以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
(1)第1の形態
図1は、本発明の第1の形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)1は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
マグネット2は、被検体15が収容される収容空間21を有している。また、マグネット2は、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、RFコイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場を印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加し、RFコイル24はRFパルスを送信する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
テーブル3は、被検体15を搬送するためのクレードル3aを有している。クレードル3aによって、被検体15は収容空間21に搬送される。
受信コイル4は、被検体15の胸部から腹部に渡って取り付けられており、被検体15からの磁気共鳴信号を受信する。
MRI装置100は、更に、制御部5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、処理装置9、記憶部10、操作部11、表示部12、および信号処理部13などを有している。
制御部5は、処理装置9から、シーケンスで使用されるRFパルスおよび勾配パルスの波形情報や印加タイミングなどを含むデータを受け取る。そして、制御部5は、RFパルスのデータに基づいて送信器6を制御し、勾配パルスのデータに基づいて勾配磁場電源7を制御する。また、制御部5は、クレードル3aの移動の制御なども行う。尚、図1では、制御部5が、送信器6、勾配磁場電源7、クレードル3aなどの制御を行っているが、送信器6、勾配磁場電源7、クレードル3aなどの制御を複数の制御部で行ってもよい。例えば、送信器6および勾配磁場電源7を制御する制御部と、クレードル3aを制御する制御部とを別々に設けてもよい。
送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいて、RFコイル24に電流を供給する。
勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて、勾配コイル23に電流を供給する。
受信器8は、受信コイル4で受信された磁気共鳴信号に対して、検波などの処理を行い、処理装置9に出力する。尚、マグネット2、受信コイル4、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8を合わせたものが、スキャン手段に相当する。
また、被検体15には脈波センサ14が取り付けられている。脈波センサ14は被検体15の心拍情報を検出し、心拍情報を含むアナログ信号を信号処理部13に出力する。信号処理部13は、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換などの信号処理を実行し、心拍情報を含む脈波信号を処理装置9に出力する。
処理装置9は、制御部5および表示部12に必要な情報を伝送したり、受信器8から受け取った信号に基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。記憶部10には、制御部5および処理装置9により実行されるプログラムなどが記憶されている。尚、記憶部10は、ハードディスク、CD−ROMなどの非一過性の記憶媒体であってもよい。処理装置9は、記憶部10に記憶されているプログラムを読み出し、プログラムに記述されている処理を実行するプロセッサとして動作する。処理装置9は、プログラムに記述されている処理を実行することにより、種々の手段を実現する。図2は、処理装置9が実現する手段の説明図である。
画像生成手段91は、後述するスキャンにより得られたデータに基づいて画像を生成する。
領域設定手段92は、肝臓の肺側のエッジの動きを検出するためのナビゲータ領域R1(図6参照)を設定する。
範囲設定手段93は、被検体の撮影部位の範囲を表す撮影範囲R2(図6参照)を設定する。
プロファイル生成手段94は、ナビゲータ領域R1内のSI(Superior-Inferior)方向の各位置と信号強度との関係を表すプロファイルF(図7参照)を生成する。
位置検出手段95は、プロファイル生成手段94により生成されたプロファイルに基づいて、肝臓の肺側のエッジの位置を検出する。位置検出手段95は、検出したエッジの位置を、呼吸信号の信号値として求める。位置検出手段95は、信号値を求める手段に相当する。
ウィンドウ設定手段96は、ウィンドウW(図8参照)を設定する。ウィンドウWについては後述する。
初期値設定手段97は、データ収集セグメントCi(図11参照)の添え字iを初期化する、即ち、i=1に設定する。データ収集セグメントCiについては後述する。
i値判定手段98は、i>1であるかi=1であるかを判定する。
ピーク検出手段99は、脈波信号のピークを検出する。
トリガ発生手段100は、ナビゲータシーケンスおよびデータ収集セグメントを実行するためのトリガを発生する。
信号値判定手段101は、ナビゲータシーケンスにより得られた信号値がウィンドウWに入っているか否かを判定する。信号値判定手段101は第1の判定手段に相当する。
データ収集判定手段102は、画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたか否かを判定する。
インクリメント手段103は、iをインクリメントする。
時間判定手段104は、i−1番目のデータ収集セグメントCi−1が実行されてから、撮影範囲R2(図6参照)内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。時間判定手段104は第2の判定手段に相当する。
MR装置1は、処理装置9を含むコンピュータを備えている。処理装置9は、記憶部10に記憶されているプログラムを読み出すことにより、画像生成手段91〜時間判定手段104などを実現する。尚、処理装置9は、一つのプロセッサで画像生成手段101〜時間判定手段104を実現してもよいし、2つ以上のプロセッサで、画像生成手段101〜時間判定手段104を実現してもよい。また、画像生成手段101〜時間判定手段104のうちの一部の手段を、制御部5で実行できるようにしてもよい。また、処理装置9が実行するプログラムは、一つの記憶部に記憶させておいてもよいし、複数の記憶部に分けて記憶させておいてもよい。
図1に戻って説明を続ける。
操作部11は、オペレータの操作に応じて、種々の命令を処理装置9に入力する。表示部12は種々の情報を表示する。
MR装置1は上記のように構成されている。
図3は、第1の形態で実行されるスキャンの説明図である。
第1の形態では、ローカライザスキャンLS、プレスキャンPS、および本スキャンMSが実行される。以下に、これらのスキャンについて説明する。
ローカライザスキャンLSは、ナビゲータ領域R1(図6参照)などの設定に使用される画像を取得するためのスキャンである。
プレスキャンPSは、後述するウィンドウW(図8参照)を設定するためのスキャンである。ウィンドウについては後述する。
本スキャンMSは、肝臓の画像を取得するためのスキャンである。第1の形態では、本スキャンMSは、3D高速スピンエコー(Fast Spin Echo)法を用いて肝臓のT2強調画像を取得するためのスキャンである。
以下に、ローカライザスキャンLS、プレスキャンPS、および本スキャンMSを実行するときのフローについて説明する。
図4は、肝臓を撮影するためのフローを示す図である。
ステップST1では、ローカライザスキャンLS(図3参照)が実行される。画像生成手段91(図2参照)は、ローカライザスキャンLSにより得られたデータに基づいて、アキシャル画像、サジタル画像、およびコロナル画像を生成する。図5は、ローカライザスキャンLSにより取得された画像LDの一例を概略的に示す図である。図5には、コロナル画像が示されている。ローカライザスキャンLSを実行した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、スキャン条件が設定される。例えば、肝臓の肺側のエッジの動きを検出するためのナビゲータ領域が設定される。図6に、肝臓の肺側のエッジ15aの動きを検出するために設定されたナビゲータ領域R1を概略的に示す。オペレータは、操作部11を操作し、画像LDを参考にして、ナビゲータ領域R1を設定するために必要な情報を入力する。領域設定手段92(図2参照)は、入力された情報に基づいて、ナビゲータ領域R1を設定する。
また、撮影範囲R2も設定される。オペレータは、操作部11を操作し、画像LDを参考にして、撮影範囲R2を設定するために必要な情報を入力する。範囲設定手段93(図2参照)は、入力された情報に基づいて、撮影範囲R2を設定する。第1の形態では、撮影部位は肝臓であるので、肝臓の全体が含まれるように撮影範囲R2が設定される。スキャン条件を設定した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、プレスキャンPSが実行される。
図7は、プレスキャンPSの説明図である。
プレスキャンPSは、被検体の呼吸情報を得るために実行される。具体的には、プレスキャンPSでは、肝臓のエッジ15aの動きを検出するためのナビゲータシーケンスNが繰り返し実行される。ナビゲータシーケンスNは、例えば、ペンシルビーム型のナビゲータシーケンスである。制御部5(図1参照)は、ナビゲータシーケンスNに含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、ナビゲータシーケンスNに含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいてRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて勾配コイル23に電流を供給する。したがって、RFコイル24はRFパルスを印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加する。ナビゲータシーケンスNを実行することにより、ナビゲータ領域R1(図6参照)から、肝臓のエッジ15aの動きを検出するためのMR信号が発生する。このMR信号は受信コイル4(図1参照)で受信される。受信コイル4は、MR信号を受信し、MR信号の情報を含むアナログ信号を出力する。受信器8は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を行い、信号処理により得られたデータを処理装置9に出力する。
処理装置9では、プロファイル生成手段94(図2参照)が、受け取ったデータをフーリエ変換することにより、プロファイルFを生成する。プロファイルFの横軸はナビゲータ領域R1内のSI方向の各位置を表しており、縦軸は各位置の信号強度を表している。ナビゲータシーケンスNは肝臓が高信号となるように設計されている。したがって、プロファイルFの肝臓側は高信号となる。一方、肺は空気を含んでいるので、肺側の信号は低くなる。したがって、プロファイルFは、肺と肝臓との間において、信号強度が急激に変化する。位置検出手段95(図2参照)は、信号強度が急激に変化する位置を、肝臓の肺側のエッジ15aの位置として検出する。図7では、肝臓のエッジ15aの位置が、za、zb、zc、・・・zdで示されている。第1の形態では、検出されたエッジの位置za、zb、zc、・・・zdが、呼吸信号Sresの信号値として用いられる。したがって、プレスキャンPSを実行することにより、被検体15の呼吸信号Sresを得ることができる。
プレスキャンPSを実行した後、ステップST4に進む。
ステップST4では、ウィンドウ設定手段96(図2参照)が、呼吸信号Sresの信号値に基づいてウィンドウWを設定する。図8に、ウィンドウWの一例を示す。ウィンドウWは、本スキャンMSにおいてデータ収集セグメントC1〜CW(後述する図10参照)を実行するための信号値の範囲を表している。以下に、ウィンドウWを設定する方法の一例について簡単に説明する。
ウィンドウ設定手段96は、呼吸信号Sresから、被検体15が息を吐き終わったときの肝臓のエッジ15aの位置Pexを特定する。被検体15が息を吐いている間、エッジ15aの位置はS方向(図6参照)に移動するが、被検体15が息を吸い始めると、エッジ15aの位置はI方向(図6参照)に移動し始める。したがって、呼吸信号Sresの極大値を検出することにより、被検体15が息を吐き終わったときのエッジ15aの位置Pexを特定することができる。位置Pexを特定した後、ウィンドウ設定手段96は、この位置Pexに対して一定の範囲を、ウィンドウWとして設定する。ウィンドウWが本スキャンMSを実行するときにどのように使用されるかについては後述する。ウィンドウWを設定した後、ステップST5に進む。
ステップST5では、本スキャンMSが実行される。尚、本スキャンMSの撮影部位は肝臓である。肝臓は、呼吸により動く臓器である。また、肝臓の左葉は、心臓に近いので、心臓の拍動によって動く。したがって、肝臓は被検体の呼吸と拍動の影響を受ける臓器である。そこで、本スキャンMSでは、呼吸同期と心拍同期とを併用して、シーケンスが実行される。以下、呼吸同期と心拍同期とを併用してシーケンスが実行される本スキャンMSについて説明する。尚、本スキャンMSの説明に当たっては、第1の形態の効果を明確にするために、最初に、第1の形態の方法とは別の方法で本スキャンMSを実行する例について説明する。そして、別の方法で本スキャンMSを実行した場合に生じる問題点を明らかにし、その後に、第1の形態において本スキャンMSを実行する方法を説明する。
図9は、第1の形態の方法とは別の方法で本スキャンMSを実行する例の説明図である。
図9には、本スキャンMS中における被検体15の呼吸信号および脈波信号が概略的に示されている。また、脈波信号の下には、本スキャンMS中に実行されるナビゲータシーケンスN1〜Nxおよびデータ収集セグメントC1〜CXが概略的に示されている。
ナビゲータシーケンスN1〜Nxの各々は、被検体15の肝臓のエッジの位置を検出するためのシーケンスであり、図8に示すナビゲータシーケンスNと同じシーケンスチャートを有している。データ収集セグメントC1〜CXの各々は撮影範囲R2(図6参照)のイメージングデータを収集するために実行されるセグメントである。
図9では、先ず、脈波信号のピークP1に同期してナビゲータシーケンスN1が実行され、ナビゲータシーケンスN1の直後に、撮影範囲R2のイメージングデータを収集するためのデータ収集セグメントC1が実行される。以下同様に、脈波信号のピークが発生するたびに、ナビゲータシーケンスおよびデータ収集セグメントが実行される。図9では、脈波信号のピークに同期してナビゲータシーケンスN1〜Nxおよびデータ収集セグメントC1〜CXが実行された例が示されている。
また、ナビゲータシーケンスを実行するたびに、ナビゲータシーケンスにより得られたデータに基づいて、肝臓のエッジの位置を検出する。図9では、ナビゲータシーケンスN1〜Nxにより検出された肝臓のエッジの位置を表す信号値がz1〜zxで示されている。図9に示す方法では、信号値z1〜zxの各々がウィンドウWに入っているか否かを判定する。信号値がウィンドウWに入っている場合、データ収集セグメントにより得られたk空間のデータは画像再構成用のデータとして受け入れられる。一方、信号値がウィンドウWに入っていない場合、データ収集セグメントにより得られたk空間のデータは画像再構成用のデータとして受け入れられず、破棄される。データが破棄された場合、信号値がウィンドウW内に入ったと判定されるまで、データは取り直される。したがって、信号値がウィンドウWに入ったときに得られたk空間のデータのみが画像再構成用のデータとして受け入れられるので、体動アーチファクトが低減された画像を得ることができる。
ただし、第1の形態では、T2強調画像を取得するためのスキャンを実行することを考えている。T2強調画像を得る場合、データ収集セグメントを実行した後、撮影範囲R2内の組織が十分にT1回復してから、次のデータ収集セグメントを実行する必要がある。したがって、T2強調画像を取得するためのスキャンを実行する場合、データ収集セグメントと次のデータ収集セグメントとの間の時間間隔TWはできるだけ長くする必要がある。例えば、TW=2秒程度にする必要がある。しかし、図9の方法では、脈波信号のピークが発生するたびにデータ収集セグメントが実行される。したがって、データ収集セグメントを実行してから、次のデータ収集セグメントが実行されるまでの時間間隔TWは、TW=0.8〜1.2秒程度の値となる。このため、図9の方法では、データ収集セグメントを実行した後、撮影範囲R2内の各組織が十分にT1回復する前に、次のデータ収集セグメントが実行されるので、各組織のT2値の違いを反映した高品質なT2強調画像を得ることが難しいという問題がある。
そこで、第1の形態では、高品質なT2強調画像を得ることができるように本スキャンMSを実行している。以下に、第1の形態における本スキャンMSの実行方法について説明する。
図10は、第1の形態における本スキャンMSの説明図である。
図10には、本スキャンMS中における被検体15の呼吸信号および脈波信号が概略的に示されている。また、脈波信号の下には、本スキャンMS中に実行されるナビゲータシーケンスN1〜Nvおよびデータ収集セグメントC1〜CWが概略的に示されている。
ナビゲータシーケンスN1〜Nvの各々は、被検体15の肝臓のエッジの位置を検出するためのシーケンスであり、図8に示すナビゲータシーケンスNと同じシーケンスチャートを有している。データ収集セグメントC1〜CWの各々は撮影範囲R2のイメージングデータを収集するために実行されるセグメントである。以下に、データ収集セグメントについて説明する。
図11は、データ収集セグメントC1〜CWの説明図である。
図11では、データ収集セグメントC1、C2、C3、・・・CWのうちの一つのデータ収集セグメントをCiで表している。Ciの添え字iは、1〜wのうちのいずれかの値を表している。したがって、例えば、i=1の場合、データ収集セグメントCiは、データ収集セグメントC1を表しており、i=wの場合、データ収集セグメントCiは、データ収集セグメントCWを表している。
第1の形態では、データ収集セグメントCiは、3D FSE(高速スピンエコー)法を用いて撮影範囲R2(撮影部位)のイメージングデータを収集するためのイメージングシーケンスISである。イメージングデータは、k空間の一部の領域のデータを表している。したがって、データ収集セグメントCiを一回実行することにより、k空間の一部の領域のデータが収集される。第1の形態では、データ収集セグメントC1〜CWを実行することにより、撮影範囲R2(撮影部位)の画像再構成に必要なk空間の全領域のデータを得ることができる。
次に、図10とともに図12を参照しながら、ステップST5において本スキャンMSがどのようにして実行されるかについて説明する。
図12は、本スキャンMSにおいて実行される処理の流れを示す図である。
ステップST51では、初期値設定手段97(図2参照)が、データ収集セグメントCiの添え字iを初期化する。即ち、初期値設定手段97は、i=1に設定する。i=1に設定した後、ステップST52に進む。
ステップST52では、i値判定手段98(図2参照)が、i>1であるかi=1であるかを判定する。i>1の場合ステップST57に進み、一方、i=1の場合ステップST53に進む。ここでは、i=1であるので、ステップST53に進む。
ステップST53では、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。信号処理部13(図1参照)は、脈波センサ14から、心拍情報を含むアナログ信号を受け取り、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換などの信号処理を実行し、心拍情報を含む脈波信号を処理装置9に送信する。処理装置9では、ピーク検出手段99(図2参照)が、信号処理部13から受け取ったデジタル信号に基づいて、脈波信号のピークを検出する。図10では、時点t1においてピークP1が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t1においてピークP1を検出する。ピークが検出されたら、ステップST54に進む。
ステップST54では、トリガ発生手段100(図2参照)が、ピーク検出手段99により検出されたピークP1に同期して、ナビゲータシーケンスN1を実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、ナビゲータシーケンスN1に含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、ナビゲータシーケンスN1に含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいてRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて勾配コイル23に電流を供給する。したがって、RFコイル24はRFパルスを印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加するので、ナビゲータシーケンスN1が実行される。ナビゲータシーケンスN1を実行することにより、ナビゲータ領域R1(図6参照)から、肝臓のエッジ15aの動きを検出するためのMR信号が発生する。このMR信号は受信コイル4(図1参照)で受信される。受信コイル4は、MR信号を受信し、MR信号の情報を含むアナログ信号を出力する。受信器8は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を行い、信号処理により得られたデータを処理装置9に出力する。
処理装置9では、プロファイル生成手段94が、受け取ったデータをフーリエ変換する。したがって、ナビゲータ領域R1内のSI方向(Z方向)の各位置と信号強度との関係を表すプロファイルF(図示せず)を生成することができる。プロファイルFを生成した後、ステップST55に進む。
ステップST55では、位置検出手段95が、プロファイルFに基づいて、ナビゲータシーケンスN1を実行したときの肝臓のエッジの位置z1を検出する。検出された肝臓のエッジの位置z1は、本スキャンMSにおいてナビゲータシーケンスN1が実行されたときの呼吸信号の信号値z1を表している。呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z1を検出した後、ステップST56に進む。
ステップST56では、信号値判定手段101(図2参照)が、信号値z1がウィンドウWに入っているか否かを判定する。信号値z1がウィンドウW内に入っている場合、これは、1番目のデータ収集セグメントC1を実行できるタイミングであることを意味する。したがって、信号値z1がウィンドウW内に入っていると判定された場合、ステップST59に進む。
一方、信号値z1がウィンドウW内に入っていない場合、これは、1番目のデータ収集セグメントC1を実行できるタイミングではないことを意味する。したがって、信号値z1がウィンドウW内に入っていないと判定された場合、ステップST53に戻る。ここでは、信号値z1はウィンドウW内に入っていない。したがって、ステップST53に戻る。
ステップST53では、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図10では、時点t2においてピークP2が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t2においてピークP2を検出する。ピークが検出されたら、ステップST54に進む。
ステップST54では、トリガ発生手段100が、ピーク検出手段99により検出されたピークP2に同期して、ナビゲータシーケンスN2を実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、ナビゲータシーケンスN2に含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、ナビゲータシーケンスN2に含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。したがって、ナビゲータシーケンスN2が実行される。ナビゲータシーケンスN2を実行することにより得られたデータは、処理装置9に出力される。
処理装置9では、プロファイル生成手段94が、受け取ったデータをフーリエ変換する。したがって、ナビゲータ領域R1内のSI方向(Z方向)の各位置と信号強度との関係を表すプロファイルF(図示せず)を生成することができる。プロファイルFを生成した後、ステップST55に進む。
ステップST55では、位置検出手段95が、プロファイルFに基づいて、ナビゲータシーケンスN2を実行したときの肝臓のエッジの位置z2を検出する。検出された肝臓のエッジの位置z2は、本スキャンMSにおいてナビゲータシーケンスN2が実行されたときの呼吸信号の信号値z2を表している。呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z2を検出した後、ステップST56に進む。
ステップST56では、信号値判定手段101が、信号値z2がウィンドウWに入っているか否かを判定する。ここでは、信号値z2はウィンドウW内に入っていないので、再びステップST53に戻る。
以下同様に、ステップST56において、呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)がウィンドウWに入っていると判定されるまで、ステップST53、ST54、ST55、およびST56のループが繰り返し実行される。第1の形態では、ナビゲータシーケンスN3を実行したときの呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z3がウィンドウWに入っている。したがって、ステップST56において、信号値判定手段101は、呼吸信号の信号値z3がウィンドウWに入っていると判定する。これは、1番目のデータ収集セグメントC1を実行できるタイミングであることを意味しているので、ステップST59に進む。
ステップST59では、トリガ発生手段100が、データ収集セグメントCiを実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、データ収集セグメントCiに含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、データ収集セグメントCiに含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいてRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて勾配コイル23に電流を供給する。したがって、データ収集セグメントCiが実行される。ここではi=1であるので、実行されるデータ収集セグメントは「C1」で示されている。データ収集セグメントC1は、ナビゲータシーケンスN3の直後に実行される。データ収集セグメントC1を実行することにより、撮影範囲R2のイメージングデータが収集される。データ収集セグメントC1を実行した後、ステップST60に進む。
ステップST60では、データ収集判定手段102(図2参照)が、画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたか否かを判定する。全データが収集された場合フローが終了し、全データがまだ収集されていない場合は、ステップST61に進む。ここでは、全データはまだ収集されていないので、ステップST61に進む。
ステップST61では、インクリメント手段103(図2参照)が、iをインクリメントする。ここでは、i=1からi=2にインクリメントされる。iをインクリメントしたら、ステップST52に戻る。
ステップST52では、i値判定手段98が、i>1であるかi=1であるかを判定する。ここでは、ステップST61において、i=2に設定されたので、i>1である。したがって、ステップST57に進む。
ステップST57では、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図10では、時点t4においてピークP4が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t4においてピークP4を検出する。ピークが検出されたら、ステップST58に進む。
ステップST58では、時間判定手段104(図2参照)が、i−1番目のデータ収集セグメントCi−1が実行されてから、撮影範囲R2内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。ここでは、i=2に設定されているので、時間判定手段104は、1番目のデータ収集セグメントC1が実行されてから、撮影範囲R2内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。以下に、T1回復しているか否かを判定する理由について説明する。
第1の形態で実行されるイメージングシーケンスIS(図11参照)は、T2強調画像を得るためのシーケンスである。T2強調画像を得る場合、i−1番目のデータ収集セグメントCi−1を実行した後、撮影範囲R2内の組織が十分にT1回復しないうちに、次のi番目のデータ収集セグメントCiを実行してしまうと、各組織のT2値の違いを反映した高品質なT2強調画像を得ることができないという問題がある。そこで、第1の形態では、i(>1)番目のデータ収集セグメントCiを実行する前に、i−1番目のデータ収集セグメントCi−1が実行されてから、撮影範囲R2の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。
撮影範囲R2内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する方法としては、いくつかの方法が考えられる。第1の形態では、時間判定手段104は、i−1番目のデータ収集セグメントCi−1の直前に実行されたナビゲータシーケンスの実行開始時点から、i−1番目のデータ収集セグメントCi−1の後に検出された脈波信号のピークの発生時点までの時間Hを算出し、この時間Hと所定の時間H0とを比較する。所定の時間H0は、T1回復に必要な時間が経過したか否かを判定するための基準となる時間であり、H0は、例えば、H0=2秒である。時間判定手段104は、時間Hと所定の時間H0との比較結果に基づいて、T1回復に必要な時間が経過したか否かを判定する。ここでは、i=2であるので、時間判定手段104は、1番目のデータ収集セグメントC1の直前に実行されたナビゲータシーケンスN3の実行開始時点t31から、1番目のデータ収集セグメントC1の後に検出された脈波信号のピークP4の発生時点t4までの時間H=H1を算出する。そして、時間判定手段104は、この時間H1が所定の時間H0以上の場合(H1≧H0)、T1回復に必要な時間が経過したと判定し、一方、時間H1が所定の時間H0より小さい場合(H1<H0)、T1回復に必要な時間が経過していないと判定する。ここでは、H1<H0である。したがって、データ収集セグメントC1が実行されてからT1回復に必要な時間が経過していないと判定されるので、ステップST57に戻る。
ステップST57では、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図10では、時点t5においてピークP5が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t5においてピークP5を検出する。ピークが検出されたら、ステップST58に進む。
ステップST58では、時間判定手段104が、1番目のデータ収集セグメントC1が実行されてから、撮影範囲R2内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。
時間判定手段104は、ナビゲータシーケンスN3の実行開始時点t31から、脈波信号のピークP5の発生時点t5までの時間H2を算出し、この時間H2を所定の時間H0と比較する。H2≧H0の場合、T1回復に必要な時間が経過したと判定し、H2<H0以下の場合、T1回復に必要な時間が経過していないと判定する。ここでは、H2<H0である。したがって、再びステップST57に戻る。
以下同様に、ステップST58において、T1回復に必要な時間が経過したと判定されるまで、ステップST57およびST58のループが繰り返し実行される。ピークP5の後、ピークP6が発生するので、時間判定手段104は、ナビゲータシーケンスN3の実行開始時点t31から、脈波信号のピークP6の発生時点t6までの時間H3を算出する。そして、時間判定手段104は、時間H3と所定の時間H0とを比較する。ここでは、H3≧H0である。したがって、T1回復に必要な時間が経過したと判定され、ステップST54に進む。
ステップST54では、トリガ発生手段100が、ピーク検出手段99により検出されたピークP6に同期して、ナビゲータシーケンスN4を実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、ナビゲータシーケンスN4に含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、ナビゲータシーケンスN4に含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。したがって、ナビゲータシーケンスN4が実行される。ナビゲータシーケンスN4を実行することにより得られたデータに基づいて、プロファイルF(図示せず)が生成される。プロファイルFを生成した後、ステップST55に進む。
ステップST55では、位置検出手段95が、プロファイルFに基づいて、ナビゲータシーケンスN4を実行したときの肝臓のエッジの位置z4を検出する。検出された肝臓のエッジの位置z4は、本スキャンMSにおいてナビゲータシーケンスN4が実行されたときの呼吸信号の信号値z4を表している。呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z4を検出した後、ステップST56に進む。
ステップST56では、信号値判定手段101が、信号値z4がウィンドウWに入っているか否かを判定する。ここでは、信号値z4はウィンドウW内に入っていないので、再びステップST53に戻る。
ステップST53では、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図10では、時点t7においてピークP7が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t7においてピークP7が発生したと判定する。ピークが発生したと判定されたら、ステップST54に進む。
ステップST54では、ピークP7に同期して、ナビゲータシーケンスN5が実行される。そして、ナビゲータシーケンスN5を実行することにより得られたデータに基づいて、プロファイルF(図示せず)が生成される。プロファイルFを生成した後、ステップST55に進む。
ステップST55では、位置検出手段95が、プロファイルFに基づいて、ナビゲータシーケンスN5を実行したときの肝臓のエッジの位置z5を検出する。検出された肝臓のエッジの位置z5は、本スキャンMSにおいてナビゲータシーケンスN5が実行されたときの呼吸信号の信号値z5を表している。呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z5を検出した後、ステップST56に進む。
ステップST56では、信号値判定手段101が、信号値z5がウィンドウWに入っているか否かを判定する。ここでは、信号値z5はウィンドウW内に入っていないので、再びステップST53に戻る。
以下同様に、ステップST56において、呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)がウィンドウWに入っていると判定されるまで、ステップST53、ST54、ST55、およびST56のループが繰り返し実行される。第1の形態では、ナビゲータシーケンスN7を実行したときの呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z7がウィンドウWに入っている。したがって、ステップST56において、信号値判定手段101は、呼吸信号の信号値z7がウィンドウWに入っていると判定する。呼吸信号の信号値z7がウィンドウWに入っていると判定されると、ステップST59に進む。
ステップST59では、トリガ発生手段100が、撮影範囲R2のイメージングデータを収集するためのデータ収集セグメントCiを実行するためのトリガを発生する。ここではi=2であるので、データ収集セグメントC2が実行される。データ収集セグメントC2は、ナビゲータシーケンスN7の直後に実行される。データ収集セグメントC2を実行することにより、撮影範囲R2のイメージングデータが収集される。データ収集セグメントC2を実行した後、ステップST60に進む。
ステップST60では、データ収集判定手段102が、画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたか否かを判定する。ここでは、全データはまだ収集されていないので、ステップST61に進む。
ステップST61では、インクリメント手段103が、iをインクリメントする。ここでは、i=2からi=3にインクリメントされる。iをインクリメントしたら、ステップST52に戻る。
ステップST52では、信号値判定手段101が、i>1であるかi=1であるかを判定する。ここでは、ステップST61において、i=3に設定されたので、i>1である。したがって、ステップST57に進む。
ステップST57では、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図10では、時点t10においてピークP10が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t10においてピークP10を検出する。ピークが検出されたら、ステップST58に進む。
ステップST58では、時間判定手段104が、i−1番目のデータ収集セグメントCi−1が実行されてから、撮影範囲R2内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。ここでは、i=3に設定されているので、時間判定手段104は、2番目のデータ収集セグメントC2が実行されてから、撮影範囲R2内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。
時間判定手段104は、ナビゲータシーケンスN7の実行開始時点t91から、脈波信号のピークP10の発生時点t10までの時間H4を算出し、この時間H4を所定の時間H0と比較する。H4≧H0の場合、T1回復に必要な時間が経過したと判定し、H4<H0以下の場合、T1回復に必要な時間が経過していないと判定する。ここでは、H4<H0である。したがって、再びステップST57に戻る。
以下同様に、ステップST58において、T1回復に必要な時間が経過したと判定されるまで、ステップST57およびST58のループが繰り返し実行される。図10では、時間H6(ナビゲータシーケンスN7の実行開始時点t91から、脈波信号のピークP12の発生時点t12までの時間)とH0とを比較すると、H6≧H0である。したがって、T1回復に必要な時間が経過したと判定され、ステップST54に進む。
ステップST54では、トリガ発生手段100が、ピーク検出手段99により検出されたピークP12に同期して、ナビゲータシーケンスN8を実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、ナビゲータシーケンスN8に含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、ナビゲータシーケンスN8に含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。したがって、ナビゲータシーケンスN8が実行される。ナビゲータシーケンスN8を実行することにより得られたデータに基づいて、プロファイルF(図示せず)が生成される。プロファイルFを生成した後、ステップST55に進む。
ステップST55では、位置検出手段95が、プロファイルFに基づいて、ナビゲータシーケンスN8を実行したときの肝臓のエッジの位置z8を検出する。検出された肝臓のエッジの位置z8は、本スキャンMSにおいてナビゲータシーケンスN8が実行されたときの呼吸信号の信号値z8を表している。呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z8を検出した後、ステップST56に進む。
ステップST56では、信号値判定手段101が、信号値z8がウィンドウWに入っているか否かを判定する。ここでは、信号値z8はウィンドウW内に入っていないので、再びステップST53に戻る。
ステップSTでは、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図10では、時点t13においてピークP13が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t13においてピークP13が発生したと判定する。ピークが発生したと判定されたら、ステップST54に進む。
ステップST54では、ピークP13に同期して、ナビゲータシーケンスN9が実行される。ナビゲータシーケンスN9を実行することにより得られたデータに基づいて、プロファイルF(図示せず)が生成される。プロファイルFを生成した後、ステップST55に進む。
ステップST55では、位置検出手段95が、プロファイルFに基づいて、ナビゲータシーケンスN9を実行したときの肝臓のエッジの位置z9を検出する。検出された肝臓のエッジの位置z9は、本スキャンMSにおいてナビゲータシーケンスN9が実行されたときの呼吸信号の信号値z9を表している。呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z9を検出した後、ステップST56に進む。
ステップST56では、初期値設定手段97が、信号値z9がウィンドウWに入っているか否かを判定する。ここでは、信号値z9はウィンドウW内に入っていないので、再びステップST53に戻る。
以下同様に、ステップST56において、呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)がウィンドウWに入っていると判定されるまで、ステップST53、ST54、ST55、およびST56のループが繰り返し実行される。第1の形態では、ナビゲータシーケンスN10を実行したときの呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z10がウィンドウWに入っている。したがって、ステップST56において、初期値設定手段97は、呼吸信号の信号値z10がウィンドウWに入っていると判定する。呼吸信号の信号値z10がウィンドウWに入っていると判定されると、ステップST59に進む。
ステップST59では、トリガ発生手段100が、撮影範囲R2のイメージングデータを収集するためのデータ収集セグメントCiを実行するためのトリガを発生する。ここではi=3であるので、データ収集セグメントC3が実行される。データ収集セグメントC3は、ナビゲータシーケンスN10の直後に実行される。データ収集セグメントC3を実行することにより、撮影範囲R2のイメージングデータが収集される。データ収集セグメントC3を実行した後、ステップST60に進む。
ステップST60では、データ収集判定手段102が、画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたか否かを判定する。ここでは、全データはまだ収集されていないので、ステップST61に進む。
ステップST61では、インクリメント手段103が、iをインクリメントする。ここでは、i=3からi=4にインクリメントされる。iをインクリメントしたら、ステップST52に戻る。
以下同様に、ステップST60において、撮影範囲R2の画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたと判定されるまで、ステップST52〜ST61のループが繰り返し実行される。ここでは、データ収集シーケンスCWが実行されることにより、k空間の全データが収集されたとする。したがって、ステップST59においてデータ収集シーケンスCWが実行された後、ステップST60において、全データが収集されたと判定される。画像生成手段91は、データ収集セグメントC1〜CWにより得られたデータに基づいて、撮影範囲R2の画像を再構成する。このようにして、フローが終了する。
第1の形態では、i番目のデータ収集セグメントCiを実行する前に、i−1番目のデータ収集セグメントCi−1が実行されてから、撮影部位の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かが判定される。T1回復に必要な時間が経過していないと判定された場合、i番目のデータ収集セグメントCiを実行せずに、脈波信号の次のピークが発生するのを待つ。そして、次のピークが発生したら、T1回復に必要な時間が経過したか否かを再度判定し、T1回復に必要な時間が経過していないと判定された場合、i番目のデータ収集セグメントCiを実行せずに、脈波信号の次のピークが発生するのを待つ。したがって、T1回復に必要な時間が経過する前に、i番目のデータ収集セグメントCiが実行されることを回避できるので、各組織のT2値の違いを反映した高品質なT2強調画像を得ることができる。
第1の形態では、ステップST58において、T1回復に必要な時間が経過したと判定されるまでは、ナビゲータシーケンスを実行せずに、脈波信号のピークが発生するのを待っている。しかし、T1回復に必要な時間が経過したと判定される前に、ナビゲータシーケンスを実行してもよい。図13は、T1回復に必要な時間が経過したと判定される前に、ナビゲータシーケンスを実行した例を示す図である。図13の本スキャンMSは、図10の本スキャンMSとは異なり、脈波信号のピークP1〜Pyの各々に同期してナビゲータシーケンスが実行されている。しかし、図13の本スキャンMSは、図10の本スキャンMSと同じタイミングで、データ収集セグメントCiが実行されているので、高品質な画像を得ることができる。
尚、第1の形態では、i−1番目のデータ収集セグメントCi−1の直前に実行されたナビゲータシーケンスの実行開始時点から心拍信号のピークの発生時点までの時間Hを算出し、時間Hと所定の時間H0とを比較結果に基づいて、T1回復に必要な時間が経過したか否かを判定している。しかし、時間Hの代わりに、別の時間H’を算出し、時間H’と所定の時間H0との比較結果に基づいて、T1回復に必要な時間が経過したか否かを判定してもよい。図14に別の時間H’の一例を示す。図14では、別の時間H’は、i−1番目のデータ収集シーケンスCi−1の実行開始時点から心拍信号のピークの発生時点までの時間に設定されている。このように、T1回復に必要な時間が経過したか否かを判定することができるのであれば、時間Hの代わりに、時間H’を算出してもよい。更に、時間H’は、図14とは他の例として、例えば、ナビゲータシーケンスの実行終了時点から心拍信号のピークの発生時点までの時間とすることもできる。
(2)第2の形態
第2の形態のMR装置は、第1の形態のMR装置と比較すると、処理装置9で実行される処理が異なるが、その他の構成は第1の形態と同じである。したがって、第2の系チアのMR装置については、処理装置9について主に説明する。
図15は、第2の形態の処理装置9の説明図である。
画像生成手段91は、スキャンにより得られたデータに基づいて画像を生成する。
領域設定手段92は、ナビゲータ領域R1(図16参照)を設定する。
スライス設定手段921は、撮影部位にスライス(図16参照)を設定する。
グループ化手段922は、スライス設定手段921により設定されたスライスを、複数のグループに分ける。
プロファイル生成手段94は、ナビゲータ領域R1内のSI方向の各位置と信号強度との関係を表すプロファイルFを生成する。
位置検出手段95は、プロファイル生成手段94により生成されたプロファイルに基づいて、肝臓の肺側のエッジの位置を検出する。位置検出手段95は、検出したエッジの位置を、呼吸信号の信号値として求める。位置検出手段95は、信号値を求める手段に相当する。
ウィンドウ設定手段96は、呼吸信号の信号値に基づいて、後述するデータ収集セグメントAiおよびBjを実行するための信号値の範囲を表すウィンドウW(図8参照)を設定する。
初期値設定手段97は、データ収集セグメントAiの添え字iと、データ収集セグメントBjの添え字jとを初期化する、即ち、i=1およびj=1に設定する。データ収集セグメントAiおよびBjについては後述する。
決定手段961は、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータを収集するか、それとも、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータを収集するかを決定する。グループGaおよびGbについては後述する。
ij値判定手段971は、i>1であるかi=1であるかを判定するとともに、j>1であるかj=1であるかを判定する。
ピーク検出手段99は、脈波信号のピークを検出する。
トリガ発生手段100は、ナビゲータシーケンスおよびデータ収集セグメントを実行するためのトリガを発生する。
信号値判定手段101は、ナビゲータシーケンスにより得られた信号値がウィンドウWに入っているか否かを判定する。
データ収集判定手段102は、画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたか否かを判定する。
インクリメント手段103は、iおよびjをインクリメントする。
時間判定手段104は、i−1番目のデータ収集セグメントAi−1が実行されてから、偶数番号のスライス#2〜#2m(図19参照)内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。また、時間判定手段104は、j−1番目のデータ収集セグメントBj−1が実行されてから、奇数番号のスライス#1〜#2m−1(図19参照)内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。
処理装置9は、記憶部10に記憶されているプログラムを読み出すことにより、図15に示す各手段を実現する。尚、処理装置9は、図15に示す複数の手段を一つのプロセッサで実現してもよいし、2つ以上のプロセッサで実現してもよい。また、図15に示す複数の手段のうちの一部の手段を、制御部5で実行できるようにしてもよい。
次に、第2の形態において画像を取得する方法について、第1の形態と同様に、図4のフローを参照しながら説明する。
ステップST1では、ローカライザスキャンLSが実行される。ローカライザスキャンLSを実行することにより、画像LD(図5参照)が得られる。ローカライザスキャンLSを実行した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、スキャン条件が設定される。第2の形態でも、第1の形態と同様に、ナビゲータ領域R1が設定される。図16に、ナビゲータ領域R1が概略的に示されている。
また、オペレータは、その他のスキャン条件も設定する。例えば、スライスが設定される。図16に、設定されたスライス#1〜#2mが概略的に示されている。オペレータは、操作部11を操作し、画像LDを参考にして、スライス#1〜#2mを設定するために必要な情報を入力する。スライス設定手段921(図15参照)は、入力された情報に基づいて、スライス#1〜#2mを設定する。第2の形態では、肝臓を撮影するので、肝臓を含む撮影部位にスライス#1〜#2mが設定される。
また、グループ化手段922(図15参照)は、スライス#1〜#2mを複数のグループに分ける。図17は、グループ分けされたスライスを示す図である。第2の形態では、スライス#1〜#2mを、2つのグループGaおよびGbに分ける。グループGaは、偶数番号のスライス#2〜#2mを含んでおり、一方、グループGbは、奇数番号のスライス#1〜#2m−1を含んでいる。グループGaは、後述するデータ収集シーケンスAi(図19参照)でデータ収集されるグループであり、グループGbは、後述するデータ収集シーケンスBj(図19参照)でデータ収集されるグループである。グループGaおよびGbのデータを収集する方法については、後で詳しく説明する。スキャン条件を設定した後、ステップST3に進む。
ステップST3およびST4は、第1の形態と同じである。したがって、ウィンドウW(図8参照)が設定される。ウィンドウWを設定した後、ステップST5に進む。
ステップST5では、本スキャンMSが実行される。図18は、本スキャンMSの説明図である。
図18には、本スキャンMS中における被検体15の呼吸信号および脈波信号が概略的に示されている。また、脈波信号の下には、本スキャンMS中に実行されるナビゲータシーケンスN1〜Ntおよびデータ収集セグメントA1〜AhおよびB1〜Bhが概略的に示されている。
ナビゲータシーケンスN1〜Ntは、被検体15の肝臓のエッジの位置を検出するためのシーケンスであり、図8に示すナビゲータシーケンスNと同じシーケンスチャートを有している。データ収集セグメントA1、A2、A3、・・・Ahは、グループGa(図17参照)のスライスのイメージングデータを収集するために実行されるセグメントであり、データ収集セグメントB1、B2、B3、・・・Bhは、グループGb(図17参照)のスライスのイメージングデータを収集するために実行されるセグメントである。以下に、データ収集セグメントについて説明する。
図19は、データ収集セグメントの説明図である。
先ず、データ収集セグメントA1、A2、A3、・・・Ahについて説明する。
図19では、データ収集セグメントA1、A2、A3、・・・Ahのうちの一つのデータ収集セグメントをAiで表している。Aiの添え字iは、1〜hのうちのいずれかの値を表している。したがって、例えば、i=1の場合、データ収集セグメントAiは、データ収集セグメントA1を表しており、i=hの場合、データ収集セグメントAiは、データ収集セグメントAhを表している。
データ収集セグメントAiは、偶数番号のスライス#2〜#2mのイメージングデータを収集するためのイメージングシーケンスIS2、IS4、・・・IS2mを含んでいる。第2の形態では、イメージングシーケンスIS2、IS4、・・・IS2mは、それぞれ、偶数番号のスライス#2、#4、・・・#2mの拡散強調画像のイメージングデータを収集するための2Dシーケンスである。イメージングシーケンスIS2、IS4、・・・IS2mの各々を実行することにより収集されるイメージングデータは、対応する偶数番号のスライスのk空間の一部のデータを表している。例えば、イメージングシーケンスIS2を実行することにより収集されるイメージングデータは、偶数番号のスライス#2のk空間の一部のデータを表しており、イメージングシーケンスIS2mを実行することにより収集されるイメージングデータは、偶数番号のスライス#2mのk空間の一部のデータを表している。したがって、データ収集セグメントAiを一回実行することにより、偶数番号の各スライスのk空間の一部の領域のデータが収集される。また、データ収集セグメントAiのイメージングシーケンスIS2、IS4、・・・IS2mの位相エンコード勾配パルスの大きさは、iの値に応じて変化するように設定されている。第2の形態では、データ収集セグメントA1〜Ahを実行することにより、偶数番号のスライス#2〜#2mの画像再構成に必要なk空間の全領域のデータを得ることができる。
次に、データ収集セグメントB1、B2、B3、・・・Bhについて説明する。
図19では、データ収集セグメントB1、B2、B3、・・・Bhのうちの一つのデータ収集セグメントをBjで表している。Bjの添え字jは、1〜hのうちのいずれかの値を表している。したがって、例えば、j=1の場合、データ収集セグメントBjは、データ収集セグメントB1を表しており、j=hの場合、データ収集セグメントBjは、データ収集セグメントBhを表している。
データ収集セグメントBjは、奇数番号のスライス#1〜#2m−1のイメージングデータを収集するためのイメージングシーケンスIS1、IS3、・・・IS2m−1を含んでいる。第2の形態では、イメージングシーケンスIS1、IS3、・・・IS2m−1は、それぞれ、奇数番号のスライス#1、#3、・・・#2m−1の拡散強調画像のイメージングデータを収集するための2Dシーケンスである。イメージングシーケンスIS1、IS3、・・・IS2m−1の各々を実行することにより収集されるイメージングデータは、対応する奇数番号のスライスのk空間の一部のデータを表している。例えば、イメージングシーケンスIS1を実行することにより収集されるイメージングデータは、奇数番号のスライス#1のk空間の一部のデータを表しており、イメージングシーケンスIS2m−1を実行することにより収集されるイメージングデータは、奇数番号のスライス#2m−1のk空間の一部のデータを表している。したがって、データ収集セグメントBjを一回実行することにより、奇数番号の各スライスのk空間の一部の領域のデータが収集される。また、データ収集セグメントBjのイメージングシーケンスIS1、IS3、・・・IS2m−1の位相エンコード勾配パルスの大きさは、jの値に応じて変化するように設定されている。第2の形態では、データ収集セグメントB1〜Bhを実行することにより、奇数番号のスライス#1〜#2m−1の画像再構成に必要なk空間の全領域のデータを得ることができる。
第2の形態では、データ収集セグメントAiとデータ収集セグメントBjが交互に実行される。
次に、図18とともに図20を参照しながら、本スキャンMSがどのようにして実行されるかについて説明する。
図20は、本スキャンMSにおいて実行される処理の流れを示す図である。
ステップST510では、初期値設定手段97(図15参照)が、データ収集セグメントAiの添え字iと、データ収集セグメントBjの添え字jとを初期化する。即ち、初期値設定手段97は、i=1およびj=1に設定する。i=1、j=1に設定した後、ステップST520に進む。
ステップST520では、決定手段961(図15参照)が、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータを収集するか、それとも、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータを収集するかを決定する。グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータを収集すると決定した場合、ステップST530に進み、一方、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータを収集すると決定した場合、ステップST540に進む。ここでは、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータを収集すると決定したとする。したがって、ステップST530に進む。
ステップST530では、i番目のデータ収集セグメントAi(グループGaのイメージングデータを収集するためのセグメント)を実行するタイミングを見つけるための処理を実行する。ここでは、i=1であるので、1番目のデータ収集セグメントA1を実行するタイミングを見つけるための処理を実行する。ステップST530は、ステップST52a〜ST58aを有している。以下、各ステップST52a〜ST58aについて説明する。
ステップST52aでは、ij値判定手段971(図15参照)が、i>1であるかi=1であるかを判定する。i>1の場合ステップST57aに進み、一方、i=1の場合ステップST53aに進む。ここでは、i=1であるので、ステップST53aに進む。
ステップST53a〜ST56aは、第1の形態のステップST53〜ST56と同じである。したがって、ステップST56aにおいて、呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)がウィンドウWに入っていると判定されるまで、ステップST53a、ST54a、ST55a、およびST56aのループが繰り返し実行される。第2の形態では、ナビゲータシーケンスN3を実行したときの呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z3がウィンドウWに入っている。したがって、ステップST56aにおいて、信号値判定手段101(図15参照)は、呼吸信号の信号値z3がウィンドウWに入っていると判定する。これは、1番目のデータ収集セグメントA1を実行できるタイミングであることを意味しているので、ステップST550に進む。
ステップST550では、トリガ発生手段100(図15参照)が、データ収集セグメントAiを実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、データ収集セグメントAiに含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、データ収集セグメントAiに含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいてRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて勾配コイル23に電流を供給する。したがって、データ収集セグメントAiが実行される。ここではi=1であるので、実行されるデータ収集セグメントは「A1」で示されている。データ収集セグメントA1は、ナビゲータシーケンスN3の直後に実行される。データ収集セグメントA1を実行することにより、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータが収集される。データ収集セグメントA1を実行した後、ステップST570に進む。
ステップST570では、データ収集判定手段102(図15参照)が、画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたか否かを判定する。全データが収集された場合フローが終了し、全データがまだ収集されていない場合は、ステップST580に進む。ここでは、全データはまだ収集されていないので、ステップST580に進む。
ステップST580では、インクリメント手段103(図15参照)が、i又はjをインクリメントする。データ収集セグメントAiが実行された場合、インクリメント手段103は、iをインクリメントし、データ収集セグメントBjが実行された場合、インクリメント手段103は、jをインクリメントする。ここでは、データ収集セグメントAi(i=1)が実行されたので、インクリメント手段103は、iをインクリメントする。iは、i=1からi=2にインクリメントされる。iをインクリメントしたら、ステップST520に戻る。
ステップST520では、決定手段961が、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータを収集するか、それとも、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータを収集するかを決定する。ここでは、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータを収集すると決定する。したがって、ステップST540に進む。
ステップST540では、j番目のデータ収集セグメントBj(グループGbのイメージングデータを収集するためのセグメント)を実行するタイミングを見つけるための処理を実行する。ここでは、j=1であるので、1番目のデータ収集セグメントB1を実行するタイミングを見つけるための処理を実行する。ステップST540は、ステップST52b〜ST58bを有している。以下、各ステップST52b〜ST58bについて説明する。
ステップST52bでは、ij値判定手段971が、j>1であるかj=1であるかを判定する。j>1の場合ステップST57bに進み、一方、j=1の場合ステップST53bに進む。ここでは、j=1であるので、ステップST53bに進む。
ステップST53b〜ST56bは、第1の形態のステップST53〜ST56と同じである。したがって、ステップST56bにおいて、呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)がウィンドウWに入っていると判定されるまで、ステップST53b、ST54b、ST55b、およびST56bのループが繰り返し実行される。第2の形態では、ナビゲータシーケンスN4を実行したときの呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z4がウィンドウWに入っている。したがって、ステップST56bにおいて、信号値判定手段101は、呼吸信号の信号値z4がウィンドウWに入っていると判定する。これは、1番目のデータ収集セグメントB1を実行できるタイミングであることを意味しているので、ステップST560に進む。
ステップST560では、トリガ発生手段100が、データ収集セグメントBjを実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、データ収集セグメントBjに含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、データ収集セグメントBjに含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいてRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて勾配コイル23に電流を供給する。したがって、データ収集セグメントBjが実行される。ここでj=1であるので、実行されるデータ収集セグメントは「B1」で示されている。データ収集セグメントB1は、ナビゲータシーケンスN4の直後に実行される。データ収集セグメントB1を実行することにより、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータが収集される。データ収集セグメントB1を実行した後、ステップST570に進む。
ステップST570では、データ収集判定手段102が、画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたか否かを判定する。ここでは、全データはまだ収集されていないので、ステップST580に進む。
ステップST580では、インクリメント手段103が、i又はjをインクリメントする。ここでは、データ収集セグメントBj(j=1)が実行されたので、インクリメント手段103は、jをインクリメントする。jは、j=1からj=2にインクリメントされる。jをインクリメントしたら、ステップST520に戻る。
ステップST520では、決定手段961が、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータを収集するか、それとも、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータを収集するかを決定する。ここでは、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータを収集すると決定する。したがって、ステップST530に進む。
ステップST530では、先ず、ステップST52aにおいて、ij値判定手段971が、i>1であるかi=1であるかを判定する。ここでは、i=2であるので、i>1である。したがって、ステップST57aに進む。
ステップST57aでは、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図18では、時点t5においてピークP5が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t5においてピークP5を検出する。ピークが検出されたら、ステップST58aに進む。
ステップST58aでは、時間判定手段104(図15参照)が、i−1番目のデータ収集セグメントAi−1が実行されてから、偶数番号のスライス内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。ステップST58aは、第1の形態で説明したステップST58と同様の理由から設けられている。即ち、ステップST58aは、偶数番号のスライスにおける組織がT1回復する前にi番目のデータ収集セグメントAiが実行されることにより生じる画像劣化を抑制するために設けられている。ここでは、i=2であるので、1番目のデータ収集セグメントA1が実行されてから、偶数番号のスライス内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。
T1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する方法としては、第1の形態と同様の方法が用いられる。具体的には、i−1番目のデータ収集セグメントAi−1の直前に実行されたナビゲータシーケンスの実行開始時点から、j−1番目のデータ収集セグメントBj−1の後に検出された心拍信号のピークの発生時点までの時間Hを算出し、時間Hと所定の時間H0とを比較結果に基づいて、T1回復に必要な時間が経過したか否かを判定する。ここでは、i=2、j=2であるので、時間判定手段104は、1番目のデータ収集セグメントA1の直前に実行されたナビゲータシーケンスN3の実行開始時点t31から、1番目のデータ収集セグメントB1の後に検出された脈波信号のピークP5の発生時点t5までの時間H=H11を算出する。そして、時間判定手段104は、この時間H11と所定の時間H0とを比較し、H11≧H0であるか、H11<H0であるかを判定する。H11≧H0の場合、T1回復に必要な時間が経過したと判定する。一方、H11<H0の場合、T1回復に必要な時間が経過していないと判定する。H0は、例えば、H0=2秒である。ここでは、H11<H0である。したがって、データ収集セグメントA1が実行されてからT1回復に必要な時間が経過していないと判定されるので、ステップST57aに戻る。
ステップST57aでは、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図18では、時点t6においてピークP6が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t6においてピークP6を検出する。ピークが検出されたら、ステップST58aに進む。
ステップST58aでは、時間判定手段104が、1番目のデータ収集セグメントA1が実行されてから、偶数番号のスライス内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。
時間判定手段104は、ナビゲータシーケンスN3の実行開始時点t31から、脈波信号のピークP6の発生時点t6までの時間H12を算出し、この時間H12を所定の時間H0と比較する。H12≧H0の場合、T1回復に必要な時間が経過したと判定し、H12<H0以下の場合、T1回復に必要な時間が経過していないと判定する。ここでは、H12≧H0である。したがって、ステップST54aに進む。
ステップST54aでは、トリガ発生手段100が、ピークP6に同期して、ナビゲータシーケンスN5を実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、ナビゲータシーケンスN5に含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、ナビゲータシーケンスN5に含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。したがって、ナビゲータシーケンスN5が実行される。ナビゲータシーケンスN5を実行することにより得られたデータに基づいて、プロファイルF(図示せず)が生成される。プロファイルFを生成した後、ステップST55aに進む。
ステップST55aでは、位置検出手段95が、プロファイルに基づいて、ナビゲータシーケンスN5を実行したときの肝臓のエッジの位置z5を検出する。検出された肝臓のエッジの位置z5は、本スキャンMSにおいてナビゲータシーケンスN5が実行されたときの呼吸信号の信号値z5を表している。呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z5を検出した後、ステップST56aに進む。
ステップST56aでは、信号値判定手段101が、信号値z5がウィンドウWに入っているか否かを判定する。ここでは、信号値z5はウィンドウW内に入っていないので、再びステップST53aに戻る。
以下同様に、ステップST56aにおいて、呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)がウィンドウWに入っていると判定されるまで、ステップST53a、ST54a、ST55a、およびST56aのループが繰り返し実行される。第2の形態では、ナビゲータシーケンスN8を実行したときの呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z8がウィンドウWに入っている。したがって、ステップST56aにおいて、信号値判定手段101は、呼吸信号の信号値z8がウィンドウWに入っていると判定する。呼吸信号の信号値z8がウィンドウWに入っていると判定されると、ステップST550に進む。
ステップST550では、トリガ発生手段100が、データ収集セグメントAiを実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、データ収集セグメントAiに含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、データ収集セグメントAiに含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいてRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて勾配コイル23に電流を供給する。したがって、データ収集セグメントAiが実行される。ここではi=2であるので、データ収集セグメントA2が実行される。データ収集セグメントA2は、ナビゲータシーケンスN8の直後に実行される。データ収集セグメントA2を実行することにより、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータが収集される。データ収集セグメントA2を実行した後、ステップST570に進む。
ステップST570では、データ収集判定手段102が、画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたか否かを判定する。ここでは、全データはまだ収集されていないので、ステップST580に進む。
ステップST580では、インクリメント手段103が、i又はjをインクリメントする。ここでは、データ収集セグメントAi(i=2)が実行されたので、インクリメント手段103は、iをインクリメントする。iは、i=2からi=3にインクリメントされる。iをインクリメントしたら、ステップST520に戻る。
ステップST520では、決定手段961が、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータを収集するか、それとも、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータを収集するかを決定する。ここでは、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータを収集すると決定する。したがって、ステップST540に進む。
ステップST540では、先ず、ステップST52bにおいて、ij値判定手段971が、j>1であるかj=1であるかを判定する。ここでは、j=2であるので、j>1である。したがって、ステップST57b進む。
ステップST57bでは、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図18では、時点t10においてピークP10が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t10においてピークP10を検出する。ピークが検出されたら、ステップST58bに進む。
ステップST58bでは、時間判定手段104が、j−1番目のデータ収集セグメントBj−1が実行されてから、奇数番号のスライス内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。ステップST58bは、第1の形態で説明したステップST58と同様の理由から設けられている。即ち、ステップST58bは、奇数番号のスライスにおける組織がT1回復する前にj番目のデータ収集セグメントBjが実行されることにより生じる画像劣化を抑制するために設けられている。ここでは、j=2であるので、1番目のデータ収集セグメントB1が実行されてから、奇数番号のスライス内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。
T1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する方法としては、第1の形態と同様の方法が用いられる。具体的には、j−1番目のデータ収集セグメントBj−1の直前に実行されたナビゲータシーケンスの実行開始時点から、i−1番目のデータ収集セグメントAiの後に検出された心拍信号のピークの発生時点までの時間Hを算出し、時間Hと所定の時間H0とを比較結果に基づいて、T1回復に必要な時間が経過したか否かを判定する。ここでは、j=2、i=3であるので、時間判定手段104は、1番目のデータ収集セグメントB1の直前に実行されたナビゲータシーケンスN4の実行開始時点t41から、2番目のデータ収集セグメントA2の後に検出された脈波信号のピークP10の発生時点t10までの時間H=H21を算出する。そして、時間判定手段104は、この時間H21と所定の時間H0とを比較し、H21≧H0であるか、H21<H0であるかを判定する。H21≧H0の場合、T1回復に必要な時間が経過したと判定し、一方、H21<H0の場合、T1回復に必要な時間が経過していないと判定する。H0は、例えば、H0=2秒である。ここでは、H21≧H0である。したがって、データ収集セグメントB1が実行されてからT1回復に必要な時間が経過したと判定されるので、ステップST54bに進む。
ステップST54bでは、トリガ発生手段100が、ピークP10に同期して、ナビゲータシーケンスN9を実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、ナビゲータシーケンスN9に含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、ナビゲータシーケンスN9に含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。したがって、ナビゲータシーケンスN9が実行される。ナビゲータシーケンスN9を実行することにより得られたデータに基づいて、プロファイルF(図示せず)が生成される。プロファイルFを生成した後、ステップST55bに進む。
ステップST55bでは、位置検出手段95が、プロファイルに基づいて、ナビゲータシーケンスN9を実行したときの肝臓のエッジの位置z9を検出する。検出された肝臓のエッジの位置z9は、本スキャンMSにおいてナビゲータシーケンスN9が実行されたときの呼吸信号の信号値z9を表している。呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z9を検出した後、ステップST56bに進む。
ステップST56bでは、信号値判定手段101が、信号値z9がウィンドウWに入っているか否かを判定する。ここでは、信号値z9はウィンドウW内に入っていないので、再びステップST53bに戻る。
以下同様に、ステップST56bにおいて、呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)がウィンドウWに入っていると判定されるまで、ステップST53b、ST54b、ST55b、およびST56bのループが繰り返し実行される。第2の形態では、ナビゲータシーケンスN13を実行したときの呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z13がウィンドウWに入っている。したがって、ステップST56bにおいて、信号値判定手段101は、呼吸信号の信号値z13がウィンドウWに入っていると判定する。呼吸信号の信号値z13がウィンドウWに入っていると判定されると、ステップST560に進む。
ステップST560では、トリガ発生手段100が、データ収集セグメントBjを実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、データ収集セグメントBjに含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、データ収集セグメントBjに含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいてRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて勾配コイル23に電流を供給する。したがって、データ収集セグメントBjが実行される。ここではj=2であるので、データ収集セグメントB2が実行される。データ収集セグメントB2は、ナビゲータシーケンスN13の直後に実行される。データ収集セグメントB2を実行することにより、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータが収集される。データ収集セグメントB2を実行した後、ステップST570に進む。
ステップST570では、データ収集判定手段102が、画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたか否かを判定する。ここでは、全データはまだ収集されていないので、ステップST580に進む。
ステップSTでは、インクリメント手段103が、i又はjをインクリメントする。ここでは、データ収集セグメントBj(j=2)が実行されたので、インクリメント手段103は、jをインクリメントする。jは、j=2からj=3にインクリメントされる。jをインクリメントしたら、ステップST520に戻る。
ステップST520では、決定手段961が、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータを収集するか、それとも、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータを収集するかを決定する。ここでは、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータを収集すると決定する。したがって、ステップST530に進む。
ステップST530では、先ず、ステップST52aにおいて、ij値判定手段971が、i>1であるかi=1であるかを判定する。ここでは、i=3であるので、i>1である。したがって、ステップST57aに進む。
ステップST57aでは、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図18では、時点t15においてピークP15が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t15においてピークP15を検出する。ピークが検出されたら、ステップST58aに進む。
ステップST58aでは、時間判定手段104が、i−1番目のデータ収集セグメントAi−1が実行されてから、偶数番号のスライス内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。ここでは、i=3であるので、2番目のデータ収集セグメントA2が実行されてから、偶数番号のスライス内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。
先ず、時間判定手段104は、2番目のデータ収集セグメントA2の直前に実行されたナビゲータシーケンスN8の実行開始時点t91から、心拍信号のピークP15の発生時点t15までの時間H13を算出する。そして、時間判定手段104は、この時間H13と所定の時間H0とを比較し、H13≧H0であるか、H13<H0であるかを判定する。ここでは、H13≧H0である。したがって、データ収集セグメントA2が実行されてからT1回復に必要な時間が経過したと判定されるので、ステップST54aに進む。
ステップST54aでは、ピークP15に同期して、ナビゲータシーケンスN14が実行される。ナビゲータシーケンスN14を実行することにより得られたデータに基づいて、プロファイルF(図示せず)が生成される。プロファイルFを生成した後、ステップST55aに進む。
ステップST55aでは、位置検出手段95が、プロファイルに基づいて、ナビゲータシーケンスN14を実行したときの肝臓のエッジの位置z14を検出する。検出された肝臓のエッジの位置z14は、本スキャンMSにおいてナビゲータシーケンスN14が実行されたときの呼吸信号の信号値z14を表している。呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z14を検出した後、ステップST56aに進む。
ステップST56aでは、信号値判定手段101が、信号値z14がウィンドウWに入っているか否かを判定する。ここでは、信号値z14はウィンドウW内に入っているので、ステップST550に進む。
ステップST550では、トリガ発生手段100が、データ収集セグメントAiを実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、データ収集セグメントAiに含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、データ収集セグメントAiに含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいてRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて勾配コイル23に電流を供給する。したがって、データ収集セグメントAiが実行される。ここではi=3であるので、データ収集セグメントA3が実行される。データ収集セグメントA3は、ナビゲータシーケンスN14の直後に実行される。データ収集セグメントA3を実行することにより、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータが収集される。データ収集セグメントA3を実行した後、ステップST570に進む。
ステップST570では、データ収集判定手段102が、画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたか否かを判定する。ここでは、全データはまだ収集されていないので、ステップST580に進む。
ステップST580では、インクリメント手段103が、i又はjをインクリメントする。ここでは、データ収集セグメントAi(i=3)が実行されたので、インクリメント手段103は、iをインクリメントする。iは、i=3からi=4にインクリメントされる。iをインクリメントしたら、ステップST520に戻る。
ステップST520では、決定手段961が、グループGa(偶数番号のスライス#2〜#2m)のイメージングデータを収集するか、それとも、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータを収集するかを決定する。ここでは、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータを収集すると決定する。したがって、ステップST540に進む。
ステップST540では、先ず、ステップST52bにおいて、ij値判定手段971が、j>1であるかj=1であるかを判定する。ここでは、j=3であるので、j>1である。したがって、ステップST57b進む。
ステップST57bでは、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図18では、時点t16においてピークP16が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t16においてピークP16を検出する。ピークが検出されたら、ステップST58bに進む。
ステップST58bでは、時間判定手段104が、j−1番目のデータ収集セグメントBj−1が実行されてから、奇数番号のスライス内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。ここでは、j=3であるので、2番目のデータ収集セグメントB2が実行されてから、奇数番号のスライス内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。
時間判定手段104は、2番目のデータ収集セグメントB2の直前に実行されたナビゲータシーケンスN13の実行開始時点t141から、脈波信号のピークP16の発生時点t16までの時間H22を算出する。そして、時間判定手段104は、この時間H22と所定の時間H0とを比較し、H22≧H0であるか、H22<H0であるかを判定する。ここでは、H22<H0である。したがって、データ収集セグメントB2が実行されてからT1回復に必要な時間が経過していないと判定されるので、ステップST57bに戻る。
ステップST57bでは、脈波信号のピークが発生するタイミングを待つ。図18では、時点t17においてピークP17が発生している。したがって、ピーク検出手段99は、時点t17においてピークP17を検出する。ピークが検出されたら、ステップST58bに進む。
ステップST58bでは、時間判定手段104が、2番目のデータ収集セグメントB2が実行されてから、奇数番号のスライス内の組織をT1回復させるために必要な時間が経過したか否かを判定する。
時間判定手段104は、ナビゲータシーケンスN13の実行開始時点t141から、心拍信号のピークP17の発生時点t17までの時間H23を算出し、この時間H23を所定の時間H0と比較する。H23≧H0の場合、T1回復に必要な時間が経過したと判定し、H23<H0以下の場合、T1回復に必要な時間が経過していないと判定する。ここでは、H23≧H0である。したがって、ステップST54bに進む。
ステップST54bでは、トリガ発生手段100が、ピークP17に同期して、ナビゲータシーケンスN15を実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、ナビゲータシーケンスN15に含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、ナビゲータシーケンスN15に含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。したがって、ナビゲータシーケンスN15が実行される。ナビゲータシーケンスN15を実行することにより得られたデータに基づいて、プロファイルF(図示せず)が生成される。プロファイルFを生成した後、ステップST55bに進む。
ステップST55bでは、位置検出手段95が、プロファイルに基づいて、ナビゲータシーケンスN15を実行したときの肝臓のエッジの位置z15を検出する。検出された肝臓のエッジの位置z15は、本スキャンMSにおいてナビゲータシーケンスN15が実行されたときの呼吸信号の信号値z15を表している。呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z15を検出した後、ステップST56bに進む。
ステップST56bでは、信号値判定手段101が、信号値z15がウィンドウWに入っているか否かを判定する。ここでは、信号値z15はウィンドウW内に入っていないので、再びステップST53bに戻る。
以下同様に、ステップST56bにおいて、呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)がウィンドウWに入っていると判定されるまで、ステップST53b、ST54b、ST55b、およびST56bのループが繰り返し実行される。第2の形態では、ナビゲータシーケンスN17を実行したときの呼吸信号の信号値(肝臓のエッジの位置)z17がウィンドウWに入っている。したがって、ステップST56bにおいて、信号値判定手段101は、呼吸信号の信号値z17がウィンドウWに入っていると判定する。呼吸信号の信号値z17がウィンドウWに入っていると判定されると、ステップST560に進む。
ステップST560では、トリガ発生手段100が、データ収集セグメントBjを実行するためのトリガを発生する。トリガが発生されると、制御部5は、データ収集セグメントBjに含まれているRFパルスのデータを送信器6に送り、データ収集セグメントBjに含まれている勾配パルスのデータを勾配磁場電源7に送る。送信器6は、制御部5から受け取ったデータに基づいてRFコイル24に電流を供給し、勾配磁場電源7は、制御部5から受け取ったデータに基づいて勾配コイル23に電流を供給する。したがって、データ収集セグメントBjが実行される。ここではj=3であるので、データ収集セグメントB3が実行される。データ収集セグメントB3は、ナビゲータシーケンスN17の直後に実行される。データ収集セグメントB3を実行することにより、グループGb(奇数番号のスライス#1〜#2m−1)のイメージングデータが収集される。データ収集セグメントB3を実行した後、ステップST570に進む。
ステップST570では、データ収集判定手段102が、画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたか否かを判定する。ここでは、全データはまだ収集されていないので、ステップST580に進む。
ステップST580では、インクリメント手段103が、i又はjをインクリメントする。ここでは、データ収集セグメントBj(j=3)が実行されたので、インクリメント手段103は、jをインクリメントする。jは、j=3からj=4にインクリメントされる。jをインクリメントしたら、ステップST520に戻る。
以下同様に、ステップST570において、スライスの画像再構成に必要なk空間の全データが収集されたと判定されるまで、グループGa(偶数番号のスライス)のイメージングデータと、グループGb(奇数番号のスライス)のイメージングデータとを交互に収集しながら、ステップST520〜ST580のループが繰り返し実行される。ステップST570において、全データが収集されたと判定されたら、フローを終了する。
第2の形態では、i番目のデータ収集セグメントAiを実行する前に、i−1番目のデータ収集セグメントAi−1が実行されてから、T1回復に必要な時間が経過したか否かが判定される。T1回復に必要な時間が経過していないと判定された場合、i番目のデータ収集セグメントAiを実行せずに、心拍信号の次のピークが発生するのを待つ。そして、次のピークが発生したら、T1回復に必要な時間が経過したか否かを再度判定し、T1回復に必要な時間が経過していないと判定された場合、i番目のデータ収集セグメントAiを実行せずに、心拍信号の次のピークが発生するのを待つ。したがって、T1回復に必要な時間が経過する前に、i番目のデータ収集セグメントAiが実行されることを回避できるので、偶数番号のスライスにおいて、各組織のT2値の違いを反映した高品質なDWI画像を得ることができる。
また、第2の形態では、j番目のデータ収集セグメントBjを実行する前に、j−1番目のデータ収集セグメントBj−1が実行されてから、T1回復に必要な時間が経過したか否かも判定される。そして、T1回復に必要な時間が経過していないと判定された場合、j番目のデータ収集セグメントBjを実行せずに、心拍信号の次のピークが発生するのを待つ。したがって、奇数番号のスライスにおいて、各組織のT2値の違いを反映した高品質なDW1画像を得ることもできる。
第2の形態では、スライス#1〜#2mを、2つのグループGaおよびGbに分けている。しかし、スライス#1〜#2mを3つ以上のグループに分け、本スキャンMS中に、グループごとに、スライスのデータを収集するための複数のデータ収集セグメントを実行してもよい。
第2の形態では、ステップST58aおよび58bにおいて、T1回復に必要な時間が経過したと判定されるまでは、ナビゲータシーケンスを実行せずに、脈波信号のピークが発生するのを待っている。しかし、T1回復に必要な時間が経過したと判定される前であっても、ナビゲータシーケンスを実行してもよい。
第2の形態では、i−1番目のデータ収集セグメントAi−1(又はj−1番目のデータ収集セグメントBj−1)の直前に実行されたナビゲータシーケンスの実行開始時点から心拍信号のピークの発生時点までの時間Hを算出し、時間Hと所定の時間H0とを比較結果に基づいて、T1回復に必要な時間が経過したか否かを判定している。しかし、時間Hの代わりに、別の時間H’を算出し、時間H’と所定の時間H0との比較結果に基づいて、T1回復に必要な時間が経過したか否かを判定してもよい。別の時間H’は、例えば、i−1番目のデータ収集シーケンスAi−1(j−1番目のデータ収集セグメントBj−1)の実行開始時点から心拍信号のピークの発生時点までの時間、又はナビゲータシーケンスの実行終了時点から心拍信号のピークの発生時点までの時間とすることができる。
第1の形態では、本スキャンMSにおいて、3D FSE法を用いたシーケンスが実行されており、第2の形態では、本スキャンMSにおいて、拡散強調画像を取得するための2Dシーケンスが実行されている。しかし、本発明は、3D FSE法を用いたシーケンスや、拡散強調画像を取得するための2Dシーケンスに限定されることはなく、他のイメージングシーケンスを実行する場合にも適用することができる。
第1および第2の形態では、心拍情報を含む心拍信号として、脈波信号を得ている。しかし、脈波信号とは別の信号を心拍信号として得てもよい。例えば、脈波信号の代わりに、心拍情報を含む心電信号を心拍信号として得てもよい。
第1および第2の形態では、k空間の全領域のデータを収集する例について説明されている。しかし、本発明は、partial kz、フラクショナルエコー、ハーフフーリエ、1/2NEX、位相共役対称法、周波数共役対称法など、k空間の一部の領域のデータを収集しない場合にも適用することができる。