JP2017038873A - 走行装置 - Google Patents

走行装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017038873A
JP2017038873A JP2015164126A JP2015164126A JP2017038873A JP 2017038873 A JP2017038873 A JP 2017038873A JP 2015164126 A JP2015164126 A JP 2015164126A JP 2015164126 A JP2015164126 A JP 2015164126A JP 2017038873 A JP2017038873 A JP 2017038873A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorption
suction
pressure
negative pressure
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015164126A
Other languages
English (en)
Inventor
剛史 永田
Takashi Nagata
剛史 永田
豊 新木
Yutaka Araki
豊 新木
裕一郎 嵩
Yuichiro Taka
裕一郎 嵩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2015164126A priority Critical patent/JP2017038873A/ja
Publication of JP2017038873A publication Critical patent/JP2017038873A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Abstract

【課題】消費電力を抑えた走行装置を提供する。【解決手段】走行装置(1A)は、被吸着面(W)との間に吸着空間を形成する吸着部(22)と、吸着空間に負圧を発生させるポンプ(35)と、負圧センサ(32)と、吸着空間の圧力が下限圧力値以下であることを検知した場合に、ポンプ(35)の駆動を停止させると共に、吸着空間の圧力が上限圧力値以上であることを検知した場合に、ポンプ(35)の駆動を開始させる制御部(31A)とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、壁面等の被吸着面に吸着して走行する走行装置に関するものである。
従来、垂直な壁面を昇降移動する走行装置が知られている。上記走行装置は、被吸着面である壁面に沿って駆動させる駆動体と該駆動体に設けられた吸盤とを備え、吸盤内の流体を吸引して吸盤内に負圧を発生させることにより、壁面を走行可能にする。上記走行装置を利用することによって、作業員が高所に上がって作業する必要が無くなり、安全に作業をすることが可能となる。また、上記走行装置の移動経路をプログラミングすることにより、該走行装置が自動的に壁面を走行し、壁面の清掃、塗装及び検査等を行うことができる。
窓清掃ロボット等の従来の走行装置100は、図22に示すように、一般的には、上記走行装置100を駆動させるために外部電源101を用意し、電源ケーブル102によって給電しながら駆動する構成となっている。また、電源ケーブル102が外れた場合等の非常時に、負圧を発生させる吸引ポンプの動作が停止すると、吸盤内の空間の負圧状態が崩れて走行装置100が壁面から剥離し落下してしまう。そこで、吸引ポンプの動作が停止しても一時的に壁面への吸着力を維持するために、走行装置100は、充電池103を備えている。
一方、電源として、外部電源を使用せず、本体に備えている充電池のみを使用する走行装置も知られている。例えば、引用文献1には、充電池のみを用いる走行装置としての窓拭き装置が開示されている。引用文献1に開示された窓拭き装置200は、図23に示すように、吸着部201と、走行部202と、清掃ユニット203と、電源204とを備えており、清掃ユニット203の姿勢を変えることなく、清掃面の隅まで清掃することができるようになっている。
しかしながら、窓拭き装置200のように、外部電源からの給電を行わず、装置内部に備えている充電池により走行装置を駆動する場合、充電池の容量に限りがあるため、走行時間が制限されてしまうという問題が生じる。
また、外部電源からの給電を行わず、装置内部に備えている充電池により駆動する走行装置では、充電池の残量が少なくなると、走行装置は走行が不可能になる。さらに、充電池からの給電がなくなるため、負圧を発生させる吸引ポンプの動作が停止する。これにより、吸盤内の空間の負圧状態が崩れ、走行装置が壁面から剥離し落下する虞がある。
このような問題を解決するために、例えば特許文献2に開示された走行装置が知られている。
特許文献2に開示された走行装置としての壁面清掃装置300は、図24に示すように、装置本体301と、移動機構302A・302B・302C・302Dと、ポリッシャ303と、駆動源304・305・306と、太陽電池307と、蓄電池308とを備えている。壁面清掃装置300は、太陽電池307で発電された電力を蓄電池308に蓄え、蓄電池308により、駆動源304・305・306を駆動させる構成となっている。上記の構成により、壁面清掃装置300は、太陽電池307によって発電され蓄電池308に蓄えられた電力によって、装置本体に搭載された各種の電動式の機器を安定的に作動させることができるようになっている。
国際公開第2004/028324号(2004年4月8日公開) 特開2001−87171号公報(2001年4月3日公開)
しかしながら、上記従来の特許文献2に開示された壁面清掃装置300では、以下の問題点を有している。
すなわち、壁面に吸着して走行するためには高い電力を消費するので、必要な電力を太陽電池で賄うためには、太陽電池パネルを大型化する必要があるという問題点を有している。
また、屋内の壁面を走行する場合には、太陽からの光が壁面清掃装置300に届かないため、発電を行うことができず、壁面清掃装置300は壁面を走行できないという問題点を有している。
以上のように、充電池で走行する走行装置では、消費電力を抑え、連続稼働時間を延ばすことが必要となる。また、充電池の残量が少ないときには、少ない充電池容量で、長時間、走行装置を壁面に吸着させる必要がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、消費電力を抑えた走行装置を提供することにある。
本発明の一態様における走行装置は、上記の課題を解決するために、被吸着面との間に吸着空間を形成する吸着部と、上記吸着空間に接続され、該吸着空間に負圧を発生させる負圧発生部とを備え、被吸着面に吸着しながら走行する走行装置において、上記吸着空間の圧力を検知する圧力検知部と、上記圧力検知部によって上記吸着空間の圧力が第1負圧力以下であることを検知した場合に、上記負圧発生部の駆動を停止させると共に、上記圧力検知部によって上記吸着空間の圧力が第2負圧力(第2負圧力は第1負圧力よりも大気圧に近い)以上であることを検知した場合に、上記負圧発生部の駆動を開始させる制御部とを備えていることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、消費電力を抑えた走行装置を提供するという効果を奏する。
本発明の実施形態1における走行装置のエア系統図である。 (a)は上記走行装置の構成を示す断面図であり、(b)は上記走行装置の構成を示す底面図である。 上記走行装置における制御系の構成を示すブロック図である。 (a)〜(d)は、上記走行装置における2つの移動ユニットの両方の駆動リングを駆動したときの走行装置の被吸着面での進行方向を示す平面図である。 (a)〜(d)は、上記走行装置における2つの移動ユニットのうちのいずれか一方の駆動リングを駆動したときの走行装置の被吸着面での進行方向を示す平面図である。 上記走行装置が被吸着面を走行している様子を示す平面図である。 上記走行装置における吸着空間の圧力制御の手順を示すフローチャートである。 (a)はポンプを連続駆動させる場合の、吸着空間の圧力変化と時間との関係を示すグラフであり、(b)は、ポンプを連続駆動している状態を示すグラフである。 (a)は、ポンプを間欠駆動させる場合の、吸着空間の圧力変化と時間との関係を示すグラフであり、(b)はポンプを間欠駆動している状態を示すグラフである。 本発明の実施形態2における走行装置の制御系の構成を示すブロック図である。 上記走行装置のエア系統図である。 上記走行装置が被吸着面を走行し、被吸着面の端部に達する様子を示す平面図である。 上記走行装置における吸着空間の圧力制御の手順を示すフローチャートである。 (a)は、上記走行装置における吸着空間の圧力変化と時間との関係を示すグラフであり、(b)は、ポンプの駆動状態を示すグラフである。 本発明の実施形態3における走行装置の制御系の構成を示すブロック図である。 上記走行装置のエア系統図である。 上記走行装置が被吸着面を走行している様子を示す平面図である。 (a)は、上記走行装置の第1ポンプの駆動状態を示すグラフであり、(b)は、上記走行装置の第2ポンプの駆動状態を示すグラフである。 (a)は、上記走行装置におけるポンプを間欠駆動させる場合の、吸着空間の圧力変化と時間との関係を示すグラフであり、(b)は、上記走行装置の第1ポンプの駆動状態を示すグラフであり、(c)は、上記走行装置の第2ポンプの駆動状態を示すグラフである。 本発明の実施形態4における走行装置の制御系の構成を示すブロック図である。 (a)は、上記走行装置における吸着空間の圧力変化と時間との関係を示すグラフであり、(b)は、ポンプの駆動状態を示すグラフである。 従来の走行装置を示す平面図である。 従来の他の走行装置の構成を示す断面図である。 従来のさらに他の走行装置の構成を示す断面図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。尚、以下の説明では、本発明の一実施形態として、壁面上を吸着走行する走行装置について説明する。ただし、走行装置が走行する被吸着面は、壁面に限定されるものではなく、水平面であっても、傾斜面であってもよい。また、以下の説明では、便宜上、壁面に対して垂直方向を上下方向とし、壁面から離れる側を上方、壁面側に近づく側を下方とする。
(走行装置の構成)
本実施の形態の走行装置1Aの構成について、図2の(a)(b)に基づいて説明する。図2の(a)は、本実施形態における走行装置1Aの構成を示す断面図である。図2の(b)は、本実施形態における走行装置1Aの構成を示す底面図である。
本実施形態の走行装置1Aは、図2の(a)(b)に示すように、2つの円板状の移動ユニット2A・2Bと、移動ユニット2A・2Bを支持する筐体10とを備えている。2つの円板状の移動ユニット2A・2Bは、図2の(b)に示すように、走行装置1Aが前進する方向に沿った仮想的な軸線Xに対して線対称になるように配置されている。移動ユニット2A・2Bは、吸着部22、駆動部23、清掃パッド24及び中空軸25をそれぞれ備えている。
筐体10には、移動ユニット2A・2Bを駆動する駆動モータ3A・3B、2つの押圧部4、2つの滑り軸受部5、2つの弾性材6、吸着部22に接続された負圧発生部としてのポンプ35(図2参照)、圧力検知部としての負圧センサ32、制御部31A、バッテリー36等が収容されている(後述する図3参照)。
吸着部22は、可撓性材料で構成されており、移動ユニット2A・2Bそれぞれの円盤状本体の略中央部に設けられている。吸着部22は、中空軸25に接続されており、被吸着面Wに接触するように設けられている。吸着部22の吸着面は、滑り性をよくするため、例えば、フッ素樹脂のコーティングや焼付きが施されていることが好ましい。
駆動部23は、回転体からなっており、走行駆動部材としての駆動リング23a、支持体23b及び回転伝達出力部23cを備えている。駆動部23は、駆動モータ3A・3Bの回転を駆動リング23aに伝達し、駆動リング23aを回転駆動するものである。
駆動リング23aは、中空軸25を軸とした環状に構成されており、被吸着面Wに対向して設けられている。駆動リング23aは、駆動モータ3A・3Bによって、被吸着面Wに対して略垂直に延びた中空軸25を回転軸として回転する。駆動リング23aの回転軸である中空軸25は、吸着動作中に、押圧部4が駆動リング23aの一部である筐体10の外殻側を押圧することにより、上記被吸着面Wの法線に対して傾斜する。これにより、駆動リング23aの一部が被吸着面Wに接触する。そして、駆動リング23aが回転すると、駆動リング23aと被吸着面Wとの間で摩擦力が生じ、この摩擦力により走行装置1Aに対して推進力が生じる。それゆえ、駆動リング23aは、被吸着面Wに対して滑りに難い材料、つまり摩擦抵抗性材料によって構成されている。駆動リング23aを構成する摩擦抵抗性材料としては、例えばシリコンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、天然ゴム等が挙げられる。
支持体23bは、駆動リング23a及び清掃パッド24の上部に設けられており、駆動リング23aを支持している。この支持体23bは、駆動リング23aと共に回転するものであり、回転中の駆動リング23aを支持するものである。
回転伝達出力部23cは、筐体10の中央側に設けられている。駆動モータ3A・3Bの駆動軸には、回転伝達入力部3a・3aがそれぞれ接続されている。駆動モータ3A・3Bを回転させることにより、回転伝達入力部3aから回転伝達出力部23cへと力が伝達され、駆動部23が回転駆動する。回転伝達入力部3aから回転伝達出力部23cへの回転伝達手段としては、歯車又はベルト等による伝達が挙げられる。本実施形態の走行装置1Aでは、回転伝達出力部23cはギヤ部にてなっており、回転伝達入力部3aから減速されて力が伝達され、駆動トルクが出力される。
このように駆動部23を構成することによって、吸着部22及び中空軸25を被吸着面Wに対して略垂直に設けることができる。
清掃パッド24は、駆動リング23aよりも外側に、被吸着面Wに接触して設けられている。清掃パッド24は、駆動リング23aと共に中空軸25を回転軸として回転する。また、駆動リング23aは、被吸着面Wを基準として、清掃パッド24よりも高い位置に配置されている。清掃パッド24は、その回転により、被吸着面Wにおける走行装置1Aの走行領域に存在する汚れを除去し塵埃を収集するためのものである。清掃パッド24を構成する材料は、駆動リング23aとは別であり、比較的柔軟な材料である。清掃パッド24を構成する材料としては、例えば、マイクロファイバーが覆われたスポンジ等が挙げられる。
中空軸25は、図2の(a)に示すように、筐体10に対して、球面座金を介して支持されている。中空軸25は、この球面座金に支持されることによって、筐体10に対して一定角度範囲で傾斜して可動する。そして、吸着部22は、中空軸25に接続されているので、中空軸25の角度の可動範囲内で傾斜可能になる。球面座金以外の構成としては、例えば自動調心玉軸受や自動調心コロ軸受等が挙げられる。
押圧部4は、筐体10に設けられており、駆動部23の上方に配置されている。押圧部4は、駆動リング23aを被吸着面Wへ向けて押圧するための部材である。
滑り軸受部5は、筐体10と駆動部23との間に設けられ、駆動部23を回転可能に支持している。
弾性材6は、滑り軸受部5と筐体10との間に設けられ、滑り軸受部5の緩衝材としての機能を有している。
次に、本実施形態の走行装置1Aの制御系30Aについて、図3に基づいて説明する。図3は、走行装置1Aにおける制御系30Aの構成を示すブロック図である。
走行装置1Aの制御系30Aは、図3に示すように、制御部31Aを備えており、この制御部31Aには、負圧センサ32、加速度センサ33及びジャイロセンサ34等のセンサ、並びにポンプ35、バッテリー36からの信号が入力されるようになっている。
負圧センサ32は、吸着部22・22及び被吸着面Wによって形成された吸着空間における負圧の圧力値を検出するセンサである。加速度センサ33は、走行装置1Aの本体の重力方向を検知するセンサである。また、ジャイロセンサ34は、被吸着面Wを走行する走行装置1Aの角速度を測定するセンサである。加速度センサ33及びジャイロセンサ34は、被吸着面Wに吸着したときの、走行装置1Aの本体の姿勢を検知する。
また、ポンプ35は、吸着部22・22及び被吸着面Wによって形成された吸着空間に負圧を発生させる負圧発生部であり、真空ポンプ等の吸引ポンプからなっている。
バッテリー36は、充電池からなっており、充電により電力が再生されるものとなっている。尚、バッテリー36は必ずしも充電池に限らず、乾電池でもよい。
制御部31Aは、CPUや専用プロセッサ等の演算処理部、及びRAM、ROM、HDD等の図示しない記憶部等により構成されるコンピュータ装置である。そして、上記記憶部に記憶されている各種情報及び各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行し、走行装置1Aの駆動リング23a、清掃パッド24等の動作を制御し、走行動作を行う。
具体的には、制御部31Aは、ポンプ35、バッテリー36、負圧センサ32、加速度センサ33、及びジャイロセンサ34からの信号を入力する。そして、モータドライバ3b・3bへ信号を出力し、駆動モータ3A・3Bそれぞれを駆動し、前記移動ユニット2A・2Bの駆動リング23a・23a及び清掃パッド24・24を回転させる。加速度センサ33は、走行装置1Aが被吸着面Wとしての垂直壁面に吸着している場合、重力方向に対する本体の向きを検知することができる。ジャイロセンサ34は、走行装置1Aの走行中、被吸着面Wの曲率や面粗さ等の状態が変わった場合に、本体の進行方向に対して向きが回転したことを検知することができる。また、ジャイロセンサ34の値には誤差がでるので、加速度センサ33の値で補正することも可能である。
(吸着走行時における走行装置の動作及び制御)
次に、上記の構成を備えた走行装置1Aの吸着走行時における動作及び制御について、図2の(a)(b)を参照して説明する。
まず、前記ポンプ35を作動させることによって、図2の(a)に示すように、吸着部22・22及び被吸着面Wによって吸着空間が形成される。吸着部22は、可撓性材料で構成されているので、内部の空気が吸引されると変形する。この吸着部22の変形によって、筐体10は下方へ移動する。このとき、押圧部4は、筐体10と共に下方へ移動する。これにより、押圧部4が、移動ユニット2A・2Bそれぞれにおいて駆動部23の支持体23bを押圧する。押圧により、支持体23bが下方へ移動することによって、駆動リング23a及び清掃パッド24を被吸着面Wに向けて押圧する。
駆動リング23a及び清掃パッド24それぞれの回転軸C1は、押圧部4により押圧されることによって、中空軸25に対して傾斜した回転軸C2となる。これにより、駆動リング23a及び清掃パッド24は、移動ユニット2A・2Bそれぞれにおける軸線Xとは反対側である外側端部において、被吸着面Wに当接する。このとき、移動ユニット2A・2Bは被吸着面Wからの反力を受けるため、駆動リング23a及び清掃パッド24の回転軸C2の方向にスラスト荷重が作用する。尚、スラスト荷重とは回転軸方向に発生する荷重をいう。
滑り軸受部5は、回転軸C2方向に作用するスラスト荷重を受ける。ここで、滑り軸受部5と筐体10との間には弾性材6が設けられているので、押圧部4により傾斜した駆動リング23aの回転体である支持体23bに追従して、滑り軸受部5が駆動リング23aの回転体に均一に接触することができる。これにより、駆動リング23aの回転体の摩耗を抑制することができ、駆動リング23aを効率よく回転させることができる。尚、滑り軸受部5は、駆動リング23aの回転体との摩擦を抑制するために、滑り性の良い材料、例えば、ナイロン、POM(poly oxy methylene)、フッ素樹脂、バイメタル金属等から成るスラストワッシャー等が挙げられる。また、弾性材6としては、例えば、圧縮バネ、ゴム、スポンジ等が挙げられる。
このように、駆動リング23aが被吸着面Wに接触している状態で、駆動部23を駆動させると、回転する駆動リング23aと被吸着面Wとの接面点に摩擦力が生じる。そして、移動ユニット2A・2Bには、この摩擦力と反対方向の推進力が生じる。この推進力により、走行装置1Aは、被吸着面W上を走行する。
ここで、本実施形態における走行装置1Aは、吸着時に、駆動部23及び清掃パッド24が押圧部4により傾斜する一方、吸着部22及び中空軸25は傾斜しない。換言すれば、吸着時においても、吸着部22及び中空軸25は、被吸着面Wに対して略垂直な状態となる。
このように、本実施形態における走行装置1Aでは、被吸着面Wに対して略垂直に吸着部22及び中空軸25を配置することができる。このため、走行装置1Aは、吸着部22が被吸着面Wに吸着し易くなる。また、吸着し易くなるということは、吸着部22内の気密性が崩れ難く、剥がれ難くなるということでもある。したがって、障害物や外乱等の影響があっても吸着状態を維持し易くなる。
さらに、本実施形態における走行装置1Aにおいては、吸着部22が駆動リング23a及び清掃パッド24の内輪側に配置されている。それゆえ、被吸着面Wが汚れている場合、走行装置1Aが移動する軌跡において、少なくとも一度清掃パッド24が通過した後に、吸着部22が通過することになる。したがって、被吸着面Wに付着した汚れを一度除去してから吸着部22が通過するので、吸着性を維持し易い構成とすることができる。
(走行装置の走行パターン)
本実施形態における走行装置1Aは、移動ユニット2A・2Bの各駆動リング23aが被吸着面Wに対して外側部分だけが片当たりの状態で接地することによって、各駆動リング23aの回転方向により走行装置1Aの進行方向を制御する。各駆動リング23aの駆動制御は、制御部31Aが行う。
走行装置1Aの具体的な走行パターンについて、図4の(a)〜(d)及び図5の(a)〜(d)に基づいて説明する。図4の(a)〜(d)は、移動ユニット2A・2Bの両方の駆動リング23aを駆動したときの走行装置1Aの被吸着面Wでの進行方向を示す平面図である。また、図5の(a)〜(d)は、移動ユニット2A・2Bのうちのいずれか一方の駆動リング23aを駆動したときの走行装置1Aの被吸着面Wでの進行方向を示す平面図である。
走行装置1Aは、まず、作業者によって被吸着面Wに押し当てられる。その際、被吸着面Wと吸着部22・22とによって、吸着空間が形成される。形成された吸着空間は、ポンプ35によって負圧状態となるため、被吸着面Wに対する吸着力が走行装置1Aに発生する。この吸着力により、2つの各吸着部22の両方の吸着面が撓みながら被吸着面Wに接触し、これにより、移動ユニット2A・2Bの各駆動リング23aも被吸着面Wに接触する。このとき、各駆動リング23aは押圧部4・4によって各駆動リング23aにおける、走行装置1Aの外殻側が被吸着面Wに近い状態となるように傾斜している。このため、各駆動リング23aは、走行装置1Aの外殻側のみが被吸着面Wに接地する。すなわち、図4の(a)〜(d)における移動ユニット2A・2Bの各駆動リング23aの左右端のみが被吸着面Wに接触する。
この状態において、図4の(a)に示すように、移動ユニット2Aの駆動リング23aを上方から見て時計回り方向CWに回転させると共に、移動ユニット2Bの駆動リング23aを上面から見て反時計回り方向CCWに回転させる。これにより、移動ユニット2Aの駆動リング23aの回転速度と移動ユニット2Bの駆動リング23aの回転速度とが一致しているので、バランスよく、走行装置1Aは前方に直進動作を行う。すなわち、移動ユニット2A・2Bの両方の駆動リング23aが駆動すると、各駆動リング23aと被吸着面Wとの接触部における接線方向に摩擦力が生じる。これにより、走行装置1Aには該摩擦力とは反対方向の推進力が生じる。この推進力により、走行装置1Aは、被吸着面Wを走行する。
また、図4(b)に示すように、移動ユニット2Aの駆動リング23aを上方から見て反時計回り方向CCWに回転させると共に、移動ユニット2Bの駆動リング23aを上方から見て時計回り方向CWに回転させる。これにより、移動ユニット2Aの駆動リング23aの回転速度と移動ユニット2Bの駆動リング23aの回転速度とが一致しているので、バランスよく、走行装置1Aは後方に直進動作を行う。
次に、図4(c)に示すように、移動ユニット2A・2Bの各駆動リング23aを上方から見て両方共それぞれ時計回り方向CWに回転させる。これにより、走行装置1Aは該走行装置1Aの中心点を回転中心として反時計回り方向CCWに回転する。
また、図4(d)に示すように、移動ユニット2A・2Bの各駆動リング23aを上方から見て両方共それぞれ反時計回り方向CCWに回転させる。これにより、走行装置1Aは該走行装置1Aの中心点を回転中心として、時計回り方向CWに回転する。
ところで、これらの動作は、各吸着部22内の気密性が同時に崩れる可能性があり、最悪の場合、走行装置1Aが滑落する恐れがある。例えば、縁のないガラス若しくは鏡、又は曲率変化が大きい部分を有する浴槽等の面を走行する場合において、いずれか一方の各吸着部22の気密性が崩れたときに、敢えて、図4(a)〜(d)の走行パターンをさらに実行しようとすると、他方の各吸着部22の気密性も崩れてしまう恐れがある。
そこで、本実施形態では、移動ユニット2A・2Bのいずれか一方の駆動リング23aを駆動させず、移動ユニット2A・2Bのいずれか他方の駆動リング23aのみを駆動させ、走行装置1Aを各吸着部22の一方の中心点を回転軸として回転させることにより、各吸着部22の少なくとも1つが被吸着面Wに吸着するようにして走行装置1Aを走行させる。この制御は、制御部31Aが行うようになっている。
具体的には、図5(a)に示すように、左側の移動ユニット2Aの駆動リング23aを駆動する前記駆動モータ3Aを無励磁状態とし、つまり駆動モータ3Aを停止させ、右側の移動ユニット2Bの駆動リング23aを時計回り方向CWに回転させる。これにより、走行装置1Aは移動ユニット2Aの吸着部22の中心点を回転中心として、反時計回り方向CCWに回転する。
また、図5(b)に示すように、左側の移動ユニット2Aの駆動リング23aを駆動する駆動モータ3Aを無励磁状態とし、右側の移動ユニット2Bの駆動リング23aを反時計回り方向CCWに回転させる。これにより、走行装置1Aは移動ユニット2Aの吸着部22の中心点を回転中心として、時計回り方向CWに回転する。
さらに、図5(c)に示すように、右側の移動ユニット2Bの駆動リング23aを駆動する駆動モータ3Bを無励磁状態とし、左側の移動ユニット2Aの駆動リング23aを時計回り方向CWに回転させる。これにより、走行装置1Aは移動ユニット2Bの吸着部22の中心点を回転中心として、反時計回り方向CCWに回転する。
さらに、図5(d)に示すように、右側の移動ユニット2Bの駆動リング23aを駆動する駆動モータ3Bを無励磁状態とし、左側の移動ユニット2Aの駆動リング23aを反時計回り方向CCWに回転させる。これにより、走行装置1Aは移動ユニット2Bの吸着部22の中心点を回転中心として、時計回り方向CWに回転する。
これらの動作は、移動ユニット2A・2Bのいずれか一方の吸着部22の中心点を回転中心として回転する動作であるため、回転しない他方の吸着部22内の負圧状態が崩れる可能性は低く、比較的安全な動作であると言える。
したがって、本実施形態の走行装置1Aでは、例えば縁のないガラス若しくは鏡、又は曲率のある浴槽等の面等の滑落の危険が高い面を走行する場合には、上記動作を旋回動作と定義し、基本的な動作形態とするようになっている。
図6は、走行装置1Aがピボット動作を行い、被吸着面を走行している様子を示す平面図である。
走行装置1Aは、図6に示すように、上述した各種の走行パターンを用いて、ピボット動作を行うことができる。すなわち、ピボット動作は、図5の(a)及び図5の(d)の走行パターンを交互に行うことにより、ピボット動作による走行が可能となる。
(吸着空間の圧力制御)
従来の走行装置は、吸着部と、負圧発生部としてのポンプを備え、ポンプによって吸着部と被吸着面Wとの間に形成される吸着空間を負圧にすることにより、被吸着面Wに吸着しながら走行するものであった。
しかしながら、上記従来の走行装置では、被吸着面Wに吸着して走行する際に、常にポンプを駆動させる構成であるため、消費電力が高くなるという問題があった。
そこで、走行装置1Aでは、上記従来の走行装置の構成に加えて、圧力検知部としての負圧センサ32と、ポンプ35の駆動を制御する制御部31Aを備えることにより、上記問題点を解決するものとなっている。
以下に、本実施形態の走行装置1Aにおける吸着空間の圧力制御について、詳細に説明する。
まず、本実施形態における走行装置1Aのエア系統について、図1を参照しながら説明する。図1は、走行装置1Aのエア系統図である。
走行装置1Aにおいては、図1に示すように、吸着部22・22と被吸着面Wとの間にそれぞれ吸着空間が形成される。2つの吸着空間は、互いに連通し、1つの吸着空間となっている。
吸着空間は、フィルタを介して、ポンプ35と接続しており、ポンプ35を駆動することによって、吸着空間内の空気が外部に排出され、吸着空間が負圧になる。これにより、吸着部22・22は、被吸着面Wに吸着する。尚、フィルタは、ポンプ35を駆動し吸着空間から空気を排出する際に、同時に吸い込まれる埃や塵を取り除くためのものである。
また、吸着空間には負圧センサ32が接続されている。負圧センサ32は、吸着空間の圧力を検知する。
負圧センサ32及びポンプ35は制御部31Aと電気的に接続されており、負圧センサ32で検知された圧力値は制御部31Aへ送られる。ポンプ35は、制御部31Aからの信号により、駆動が制御される。
次に、走行装置1Aの吸着部22・22と被吸着面Wとの間に形成される吸着空間の圧力制御について、図7に基づいて説明する。図7は、走行装置1Aの吸着部22・22と被吸着面Wとの間に形成される吸着空間の圧力制御の手順を示すフローチャートである。
走行装置1Aは、図7に示すように、まず、作業者によって被吸着面Wに押し当てられる(S1)。これにより、被吸着面Wと吸着部22・22によって、吸着空間がそれぞれ形成される。この際、負圧センサ32によって、吸着空間の圧力を常時検出できるようにする。
次に、ポンプ35の駆動を開始する(S2)。これにより、吸着部22・22の吸着空間が負圧状態となる。
次に、制御部31Aは、負圧センサ32で検出する吸着部22・22の吸着空間の圧力が下限圧力値である第1負圧力としての閾値B以下であるかを判断する(S3)。本実施形態における閾値Bは、大気圧よりも例えば40kPa低い圧力に設定する。
そして、吸着空間の圧力が閾値B以下の場合(ステップS3でYes)、制御部31Aは、ポンプ35の駆動を停止させる(S4)。尚、吸着空間の圧力が閾値Bよりも大きい場合(ステップS3でNo)、制御部31Aは、ポンプ35の駆動を継続させる。
ポンプ35の駆動を停止すると、吸着空間内に空気が少しずつ流れ込む。これにより、吸着空間の圧力は、少しずつ高くなり、徐々に大気圧に近づく。
次に、制御部31Aは、負圧センサ32で検出する吸着空間の圧力が上限圧力値である第2負圧力としての閾値A以上であるかを判断する(S5)。
ここで、閾値Aは、閾値Bよりも大気圧に近い負圧値であり、走行装置1Aが被吸着面W上を安定的に走行するために必要な圧力値が設定されている。被吸着面W上を安定的に走行するためには、走行装置1Aが被吸着面Wから剥がれないための吸着力と、走行装置1Aが被吸着面Wに平行な方向へ移動するための駆動力とを発生させるための圧力が必要となる。
走行装置1Aが被吸着面Wから剥がれないための吸着力を発生するために必要な圧力は、走行装置1Aの重量及び重心、並びに安全率を設定することで計算することができる。
また、走行装置1Aが被吸着面Wに平行な方向へ移動するための駆動力を発生させるために必要な圧力は、走行装置1Aの走行パターン、走行装置1Aから被吸着面Wに作用する垂直抗力、及び吸着部22の摩擦力等から計算することができる。
本実施形態における閾値Aは、大気圧よりも例えば35kPa低い圧力に設定する。
吸着空間の圧力が閾値Aよりも小さい場合(ステップS5でNo)、制御部31Aは、ポンプ35の駆動を停止させたままにする。
一方、吸着空間の圧力が閾値A以上の場合(ステップS5でYes)、制御部31Aは、ポンプ35を駆動させる。
走行装置1Aは、上記の動作を繰り返し行うことによって、ポンプ35を間欠駆動させて、被吸着面W上を走行することができる。
次に、ポンプ35を連続駆動させる場合と、ポンプ35を間欠駆動させる場合とにおける、吸着空間の圧力変化及びポンプ35の駆動について、図8の(a)(b)及び図9の(a)(b)に基づいて説明する。図8の(a)は、ポンプ35を連続駆動させる場合の、吸着空間の圧力変化と時間との関係を示すグラフである。図8の(b)は、ポンプ35を連続駆動している状態を示すグラフである。図9の(a)は、ポンプ35を間欠駆動させる場合の、吸着空間の圧力変化と時間との関係を示すグラフである。図9の(b)はポンプ35を間欠駆動している状態を示すグラフである。
ポンプ35を連続駆動させる場合には、図8の(b)に示すように、ポンプ35は常時駆動している。このため、図8の(a)に示すように、吸着空間の圧力は、常時、閾値Aよりも小さくなっている。
一方、ポンプ35を間欠駆動させる場合には、図9の(a)(b)に示すように、吸着空間の圧力が閾値A以上となったときにポンプ35を駆動し、閾値B以下となったときにポンプ35の駆動を停止している。これにより、吸着空間の圧力を常時閾値A以下にすることができる。
図8の(b)と図9の(b)とを比較すると、ポンプ35を間欠駆動させた場合のポンプ35の動作時間は、ポンプ35を連続駆動させた場合のポンプ35の動作時間よりも、明らかに短くなっている。すなわち、走行装置1Aは、吸着空間の圧力を、閾値A以下にするため、換言すれば、走行装置1Aが被吸着面W上を安定的に走行するために必要な圧力以下にするために、ポンプ35の動作時間を短くすることができるようになっている。
したがって、走行装置1Aは、被吸着面W上を安定的に走行するための電力の消費を抑えることができるようになっている。
また、吸着部22と被吸着面Wとの間に形成される吸着空間の密閉性を上げれば上げるほど、吸着空間に流れ込む空気の量を減少させることができる。これにより、ポンプ35の駆動を停止している間に、吸着空間の圧力が上昇する速度が減少する。このため、ポンプ35の駆動を停止している時間を長くすることができる。その結果、走行装置1Aの運転時間に対するポンプ35の駆動時間を短くすることができるので、さらに電力の消費を抑えることができる。
このように、本実施形態における走行装置1Aでは、被吸着面Wとの間に吸着空間を形成する吸着部22・22と、吸着空間に接続され、該吸着空間に負圧を発生させるポンプ35とを備え、被吸着面Wに吸着しながら走行する走行装置において、吸着空間の圧力を検知する負圧センサ32と、負圧センサ32によって吸着空間の圧力が閾値B以下であることを検知した場合に、ポンプ35の駆動を停止させると共に、負圧センサ32によって吸着空間の圧力が閾値A(閾値B<閾値A)以上であることを検知した場合に、ポンプ35の駆動を開始させる制御部31Aとを備えている。
上記の構成によれば、吸着部22・22と被吸着面Wとの間に形成される吸着空間の圧力を検知する負圧センサ32を備えており、負圧センサ32は、該吸着空間の圧力を常時検知している。そして、負圧センサ32によって該吸着空間の圧力が閾値B以下であることを検知すると、制御部31Aは、ポンプ35の駆動を静止させる。また、負圧センサ32によって該吸着空間の圧力が閾値A以上であることを検知すると、制御部31Aは、ポンプ35の駆動を開始させる構成となっている。
これにより、ポンプ35を間欠動作させることができるので、走行装置1Aは、従来の走行装置よりも消費電力を抑えて、被吸着面Wに吸着しながら走行することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について図10〜図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の走行装置1Bは、吸着部22・22と被吸着面Wとの間にそれぞれ形成される吸着空間がそれぞれ独立している点が、前記実施形態1の走行装置1Aとは異なっている。
(走行装置の構成)
本実施形態の走行装置1Bの構成について、図10及び図11を参照しながら説明する。図10は、走行装置1Bにおける制御系30Bの構成を示すブロック図である。また、図11は、走行装置1Bのエア系統図である。
走行装置1Bでは、図11に示すように、吸着部22・22と被吸着面Wとの間に吸着空間がそれぞれ形成される。各吸着空間はそれぞれ互いに独立しており、一方の吸着空間の気密性が崩れても、他方の吸着空間の気密性には影響を与えないようになっている。一方の吸着部22には、第1負圧センサ32a、及び第1ポンプ35aが設けられており、他方の吸着部22には、第2負圧センサ32b、及び第2ポンプ35bが設けられている。
走行装置1Bの制御系30Bは、図10に示すように、制御部31Bを備えている。制御部31Bは、第1負圧センサ32a及び第2負圧センサ32bからの信号が入力される。また、制御部31Bは、第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bの駆動をそれぞれ独立に制御する。
(吸着空間の圧力制御)
次に、本実施形態の走行装置1Bにおける吸着部22・22と被吸着面Wとの間にそれぞれ形成される吸着空間の圧力制御について、図12〜図14に基づいて説明する。
図12は、走行装置1Bがピボット動作を行い、被吸着面Wの端部に達する様子を示す平面図である。
尚、以降では、説明の便宜上、吸着部22・22を吸着部22A(第1吸着部)、吸着部22B(第2吸着部)と区別して呼ぶ。また、吸着部22Aに近接する駆動リング23aを駆動リング23aAと呼び、吸着部22Bに近接する駆動リング23aを駆動リング23aBと呼ぶ。また、第1負圧センサ32a及び第1ポンプ35aは、吸着部22Aと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間に接続しているものとし、第2負圧センサ32b及び第2ポンプ35bは、吸着部22Bと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間に接続しているものとして説明する。
走行装置1Bは、図12に示すように、ピボット動作を行い、被吸着面W上を走行し、走行装置1Bの2つの吸着部22・22のうち一方の吸着部22Aが、被吸着面Wの端部又は隙間の上方に達することがある。このとき、吸着部22Aの吸着空間の気密性が崩れ、該吸着空間の気圧は大気圧となる。
このとき、実施形態1における走行装置1Aでは、2つの吸着部22・22が互いに連通しているため、1つの吸着部22の気密性が崩れると、他方の吸着部22吸着空間の気密性も同時に崩れる。その結果、2つの吸着部22・22が被吸着面Wから剥離し、走行装置1Aは被吸着面Wから落下してしまう。
これに対して、本実施形態の走行装置1Bでは、2つの吸着部22A・22Bの吸着空間は互いに独立している。これにより、吸着部22Aの吸着空間の気密性が崩れても、吸着部22Bの吸着空間の気密性が保たれた状態となっている。これにより、吸着部22Bは被吸着面Wに吸着している状態を維持することできるので、走行装置1Bは被吸着面Wから落下しないようになっている。
吸着部22Aの吸着空間の気密性が崩れ、吸着空間の圧力が大気圧になった場合、制御部31Bは、吸着部22Aに近接する駆動リング23aAを回転させることにより、吸着部22Aを被吸着面Wの上方になる方向に走行装置1Bを回転させる。例えば、図12に示した例では、駆動リング23aAを上方から見て反時計回り方向CCWに回転することにより、走行装置1Bは駆動リング23aBの中心を中心軸として上方から見て時計回り方向CWに回転する。これにより、吸着部22Aは被吸着面Wの上方に戻ることができる。その結果、吸着部22Aは被吸着面Wに再吸着することができる。このように、走行装置1Bは、新たにセンサ等を設けることなく、被吸着面Wの端部を検知することができる。
以降では、吸着空間の気密性が崩れた吸着部22を、被吸着面W上に戻す動作を壁戻り動作と呼ぶ。
次に、走行装置1Bの吸着部22A・22Bと被吸着面Wとの間にそれぞれ形成される吸着空間の圧力制御の手順について、図13に基づいて説明する。図13は、走行装置1Bの2つの吸着部22A・22Bのうち一方の吸着部22Aと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間の圧力制御の手順を示すフローチャートである。尚、吸着部22Bと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間の制御の手順は、吸着部22Aと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間の制御の手順と同様であるため、説明を省略する。
走行装置1Bは、図13に示すように、まず、作業者によって被吸着面Wに押し当てられる(S1)。これにより、被吸着面Wと吸着部22A・22Bによって、吸着空間がそれぞれ形成される。この際、第1負圧センサ32aによって、吸着部22Aの吸着空間の圧力を常時検出できるようにする。
次に、第1ポンプ35aの駆動を開始する(S2)。
次に、制御部31Bは、第1負圧センサ32aで検出する吸着部22Aの吸着空間の圧力が大気圧より少しだけ低い圧力値(以下閾値Cとする)以下であるかを判断する(S11)。閾値Cは、吸着部22Aと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間の気密性が保たれているかを検知するために設定される圧力である。本実施形態では、閾値Cは大気圧よりも例えば1kPa低い圧力に設定する。
吸着空間の圧力が閾値Cよりも大きい場合(ステップS11でNo)、吸着部22Aと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間の気密性が崩れている。このとき、制御部31Bは、上述した走行装置1Bの壁戻り動作を行う(S12)。すなわち、吸着部22Aが被吸着面Wの上方になるように走行装置1Bを回転させる。その後、第1ポンプ35aを再び駆動させる(S2)。
吸着空間の圧力が閾値C以下の場合(ステップS11でYes)、制御部31Bは、第1ポンプ35aの駆動を継続させる。
次に、制御部31Bは、第1負圧センサ32aで検出する吸着部22Aの吸着空間の圧力が閾値B以下であるかを判断する(S3)。本実施形態における閾値Bは、大気圧よりも例えば40kPa低い圧力に設定する。
そして、吸着空間の圧力が閾値B以下の場合(ステップS3でYes)、制御部31Bは、第1ポンプ35aの駆動を停止させる(S4)。尚、吸着空間の圧力が閾値Bよりも大きい場合(ステップS3でNo)、制御部31Bは、第1ポンプ35aの駆動を継続させる。
第1ポンプ35aの駆動を停止すると、吸着空間内に空気が少しずつ流れ込む。これにより、吸着空間の圧力は、少しずつ高くなり、徐々に大気圧に近づく。
次に、制御部31Bは、第1負圧センサ32aで検出する吸着空間の圧力が閾値A以上であるかを判断する(S5)。
ここで、閾値Aは、閾値Bよりも大気圧に近い負圧値であり、走行装置1Bが被吸着面W上を安定的に走行するために必要な圧力値が設定されている。被吸着面W上を安定的に走行するためには、走行装置1Bが被吸着面Wから剥がれないための吸着力と、走行装置1Bが被吸着面Wに平行な方向へ移動するための駆動力とを発生させるための圧力が必要となる。
走行装置1Bが被吸着面Wから剥がれないための吸着力を発生するために必要な圧力は、走行装置1Bの重量及び重心、並びに安全率を設定することで計算することができる。
また、走行装置1Bが被吸着面Wに平行な方向へ移動するための駆動力を発生させるために必要な圧力は、走行装置1Bの走行パターン、走行装置1Bから被吸着面Wに作用する垂直抗力、及び吸着部22A・22Bの摩擦力等から計算することができる。
本実施形態における閾値Aは、大気圧よりも例えば35kPa低い圧力に設定する。
吸着空間の圧力が閾値Aよりも小さい場合(ステップS5でNo)、制御部31Bは、第1ポンプ35aの駆動を停止させたままにする。
一方、吸着空間の圧力が閾値A以上の場合(ステップS5でYes)、制御部31Bは、第1負圧センサ32aで検出する吸着部22Aの吸着空間の圧力が閾値C以下であるかを判断する(S13)。
吸着空間の圧力が閾値C以下の場合(ステップS13でYes)、制御部31Bは、第1ポンプ35aの駆動を開始させる(S2)。
一方、吸着空間の圧力が閾値Cよりも大きい場合(ステップS13でNo)、吸着部22Aが被吸着面Wの被吸着面Wの端部又は隙間の上方に達している。これにより、吸着部22Aと被吸着面Wとの間に形成される吸着空間の気密性が崩れている。このとき、制御部31Bは、上述した走行装置1Bの壁戻り動作を行う(S12)。すなわち、吸着部22Aが被吸着面Wの上方になるように走行装置1Bを回転させる。その後、第1ポンプ35aを再び駆動させる(S2)。
このように、制御部31Bが走行装置1Bの吸着部22・22と被吸着面Wとの間にそれぞれ形成される吸着空間の圧力をそれぞれ独立に制御することにより、一方の吸着部22の吸着空間の気密性が崩れた場合に、走行装置1Bが被吸着面Wから落下することを防ぐことができる。また、壁戻り動作をすることにより、吸着空間の気密性がくずれた吸着部22を被吸着面W上に戻し、該吸着部22を被吸着面Wに再吸着させることができる。
本実施形態の走行装置1Bにおける、吸着空間の圧力変化、及び第1ポンプ35a又は第2ポンプ35bの駆動について、図14の(a)(b)に基づいて説明する。
図14の(a)は、本実施形態の走行装置1Bにおける吸着空間の圧力変化と時間との関係を示すグラフである。図14の(b)は、本実施形態の走行装置1Bにおける第1ポンプ35a又は第2ポンプ35bの駆動状態を示すグラフである。
走行装置1Bの吸着部22・22のうち一方の吸着部22の吸着空間の気密性が崩れた場合、図14の(a)に示すように、該吸着部22の吸着空間の圧力が大気圧になる。第1負圧センサ32a又は第2負圧センサ32bによって、吸着空間の圧力が大気圧となったことを検知すると、図14の(b)に示すように、該吸着部22に近接する第1ポンプ35a又は第2ポンプ35bを駆動させる。これにより、該吸着空間の圧力を低下させ、閾値A以下とすることができる。
また、本実施形態の走行装置1Bでは、実施形態1の走行装置1Aと同様に、第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bを間欠動作させている。これにより、消費電力を抑えて、被吸着面Wに吸着しながら走行できるようになっている。
このように、本実施形態における走行装置1Bでは、吸着部は、吸着空間が互いに独立する2つの吸着部22・22から構成され、第1ポンプ35a又は第2ポンプ35b、及び第1負圧センサ32a又は第2負圧センサ32bが、吸着部22・22のそれぞれに設けられている。そして、制御部31Bは、吸着部22・22のそれぞれに設けられた第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bをそれぞれ独立に制御する。
これにより、走行装置1Bの吸着部22・22のうち一方の吸着部22の吸着空間の気密性が崩れた場合に、走行装置1Bが被吸着面Wから落下しないようにすることができる。
また、制御部31Bは、吸着部22・22にそれぞれ設けられた第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bをそれぞれ独立に制御するので、第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bを間欠動作させることができる。これにより、走行装置1Bの消費電力を抑えることができる。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について図15〜図19に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施形態1又は実施形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施形態1又は実施形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の走行装置1Cは、実施形態2の走行装置1Bの構成に加えて、吸着部22・22と被吸着面Wとの間にそれぞれ形成される吸着空間に、それぞれ電磁弁が設けられている点が実施形態2の走行装置1Bとは異なる。
(走行装置の構成)
本実施形態の走行装置1Cの構成について、図15及び図16を参照しながら説明する。図15は、走行装置1Cにおける制御系30Cの構成を示すブロック図である。また、図16は、走行装置1Cのエア系統図である。
走行装置1Cでは、図16に示すように、吸着部22・22と被吸着面Wとの間に吸着空間がそれぞれ形成される。各吸着空間はそれぞれ互いに独立しており、一方の吸着空間の気密性が崩れても、他方の吸着空間の気密性には影響を与えないようになっている。一方の吸着部22には、第1負圧センサ32a、及び第1ポンプ35aが設けられており、他方の吸着部22には、第2負圧センサ32b、及び第2ポンプ35bが設けられている。さらに、吸着部22・22と被吸着面Wとの間にそれぞれ形成される吸着空間には、それぞれ第1電磁弁41a及び第2電磁弁41bが設けられている。
走行装置1Cの制御系30Cは、図15に示すように、制御部31Cを備えている。制御部31Cは、第1電磁弁41a及び第2電磁弁41bの開閉動作をそれぞれ独立に制御する。
第1電磁弁41aは、通常、閉じた状態になっている。第1電磁弁41aは、制御部31Cからの信号を受けて弁を開放する。第1電磁弁41aの弁が解放されると、第1電磁弁41aが接続している吸着空間が大気へ解放され、各吸着空間へ空気を流入する。その結果、第1電磁弁41aが接続している吸着空間の圧力は大気圧となる。尚、第2電磁弁41bについても、制御部31Cは同様の制御を行うため、説明を省略する。
(吸着空間の圧力制御)
次に、本実施形態の走行装置1Cにおける吸着部22・22と被吸着面Wとの間にそれぞれ形成される吸着空間の圧力制御について、図17〜図19に基づいて説明する。
図17は、走行装置1Cがピボット動作を行い、被吸着面Wを走行する様子を示す平面図である。
走行装置1Cでは、図17に示すように、被吸着面Wをピボット動作しながら走行する点では実施形態1の走行装置1Aと同じである。しかし、ピボット動作を行う際に、制御部31Cが、2つの吸着部22・22のうち回転する吸着部22と被吸着面Wとの間に形成される吸着空間の圧力を制御する点が異なっている。以下に、詳細に説明する。
例として、走行装置1Cが移動ユニット2Aの吸着部22の中心点を回転中心として、反時計回り方向CCWに回転するピボット動作について説明する。
第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bは共に駆動しており、移動ユニット2A・2Bのそれぞれの吸着部22は、共に被吸着面Wに吸着しているとする。
まず、制御部31Cは、移動ユニット2Bの吸着部22の吸着空間に接続している第2ポンプ35bの駆動を停止させる。
次に、制御部31Cは、移動ユニット2Bの吸着部22の吸着空間に接続している第2電磁弁41bの弁を開放する。これにより、該吸着空間は大気へ解放され、該吸着空間の圧力が大気圧となる。
次に、制御部31Cは、駆動モータ3Bを駆動させ、移動ユニット2Bの駆動リング23aを時計回り方向CWに回転させる。これにより、走行装置1Cは、移動ユニット2Aの吸着部22の中心点を回転中心として、反時計回り方向CCWに回転する。このとき、移動ユニット2Bの吸着部22の吸着空間の圧力が大気圧となっているので、移動ユニット2Bの吸着部22と被吸着面Wとの摩擦力は、吸着部22が被吸着面Wに吸着している場合の摩擦力よりも、小さくなっている。したがって、走行装置1Cが回転するために必要な駆動トルクは、吸着部22が被吸着面Wに吸着している場合に比べて、小さくなる。すなわち、走行装置1Cは、少ない消費電力でピボット動作を行うことができる。
走行装置1Cが移動ユニット2Aの吸着部22の中心点を回転中心として、反時計回り方向CCWに所定の角度回転すると、制御部31Cは、第2電磁弁41bの弁を閉鎖する。
次に、制御部31Cは、移動ユニット2Bの吸着部22の吸着空間に接続している第2ポンプ35bを駆動させ、移動ユニット2Bの吸着部22の吸着空間内の圧力を負圧にし、吸着部22を被吸着面Wに吸着させる。
以上により、走行装置1Cが移動ユニット2Aの吸着部22の中心点を回転中心として、反時計回り方向CCWに回転するピボット動作は終了する。
このように、走行装置1Cでは、ピボット動作を行う際に、吸着部22・22のうち、回転移動する駆動リング23aに近接する吸着部22の吸着空間に接続している第1電磁弁41a又は第2電磁弁41bの弁を開放させる。これにより、該吸着空間の圧力が大気圧になり、該吸着部22と被吸着面Wとの間の摩擦力が小さくなる。その結果、回転に必要な駆動トルクを小さくすることができる。すなわち、駆動モータ3A・3Bを小型化することができる。これにより、ピボット動作に必要な消費電力を抑えることができるようになっている。もしくは、吸着部22が被吸着面Wに吸着している場合と同じ駆動トルクを作用させた時に、走行装置1Cが走行する速度を速くすることができる。
次に、上述した走行装置1Cのピボット動作中の第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bの駆動について、図18を参照しながら説明する。図18は、本実施形態の走行装置1Cにおける第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bの駆動状態を示すグラフである。
第1ポンプ35aは、図18の(a)に示すように、駆動モータ3Aを駆動させてピボット動作を行っている間、駆動を停止する。同様に、図18の(b)に示すように、第2ポンプ35bは、駆動モータ3Bを駆動させてピボット動作を行っている間、駆動を停止する。すなわち、ピボット動作中に、回転移動しない吸着部22の吸着空間に接続している第1ポンプ35aまたは第2ポンプ35bは、駆動している。
そこで、走行装置1Cでは、実施形態1における走行装置1A及び実施形態2における走行装置1Bと同様に、第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bを間欠動作させることが可能である。
以下に、走行装置1Cにおける、第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bの間欠動作について、図19を参照しながら説明する。
図19の(a)は、吸着部22・22と被吸着面Wとの間にそれぞれ形成される吸着空間の圧力変化と時間との関係を示すグラフである。図19の(b)は、第1ポンプ35aの駆動状態を示すグラフである。図19の(c)は、第2ポンプ35bの駆動状態を示すグラフである。
制御部31Cは、図19の(a)〜(c)に示すように、まず、第2負圧センサ32bが接続されている吸着空間が形成される移動ユニット2Bを回転させるピボット動作を行う。具体的には、まず、制御部31Cが第2電磁弁41bの弁を開放させ、移動ユニット2Bの吸着部22の吸着空間の圧力を大気圧にする。次に、制御部31Cは、移動ユニット2Bの駆動モータ3Bを駆動し、移動ユニット2Bの駆動リング23aを回転させて、移動ユニット2Bを移動ユニット2Aの中心と回転中心として回転させる。次に、制御部31Cは、第2電磁弁41bを閉鎖し、第2ポンプ35bを駆動させる。これにより、移動ユニット2Bの吸着部22の吸着空間の圧力が負圧になる。
次に、吸着空間の圧力が閾値B以下になると、制御部31Cは、該吸着空間に接続している第2ポンプ35bの駆動を停止させる。
次に、第1負圧センサ32aが接続されている吸着空間が形成される移動ユニット2Aを回転させるピボット動作を開始する。
このように、制御部31Cが吸着空間の圧力を制御することにより、図19の(b)(c)に示すように、第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bは間欠動作する。したがって、第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bを間欠しない場合と比べて、第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bの駆動時間を短くすることができる。すなわち、消費電力を抑えることができるようになっている。
このように、本実施形態における走行装置1Cでは、吸着部22・22に近接してそれぞれ設けられる駆動リング23a・23aと、吸着部22・22の各吸着空間にそれぞれ接続される第1電磁弁41a及び第2電磁弁41bとを備えている。そして、制御部31Cは、吸着部22に近接する一方の駆動リング23aが駆動するときに、該駆動リング23aに近接する吸着部22の吸着空間に接続している第1電磁弁41a又は第2電磁弁41bを開放し、該吸着空間の圧力を大気圧にする。
上記の構成によれば、ピボット動作を行うときに、回転する側の吸着空間に接続している第1電磁弁41a又は第2電磁弁41bを開放することによって、第1電磁弁41a又は第2電磁弁41bに接続されている吸着空間を形成する吸着部22と被吸着面Wとの摩擦力を小さくすることができる。これにより、ピボット動作を行うために必要な駆動トルクを小さくすることができる。したがって、ピボット動作を行う際に必要な消費電力を抑えることができる。
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について図20〜図21に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施形態1又は実施形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施形態1又は実施形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の走行装置の実際の利用方法として、窓清掃ロボットが挙げられる。窓清掃ロボットは、電源として、外部電源を使用せず、本体に備えているバッテリーのみを使用する。これにより、外部電源がない場所でも簡単に窓を自動清掃できるようになっている。
しかしながら、バッテリーで駆動する場合には、バッテリーの残量が少なくなったり、又はバッテリーの残量がなくなったりすると、ポンプを作動することができなくなる。その結果、吸着空間の負圧を維持することができなくなり、装置が被吸着面から落下する可能性が生じるという問題がある。
そこで、本実施形態の走行装置1Dでは、バッテリーの残量を監視し、バッテリーの残量が設定値よりも少なくなった場合に、駆動リングを駆動させず、ポンプのみを駆動させることにより、できるだけ長時間被吸着面に吸着できるようになっている。以下に、詳細に説明する。
(走行装置の構成)
本実施形態の走行装置1Dの構成について、図20を参照しながら説明する。図20は、走行装置1Dにおける制御系30Dの構成を示すブロック図である。
走行装置1Dの制御系30Dは、図20に示すように、制御部31Dを備えている。制御部31Dは、バッテリー36と接続しており、バッテリー36の残量を監視することができるようになっている。
(走行装置の動作)
次に、本実施形態の走行装置1Dの動作について説明する。
走行装置1Dでは、上述したように制御部31Dは、バッテリー36の残量を監視している。そして、制御部31Dがバッテリーの残量が設定値以下になったことを検知すると、制御部31Dは駆動モータ3A・3Bの動作を停止させる。上記の設定値としては、例えば10%に設定する。
次に、バッテリーの残量が設定値以下になった後の、吸着部22・22の吸着空間の圧力制御について、図21を参照しながら説明する。尚、以降では吸着部22・22のそれぞれの吸着空間のうち、第1負圧センサ32a及び第1ポンプ35aが接続されている吸着空間の圧力制御について説明する。他方の吸着空間の圧力制御は、以下に説明する圧力制御と同様であるため、説明を省略する。
図21の(a)は、吸着空間の圧力変化と時間との関係を示すグラフである。図21の(b)は、第1ポンプ35aの駆動状態を示すグラフである。
走行装置1Dでは、図21の(a)(b)に示すように、吸着空間の圧力が下限圧力値である閾値B以下になると、制御部31Dが第1ポンプ35aの駆動を停止させる点については、実施形態1及び実施形態2と同様である。
第1ポンプ35aの駆動を停止すると、吸着空間内に空気が少しずつ流れ込む。これにより、吸着空間の圧力は、少しずつ高くなり、徐々に大気圧に近づく。
次に、制御部31Dは、第1負圧センサ32aで検出する吸着空間の圧力が上限圧力値である第3負圧力としての閾値A´以上であるかを判断する。
ここで、閾値A´は、走行装置1Dが非走行時である場合に、走行装置1Dが被吸着面Wに安定して吸着するために必要な圧力値である。走行装置1Dが走行時である場合に比べて、走行装置1Dが非走行時である場合には、外乱が少なく、安全率を小さく設定することができる。そのため、閾値A´は、閾値Aよりも高い圧力値に設定することができる。本実施形態における閾値A´は、大気圧よりも例えば30kPa低い圧力に設定する。
吸着空間の圧力が閾値A´よりも小さい場合、制御部31Dは、第1ポンプ35aの駆動を停止させたままにする。
一方、吸着空間の圧力が閾値A´以上の場合、制御部31Dは、第1ポンプ35aを駆動させる。
走行装置1Dは、上記の動作を繰り返し行うことによって、バッテリーの残量が設定値以下になった後、第1ポンプ35aを間欠駆動させて、被吸着面Wに安定して吸着することができる。
ここで、走行装置1Dの走行時と非走行時とにおける第1ポンプ35a又は第2ポンプ35bの駆動時間について説明する。前記図9の(b)は、走行時における第1ポンプ35a又は第2ポンプ35bの駆動を示しており、図21の(b)は、非走行時における第1ポンプ35a又は第2ポンプ35bの駆動を示している。図9の(b)と、図21の(b)とを比較すると、非走行時における第1ポンプ35a又は第2ポンプ35bの駆動時間は、走行時に比べて、短くなっていることがわかる。すなわち、走行装置1Dでは、非走行時には、走行時に比べて、消費電力を抑えることができるようになっている。
このように、本実施形態における走行装置1Dでは、制御部31Dは、被吸着面Wへの吸着時における非走行時には、第1負圧センサ32a又は第2負圧センサ32bによって吸着空間の圧力が閾値A´(閾値A´は閾値Aよりも大気圧に近い)であることを検知した場合に、該吸着空間に接続する第1ポンプ35a又は第2ポンプ35bの駆動を開始させる。
上記の構成によれば、非走行時に、吸着空間の圧力が閾値A´以上になると第1ポンプ35a又は第2ポンプ35bの駆動を開始させる。そして、閾値A´は、走行時において第1ポンプ35a又は第2ポンプ35bの駆動を開始させる圧力である閾値Aよりも高い。したがって、非走行時における第1ポンプ35a又は第2ポンプ35bの駆動時間を、走行時に比べて短くすることができる。これにより、非走行時における電力消費を抑えることができる。
また、本実施形態における走行装置1Dでは、第1ポンプ35a及び第2ポンプ35b、並びに駆動リング23a・23aを駆動するバッテリー36を備えており、制御部31Dは、バッテリー36の残量が設定値よりも少なくなると、駆動リング23a・23aの駆動を停止させる。
上記の構成によれば、バッテリー36の残量が設定よりも少なくなると、駆動リング23a・23aの駆動を停止させる。これにより、バッテリーを第1ポンプ35a及び第2ポンプ35bの駆動のためだけに使用するので、駆動リング23a・23aを駆動する場合と比べて、走行装置1Dをより長い時間、被吸着面Wに吸着させておくことができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1における走行装置1A〜1Dは、被吸着面Wとの間に吸着空間を形成する吸着部(22、22A、22B)と、上記吸着空間に接続され、該吸着空間に負圧を発生させる負圧発生部(ポンプ35、第1ポンプ35a、第2ポンプ35b)とを備え、被吸着面Wに吸着しながら走行する走行装置において、上記吸着空間の圧力を検知する圧力検知部(負圧センサ32、第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b)と、上記圧力検知部(負圧センサ32、第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b)によって上記吸着空間の圧力が第1負圧力(閾値B)以下であることを検知した場合に、上記負圧発生部(ポンプ35、第1ポンプ35a、第2ポンプ35b)の駆動を停止させると共に、上記圧力検知部(負圧センサ32、第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b)によって上記吸着空間の圧力が第2負圧力(閾値A)(第2負圧力(閾値A)は第1負圧力(閾値B)よりも大気圧に近い)以上であることを検知した場合に、上記負圧発生部(ポンプ35、第1ポンプ35a、第2ポンプ35b)の駆動を開始させる制御部(31A〜31D)とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、圧力検知部が吸着空間の圧力を検知する。そして、吸着空間の圧力が第1負圧力以下であれば、制御部が負圧発生部の駆動を停止し、吸着空間の圧力が第2負圧力以上であれば、制御部が負圧発生部の駆動を開始する。
これにより、負圧発生部を間欠動作することができるので、負圧発生部を連続運転させる場合と比べて、負圧発生部の駆動時間を短くすることができる。
したがって、消費電力を抑えた走行装置を提供することができる。
本発明の態様2における走行装置1Dは、上記態様1における走行装置において、前記制御部31Dは、被吸着面への吸着時における非走行時には、前記圧力検知部(負圧センサ32、第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b)によって前記吸着空間の圧力が第3負圧力(閾値A´)(第3負圧力(閾値A´)は第2負圧力(閾値A)よりも大気圧に近い)以上であることを検知した場合に、上記負圧発生部(ポンプ35、第1ポンプ35a、第2ポンプ35b)の駆動を開始させる構成であることが好ましい。尚、被吸着面への吸着時における非走行時とは、走行装置1Dが被吸着面に吸着している状態において、走行せず、静止して待機している状態をいう。
上記の構成によれば、非走行時に、吸着空間の圧力が第3負圧力以上になると負圧発生部の駆動を開始させる。そして、第3負圧力は、走行時における負圧発生部の駆動を開始させる圧力である第2負圧力よりも高い。したがって、非走行時における負圧発生部の駆動時間を、走行時に比べて短くすることができる。これにより、非走行時における電力消費を抑えることができる。
本発明の態様3における走行装置1B〜1Dは、上記態様1又は態様2における走行装置おいて、前記吸着部(22、22A、22B)は、吸着空間が互いに独立する少なくとも2つの第1吸着部(吸着部22A)及び第2吸着部(吸着部22B)から構成され、前記負圧発生部(ポンプ35、第1ポンプ35a、第2ポンプ35b)及び前記圧力検知部(負圧センサ32、第1負圧センサ32a、第2負圧センサ32b)は、上記第1吸着部(吸着部22A)及び第2吸着部(吸着部22B)のそれぞれに設けられており、前記制御部31B〜31Dは、上記第1吸着部(吸着部22A)及び第2吸着部(吸着部22B)のそれぞれに設けられた前記負圧発生部(ポンプ35、第1ポンプ35a、第2ポンプ35b)をそれぞれ独立に制御する構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、第1吸着部又は第2吸着部の何れかの一方の吸着空間の気密性が崩れた場合に、他方の第1吸着部又は第2吸着部は被吸着面に吸着した状態にすることができる。これにより、走行装置が被吸着面から落下することを防ぐことができる。
また、制御部は、第1吸着部及び第2吸着部にそれぞれ設けられた負圧発生部をそれぞれ独立に制御する。これにより、負圧発生部を間欠動作させることができる。したがって、負圧発生部を連続運転させる場合と比べて、負圧発生部の駆動時間を短くすることができる。したがって、消費電力を抑えることができる。
本発明の態様4における走行装置1Cは、上記態様3における走行装置おいて、前記第1吸着部(吸着部22A)及び第2吸着部(吸着部22B)に近接してそれぞれ設けられる走行駆動部材(駆動リング23a・23a)と、前記第1吸着部(吸着部22A)及び第2吸着部(吸着部22B)の各吸着空間にそれぞれ接続される電磁弁(第1電磁弁41a、第2電磁弁41b)とを備えており、前記制御部31Cは、第1吸着部(吸着部22A)及び第2吸着部(吸着部22B)に近接する一方の上記走行駆動部材(駆動リング23a・23a)が駆動するときに、該走行駆動部材(駆動リング23a・23a)に近接する前記第1吸着部(吸着部22A)及び第2吸着部(吸着部22B)のいずれか一方の吸着空間に接続している上記電磁弁(第1電磁弁41a、第2電磁弁41b)を開放し、該吸着空間の圧力を大気圧にする構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、一方の走行駆動部材を駆動させるときに、該走行駆動部材に近接する第1吸着部又は第2吸着部の吸着空間に接続している電磁弁を開放する。これにより、該走行駆動部材に近接する第1吸着部又は第2吸着部と被吸着面との摩擦力を小さくすることができる。したがって、該走行駆動部材を駆動させるために必要な駆動トルクを小さくすることができる。その結果、少ない消費電力で該走行駆動部材を駆動させることができる。
本発明の態様5における走行装置1A〜1Dは、上記態様1〜4の何れか1つにおける走行装置おいて、前記負圧発生部(ポンプ35、第1ポンプ35a、第2ポンプ35b)及び前記走行駆動部材(駆動リング23a・23a)を駆動するバッテリー36を備えており、前記制御部31A〜31Dは、上記バッテリー36の残量が設定値よりも少なくなると、前記走行駆動部材(駆動リング23a・23a)の駆動を停止させる構成であることが好ましい。
上記の構成によれば、バッテリー36の残量が設定よりも少なくなると、走行駆動部材の駆動を停止させる。これにより、バッテリーを負圧発生部の駆動のためだけに使用するので、走行駆動部材を駆動する場合と比べて、走行装置をより長い時間、被吸着面に吸着させておくことができる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、壁面等の被吸着面に吸着して走行する走行装置に利用することができる。
1A〜1D 走行装置
2A・2B 移動ユニット
3A・3B 駆動モータ
22 吸着部
22A 吸着部(第1吸着部)
22B 吸着部(第2吸着部)
23a 駆動リング(走行駆動部材)
31A〜31D 制御部
32 負圧センサ(圧力検知部)
32a 第1負圧センサ(圧力検知部)
32b 第2負圧センサ(圧力検知部)
35 ポンプ(負圧発生部)
35a 第1ポンプ(負圧発生部)
35b 第2ポンプ(負圧発生部)
36 バッテリー
41a 第1電磁弁(電磁弁)
41b 第2電磁弁(電磁弁)

Claims (5)

  1. 被吸着面との間に吸着空間を形成する吸着部と、
    上記吸着空間に接続され、該吸着空間に負圧を発生させる負圧発生部とを備え、被吸着面に吸着しながら走行する走行装置において、
    上記吸着空間の圧力を検知する圧力検知部と、
    上記圧力検知部によって上記吸着空間の圧力が第1負圧力以下であることを検知した場合に、上記負圧発生部の駆動を停止させると共に、上記圧力検知部によって上記吸着空間の圧力が第2負圧力(第2負圧力は第1負圧力よりも大気圧に近い)以上であることを検知した場合に、上記負圧発生部の駆動を開始させる制御部とを備えていることを特徴とする走行装置。
  2. 前記制御部は、被吸着面への吸着時における非走行時には、前記圧力検知部によって前記吸着空間の圧力が第3負圧力(第3負圧力は第2負圧力よりも大気圧に近い)以上であることを検知した場合に、上記負圧発生部の駆動を開始させることを特徴とする請求項1に記載の走行装置。
  3. 前記吸着部は、吸着空間が互いに独立する少なくとも2つの第1吸着部及び第2吸着部から構成され、
    前記負圧発生部及び前記圧力検知部は、上記第1吸着部及び第2吸着部のそれぞれに設けられており、
    前記制御部は、上記第1吸着部及び第2吸着部のそれぞれに設けられた前記負圧発生部をそれぞれ独立に制御することを特徴とする請求項1又は2記載の走行装置。
  4. 前記第1吸着部及び第2吸着部に近接してそれぞれ設けられる走行駆動部材と、
    前記第1吸着部及び第2吸着部の各吸着空間にそれぞれ接続される電磁弁とを備えており、
    前記制御部は、第1吸着部及び第2吸着部に近接する一方の上記走行駆動部材が駆動するときに、該走行駆動部材に近接する前記第1吸着部及び第2吸着部のいずれか一方の吸着空間に接続している上記電磁弁を開放し、該吸着空間の圧力を大気圧にすることを特徴とする請求項3記載の走行装置。
  5. 前記負圧発生部及び前記走行駆動部材を駆動するバッテリーを備えており、
    前記制御部は、上記バッテリーの残量が設定値よりも少なくなると、前記走行駆動部材の駆動を停止させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の走行装置。
JP2015164126A 2015-08-21 2015-08-21 走行装置 Pending JP2017038873A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015164126A JP2017038873A (ja) 2015-08-21 2015-08-21 走行装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015164126A JP2017038873A (ja) 2015-08-21 2015-08-21 走行装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017038873A true JP2017038873A (ja) 2017-02-23

Family

ID=58202953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015164126A Pending JP2017038873A (ja) 2015-08-21 2015-08-21 走行装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017038873A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107224242A (zh) * 2017-06-01 2017-10-03 曲鹏 一种玻璃门窗清洁机器人
WO2019128442A1 (zh) * 2017-12-29 2019-07-04 科沃斯机器人股份有限公司 清洁机器人及其控制方法
WO2020189620A1 (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 住友電気工業株式会社 清掃装置、太陽光発電装置の清掃システム、及び、太陽光発電装置の清掃方法
JP2021049640A (ja) * 2020-12-17 2021-04-01 株式会社東芝 保持装置、飛行体、および搬送システム
WO2023005014A1 (zh) * 2021-07-28 2023-02-02 东莞慧迪智能科技有限公司 一种清洁装置及其行走控制方法
WO2023174104A1 (zh) * 2022-03-16 2023-09-21 北京赫特智慧科技有限公司 用于清洁装置的壳体组件及清洁装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107224242A (zh) * 2017-06-01 2017-10-03 曲鹏 一种玻璃门窗清洁机器人
WO2019128442A1 (zh) * 2017-12-29 2019-07-04 科沃斯机器人股份有限公司 清洁机器人及其控制方法
WO2020189620A1 (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 住友電気工業株式会社 清掃装置、太陽光発電装置の清掃システム、及び、太陽光発電装置の清掃方法
JP2021049640A (ja) * 2020-12-17 2021-04-01 株式会社東芝 保持装置、飛行体、および搬送システム
JP7159273B2 (ja) 2020-12-17 2022-10-24 株式会社東芝 保持装置、飛行体、および搬送システム
WO2023005014A1 (zh) * 2021-07-28 2023-02-02 东莞慧迪智能科技有限公司 一种清洁装置及其行走控制方法
WO2023174104A1 (zh) * 2022-03-16 2023-09-21 北京赫特智慧科技有限公司 用于清洁装置的壳体组件及清洁装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017038873A (ja) 走行装置
US11284756B2 (en) Window cleaning robot
EP3285630B1 (en) Apparatus and methods for semi-autonomous cleaning of surfaces
US20190142237A1 (en) Wet cleaning apparatus for cleaning an area
US9084519B2 (en) Cleaner and path controlling method thereof
KR101779667B1 (ko) 태양광 패널용 세척 로봇 및 이를 이용한 태양광 패널의 세척방법
US10300968B2 (en) Track tension device and track moving device
JP5969084B1 (ja) 壁面走行装置
TWI603704B (zh) 自動式清掃機
JP2004123040A (ja) 全方向移動車
WO2022073334A1 (zh) 高空作业机器人、控制系统以及控制方法
JP2016101887A (ja) 走行装置
KR101579036B1 (ko) 태양전지 패널용 세척 로봇
JP2016107965A (ja) 走行装置
KR20160090569A (ko) 로봇 청소기 및 로봇 청소기 제어 방법
KR20160090568A (ko) 로봇 청소기 및 로봇 청소기 제어 방법
CN115542922A (zh) 一种泳池清洁机器人及控制方法、电子设备与存储介质
JP2014061764A (ja) クローラ式走行体とその制御方法
KR101579695B1 (ko) 태양전지 패널용 세척 로봇
KR20200127914A (ko) 3 몹 로봇 걸레청소기의 회전 청소 제어방법
CN114867401A (zh) 清扫机器人以及其的控制方法
KR101210591B1 (ko) 자립 메커니즘을 갖는 로봇
EP3878339B1 (en) Wheel assembly structure for preventing wheel slip and mobile robot using the same
KR20210037802A (ko) 로봇 청소기
CN211408904U (zh) 一种幕墙清洁机器人