JP2017037787A - 荷電粒子源及び荷電粒子ビーム照射装置 - Google Patents

荷電粒子源及び荷電粒子ビーム照射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自重や加工によるたわみや歪みを抑制するとともに、熱膨張によるたわみや歪みを抑制する。【解決手段】荷電粒子ビームIBを引き出すための引出電極系6を有する荷電粒子源100であって、引出電極系6が、複数個のビーム引出孔61Hが形成された電極板61を、荷電粒子ビームIBの引出方向に沿って複数配置して構成されており、電極板61が、複数に分割された分割要素61Eから構成されており、複数の分割要素61Eの外周部に冷媒流通構造63が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば正又は負のイオンビームや電子ビームを射出する荷電粒子源、及び、この荷電粒子源を用いた荷電粒子ビーム照射装置に関するものである。
この種の荷電粒子源としては、荷電粒子ビームを引き出すための引出電極系を有し、この引出電極系が、複数個のビーム引出孔を有する電極板を用いて構成されたものがある。
従来、荷電粒子ビームの大面積化などに伴い、電極板も大面積化している。このため電極板は、自重又は加工によりたわみや歪みが生じてしまう。また、電極板は、荷電粒子ビームの引き出し時(動作時)の熱膨張によりたわみや歪みが生じてしまう。特に、低エネルギーイオン源では、電極板の厚み及びギャップ長が小さくなるため、上記のたわみや歪みの影響を受け易い。
ここで、特許文献1に示すように、電極板の表面に沿って梁部材を設けて、その機械的強度を大きくし、自重や加工によるたわみや歪みを抑制した荷電粒子源が考えられている。
一方、特許文献2に示すように、電極板を複数の分割電極片に分割して、互いに隣接する分割電極片が熱膨張を吸収できるように構成した荷電粒子源がある。この荷電粒子源は、互いに隣接する分割電極片の接続部分を互いに摺動可能に係合させる構成とし、熱膨張を逃がして熱膨張によるたわみや歪みを低減している。
特開平6−215895号公報 特開平5−114366号公報
しかしながら、特許文献1の荷電粒子源では、依然として、熱膨張によりたわみや歪みが生じてしまう。その結果、各電極板のビーム引出孔の位置ずれが生じてしまう。
また、特許文献2の荷電粒子源では、分割電極片の熱膨張を逃がす構造のため、各分割電極片に形成されたビーム引出孔の位置ずれが生じてしまい、その結果、各電極板のビーム引出孔の位置ずれが生じてしまう。
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決すべくなされたものであり、電極板の自重や加工によるたわみや歪みを抑制するとともに、熱膨張による電極板のたわみや歪みを抑制することをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係る荷電粒子源は、荷電粒子ビームを引き出すための引出電極系を有する荷電粒子源であって、前記引出電極系が、複数個のビーム引出孔が形成された電極板を、前記荷電粒子ビームの引出方向に沿って複数配置して構成されており、前記複数の電極板のうち少なくとも1枚の電極板が、複数に分割された分割要素から構成されており、前記複数の分割要素の外周部に、前記分割要素を冷却するための冷却用媒体が流通する冷媒流通構造が設けられていることを特徴とする。
このような荷電粒子源であれば、電極板が複数の分割要素に分割されており、当該複数の分割要素の外周部に冷媒流通構造が設けられているので、各分割要素の熱膨張によるたわみや歪みを抑制することができる。また、複数の分割要素の外周部に冷媒流通構造が設けることにより、各分割要素の機械的強度を大きくすることができ、自重や加工によるたわみや歪みを抑制することができる。なお、電極板を複数に分割することによっても、電極板全体の自重によるたわみや歪みを抑制することができる。
したがって、複数枚以上の電極板から構成される引出電極系において、電極板を大面積化しても、それら電極板のたわみや歪みを抑制して、ギャップ長を所望の値にすることができる。また、各電極板のたわみや歪みを抑制することにより、各電極板のビーム引出孔の位置ずれを防止することもできる。これにより、荷電粒子ビームを効率良く引き出すことができる。
具体的な実施態様としては、前記分割要素が、概略矩形状をなすものであり、前記冷媒流通構造が、前記分割要素における他の分割要素に隣接する隣接辺部に設けられていることが考えられる。この場合、隣接辺部が、前記分割要素における長辺部であることが望ましい。このように長辺部に冷媒流通構造を設けることで、分割要素の冷却効果を高めることができる。なお、冷媒流通構造を長辺部に加えて短辺部に設けても良い。
前記冷媒流通構造が、前記隣接辺部全体に亘って設けられていることが望ましい。このとき、冷媒流通構造は、前記隣接辺部に沿って直線状に形成される。この構成であれば、冷媒流通構造の設置面積を大きくすることができるので、分割要素の冷却効果を一層高めることができる。
冷媒流通構造の具体的な実施の態様としては、前記冷媒流通構造が、前記分割要素の少なくとも一方の表面から突出した凸部と、前記凸部の内部に形成され、前記冷却用媒体を流通する冷媒流路とを有することが望ましい。このように分割要素の表面に凸部を設けることで、分割要素の機械的強度を大きくすることができるとともに、凸部の構成を生かして冷媒流路を無理なく設けることができる。
複数の前記分割要素に設けられた冷媒流路同士が接続されていることが望ましい。この構成であれば、複数の分割要素の冷媒流路に冷却用媒体を供給する冷媒供給源を共通化することができる。
前記引出電極系のうち最もプラズマ側に位置する上流側電極板が、複数に分割された分割要素から構成されており、前記上流側電極板における互いに隣接する分割要素の継ぎ目部分に上流側カバー部材が設けられていることが望ましい。
この構成であれば、プラズマに含まれるイオンや電子等の荷電粒子が、分割要素の継ぎ目部分から引出電極系内に流入することを防止できる。これにより、引出電極系内での異常放電の発生を防止することができる。また、原料ガス(イオン化ガス)が、前記分割要素の継ぎ目部分から引出電極系側への流出することを防止できる。これにより、プラズマ生成効率を向上させることができる。
前記引出電極系のうち最も荷電粒子ビーム射出側に位置する下流側電極板が、複数に分割された分割要素から構成されており、前記下流側電極板における互いに隣接する分割要素の継ぎ目部分に下流側カバー部材が設けられていることが望ましい。
この構成であれば、ターゲットから出た二次電子や、引出電極系の下流側で発生するイオンや電子等の荷電粒子が、分割要素の継ぎ目部分から引出電極系内に流入することを防止できる。これにより、引出電極系内での異常放電の発生を防止することができる。なお、引出電極系の下流側で発生するイオンや電子等の荷電粒子は、引出電極系から引き出された荷電粒子ビームにより、引出電極系の下流側に漏れ出た原料ガスが電離されることで発生する他、荷電粒子が真空容器やその内蔵部材に衝突することによっても発生する。
本発明の荷電粒子源を用いた荷電粒子ビーム照射装置は、上述した荷電粒子源と、前記荷電粒子源からの荷電粒子ビームが照射されるターゲットを収容するチャンバと、前記チャンバ内で前記ターゲットを移動させる基板移動機構とを備えることを特徴とする。
このように構成した本発明によれば、電極板が複数の分割要素に分割されており、当該複数の分割要素の外周部に冷媒流通構造が設けられているので、各分割要素の自重や加工によるたわみや歪みを抑制するとともに、熱膨張によるたわみや歪みを抑制することができる。したがって、本発明によれば、電極板の自重や加工によるたわみや歪みを抑制するとともに、熱膨張による電極板のたわみや歪みを抑制することができる。
本実施形態のイオン源の構成を模式的に示す断面図である。 同実施形態の引出電極系の構成を模式的に示す平面図である。 同実施形態の引出電極系の電極セットの構成を模式的に示す断面図である。 各電極板における分割要素の冷媒流路の接続態様を示す模式図である。 各電極板における分割要素の冷媒流路の接続態様を示す模式図である。 同実施形態の分割要素の継ぎ目部分を示す断面図である。 本発明のイオン源を用いたイオン照射装置の構成を模式的に示す図である。 各電極板における分割要素の変形例を模式的に示す図である。 冷媒流通構造の変形例を模式的に示す断面図である。
以下に本発明に係る荷電粒子源のうちイオン源の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態のイオン源100は、いわゆるバケット型イオン源と呼ばれるものであり、例えば、イオンビームスパッタリング装置、イオンビームアシスト装置、イオンリミング装置、イオンドーピング装置、イオンビームラビング装置等に用いられるものである。
具体的にこのイオン源100は、例えば5keV以下の低エネルギーイオンビームを射出するものであり、図1に示すように、プラズマ生成容器1と、プラズマ生成容器1内に原料ガスを供給する原料ガス供給部2と、プラズマ生成容器1に絶縁支持体3を介して設けられたフィラメント4と、プラズマ生成容器1の外面に設けられてカスプ磁場を形成するマグネット5と、プラズマ生成容器1の一面に設けられた引出電極系6とを備えている。なお、図1において、フィラメント4に接続される電源回路及び引出電極系6に接続される電源回路は省略している。
このイオン源100では、フィラメント4から放出された熱電子が、プラズマ生成容器1内に供給された原料ガスに衝突して、プラズマが生成される。このプラズマは、マグネット5のカスプ磁場によりプラズマ生成容器1内に閉じ込められるとともに、その一部が引出電極系6によりイオンビームIBとして引き出される。
そして、引出電極系6は、図1に示すように、複数個のビーム引出孔61Hが形成された3枚の電極板61を、イオンビームIBの引出方向に沿って配置して構成されている。なお、各電極板61は、その主面がイオンビームIBの引出方向に実質的に直交している。
本実施形態では、イオンビームIBの引出方向に沿って、加速電極61aとなる電極板61、引出電極61bとなる電極板61及び接地電極61cとなる電極板61が、この順に配置されている。
各電極板61は、図2に示すように、平面視概略矩形状をなす平板状のものであり、その外周部が保持枠62によって互いに絶縁された状態で保持される。このとき、3枚の電極板61のビーム引出孔61Hは平面視において互いに一致している。なお、ビーム引出孔61Hは図示される丸孔に限らず、長孔や楕円形状の孔でも良い。
各電極板61は、複数に分割された分割要素61Eから構成されている。具体的に各電極板61は、一辺方向(図2では電極板61の長手方向)において複数に等分割されている。本実施形態の各分割要素61Eは、電極板61の長手方向に直交する方向を長手方向とする概略矩形状をなすものである。ここで、電極板の分割幅(分割要素の幅)は、加工上、又は動作時の熱負荷状態を考慮して、その変形が無視できる寸法であり、例えば50mm〜150mmである。また、3枚の電極板61の分割要素61Eは、平面視において概略同一形状である。つまり、3枚の電極板61の分割要素61Eの継ぎ目部分61Jは、平面視において同じ位置である。なお、分割要素61Eは、各電極板61において、実質的に同一平面上に配置される。
本実施形態では、イオンビームIBの引出方向に沿って重なる3枚の分割要素61Eは、電極セット61Uとされている。ここで、電極セット61U毎に、分割要素61間のギャップ長を互いに異ならせることにより、例えばビーム量を変化させることができる。また、電極セット61U毎に、印加する電圧を互いに異ならせることもできる。この場合、隣接する電極セット61Uにおいて、同一の機能を発揮する分割要素61Eは互いに絶縁される。このように電極セット61Uを構成することによって、各電極セット間において、ビーム量、ビーム発散の程度をコントロールすることができる。
そして、図2及び図3に示すように、各電極板61を構成する複数の分割要素61Eそれぞれの外周部には、分割要素61Eを冷却するための冷却用媒体が流通する冷媒流通構造63が設けられている。
この冷媒流通構造63は、分割要素61Eの少なくとも一方の電極表面から突出した凸部631と、この凸部631の内部に形成されて、冷却用媒体を流通する冷媒流路63Sとを有する。ここで、前記電極表面とは、イオンビームIBの引出方向に直交する主面である。なお、各分割要素61Eにおいて、凸部631が形成された部分以外は平板部であり、当該平板部に複数個のビーム引出孔61Hが形成されている。
凸部631は、分割要素61Eに一体形成又は接合されたものであり、電極表面から分割要素61Eの厚み方向外側に突出している。本実施形態では、分割要素61Eの厚み方向がイオンビームIBの引出方向と同じであり、凸部631は、イオンビームIBの引出方向に沿って突出したものとなる。
また、凸部631は、電極表面に沿って所定方向に延び設けられており、平面視において長尺形状(長手方向を有する形状)をなすものである。具体的に凸部631は、分割要素61Eの外周部を構成する一対の長手辺部それぞれに設けられている(図2参照)。このとき、凸部631は、分割要素61Eの長手辺部全体に亘って直線状に設けられている。ここで、分割要素61Eの一対の長手辺部のうち少なくとも一方は、隣り合う他の分割要素61Eに隣接する隣接辺部となる。つまり、凸部631は、分割要素61Eにおける他の分割要素61Eに隣接する隣接辺部に設けられている。
本実施形態では、図3に示すように、互いに対向する2枚の分割要素61E(引出電極61bの分割要素61E及び接地電極61cの分割要素61E)の凸部631が同一方向に突出しており、残りの1枚の分割要素61E(加速電極61aの分割要素61E)の凸部631が、引出電極61bの凸部631とは逆方向に突出している。なお、加速電極61aの凸部631及び引出電極61bの凸部631は、分割要素61Eに一体形成されている。接地電極61cの凸部631は、分割要素61Eに一体形成された凸部631aと、この凸部631aに例えば真空ロー付けにより接合された凸部形成部材631bとから構成されている。
そして、接地電極61cの凸部631における引出電極61bとの対向側、つまり、引出電極61b側(凸部631の裏面側)には、引出電極61bの凸部631を収容する凹部632が形成されている。この凹部632は、前記引出電極61bの凸部631に対応して形成された溝状をなすものであり、凸部631と同様に、前記長手辺部に沿って一端から他端に亘って延び設けられている。
このように各分割要素61Eに凸部631が形成されており、引出電極61bの凸部631が接地電極61cの凹部632に収容されるので、各分割要素61Eの機械的強度を大きくしつつ、引出方向での分割要素61E間の距離を所望の値にすることができる。また、凸部631が、長手辺部全体に亘って設けられているので、長手辺部全体の機械的強度を大きくすることができる。
上記のように構成した各凸部631の内部には、図3に示すように、冷却用媒体を流通する冷媒流路63Sが形成されている。つまり、冷媒流路63Sは、凸部631の延設方向に沿って分割要素61Eの一端から他端に亘って延び設けられている(図2参照)。本実施形態では、凸部631の内部に、直管状の冷却パイプ633を配置して、冷媒流路63Sを形成している。つまり、冷媒流路63Sは、各分割要素61Eの一対の長手辺部それぞれにおいて、長手辺部全体に亘って設けられている。
各凸部631に設けられた冷却パイプ633(冷媒流路63S)の冷媒供給源(不図示)に対する接続態様の例を図4及び図5に示す。
図4(A)の接続態様は、冷媒供給源(不図示)に対して、電極板61毎に複数の分割要素61Eにおける冷媒流路63S同士を直列接続したものである。また、図4(B)の接続態様は、冷媒供給源に対して、電極板61毎に複数の分割要素61Eにおける冷媒流路63S同士を並列接続したものである。つまり、電極板61毎に1つの冷媒導入ポートP1と1つの冷媒導出ポートP2を有する構成である。
また、図5(A)の接続態様は、冷媒供給源に対して、電極板61毎に2つ以上の分割要素61Eにおける冷媒流路63S同士を直列接続したものである。また、図5(B)の接続態様は、冷媒供給源に対して、電極板61毎に2つ以上の分割要素61Eにおける冷媒流路63S同士を並列接続したものである。つまり、電極板61毎に2以上の冷媒導入ポートP1と2つ以上の冷媒導出ポートP2を有する構成である。その他、前記冷却パイプ633は、冷媒供給源に対して、電極板61の区別なく、複数の分割要素61Eの冷媒流路63Sを互いに直列接続しても良いし、並列接続しても良い。
また、特に図6に示すように、引出電極系6のうち最もプラズマ側に位置する上流側電極板61(加速電極61a)において、互いに隣接する分割要素61Eの継ぎ目部分61Jに上流側カバー部材64が設けられている。なお、図2及び図3においては、上流側カバー部材64及び後述する下流側カバー部材65は図示していない。
具体的に上流側カバー部材64は、加速電極61aの継ぎ目部分61Jのプラズマ側(引出電極61bとは反対側)を覆うように設けられている。また、上流側カバー部材64は、加速電極61aの継ぎ目部分61Jの一端から他端に亘って全体を覆うように設けられている。
本実施形態では、加速電極61aの分割要素61Eにおいて、その隣接辺部のプラズマ側に凸部631が設けられているので、上流側カバー部材64は、互いに隣接する分割要素61Eの凸部631を覆うように取り付けられる。このように上流側カバー部材64が凸部631に取り付けられることにより、上流側カバー部材64が冷却される。したがって、上流側カバー部材64の熱変形を抑えられる。
一方、図6に示すように、引出電極系6のうち最も荷電粒子ビーム射出側に位置する下流側電極板61(接地電極61c)において、互いに隣接する分割要素61Eの継ぎ目部分61Jに下流側カバー部材65が設けられている。
具体的に下流側カバー部材65は、接地電極61cの継ぎ目部分61Jのイオンビーム射出側(引出電極61bとは反対側)を覆うように設けられている。また、下流側カバー部材65は、接地電極61cの継ぎ目部分61Jの一端から他端に亘って全体を覆うように設けられている。
本実施形態では、接地電極61cの分割要素61Eにおいて、その隣接辺部のイオンビーム射出側に凸部631が設けられているので、下流側カバー部材65は、互いに隣接する分割要素61Eの凸部631を覆うように取り付けられる。このように下流側カバー部材65が凸部631に取り付けられることにより、下流側カバー部材65が冷却される。したがって、下流側カバー部材65の熱変形を抑えられる。
このように構成したイオン源100によれば、電極板51が複数の分割要素51Eに分割されており、当該複数の分割要素61Eの外周部に冷媒流通構造63が設けられているので、各分割要素61Eの熱膨張によるたわみや歪みを抑制することができる。また、複数の分割要素61Eの外周部に冷媒流通構造63が設けることにより、各分割要素61Eの機械的強度を大きくすることができ、自重や加工によるたわみや歪みを抑制することができる。
したがって、複数枚以上の電極板61から構成される引出電極系6において、電極板61を大面積化しても、それら電極板61のたわみや歪みを抑制することができる。また、各電極板61のたわみや歪みを抑制することにより、ギャップ長を所望の値に保つことができ、各電極板61のビーム引出孔61Hの位置ずれを防止することもできる。これにより、荷電粒子ビームを効率良く引き出すことができる。
冷媒流通構造63が分割要素61Eの長手辺部に設けられた凸部631及び凸部631内に形成された冷媒流路63Sを有するので、分割要素61Eの機械的強度を大きくすることができるとともに、凸部631の構成を生かして冷媒流路63Sを無理なく設けることができる。この冷媒流通構造63が長手辺部全体に亘って設けられているので、分割要素61Eの冷却効果を一層高めることができる。
加速電極61aの分割要素61Eの継ぎ目部分61Jに上流側カバー部材64を設けているので、プラズマに含まれるイオンや電子等の荷電粒子が、分割要素61Eの継ぎ目部分61Jから引出電極系6内に流入することを防止できる。これにより、引出電極系6内での異常放電の発生を防止することができる。また、原料ガスが、前記分割要素61Eの継ぎ目部分から引出電極系6側への流出することを防止できる。これにより、プラズマ生成効率を向上させることができる。
接地電極61cの分割要素61Eの継ぎ目部分61Jに下流側カバー部材65が設けられているので、ターゲットから出た二次電子や、引出電極系6の下流側で発生するイオンや電子等の荷電粒子が、分割要素61Eの継ぎ目部分61Jから引出電極系6内に流入することを防止できる。これにより、引出電極系6内での異常放電の発生を防止することができる。
次に、本実施形態のイオン源100を用いたイオンリミング装置Zについて図7を参照して簡単に説明する。
図7のイオンリミング装置Zは、本実施形態のイオン源100と、当該イオン源100からのイオンビームIBが照射されるターゲットWを収容するチャンバ200と、チャンバ200内でターゲットWを移動させるターゲット移動機構300とを備えている。
ここで、ターゲット移動機構300は、イオンビームIBに対してターゲットWを移動させるものである。なお、このターゲット移動機構300によるターゲットWの移動は、回転移動、直線往復移動、傾斜移動等の種々の移動態様が考えられる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、電極板の分割態様は前記実施形態に限られず、種々の態様が考えられる。例えば、図8(A)に示すように、電極板を長手方向において複数に分割することに加えて、短手方向において複数に分割しても良い。また、図8(B)に示すように、電極板を長手方向において互いに異なる間隔で複数に分割しても良い。さらに、図8(C)に示すように、電極板の長手方向に対して斜めに分割しても良い。
また、前記実施形態では、3枚の電極板61における継ぎ目部分61Jが平面視において同じ位置であったが、互いに異なる位置となるように構成しても良い。つまり、3枚の電極板61のうち少なくとも2枚の電極板の分割態様が互いに異なるように構成しても良い。
さらに、前記実施形態では、引出電極系を構成する複数の電極板全てを分割しているが、複数の電極板のうち1以上の電極板を分割しない構成としても良い。例えば、前記実施形態のように3枚構成の引出電極系の場合、引出電極61bは、加速電極61a及び接地電極61cに比べて熱影響を受けにくい。このため、加速電極61a及び接地電極61cを複数の分割要素から構成し、引出電極を分割しない一枚構成としても良い。
その上、冷媒流通構造は、分割要素における長手辺部に限られず、短手辺部に設けても良い。分割要素が正方形状をなすものの場合には、正対する一対の対辺部だけでなく、正対する残り一対の対辺部に設けても良い。また、冷媒流通構造を、分割要素の外周部以外の部分、例えば中央部にさらに設けても良い。
加えて、前記凸部631としては、電極板表面に冷却パイプ633を例えばロー付け等の溶接により接合させることによって、当該冷却パイプ633を凸部631として機能させても良い。また前記凸部631は、電極板を折り曲げることにより、凹部632とともに形成したものであっても良い。
前記実施形態では、凸部631の内部に凸部631とは別の冷却パイプ633を設けることにより冷媒流路63Sを形成しているが、凸部631に形成した溝を蓋で閉塞することにより冷媒流路を形成しても良いし、凸部631の内部に貫通孔を形成することにより冷媒流路を形成しても良い。
前記実施形態の冷媒流通構造は、分割要素に設けた凸部内に冷媒流路を形成することによって構成されているが、その他、図9に示すように、分割要素61Eの継ぎ目部分61Jを覆う上流側カバー部材64又は下流側カバー部材65の内部に冷媒流路63Sを形成することによって形成されたものであっても良い。つまり、隣接する分割要素間で冷媒流通構造を兼用する構成としても良い。
また、前記実施形態では、凸部631を電極板61に一体形成したものであったが、電極板61とは別部材の凸部形成部材を電極板表面に貼り付けて凸部631を形成しても良い。この場合、凸部形成部材を、例えば真空ロー付けにより電極板61に貼り付けることが考えられる。
また、前記凸部631は、電極板61の一辺から当該一辺に対向する辺に亘って連続的に延び設けられたものの他、電極板61の一辺から当該一辺に対向する辺の間に部分的に又は間欠的に延び設けられたものであっても良い。
前記実施形態では、引出電極61b及び接地電極61cの凸部631と、加速電極61aの凸部611とが逆方向に突出したものであったが、接地電極61aの凸部631と、加速電極61a及び引出電極61bの凸部631とが逆方向に突出したものであっても良い。この場合、加速電極61aに凹部が形成されて、当該凹部に引出電極61bの凸部631が収容される構成となる。その他、3枚の電極板61に形成された凸部631を同一方向に突出させたものであっても良い。
前記実施形態では、分割要素61Eの凸部631は、それぞれの電極板61において全ての分割要素61Eの凸部631は、互いに同一方向に突出するものであったが、各分割要素61Eの凸部631が、互いに逆向きに突出するものであっても良い。また、1つの分割要素61Eに複数の凸部631を形成する場合にも、それら複数の凸部631が、互いに逆向きに突出するものであっても良い。
凸部の形状に関して言うと、前記実施形態では断面輪郭形状が矩形状をなすものであったが、三角形状等の多角形状、部分円形状や部分楕円形状等の曲線形状であっても良いし、直線及び曲線を組み合わせた形状であっても良い。
凹部の形状に関して言うと、前記実施形態では、断面輪郭形状が矩形状をなすものであったが、前記凸部の形状に対応して、三角形状等の多角形状、部分円形状や部分楕円形状等の曲線形状であっても良いし、直線及び曲線を組み合わせた形状であっても良い。また、凹部の形状は、収容する凸部との間で空間絶縁を保つ形状であれば良く、凹部が、矩形状の凸部に対して、部分円形状をなす等のように、凸部の形状に対応しないものであっても良い。
その上、前記実施形態では、引出電極系が3枚の電極板から構成されるものであったが、4枚以上の電極板をイオンビームの引出方向に沿って配置して構成したものであっても良い。
前記実施形態はイオン源について説明したが、電子ビームを射出する電子源等のその他の荷電粒子源に適用することができる。また、前記実施形態はアーク放電によりプラズマを生成するイオン源について説明したが、高周波放電やECR放電等の別の方式を用いてプラズマを生成するものでも構わない。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・イオン源(荷電粒子源)
IB ・・・イオンビーム(荷電粒子ビーム)
6 ・・・引出電極系
61 ・・・電極板
61E・・・分割要素
61J・・・継ぎ目部
61a・・・加速電極
61b・・・引出電極
61c・・・接地電極
61H・・・ビーム引出孔
63 ・・・冷媒流通構造
631・・・凸部
63S・・・冷媒流路
633・・・冷却パイプ
64 ・・・上流側カバー部材
65 ・・・下流側カバー部材
Z ・・・イオンビーム照射装置(荷電粒子ビーム照射装置。)
200・・・チャンバ
300・・・ターゲット移動機構

Claims (8)

  1. 荷電粒子ビームを引き出すための引出電極系を有する荷電粒子源であって、
    前記引出電極系が、複数個のビーム引出孔が形成された電極板を、前記荷電粒子ビームの引出方向に沿って複数配置して構成されており、
    前記複数の電極板のうち少なくとも1枚の電極板が、複数に分割された分割要素から構成されており、
    前記複数の分割要素の外周部に、前記分割要素を冷却するための冷却用媒体が流通する冷媒流通構造が設けられている荷電粒子源。
  2. 前記分割要素が、概略矩形状をなすものであり、
    前記冷媒流通構造が、前記分割要素における他の分割要素に隣接する隣接辺部に設けられている請求項1記載の荷電粒子源。
  3. 前記冷媒流通構造が、前記隣接辺部全体に亘って設けられている請求項2記載の荷電粒子源。
  4. 前記冷媒流通構造が、前記分割要素の少なくとも一方の表面から突出した凸部と、前記凸部の内部に形成され、前記冷却用媒体を流通する冷媒流路とを有する請求項1乃至3の何れか一項に記載の荷電粒子源。
  5. 複数の前記分割要素に設けられた冷媒流路同士が接続されている請求項4記載の荷電粒子源。
  6. 前記引出電極系のうち最もプラズマ側に位置する上流側電極板が、複数に分割された分割要素から構成されており、
    前記上流側電極板における互いに隣接する分割要素の継ぎ目部分にカバー部材が設けられている請求項1乃至5の何れか一項に記載の荷電粒子源。
  7. 前記引出電極系のうち最も荷電粒子ビーム射出側に位置する下流側電極板が、複数に分割された分割要素から構成されており、
    前記下流側電極板における互いに隣接する分割要素の継ぎ目部分にカバー部材が設けられている請求項1乃至6の何れか一項に記載の荷電粒子源。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の荷電粒子源と、
    前記荷電粒子源からの荷電粒子ビームが照射されるターゲットを収容するチャンバと、
    前記チャンバ内で前記ターゲットを移動させるターゲット移動機構とを備える荷電粒子ビーム照射装置。
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