。第3の実施形態は、図1から図4に示す第1および第2の実施形態と比較して、断面形状が円形の超電導線材30を採用した点が異なる。また、円形の断面形状を有する超電導線材30は俵積み状に巻き線され、層間に挿入された伝熱部材45はガラス繊維シートに代表される熱可塑性樹脂が浸透可能な、すなわち通液性を有する絶縁部材48にて両面から挟まれた構造になっている点においても異なる。
このような構造をとることで、伝熱部材45と超電導線材30との間の絶縁性能を高めることが可能である。また、絶縁部材48を通過してきた熱可塑性樹脂が伝熱部材45の開口部47に侵入して固化することで、第1及び第2の実施形態と同様にコイル巻線34内部の接着強度を確保しつつ熱伝導性を向上させた自己融着成形コイルを得ることが可能となる。なお、巻線前に予め伝熱部材45の空隙46または開口部47並びに絶縁部材48に熱可塑性樹脂を浸透させておいても同様の性能が得られる。
(第4の実施形態)
なお、上述した第1から第3のいずれかの実施形態の超電導コイル100を利用して超電導磁石装置200を製作することも可能である。
なお、上述した第1から第3のいずれかの実施形態の超電導コイル100を利用して超電導磁石装置200を製作することも可能である。
この際の超電導磁石装置200の基本的な回路構成は、例えば図6に示すようなものが想定される。すなわち超電導コイル100と並列に保護抵抗111が接続され、超電導コイル100を励磁する際に外部電源との連絡し電流路としてはたらくパワーリード112や、超電導磁石装置200を永久電流運転モードへ遷移させるための永久電流スイッチ113が接続された回路を形成する。またこのような超電導磁石装置200の機械構造は、例えば、超電導コイル100や永久電流スイッチ113といった超電導状態を維持すべき物品を、外部から侵入する熱を防止する輻射シールド114内に格納し、更にこの輻射シールド114を格納するように真空容器115を設け真空断熱を図ることが考えられる。
このような超電導磁石装置200は、超電導コイル100はコイル巻線34内部の接着が強固であるため、通電時に超電導コイル100に作用する電磁力によって内部での剥離や巻線崩れが発生しづらく、信頼性が高い超電導磁石装置200を提供することができる。特に自己融着成形によって超電導コイル100を作る場合、伝熱部材45の濡れ性に依らず、超電導線材30をソレノイド状に巻き回して形成される各層を互いに強固に接着することができる。
加えて本実施例の超電導磁石装置200は、コイル巻線34を形成する超電導線材30の各層間に挿入されている伝熱部材45によって効率的に冷却される、すなわち従来よりも高速に超電導コイル100が冷却され超電導状態に遷移するため、励磁、消磁の切り替えを短い時間で実行でき作業効率を向上させることができる。
(第5の実施形態)
また、上記に挙げたような超電導磁石装置200を利用した磁気共鳴イメージング装置300を提供することもできる。このような磁気共鳴イメージング装置300は、例えば図7に示すように、超電導磁石装置200を少なくとも二台備え、これらを所定の間隔をおいて対向して配置、すなわちコイル巻線34の中心軸21が一致するように配置する。対向して配置された超電導磁石装置200の間に被験者を撮影するための撮影領域210が形成される。
また、上記に挙げたような超電導磁石装置200を利用した磁気共鳴イメージング装置300を提供することもできる。このような磁気共鳴イメージング装置300は、例えば図7に示すように、超電導磁石装置200を少なくとも二台備え、これらを所定の間隔をおいて対向して配置、すなわちコイル巻線34の中心軸21が一致するように配置する。対向して配置された超電導磁石装置200の間に被験者を撮影するための撮影領域210が形成される。
また、撮影領域210内で超電導磁石装置200が形成する磁場分布を静磁場とし、この静磁場に位置情報を付加するために線形の勾配を有する磁場(傾斜磁場)を重畳させる傾斜磁場コイル201、静磁場および傾斜磁場の作用によって付与された位置情報を読み出すためのRFコイル202等が設置される。
なお、磁気共鳴イメージング装置300は、超電導磁石装置200の配置方式、つまり撮影領域における磁場の方向によって垂直式、水平式の二種類が存在する。図7は垂直式を模擬しているが、超電導磁石装置200はいずれの方式においても利用することができる。ただし、被験者を撮像領域へと挿入するにあたって、中心軸21と同軸上で稼働する駆動機構等を設ける場合、例えば水平式の磁気共鳴イメージング装置は、超電導磁石装置200の輻射シールド114や真空容器115の構造をドーナツ型にすることが必要であるものの、基本的な超電導コイル100の形状、構造は先に挙げたものであってよい。
上述するような磁気共鳴イメージング装置300であれば、超電導コイル100の信頼性が向上しており、超電導コイル100が常伝導転移する可能性、すなわち撮影不可となる可能性が抑制されているため、撮影効率を向上させることができる。
また、超電導コイル100が常伝導状態へ転移したとしても、超電導コイル100の効率的な冷却が可能なため、再励磁に要する時間を短縮し磁気共鳴イメージング装置300を早期に再度利用可能な状況へと戻すことができ、撮影効率の向上を図ることが可能である。
なお、上記にて説明した超電導コイル100や超電導磁石装置200、磁気共鳴イメージング装置300は、本発明の実施形態であってこれに現わされた技術思想と同一性を有する範囲において、当業者が材料、部品、構造、寸法等を適宜変更してもよい。また、超電導コイル100や超電導磁石装置200の応用は、磁気共鳴イメージング装置300に限ることなく、例えば超電導磁石装置200を利用したシンクロトロンやサイクロトロンなどの加速器や、発電機の回転子等に適用することも可能である。
100 超電導コイル
11 ボビン
21 中心軸
30 超電導線材
31 エナメル層
32 熱可塑性樹脂
34 コイル巻線
40 冷却板
45 伝熱部材(第1冷却部材)
46 伝熱部材の空隙
47 伝熱部材の開口部
48 絶縁シート
50 絶縁板
55 スリット
111 保護抵抗
112 パワーリード
113 永久電流スイッチ
114 輻射シールド
115 真空容器
200 超電導磁石装置
201 傾斜磁場コイル
202 RFコイル
210 撮影空間
300 磁気共鳴イメージング装置
11 ボビン
21 中心軸
30 超電導線材
31 エナメル層
32 熱可塑性樹脂
34 コイル巻線
40 冷却板
45 伝熱部材(第1冷却部材)
46 伝熱部材の空隙
47 伝熱部材の開口部
48 絶縁シート
50 絶縁板
55 スリット
111 保護抵抗
112 パワーリード
113 永久電流スイッチ
114 輻射シールド
115 真空容器
200 超電導磁石装置
201 傾斜磁場コイル
202 RFコイル
210 撮影空間
300 磁気共鳴イメージング装置
Claims (7)
- 超電導線材がソレノイド状に巻き回されて形成される第1層と、
前記第1層と同軸上、かつ、外径側に前記超電導線がソレノイド状に巻き回されて形成される第2層と、
前記第1層と前記第2層との間に配置され、通液性を有する第1伝熱部材と、
を有し、
前記第1層、前記第2層および前記第1伝熱部材は、前記第1伝熱部材を通過し硬化した熱可塑性樹脂によって固定される
超電導磁石装置。 - 前記第1伝熱部材の通液性は、前記第1伝熱部材に施されたメッシュ構造によって実現される
請求項1に記載の超電導磁石装置。 - 前記第1伝熱部材の通液性は、前記第1伝熱部材に施された前記巻き回しの軸に対して平行に伸びるスリットによって実現される
請求項1に記載の超電導磁石装置。 - 前記第1伝熱部材は、通液性を有するシート状の絶縁部材に挟まれている
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超電導電磁石装置。 - 前記第1層の内径面または前記第2層の外側面に熱的に接触するように配置された第2伝熱部材を有する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超電導磁石装置。 - 前記巻き回しの軸方向において、
前記超電導コイルを挟むように配置され、前記第1層および前記第2層と熱的に接触する第3伝熱部材を有する
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の超電導磁石装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超電導磁石装置と、
前記超電導磁石装置が発生させる磁場に傾斜磁場を重畳する傾斜磁場発生装置と、
前記超電導磁石装置が磁場を発生させる空間に対して高周波を印加する高周波印加装置と、
前記高周波印加装置によって印加された高周波に対する応答信号を取得する受信コイルと、
を備える磁気共鳴イメージング装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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