JP2017039309A - 連続インク供給ユニット - Google Patents

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田口 哲也
Tetsuya Taguchi
哲也 田口
勝 仙洞田
Masaru Sendoda
勝 仙洞田
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St Sangyo Co Ltd
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Abstract

【課題】長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供する。
【解決手段】印刷装置に着脱自在に装着されるヘッド付インクカートリッジ10と、ヘッド付インクカートリッジのインク室にインクを補給するインク供給容器とを備える連続インク供給ユニットであって、ヘッド付インクカートリッジは上面蓋部を有し上面蓋部にはインク補充口部6が設けられ、インク補充口部とインク供給容器のインク出口部とがインク色と対応するようにインクチューブ13とで連通され、インク補充口部はインク室に配置されたインク流通管7と連通され、インク流通管のインク出口端部はインク室のインク中に配置され、インク室のインク消費に追従して、インク供給容器のインクがインク室に連続的に補充されるとともにインク室に配置されたインク揚水機構1を経由してヘッド付インクカートリッジのヘッド部11に連続的に供給される。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット方式の印刷装置(インクジェットプリンタ)に搭載される連続インク補給ユニットに関し、さらに詳しくは、印刷装置の印字機構(ヘッド)に直接インクを供給するヘッド付インクカートリッジ方式の印刷装置に搭載される連続インク供給ユニットに関する。
印刷装置には、印字機構(ヘッド)から記録液であるインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット方式と呼ばれるものがある。インクジェット方式の印刷装置では、印字機構に対するインクの供給方式として、従来2つの方式がある。一つの方式は、印字機構に直接インクを供給するインクカートリッジを着脱自在に装着する方式であり、もう一つの方式は、印字機構にサブタンクを搭載し、サブタンクのインク容量が減少したとき、装置本体側のカートリッジからサブタンクにインクを供給(補給)する方式がある。
ところが、近年一度に印刷するユーザーの増加と交換式インクカートリッジの小容量化(小型化)に伴い、印刷の途中でしばしばインクがなくなったりする問題が生じていた。この解決方法として、交換式インクカートリッジ(中間タンク)にインクを連続して供給するための外付けの大容量インク容器を備えたインク供給方式の印刷装置(プリンター)に関する提案がなされている。
上記のような、インクジェットヘッドにインク供給する中間タンクへインクを連続して供給するための大容量インク容器を備えたインク供給方式の印刷装置(プリンター)であって、インクジェットヘッドが中間タンクとは分離して構成された印刷装置としては、例えば、特許文献1乃至特許文献4が提案されている
また、上記のような大容量インクタンクを備えないで、インクジェットヘッドがインクタンクに一体的に備えられた構成の交換式のヘッド付インクカートリッジが特許文献5に開示されている。
特開2002−248785号公報 特開2005−219483号公報 特開2009−51199号公報 特開2008−238787号公報 特開2007−44951号公報
上記のインクジェット記録装置の印字機構は、例えば圧電方式、サーマル方式などが挙げられ、いずれの印字機構であっても、インクジェットヘッドの駆動によるインクの射出と吸引作用によってインクタンクからインクジェットヘッドにインクが供給されるように制御されるが、印字機構によりインクジェットヘッドの駆動力が異なるため、インクジェットヘッドの駆動力に適応したインク供給系全体の負圧制御が必要である。
特許文献1は、そのインクジェットヘッドにインク供給する中間タンクとしてのインクパックの支持構造に関し、インクパックの水頭圧(水位)の変動をなくすために、インクパックにインク供給するメインタンク(大容量インクタンク)の水位をインクパックより高く、またインクパックの水位をヘッドより低くし、ヘッドまでの各々のインク供給を各コントロールバルブで水頭圧をコントロールしてインク供給系の負圧をコントロールする技術である。
また、特許文献2並びに特許文献3は、印字ヘッドにインクを供給する中間タンクと中間タンクに供給する大容量のインクタンク機構において、大容量インクタンクの配置と大容量インクタンクから中間インクタンクへのインク供給機構について開示されているが、大容量インクタンクの水位を、インクジェットヘッドより相当低い水位に配置し、大容量インクタンクと中間インクタンクとの間にポンプを配置し大容量インクタンクから中間インクタンクへのインク供給をポンプ制御によってインク供給系の負圧をコントロールする技術である。
また、特許文献4は、印字ヘッドにインクを供給する中間タンクと中間タンクに供給する大容量のインクタンク機構において、中間インクタンクと大容量インクタンクとをインクチューブで接続し、そのチューブの途中に差圧弁としての差圧弁ユニットを設け、この差圧弁ユニットによりインク供給系負圧を制御する技術である。
また、特許文献5は、インクジェットヘッドがインクタンクに一体的に備えられた構成の交換式のヘッド付インクカートリッジにおいて、発泡ポリウレタンやP P 繊維等からなるインク保持部材をインクタンク内に充填し、この保持部材中に無数に設けられた微細穴や微小隙間により発生する毛細管力により、インクカートリッジの負圧を制御する技術である。
上記先行技術に鑑み、本発明者らが鋭意研究した結果、大容量インクタンクが設けられた上記特許文献1乃至特許文献4のインク供給系の、インクジェットヘッドはインクタンク毎に設けられていなくインクタンクと分離して設けられており、かつ、インク供給系の負圧制御をポンプやバルブによって制御しているため、インクタンク毎にヘッドの吸引力に適用したインク供給系の制御を行うことが難しいだけでなく、特に、インクの種類であるブラックやカラーによってインク物性(粘度や界面張力等)が異なるため、インクそれぞれに適用したインクジェットヘッドの駆動力(吸引力など)制御(長期にわたる吐出安定性)が難しいという問題があった。
また、さらに、インク供給系の負圧制御を高価なポンプや弁によって制御しているため、制御が複雑になるだけでなく、インク供給系の制御が高価になるという問題もあった。
そこで、本発明者らは、上記の問題に関してヘッド付インクカートリッジであれば、インクの種類(物性)が異なってもインク物性に適用したヘッドの駆動力を制御できると考え、ヘッド付インクカートリッジを使用した連続インク供給系について鋭意研究した結果、ヘッド付インクカートリッジは、負圧制御のためヘッド付インクカートリッジのインクタンク内に発泡ポリウレタンやPP 繊維等からなるインク保持部材を充填しているため、このヘッド付インクカートリッジにインク供給する大容量インクタンクを設けたインク供給系を構成した場合、長期の印刷において、インク組成を構成する溶剤などの成分が発泡ウレタンやPP繊維の一部を溶出しインクジェットヘッドの射出ノズルを閉塞させるなどの問題があることを見出した。
また、インク保持部材を充填した様式を長期使用した場合、吐出口近傍が乾燥固着されるため、発色性や吐出安定性が悪くなるだけでなく、顔料インクを使用した場合には特に吐出安定性が悪く閉塞が起こりやすいというという問題も見出した。
また、長期の印刷において、インク供給系のヒートサイクルなどによりインク中に溶存していた酸素や窒素などの気泡が発生し、その気泡がヘッド付インクカートリッジの負圧材(インク保持部材)に捕捉流入され、その結果インクジェットヘッドの空打ちが起こり、インクカスレやヘッドの焼き付きが起こるという問題があることを見出した。
また、さらに、ヘッド付インクカートリッジのインクタンク内のインク保持部材を除去して大容量インクタンクとのインク供給系を構成した場合、インクタンクの底部に設けられているインク流路用のスリットとインクジェットヘッド(ヘッド部ノズル)とが大気へ流通しているため、印刷中のインクカートリッジの激しい移動には耐えられず、ヘッドノズルからのインク漏れを防止することできないという問題も見出した。
本発明の連続インク供給ユニットは、上記の見出した知見に鑑みてなされたものであり、ヘッド付インクカートリッジのヘッド部に連続的にインク供給される上記問題を解決することを課題とし、ヘッド付インクカートリッジのヘッド部に連続的にインク供給されるこれまでに提案されていない新規な連続インク供給ユニットを提供することを目的とする。また、さらに、染料インクであっても顔料インクであってもインク種に係わらず長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供することを目的とする。
この目的は、特許請求の範囲における独立項に記載の特徴により達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
即ち、本発明の第1の発明は、印刷装置と、印刷装置に着脱自在に装着される少なくとも1つ以上のインク室を備えるヘッド付インクカートリッジと、前記ヘッド付インクカートリッジの前記インク室にインクを補給する少なくとも1つ以上のインク供給容器とを少なくとも備える連続インク供給ユニットであって、前記ヘッド付インクカートリッジは上面蓋部を有し前記上面蓋部にはインク補充口部が設けられ、
前記インク補充口部と前記インク供給容器のインク出口部とがインク色と対応するように少なくとも1つ以上のインクチューブとで連通され、
前記インク補充口部は前記インク室に配置されたインク流通管と連通され、
前記インク流通管のインク出口端部は前記インク室のインク中に配置され、
前記インク室のインク消費に追従して、前記インク供給容器のインクが前記インク室に連続的に補充されるとともに前記インク室に配置されたインク揚水機構を経由して前記ヘッド付インクカートリッジのヘッド部に連続的に供給されることを特徴とする連続インク供給ユニットである。
本発明の第2の発明は、前記インク揚水機構は、ヘッド付インクカートリッジの前記インク室内のインクを揚水するインク揚水管とインクを排出するインク排水管とを有し、前記インク揚水管の揚水端部口が前記ヘッド付インクカートリッジ内の前記インク室底部に設けられ、前記インク排水管の端部が前記ヘッド付インクカートリッジ内の前記インク室底部に設けられたインク吐出口に連通されて接合され、前記インク供給容器からのインクが前記インク揚水機構を経由して前記ヘッド付インクカートリッジの前記ヘッド部に連続的に供給されることを特徴とする第1の発明に記載の連続インク供給ユニットである。
本発明の第3の発明は、前記ヘッド付インクカートリッジの底部に配置された前記インク揚水管の揚水端部口が、前記ヘッド付インクカートリッジ内の底部に設けられたインク吐出口より低い水位に設けられていることを特徴とする第の発明2に記載の連続インク補給ユニットである。
本発明の第4の発明は、前記インク供給容器のインク出口が前記ヘッド付インクカートリッジのヘッド部と同一水位若しくは前記ヘッド部より低い水位に設けられた構成であることを特徴とする第1発明乃至第3の発明に記載の何れかの連続インク供給ユニットである。
本発明の第5の発明は、前記インク揚水機構が前記上面蓋部と一体成型されていることを特徴とする第1の発明乃至第4の発明に記載の何れかの連続インク供給ユニットである。
本発明の第1の構成とすることにより、インクカスレやインク漏れを起こすことなく長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供することができるという効果を奏する。
本発明の第1の発明である連続インク供給ユニットは、印刷装置と、印刷装置に着脱自在に装着される少なくとも1つ以上のインク室を備えるヘッド付インクカートリッジと、前記ヘッド付インクカートリッジの前記インク室にインクを補給する少なくとも1つ以上のインク供給容器とを少なくとも備える連続インク供給ユニットであって、前記ヘッド付インクカートリッジは上面蓋部を有し前記上面蓋部にはインク補充口部が設けられ、前記インク補充口部と前記インク供給容器のインク出口部とがインク色と対応するように少なくとも1つ以上のインクチューブとで連通され、前記インク補充口部は前記インク室に配置されたインク流通管と連通され、前記インク流通管のインク出口端部は前記インク室のインク中に配置され、前記インク室のインク消費に追従して、前記インク供給容器のインクが前記インク室に連続的に補充されるとともに前記インク室に配置されたインク揚水機構を経由して前記ヘッド付インクカートリッジのヘッド部に連続的に供給される構成とされている。
さらに詳しくは、本発明の連続インク供給ユニットを構成する負圧制御の方式としてのインク揚水機構は、ヘッド付インクカートリッジの前記インク室内のインクを揚水するインク揚水管とインクを排出するインク排水管とを有し、前記インク揚水管の揚水端部口が前記ヘッド付インクカートリッジ内の前記インク室底部に設けられ、前記インク排水管の端部が前記ヘッド付インクカートリッジ内の前記インク室底部に設けられたインク吐出口部に連通されて接合される、インク揚水機構を設けて、前記インク供給容器からのインクが前記インク揚水機構を経由して前記ヘッド付インクカートリッジのヘッド部に連続的に供給される構成とされているので、インク供給系の負圧が安定されインクカスレやインク漏れを起こすことなく長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供することができるという効果を奏する。
また、本発明の連続インク供給ユニットは、特に前記インク揚水機構の前記インク排水管の端部が前記ヘッド付インクカートリッジ内の前記インク室底部に設けられたインク吐出口部に連通されて密閉接合され、かつ、前記インク揚水管の揚水端部口が前記ヘッド付インクカートリッジ内の前記インク室底部に設けられているため、インク供給系内で発生した気泡が前記ヘッド付インクカートリッジの前記インク室内に流入してきても、前記ヘッド部に気泡が流入することがないという効果を奏する。
また、本発明の連続インク供給ユニットは、インク室内に負圧を構成するインク保持部材を用いていないので、インク組成を構成する溶剤などの成分が発泡ウレタンやPP繊維の一部を溶出することがない。したがって、染料インクであっても顔料インクであってもインク種に係わらずインクジェットヘッドの射出ノズルを閉塞することがなく長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供することができるという効果を奏する。
また、本発明の連続インク供給ユニットは、長期の印刷において、インク供給系のヒートサイクルなどによりインク中に溶存していた酸素や窒素などの気泡が発生しても、上述のとおりその気泡はインク揚水機構に流入することがなくインク室の上部にとどまるので、インクジェットヘッドの空打ちやインクカスレを起こすことなく長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供することができるという効果を奏する。
また、本発明の連続インク供給ユニットは、インク揚水機構を経由して前記ヘッド付インクカートリッジのヘッド部に連続的に供給される構成としているので、インクカートリッジの激しい移動が伴う印刷であってもインクタンクの底部に設けられているインクジェットヘッド(ノズル)へ通じるインク流路用のスリット(ヘッド部)からインク漏れを起こすことなく、長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供することができるという効果を奏する。
また、本発明の連続インク供給ユニットは、高価なポンプやバルブを用いることなく構成することができるので、安価にかつ長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施態様例を示すインク揚水機構の模式正面図である。 本発明の実施態様例を示すインク揚水機構の模式平面図である。 本発明の実施態様例を示すインク揚水機構を備えたヘッド付インクカートリッジの模式図である。 本発明の他の実施態様例を示すインク揚水機構の模式正面図である。 本発明の他の実施態様例を示すインク揚水機構の模式平面図である。
以下、本発明の連続インク供給システムについて図1〜図2を参照して、ブラックインクのヘッド付インクカートリッジを例に説明するが、本発明はこの事例に限られるものではない。
本発明の連続インク供給システムは、図示しない印刷装置と、印刷装置に着脱自在に装着される少なくとも1つ以上のインク室12を備えるヘッド付インクカートリッジ10と、前記ヘッド付インクカートリッジ10の前記インク室12にインクを補給する少なくとも1つ以上の図示しないインク供給容器とを少なくとも備える連続インク供給ユニットであって、前記ヘッド付インクカートリッジ10は上面蓋部25を有し前記上面蓋部25にはインク補充口部6が設けられ、前記インク補充口部6と図示しない前記インク供給容器のインク出口部とがインク色と対応するように少なくとも1つ以上のインクチューブ13とで連通され、前記インク補充口部6は前記インク室12に配置されたインク流通管7と連通され、前記インク流通管7のインク出口端部8は前記インク室のインク中に配置され、前記インク室12のインク消費に追従して、図示しない前記インク供給容器のインクが前記インク室12に連続的に補充されるとともに前記インク室12に配置されたインク揚水機構1を経由して前記ヘッド付インクカートリッジ10のヘッド部11に連続的に供給される構成とされている
さらに詳しくは、前記インク揚水機構1は、ヘッド付インクカートリッジ10の前記インク室12内のインクを揚水するインク揚水管2とインクを排出するインク排水管3とを有し、前記インク揚水管2の揚水端部口4が前記ヘッド付インクカートリッジ内の前記インク室12の底部に設けられ、前記インク排水管の端部5が前記ヘッド付インクカートリッジ10内の前記インク室12底部に設けられたインク吐出口部26に連通されて接合され、図示しない前記インク供給容器からのインクが前記インク揚水機構1を経由して前記ヘッド付インクカートリッジ10の前記ヘッド部11に連続的に供給される構成とされている。
また、本発明の連続インク補給ユニットは、前記ヘッド付インクカートリッジ10の底部に配置された前記インク揚水管2の揚水端部口4が、前記ヘッド付インクカートリッジ10内の底部に設けられたインク吐出口26より低い水位に設けられた構成とすることが、本発明のインク供給系の負圧制御を行ううえで望ましい。
また、本発明の連続インク補給ユニットは、図示しない前記インク供給容器のインク出口が前記ヘッド付インクカートリッジ10の前記ヘッド部11と同一水位若しくは前記ヘッド部11より低い水位に設けられた構成とすることが、本発明のインク供給系の負圧制御を行ううえで望ましい。
また、本発明の連続インク供給ユニットは、前記インク揚水機構1が前記上面蓋部25と一体成型された構成とするこが、前記ヘッド付インクカートリッジ10を構成するうえで容易に組立することができるので望ましい。
次に、本発明の本発明の連続インク供給ユニットのインク流路について図1から図2を用いて説明する。
また、本発明の連続インク供給ユニットが、インクジェット記録装置の印字機構がサーマル方式を用いた場合を例にして説明することとする。
なお、説明するまでもないが、記録装置の印字機構が圧電方式、サーマル方式のいずれの印字機構であっても適用されることはいうまでもない。
図示しない印刷装置から本発明連続インク供給ユニットの前記ヘッド付インクカートリッジ10の前記ヘッド部11に印刷の制御信号が送られると、サーマル方式の前記ヘッド部11のヘッドノズルから加熱バブル化されたインクバブルが印刷用紙などのメディアに射出されると同時に前記ヘッド部11の駆動力によりインク室12内のインク吐出口部26内のインクに吸引作用が働き、インク室12のインクが前記ヘッド部11に流入され、この操作が繰り返されて連続的に印刷が行われる。
この場合、前記インク室12内のインクは、前記ヘッド部11の駆動力のインク吸引作用により、前記インク室12内に設けられた前記インク揚水機構1の前記インク揚水管2から前記インク揚水機構1に揚水されて前記インク揚水機構1の前記インク排水管3を経由して前記ヘッド部11に直接流入される。前記インク室12内のインクが前記ヘッド部11に流入されると前記インク室12内は負圧を形成することになるので、図示しない前記インク供給容器から前記インク室12にインクが流入することになるが、図示しない前記インク供給容器のインクは、図示しない前記インク供給容器のインク出口部と前記インクチューブ13とで連通された前記上面蓋部25に設けられた前記インク補充口部6に流入し、前記インク室12のインク中に配置された前記インク流通管7を経由して前記インク室12内に流入(補充)されることにより、図示しない前記インク供給容器のインクが前記ヘッド付インクカートリッジ10の前記ヘッド部11に連続的に供給されることになる。
本発明の前記インク供給容器は図示していないが、可撓性のインクパック様式のインク容器であっても、剛性の材料で形成されたインク容器であっても、どちらの様式の容器であっても本発明に採用することができる。
剛性の材料で形成されたインク容器を採用する場合は、負圧バランスのためのインク容器に空気が流入できる大気口又は空気が流入できる一方行弁などを設けることが肝要である。
また、本発明においては特に必須の構成要件ではないが、前記インクチューブ13の途中に負圧を制御する差圧弁などを設けても差し支えない、また、図示しない前記インク供給容器のインクがなくなったことを知らせるインク残量検知器(残検機構)を設けてもよい。
この残検機構は、従来から知られている圧電素子を使用したものあるいは電極を使用したもの、さらにフォトカプラー等の光センサー等いずれの様式でも採用することが出る。
次に、本発明の連続インク供給ユニットの他の実施例について、特にカラーインクのヘッド付インクカートカートリッジ10にインク室12が複数設けられた例について図3を参照して説明する。
図3は、複数種類のカラーインクが収納される複数のインク室が区画形成された前記ヘッド付インクカートカートリッジ10を構成するインク揚水機構14が前記インク室の数に相応して設けられた事例であり、本事例では、インク室が3つ設けられた事例である。
この場合のインク室の分割は、T字状に分割して3つに区画して形成することができる。またインク室の区画分割数に特に制限はないが、通常2室から5室が採用される。
また、前述したように、前記インク揚水機構14を構成するインク揚水管15、17とインク排水管16、18とが上面端部25に一体成型された事例を示したものであるが、本事例では図示しないものも含めて、インク室の数に相応してインク揚水機構、インク揚水管並びにインク排水管が各々3式設けられた事例である。
また、図1B並びに図3Bに示した符号9、22、23並びに24は、前記ヘッド付インクカートリッジ10の前記インク室12内にインクを初期充填するためのインク注入口である。
本発明の連続式インク供給システムは、インク供給系全体をインクで満たすことが望ましく、インク供給系内に空気を残留させないようにインク充填することが望ましい。
なお、本カラーインク用に構成されたインク揚水機構をヘッド付インクカートリッジとして本発明の連続インク供給ユニットを構成する場合は、上述したブラックインクのヘッド付インクカートリッジの事例説明と同様であるので、詳細説明は割愛することとするが、インク室が増えることにより、前記インク供給容器や前記インクチューブの数がインク種数分(インク室数分)に相応するので、本発明の連続インク供給ユニットを構成する場合に、インク供給系全体のインク経路のインク流通がスムーズになるように構成することが肝要である。
本発明の連続インク供給ユニットは、上述したように、本発明者らが鋭意研究した結果の知見に基づきなされたものであって、上述したヘッド付インクカートリッジのヘッド部に連続的にインク供給される種々の課題を解決し、ヘッド付インクカートリッジのヘッド部に連続的にインク供給されるこれまでに提案されていない新規な連続インク供給ユニットを提供すること、また、長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供するという目的を達成した新規な発明であるから、種々の優れた効果を奏する発明である。
即ち、本発明の連続インク供給ユニットは、上述した構成としているので、下記の優れた効果を奏するものである。
(1)インク供給系の負圧が安定されインクジェットヘッドの空打ちやインクカスレやインク漏れを起こすことなく長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供することができるという効果を奏する。
(2)インク供給系内で発生した気泡が前記ヘッド付インクカートリッジの前記インク室内に流入してきても、前記ヘッド部に気泡が流入することがない、よってインクカスレを起こすことがないという効果を奏する。
(3)インクジェットヘッドの射出ノズルを閉塞することがなく長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供することができるという効果を奏する。
(4)インクカートリッジの激しい移動が伴う印刷であってもインクタンクの底部に設けられているインクジェットヘッド(ノズル)へ通じるインク流路用のスリット(ヘッド部)からインク漏れを起こすことなく、長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供することができるという効果を奏する。
(5)高価なポンプやバルブを用いることなく構成することができるので、安価にかつ長期に安定して良好に印刷できる吐出安定性を確保した連続インク供給ユニットを提供することができるという効果を奏する。
(6)染料インクや顔料インクいずれのインクであっても、長期にわたってインクカスレや閉塞を起こすことなく印刷することができるので、ユーザーがカートリッジを頻繁に交換することなく、多数のページを印刷することができるという効果を奏する。
また、本発明の連続インク供給システムは、インク供給容器のインクがなくなった場合、インク供給容器を交換様式とすることもできまたインク供給容器にインクを注入補充様式とすることもできるので、ユーザーにとって経済的である。
また、インクジェット方式の印字機構(ヘッド)は、その耐久性に限度があり、本発明の様に長期に印刷使用すると、ヘッド全体の交換修理や印刷装置(プリンター)ごとの交換修理が必要となるが、本発明の連続インク供給システムは、ヘッドとインクカートリッジが一体的になったヘッド付インクカートリッジであるため、ヘッドの寿命が来た時はそのインク色のカートリッジのみを交換するだけでよいので、経済的である。
本発明の連続インク供給システムは、インクヘッド付インクカートリッジであってインクを消費する印刷装置に使用されるものであれば、インクジェット印刷装置の印字機構(ヘッド)の種類に関係なくまた、インク種類に係わらず種々の印刷装置に適用することができる。
1 インク揚水機構
2 インク揚水管
3 インク排水管
4 揚水端部口
5 インク排水管の端部
6 インク補充口部
7 インク流通管
8 インク出口端部
9 インク注入口
10 ヘッド付インクカートリッジ
11 ヘッド部
12 インク室
13 インクチューブ
14 インク揚水機構
15 インク揚水管
16 インク排水管
17 インク揚水管
18 インク排水管
19 インク補充口部
20 インク補充口部
21 インク補充口部
22 インク注入口
23 インク注入口
24 インク注入口
25 上面蓋部
26 インク吐出口部

Claims (5)

  1. 印刷装置と、印刷装置に着脱自在に装着される少なくとも1つ以上のインク室を備えるヘッド付インクカートリッジと、前記ヘッド付インクカートリッジの前記インク室にインクを補給する少なくとも1つ以上のインク供給容器とを少なくとも備える連続インク供給ユニットであって、前記ヘッド付インクカートリッジは上面蓋部を有し前記上面蓋部にはインク補充口部が設けられ、
    前記インク補充口部と前記インク供給容器のインク出口部とがインク色と対応するように少なくとも1つ以上のインクチューブとで連通され、
    前記インク補充口部は前記インク室に配置されたインク流通管と連通され、
    前記インク流通管のインク出口端部は前記インク室のインク中に配置され、
    前記インク室のインク消費に追従して、前記インク供給容器のインクが前記インク室に連続的に補充されるとともに前記インク室に配置されたインク揚水機構を経由して前記ヘッド付インクカートリッジのヘッド部に連続的に供給されることを特徴とする連続インク供給ユニット。
  2. 前記インク揚水機構は、ヘッド付インクカートリッジの前記インク室内のインクを揚水するインク揚水管とインクを排出するインク排水管とを有し、前記インク揚水管の揚水端部口が前記ヘッド付インクカートリッジ内の前記インク室底部に設けられ、前記インク排水管の端部が前記ヘッド付インクカートリッジ内の前記インク室底部に設けられたインク吐出口部に連通されて接合され、前記インク供給容器からのインクが前記インク揚水機構を経由して前記ヘッド付インクカートリッジの前記ヘッド部に連続的に供給されることを特徴とする請求項1に記載の連続インク供給ユニット。
  3. 前記ヘッド付インクカートリッジの底部に配置された前記インク揚水管の揚水端部口が、前記ヘッド付インクカートリッジ内の底部に設けられたインク吐出口部より低い水位に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の連続インク補給ユニット。
  4. 前記インク供給容器のインク出口が前記ヘッド付インクカートリッジの前記ヘッド部と同一水位若しくは前記ヘッド部より低い水位に設けられた構成であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の何れかの連続インク供給ユニット。
  5. 前記インク揚水機構が前記上面蓋部と一体成型されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載の何れかの連続インク供給ユニット。
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