以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合もある。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素等の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
<1.現金処理装置の概要>
まず、本発明の一実施形態に係る現金処理装置の概要について説明する。昨今、複数枚の紙幣を施封して紙幣束を生成する現金処理装置が開示されている。しかし、操作者が生成したい紙幣束は1つである場合だけではなく、複数の紙幣束の場合もあり得る。ここで、操作者が複数の紙幣束を生成する場合には、最初の紙幣束の生成を指示した後、次の紙幣束の生成を指示するといった手順を採るのが一般的であり、複数の紙幣束を効率良く生成することができないのが一般的である。
そこで、上記の事情を鑑み、本実施形態においては、複数の紙幣束を効率良く生成することが可能な技術について主に提案する。
<2.現金処理装置の構成>
続いて、図1を参照して、本実施形態に係る現金処理装置の具体的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係る現金処理装置1の構成を示す模式図である。なお、図1には、本発明の第1の実施形態に係る「現金処理装置1A」および本発明の第2の実施形態に係る「現金処理装置1B」がまとめて「現金処理装置1」と示され、本発明の第1の実施形態に係る「制御部150A」および本発明の第2の実施形態に係る「制御部150B」がまとめて「制御部150」と示されている。
図1に示すように、現金処理装置1は、紙幣投入口101と、紙幣一時保留部103と、紙幣鑑別部105と、万券カセット107と、五千券カセット109と、千券カセット111と、退避カセット113と、リジェクト部115と、を備える。また、現金処理装置1は、硬貨投入口117と、硬貨鑑別部119と、硬貨一時保留部121と、硬貨返却箱123と、出金ホッパ125と、硬貨回収庫127と、硬貨出金箱129と、を備える。
また、現金処理装置1は、カードリーダ部131と、操作表示部133と、レシートプリンタ部135と、制御部150と、を備える。現金処理装置1は、施封部137を備える。施封部137は、集積庫139を有している。
紙幣投入口101は、現金処理装置1に入金される紙幣が投入される投入口である。また、紙幣投入口101は、紙幣の出金口としても機能する。具体的には、紙幣投入口101は、売上入金の取り消しにより返却される紙幣、釣銭出金により出金される紙幣、および、紙幣鑑別部105により正常ではないとしてリジェクトされた紙幣(以下、「リジェクト紙幣」とも言う。)を出金する。
紙幣一時保留部103には、入金計数時および売上金作成時に、一時的に紙幣が集積される。また、紙幣鑑別部105は、投入された紙幣が正常な紙幣であるか否かを各種センサによって鑑別する。また、紙幣鑑別部105は、紙幣の金種も各種センサによって鑑別することが可能である。
万券カセット107、五千券カセット109、および千券カセット111は、それぞれ万券、五千券、および千券の紙幣を収納する現金収納部である。具体的には、万券カセット107、五千券カセット109、および千券カセット111(以下では、まとめて各紙幣カセットともいう)には、各種紙幣が釣銭準備金として収納される。また、各紙幣カセットには、売上として入金され、紙幣鑑別部105によって正常と鑑別された各種紙幣が収納される。さらに、釣銭出金時には、各紙幣カセットからそれぞれ各種紙幣が出金される。
退避カセット113は、売上回収のためのカセットである。具体的には、退避カセット113には、入金時または精算集計時に、各紙幣カセットから移動された紙幣が売上金として収納される。また、退避カセット113は、収納している紙幣を繰り出す機能も有している。
リジェクト部115には、紙幣鑑別部105によって正常な紙幣ではないと鑑別された紙幣、すなわちリジェクトされた紙幣が集積される。具体的には、リジェクト部115には、売上入金時に紙幣一時保留部103から各紙幣カセットに紙幣を搬送する過程でリジェクトされた紙幣、各紙幣カセットから釣銭出金を行う過程でリジェクトされた紙幣、精算集計時に各紙幣カセットから退避カセット113に紙幣を搬送する過程でリジェクトされた紙幣などが集積される。
リジェクト部115がフルになった場合であっても、紙幣投入口101から紙幣が搬送される場合には、紙幣投入口101が空になるまでリジェクト部115に紙幣が搬送されてよい。また、リジェクト部115がフルになった場合であっても、退避カセット113から紙幣が搬送される場合には、搬送1回につき最大枚数(例えば、100枚まで)までリジェクト部115に紙幣が搬送されてよい。しかし、かかる状態においてリジェクト部115に紙幣が搬送された後は、取引継続不可となり、取引が終了されてよい。
硬貨投入口117は、硬貨が投入される投入口である。また、硬貨鑑別部119は、投入された硬貨が正常な硬貨であるか否かを各種センサによって鑑別する。また、硬貨鑑別部119は、硬貨の金種も各種センサによって鑑別することが可能である。さらに、硬貨一時保留部121には、入金計数時および精算集計時に、一時的に硬貨が集積される。
硬貨返却箱123は、硬貨の返却口であり、計数が行われた硬貨、売上入金の取り消しがなされた硬貨が返却される。また、出金ホッパ125は、売上入金によって投入された各種硬貨が収納される現金収納部である。例えば、出金時には出金ホッパ125から各種硬貨が出金される。
硬貨回収庫127は、売上回収のためのカセットである。具体的には、硬貨回収庫127には、精算集計時に出金ホッパ125から移動された硬貨が売上金として収納される。また、硬貨出金箱129は、釣銭出金時に硬貨を出金するための硬貨出金口である。
カードリーダ部131は、レジカードまたはIDカード等に書き込まれた情報を読み取る。レジカードまたはIDカード等に書き込まれる情報としては、例えば、カードを利用する操作者を識別するための識別情報、および、許可されている取引の種類を示す情報が挙げられる。カードリーダ部131により読み取られる情報が事前に登録されている情報と一致する場合、後述する制御部150は、現金処理装置1の利用を許可する。
なお、現金処理装置1は、カードリーダ部131に加えて、あるいは、カードリーダ部131に代えて、指紋認識を行う指紋認識部、または、暗証番号の入力を受け付ける暗証番号入力部等を有してもよい。
操作表示部133は、操作者による操作を検出する操作部としての機能と、各種画面を表示する表示部としての機能とを備える。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現することができる。また、操作部としての機能は、例えば、タッチパネルにより実現することができる。なお、表示部および操作部の機能は、分離して備えられていてもよい。
レシートプリンタ部135は、取引の結果が印字されたレシートを発行する。例えば、レシートプリンタ部135は、中断された取引の結果が印字された中断レシート、再開した取引の結果が印字された再開レシートを発行してもよい。また、レシートプリンタ部135は、複数枚の紙幣を施封した結果が印字された整理施封レシートを発行してもよい。
施封部137は、複数枚の紙幣を所定の枚数(例えば、100枚等)ごとに結束する機能を有する。より具体的には、施封部137は、紙幣投入口101から搬送されて集積庫139に集積された紙幣が所定枚数に達した場合、集積庫139に集積された所定枚数の紙幣を施封して紙幣束を生成する。施封部137は、紙幣束の生成が完了すると、生成した紙幣束を外部に排出する。
制御部150は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、およびデータ等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)装置等のデータ格納用記憶装置などで構成される。
このような制御部150により、現金処理装置1の動作全般が制御される。例えば、制御部150は、レジカードやIDカードによる認証が終了した場合、操作者が所望の処理を選択するためのメニュー画面を操作表示部133に表示させ、メニュー画面にて操作者が選択した処理の実行を制御してもよい。
<3.第1の実施形態>
続いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
<3.1.構成の説明>
まず、第1の実施形態に係る現金処理装置1Aの構成例について説明する。紙幣投入口101に操作者から紙幣が投入されると、紙幣鑑別部105に紙幣が搬送され、紙幣鑑別部105によって、紙幣投入口101に投入された紙幣が鑑別される。そして、制御部150Aは、紙幣の鑑別結果に応じた搬送先に紙幣が搬送されるように、図示しない搬送部を制御する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る紙幣の種類ごとの搬送先の例を示す表である。図2に示すように、制御部150Aは、紙幣鑑別部105による鑑別結果が所定の「第1の施封対象金種」を示す紙幣を施封部137が有する集積庫139に集積させる。
一方、図2に示すように、制御部150Aは、鑑別結果が第1の施封対象金種以外を示す紙幣(例えば、「リジェクト紙幣」、「第1の施封対象金種以外」の金種の紙幣等)を紙幣一時保留部103に収納させる。かかる構成により、最初に紙幣束にされる「第1の施封対象金種」の紙幣を集積庫139に集積させることが可能となるため、最初の紙幣束を生成するための準備を行うことが可能となる。したがって、複数の紙幣束を効率良く生成することが可能となる。
なお、「第1の施封対象金種」はどのように決定されてもよい。一例として、制御部150Aは、紙幣鑑別部105によって最初に認識された金種を「第1の施封対象金種」として決定してよい。このように「第1の施封対象金種」が決定されれば、「第1の施封対象金種」が迅速に決定され得る。
第1の実施形態では、最初に認識された金種を「第1の施封対象金種」として決定する例を主に説明する。しかし、制御部150Aは、第1の施封対象金種を選択するための所定の第1の選択操作に基づいて第1の施封対象金種を決定してもよい。
そして、制御部150Aは、所定のトリガを検出すると、鑑別結果が所定の第2の施封対象金種を示す紙幣を集積庫139に集積させ、鑑別結果が第2の施封対象金種以外を示す紙幣を紙幣一時保留部103に収納させる。かかる構成により、2番目の紙幣束を生成するための準備を行うことが可能となる。また、このようなトリガ検出時における動作が連続的に実行されれば、複数の紙幣束が連続的に生成され得る。
なお、「第2の施封対象金種」はどのように決定されてもよい。一例として、制御部150Aは、トリガの検出時に紙幣一時保留部103から紙幣投入口101に紙幣が返却される。このとき、制御部150Aは、紙幣投入口101に返却された紙幣枚数が最も多い金種を第2の施封対象金種として決定してよい。このように「第2の施封対象金種」が決定されれば、紙幣の多い金種から順に紙幣束が生成されるため、効率良く紙幣束の生成を実行することが可能となる。
ここで、選択可能な施封対象金種の数は、2つに限定されず、複数であれば特に限定されない。しかし、選択可能な施封対象金種の最大数(例えば、4つなど)があらかじめ決められていてもよい。第2の実施形態では、このようにして「第2の施封対象金種」を決定する例を主に説明する。しかし、制御部150Aは、第2の施封対象金種を選択するための所定の第2の選択操作に基づいて第2の施封対象金種を決定してもよい。
なお、トリガは特に限定されないが、第1の施封対象金種の紙幣に対する結束を終了するための所定の状態の検出(例えば、紙幣投入口101への紙幣の追加投入をキャンセルする操作の検出)であってよい。第1の実施形態においては、紙幣投入口101への紙幣の追加投入をキャンセルする操作の検出をトリガとする例を主に説明する。
また、第1の実施形態においては、鑑別結果が所定の第1の施封対象金種を示す紙幣が集積庫139に集積される例を説明するが、集積庫139の代わりに、何らかの集積部に紙幣が集積されてもよい。また、第1の実施形態においては、鑑別結果が所定の第1の施封対象金種以外を示す紙幣が紙幣一時保留部103に収納される例を説明するが、紙幣一時保留部103の代わりに、何らかの収納部に紙幣が収納されてもよい。
以上、第1の実施形態に係る現金処理装置1Aの構成例について説明した。
<3.2.動作の説明>
続いて、第1の実施形態に係る現金処理装置1Aの動作例について説明する。図3および図4は、第1の実施形態に係る現金処理装置1Aの動作の流れを示したフローチャートである。図3に示したように、まず、制御部150Aは、操作表示部133に所定の待機画面を表示させる(ステップS101)。
続いて、操作者がカードリーダ部131にカード(例えば、レジカードまたはIDカード等)をタッチし、カードリーダ部131によってカードから情報が読み取られると、カードから読み取られた情報に基づいて認証処理がなされる。認証処理が成功すると、制御部150Aは、操作表示部133に所定の取引選択画面を表示させる(ステップS102)。取引選択画面には、項目「整理施封」が含まれている。
操作者が「整理施封」を選択する操作を行い、操作表示部133によって「整理施封」を選択する操作が検出されると、制御部150Aは、紙幣投入口101のシャッタは開け、紙幣の投入誘導を行う(ステップS103)。例えば、投入誘導は、制御部150Aが紙幣投入口101に紙幣を投入することを促すメッセージを操作表示部133に表示させることによって実現されてよい。制御部150Aは、紙幣投入口101に紙幣投入がなされない場合には(ステップS104において「No」)、紙幣投入口101のシャッタを閉じ、ステップS201に動作を移行させる。
一方、制御部150Aは、紙幣投入口101に紙幣投入がなされた場合には(ステップS104において「Yes」)、紙幣投入口101のシャッタを閉じ、紙幣鑑別部105に紙幣が搬送されるように図示しない搬送部を制御する。続いて、紙幣鑑別部105は、紙幣を鑑別して鑑別結果を得る。制御部150Aは、鑑別結果に基づいて最初の施封対象金種(第1の施封対象金種)を決定する(ステップS105)。一例として、制御部150Aは、紙幣鑑別部105によって最初に認識された金種を最初の施封対象金種として決定してよい。
続いて、制御部150Aは、最初の施封対象金種の紙幣を施封部137の集積庫139に集積させ、最初の施封対象金種の紙幣以外の紙幣(例えば、最初の施封対象金種以外の金種の紙幣、リジェクト紙幣等)を紙幣一時保留部103に収納させる。施封部137は、集積庫139に集積された紙幣枚数を計数し(ステップS106)、紙幣枚数が所定枚数(例えば、100枚等)に達した場合に、集積庫139に集積された所定枚数の紙幣を結束して排出する。なお、紙幣投入口101からの紙幣の繰り出しは、集積庫139の紙幣の移動開始とともに停止されてよいが、集積庫139に紙幣がなくなったら、再開されてよい。
制御部150Aは、紙幣束の排出が完了すると、紙幣束の受取誘導を行う(ステップS107)。例えば、受取誘導は、制御部150Aが施封部137から紙幣束を受け取ることを促すメッセージを操作表示部133に表示させることによって実現されてよい。ここで、制御部150Aは、紙幣一時保留部103がフルになった場合には(ステップS108において「Yes」)、動作をステップS109に移行させる。
制御部150Aは、紙幣投入口101に残留紙幣が有る場合には(ステップS109において「Yes」)、紙幣投入口101のシャッタを開け、当該残留紙幣の受取誘導を行い(ステップS110)、残留紙幣の受け取りが完了すると、紙幣投入口101のシャッタを閉じ、動作をステップS111に移行させる。例えば、受取誘導は、制御部150Aが紙幣投入口101から紙幣を受け取ることを促すメッセージを操作表示部133に表示させることによって実現されてよい。一方、制御部150Aは、紙幣投入口101に残留紙幣が無い場合にも(ステップS109において「No」)、動作をステップS111に移行させる。
ステップS111に動作が移行された場合、制御部150Aは、紙幣一時保留部103に収納されている紙幣が紙幣投入口101に返却されるように図示しない搬送部を制御し(ステップS111)、紙幣投入口101のシャッタを開け、返却された紙幣の受取誘導を行う(ステップS112)。例えば、受取誘導は、制御部150Aが紙幣投入口101に返却された紙幣を受け取ることを促すメッセージを操作表示部133に表示させることによって実現されてよい。紙幣投入口101に返却された紙幣の受け取りが完了すると、動作をステップS103に移行させる。
一方、制御部150Aは、紙幣一時保留部103がフルになっていない場合(ステップS108において「No」)、紙幣投入口101に残留紙幣が有る場合には(ステップS113において「Yes」)、動作をステップS106に移行させるが、紙幣投入口101に残留紙幣が無い場合には(ステップS113において「No」)、追加投入確認を行う(ステップS114)。例えば、追加投入確認は、制御部150Aが施封対象金種の紙幣を追加投入するか否かを選択するためのボタンを操作表示部133に表示させることによって実現されてよい。
操作者が、施封対象金種の紙幣を追加投入することを選択するためのボタンを押下し、操作表示部133によってそのボタン押下が検出された場合(ステップS115において「選択」)、制御部150Aは、動作をステップS103に移行させる。一方、操作者が、施封対象金種の紙幣を追加投入することをキャンセルするためのボタンを押下し、操作表示部133によってそのボタン押下が検出された場合(ステップS115において「キャンセル」)、制御部150Aは、動作をステップS201に移行させる。
続いて、制御部150Aは、紙幣一時保留部103に残留紙幣が無い場合には(ステップS201において「No」)、動作をステップS205に移行させるが、紙幣一時保留部103に残留紙幣が有る場合には(ステップS201において「Yes」)、紙幣一時保留部103に収納されている紙幣が紙幣投入口101に搬送されるように図示しない搬送部を制御し(ステップS202)、紙幣投入口101のシャッタを閉じられたままにし、紙幣の追加投入確認を行う(ステップS203)。追加投入確認は、上記と同様に実現され得る。
操作者が、施封対象金種の紙幣を追加投入することを選択するためのボタンを押下し、操作表示部133によってそのボタン押下が検出された場合(ステップS204において「選択」)、制御部150Aは、紙幣一時保留部103に収納されている紙幣が紙幣投入口101に返却されるように図示しない搬送部を制御し、紙幣投入口101のシャッタを開け、返却された紙幣の受取誘導を行い(ステップS212)、動作をステップS103に移行させる。返却された紙幣の受取誘導は、上記と同様に実現され得る。
一方、操作者が、施封対象金種の紙幣を追加投入することをキャンセルするためのボタンを押下し、操作表示部133によってそのボタン押下が検出された場合(ステップS204において「キャンセル」)、制御部150Aは、動作をステップS205に移行させる。
続いて、制御部150Aは、施封部137の集積庫139に残留紙幣が無い場合には(ステップS205において「No」)、動作をステップS207に移行させる。一方、制御部150Aは、施封部137の集積庫139に残留紙幣が有る場合には(ステップS205において「Yes」)、異金種が混在した紙幣束が生成されることを防ぐため、図示しない施封フロントパネルを開けることによって、端数(集積庫139の残留紙幣)の受取誘導を行う(ステップS206)。制御部150Aは、端数の受け取りが完了すると、動作をステップS207に移行させる。
続いて、制御部150Aは、施封継続確認を行う(ステップS207)。施封継続確認は、制御部150Aが次の金種で施封を継続するか否かを選択するためのボタンを操作表示部133に表示させることによって実現されてよい。操作者が、施封継続をキャンセルするためのボタンを押下し、操作表示部133によってそのボタン押下が検出された場合(ステップS208において「No」)、制御部150Aは、紙幣投入口101のシャッタを開け、紙幣投入口101に返却された紙幣の受取誘導を行い(ステップS210)、施封部137による施封結果をレシートに印字させ(ステップS211)、動作をステップS101に移行させる。
一方、操作者が、施封継続を選択するためのボタンを押下し、操作表示部133によってそのボタン押下が検出された場合(ステップS208において「Yes」)、制御部150Aは、紙幣投入口101を閉じたままにし、次の施封対象金種を決定し(ステップS209)、動作をステップS106に移行させる。このとき、制御部150Aは、紙幣投入口101に返却された紙幣枚数が最も多い金種を第2の施封対象金種として決定してよい。また、紙幣投入口101が閉じたままにされることによって、操作者が紙幣投入口101から紙幣を取り出して再度投入する手間が省略される。
以上に説明したように、第1の実施形態によれば、操作者によって紙幣の施封指示が一度入力されれば、自動的な金種の認識または操作者による選択操作に基づいて、複数の施封対象金種およびそれらの順序が自動的に決定され、決定された複数の施封対象金種およびそれらの順序に基づいて、複数の施封対象金種の紙幣束が自動的に生成される。
したがって、第1の実施形態によれば、複数の紙幣束を効率良く生成することが可能となる。より具体的に、第1の実施形態によれば、操作者の操作性が向上し、複数の紙幣束の生成時間が短縮される。
以上、第1の実施形態に係る現金処理装置1Aの動作例について説明した。
<4.第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
<4.1.構成の説明>
まず、第2の実施形態に係る現金処理装置1Bの構成例について説明する。第2の実施形態においても、制御部150Bは、紙幣の鑑別結果に応じた搬送先に紙幣が搬送されるように、図示しない搬送部を制御する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る紙幣の種類ごとの搬送先の例を示す表である。図5に示すように、制御部150Bは、紙幣鑑別部105による鑑別結果が所定の「第1の施封対象金種」を示す紙幣を施封部137が有する集積庫139に集積させる。
一方、図5に示すように、制御部150Bは、鑑別結果が所定の「第2の施封対象金種」を示す紙幣を紙幣一時保留部103に収納させる。また、図5に示すように、制御部150Bは、第1の施封対象金種以外および第2の施封対象金種以外を示す紙幣(例えば、「リジェクト紙幣」、「施封対象金種以外」の金種の紙幣等)をリジェクト部115に収納させる。
かかる構成により、最初に紙幣束にされる「第1の施封対象金種」の紙幣を集積庫139に集積させ、次に紙幣束にされる第2の施封対象金種の紙幣を紙幣一時保留部103に収納させることが可能となるため、最初の紙幣束を生成するための準備とともに2番目の紙幣束を生成するための準備を行うことが可能となる。したがって、複数の紙幣束をさらに効率良く生成することが可能となる。
なお、「第1の施封対象金種」および「第2の施封対象金種」はどのように決定されてもよい。一例として、制御部150Bは、所定の金種選択画面を操作表示部133に表示させ、金種選択画面において第1の施封対象金種を選択するための所定の第1の選択操作に基づいて第1の施封対象金種を決定してよい。また、制御部150Bは、金種選択画面において第2の施封対象金種を選択するための所定の第2の選択操作に基づいて第2の施封対象金種を決定してよい。なお、第2の実施形態では、2つの施封対象金種を選択する例を主に説明するが、3つ以上の施封対象金種が選択可能であってもよい。
第2の実施形態では、制御部150Aが、第1の施封対象金種を選択するための所定の第1の選択操作に基づいて第1の施封対象金種を決定し、第2の施封対象金種を選択するための所定の第2の選択操作に基づいて第2の施封対象金種を決定する例を説明する。しかし、制御部150Bは、最初に認識された金種を「第1の施封対象金種」として決定し、トリガの検出時に紙幣一時保留部103から紙幣投入口101に返却された紙幣枚数が最も多い金種を第2の施封対象金種として決定してもよい。
そして、制御部150Bは、所定のトリガを検出すると、鑑別結果が第2の施封対象金種を示す紙幣を集積庫139に集積させ、鑑別結果が第1および第2の施封対象金種以外を示す紙幣をリジェクト部115に収納させる。かかる構成により、2番目の紙幣束を生成するための準備を行うことが可能となる。また、このようなトリガ検出時における動作が連続的に実行されれば、複数の紙幣束が連続的に生成され得る。
あるいは、制御部150Bは、第3の施封対象金種が選択されている場合には、所定のトリガを検出すると、鑑別結果が第2の施封対象金種を示す紙幣を集積庫139に集積させ、鑑別結果が第3の施封対象金種を示す紙幣を紙幣一時保留部103に収納させ、鑑別結果が第1〜第3の施封対象金種以外を示す紙幣をリジェクト部115に収納させればよい。かかる構成により、2番目の紙幣束を生成するための準備とともに3番目の紙幣束を生成するための準備を行うことが可能となる。また、このようなトリガ検出時における動作が連続的に実行されれば、複数の紙幣束が連続的に生成され得る。
なお、トリガは特に限定されないが、第1の実施形態と同様に、第1の施封対象金種の紙幣に対する結束を終了するための所定の状態の検出(例えば、紙幣投入口101への紙幣の追加投入をキャンセルする操作の検出)であってよい。第2の実施形態においては、紙幣投入口101への紙幣の追加投入をキャンセルする操作の検出をトリガとする例を主に説明する。
また、第2の実施形態においては、鑑別結果が所定の第1の施封対象金種を示す紙幣が集積庫139に集積される例を説明するが、集積庫139の代わりに、何らかの集積部に紙幣が集積されてもよい。また、第2の実施形態においては、鑑別結果が所定の第1の施封対象金種とは異なる所定の第2の施封対象金種を示す紙幣が紙幣一時保留部103に収納される例を説明するが、紙幣一時保留部103の代わりに、何らかの第1の収納部に紙幣が収納されてもよい。
さらに、第2の実施形態においては、鑑別結果が所定の第1の施封対象金種および所定の第2の施封対象金種以外を示す紙幣がリジェクト部115に収納される例を説明するが、リジェクト部115の代わりに、何らかの第2の収納部に紙幣が収納されてもよい。また、第2の実施形態においては、紙幣一時保留部103に収納されている紙幣が退避カセット113に退避される場合があるが、退避カセット113の代わりに他のカセットに退避されてもよい。
以上、第2の実施形態に係る現金処理装置1Bの構成例について説明した。
<4.2.動作の説明>
続いて、第2の実施形態に係る現金処理装置1Bの動作例について説明する。図6および図7は、第2の実施形態に係る現金処理装置1Bの動作の流れを示したフローチャートである。図6に示したように、まず、制御部150Bは、操作表示部133に所定の待機画面を表示させる(ステップS301)。
続いて、操作者がカードリーダ部131にカード(例えば、レジカードまたはIDカード等)をタッチし、カードリーダ部131によってカードから情報が読み取られると、カードから読み取られた情報に基づいて認証処理がなされる。認証処理が成功すると、制御部150Bは、操作表示部133に所定の取引選択画面を表示させる(ステップS302)。取引選択画面には、項目「整理施封」が含まれている。
操作者が「整理施封」を選択する操作を行い、操作表示部133によって「整理施封」を選択する操作が検出されると、制御部150Bは、リジェクト部115が空でない場合には(ステップS302において「No」)、リジェクト部115が空になるまで待機し、リジェクト部115が空である場合には(ステップS302において「Yes」)、所定の金種選択画面を操作表示部133に表示させる(ステップS304)。
金種選択画面において、操作者によって複数の施封対象金種を選択するための選択操作が行われると、操作表示部133は、その選択操作を検出する。このとき、操作者によって施封対象金種それぞれの順序も入力され、操作表示部133によって施封対象金種それぞれの順序も検出される。
続いて、制御部150Bは、紙幣投入口101のシャッタは開け、紙幣の投入誘導を行う(ステップS305)。例えば、投入誘導は、制御部150Bが紙幣投入口101に紙幣を投入することを促すメッセージを操作表示部133に表示させることによって実現されてよい。制御部150Bは、紙幣投入口101に紙幣投入がなされない場合には(ステップS306において「No」)、紙幣投入口101のシャッタを閉じ、ステップS401に動作を移行させる。
一方、制御部150Bは、紙幣投入口101に紙幣投入がなされた場合には(ステップS306において「Yes」)、紙幣投入口101のシャッタを閉じ、紙幣鑑別部105に紙幣が搬送されるように図示しない搬送部を制御する。続いて、紙幣鑑別部105は、紙幣を鑑別して鑑別結果を得る。制御部150Bは、最初の施封対象金種を示す紙幣を集積庫139に集積させ、次の施封対象金種を示す紙幣を紙幣一時保留部103に収納させ、最初の施封対象金種以外および次の施封対象金種以外を示す紙幣をリジェクト部115に収納させる。
続いて、施封部137は、集積庫139に集積された紙幣枚数を計数し(ステップS307)、紙幣枚数が所定枚数(例えば、100枚等)に達した場合に、集積庫139に集積された所定枚数の紙幣を結束して排出する。なお、紙幣投入口101からの紙幣の繰り出しは、集積庫139の紙幣の移動開始とともに停止されてよいが、集積庫139に紙幣がなくなったら、再開されてよい。
制御部150Bは、紙幣束の排出が完了すると、紙幣束の受取誘導を行う(ステップS308)。例えば、受取誘導は、制御部150Bが施封部137から紙幣束を受け取ることを促すメッセージを操作表示部133に表示させることによって実現されてよい。ここで、制御部150Bは、紙幣一時保留部103がフルになった場合には(ステップS309において「Yes」)、紙幣一時保留部103に収納されている紙幣が退避カセット113に移動されるように図示しない搬送部を制御する(ステップS310)。
一方、制御部150Bは、紙幣一時保留部103がフルになっていない場合(ステップS309において「No」)、紙幣投入口101に残留紙幣が有る場合には(ステップS311において「Yes」)、動作をステップS307に移行させるが、紙幣投入口101に残留紙幣が無い場合には(ステップS311において「No」)、追加投入確認を行う(ステップS312)。例えば、追加投入確認は、制御部150Bが施封対象金種の紙幣を追加投入するか否かを選択するためのボタンを操作表示部133に表示させることによって実現されてよい。
操作者が、施封対象金種の紙幣を追加投入することを選択するためのボタンを押下し、操作表示部133によってそのボタン押下が検出された場合(ステップS313において「選択」)、制御部150Bは、動作をステップS305に移行させる。一方、操作者が、施封対象金種の紙幣を追加投入することをキャンセルするためのボタンを押下し、操作表示部133によってそのボタン押下が検出された場合(ステップS313において「キャンセル」)、制御部150Bは、動作をステップS401に移行させる。
続いて、制御部150Bは、紙幣一時保留部103に残留紙幣が無い場合には(ステップS401において「No」)、動作をステップS405に移行させるが、紙幣一時保留部103に残留紙幣が有る場合には(ステップS401において「Yes」)、紙幣一時保留部103に収納されている紙幣が退避カセットに移動されるように図示しない搬送部を制御し(ステップS402)、紙幣の追加投入確認を行う(ステップS403)。追加投入確認は、上記と同様に実現され得る。
操作者が、施封対象金種の紙幣を追加投入することを選択するためのボタンを押下し、操作表示部133によってそのボタン押下が検出された場合(ステップS404において「選択」)、制御部150Bは、動作をステップS305に移行させる。一方、操作者が、施封対象金種の紙幣を追加投入することをキャンセルするためのボタンを押下し、操作表示部133によってそのボタン押下が検出された場合(ステップS404において「キャンセル」)、制御部150Bは、動作をステップS405に移行させる。
続いて、制御部150Bは、退避カセット113に残留紙幣が無い場合には(ステップS405において「No」)、動作をステップS406に移行させる。制御部150Bは、施封部137の集積庫139に残留紙幣が無い場合には(ステップS406において「No」)、ステップS414に動作を移行させるが、施封部137の集積庫139に残留紙幣が有る場合には(ステップS406において「Yes」)、異金種が混在した紙幣束が生成されることを防ぐため、図示しない施封フロントパネルを開けることによって、端数(集積庫139の残留紙幣)の受取誘導を行う(ステップS407)。
制御部150Bは、端数の受け取りが完了すると、動作をステップS414に移行させる。続いて、制御部150Bは、施封部137による施封結果をレシートに印字させ(ステップS414)、動作をステップS301に移行させる。
一方、制御部150Bは、退避カセット113に残留紙幣が有る場合には(ステップS405において「Yes」)、ステップS408に動作を移行させる。制御部150Bは、施封部137の集積庫139に残留紙幣が無い場合には(ステップS408において「No」)、ステップS410に動作を移行させるが、施封部137の集積庫139に残留紙幣が有る場合には(ステップS408において「Yes」)、動作をステップS409に移行させる。
続いて、制御部150Bは、異金種が混在した紙幣束が生成されることを防ぐため、図示しない施封フロントパネルを開けることによって、端数(集積庫139の残留紙幣)の受取誘導を行う(ステップS409)。制御部150Bは、端数の受け取りが完了すると、動作をステップS410に移行させる。
続いて、施封部137は、退避カセット113に残留紙幣が有る場合には(ステップS410において「Yes」)、集積庫139に集積された紙幣枚数を計数し(ステップS411)、紙幣枚数が所定枚数(例えば、100枚等)に達した場合に、集積庫139に集積された所定枚数の紙幣を結束して排出する。なお、紙幣投入口101からの紙幣の繰り出しは、集積庫139の紙幣の移動開始とともに停止されてよいが、集積庫139に紙幣がなくなったら、再開されてよい。
制御部150Bは、紙幣束の排出が完了すると、紙幣束の受取誘導を行う(ステップS412)。例えば、受取誘導は、制御部150Bが施封部137から紙幣束を受け取ることを促すメッセージを操作表示部133に表示させることによって実現されてよい。一方、制御部150Bは、退避カセット113に残留紙幣が無い場合には(ステップS410において「No」)、施封対象金種として選択された複数の金種の順序を一つずつ繰り上げ、動作をステップS305に動作を移行させる。
以上に説明したように、第2の実施形態によれば、操作者によって紙幣の施封指示が一度入力されれば、自動的な金種の認識または操作者による選択操作に基づいて、複数の施封対象金種およびそれらの順序が自動的に決定され、決定された複数の施封対象金種およびそれらの順序に基づいて、複数の施封対象金種の紙幣束が自動的に生成される。
したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、複数の紙幣束を効率良く生成することが可能となる。特に、第2の実施形態によれば、集積庫139への1の施封対象金種の紙幣の集積に並行して、紙幣一時保留部103に他の施封対象金種の紙幣が収納されるため、複数の紙幣束の生成時間がより短縮される。
以上、第2の実施形態に係る現金処理装置1Bの動作例について説明した。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、第1の実施形態および第2の実施形態を順に説明したが、第1の実施形態および第2の実施形態のうちの一方は、他方を適宜に利用することが可能である。より詳細には、第1の実施形態に係る現金処理装置1Aが有する機能および第2の実施形態に係る現金処理装置1Bが有する機能のうちの一方は、他方の機能に適宜変更することが可能である。
例えば、第1の実施形態に係る現金処理装置1Aにおいて、紙幣が紙幣投入口101に返却される例を説明した。しかし、紙幣が紙幣投入口101に返却される代わりに、退避カセット113に移動されるようにしてもよい。かかる場合には、紙幣投入口101に返却された紙幣の代わりに、退避カセット113に移動された紙幣が集積庫139に集積されてよい。
また、第2の実施形態に係る現金処理装置1Bにおいて、紙幣が退避カセット113に移動される例を説明した。しかし、紙幣が退避カセット113に移動される代わりに、紙幣投入口101に返却されるようにしてもよい。かかる場合には、退避カセット113に移動された紙幣の代わりに、紙幣投入口101に返却された紙幣が集積庫139に集積されてよい。
また、例えば、現金処理装置1の動作全体を制御するための制御部150は、専用のハードウェアによって構成されてもよいし、現金処理装置1に内蔵されたCPUがROMに記憶されたプログラムをRAMに展開して実行することにより実現されてもよい。かかるプログラムが提供され得る他、かかるプログラムを記憶させた記憶媒体も提供され得る。