JP2017041924A - 縮約モデル作成装置、作成方法及び作成プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】縮約パラメータとして、縮約系統モデルのネットワークを決定する系統パラメータと、縮約発電機の励磁制御系パラメータとを含むデータ列を構成する。縮約パラメータ推定部126は、縮約パラメータを設定するパラメータ設定部126bと、パラメータ設定部126bで設定した縮約パラメータから新たな縮約パラメータである試験パラメータを生成するパラメータ生成部と、パラメータ設定部126bで設定した縮約パラメータに基づく前記差分と、試験パラメータに基づく前記差分のうち、最小となる縮約パラメータを選択する選択部126gと、を有する。
【選択図】図2
Description
[1−1.全体構成]
以下では、図1〜図3を参照しつつ、本実施形態の縮約モデル作成装置について説明する。図1は、本実施形態に係る縮約モデル作成装置1の構成を示す図である。
縮約パラメータチューニング部12の構成について詳細に説明する。縮約パラメータチューニング部12は、潮流断面データ設定部121、想定事故ケース設定部122、原系統動揺算出部123、縮約系統動揺算出部124、差分演算部125、縮約パラメータ推定部126、縮約パラメータ出力部127を有している。
Vi=Xr1+F×(Xr2−Xr3)
本実施形態の縮約モデル作成装置1の作用を図4〜図8を参照しつつ、説明する。図4は、本実施形態の縮約モデル作成装置1のフローチャートである。図4のフローチャートは一例であり、動作順序が入れ替わっていても良い。なお、前提として、縮約モデル作成部11が原系統モデルから縮約系統モデルを作成し、その縮約系統モデルが縮約系統モデル記憶部22に記憶されているものとする。
(データ読み込み処理)
まず、縮約パラメータ推定部126において、データ読込部126aが、各記憶部23〜25から必要なデータを読み込む(ステップS131)。具体的には、対象となる事故シーケンス、縮約系統のベースとなるデータ、原系統の動揺波形データ、縮約パラメータの上下限値、各制約条件を読み込む。
次に、パラメータ設定部126bが、データ読込部126aが読み込んだ縮約パラメータの上下限値の間で、最適化する縮約パラメータをN個、ここではランダムに設定する(ステップS132)。すなわち、N個のデータ列(ベクトル)を設定する。
(式1)
PGtotal=PLtotal−Ptie
PLtotal:縮約対象系統の負荷需要の合計
Ptie:連系線潮流
縮約ブランチリアクタンス演算部126cにより、縮約ブランチリアクタンスX1とX2を算出する(ステップS133)。X1とX2は、連系点から縮約系統を除いた短絡容量が原系統と等しい制約条件、連系線の潮流および連系点の電圧が原系統と等しい制約条件などを考慮して算出する。この算出方法は公知の方法を採用することができる。
データ書込部126dにより、S132でランダム設定した縮約パラメータと、S133で算出した縮約ブランチリアクタンスを、過渡安定度計算用の系統データファイルに書き込む(ステップS134)。
S131で設定された事故シーケンスおよびS134で作成した縮約系統の系統データファイルを読み込んで、縮約モデル作成部11が作成した縮約系統モデルを用いて、過渡安定度計算を実施する(ステップS135)。
S135の計算結果から、原系統の系統動揺波形に対する縮約系統の系統動揺波形の誤差を算出する(ステップS136)。系統動揺波形を位相基準点を基準とした発電機の内部位相角波形とした場合は、(式2)によって、連系点の電圧位相を基準とした非縮約対象系統の発電機の内部相差角の誤差総和、すなわち目的関数を計算する。
(式2)
AG(i,t):原系統における時刻tの発電機iの位相基準点からの内部相差角
AG_r(i,t):縮約系統における時刻tの発電機iの位相基準点からの内部相差角
i:発電機の番号
gmax:発電機の総数
t:時間
tmin:誤差を計算する最初断面
tmax:誤差を計算する最終断面
図4を参照する。S13の最適化準備処理の後、縮約パラメータを最適化処理する(ステップS14)。この最適化処理は、縮約パラメータ推定部126、縮約系統動揺算出部124、差分演算部125が連動して行われる。最適化処理では、差分進化法を用いて世代Gの更新を行い、最適化した縮約パラメータを求める。
調整部Bのパラメータ生成部は、Xi,Gに対して変異ベクトルViを生成する(ステップS141)。具体的には、パラメータ生成部の変異パラメータ生成部126eにより、現世代の解から3つランダムに個体を抽出して、下記の(式3)に従って、N個の変異ベクトルViを生成する。
(式3)
Vi=Xr1+F×(Xr2−Xr3)
F:0〜1の実数(スケーリングパラメータ)
Xr1、Xr2、Xr3:X1,G〜XN,Gからランダムに抽出された個体
交叉部126fにおいて、S141で生成したViとXi,Gを交叉して試験ベクトルUiを生成する(ステップS142)。ここでは、図11に示すように、交叉位置をランダムに1点決定し、後方交叉とする。交叉部126fは、Ui,1、Ui,2を生成した後、いずれか一方をランダムに選択して試験ベクトルUiとする。
縮約ブランチリアクタンス演算部126cにおいて、S142で生成した試験ベクトルUiの縮約ブランチリアクタンスを計算する(ステップS143)。なお、後述する電気学会標準系統のWEST30系統に適用する場合には、各縮約発電機のXd1’’およびXd2’’(次過渡直軸リアクタンス)は発電機事故容量ベースの値であるため、縮約発電機の容量が変わる度にXd1’’およびXd2’’を更新し、S133と同様の制約条件を考慮してX1とX2を再計算する。
S143で試験ベクトルUiの縮約ブランチリアクタンスを計算後、縮約系統動揺算出部124と差分演算部125により、(式2)に従って、Uiの目的関数を計算する(ステップS144)。
選択部126gにおいて、試験ベクトルUiと現世代の解Xi,Gの目的関数値を比較し、目的関数値の最適な方を次世代の解Xi,G+1として選択する(ステップS145)。
次に、上記の処理を、電気学会標準系統のWEST30モデルに適用した一例を示し、縮約系統の動特性が原系統と合っていることを示す。図12は、電気学会標準系統のWEST30系統を示す図であり、縮約対象領域も非縮約対象領域も縮約されていない原系統モデルを示す。図13は、WEST30モデルにおいて、ノード1130とノード1210を起点として東側の縮約対象系統を、2機2負荷モデルに縮約した図である。想定事故ケースは、ブランチ1180での3線地絡事故を想定した。目的関数は、非縮約系統の発電機(3010〜3100)の内部位相角波形の原系統との誤差とした。位相基準点は、連系点ノード1130の電圧位相を基準とした。
(1)本実施形態の縮約モデル作成装置1は、電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成部11と、縮約系統モデルの縮約パラメータを調整する縮約パラメータチューニング部12と、を備える。縮約パラメータチューニング部12は、原系統モデルの系統動揺波形を算出する原系統動揺算出部123と、縮約系統モデルの系統動揺波形を算出する縮約系統動揺算出部124と、原系統モデルの系統動揺波形と、縮約系統モデルの系統動揺波形との差分を演算する差分演算部125と、前記差分が最小となるよう縮約パラメータを最適化する縮約パラメータ推定部126と、を有する。縮約パラメータは、縮約系統モデルのネットワークを決定する系統パラメータと、縮約発電機の励磁制御系パラメータとを含む。縮約パラメータ推定部126は、縮約パラメータを設定するパラメータ設定部126bと、パラメータ設定部126bで設定した縮約パラメータから別の縮約パラメータである試験パラメータを生成するパラメータ生成部と、パラメータ設定部126bで設定した縮約パラメータに基づく前記差分と、試験パラメータに基づく前記差分のうち、最小となる縮約パラメータを選択する選択部126gと、を有するようにした。
第2の実施形態について、図17〜図19を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。よって、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
第3の実施形態について、説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。よって、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
(式5)
AG(f,i,t):事故ケースf、原系統における時刻tの発電機iの位相基準点からの内部相差角
AG_r(f,i,t):事故ケースf、縮約系統における時刻tの発電機iの位相基準点からの内部相差角
f:事故ケースの番号
fmax:事故ケースの総数
i:発電機の番号
gmax:発電機の総数
t:時間
tmin:誤差を計算する最初断面
tmax:誤差を計算する最終断面
本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。以上のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
11 縮約モデル作成部
12 縮約パラメータチューニング部
121 潮流断面データ設定部
122 想定事故ケース設定部
123 原系統動揺算出部
124 縮約系統動揺算出部
125 差分演算部
126 縮約パラメータ推定部
A 調整準備部
126a データ読込部
126b パラメータ設定部
126c 縮約ブランチリアクタンス演算部
126d データ書込部
B 調整部
126e 変異パラメータ生成部
126f 交叉部
126g 選択部
127 縮約パラメータ出力部
21 原系統モデル記憶部
22 縮約系統モデル記憶部
23 潮流断面データ記憶部
24 事故データ記憶部
25 設定記憶部
30 入力部
40 出力部
50 パラメータ削減部
50a 感度分析部
Claims (16)
- 電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成部と、
前記縮約系統モデルの縮約パラメータを調整する縮約パラメータチューニング部と、
を備え、
前記縮約パラメータチューニング部は、
前記原系統モデルの系統動揺波形を算出する原系統動揺算出部と、
前記縮約系統モデルの系統動揺波形を算出する縮約系統動揺算出部と、
前記原系統モデルの系統動揺波形と、前記縮約系統モデルの系統動揺波形との差分を演算する差分演算部と、
前記差分が最小となるよう前記縮約パラメータを最適化することで前記調整する縮約パラメータ推定部と、
を有し、
前記縮約パラメータは、縮約系統モデルのネットワークを決定する系統パラメータと、縮約発電機の励磁制御系パラメータとを含み、
前記縮約パラメータ推定部は、
前記縮約パラメータを設定するパラメータ設定部と、
前記パラメータ設定部で設定した前記縮約パラメータから別の縮約パラメータである試験パラメータを生成するパラメータ生成部と、
前記パラメータ設定部で設定した前記縮約パラメータに基づく前記差分と、前記試験パラメータに基づく前記差分のうち、最小となる前記縮約パラメータを選択することで前記調整する選択部と、
を有すること、
を特徴とする縮約モデル作成装置。 - 前記パラメータ設定部は、複数の前記縮約パラメータを設定し、
前記パラメータ生成部は、
前記パラメータ設定部で設定した縮約パラメータのうち、異なる縮約パラメータを線形結合してなる変異パラメータを生成する変異パラメータ生成部と、
前記パラメータ設定部で設定した縮約パラメータと、前記変異パラメータとを交叉し、試験パラメータを生成する交叉部と、
を有すること、
を特徴とする請求項1記載の縮約モデル作成装置。 - 前記パラメータ生成部は、生成した前記試験パラメータが、予め設定された前記縮約パラメータの上下限値の間にない場合には、再度前記試験パラメータを生成すること、
を特徴とする請求項1又は2記載の縮約モデル作成装置。 - 前記縮約パラメータを削減するパラメータ削減部を備え、
前記パラメータ削減部は、前記縮約系統モデルの系統動揺波形に対する前記縮約パラメータの感度を分析する感度分析部を有し、前記感度が所定の閾値を下回る縮約パラメータを、最適化対象の縮約パラメータから除外すること、
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。 - 前記感度分析部は、前記縮約パラメータ推定部の最適化過程で感度分析すること、
を特徴とする請求項4に記載の縮約モデル作成装置。 - 前記感度分析部は、前記縮約パラメータ推定部の過去の最適化結果に基づいて、予め感度分析すること、
を特徴とする請求項4に記載の縮約モデル作成装置。 - 前記原系統動揺算出部は、前記原系統モデルにおける位相基準点を基準とした発電機の内部位相角波形を算出し、
前記縮約系統動揺算出部は、前記縮約系統モデルにおける位相基準点を基準とした発電機の内部位相角波形を算出すること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。 - 縮約対象の前記電力系統は、非縮約対象系統と縮約対象系統とが連系した系統であり、
前記原系統動揺算出部及び前記縮約系統動揺算出部の前記位相基準点は、前記非縮約対象系統と縮約対象系統との連系点の電圧位相であること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。 - 前記原系統動揺算出部は、前記原系統モデルにおける発電機の速度偏差の動揺波形を算出し、
前記縮約系統動揺算出部は、前記縮約系統モデルにおける発電機の速度偏差の動揺波形を算出すること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。 - 前記原系統動揺算出部は、前記原系統モデルにおけるブランチの有効電力潮流の動揺波形を算出し、
前記縮約系統動揺算出部は、前記縮約系統モデルにおけるブランチの有効電力潮流の動揺波形を算出すること、
を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。 - 前記縮約パラメータチューニング部は、前記電力系統の想定事故ケースを設定する想定事故ケース設定部を有し、
前記想定事故ケース設定部は、複数の想定事故ケースを設定し、
前記原系統動揺算出部は、前記複数の想定事故ケースに基づいて、前記原系統モデルの系統動揺波形を算出し、
前記縮約系統動揺算出部は、前記複数の想定事故ケースに基づいて、前記縮約系統モデルの系統動揺波形を算出し、
を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。 - 前記縮約パラメータ推定部の最適化の手法は、差分進化法であること、
を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の縮約モデル作成装置。 - コンピュータ又は電子回路が、
電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成処理と、
前記縮約系統モデルの縮約パラメータを調整する縮約パラメータチューニング処理と、
を実行し、
前記縮約パラメータチューニング処理は、
前記原系統モデルの系統動揺波形を算出する原系統動揺算出処理と、
前記縮約系統モデルの系統動揺波形を算出する縮約系統動揺算出処理と、
前記原系統モデルの系統動揺波形と、前記縮約系統モデルの系統動揺波形との差分を演算する差分演算処理と、
前記差分が最小となるよう前記縮約パラメータを最適化することで前記調整する縮約パラメータ推定処理と、
を含み、
前記縮約パラメータ推定処理は、
前記縮約パラメータを設定するパラメータ設定処理と、
前記パラメータ設定処理で設定した前記縮約パラメータから別の縮約パラメータである試験パラメータを生成するパラメータ生成処理と、
前記パラメータ設定処理で設定した前記縮約パラメータに基づく前記差分と、前記試験パラメータに基づく前記差分のうち、最小となる前記縮約パラメータを選択することで前記調整する選択処理と、
を含むこと、
を特徴とする縮約モデル作成方法。 - 前記縮約パラメータ推定処理の最適化の手法は、差分進化法であること、
を特徴とする請求項13記載の縮約モデル作成方法。 - コンピュータに、
電力系統の原系統モデルから縮約系統モデルを作成する縮約モデル作成処理と、
前記縮約系統モデルの縮約パラメータを調整する縮約パラメータチューニング処理と、
を実行させ、
前記縮約パラメータチューニング処理は、
前記原系統モデルの系統動揺波形を算出する原系統動揺算出処理と、
前記縮約系統モデルの系統動揺波形を算出する縮約系統動揺算出処理と、
前記原系統モデルの系統動揺波形と、前記縮約系統モデルの系統動揺波形との差分を演算する差分演算処理と、
前記差分が最小となるよう前記縮約パラメータを最適化することで前記調整する縮約パラメータ推定処理と、
を含み、
前記縮約パラメータ推定処理は、
前記縮約パラメータを設定するパラメータ設定処理と、
前記パラメータ設定処理で設定した前記縮約パラメータから別の縮約パラメータである試験パラメータを生成するパラメータ生成処理と、
前記パラメータ設定処理で設定した前記縮約パラメータに基づく前記差分と、前記試験パラメータに基づく前記差分のうち、最小となる前記縮約パラメータを選択することで前記調整する選択処理と、
を含むこと、
を特徴とする縮約モデル作成プログラム。 - 前記縮約パラメータ推定処理の最適化の手法は、差分進化法であること、
を特徴とする請求項15記載の縮約モデル作成プログラム。
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