JP2017041924A - 縮約モデル作成装置、作成方法及び作成プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】効率良く最適な縮約パラメータの探索を継続することのできる縮約モデル作成装置、作成方法及び作成プログラムを提供する。
【解決手段】縮約パラメータとして、縮約系統モデルのネットワークを決定する系統パラメータと、縮約発電機の励磁制御系パラメータとを含むデータ列を構成する。縮約パラメータ推定部126は、縮約パラメータを設定するパラメータ設定部126bと、パラメータ設定部126bで設定した縮約パラメータから新たな縮約パラメータである試験パラメータを生成するパラメータ生成部と、パラメータ設定部126bで設定した縮約パラメータに基づく前記差分と、試験パラメータに基づく前記差分のうち、最小となる縮約パラメータを選択する選択部126gと、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、電力系統モデルを縮約した縮約モデル作成装置、作成方法及び作成プログラムに関する。
電力系統の事故現象の解析や、事故波及防止システムの安定化演算のために、電力系統モデルが用いられる。この電力系統モデルは、電力系統内の発電機等の接続状態をモデル化した情報である。
近年、電力系統は大規模化、複雑化しているため、電力系統をモデル化した電力系統モデルも、大規模化、複雑化することになる。大規模且つ複雑な電力系統モデルによる演算は、処理負担の増大や遅延を招く。そこで、あらかじめ元の電力系統モデルである原系統モデルを簡略化することにより、縮約系統モデルを作成する縮約手法が用いられている。
既存の縮約手法としては、短絡容量法、短絡電流法、二負荷法など、縮約対象系統に合わせて縮約系統パラメータを数式的に算出する数式的アプローチが知られている。一般的に、数式的アプローチでは縮約対象とする系統の原系統(全てが縮約されていない系統)を把握する必要があるが、縮約する系統が縮約されない系統に対して、外部系統(たとえば他社の系統)の場合は、たとえばピーク断面のみ等、把握できる原系統データの断面が限られていたり、そもそも原系統データ自体把握できない可能性がある。
そこで、縮約系統の精度に支配的な系統の動特性、たとえば縮約系統と原系統の連系線潮流のみを対象として、最適化アプローチで縮約系統の縮約パラメータを策定し、原系統と縮約系統の動特性を合わせ込む手法がある。なお、ここにいう動特性を合わせ込むとは、縮約系統モデルにおける系統動揺波形を原系統モデルの系統動揺波形に対し、例えばその周期、ピーク、最小値など、波形の形状を合わせることをいう。
このような縮約手法を用いることにより、得られる原系統の情報が限定される場合でも、効率良く、シミュレーション可能な小規模の縮約系統モデルを作成できる。
特開2012−114996号公報 特開2015− 53847号公報
「電力動揺波形のスペクトルを考慮した外部系統縮約手法」、電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌)Vol.135 No.4 p.241−250
縮約系統の縮約パラメータには、縮約系統のネットワークを決定する系統パラメータと、慣性定数を含む縮約発電機の励磁制御系パラメータとがある。これらのパラメータは複数種存在し、いずれも連続値である。そのため、最適化アプローチにて原系統と縮約系統の動特性を合わせ込む際、考慮すべき縮約パラメータの組み合わせは膨大である。しかし、これらの組み合わせをすべて考慮して縮約パラメータを最適化するのは困難である。
そこで、従来では、縮約系統に支配的なパラメータである系統パラメータを一意に決定した後、微調整する形で発電機の励磁制御系パラメータを決定する方法が採用されていた。しかし、この方法は、縮約系統を原系統に合わせる影響度の大きい系統パラメータ、その次に影響度の大きい発電機の励磁制御系パラメータ、というように、縮約パラメータの組み合わせを段階的に絞り込む方法であるため、一度決定されたパラメータは不動であり、無用に探索領域を狭める虞があった。換言すれば、絞り込んで削除した縮約パラメータの組み合わせの中に、最適な縮約パラメータがあった場合には、最適な縮約パラメータを選択できず、精度が落ちた縮約モデルしか作成できない虞があった。
本発明の実施形態に係る電力変換装置は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、効率良く最適な縮約パラメータの探索を継続することのできる縮約モデル作成装置、作成方法及び作成プログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本実施形態の縮約モデル作成装置は、電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成部と、前記縮約系統モデルの縮約パラメータを調整する縮約パラメータチューニング部と、を備え、前記縮約パラメータチューニング部は、前記原系統モデルの系統動揺波形を算出する原系統動揺算出部と、前記縮約系統モデルの系統動揺波形を算出する縮約系統動揺算出部と、前記原系統モデルの系統動揺波形と、前記縮約系統モデルの系統動揺波形との差分を演算する差分演算部と、前記差分が最小となるよう前記縮約パラメータを最適化することで前記調整する縮約パラメータ推定部と、を有し、前記縮約パラメータは、縮約系統モデルのネットワークを決定する系統パラメータと、縮約発電機の励磁制御系パラメータとを含み、前記縮約パラメータ推定部は、前記縮約パラメータを設定するパラメータ設定部と、前記パラメータ設定部で設定した前記縮約パラメータから別の縮約パラメータである試験パラメータを生成するパラメータ生成部と、前記パラメータ設定部で設定した前記縮約パラメータに基づく前記差分と、前記試験パラメータに基づく前記差分のうち、最小となる前記縮約パラメータを選択することで前記調整する選択部と、を有すること、を特徴とする。
なお、本形態は、上記の各部の機能をコンピュータ又は電子回路により実現する方法、上記の各部の機能をコンピュータに実行させるプログラムとして捉えることもできる。
第1の実施形態に係る縮約モデル作成装置の構成を示す図である。 縮約パラメータ推定部の機能ブロック図である。 縮約パラメータの設定を説明するための図である。 第1の実施形態の縮約モデル作成装置のフローチャートである。 最適化準備処理のフローチャートである。 2機2負荷の縮約系統モデルを示す図である。 2機2負荷の縮約系統モデルの縮約パラメータを示す図である。 縮約発電機のAVRの制御ブロック図である。 縮約発電機のPSSの制御ブロック図である。 最適化処理のフローチャートである。 試験ベクトルの作成について説明するための図である。 電気学会標準系統のWEST30系統を示す図である。 図13は、WEST30モデルにおいて、ノード1130とノード1210を起点とした縮約対象系統を、2機2負荷モデルに縮約した図である。 従来の数式的アプローチ(二負荷法)で縮約した内部位相角波形と原系統との比較を示す図である。 第1の実施形態に係る内部位相角波形と原系統との比較を示す図である。 世代ごとの最優良な目的関数値と縮約パラメータ値を示す図である。 第2の実施形態に係る縮約モデル作成装置の構成を示す図である。 相関散布図による分析の一例であり、図15の最適化結果において、目的関数と縮約発電機RG1のAVRのパラメータの相関散布図を示す図である。 図15の最適化結果において、目的関数と最適化パラメータとの相関係数マトリックスを示す図である。
[1.第1の実施形態]
[1−1.全体構成]
以下では、図1〜図3を参照しつつ、本実施形態の縮約モデル作成装置について説明する。図1は、本実施形態に係る縮約モデル作成装置1の構成を示す図である。
縮約モデル作成装置1は、例えば電力系統の事故現象の解析や、事故波及防止システムの安定化演算などに使用される縮約系統モデルを作成する。縮約系統モデルは、事故などによる外乱に対し、動的な振る舞いを含めて電力系統を模擬したモデルである。
概略的には、縮約モデル作成装置1は、解析対象の電力系統をモデル化した原系統モデルと、解析対象の電力系統に想定される潮流断面、事故を含めたデータとから、原系統モデルを縮約した基本となる縮約系統モデルを作成する。そして、その基本となる縮約系統モデルのパラメータを調整し、より精度の高い縮約系統モデルを作成する。
その具体的な構成としては、縮約モデル作成装置1は、縮約モデル作成部11、縮約パラメータチューニング部12、原系統モデル記憶部21、縮約系統モデル記憶部22、潮流断面データ記憶部23、事故データ記憶部24、設定記憶部25を有する。さらに、縮約モデル作成装置1には、入力部30と出力部40が設けられており、入力部30からデータの入力を受け、出力部40から外部へデータを出力する。
縮約モデル作成部11は、電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する。原系統モデルは、縮約の対象としない非縮約系統と縮約の対象とする系統とを含んだ系統モデルである。換言すれば、縮約対象となる電力系統は、縮約対象としない領域と縮約対象とする領域とに大別される。この原系統モデルは、縮約対象となる電力系統をモデル化した情報である。原系統モデルは、例えば、電力系統内の発電機、母線、送電線、負荷、変圧器、制御系の情報及びこれらの接続状態を示す情報によって構成される。
縮約系統モデルは、コヒーレンスのある発電機グループを一つにまとめて、これと関連する母線、送電線、負荷、変圧器、制御系もそれぞれ一つにまとめたモデルである。換言すれば、縮約系統モデルは、縮約の対象としない非縮約系統と縮約した系統とを含んだ系統モデルである。コヒーレンスは、系統縮約領域を決定する際の基本的な概念であり、外乱に対して、発電機の有効・無効電力や内部相差角の動揺に類似性がある発電機からなる部分系統を、コヒーレンスのある縮約可能な領域という。この縮約モデル作成部11による縮約の手法は、短絡容量法、短絡電流法、二負荷法等の既知の手法を適用可能である。
縮約パラメータチューニング部12は、縮約系統モデルの精度が向上するよう、縮約モデル作成部11が作成した縮約系統モデルの縮約パラメータを調整する。すなわち、縮約パラメータチューニング部12は、縮約モデル作成部11が作成した縮約系統モデルが原系統モデルに合うように、縮約パラメータを調整する。この調整するための詳細構成及び縮約パラメータについては、後述する。
原系統モデル記憶部21は、縮約モデル作成部11が縮約対象とする原系統モデルを記憶する。縮約系統モデル記憶部22は、縮約モデル作成部11が作成した縮約系統モデルを記憶する。
潮流断面データ記憶部23は、電力系統の潮流断面データを記憶する。潮流断面データは、電力系統のある時点における有効電力と無効電力の潮流分布と電圧分布を示す潮流断面を求めるための情報である。具体的には、単位時間ごとの電力量及び負荷量を含む。各潮流断面データには、あらかじめ設定順序が設定されている。
事故データ記憶部24は、電力系統における事故データを記憶する。事故データとは、当該系統において想定しうる事故の場所、種類、規模等の事故の条件であり、事故点、事故様相を含む。たとえば、事故点とは、A送電線における事故といった情報であり、事故様相とは、1LC相地絡といった情報である。各事故データには、あらかじめ設定順序が設定されている。
設定記憶部25は、縮約モデル作成装置1の処理に必要な各種の情報を記憶する。この設定記憶部25に記憶される情報には、各部の処理のための演算式、パラメータ、基準値(しきい値を含む)等が含まれている。
入力部30は、縮約モデル作成装置1に必要な情報の入力、処理の選択や指示等を行う。上記の各記憶部21〜25に記憶される情報は、入力部30を介して、外部から入力された情報とすることができる。この入力部30としては、たとえば、キーボード、マウス、タッチパネル(表示装置に構成されたものを含む)等が含まれる。また、入力部30には、通信ネットワークからの情報を受け付けて、縮約モデル作成装置1に入力するインタフェースも含まれる。
出力部40は、原系統モデル、縮約系統モデル、潮流断面、想定事故ケース、安定限界潮流、差分、定数等、縮約モデル作成装置1の処理対象となる情報、演算結果等を、運用者等のユーザが認識可能となるように出力する。この出力部40としては、たとえば、表示装置、プリンタ等を含む。
[1−2.詳細構成]
縮約パラメータチューニング部12の構成について詳細に説明する。縮約パラメータチューニング部12は、潮流断面データ設定部121、想定事故ケース設定部122、原系統動揺算出部123、縮約系統動揺算出部124、差分演算部125、縮約パラメータ推定部126、縮約パラメータ出力部127を有している。
潮流断面データ設定部121は、潮流断面データ記憶部23に記憶された潮流断面データに基づいて、あらかじめ設定された順序に従って、原系統モデル及び縮約系統モデルにおける潮流断面データを設定する。すなわち、潮流断面データ設定部121は、時系列順に潮流断面データを作成する。
想定事故ケース設定部122は、事故データ記憶部24に記憶された事故データに基づいて、あらかじめ設定された順序に従って、原系統モデル及び縮約系統モデルにおいて想定される事故である想定事故ケースを設定する。例えば、事故ケースが過酷である安定度の低い事故データから設定する。
原系統動揺算出部123は、原系統モデルの系統動揺波形を算出する。この系統動揺波形の算出は、過渡安定度計算によって行う。過渡安定度計算は、既存の手法を用いることができる。
系統動揺波形の種類としては、位相基準点を基準とした非縮約系統の発電機の内部位相角波形や、非縮約系統の発電機の速度偏差動揺波形、非縮約系統のブランチの有効電力動揺波形等が挙げられる。ここでは位相基準点を基準とした発電機の内部位相角波形を考える。位相基準点は非縮約系統の任意のノードとすることができる。また、位相基準点は、非縮約系統と縮約系統の連系点の電圧位相とすることもできる。
縮約系統動揺算出部124は、縮約系統モデルの系統動揺波形を算出する。この系統動揺波形の算出は、原系統動揺算出部123と同様に、過渡安定度計算によって行う。過渡安定度計算は、既存の手法を用いることができる。
差分演算部125は、原系統動揺算出部123が算出した原系統モデルの系統動揺波形と、縮約系統動揺算出部124が算出した縮約系統モデルの系統動揺波形との差分を演算する。この差分の演算は、原系統モデルの系統動揺波形と縮約系統モデルの系統動揺波形の誤差の算出である。この算出された誤差は、目的関数として評価される対象である。
系統動揺波形の誤差の算出方法としては、ユークリッド距離や相関係数、波形の第N波までのピーク値誤差などが挙げられる。また、波形誤差を算出する時間領域は、全時間領域を対象としても良いし、事故発生時から系統の動揺が収束するまでの時間帯に限って対象としても良い。差分演算部125は、この算出した系統動揺波形の誤差を、縮約パラメータ推定部126に出力する。
縮約パラメータ推定部126は、原系統モデルと縮約系統モデルの系統動揺の誤差を最小化するよう縮約パラメータを推定する。なお、ここにいう推定とは、縮約パラメータをより最適なものに調整することをいう。
縮約パラメータは、複数種の連続値パラメータであり、系統パラメータと、縮約発電機の励磁制御系パラメータとを有する。
系統パラメータは、縮約発電機の出力や縮約負荷量、縮約系統インピーダンスなど縮約系統のネットワークを決定するネットワークパラメータである。縮約発電機の励磁制御系パラメータには、縮約発電機のPSS(Power System Stabilaizer,電力系統安定化装置)やAVR(Automatic Voltage Regulator、自動電圧調整装置)のパラメータと、慣性定数とが含まれる。なお、慣性定数は発電機における電磁石の回転のしやすさを示す。
図2は、縮約パラメータ推定部126の機能ブロック図である。図2に示すように、縮約パラメータ推定部126は、調整準備部Aと、調整部Bとを有する。調整準備部Aは、縮約パラメータを調整するための準備をする。調整部Bは、調整準備部Aの準備に基づき、縮約パラメータを調整する。
調整準備部Aは、データ読込部126a、パラメータ設定部126b、縮約ブランチリアクタンス演算部126c、データ書込部126d、を有する。
データ読込部126aは、各記憶部23〜25から必要なデータを読み込む。具体的には、対象となる事故シーケンス、縮約系統のベースとなるデータ、原系統の動揺波形データ、縮約パラメータの上下限値、各制約条件を読み込む。各制約条件としては、縮約点からの覗き込みインピーダンス、連系線潮流、連系点電圧、縮約対象系統の発電機定格容量・定格出力の合計、縮約対象系統の負荷需要の合計などが挙げられる。
パラメータ設定部126bは、データ読込部126aで読み込んだ縮約パラメータの上下限値の間で、最適化する縮約パラメータを設定する。具体的には、図3に示すように、N個のデータ列を設定する。このデータ列の構成要素は、縮約パラメータの各種の連続値パラメータである。換言すれば、一つのデータ列は、系統パラメータ、発電機の励磁制御系パラメータなど複数種の連続値パラメータのデータ列、すなわちベクトルXi,G(i=1,2,…,N)である。
縮約パラメータの上下限値は、各種のパラメータごとに設けられており、その間から、ランダムに設定する。或いは、最適な解が得られそうな値を選択しても良い。このように、パラメータ設定部126bは、縮約パラメータで構成されるN個のベクトルを設定する。
縮約ブランチリアクタンス演算部126cは、縮約系統モデルの縮約ブランチリアクタンスを算出する。その際、連系点からの縮約系統を除いた短絡容量が原系統と等しい制約条件、連系線の潮流および連系点の電圧が原系統と等しい制約条件などを課す。この算出には、既存の手法を用いることができる。
データ書込部126dは、パラメータ設定部126bで設定した縮約パラメータと、縮約ブランチリアクタンス演算部126cで算出した縮約ブランチリアクタンスを、過渡安定度計算用の系統データファイルに書き込む。その一例として、設定記憶部25に過渡安定度計算用の系統データファイルとして記憶させる。ここで生成した系統データファイルは、縮約系統動揺算出部124の過渡安定度計算に用いられる。
調整部Bは、原系統モデルの系統動揺波形と縮約系統モデルの系統動揺波形の誤差が最小化されるよう、縮約パラメータを調整する。その調整手段としては、短絡容量や潮流分布、系統容量などの制約の中で、複数の連続値パラメータを最適化しなければならないので、制約付き非線形最適化手法が適している。
本実施形態では、制約付き非線形最適化手法として、メタヒューリスティクスの1手法である差分進化法(Differential Evolution:DE)を採用する。差分進化法は、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)と類似した発見的なメタヒューリスティクスであるが、連続値のみを対象とすることで、GAで必要なバイナリ化などの処理を省くことができ、計算速度と収束性を向上したアルゴリズムである。
調整部Bは、調整準備部Aで生成された縮約パラメータのベクトルを、差分進化法を用いて世代を更新する。すなわち、パラメータ設定部126bで設定したベクトルXi,G(i=1,2,…,N)を世代Gの個体iとすると、調整部Bは、世代Gを更新し、縮約パラメータの探索を継続する。
具体的な構成としては、調整部Bは、変異パラメータ生成部126e、交叉部126f、選択部126g、を有する。変異パラメータ生成部126eは、パラメータ設定部126bで設定したN個のベクトルXi,G(i=1,2,…,N)から、異なるベクトルXi,Gを線形結合してなる変異パラメータを生成する。ここでは、変異パラメータ生成部126eは、パラメータ設定部126bで設定したN個のベクトルXi,Gから3つのベクトルをランダムに抽出し、変異パラメータベクトルV(以下、変異ベクトルともいう)を生成する。この生成は、次式に従う。なお、変異パラメータは、縮約パラメータであるベクトルXi,Gから構成されるため、変異パラメータも縮約パラメータである。
=Xr1+F×(Xr2−Xr3
Fは、スケーリングパラメータであり、0以上1以下の実数である。スケーリングパラメータFは固定値としても良いし、変異ベクトルの生成毎に適宜変更しても良い。Xr1、Xr2、Xr3は、X1,G〜XN,Gからランダムに抽出された個体である。
交叉部126fは、パラメータ設定部126bのベクトルXi,Gと変異ベクトルVとを交叉して、試験ベクトルUを生成する。交叉とは、各ベクトルXi,G、Vとの間で、対応するパラメータ同士を交換することをいう。例えば、世代Gの個体i=5において、データ列の左端から1番目、2番目のパラメータと交叉対象とすると、X5,GとVとの1番目のパラメータ同士を交換し、X5,GとVとの2番目のパラメータ同士を交換する。
2つのベクトルXi,G、Vからは、2つの試験ベクトルUi1、Ui2が生成されるが、交叉部126fは、いずれか一方をランダムに選択し、最終的な試験ベクトルUとする。各個体iは1〜Nであるため、交叉部126fは、N個の試験ベクトルUを生成する。
交叉方法は、1点交叉、多点交叉、一様交叉など公知の方法を用いることができる。交叉位置は予め定めた位置としても良いし、適宜変更しても良い。交叉位置の前方を交叉する前方交叉としても良いし、交叉位置の後方を交叉する後方交叉としても良い。
変異ベクトル生成部126eと交叉部126fとは、試験ベクトルUを生成するため、パラメータ生成部を構成する。パラメータ生成部により、準備されたN個の縮約パラメータのデータ列から別のN個の試験ベクトルUを生成することから、試験ベクトルUも、縮約パラメータのデータ列である。そのため、試験ベクトルUを試験パラメータとも称する。
また、変異ベクトル生成部126e又は交叉部126fは、生成した変異ベクトルV、試験ベクトルUを構成するパラメータが設定した縮約パラメータの上下限値になければ、そのベクトルV、Uを排除し、再度、変異ベクトルV、試験ベクトルUを作成する。すなわち、パラメータ生成部は、生成したベクトルV、Uについて足切りを行う。
選択部126gは、試験ベクトルUと現世代の解Xi,Gの目的関数値を比較し、目的関数値の最適な方を選択し、次世代の解Xi,G+1とする。ここにいう最適な方とは、最小化問題であれば、値が低い方であり、最大化問題であれば、値が高い方である。
以上のように、調整準備部Aは、縮約パラメータの最適化に当たり、初期の縮約パラメータの設定を含めた最適化処理の準備をし、調整部Bは、初期の縮約パラメータから別の縮約パラメータを生成し、いずれか良い方の縮約パラメータを選択する。
縮約パラメータ出力部127は、縮約パラメータ推定部126が推定した縮約パラメータを、縮約モデル作成部11や出力部40に出力する。
なお、上記の縮約モデル作成装置1は、CPUなどの演算制御装置を含むコンピュータを所定のプログラムで制御することによって実現できる。上記のプログラムは、ハードウェアを物理的に活用することで、各部の処理を実現するものである。このため、上記の装置構成はあくまでも例示であり、システムを構成するハードウェアが、各部のいずれの機能を担うかについて、特定の態様には限定されない。
さらに、各部の処理を実行する装置、方法、プログラム及びプログラムを記録した記録媒体も、実施形態の一態様である。ハードウェアで処理する範囲、プログラムを含むソフトウェアで処理する範囲をどのように設定するかも、特定の態様には限定されない。たとえば、各部のいずれかを、それぞれの処理を実現する回路として構成することも可能である。
[1−3.作用]
本実施形態の縮約モデル作成装置1の作用を図4〜図8を参照しつつ、説明する。図4は、本実施形態の縮約モデル作成装置1のフローチャートである。図4のフローチャートは一例であり、動作順序が入れ替わっていても良い。なお、前提として、縮約モデル作成部11が原系統モデルから縮約系統モデルを作成し、その縮約系統モデルが縮約系統モデル記憶部22に記憶されているものとする。
まず、潮流断面データ設定部121は、潮流断面データ記憶部23に記憶された潮流断面データを、予め設定された順序に従って取り出し、原系統モデル及び縮約系統モデルの潮流断面を設定する(ステップS10)。
また、想定事故ケース設定部122は、事故データ記憶部24に記憶された事故データを、予め設定された順序に従って取り出し、原系統モデル及び縮約系統モデルでシミュレーションする想定事故ケースを設定する(ステップS11)。
原系統動揺算出部123は、例えば入力部30等から指示された原系統モデルを原系統モデル記憶部21から取り出し、その原系統モデルに基づいて、過渡安定度計算(系統シミュレーション)を行い、原系統モデルの系統動揺波形を算出する(ステップS12)。
次に、縮約パラメータを最適化する前段階の最適化準備処理を実行する(ステップS13)。この最適化準備処理は、縮約パラメータ推定部126、縮約系統動揺算出部124、差分演算部125が連動して行われる。
具体的には、縮約パラメータ推定部126により縮約パラメータからなるデータ列を複数設定し、このデータ列に基づく縮約系統モデルの系統動揺波形を縮約系統動揺算出部124により算出し、差分演算部125によって原系統モデルの系統動揺波形と縮約系統モデルの系統動揺波形の誤差を目的関数として算出する。
より詳細には、図5を用いて説明する。図5は、最適化準備処理のフローチャートである。
[最適化準備処理]
(データ読み込み処理)
まず、縮約パラメータ推定部126において、データ読込部126aが、各記憶部23〜25から必要なデータを読み込む(ステップS131)。具体的には、対象となる事故シーケンス、縮約系統のベースとなるデータ、原系統の動揺波形データ、縮約パラメータの上下限値、各制約条件を読み込む。
(縮約パラメータの設定)
次に、パラメータ設定部126bが、データ読込部126aが読み込んだ縮約パラメータの上下限値の間で、最適化する縮約パラメータをN個、ここではランダムに設定する(ステップS132)。すなわち、N個のデータ列(ベクトル)を設定する。
なお、本実施形態の縮約系統の構成は、図6に示す2機2負荷の縮約系統モデルを想定する。すなわち、縮約系統モデルは、2つの発電機G1,G2と2つの負荷PL1,PL2からなる縮約系統と、非縮約対象系統とが連系されてなる。図6のX1,X2は縮約ブランチリアクタンスである。
図7に2機2負荷の縮約系統モデルの縮約パラメータを示す。図7に示す発電機出力分配比率、負荷分配比率が系統パラメータであり、残りのパラメータが発電機の励磁制御系パラメータである。発電機の励磁制御系パラメータは、1発電機当たり7つあり、AVRゲイン、AVR進み時定数、AVR遅れ時定数、PSSゲイン、PSS進み時定数、PSS遅れ時定数、発電機単位慣性定数がある。従って、縮約パラメータからなるデータ列は、計16個のパラメータで構成される。
発電機出力分配比率は、2機2負荷の縮約系統モデルの縮約対象領域において、2機の縮約発電機の合計出力に対する縮約発電機G1の出力を示す。なお、2機の縮約発電機の合計出力PGtotalは、下記の(式1)で計算される。PGtotal、および制約条件である縮約対象系統の発電機定格容量・定格出力の合計と、発電機出力分配比率から、2機の縮約発電機の定格容量・定格出力、有効電力出力を決定する。
(式1)
PGtotal=PLtotal−Ptie
PLtotal:縮約対象系統の負荷需要の合計
tie:連系線潮流
負荷分配比率は縮約系統の2負荷の合計有効電力に対するPL1の有効電力を示す。制約条件である縮約対象系統の負荷需要の合計と、負荷分配比率から、縮約系統の2負荷のそれぞれの有効電力を決定する。
縮約発電機のAVRの制御ブロックと該当するパラメータを図8に、縮約発電機のPSSの制御ブロックと該当するパラメータを図9に示す。本実施形態では、AVRはサイリスタ型の超速応励磁とし、PSSはΔP型PSSとした。これらの制御ブロックは公知であるので説明は省略する(例えば非特許文献1)。
なお、図6に示す2機2負荷の縮約モデルは1点で連系されているが、2点連系および多点連系の場合での短絡容量および連系線潮流の制約式を立てることで、2点連系またそれ以上の多点連系でも本発明は適用可能である。
(縮約ブランチリアクタンス計算)
縮約ブランチリアクタンス演算部126cにより、縮約ブランチリアクタンスX1とX2を算出する(ステップS133)。X1とX2は、連系点から縮約系統を除いた短絡容量が原系統と等しい制約条件、連系線の潮流および連系点の電圧が原系統と等しい制約条件などを考慮して算出する。この算出方法は公知の方法を採用することができる。
(縮約系統データ書き込み処理)
データ書込部126dにより、S132でランダム設定した縮約パラメータと、S133で算出した縮約ブランチリアクタンスを、過渡安定度計算用の系統データファイルに書き込む(ステップS134)。
(過渡安定度計算)
S131で設定された事故シーケンスおよびS134で作成した縮約系統の系統データファイルを読み込んで、縮約モデル作成部11が作成した縮約系統モデルを用いて、過渡安定度計算を実施する(ステップS135)。
(目的関数計算)
S135の計算結果から、原系統の系統動揺波形に対する縮約系統の系統動揺波形の誤差を算出する(ステップS136)。系統動揺波形を位相基準点を基準とした発電機の内部位相角波形とした場合は、(式2)によって、連系点の電圧位相を基準とした非縮約対象系統の発電機の内部相差角の誤差総和、すなわち目的関数を計算する。
(式2)
Figure 2017041924
AG(i,t):原系統における時刻tの発電機iの位相基準点からの内部相差角
AG_r(i,t):縮約系統における時刻tの発電機iの位相基準点からの内部相差角
i:発電機の番号
gmax:発電機の総数
t:時間
tmin:誤差を計算する最初断面
tmax:誤差を計算する最終断面
以上のように、最適化準備処理では、N個の縮約パラメータのデータ列Xi,G(i=1,2,…,N)を設定し、各データ列に対する目的関数を計算する。
[最適化処理]
図4を参照する。S13の最適化準備処理の後、縮約パラメータを最適化処理する(ステップS14)。この最適化処理は、縮約パラメータ推定部126、縮約系統動揺算出部124、差分演算部125が連動して行われる。最適化処理では、差分進化法を用いて世代Gの更新を行い、最適化した縮約パラメータを求める。
より詳細には、図10を用いて説明する。図10は、最適化処理のフローチャートである。
(Xi,G(世代Gの個体i)に対する変異ベクトルの生成)
調整部Bのパラメータ生成部は、Xi,Gに対して変異ベクトルVを生成する(ステップS141)。具体的には、パラメータ生成部の変異パラメータ生成部126eにより、現世代の解から3つランダムに個体を抽出して、下記の(式3)に従って、N個の変異ベクトルVを生成する。
(式3)
=Xr1+F×(Xr2−Xr3
F:0〜1の実数(スケーリングパラメータ)
r1、Xr2、Xr3:X1,G〜XN,Gからランダムに抽出された個体
なお、3個体の抽出を、各変異ベクトルVの生成毎に行い、各変異ベクトルVを生成しても良いし、一度抽出した3個体を固定して、スケーリングパラメータFを調節して各変異ベクトルVを生成しても良い。
(試験ベクトルUの生成)
交叉部126fにおいて、S141で生成したVとXi,Gを交叉して試験ベクトルUを生成する(ステップS142)。ここでは、図11に示すように、交叉位置をランダムに1点決定し、後方交叉とする。交叉部126fは、Ui,1、Ui,2を生成した後、いずれか一方をランダムに選択して試験ベクトルUとする。
(縮約ブランチリアクタンスの計算)
縮約ブランチリアクタンス演算部126cにおいて、S142で生成した試験ベクトルUの縮約ブランチリアクタンスを計算する(ステップS143)。なお、後述する電気学会標準系統のWEST30系統に適用する場合には、各縮約発電機のXd1’’およびXd2’’(次過渡直軸リアクタンス)は発電機事故容量ベースの値であるため、縮約発電機の容量が変わる度にXd1’’およびXd2’’を更新し、S133と同様の制約条件を考慮してX1とX2を再計算する。
(目的関数計算)
S143で試験ベクトルUの縮約ブランチリアクタンスを計算後、縮約系統動揺算出部124と差分演算部125により、(式2)に従って、Uの目的関数を計算する(ステップS144)。
(選択処理)
選択部126gにおいて、試験ベクトルUと現世代の解Xi,Gの目的関数値を比較し、目的関数値の最適な方を次世代の解Xi,G+1として選択する(ステップS145)。
S141〜S145の処理を、指定解個数N×指定世代最大数G回分繰り返すことで、最終的な最適解を得る。なお、指定世代最大数G回計算する代わりに、目的関数の閾値又は目的関数の変化率の閾値を設けて、目的関数又はその変化率が閾値を下回った場合に計算を終了しても良い。
再び図4を参照する。S14の最適化処理が終了した後、縮約パラメータ出力部127は、最適化した縮約パラメータを縮約モデル作成部11や出力部40に出力する(ステップS15)。
[WEST30モデルへの適用例]
次に、上記の処理を、電気学会標準系統のWEST30モデルに適用した一例を示し、縮約系統の動特性が原系統と合っていることを示す。図12は、電気学会標準系統のWEST30系統を示す図であり、縮約対象領域も非縮約対象領域も縮約されていない原系統モデルを示す。図13は、WEST30モデルにおいて、ノード1130とノード1210を起点として東側の縮約対象系統を、2機2負荷モデルに縮約した図である。想定事故ケースは、ブランチ1180での3線地絡事故を想定した。目的関数は、非縮約系統の発電機(3010〜3100)の内部位相角波形の原系統との誤差とした。位相基準点は、連系点ノード1130の電圧位相を基準とした。
ブランチ1180での3線地絡事故における非縮約系統の発電機(3010〜3100)の、連系点ノード1130の電圧位相を基準とした内部位相角波形の原系統との比較を行った。図14は、比較例として、従来の数式的アプローチ(二負荷法)で縮約した内部位相角波形と原系統との比較を示す。図15は、本実施形態により縮約した内部位相角は系統と原系統との比較を示す。
図14の比較例では、初期段階では原系統と合っているが、時刻が進むと外れることが分かる。一方、図14の実施例では、時刻が進んでも原系統と合っており、系統の動特性を原系統と合わせ込めることが確認できる。
以上のような本実施形態によれば、指定された潮流断面と想定事故ケースに基づいて、調整した縮約パラメータが得られる。このため、発電機の運転台数が変わる等、変化する実系統に適合した最適な結果が得られる汎用性及び精度の高い縮約系統モデルを作成できる。
また、複数種類の連続値パラメータを解くという探索領域の膨大な制約付非線形最適化問題に対して、過渡安定度計算にメタヒューリスティクスを組み込むことによって、効率的に最適解の探索を行うことが可能となる。
図16に、図15に示した最適化結果を導出する過程として、目的関数および最適化された縮約パラメータの世代ごとの推移を示す。すなわち、各世代で最優良の解の目的関数値とパラメータ値を示す。なお、本最適化計算では、最大世代数を1000、個体数を100として計算を実行した。
図16に示すように、目的関数値のグラフを参照すると、目的関数は、15世代まで急激に改善し、300世代辺りまで緩やかに改善し、それ以降は微小な改善を続けていることが分かる。600世代辺りを超えるとほぼ飽和している。
一方、縮約パラメータのグラフを参照すると、目的関数の改善が収束しつつある300世代以降でも変化し続けていることが分かる。このことから、メタヒューリスティクスを適用することで、比較的早い世代から目的関数の低い優良な解が得られる一方、探索領域を絞らず広範囲を探索し続けることで、目的関数の改善を継続し、精度の高い解を得られることが分かる。
以上のように、本実施形態では、パラメータ設定部126b、パラメータ生成部、選択部126gにより、縮約パラメータをデータ列としてひとまとまりに捉えるとともに、新たな縮約パラメータである試験パラメータを生成する。そして、パラメータ設定部126bが設定した縮約パラメータとパラメータ生成部が生成した試験パラメータとから、選択部126gにより良い方の縮約パラメータで更新するようにしている。
従って、従来では、縮約系統モデルに支配的な系統パラメータを一意に決定した後、微調整する形で励磁制御系パラメータを決定するというように、パラメータを1つずつ順次決定する手法であったため、縮約パラメータの探索領域を狭めてしまう場合があったが、本実施形態によれば、試験パラメータの生成により、従来であれば排除されていた組み合わせも再度の探索対象となり得る。そのため、排除した組み合わせの中に最適な縮約パラメータがあったとしても、選択の機会が得られ、従来のように段階的に探索領域を狭めることはない。さらに、設定した縮約パラメータと生成した試験パラメータから、良い方を選択するようにしているので、効率的に最適な縮約パラメータを得ることができる。
[1−4.効果]
(1)本実施形態の縮約モデル作成装置1は、電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成部11と、縮約系統モデルの縮約パラメータを調整する縮約パラメータチューニング部12と、を備える。縮約パラメータチューニング部12は、原系統モデルの系統動揺波形を算出する原系統動揺算出部123と、縮約系統モデルの系統動揺波形を算出する縮約系統動揺算出部124と、原系統モデルの系統動揺波形と、縮約系統モデルの系統動揺波形との差分を演算する差分演算部125と、前記差分が最小となるよう縮約パラメータを最適化する縮約パラメータ推定部126と、を有する。縮約パラメータは、縮約系統モデルのネットワークを決定する系統パラメータと、縮約発電機の励磁制御系パラメータとを含む。縮約パラメータ推定部126は、縮約パラメータを設定するパラメータ設定部126bと、パラメータ設定部126bで設定した縮約パラメータから別の縮約パラメータである試験パラメータを生成するパラメータ生成部と、パラメータ設定部126bで設定した縮約パラメータに基づく前記差分と、試験パラメータに基づく前記差分のうち、最小となる縮約パラメータを選択する選択部126gと、を有するようにした。
これにより、従来技術と比べ縮約パラメータの組み合わせの探索領域を狭めることなく、縮約パラメータを調整できるため、精度の高い縮約系統モデルを作成することができる。
すなわち、パラメータ設定部126b、パラメータ生成部、選択部126gにより、縮約パラメータをデータ列としてひとまとまりに捉えるとともに、別の縮約パラメータである試験パラメータを生成する。そして、パラメータ設定部126bが設定した縮約パラメータとパラメータ生成部が生成した試験パラメータとから、選択部126gにより良い方の縮約パラメータを選択するため、効率良く縮約パラメータの探索領域を拡げ、探索し続けることができる。従って、より適切な縮約パラメータで縮約系統モデルを作成できるので、その作成の精度を向上させることができる。
(2)パラメータ設定部126bは、複数の前記縮約パラメータを設定し、パラメータ生成部は、パラメータ設定部126bで設定した縮約パラメータのうち、異なる縮約パラメータを線形結合してなる変異パラメータを生成する変異パラメータ生成部126eと、パラメータ設定部126bで設定した縮約パラメータと、変異パラメータとを交叉し、試験パラメータを生成する交叉部126fと、を有するようにした。
これにより、変異パラメータ生成部126eと交叉部126fによる2段階で縮約パラメータの探索領域を拡げることができ、より最適な縮約パラメータを探索することができる。従って、より高精度な縮約系統モデルを作成することができる。なお、変異パラメータ生成部126eは、線形結合以外の関数型を用いて変異パラメータを生成しても良いが、線形結合が最も単純に変異パラメータを生成でき、計算量を抑えることができる。
(3)パラメータ生成部は、生成した試験パラメータが、予め設定された縮約パラメータの上下限値の間にない場合には、再度試験パラメータを生成するようにした。これにより、非現実的な縮約系統モデルが作成されるのを防止することができる。従って、現実的な縮約パラメータの組み合わせの中で探索を続けることが可能になり、しかも選択部126gにより常に良い組み合わせを選択するので、より高精度な縮約系統モデルを作成することができる。
(4)原系統動揺算出部123は、原系統モデルにおける位相基準点を基準とした発電機の内部位相角波形を算出し、縮約系統動揺算出部124は、縮約系統モデルにおける位相基準点を基準とした発電機の内部位相角波形を算出するようにした。
これにより、過渡安定度の直接的な指標である発電機の内部位相角の動揺を直接合わせ込むことができる。すなわち、従来技術では、原系統と縮約系統の動特性を合わせ込む、すなわち系統動揺波形を一致させる際、連系線の潮流又は相差角の動揺波形を一致させる対象としていたが、過渡安定度の直接的な指標である発電機の内部位相角の動揺を合わせてはいなかった。これに対し、対象とする動特性を、連系線の潮流又は相差角の源となる発電機の内部位相角としたことで、直接的に原系統と縮約系統の動特性を合わせ込むことができる。発電機の内部位相角自体が脱調するか否か、つまり系統が不安定か安定かの区別の指標となるからである。
(5)縮約対象の電力系統は、非縮約対象系統とと縮約対象系統とが連系した系統であり、原系統動揺算出部123及び縮約系統動揺算出部124の位相基準点は、非縮約対象系統と縮約対象系統との連系点の電圧位相とした。連系点は原系統と縮約系統の中間に共通して存在するものであるため、縮約系統および原系統の両方の基準とすることができる。
換言すれば、縮約対象系統の1点を基準としても、当該点は縮約すると省略されることから当該点を基準とすることができない。そのため、非縮約系統内の点を基準点に選ぶ必要がある。非縮約系統(一般的には自系統)内の点を基準とすることで縮約前後で同じ発電機の相差角(内部相差角と電圧位相の差)が算出可能である。
非縮約系統内の点の中でも、連系点は縮約系統と最も近い点であり、基準とできる非縮約系統内の中で最も縮約の影響を受けやすい点である。言い換えれば、精度の悪い縮約系統を策定した場合、縮約前後で連系点の電圧位相は差が出やすい。縮約前後での差を最小化するために、あえて縮約による影響を受けやすい連系点を基準としている。
より詳細に説明すると、例えば非縮約系統内で発電機と近い点を基準とした場合、縮約してもその影響が小さく、当該発電機の系統動揺波形(内部位相角波形)に差が現れにくい。そのため、作成した縮約系統モデルが必ずしも精度が良いとは言えない。これに対し、連系点は、非縮約系統内の発電機から遠い点であるため、縮約の影響を受けやすく、当該発電機の系統動揺波形(内部位相角波形)に差が現れやすい。そのため、作成した縮約系統モデルの精度の良し悪しの判別が付きやすい。すなわち、このような連系点の電圧位相を基準としたとしても、波形に差が出ないということは、精度の高い縮約系統モデルを作成できることを意味する。このように、連系点の電圧位相を基準とすることで、精度の高い縮約系統モデルを作成することができる。
(6)原系統動揺算出部123は、原系統モデルにおける発電機の速度偏差の動揺波形を算出し、縮約系統動揺算出部124は、縮約系統モデルにおける発電機の速度偏差の動揺波形を算出するようにした。これにより、位相基準点のような基準を設ける必要がない。すなわち、連系点の電圧位相に依らず、発電機の回転速度を直接用いて動揺波形の算出が可能である。
(7)原系統動揺算出部123は、原系統モデルにおけるブランチの有効電力潮流の動揺波形を算出し、縮約系統動揺算出部124は、縮約系統モデルにおけるブランチの有効電力潮流の動揺波形を算出するようにした。これにより、系統の潮流の動揺を合わせることができ、時系列で系統全体の潮流分布を合致させることが可能となる。
[2.第2の実施形態]
第2の実施形態について、図17〜図19を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。よって、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図17は、第2の実施形態の縮約モデル作成装置の構成を示す図である。縮約モデル作成装置1には、パラメータ削減部50が設けられている。
パラメータ削減部50は、縮約パラメータを削減する。すなわち、パラメータ削減部50は、縮約系統モデルの系統動揺波形に対する縮約パラメータの感度を分析する感度分析部50aを有し、感度が所定の閾値を下回る縮約パラメータを、最適化対象の縮約パラメータから除外する。
換言すれば、縮約パラメータを変動させて原系統と縮約系統の系統動揺波形の誤差を示す目的関数値を低減させる縮約パラメータを最適化対象とし、変動させても目的関数値を低減させない或いは低減させにくい縮約パラメータを最適化対象から外す。なお、除外するパラメータを決める閾値は適宜変更可能である。
感度分析部50aの分析態様としては、目的関数と縮約パラメータの相関散布図による分析や、目的関数と縮約パラメータの相関係数マトリックスによる分析、各縮約パラメータの動揺波形に対する感度分析などが挙げられる。
換言すれば、感度分析部50aは、目的関数と縮約パラメータの相関散布図、目的関数と縮約パラメータの相関係数マトリックスを作成して感度を算出、又は感度分析し、感度が予め設定された閾値を下回る縮約パラメータを除外する。
図18は、相関散布図による分析の一例であり、図15の最適化結果において、目的関数と縮約発電機RG1のAVRのパラメータの相関散布図を示すものである。図18に示すように、AVRゲインと進み時定数は、目的関数に関して相関があるが、遅れ時定数に関しては相関が弱いため、遅れ時定数を最適化対象の縮約パラメータから除外可能である。
図19は、図15の最適化結果において、目的関数と最適化パラメータとの相関係数マトリックスを示す。パラメータ群同士の相関係数は、下記の(式4)で計算できる。
(式4)
Figure 2017041924
図19に示すように、PG1/PGtotalやPL1/PLtotalなど、目的関数に対する相関係数の絶対値が高いパラメータは感度が高いため、最適化対象とする縮約パラメータとして残すべきであり、一方、RG1およびRG2のPSSの進み時定数など、相関係数の絶対値が低いパラメータは、最適化対象から除外可能である。
また、相関係数マトリックスでは、目的関数と縮約パラメータとの相関関係以外に、縮約パラメータ同士の相関関係を考慮しても良い。例えば、目的関数と縮約パラメータとの相関係数の絶対値が低くても、縮約パラメータ同士の相関係数の絶対値が所定値以上であれば除外対象から外す、つまり縮約パラメータとして残すようにしても良い。また、感度分析部50aが作成した相関係数マトリックスを出力部40の表示装置に表示させ、ユーザが削除対象のパラメータを入力部30を介して選択するようにしても良い。オフライン時に有用である。
以上のように、本実施形態では、縮約パラメータを削減するパラメータ削減部50を備え、パラメータ削減部50は、縮約系統モデルの系統動揺波形に対する前記縮約パラメータの感度を分析する感度分析部50aを有し、感度が所定の閾値を下回る縮約パラメータを、最適化対象の縮約パラメータから除外するようにした。
これにより、目的関数に感度の弱い縮約パラメータを除外することで、目的関数に感度の強い縮約パラメータのみを最適化し、探索領域を狭めることができ、計算時間、計算量を削減することができる。
感度分析部50aは、縮約パラメータ推定部126の過去の最適化結果に基づいて、予め感度分析するようにしても良い。すなわち、一度完了した最適化計算結果を統計処理して感度分析を行い、次回以降の最適化処理において不要な縮約パラメータを最適化対象から除外するようにしても良い。
これにより、縮約ブランチや縮約負荷、縮約発電機の数が増えて縮約系統がより複雑化した場合、縮約パラメータの数も膨大となるが、最終的な最適化計算を行う前段階として、例えば少数世代・少数個の最適化計算を事前に最適化準備処理S13で実施し、その計算結果に基づいて感度分析することで、複雑な縮約系統に対しても縮約パラメータを絞り込むことができ、計算時間の増加と最適解の発散を防止することができる。例えば、オフライン時に使用することができる。
感度分析部50aは、縮約パラメータ推定部126の最適化過程で感度分析しても良い。これにより、オンラインの方式であっても、短時間で縮約系統モデルを作成することができ、単位時間当たりの縮約系統モデルの更新回数を増やすことができる。また、計算量が削減されるので、スペックの小さいコンピュータであっても、対応することが可能になる。
[3.第3の実施形態]
第3の実施形態について、説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。よって、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
第3の実施形態は、複数事故ケースに対する原系統の動揺に対して、縮約系統の動揺をまとめて合わせ込むものである。具体的には、想定事故ケース設定部122において、複数の事故を設定し、複数事故における縮約系統の系統動揺を、原系統と合わせ込む。その際、目的関数は下記の(式5)のように、複数事故分を同時に評価したものとなる。
(式5)
Figure 2017041924
AG(f,i,t):事故ケースf、原系統における時刻tの発電機iの位相基準点からの内部相差角
AG_r(f,i,t):事故ケースf、縮約系統における時刻tの発電機iの位相基準点からの内部相差角
f:事故ケースの番号
fmax:事故ケースの総数
i:発電機の番号
gmax:発電機の総数
t:時間
tmin:誤差を計算する最初断面
tmax:誤差を計算する最終断面
このように、想定事故ケース設定部122は、複数の想定事故ケースを設定し、原系統動揺算出部123及び縮約系統動揺算出部124は、設定された複数の想定事故ケースに基づいて、各系統動揺波形を算出するようにした。
これにより、よりロバスト性の高い縮約系統モデルを作成することができる。すなわち、想定事故ケースが1つの場合は、その想定事故ケースに対する動揺は原系統と一致するが、他の想定事故ケースの動揺とは必ずしも合わない。これに対し、複数の事故ケースにおける系統動揺を同時に合わせ込むことで、全体的に精度の高い縮約系統モデルを作成することができる。
[4.その他の実施形態]
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
例えば、縮約パラメータ推定部126を、差分判定部と調整準備部Aと調整部Bとで構成しても良い。差分判定部は、系統動揺の誤差と予め定めた閾値とから、原系統モデルと縮約系統モデルの系統動揺の合致度を判定する。差分判定部にて合致していないと判断された場合は、調整準備部Aと調整部Bとで縮約パラメータを調整する。
1 縮約モデル作成装置
11 縮約モデル作成部
12 縮約パラメータチューニング部
121 潮流断面データ設定部
122 想定事故ケース設定部
123 原系統動揺算出部
124 縮約系統動揺算出部
125 差分演算部
126 縮約パラメータ推定部
A 調整準備部
126a データ読込部
126b パラメータ設定部
126c 縮約ブランチリアクタンス演算部
126d データ書込部
B 調整部
126e 変異パラメータ生成部
126f 交叉部
126g 選択部
127 縮約パラメータ出力部
21 原系統モデル記憶部
22 縮約系統モデル記憶部
23 潮流断面データ記憶部
24 事故データ記憶部
25 設定記憶部
30 入力部
40 出力部
50 パラメータ削減部
50a 感度分析部

Claims (16)

  1. 電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成部と、
    前記縮約系統モデルの縮約パラメータを調整する縮約パラメータチューニング部と、
    を備え、
    前記縮約パラメータチューニング部は、
    前記原系統モデルの系統動揺波形を算出する原系統動揺算出部と、
    前記縮約系統モデルの系統動揺波形を算出する縮約系統動揺算出部と、
    前記原系統モデルの系統動揺波形と、前記縮約系統モデルの系統動揺波形との差分を演算する差分演算部と、
    前記差分が最小となるよう前記縮約パラメータを最適化することで前記調整する縮約パラメータ推定部と、
    を有し、
    前記縮約パラメータは、縮約系統モデルのネットワークを決定する系統パラメータと、縮約発電機の励磁制御系パラメータとを含み、
    前記縮約パラメータ推定部は、
    前記縮約パラメータを設定するパラメータ設定部と、
    前記パラメータ設定部で設定した前記縮約パラメータから別の縮約パラメータである試験パラメータを生成するパラメータ生成部と、
    前記パラメータ設定部で設定した前記縮約パラメータに基づく前記差分と、前記試験パラメータに基づく前記差分のうち、最小となる前記縮約パラメータを選択することで前記調整する選択部と、
    を有すること、
    を特徴とする縮約モデル作成装置。
  2. 前記パラメータ設定部は、複数の前記縮約パラメータを設定し、
    前記パラメータ生成部は、
    前記パラメータ設定部で設定した縮約パラメータのうち、異なる縮約パラメータを線形結合してなる変異パラメータを生成する変異パラメータ生成部と、
    前記パラメータ設定部で設定した縮約パラメータと、前記変異パラメータとを交叉し、試験パラメータを生成する交叉部と、
    を有すること、
    を特徴とする請求項1記載の縮約モデル作成装置。
  3. 前記パラメータ生成部は、生成した前記試験パラメータが、予め設定された前記縮約パラメータの上下限値の間にない場合には、再度前記試験パラメータを生成すること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の縮約モデル作成装置。
  4. 前記縮約パラメータを削減するパラメータ削減部を備え、
    前記パラメータ削減部は、前記縮約系統モデルの系統動揺波形に対する前記縮約パラメータの感度を分析する感度分析部を有し、前記感度が所定の閾値を下回る縮約パラメータを、最適化対象の縮約パラメータから除外すること、
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。
  5. 前記感度分析部は、前記縮約パラメータ推定部の最適化過程で感度分析すること、
    を特徴とする請求項4に記載の縮約モデル作成装置。
  6. 前記感度分析部は、前記縮約パラメータ推定部の過去の最適化結果に基づいて、予め感度分析すること、
    を特徴とする請求項4に記載の縮約モデル作成装置。
  7. 前記原系統動揺算出部は、前記原系統モデルにおける位相基準点を基準とした発電機の内部位相角波形を算出し、
    前記縮約系統動揺算出部は、前記縮約系統モデルにおける位相基準点を基準とした発電機の内部位相角波形を算出すること、
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。
  8. 縮約対象の前記電力系統は、非縮約対象系統と縮約対象系統とが連系した系統であり、
    前記原系統動揺算出部及び前記縮約系統動揺算出部の前記位相基準点は、前記非縮約対象系統と縮約対象系統との連系点の電圧位相であること、
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。
  9. 前記原系統動揺算出部は、前記原系統モデルにおける発電機の速度偏差の動揺波形を算出し、
    前記縮約系統動揺算出部は、前記縮約系統モデルにおける発電機の速度偏差の動揺波形を算出すること、
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。
  10. 前記原系統動揺算出部は、前記原系統モデルにおけるブランチの有効電力潮流の動揺波形を算出し、
    前記縮約系統動揺算出部は、前記縮約系統モデルにおけるブランチの有効電力潮流の動揺波形を算出すること、
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。
  11. 前記縮約パラメータチューニング部は、前記電力系統の想定事故ケースを設定する想定事故ケース設定部を有し、
    前記想定事故ケース設定部は、複数の想定事故ケースを設定し、
    前記原系統動揺算出部は、前記複数の想定事故ケースに基づいて、前記原系統モデルの系統動揺波形を算出し、
    前記縮約系統動揺算出部は、前記複数の想定事故ケースに基づいて、前記縮約系統モデルの系統動揺波形を算出し、
    を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。
  12. 前記縮約パラメータ推定部の最適化の手法は、差分進化法であること、
    を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。
  13. コンピュータ又は電子回路が、
    電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成処理と、
    前記縮約系統モデルの縮約パラメータを調整する縮約パラメータチューニング処理と、
    を実行し、
    前記縮約パラメータチューニング処理は、
    前記原系統モデルの系統動揺波形を算出する原系統動揺算出処理と、
    前記縮約系統モデルの系統動揺波形を算出する縮約系統動揺算出処理と、
    前記原系統モデルの系統動揺波形と、前記縮約系統モデルの系統動揺波形との差分を演算する差分演算処理と、
    前記差分が最小となるよう前記縮約パラメータを最適化することで前記調整する縮約パラメータ推定処理と、
    を含み、
    前記縮約パラメータ推定処理は、
    前記縮約パラメータを設定するパラメータ設定処理と、
    前記パラメータ設定処理で設定した前記縮約パラメータから別の縮約パラメータである試験パラメータを生成するパラメータ生成処理と、
    前記パラメータ設定処理で設定した前記縮約パラメータに基づく前記差分と、前記試験パラメータに基づく前記差分のうち、最小となる前記縮約パラメータを選択することで前記調整する選択処理と、
    を含むこと、
    を特徴とする縮約モデル作成方法。
  14. 前記縮約パラメータ推定処理の最適化の手法は、差分進化法であること、
    を特徴とする請求項13記載の縮約モデル作成方法。
  15. コンピュータに、
    電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成処理と、
    前記縮約系統モデルの縮約パラメータを調整する縮約パラメータチューニング処理と、
    を実行させ、
    前記縮約パラメータチューニング処理は、
    前記原系統モデルの系統動揺波形を算出する原系統動揺算出処理と、
    前記縮約系統モデルの系統動揺波形を算出する縮約系統動揺算出処理と、
    前記原系統モデルの系統動揺波形と、前記縮約系統モデルの系統動揺波形との差分を演算する差分演算処理と、
    前記差分が最小となるよう前記縮約パラメータを最適化することで前記調整する縮約パラメータ推定処理と、
    を含み、
    前記縮約パラメータ推定処理は、
    前記縮約パラメータを設定するパラメータ設定処理と、
    前記パラメータ設定処理で設定した前記縮約パラメータから別の縮約パラメータである試験パラメータを生成するパラメータ生成処理と、
    前記パラメータ設定処理で設定した前記縮約パラメータに基づく前記差分と、前記試験パラメータに基づく前記差分のうち、最小となる前記縮約パラメータを選択することで前記調整する選択処理と、
    を含むこと、
    を特徴とする縮約モデル作成プログラム。
  16. 前記縮約パラメータ推定処理の最適化の手法は、差分進化法であること、
    を特徴とする請求項15記載の縮約モデル作成プログラム。
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