JP2017041329A - 非水電解質二次電池用正極活物質 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質 Download PDF

Info

Publication number
JP2017041329A
JP2017041329A JP2015161315A JP2015161315A JP2017041329A JP 2017041329 A JP2017041329 A JP 2017041329A JP 2015161315 A JP2015161315 A JP 2015161315A JP 2015161315 A JP2015161315 A JP 2015161315A JP 2017041329 A JP2017041329 A JP 2017041329A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium
positive electrode
active material
electrode active
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015161315A
Other languages
English (en)
Inventor
哲理 中山
Tetsuri Nakayama
哲理 中山
遼太郎 坂井
Ryotaro Sakai
遼太郎 坂井
栄一 須藤
Eiichi Sudo
栄一 須藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2015161315A priority Critical patent/JP2017041329A/ja
Publication of JP2017041329A publication Critical patent/JP2017041329A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】非水電解質二次電池に用いた際に、その非水電解質二次電池が高い低温出力を示す、正極活物質を提供する。【解決手段】ここに開示される非水電解質二次電池用正極活物質は、硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppm以下であるリチウム含有複合酸化物を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質に関する。
リチウムイオン二次電池(リチウム二次電池)等の非水電解質二次電池は、既存の電池に比べて軽量且つエネルギー密度が高いことから、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。特に、リチウムイオン二次電池は、軽量で高エネルギー密度が得られることから、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として今後ますます普及していくことが期待されている。
非水電解質二次電池の性能を決定する要因の一つとして、正極活物質が挙げられる。正極活物質は、非水電解質二次電池の正極においてリチウムイオン等の電荷担体を可逆的に吸蔵および放出する物質である。非水電解質二次電池の性能を向上させるために、種々の観点から、正極活物質についての検討がなされている。
例えば、特許文献1には、0.01重量%以上5重量%以下の硫酸根を含有するリチウム含有複合酸化物を非水電解質二次電池用正極活物質に用いることが提案されている。そして特許文献1には、当該正極活物質はサイクル寿命が長く、当該正極活物質を非水電解質二次電池に用いることによって、非水電解質二次電池のサイクル特性を向上できることが記載されている。
特許第4235702号公報
特許文献1に記載された硫酸根を含有するリチウム含有複合酸化物では、硫酸根は主に硫酸リチウムとして存在するが、硫酸根が空気中の水分と反応することによって、硫酸リチウム一水和物に変換される。したがって、正極活物質には、硫酸リチウム一水和物が含有されることになる。本発明者らが検討した結果、硫酸リチウム一水和物を含有する正極活物質を用いて非水電解質二次電池を構築した場合には、当該非水電解質二次電池の低温出力特性が低い場合があることがわかった。
そこで本発明は、非水電解質二次電池に用いた際に、その非水電解質二次電池が高い低温出力を示す、正極活物質を提供することを目的とする。
ここに開示される非水電解質二次電池用正極活物質は、硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppm以下であるリチウム含有複合酸化物を含む。
ここに開示される正極活物質を非水電解質二次電池に用いた場合には、当該非水電解質二次電池は、高い低温出力を示す。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法の工程を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池用正極活物質を用いて構築されるリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池用正極活物質を用いて構築されるリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない非水電解質二次電池用正極活物質の一般的な構成)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
本実施形態に係る非水電解質二次電池用正極活物質は、硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppm以下であるリチウム含有複合酸化物を含む。リチウム含有複合酸化物は、硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppm以下である限り、その構造および組成には特に制限はない。リチウム含有複合酸化物は、好適には、層状構造を有するリチウム含有複合酸化物である。層状構造を有するリチウム含有複合酸化物としては、一般式:Li1+sNiCoMn2−q(−0.05≦s≦0.2、x+y+z+t=1、0.1<x<0.9、0.1<y<0.4、0.1<z<0.4、0≦t≦0.2、0≦q≦0.05、Mは、Zr、W、Mg、Ca、Na、Fe、Cr、Zn、Si、Sn、Al、およびBからなる群より選択される少なくとも1種の元素)で表される組成を有するものが好ましい。このような組成を有するリチウム含有複合酸化物を正極活物質に用いた非水電解質二次電池は、より高い低温出力特性を発揮する。
正極活物質の平均粒径としては、例えば3μm〜20μmであり、好ましくは3μm〜10μmである。ここで、平均粒径は、レーザ回折散乱法で求めた体積基準粒径(MV)を意味する。
正極活物質の比表面積は、例えば0.3m/g〜2.5m/gであり、好ましくは0.5m/g〜2.0m/gである。ここで、比表面積は、窒素ガス吸着によるBET法により測定することができる。
本実施形態に係る非水電解質二次電池用正極活物質は、好適には、図1に示すように、硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppmを超えるリチウム含有複合酸化物を、アルカリ洗浄処理する工程(以下、「アルカリ洗浄処理工程」ともいう。)S10、およびアルカリ洗浄処理したリチウム含有複合酸化物を、160℃以上300℃以下の温度で、硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppm以下になるまで熱処理する工程(以下、「熱処理工程」ともいう。)S20を含む製造方法により得ることができる。
まず、アルカリ洗浄処理工程S10について説明する。硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppmを超えるリチウム含有複合酸化物は、例えば、以下のようにして得ることができる。まず、リチウム含有複合酸化物を製造する際の原料として、硫酸塩を用い、晶析法によりリチウム含有複合酸化物の前駆体となる水酸化物を得る。次いで、当該水酸化物とリチウム塩とを混合して焼成する。これにより原料の硫酸塩に由来する硫酸根(硫酸リチウム)を含有するリチウム含有複合酸化物が得られる。このリチウム含有複合酸化物を空気中で放置すると、空気中の水分により硫酸リチウムが水和して、硫酸リチウム一水和物を含むリチウム含有複合酸化物得られる。
より具体的には、例えば、上記一般式で表される組成を有する層状構造を有するリチウム含有複合酸化物を製造する場合、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガン、およびMで表される元素の化合物の混合水溶液を調製し、この混合水溶液とアンモニウムイオン供給体を含む水溶液とを反応槽内に撹拌しながら供給する。このとき、反応槽内のpHを所定の範囲に制御するために水酸化ナトリウム水溶液を供給して、リチウム含有複合酸化物の前駆体である複合水酸化物を晶析させる。この複合水酸化物を回収し、炭酸リチウム等のリチウム化合物と混合して焼成することによって、硫酸リチウム(硫酸根)を含有するリチウム含有複合酸化物が得られる。このリチウム含有複合酸化物を空気中で放置すると空気中の水分により硫酸リチウムが水和して、硫酸リチウム一水和物を含むリチウム含有複合酸化物が得られる。
リチウム含有複合酸化物が硫酸リチウム一水和物を含むことは、熱分析において硫酸リチウム一水和物の脱水和に由来する吸熱ピークが出現することにより、確認することができる。また。リチウム含有複合酸化物に含まれる硫酸一水和物の量は、熱重量・示差熱量同時分析(TG−DTA)により求めることができる。
硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppmを超えるリチウム含有複合酸化物のアルカリ洗浄処理は、例えば、当該リチウム含有複合酸化物を、pHが9〜14、好ましくはpHが11〜14のアルカリ水溶液で洗浄することにより行うことができる。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、アンモニア等を一種以上含む水溶液を使用することができる。
次に熱処理工程S20について説明する。当該工程S20は、アルカリ洗浄処理したリチウム含有複合酸化物を、公知の加熱装置(例、乾燥機等)内で所定の温度で加熱することにより行うことができる。本発明者らの検討によれば、硫酸リチウム一水和物を含むリチウム含有複合酸化物を所定の温度で加熱した際に、加熱前後のATRスペクトルを比較すると、加熱後のATRスペクトルにおいて硫酸リチウム一水和物に由来するピークの消失が見られた。したがって、加熱により、硫酸リチウム一水和物が硫酸リチウム無水和物に変換されることによって、リチウム含有複合酸化物に含まれる硫酸一水和物の量が減少する。このとき、加熱温度を160℃以上300℃以下とすることにより、得られる正極活物質の特性を損なうことなく、効率よく硫酸リチウム一水和物の含有量を減少させることができる。
加熱時間は、リチウム含有複合酸化物に含まれる硫酸リチウム一水和物の量が78質量ppm以下になる時間を適宜選択すればよい。例えば、加熱中、熱重量・示差熱量同時分析(TG−DTA)によってリチウム含有複合酸化物に含まれる硫酸リチウム一水和物の量を適宜モニタリングして、硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppm以下になる時間を決定し、その時間に基づいて加熱時間を適宜決定すればよい。
アルカリ洗浄処理工程S10および熱処理工程S20を経ることによって、硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppm以下であるリチウム含有複合酸化物、即ち正極活物質が得られる。
本実施形態に係る正極活物質を、必要に応じ導電材、バインダ等と共に溶媒と混合して正極ペースト(スラリー、インク等を包含する。)を調製し、当該正極ペーストを正極集電体の表面に塗布し、乾燥して溶媒を除去することにより、正極活物質層を有する正極シートを作製することができる。導電材としては、アセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を使用し得る。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼)からなる導電性部材等を使用することができ、好適にはアルミニウム箔が使用される。
作製した正極シートを用いて、常法に従い、非水電解質二次電池を構築することができる。当該非水電解質二次電池、即ち、本実施形態に係る正極活物質を用いた非水電解質二次電池は、高い低温出力を示す。その理由は次のように考えられる。
正極シートを作製する際には、上述のように、正極活物質、溶媒等を含む正極ペーストを正極集電体の表面に塗布した後、正極ペースト中の溶媒を除去するために、乾燥が行われる。正極活物質が硫酸リチウム一水和物を含む場合には、乾燥中に、硫酸リチウム一水和物が吸熱反応である脱水反応を起こす(特に、80℃〜140℃)。その結果、溶媒の蒸発が妨げられて正極シートの正極活物質層に溶媒が残留し、残留した溶媒が非水電解質二次電池の低温出力特性に悪影響を及ぼす。しかしながら、本実施形態に係る正極活物質は、硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppmと少ない。そのため、乾燥時に溶媒の蒸発がほとんど阻害されることなく速やかに進行し、正極シートの正極活物質層に残留する溶媒量が顕著に低減される。したがって、正極活物質層の残留溶媒による非水電解質二次電池の低温出力特性への悪影響が抑制される。
本実施形態に係る正極活物質を用いた非水電解質二次電池の具体例としてのリチウムイオン二次電池100の構成を、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
図2に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解質(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型のリチウムイオン二次電池100である。電池ケース30には、外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。正負極端子42,44はそれぞれ正負極集電板42a,44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質には、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図2および図3に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回されている。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(上記長手方向に直交するシート幅方向をいう。)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50は、上述のようにして作製される、本実施形態に係る正極活物質を含む正極シートである。即ち、正極集電体52には、例えばアルミニウム箔等が用いられ、正極活物質層54は、上述の本実施形態に係る正極活物質を含む。また正極活物質層54は、導電材、バインダ等をさらに含み得る。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極活物質層64は、バインダ、増粘剤等をさらに含み得る。バインダとしては、スチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様の各種微多孔質シートを用いることができ、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートが挙げられる。かかる微多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70は、耐熱層(HRL)を備えていてもよい。
非水電解質は従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解液中には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した非水溶媒、支持塩以外の成分、例えば、ガス発生剤、被膜形成剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、複数個が電気的に接続された組電池の形態で使用することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
[正極活物質の作製]
硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガン、ジルコニウム化合物およびタングステン化合物の混合水溶液と、アンモニウムイオンを含む水溶液とを反応槽内に撹拌しながら供給し、かつ、反応槽内の反応液を所定のpHに保持するために水酸化ナトリウム水溶液を供給することにより、反応槽中に、球状の複合水酸化物粒子を晶析させた。得られた複合水酸化物粒子を回収して、水洗後乾燥させた。
この複合水酸化物粒子に対して、空気雰囲気中で、150℃で12時間加熱する熱処理を行うことにより、熱処理水酸化物粒子を得た。
熱処理水酸化物粒子に対して、炭酸リチウムを、リチウムと熱処理水酸化物粒子が含む金属の原子比が1:1.14となるように添加し、混合することによりリチウム混合物を得た。
このリチウム混合物を、空気気流中にて、保持温度を950℃、室温(30℃)から保持温度までの昇温速度を5℃/分、保持時間を3.63時間として焼成した後、室温まで冷却することにより、リチウム複合酸化物粒子を得た。得られたリチウム複合酸化物粒子を解砕処理し、比表面積1.4m/g、平均粒径(MV)5.2μmのリチウム複合酸化物粒子を得た。ICP発光分光分析によれば、このリチウム複合酸化物粒子は、Li1.14(Ni0.33Co0.33Mn0.330.993Zr0.0020.005で表される組成を有していた。また、熱分析によれば、このリチウム複合酸化物粒子は、硫酸リチウム一水和物を含有していた。
このリチウム複合酸化物粒子をアルカリ水溶液で洗浄した後、160℃〜300℃で熱処理を行って、硫酸リチウム一水和物の含有量の異なる13種類のリチウム含有複合酸化物(正極活物質)を作製した。硫酸リチウム一水和物の含有量は、TG−DTA測定により求めた。
[試験用非水電解質二次電池の作製]
作製した正極活物質と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、正極活物質:AB:PVDF=90:8:2の質量比でNMPと混合し、正極活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストを、長尺状のアルミニウム箔の両面に塗布して乾燥した後プレスし、正極シートを作製した。
また、負極活物質としての黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストを、長尺状の銅箔の両面に塗布して乾燥した後プレスし、負極シートを作製した。
また、2枚の長尺状のセパレータシート(多孔性ポリオレフィンシート)を用意した。
作製した正極シートと負極シートと用意した2枚のセパレータシートとを重ね合わせ、捲回して捲回電極体を作製した。
作製した捲回電極体に集電体を取り付け、電池ケースに収容した。続いて、電池ケースの注液口から非水電解液を注入し、当該注液口を気密に封止してNo.1〜No.13のリチウムイオン二次電池(容量4Ah)を作製した。なお、非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
No.1〜No.13のリチウムイオン二次電池に用いられた正極活物質(リチウム複合酸化物)中の硫酸リチウム一水和物の含有量を、表1に示す。
[低温出力測定]
上記作製したNo.1〜No.13のリチウムイオン二次電池をそれぞれ、定電流定電圧充電によりSOC(State of Charge)25%の充電状態に調整した。上記SOCを調整した各リチウムイオン二次電池を、−30℃の温度条件下、SOC25%の状態から一定の出力[W]で2V(カット電圧)まで放電したときに要した時間を測定した。80W〜200Wの範囲内で定めた所定の出力でそれぞれ放電を行い、各出力で放電したときに測定された時間を横軸に取り、該測定時の出力[W]を縦軸に取って、近似曲線から2秒時の出力[W]を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2017041329
表1より、リチウム含有複合酸化物(正極活物質)中の硫酸リチウム一水和物の含有量が少ないと、非水電解質二次電池の低温出力特性が高くなることがわかる。特に、硫酸リチウム一水和物の含有量が78ppm以下であれば、高い低温出力が得られることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 硫酸リチウム一水和物の含有量が78質量ppm以下であるリチウム含有複合酸化物を含む非水電解質二次電池用正極活物質。
JP2015161315A 2015-08-18 2015-08-18 非水電解質二次電池用正極活物質 Pending JP2017041329A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015161315A JP2017041329A (ja) 2015-08-18 2015-08-18 非水電解質二次電池用正極活物質

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015161315A JP2017041329A (ja) 2015-08-18 2015-08-18 非水電解質二次電池用正極活物質

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017041329A true JP2017041329A (ja) 2017-02-23

Family

ID=58208794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015161315A Pending JP2017041329A (ja) 2015-08-18 2015-08-18 非水電解質二次電池用正極活物質

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017041329A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020091275A (ja) * 2018-11-26 2020-06-11 住友金属鉱山株式会社 リチウム評価方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020091275A (ja) * 2018-11-26 2020-06-11 住友金属鉱山株式会社 リチウム評価方法
JP7342466B2 (ja) 2018-11-26 2023-09-12 住友金属鉱山株式会社 リチウム評価方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107039653B (zh) 非水电解液二次电池
CN105186029B (zh) 非水电解质二次电池及其制造方法
JP2014053193A (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
KR20150015086A (ko) 젖음성이 향상된 이차전지용 음극 활물질 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
JP6390915B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質
JP5741936B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JPWO2018150843A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP2012238461A (ja) 二次電池及びその製造方法
KR102503012B1 (ko) 비수전해질 이차 전지
JP7235405B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP7152360B2 (ja) 二次電池の正極、およびこれを用いた二次電池
KR101888775B1 (ko) 비수 전해액 이차 전지
JP2018018785A (ja) 非水電解質二次電池
KR20220108013A (ko) 부극
JP2017041329A (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質
JP2018063835A (ja) リチウムイオン二次電池用正極材料、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池
JP7148872B2 (ja) リチウム二次電池用非水電解液
JP6376410B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法
JP7307888B2 (ja) 負極
JP7144371B2 (ja) 非水電解質二次電池
US20240067532A1 (en) Particles convertible to lithium transition metal composite oxide and method for producing the same
JP7290089B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP7265697B2 (ja) 非水系リチウム二次電池の負極材料
JP7281091B2 (ja) 二次電池の正極材料、および二次電池
WO2020196710A1 (ja) 集電体、導電性層形成用ペースト、電極、及び蓄電素子