JP2017041492A - コモンモードノイズフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】高周波領域のコモンモードノイズの減衰特性を向上させることができるコモンモードノイズフィルタを提供する。
【解決手段】コモンモードノイズフィルタは、上部から第1のコイル導体16、第3のコイル導体18、第2のコイル導体17、第4のコイル導体19の順に積層する。さらに、第1のコイル導体16と第3のコイル導体18を磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部20を形成し、第2のコイル導体17と第4のコイル導体19を磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部21を形成する。第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21を直列に接続し、かつ、金属導体14の他端部14bを開放するとともに、金属導体14を、第2のコイル導体17と第3のコイル導体18の間に積層した構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタル機器やAV機器、情報通信端末等の各種電子機器に使用される小形で薄型のコモンモードノイズフィルタに関するものである。
従来のこの種のコモンモードノイズフィルタは、図10に示すように、積層された複数の絶縁体層1a〜1gに形成された第1のコイル2と第2のコイル3とを有し、第1のコイル2は渦巻状の第1、第2のコイル導体4a、4bを接続して構成され、第2のコイル3は渦巻状の第3、第4のコイル導体5a、5bを接続して構成され、さらに、第1のコイル2を構成する第1、第2のコイル導体4a、4bと、第2のコイル3を構成する第3、第4のコイル導体5a、5bとが交互に配置されていた。そして、第1のコイル導体4aと第3のコイル導体5aとを磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部6を形成し、かつ第2のコイル導体4bと第4のコイル導体5bとを磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部7を形成し、第1のコモンモードフィルタ部6と第2のコモンモードフィルタ部7を直列接続することで、コモンモードインピーダンスを向上させ、コモンモードノイズを除去するようにしていた。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−373810号公報
近年のスマートフォンに代表されるようなモバイル端末においては、複数の通信方式と通信帯域をカバーする必要がでてきている。とりわけセルラー系無線方式では700MHz〜3GHzまでの広い通信帯域が用いられており、ノイズフィルタにおいても前記周波数帯域でのノイズ減衰特性が望まれている。
しかし、上記した従来のコモンモードノイズフィルタにおいては、コモンモードノイズが入ってきたときに、第1のコモンモードフィルタ部6と第2のコモンモードフィルタ部7がインダクタとして働き、さらに互いに積層方向で磁気結合するため、入出力間のインピーダンスが高くなり、これにより、入出力間に電位差が生じるため、入出力間に浮遊容量が発生する。この結果、周波数が高くなると自己共振が起こるため、自己共振周波数以上の高周波領域ではコモンモードインピーダンスが低下し、これにより、高周波領域のコモンモードノイズの減衰特性が劣化するという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、高周波領域のコモンモードノイズの減衰特性を向上させることができるコモンモードノイズフィルタを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明は、第1のコイルを渦巻状の第1のコイル導体および第2のコイル導体で構成するとともに、第2のコイルを渦巻状の第3のコイル導体および第4のコイル導体で構成し、上部から前記第1のコイル導体、前記第3のコイル導体、前記第2のコイル導体、前記第4のコイル導体の順に積層し、さらに、前記第1のコイル導体と第3のコイル導体を磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を形成し、前記第2のコイル導体と第4のコイル導体を磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を形成し、前記第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部を直列に接続し、かつ、グランドに接続される金属導体を第2のコイル導体と第3のコイル導体の間に積層するとともに、金属導体の他端部を開放し、上面視にて第1のビア電極、第2のビア電極のうち少なくとも一方を金属導体が囲むようにした構成とした。
本発明のコモンモードノイズフィルタは、コモンモードノイズが入ってきたときに、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部のインダクタとしての作用によりノイズが減衰し、さらに、高周波領域においては、第2のコイル導体または第3のコイル導体とグランドに接続された金属導体との間で発生する容量成分により低インピーダンス成分が加わるため、第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部のインピーダンスが周波数ととにも緩やかに上昇するようになり、これにより、自己共振周波数が高くなり、また、高周波領域において高周波のコモンモードノイズをグランドにバイパスさせることができ、この結果、高周波領域のコモンモードノイズの減衰特性を向上させることができ、かつ広帯域のノイズ減衰特性を得ることができるという優れた効果を奏するものである。
本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図 同コモンモードノイズフィルタの斜視図 同コモンモードノイズフィルタの回路模式図 同コモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタのコモンモードノイズ減衰特性を比較した図 実施の形態1と実施の形態2におけるモードコンバージョンの周波数特性を示した図 同コモンモードノイズフィルタの主要部の上面図 同コモンモードノイズフィルタの主要部の上面図 本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図 同コモンモードノイズフィルタの回路模式図 従来のコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図、図2は同コモンモードノイズフィルタの斜視図、図3は同コモンモードノイズフィルタの回路模式図である。
本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタは、図1〜図3に示すように、第1〜第8の絶縁体層11a〜11hと、第1〜第8の絶縁体層11a〜11hに形成された第1のコイル12、第2のコイル13およびグランドに接続される金属導体14と、第1〜第8の絶縁体層11a〜11h、第1、第2のコイル12、13および金属導体14で構成された積層体15とを備えている。
また、第1のコイル12を渦巻状の第1のコイル導体16および第2のコイル導体17で構成するとともに、第2のコイル13を渦巻状の第3のコイル導体18および第4のコイル導体19で構成し、上部から第1のコイル導体16、第3のコイル導体18、第2のコイル導体17、第4のコイル導体19の順に積層し、さらに、第1のコイル導体16と第3のコイル導体18を磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部20を形成し、第2のコイル導体17と第4のコイル導体19を磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部21を形成し、第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21を直列に接続している。
そして、金属導体14の他端部14bを開放するとともに、金属導体14を第2のコイル導体17と第3のコイル導体18の間に積層している。
上記構成において、前記第1〜第8の絶縁体層11a〜11hは、下から順に積層され、また、第2〜第7の絶縁体層11b〜11gは強磁性体ではない材料、例えばCu−Znフェライト、ガラスセラミック等の非磁性材料によりシート状に構成されている。そして、第1、第8の絶縁体層11a、11hは、シート状に構成されたNi−Cu−Znフェライト等の磁性材料で形成されている。
なお、第2〜第7の絶縁体層11b〜11gの中央部に磁芯としての磁性物を形成してもよく、第1〜第8の絶縁体層11a〜11hをすべて非磁性材料で構成してもよい。そして、第1〜第8の絶縁体層11a〜11hを構成するシートの枚数は、図1に示された枚数に限られるものではない。
また、前記第1のコイル12を、渦巻状の第1のコイル導体16および渦巻状の第2のコイル導体17で構成し、第2のコイル13を、渦巻状の第3のコイル導体18および渦巻状の第4のコイル導体19で構成している。
そして、前記第1〜第4のコイル導体16〜19は、それぞれ銀等の導電材料を渦巻状にめっきまたは印刷することにより形成されている。
このとき、第1のコイル導体16は第6の絶縁体層11fの上面、第2のコイル導体17は第3の絶縁体層11cの上面、第3のコイル導体18は第5の絶縁体層11eの上面、第4のコイル導体19は第2の絶縁体層11dの上面にそれぞれ形成されている。
すなわち、第1のコイル12を構成する第1、第2のコイル導体16、17と第2のコイル13を構成する第3、第4のコイル導体18、19とを交互に配置するように積層されている。ここで、上面視にて第1のコイル導体16と第3のコイル導体18の一部を略同じ位置に配置し、巻き方向も同一方向とすることによって磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部20を形成し、同様に、上面視にて第2のコイル導体17と第4のコイル導体19の一部を略同じ位置に配置し、巻き方向も同一方向とすることによって磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部21を形成している。
また、第1のコイル導体16と第2のコイル導体17とは、第4〜第6の絶縁体層11d〜11fにそれぞれ形成された第1のビア電極12aを介して互いに接続され、第1のコイル12が構成される。さらに、第3のコイル導体18と第4のコイル導体19とは、第3〜第5の絶縁体層11c〜11eにそれぞれ形成された第2のビア電極13aを介して互いに接続され、第2のコイル13が構成される。
なお、第1のビア電極12aはそれぞれ上面視にて同じ位置に設けられ、第2のビア電極13aもそれぞれ上面視にて同じ位置に設けられている。また、第1のビア電極12a、第2のビア電極13aは、各絶縁体層の所定の箇所に、レーザで孔あけ加工をし、この孔に銀を充填して形成する。
さらに、前記金属導体14は、第4の絶縁体層11dの上面に、銀などの金属を印刷、めっきする等して形成する。したがって、金属導体14は、第2のコイル導体17と第3のコイル導体18との間、すなわち、第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21との間に配置される。
また、金属導体14の一端部14aは外部電極を介してグランドに接続されるが、他端部14bは開放され、外部の電極とは接続されていない。
ここで、金属導体14の形状を図1に示すように渦巻状としているため、金属導体14と第2、第3のコイル導体17、18との間のコンデンサ成分を容易に調整でき、さらに、コモンモードノイズ減衰の周波数特性を調整できるため、より好ましい。
そして、金属導体14の形状が渦巻状の場合、第1〜第4のコイル導体16〜19の巻き方向と同じ向きとしてもよいし、逆向きとしてもよい。
さらに、金属導体14の巻数を、第2、第3のコイル導体17、18の巻数より少なくしている。
コモンモードノイズが入ってきたときに、第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21はともに、インダクタとして働くが、同時に第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21は積層方向で更に磁気結合し、大きなひとつのインダクタとして働いている。そして、渦巻き状の金属導体14の一端14bを開放した構成としているため、第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21との磁気結合を遮蔽しにくくなるため、コモンモードインピーダンスの低下を防ぎ、コモンモードノイズの除去能力低下を防ぐことができる。実際に、上面視にて第1のビア電極12a、第2のビア電極13aの両方の周囲を渦巻状の金属導体14が1巻きの閉ループを形成しグランドに接続された場合、他端14bを開放しオープン状態にした1巻きの渦巻状の金属導体14と比べると、コモンモードのインピーダンスが約35%程度低下することが確認されている。
なお、図1では、上面視にて第1のビア電極12a、第2のビア電極13aの両方の周囲を渦巻状の金属導体14が囲むようにしているが、第1のビア電極12a、第2のビア電極13aのうち一方の周囲を囲むようにしてもよい。このとき、第1のビア電極12a、第2のビア電極13aの周囲を1周以上の金属導体14が囲んでいる。また、金属導体14の第1のビア電極12a、第2のビア電極13aの周囲を囲んでいる部分以外の箇所を、蛇行状などの他の形状に構成してもよい。
また、金属導体14を、上面視で第2、第3のコイル導体17、18の最も内側に位置する箇所に設けている。
そして、上記した構成により、図2に示すように、積層体15が形成される。また、この積層体15の両端面には、第1〜第4の外部電極22〜25が設けられ、そしてこの第1〜第4の外部電極22〜25はそれぞれ第1〜第4のコイル導体16〜19の一端部、すなわち第1のコイル12の両端部、第2のコイル13の両端部と接続されている。さらに、積層体15の両側面には、金属導体14の一端部14aと接続される第5の外部電極26が形成されている。
さらにまた、前記第1〜第5の外部電極22〜26は、積層体15の端面、側面に銀を印刷することにより形成され、またこれらの表面にめっきによってニッケルめっき層を形成するとともに、このニッケルめっき層の表面にめっきによってすずやはんだ等の低融点金属めっき層を形成する。
上記したように本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタにおいては、コモンモードノイズが入ってきたときに、第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21のインダクタとしての作用によりノイズが減衰し、さらに、高周波領域においては、第2のコイル導体17または第3のコイル導体18とグランドに接続された金属導体14との間で発生する容量成分により低インピーダンス成分が加わるため、第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21のインピーダンスが周波数ととにも緩やかに上昇するようになり、これにより、自己共振周波数が高くなり、また、高周波領域において高周波のコモンモードノイズをグランドにバイパスさせることができ、この結果、高周波領域のコモンモードノイズの減衰特性を向上させることができるため、広帯域のノイズ減衰特性を得ることができるという効果が得られるものである。
すなわち、コモンモードノイズが入ってきたときに、第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21がインダクタとして動作するが、従来例では周波数が高くなるとインピーダンスが高くなり、コモンモードフィルタの入出力部で電位差が発生し、入出力間で浮遊容量が発生し、自己並列共振してしまう。一方、本実施例では、第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21がインダクタとして動作しコモンモードノイズを除去しながら、周波数が高くなると第2のコイル導体17、第3のコイル導体18と金属導体14との間の容量成分によりインピーダンスが低下し、コモンモードフィルタの入出力間の電位差が高くなるすぎるのを抑制し、入出力間の浮遊容量の発生を抑制することで自己並列共振周波数が高くなるとともに、さらに第2のコイル導体17、第3のコイル導体18と金属導体14との間の容量成分によりグランドへのコモンモードノイズをバイパスすることができるため、広帯域でコモンモードノイズ減衰させることができる。
したがって、第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21の自己共振周波数と、第2のコイル導体17、第3のコイル導体18と金属導体14との間の容量成分によってより高周波帯域のコモンモードノイズをグランドにバイパスさせることできるため、広帯域でコモンモードノイズ減衰させることが可能となる。
ここで、図4に、本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタと従来のコモンモードノイズフィルタのコモンモードノイズの減衰特性を比較した図を示す。
図4から明らかなように、従来のコモンモードノイズフィルタより本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの方が、高周波領域のコモンモードノイズを減衰させることができ、この結果、セルラー系無線方式の通信周波数帯域700MHz〜3GHzにおいて広帯域でのコモンモードノイズを減衰させることができる。
また、図4でのコモンモードノイズ減衰特性において、従来例では800MHz近傍に自己共振周波数が有るのに対して、本実施の形態1では、1.5GHz近傍まで自己共振周波数が伸びインダクタとして動作することでコモンモード減衰させることができ、さらに2.4GHz近傍までのグランド接続された金属導体14との間の容量成分の共振周波数帯まで高いコモンモード減衰能力を実現することができる。
しかしながら、この構成では、第2、第3のコイル導体17、18と金属導体14との間で浮遊容量が発生し、ディファレンシャル(差動)信号のバランスを崩してしまい、ディファレンシャルモードからコモンモードへのモード変換が発生してしまい、信号品質を劣化させてしまう可能性がある。
ここで、金属導体14を、上面視で第2、第3のコイル導体17、18の最も外側に位置する箇所に設けた場合、第3のコイル導体18の外部電極24近傍と、第2のコイル導体17の外部電極23近傍との間、つまりコモンモードフィルタの入出力端子間で、渦巻き状の金属導体14を介して浮遊容量が発生してしまい、ディファレンシャル(差動)信号のバランスが失われ、モードコンバージョンが発生し、信号品質が劣化してしまう。しかしながら、図1に示すように、本実施の形態1では金属導体14を、上面視で第2、第3のコイル導体17、18の最も内側に位置する箇所、つまり第1のコイル12と第2のコイル13の、それぞれ中央部分の積層層間を接続するビア電極12a、13a近傍に配置されているため、入出力端子間での浮遊容量は発生しにくくなり、これにより、ディファレンシャルモードからコモンモードへのモード変換が発生しにくくなるため、信号品質が劣化しにくくなる。
なお、金属導体14を、上面視で第2、第3のコイル導体17、18の最も内側に位置する箇所に設ける、ということは必ずしも金属導体14と第2、第3のコイル導体17、18とを対向させることを意味するのではなく、金属導体14をビア電極12a、13aの近傍に形成することをいう。
すなわち、金属導体14を、上面視で第2、第3のコイル導体17、18の最も外側に位置する箇所に設けた場合(外巻という)場合より、金属導体14を、上面視で第2、第3のコイル導体17、18の最も内側に位置する箇所に設けた場合(内巻という)の方が、モード変換特性が良好である。
図5に、本実施の形態1のコモンモードノイズフィルタにおいて、渦巻き状の金属導体14を外巻きにした場合と内巻きにした場合とのディファレンシャルモードからコモンモードへのモード変換の周波数特性を示している。
図5から明らかなように、金属導体14が外巻きの場合、1GHz以上の高周波領域において急激に劣化しており、内巻きにすることによって大きくモード変換が抑制されることが分かる。
また、第1〜第4の外部電極22〜25と第5の外部電極26との間に、通常は絶縁体として機能し所定以上の電圧が印加されると通電される静電気通過部27を形成してもよい。
この静電気通過部27の構成としては、図6に示すように、静電気通過用絶縁体層28の上面に、第1〜第5の外部電極22〜26とそれぞれ接続された(第1〜第4の外部電極22〜25を介して第1〜第4のコイル導体16〜19と接続された、第5の外部電極26を介して金属導体14と接続された)第1〜第5の静電気通過用導体16a〜19a、14cを形成し、第1〜第4のコイル導体16〜19に接続された第1〜第4の静電気通過用導体16a〜19aと金属導体14に接続された第5の静電気通過用導体14cとの間に隙間をあけ、その隙間を電圧依存性抵抗材料29が覆う構成となっている。
なお、静電気通過用絶縁体層28は、前記第1の絶縁体層11a、または第7の絶縁体層11g、あるいは前記第1〜第8の絶縁体層11a〜11hと異なる他の絶縁体層である。
また、電圧依存性抵抗材料29は無くてもよいが、電圧依存性抵抗材料29があった方が、より静電気通過部27としての機能が向上する。
ここで、電圧依存性抵抗材料29としては、酸化亜鉛を主成分とするセラミック材料等のバリスタ材料や、アルミニウム、ニッケル、銅のうち少なくとも1つを含む金属粉と、シリコン、エポキシ、フェノールのうち少なくとも1つを含む樹脂等からなる材料を使用することができる。
さらに、図7に示すように、第5の静電気通過用導体14cを、静電気通過用絶縁体層28と隣接する他の静電気通過用絶縁体層28aの上面に形成してもよい。
この場合、第1〜第4の静電気通過用導体16a〜19aの一部と第5の静電気通過用導体14cの一部とを上面視で対向させ、また、第1〜第4の静電気通過用導体16a〜19aと第5の静電気通過用導体14cとの間の静電気通過用絶縁体層28、28aを、電圧依存性抵抗材料29で構成する。このとき、静電気通過部27は、第1〜第4の静電気通過用導体16a〜19a、第5の静電気通過用導体14c、これらの間の静電気通過用絶縁体層28、28aで構成される。
上記構成により、金属導体14は、高周波のコモンモードノイズをグランドにバイパスさせる機能と、過電圧をグランドに逃がす機能の両方を備えることになる。したがって、通常の電流が流入したときは静電気通過部27が絶縁体となって通常のコモンモードノイズフィルタの機能を果たし、所定以上の電圧が印加されると静電気通過部27に電流が通電されて、電流は第1〜第4の外部電極22〜25から第5の外部電極を介してグランドへ流出する。
さらに、金属導体14と第2、第3のコイル導体17、18とが隣接するため、この間で静電気によって絶縁破壊され易くなるが、第5の外部電極26と第2、第3の外部電極23、24との間、すなわち、金属導体14と第2、第3のコイル導体17、18との間に静電気通過部27を形成することによって、絶縁破壊され難くなる。なお、第5の外部電極26と第1、第4の外部電極22、25との間には静電気通過部27が無くてもよいが、差動信号のバランスを保つために、あった方が好ましい。
(実施の形態2)
図8は本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図である。なお、この本発明の実施の形態2においては、上記した本発明の実施の形態1と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
本発明の実施の形態2が上記した本発明の実施の形態1と相違する点は、図8に示すように、第2のコイル13を構成する第3のコイル導体18と第4のコイル導体19との間に、第1のコイル12を構成する第1のコイル導体16と第2のコイル導体17を配置した点である。ここで、この場合の回路模式図を図9に示す。
実施の形態1では、ディファレンシャル(差動)信号が入ってきたときには、電位の違う第2のコイル導体17と第3のコイル導体18とが積層方向に対向していたため浮遊容量が発生し、この浮遊容量によりディファレンシャルモードからコモンモードへのモード変換が発生し、信号品質が劣化していたが、本実施の形態2では、積層方向で対向している第1のコイル導体16と第2のコイル導体17とは同電位であり浮遊容量が発生しにくくなっており、ディファレンシャルモードからコモンモードへのモード変換が大幅に低減でき、信号品質の劣化を防ぐことができる。
図5に、本実施の形態2におけるディファレンシャルモードからコモンモードへのモード変換の周波数特性比較を、実施の形態1におけるモード変換の周波数特性とあわせて示している。
図5から明らかなように、実施の形態1より実施の形態2のほうがモード変換が大幅に抑制されているのが分かる。
さらに、差動信号が入ってきた場合には、第1のコイル導体16、第2のコイル導体17が同電位であるため浮遊容量が発生せず、ディファレンシャルモードの特性インピーダンスの低下による差動信号の劣化を防ぐという作用効果を有する。
本実施例においても、本発明の実施の形態1と同様に、高周波領域のコモンモードノイズの減衰特性を向上させ、広帯域でのコモンモードノイズ減衰特性を実現できる。
また、上記した本発明の実施の形態1、2におけるコモンモードノイズフィルタにおいては、第1のコイル12、第2のコイル13をそれぞれ1つ設けたものについて説明したが、2つ以上設けてアレイタイプとしてもよい。
さらに、第1のコモンモードフィルタ部20と第2のコモンモードフィルタ部21をそれぞれ1つ設けたものについて説明したが、2つ以上設けてもよい。
本発明に係るコモンモードノイズフィルタは、高周波領域のコモンモードノイズの減衰特性を向上させることができるという効果を有するものであり、特にデジタル機器やAV機器、情報通信端末等の各種電子機器のノイズ対策として使用される小形で薄型のコモンモードノイズフィルタ等において有用となるものである。
11a〜11h 第1〜第8の絶縁体層
12 第1のコイル
13 第2のコイル
14 金属導体
15 積層体
16 第1のコイル導体
17 第2のコイル導体
18 第3のコイル導体
19 第4のコイル導体
20 第1のコモンモードフィルタ部
21 第2のコモンモードフィルタ部
22〜26 第1〜第5の外部電極
上記目的を達成するために本発明は、第1のコイルを渦巻状の第1のコイル導体および第2のコイル導体で構成するとともに、第2のコイルを渦巻状の第3のコイル導体および第4のコイル導体で構成し、上部から前記第1のコイル導体、前記第3のコイル導体、前記第2のコイル導体、前記第4のコイル導体の順に積層し、さらに、前記第1のコイル導体と第3のコイル導体を磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を形成し、前記第2のコイル導体と第4のコイル導体を磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を形成し、前記第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部を直列に接続し、かつ、グランドに接続される金属導体を第2のコイル導体と第3のコイル導体の間に積層するとともに、金属導体の他端部を開放し、上面視にて第1のビア電極、第2のビア電極のうち少なくとも一方を金属導体が囲むようにした構成とした。さらに、金属導体を渦巻状に形成し、金属導体の巻数を、第2、第3のコイル導体の巻数より少なくし、金属導体を、上面視で第2、第3のコイル導体の最も内側に位置する箇所に設けるようにした。

Claims (5)

  1. 複数の絶縁体層と、
    前記複数の絶縁体層に形成された第1、第2のコイルおよびグランドに接続される金属導体と、
    前記複数の絶縁体層、前記第1、第2のコイルおよび前記金属導体で構成された積層体と、
    前記積層体の表面に前記第1、第2のコイルの両端部、前記金属導体の一端部とそれぞれ接続する第1〜第5の外部電極とを備え、
    前記第1のコイルを、第1のビア電極を介して渦巻状の第1のコイル導体および第2のコイル導体を接続して構成するとともに、前記第2のコイルを、第2のビア電極を介して渦巻状の第3のコイル導体および第4のコイル導体を接続して構成し、
    上部から前記第1のコイル導体、前記第3のコイル導体、前記第2のコイル導体、前記第4のコイル導体の順に積層し、または、上部から前記第3のコイル導体、前記第1のコイル導体、前記第2のコイル導体、前記第4のコイル導体の順に積層し、
    さらに、前記第1のコイル導体と第3のコイル導体を磁気結合させて第1のコモンモードフィルタ部を形成し、前記第2のコイル導体と第4のコイル導体を磁気結合させて第2のコモンモードフィルタ部を形成し、前記第1のコモンモードフィルタ部と第2のコモンモードフィルタ部を直列に接続し、
    かつ、前記金属導体を前記第2のコイル導体と前記第3のコイル導体の間に積層するとともに、前記金属導体の他端部を開放し、上面視にて前記第1のビア電極、第2のビア電極のうち少なくとも一方を前記金属導体が囲むようにした
    コモンモードノイズフィルタ。
  2. 前記金属導体を渦巻状に形成した請求項1に記載のコモンモードノイズフィルタ。
  3. 前記金属導体の巻数を、前記第2、第3のコイル導体の巻数より少なくした請求項2に記載のコモンモードノイズフィルタ。
  4. 前記金属導体を、上面視で前記第2、第3のコイル導体の最も内側に位置する箇所に設けた請求項3に記載のコモンモードノイズフィルタ。
  5. 少なくとも前記第2の外部電極と前記第5の外部電極との間、前記第3の外部電極と前記第5の外部電極との間に、通常は絶縁体として機能し所定以上の電圧が印加されると通電される静電気通過部を形成した請求項1に記載のコモンモードノイズフィルタ。
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