JP2017039451A - 車両用スピーカシステム - Google Patents

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Shigeki Yamamoto
茂樹 山本
功 平島
Isao Hirashima
功 平島
武志 青木
Takeshi Aoki
武志 青木
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Abstract

【課題】ステアリングシャフトの支持状態を安定させつつ、音響装置の軽量化及び省スペース化を図る。【解決手段】メインダクト13に、運転席の前方で車幅方向に延びる運転席側ダクト16と、運転席側ダクト16の助手席側で車幅方向に延び、かつ運転席側ダクト16よりも細い助手席側ダクト17とを設けた。そして、メインダクト13の長手方向両端部に、車体両側のサイドパネルに連結される車体取付けブラケット47を取り付けるとともに、運転席側ダクト16の長手方向中途部に、ステアリングシャフトを支持するステアリングシャフト支持ブラケット43を取り付けた。【選択図】図1

Description

本発明は、インストルメントパネルと、該インストルメントパネルの内側で車幅方向に延びる管状のメインダクトを有する音響装置とからなる車両用スピーカシステムに関するものである。
特許文献1には、インストルメントパネルと、該インストルメントパネルの内側で車幅方向に一定の太さで延びる管状のメインダクトを有する音響装置とからなる車両用スピーカシステムが開示されている。この車両用スピーカシステムでは、上記インストルメントパネルに第1放音口及び第2放音口が形成されている一方、上記メインダクトには第1貫通孔及び第2貫通孔が上記メインダクト内部の共通の連通空間に連通するように貫通形成されている。そして、上記第1貫通孔の周縁部には第1サブダクトがその内部空間を上記インストルメントパネルの第1放音口に連通させるように外周側に向けて突設され、上記第1サブダクトの内部にはスピーカがその正面側を外側に向けて配設されている。一方、上記第2貫通孔の周縁部には、第2サブダクトがその内部空間を上記インストルメントパネルの第2放音口に連通させるように一体に延設されている。そして、メインダクトの連通空間及び第2サブダクトの内部空間で管共鳴が生じ、第2サブダクトから低音が発生されるようになっている。
特開2005−96630号公報
ところで、上記車両用スピーカシステムのメインダクトにステアリングシャフト支持ブラケットを取り付け、ステアリングシャフトを支持する機能を上記メインダクトに持たせることが考えられる。このようにした場合、メインダクトには、ステアリングシャフトを安定して支持するための剛性が必要となるが、剛性確保のためにメインダクトを太くすると、ヘルムホルツ共振による低音の増幅には有利であるが音響装置全体の重量の増大を招くとともに、インストルメントパネルの内側に助手席用エアバッグ装置やグローブボックス等、他の装備の配設スペースを十分確保できなくなるおそれもある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ステアリングシャフトの支持状態を安定させつつ、音響装置を軽量化するとともに他の装備の配設スペースを確保することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、助手席前方で延びる箇所がステアリングシャフト支持ブラケットの取付箇所よりも細くなるようにメインダクトを形成したことを特徴とする。
具体的には、この発明は、インストルメントパネルと、該インストルメントパネルの内側で車幅方向に延びる管状のメインダクトを有する音響装置とからなり、上記インストルメントパネルには第1放音口及び第2放音口が形成され、上記メインダクトには第1貫通孔及び第2貫通孔が共通の連通空間に連通するように貫通形成され、上記第1貫通孔の周縁部には、第1サブダクトがその内部空間を上記インストルメントパネルの第1放音口に連通させるように外周側に向けて突設され、上記第1サブダクトの内部にはスピーカユニットがその正面側を外側に向けて配設されているとともに、上記第2貫通孔の周縁部には、第2サブダクトがその内部空間を上記インストルメントパネルの第2放音口に連通させるように外周側に向けて突設された車両用スピーカシステムを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、上記メインダクトは、運転席の前方で車幅方向に延びる運転席側ダクトと、該運転席側ダクトの助手席側で車幅方向に延び、かつ上記運転席側ダクトよりも細い助手席側ダクトとを備え、上記メインダクトの長手方向両端部には、車体両側のサイドパネルに連結される車体取付けブラケットが取り付けられ、上記運転席側ダクトの長手方向中途部には、ステアリングシャフトを支持するステアリングシャフト支持ブラケットが取り付けられていることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明の車両用スピーカシステムにおいて、上記運転席側ダクトの内部空間と助手席側ダクトの内部空間とは、仕切部材によって仕切られ、上記第1貫通孔及び第2貫通孔は、上記運転席側ダクトに1組形成され、かつ上記助手席側ダクトの両端近傍に1組形成され、上記助手席側ダクトは、上記運転席側ダクトよりも長いことを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明の車両用スピーカシステムにおいて、上記運転席側ダクト側の第2サブダクトの内部空間の長手方向に垂直な断面の面積は上記運転席側ダクトの内部空間よりも小さく設定されていることを特徴とする。
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明の車両用スピーカシステムにおいて、上記第1貫通孔が、上記助手席側ダクトに形成され、上記助手席側ダクトの第1貫通孔の周縁部に突設された第1サブダクトは、金属製の略筒状の基端側部材と、該基端側部材の一端側に取り付けられ、かつ上記基端側部材の内部空間よりも太い内部空間を有する樹脂製の略管状の先端側部材とを備え、上記基端側部材の他端部は、上記助手席側ダクトの第1貫通孔の周縁部に全周に亘って溶接され、上記先端側部材の内部に上記スピーカユニットが配設されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、助手席側ダクトを運転席側ダクトよりも細くしたので、ステアリングシャフト支持ブラケットの取付箇所周りの剛性を確保してステアリングシャフトの支持状態を安定させつつ、音響装置全体を軽量化するとともに、助手席側に他の装備の配設スペースを確保できる。
第2の発明によれば、運転席側ダクトよりも細い助手席側ダクトが運転席側ダクトよりも車幅方向に長いので、助手席側ダクトを運転席側ダクトより短くした場合に比べ、より効果的に省スペース化を実現できる。
また、助手席側ダクトが運転席側ダクトよりも長いので、助手席側ダクトを運転席側ダクトより短くする場合に比べ、助手席側の気柱共鳴周波数を低くして低音再生能力を向上できる。
第3の発明によれば、運転席側ダクト側の第2サブダクトの内部空間が運転席側ダクトの内部空間よりも細いので、両者を等しくする場合に比べ、運転席側のヘルムホルツ共振周波数を低くして低音再生能力を向上できる。
第4の発明によれば、助手席側ダクトの第1貫通孔の周縁部が第1サブダクトの基端側部材で全周に亘って補強されているので、助手席側ダクトの剛性を確保できる。
また、先端側部材の内部にスピーカユニットが配設されるので、スピーカユニットの大きさに関わらず、基端側部材及び助手席側ダクトを細くして省スペース化を実現できる。
本発明の実施形態に係る車両用スピーカシステムを示す斜視図である。 音響装置の分解斜視図である。 図1のIII−III線に対応する断面図である。 図3のIV−IV線に対応する断面図である。 図3のV−V線に対応する断面図である。 図3のVI−VI線に対応する断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1〜図6は、右ハンドル仕様車の車室前側に設けられた本発明の実施形態に係る車両用スピーカシステム1を示す。この車両用スピーカシステム1は、インストルメントパネル3と、該インストルメントパネル3の内側に配設された音響装置5とからなる。
上記インストルメントパネル3は、その主体をなすインストルメントパネル本体7を備えている。このインストルメントパネル本体7は、車幅方向に略水平に延びるアッパパネル部7aと、該アッパパネル部7aの後端全幅から下方に延びるロアパネル部7bとで断面略L字状に形成されている。上記ロアパネル部7bの車幅方向中央部には、車体後方に膨出するコンソール部7cが形成されている。
上記インストルメントパネル本体7のアッパパネル部7aの右側端部近傍には、円形状の運転席側第1放音口9が形成されている。一方、上記インストルメントパネル本体7のアッパパネル部7aの左側端部近傍には、円形状の助手席側第1放音口10が形成されている。また、アッパパネル部7aの車幅方向中央部には、車幅方向に長い長孔形状の第2放音口11が貫通形成されている。これら運転席側第1放音口9、助手席側第1放音口10及び第2放音口11は、図示しないスピーカグリルにより上方から覆われている。
上記音響装置5は、上記インストルメントパネル3の内側で車幅方向に延びる断面円形状の金属製のメインダクト13を有している。メインダクト13の長手方向両端には、車幅方向外側に開口する開口部14が形成されている。また、メインダクト13は、運転席の前方で車幅方向に延びる運転席側ダクト16と、該運転席側ダクト16の助手席(左)側で車幅方向に延びる助手席側ダクト17とを備えている。上記助手席側ダクト17は、上記運転席側ダクト16よりも細く、かつ長く形成されている。上記運転席側ダクト16と助手席側ダクト17とは、助手席側から運転席側に向けて徐々に太くなる筒状の連結部18により一体に連結されている。
メインダクト13の内部空間は、樹脂製の仕切部材15により上記連結部18対応箇所、すなわち長手方向中央よりも右(運転席側)寄りの箇所で運転席側の連通空間としての分割空間S1と、助手席側の連通空間としての分割空間S2とに仕切られている。したがって、上記運転席側ダクト16の内部空間と上記助手席側ダクト17の内部空間とは、上記仕切部材15によって仕切られている。仕切部材15は、図3に示すように、円形板状の円盤部15aと、該円盤部15aの外周部に右側に向けて斜め外側に環状に一体に突設された傾斜部15bと、該傾斜部15bの先端部から右側に環状に一体に突設された筒状の先端部15cとからなり、上記円盤部15a及び傾斜部15bが上記メインダクト13の連結部18に内嵌めされている。
また、運転席側ダクト16の右側端部近傍における上端部よりも車体前方に若干下がった箇所には、運転席側第1貫通孔19が貫通形成されているとともに、運転席側ダクト16の左側端部近傍における上端部よりも車体前方に若干下がった箇所には、第2貫通孔20が貫通形成されている。運転席側ダクト16に形成されたこれら1組の運転席側第1貫通孔19及び第2貫通孔20が共通の分割空間S1に連通している。
一方、助手席側ダクト17の左側端部近傍における上端部よりも車体前方に若干下がった箇所には、上記運転席側第1貫通孔19よりも小さい助手席側第1貫通孔21が貫通形成されているとともに、助手席側ダクト17の右側端部近傍における上端部よりも車体前方に若干下がった箇所には、運転席側ダクト16と同様に第2貫通孔20が貫通形成されている。助手席側ダクト17に形成されたこれら1組の助手席側第1貫通孔21及び第2貫通孔20が共通の分割空間S2に連通している。また、メインダクト13の長手方向両端近傍には、それぞれ複数の加工基準穴24が貫通形成されている。
上記運転席側ダクト16の運転席側第1貫通孔19の周縁部には、略くの字状に屈曲する断面円形状の運転席側第1サブダクト25が外周側に向けて突設されている。この運転席側第1サブダクト25の内部空間は、上記インストルメントパネル3の運転席側第1放音口9に連通している。運転席側第1サブダクト25は、略筒状の金属製の運転席側第1基端側部材27と、該運転席側第1基端側部材27の先端(一端)側に取り付けられた略への字状に屈曲する略管状の樹脂製の第1先端側部材29とを備え、上記第1先端側部材29の内部、すなわち運転席側第1サブダクト25の内部には、スピーカユニット31がその正面側を外側に向けて配設されている。
上記運転席側第1基端側部材27は、筒状の筒部27aを備え、該筒部27aの先端部には、基端側接合フランジ部27bが全周に亘って一体に張出形成されている。さらに、上記基端側接合フランジ部27bの外周端には、3つの突出片部27cが互いに間隔を空けて外周側に向けて一体に突設されている。上記筒部27aの基端(他端)部は、運転席側ダクト16の運転席側第1貫通孔19の周縁部に全周に亘って溶接されている。
上記第1先端側部材29は、略への字状に屈曲する管状の第1管部29aを備え、第1管部29aの基端部には、先端側接合フランジ部29bが全周に亘って一体に張出形成されている。さらに、上記先端側接合フランジ部29bの外周端には、板状の3つの基端側取付片部29cが互いに間隔を空けて外周側に向けて一体に突設されている。そして、上記運転席側第1基端側部材27の基端側接合フランジ部27bと上記第1先端側部材29の先端側接合フランジ部29bとを突き当てた状態で、上記運転席側第1基端側部材27の突出片部27cと上記第1先端側部材29の基端側取付片部29cとがそれぞれネジ33により締結されている。また、第1管部29aの先端部には、4つの先端側取付片部29dが上記第1管部29aの外周面との間に突出側に開放するネジ孔を形成するように外周側に向けて一体に突設されている。上記第1管部29aの太さは、上記運転席側第1基端側部材27の筒部27aと略等しく設定されている。したがって、上記第1先端側部材29の内部空間は、運転席側第1基端側部材27の内部空間と略等しい太さになっている。
また、上記スピーカユニット31の正面側端部には、第1先端側部材29の外周側に張り出すフランジ部31aが一体に形成され、当該フランジ部31aと上記第1先端側部材29の先端部及び先端側取付片部29dとが4本のネジ33により締結されている。なお、図4及び図5中、スピーカユニット31の右側には、スピーカユニット31に接続された配線34周りの断面を示す。
上記助手席側ダクト17の助手席側第1貫通孔21の周縁部には、略くの字状に屈曲する断面円形状の助手席側第1サブダクト26が外周側に向けて突設されている。この助手席側第1サブダクト26の内部空間は、上記インストルメントパネル3の助手席側第1放音口10に連通している。助手席側第1サブダクト26は、金属製の略筒状の助手席側第1基端側部材28と、該助手席側第1基端側部材28の先端(一端)側に取り付けられた第1先端側部材29とを備えている。この第1先端側部材29は、上記運転席側第1サブダクト25の第1先端側部材29と同じ構成を有している。この第1先端側部材29の内部にも、上記運転席側第1サブダクト25と同様に、スピーカユニット31がその正面側を外側に向けて配設されている。
上記助手席側第1基端側部材28は、上記運転席側第1基端側部材27の筒部27aよりも細い筒状の筒部28aを備え、該筒部28aの先端部には、基端側接合フランジ部28bが全周に亘って一体に張出形成されている。この基端側接合フランジ部28bは、上記筒部28aが上記運転席側第1基端側部材27の筒部27aよりも細い分、幅広に形成されている。さらに、上記基端側接合フランジ部28bの外周端には、3つの突出片部28cが互いに間隔を空けて外周側に向けて一体に突設されている。上記筒部28aの基端部、すなわち助手席側第1基端側部材28の他端部は、助手席側ダクト17の助手席側第1貫通孔21の周縁部に全周に亘って溶接されている。そして、上記助手席側第1基端側部材28の基端側接合フランジ部28bの外周端部と上記第1先端側部材29の先端側接合フランジ部29bとを突き当てた状態で、上記助手席側第1基端側部材28の突出片部28cと上記第1先端側部材29の基端側取付片部29cとがそれぞれネジ33により締結されている。上記助手席側第1基端側部材28の筒部28aが上記運転席側第1基端側部材27の筒部27aよりも細くされているので、上記第1先端側部材29の内部空間は、助手席側第1基端側部材28の内部空間よりも太くなっている。
上記運転席側ダクト16及び助手席側ダクト17の第2貫通孔20の周縁部にはそれぞれ、略くの字状に屈曲する断面円形状の第2サブダクト35が外周側に向けて突設されている。これら第2サブダクト35の内部空間は、上記インストルメントパネル3の第2放音口11に連通している。各第2サブダクト35の内部空間の長手方向に垂直な断面の面積は、運転席側ダクト16の内部空間の長手方向に垂直な断面の面積よりも小さく、かつ上記スピーカユニット31の有効振動板面積の20%〜50%となるように設定されている。第2サブダクト35の内部空間の長手方向に垂直な断面の面積S(cm)、該第2サブダクト35の内部空間の長手方向に垂直な断面の半径r(cm)、分割空間S1の体積と、該分割空間S1に連通する運転席側第1サブダクト25の体積との合計V(cm)、及び各第2サブダクト35の長さl(cm)は、ヘルムホルツ周波数が30Hz〜70Hzのうちユーザが選択した所定の周波数fとなるように設定され、具体的には、以下の式を満たすように設定される。なお、音速をc(cm/s)とする。ここで、分割空間S1の体積は、後述する第1キャップ45が占める部分を除く空間の体積とし、運転席側第1サブダクト25の体積は、スピーカユニット31が占める部分を除く空間の体積とする。
Figure 2017039451
上記第2サブダクト35の内部空間の長手方向に垂直な断面の面積を上記スピーカユニット31の有効振動板面積の20%〜50%に設定しているのは、20%未満では、第2サブダクト35から出力される音が弱くなって低音再生能力が十分確保されなくなる一方、50%を超えると、第2サブダクト35からの中高音の漏れが大きくなるからである。
また、ヘルムホルツ周波数を30Hz〜70Hzに設定しているのは、30Hz未満では、人の可聴範囲を外れた30Hz未満の音が強められて低音再生能力を効果的に向上できなくなる一方、70Hzを超えると、人が低音と認識しない70Hzを超える音が強められて低音再生能力を効果的に向上できないからである。
各第2サブダクト35は、筒状の金属製の第2基端側部材37と、該第2基端側部材37の先端側に取り付けられた略への字状に屈曲する略管状の樹脂製の第2先端側部材39とを備えている。
上記第2基端側部材37の基端部は、メインダクト13の第2貫通孔20の周縁部に全周に亘って溶接されている。また、第2基端側部材37の外周面の先端よりも若干下がった位置には、板状の取付面部41aと、該取付面部41aの一端縁から略垂直に一体に延設された板状の締結面部41bとで断面L字状に形成された取付部材41が、上記締結面部41bを外周側に突出させた状態で上記取付面部41aの溶接により取り付けられている。
上記第2先端側部材39は、略への字状に屈曲する管状の第2管部39aと、該第2管部39aの基端部に外周側に向けて一体に突設された1つの基端側締結片部39bとを備えている。上記第2管部39aの基端よりも若干先端寄りには、基端側が先端側よりも太径になるように環状の屈曲部39cが全周に亘って形成されている。そして、上記第2管部39aの基端部に上記第2基端側部材37の先端部が内嵌めされ、上記第2基端側部材37の先端面が基端側から上記屈曲部39cに当接している。また、上記取付部材41の締結面部41bが上記第2先端側部材39の基端側締結片部39bに当接した状態でネジ33により締結されている。
そして、運転席側ダクト16、運転席側第1サブダクト25、該運転席側第1サブダクト25に配設されたスピーカユニット31、及び運転席側ダクト16に取り付けられた第2サブダクト35で音響装置5の運転席側が構成され、助手席側ダクト17、助手席側第1サブダクト26、該助手席側第1サブダクト26に配設されたスピーカユニット31、及び助手席側ダクト17に取り付けられた第2サブダクト35で音響装置5の助手席側が構成されている。音響装置5の運転席側は、そのヘルムホルツ共振周波数が気柱共鳴周波数よりも低くなるように構成され、音響装置5の助手席側は、その気柱共鳴周波数がヘルムホルツ共振周波数よりも低くなるように構成されている。
上記運転席側ダクト16の長手方向略中央部(長手方向中途部)には、図示しないステアリングシャフトを支持するステアリングシャフト支持ブラケット43が取り付けられている。
上記運転席側ダクト16の右側端部には、樹脂製の第1キャップ45が取り付けられている。当該第1キャップ45は、円形板状の頭部45aと、該頭部45aの一方の面における外周端よりも若干内側から突出する筒状の差込部45bとからなり、上記差込部45bが上記運転席側ダクト16の右側端部に開口部14から嵌挿されている。これにより、第1キャップ45の頭部45aで右側の開口部14が閉塞されるとともに、差込部45bでメインダクト13の右側端部近傍の加工基準穴24が内側から塞がれている。また、上記差込部45bには、運転席側ダクト16の運転席側第1貫通孔19と連通する連通孔45cが貫通形成されている。
一方、上記助手席側ダクト17の左側端部には、樹脂製の第2キャップ46が取り付けられている。当該第2キャップ46は、円形板状の頭部46aと、該頭部46aの一方の面における外周端よりも若干内側から突出する筒状の差込部46bとからなり、上記差込部46bが上記助手席側ダクト17の左側端部に開口部14から嵌挿されている。これにより、第2キャップ46の頭部46aで左側の開口部14が閉塞されるとともに、差込部46bでメインダクト13の左側端部近傍の加工基準穴24の一部が内側から塞がれている。
また、第2キャップ46で塞がれていないメインダクト13の左側端部近傍の加工基準穴24は、第3キャップ48により外側から塞がれている。
また、メインダクト13の長手方向両端部外周面には、板状の車体取付けブラケット47が板面を車幅方向に向けて外周側に張り出すように溶着により取り付けられ、これら車体取付けブラケット47は、車体両側のサイドパネルに締結により連結されている。つまり、メインダクト13は、車体取付けブラケット47を介して車体に取り付けられている。
また、運転席側ダクト16の左側端部近傍の外周面には、支持ブラケット49がメインダクト13を下方から支持するように溶着により取り付けられ、当該支持ブラケット49は、車体のフロアパネル及びインストルメントパネル本体7のコンソール部7cに締結されている。
さらに、メインダクト13の外周面には、複数のインパネ取付けブラケット51が溶着により取り付けられ、これらインパネ取付けブラケット51は、インストルメントパネル本体7に裏面側から締結されている。
なお、図3中、第1先端側部材29、第2先端側部材39、ステアリングシャフト支持ブラケット43、支持ブラケット49、及びインパネ取付けブラケット51の図示を省略している。
したがって、本実施形態によれば、助手席側ダクト17を運転席側ダクト16よりも細くしたので、ステアリングシャフト支持ブラケット43の取付箇所周りの剛性を確保してステアリングシャフトの支持状態を安定させつつ、音響装置5全体を軽量化するとともに、助手席側に助手席用エアバッグ装置やグローブボックス等、他の装備の配設スペースを確保できる。
また、運転席側ダクト16よりも細い助手席側ダクト17が運転席側ダクト16よりも車幅方向に長いので、助手席側ダクト17を運転席側ダクト16より短くした場合に比べ、より効果的に省スペース化を実現できる。
また、助手席側ダクト17が運転席側ダクト16よりも長いので、助手席側ダクト17を運転席側ダクト16より短くする場合に比べ、音響装置5の助手席側の気柱共鳴周波数を低くして低音再生能力を向上できる。
また、運転席側ダクト16が助手席側ダクト17よりも太いので、運転席側ダクト16を助手席側ダクト17と同じ太さにする場合に比べ、分割空間S1の容量を大きくできる。したがって、音響装置5の運転席側のヘルムホルツ共振周波数を低くして低音再生能力を向上できる。
また、運転席側ダクト16側の第2サブダクト35の内部空間が運転席側ダクト16の内部空間よりも細いので、両者の太さを等しくする場合に比べ、音響装置5の運転席側のヘルムホルツ共振周波数を低くして低音再生能力を向上できる。
また、スピーカユニット31の径に関わらず、第2サブダクト35から低音を出力できるので、スピーカユニット31を小型化することによりコスト及び重量を削減できる。
また、スピーカユニット31がインストルメントパネル3の内側に配設され、スピーカユニット31を覆う防水カバーが不要なので、コスト及び重量を削減できる。
また、メインダクト13がステアリングシャフト支持用の補強部材の役割を果たし、ステアリングシャフト支持用の補強部材を別途設ける必要がないので、省スペース化を実現できるとともに、重量及び部品点数を削減できる。
また、運転席側ダクト16の運転席側第1貫通孔19の周縁部が運転席側第1サブダクト25の運転席側第1基端側部材27で全周に亘って補強されているので、運転席側ダクト16の剛性を確保できる。
また、助手席側ダクト17の助手席側第1貫通孔21の周縁部が助手席側第1サブダクト26の助手席側第1基端側部材28で全周に亘って補強されているので、助手席側ダクト17の剛性を確保できる。
さらに、運転席側ダクト16及び助手席側ダクト17の第2貫通孔20の周縁部が第2サブダクト35の第2基端側部材37で全周に亘って補強されているので、運転席側ダクト16及び助手席側ダクト17の剛性を確保できる。
また、運転席側ダクト16の開口部14を閉塞する第1キャップ45及び第2キャップ46が加工基準穴24を塞ぐ機能を果たす分、加工基準穴24閉塞用の第3キャップ48の個数を削減し、部品点数及び製造工数を削減できる。
また、助手席側第1サブダクト26の第1先端側部材29の内部にスピーカユニット31が配設されるので、スピーカユニット31の大きさに関わらず、助手席側第1基端側部材28及び助手席側ダクト17を細くして助手席側で省スペース化を実現できる。
なお、上記実施形態では、メインダクト13を金属で構成したが、カーボン等、比較的剛性の高い非金属材で構成してもよい。
また、本発明は、左ハンドル仕様車にも適用できる。
本発明は、本発明は、インストルメントパネルと、該インストルメントパネルの内側で車幅方向に延びる管状のメインダクトを有する音響装置とからなる車両用スピーカシステムとして有用である。
1 車両用スピーカシステム
3 インストルメントパネル
5 音響装置
9 運転席側第1放音口
10 助手席側第1放音口
11 第2放音口
13 メインダクト
15 仕切部材
16 運転席側ダクト
17 助手席側ダクト
19 運転席側第1貫通孔
20 第2貫通孔
21 助手席側第1貫通孔
25 運転席側第1サブダクト
26 助手席側第1サブダクト
28 助手席側第1基端側部材
29 第1先端側部材
31 スピーカユニット
35 第2サブダクト
43 ステアリングシャフト支持ブラケット
47 車体取付けブラケット
S1,S2 分割空間(連通空間)

Claims (4)

  1. インストルメントパネル(3)と、該インストルメントパネル(3)の内側で車幅方向に延びる管状のメインダクト(13)を有する音響装置(5)とからなり、
    上記インストルメントパネル(3)には第1放音口(9,10)及び第2放音口(11)が形成され、
    上記メインダクト(13)には第1貫通孔(19,21)及び第2貫通孔(20)が共通の連通空間(S1,S2)に連通するように貫通形成され、上記第1貫通孔(19,21)の周縁部には、第1サブダクト(25,26)がその内部空間を上記インストルメントパネル(3)の第1放音口(9,10)に連通させるように外周側に向けて突設され、上記第1サブダクト(25)の内部にはスピーカユニット(31)がその正面側を外側に向けて配設されているとともに、上記第2貫通孔(20)の周縁部には、第2サブダクト(35)がその内部空間を上記インストルメントパネル(3)の第2放音口(11)に連通させるように外周側に向けて突設された車両用スピーカシステムであって、
    上記メインダクト(13)は、運転席の前方で車幅方向に延びる運転席側ダクト(16)と、該運転席側ダクト(16)の助手席側で車幅方向に延び、かつ上記運転席側ダクト(16)よりも細い助手席側ダクト(17)とを備え、
    上記メインダクト(13)の長手方向両端部には、車体両側のサイドパネルに連結される車体取付けブラケット(47)が取り付けられ、
    上記運転席側ダクト(16)の長手方向中途部には、ステアリングシャフトを支持するステアリングシャフト支持ブラケット(43)が取り付けられていることを特徴とする車両用スピーカシステム。
  2. 請求項1に記載の車両用スピーカシステムにおいて、
    上記運転席側ダクト(16)の内部空間と助手席側ダクト(17)の内部空間とは、仕切部材(15)によって仕切られ、
    上記第1貫通孔(19,21)及び第2貫通孔(20)は、上記運転席側ダクト(16)に1組形成され、かつ上記助手席側ダクト(17)の両端近傍に1組形成され、
    上記助手席側ダクト(17)は、上記運転席側ダクト(16)よりも長いことを特徴とする車両用スピーカシステム。
  3. 請求項2に記載の車両用スピーカシステムにおいて、
    上記運転席側ダクト(16)側の第2サブダクト(35)の内部空間の長手方向に垂直な断面の面積は上記運転席側ダクト(16)の内部空間よりも小さく設定されていることを特徴とする車両用スピーカシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用スピーカシステムにおいて、
    上記第1貫通孔(21)が、上記助手席側ダクト(17)に形成され、
    上記助手席側ダクト(17)の第1貫通孔(21)の周縁部に突設された第1サブダクト(26)は、金属製の略筒状の基端側部材(28)と、該基端側部材(28)の一端側に取り付けられ、かつ上記基端側部材(28)の内部空間よりも太い内部空間を有する樹脂製の略管状の先端側部材(29)とを備え、上記基端側部材(28)の他端部は、上記助手席側ダクト(17)の第1貫通孔(21)の周縁部に全周に亘って溶接され、上記先端側部材(29)の内部に上記スピーカユニット(31)が配設されていることを特徴とする車両用スピーカシステム。
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