JP2017036964A - 電子時計および電子時計の制御方法 - Google Patents

電子時計および電子時計の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電圧低下によるシステムダウンを防止でき、かつ、時刻情報を取得する機会を増やすことができる電子時計および電子時計の制御方法を提供する。【解決手段】電子時計1は、衛星信号を受信する受信部50と、駆動電力を供給する二次電池24と、二次電池24の電池電圧を検出する電圧検出回路74と、温度を検出する温度検出部67と、衛星信号の受信指示を行う受信指示部と、受信指示部の指示に応じて衛星信号を受信する受信処理を実行する受信制御部と、を備える。受信制御部は、検出された電池残量が、検出された温度に対して設定された閾値以上の場合は、受信処理を実行し、電池残量が、閾値未満の場合は、受信処理を実行しない。【選択図】図4

Description

本発明は、例えばGPS衛星等の位置情報衛星からの信号に基づいて時刻修正を行う電子時計および電子時計の制御方法に関するものである。
GPS(Global Positioning System)等の位置情報衛星から送信される電波を受信する電子時計において、電源電圧が所定電圧より大きい場合に受信処理を行う電子時計が知られている(特許文献1の図11参照)。
この電子時計では、複数の位置情報衛星から衛星信号を受信する測位受信処理を行う場合に、最初に電源電圧が所定電圧よりも大きいかを判定し、1〜3分程度の受信処理が可能であるかを判定している。そして、電源電圧が所定電圧よりも大きい場合には、複数の位置情報衛星から衛星信号を受信し、受信した衛星信号に基づいて時刻情報および位置情報を求める測位受信処理を実行する。また、電源電圧が所定電圧以下の場合は、受信処理を終了していた。
特開2009−168620号公報
ところで、前記所定電圧は、予め設定された値であるため、この所定電圧と電源電圧とを比較して受信処理を制御する場合は、以下のような課題があった。
すなわち、電源として用いられる電池は、温度が低下すると電源の内部抵抗が上昇し、衛星信号を受信する受信処理を実施した際の電圧降下量が増大する。このため、前記所定電圧は、使用が想定される温度範囲の下限値(例えば−10℃)に対応して設定する必要がある。この場合、前記下限値近辺の低温環境で測位受信処理を行っても、受信処理時の電源電圧の低下によって制御用ICなどがシステムダウンすることを防止できる。
しかしながら、前記低温域よりも高い温度域では、前記低温域の場合と比べて受信処理による電圧降下量が小さいため、前記所定電圧を、より低い値に設定できるにも関わらず、低温領域でもシステムダウンを防止可能な値に前記所定電圧が設定されている。従って、電源電圧が、現在の温度に対して、受信処理を実行可能な値であったとしても、前記所定電圧以下の場合には、受信処理を実行することができなかった。
このため、時刻情報を取得して内部時刻を修正する機会が低下し、正しい時刻表示が行えない場合があった。
本発明の目的は、電圧低下によるシステムダウンを防止でき、かつ、時刻情報を取得する機会を増やすことができる電子時計および電子時計の制御方法を提供することにある。
本発明の電子時計は、衛星信号を受信する受信部と、駆動電力を供給する電源部と、前記電源部の電池残量を検出する電池残量検出部と、温度を検出する温度検出部と、前記衛星信号の受信指示を行う受信指示部と、前記受信指示部の指示に応じて前記衛星信号を受信する受信処理を実行する受信制御部と、を備え、前記受信制御部は、前記電池残量検出部で検出された前記電池残量が、前記温度検出部で検出された前記温度に対して設定された閾値以上の場合は、前記受信処理を実行し、前記電池残量が、前記閾値未満の場合は、前記受信処理を実行しないことを特徴とする。
ここで、受信処理としては、時刻情報を取得するために位置情報衛星から衛星信号を受信する時刻受信処理や、測位情報を算出するために複数の位置衛星から衛星信号を受信する測位受信処理を例示できる。
また、閾値は、受信処理を行っても、電池電圧が電子時計の制御用IC等の最低動作電圧を下回ることがないように設定される閾値であり、温度によって電池の内部抵抗が変化して電圧降下量も変化するため、前記閾値は温度に応じて設定される。
本発明の電子時計において、受信制御部は、電池残量検出部で検出された電池残量が、温度検出部で検出された温度に対して設定された閾値以上の場合は、受信処理を実行し、閾値未満の場合は、受信処理を実行しない。すなわち、受信制御部は、温度に応じて設定された閾値に基づいて、受信処理を実行するか否かを判定している。
このような構成では、温度の低下に応じて受信処理による電圧降下量が増大することを考慮して、受信処理を許可する閾値を温度に応じて設定するため、温度が変化した場合でもシステムダウンを確実に防止できる。
また、例えば、想定される使用温度範囲の低温域でもシステムダウンを防止可能な所定の閾値が設定されている場合と比べて、当該低温域よりも高い温度域等、温度によって閾値をより低い値に設定することができるため、受信機会を増やすことができる。
本発明の電子時計において、前記受信制御部は、前記受信指示部の指示に基づいて、前記衛星信号に基づいて時刻情報を取得する測時受信処理と、前記衛星信号に基づいて位置情報を算出する測位受信処理とを実行可能であり、前記受信指示部によって前記測位受信処理が指示された場合は、前記電池残量検出部で検出された前記電池残量が、前記温度検出部で検出された前記温度に対して前記測位受信処理用として設定された第1閾値以上の場合は、前記測位受信処理を実行し、前記第1閾値未満の場合は、前記測位受信処理を実行せず、前記受信指示部によって前記測時受信処理が指示された場合は、前記電池残量が、前記温度に対して前記測時受信処理用として設定された第2閾値以上の場合は、前記測時受信処理を実行し、前記第2閾値未満の場合は、前記測時受信処理を実行せず、前記第1閾値は前記第2閾値よりも高い値であることが好ましい。
本発明では、受信制御部は、受信指示部の指示に応じて、測位受信処理および測時受信処理のいずれかを実行する。この際、受信制御部は、測位受信処理の実行指示に応じて、電池残量が第1閾値以上の場合は測位受信処理を実行し、第1閾値未満の場合は測位受信処理を実行しない。また、受信制御部は、測時受信処理の実行指示に応じて、電池残量が第2閾値以上の場合は測時受信処理を実行し、第2閾値未満の場合は測時受信処理を実行しない。
これにより、例えば、測時受信処理よりも消費電力が大きい測位受信処理が、第1閾値よりも低い電池残量の場合に実行されることによるシステムダウンを防止できる。また、測時受信処理が、第2閾値よりも低い電池残量の場合に実行されることによるシステムダウンを防止できる。
また、第2閾値を設定することにより、電池残量が第1閾値未満かつ第2閾値以上であり、測位受信が許可されない場合でも、測時受信を実施することができる。これにより、例えば、システムダウン防止のために、測時受信処理よりも消費電力が大きい測位受信処理用の第1閾値のみを設定する場合と比べて、測時受信処理の実施機会を増大させることができる。
本発明の電子時計において、前記受信処理の実行中は、受信中であることを表示し、前記受信処理が許可されない場合は、受信禁止状態であることを表示する受信状態表示部を備えることが好ましい。
本発明では、受信状態表示部を参照することによって受信処理が実行されているかや、受信禁止状態であるかを容易に視認できる。このため、受信処理が実行されている場合は、衛星信号を受信しやすい場所で、姿勢を維持する旨の注意を促すことができ、受信処理の成功率を向上させることができる。また、電源電圧が低下していることにより受信処理が実施されなかったため、充電後に再び受信処理を実行する必要があることを、使用者に知らせることができる。
本発明の電子時計において、温度と閾値とを対応付けた温度閾値情報が記憶された記憶部を備え、前記受信制御部は、前記温度検出部で検出された前記温度と、前記温度閾値情報とに基づいて検出した前記温度に対応する閾値を取得し、前記電池残量と前記閾値を比較して受信制御を行うことが好ましい。
本発明では、記憶部は、温度と閾値とを対応付けた温度閾値情報を記憶し、受信制御部は、温度検出部で検出された温度と、記憶されている温度閾値情報とに基づいて、温度に対応する閾値を取得する。
このような構成では、記憶部に予め記憶された温度閾値情報を参照することにより、温度に応じた閾値を容易に取得することができる。また、電源部の電圧特性が、電源部の設計変更に応じて変更されたり、経時変化によって変化したりした場合でも、温度閾値情報を更新することにより、現在の電圧特性に応じた温度閾値情報に更新することにより、受信処理を許可するか否かの判定を適切に実施できる。また、電圧特性に応じた温度閾値情報への更新も容易である。
本発明の電子時計は、衛星信号を受信する受信部と、駆動電力を供給する電源部と、前記電源部の電池残量を検出する電池残量検出部と、温度を検出する温度検出部と、前記電池残量および前記温度に応じた状態情報を表示する状態情報表示部と、前記衛星信号を受信する受信処理を実行する受信制御部と、前記電池残量検出部で検出された前記電池残量、および前記温度検出部で検出された前記温度に応じた前記状態情報を前記状態情報表示部に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする。
ここで、状態情報とは、例えば、検出された電池残量および温度において、受信処理が許可されるか否かの情報や、電子時計が駆動可能な持続時間情報や、電池残量が低下して充電が必要な状態であることを示す情報等である。
本発明では、状態情報表示部は、表示制御部の制御に基づいて、状態情報を表示可能に構成される。表示制御部は、検出された電池残量および温度に応じた状態情報を、状態情報表示部に表示させる。
このような構成では、電池残量や温度に応じて、電子時計の状態情報を表示させることができる。例えば、処理の内容に応じて充電が必要な場合は、これを予め使用者に知らせることができ、利便性を向上させることができる。また、使用者は、処理の内容に応じて充電が必要と判断した場合は、予め充電を実施することにより、当該処理(例えば受信処理)の実施機会を増大させることができる。
本発明の電子時計において、前記状態情報は、前記受信処理の実施が許可される状態である受信許可状態情報と、前記受信処理が禁止される状態である受信禁止状態情報と、を含み、前記表示制御部は、前記電池残量検出部で検出された前記電池残量が、前記温度検出部で検出された前記温度に対して設定された前記閾値以上の場合は、前記状態情報表示部に前記受信許可状態情報を表示させ、前記電池残量が前記閾値未満の場合は、前記状態情報表示部に前記受信禁止状態情報を表示させることが好ましい。
本発明では、状態情報表示部は、表示制御部の制御に基づいて、受信許可状態情報および受信禁止状態情報を含む状態情報を表示可能に構成される。表示制御部は、電池残量検出部で検出された電池残量が、温度検出部で検出された温度に対して設定された閾値以上の場合は、受信許可状態情報を表示させ、電圧閾値未満の場合は、受信禁止状態情報を表示させる。
このような構成では、温度の低下に応じて受信処理による電圧降下量が増大することを考慮して、受信処理を許可する閾値を温度に応じて設定するこができる。このため、温度が変化した場合でも、受信禁止状態であり、受信処理によるシステムダウンのおそれがあることを予め表示させることができ、システムダウンを防止できる。
また、例えば、想定される使用温度範囲の低温域でもシステムダウンを防止可能な所定の閾値が設定されている場合と比べて、当該低温域よりも高い温度域において、閾値をより低い値に設定することができ、高い温度域における受信許可情報の表示機会を増やすことができ、ひいては、受信機会を増やすことができる。
また、使用者は、受信処理を実施する前に、受信処理が許可されるか否かを確認することができる。このため、例えば、受信処理が許可されることを確認した後、衛星信号の受信に適した場所に移動して、電子時計に受信処理を実施させることができ、利便性を向上させることができる。
本発明の電子時計において、前記受信制御部は、前記衛星信号に基づいて時刻情報を取得する測時受信処理と、前記衛星信号に基づいて位置情報を算出する測位受信処理とを実行可能であり、前記受信許可状態情報は、前記測位受信処理が許可される測位許可状態情報と、前記測時受信処理が許可される測時許可状態情報と、を含み、前記表示制御部は、前記電池残量検出部で検出された前記電池残量が、前記温度検出部で検出された前記温度に対して前記測位受信処理用として設定された第1閾値以上の場合は、前記測位許可状態情報を表示させ、前記電池残量が、前記第1閾値未満、かつ、前記温度に対して前記測時受信処理用として設定された第2閾値以上の場合は、前記測時許可状態情報を表示させ、前記電池残量が、前記第2閾値未満の場合は、前記受信禁止状態情報を表示させることが好ましい。
本発明では、受信制御部は、測位受信処理および測時受信処理のいずれかを実行可能に構成される。また、表示制御部は、電池残量が第1閾値以上の場合は測位許可状態情報を表示させ、第1閾値未満でかつ第2閾値以上の場合は測時許可状態情報を表示させ、第2閾値未満の場合は受信禁止状態情報を表示させる。
これにより、検出された電池残量と温度とに応じて実施が許可された受信処理の種類や、受信処理が禁止されていることを、使用者に知らせることができる。従って、使用者は、例えば、受信処理の種類に応じて充電が必要であるか否かを判断することができ、充電が必要な場合は、予め充電させることもでき、利便性を向上させることができる。
また、受信処理の種類に応じて閾値が設定されているので、測時受信処理よりも消費電力が大きい測位受信処理が、第1閾値よりも低い電池残量の場合に実行されることによるシステムダウンを防止できる。
また、第2閾値を設定することにより、電池残量が第1閾値未満かつ第2閾値以上であり、測位受信が許可されない場合でも、測時受信が許可されることを表示できる。これにより、例えば、システムダウン防止のために、測時受信処理よりも消費電力が大きい測位受信処理用の第1閾値のみを設定する場合と比べて、測時受信処理の実施機会を増大させることができる。
本発明の電子時計の制御方法は、衛星信号を受信する受信部と、駆動電力を供給する電源部と、前記電源部の電池残量を検出する電池残量検出部と、温度を検出する温度検出部と、前記衛星信号の受信指示を行う受信指示部と、前記受信指示部の指示に応じて前記衛星信号を受信する受信処理を実行する受信制御部と、を備える電子時計の制御方法であって、前記温度検出部が、前記温度を検出するステップと、前記電池残量検出部が、前記電池残量を検出するステップと、前記受信制御部が、前記電池残量検出部で検出された前記電池残量が、前記温度検出部で検出された前記温度に対して設定された閾値以上の場合は、前記受信処理を実行し、前記電池残量が、前記閾値未満の場合は、前記受信処理を実行しないステップと、を実施することを特徴とする。
この電子時計の制御方法においても、前記電子時計と同じ作用効果を奏することができる。
本発明の電子時計の制御方法は、衛星信号を受信する受信部と、駆動電力を供給する電源部と、前記電源部の電池残量を検出する電池残量検出部と、温度を検出する温度検出部と、前記電池残量および前記温度に応じた状態情報を表示する状態情報表示部と、前記衛星信号を受信する受信処理を実行する受信制御部と、前記電池残量検出部で検出された前記電池残量、および前記温度検出部で検出された前記温度に応じた前記状態情報を前記状態情報表示部に表示させる表示制御部と、を備える電子時計の制御方法であって、前記温度検出部が、前記温度を検出するステップと、前記電池残量検出部が、前記電池残量を検出するステップと、前記表示制御部が、前記温度検出部で検出された前記温度、および前記電池残量検出部で検出された前記電池残量に応じた前記状態情報を前記状態情報表示部に表示させるステップと、を実施することを特徴とする。
この電子時計の制御方法においても、前記電子時計と同じ作用効果を奏することができる。
本発明の第1実施形態に係る電子時計を示す概略図である。 前記電子時計の平面図である。 前記電子時計の概略断面図である。 前記電子時計の回路構成を示すブロック図である。 前記電子時計の制御部の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の受信処理を示すフローチャートである。 受信処理実施時の二次電池の電池電圧の変化を示すグラフである。 受信処理実施時の二次電池の電池電圧の変化を示すグラフである。 第1実施形態の受信処理における測時受信処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の受信処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の受信処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の受信処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の受信処理における測位受信処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の電子時計の平面図である。 第4実施形態の状態表示処理を示すフローチャートである。 本発明の変形例における電子時計の平面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明に係る第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、電子時計1のカバーガラス15側を表面側(上側)とし、裏蓋12側を裏面側(下側)として説明する。
図1、2に示すように、電子時計1は、文字板2および指針3からなる時刻表示用の時刻表示部と、文字板2のサブダイヤル2Aおよび指針4からなる情報表示部と、文字板2の日窓2Bおよび日車5からなるカレンダー表示部とを備える腕時計である。
文字板2は、ポリカーボネートなどの非導電性部材にて円板状に形成されている。文字板2には、時刻を表示するための目盛が表記されている。また、文字板2の38秒位置には、時刻情報を取得する測時受信処理を実施している測時受信中であることを示す「1」が表記され、52秒位置には、時刻情報および位置情報を取得する測位受信処理を実施している測位受信中であることを示す「4+」が表記されている。また、文字板2の8秒位置には、受信に成功したことを示す「Y」の文字が表記され、22秒位置には、受信に失敗したことや、測時受信処理および測位受信処理が許可されなかったことを示す「N」の文字が表記されている。
サブダイヤル2Aは文字板2の6時位置に設けられている。サブダイヤル2Aの右半分には、曜日を示す「S、M、T、W、T、F、S」の文字が表記されている。サブダイヤル2Aの左半分の8時方向(指針4の軸4Aから見て8時方向)には、サマータイムが設定されていることを示す「DST」と、設定されていないことを示す「・」とが表記されている。さらに、サブダイヤル2Aの左半分には電池残量を示す「E」、「F」の各文字と、これらの文字間に配置された三日月鎌状の目盛とが表記されている。従って、サブダイヤル2Aおよび指針(小針)4からなる情報表示部は、時計のモードや曜日や電池残量等の情報を表示する。
日窓2Bは文字板2の3時位置に設けられている。文字板2には、図3に示すように、サブダイヤル2A、日窓2Bの他、指針3の軸3Aが挿通される貫通孔2Cと、指針4の軸4Aが挿通される貫通孔2Dも形成されている。
指針3は、秒針31、分針32、時針33を備えて構成される。指針3,4および日車5は、後述するステップモーターおよび歯車列を含む駆動機構を介して駆動される。
また、電子時計1にはリューズ6、ボタン7,8が設けられている。
電子時計1は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星Sなどからの衛星信号を受信して衛星時刻情報を取得し、内部時刻情報を修正できるように構成されている。
なお、図1に示すGPS衛星Sは、位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星が周回している。
[電子時計の外装構造]
図2、図3に示すように、電子時計1は、後述するムーブメント20等を収容するケース10を備える。ケース10は、ケース本体11と、裏蓋12とを備える。
ケース本体11は、円筒状の外装ケース111と、外装ケース111の表面側に設けられたベゼル112とを備える。
ベゼル112は、外周が外装ケース111の外周に連続するリング状に形成されている。そして、ベゼル112と外装ケース111とは、互いの対向面に形成された凹凸による嵌め合わせ構造あるいは両面粘着テープや接着剤等の手段により接続されている。なお、ベゼル112は、外装ケース111に対して回転可能に取り付けられていてもよい。
また、ベゼル112の内側には、ベゼル112によって保持されたカバー部材としてのカバーガラス15が取り付けられている。
外装ケース111の裏面側には、外装ケース111の裏面側の開口を塞ぐ円板状の裏蓋12が設けられている。裏蓋12は、外装ケース111にねじ構造により接続される。
なお、本実施形態では、外装ケース111と裏蓋12とは、別体で構成されているが、これに限らず、外装ケース111および裏蓋12が一体化されたワンピースケースでもよい。
外装ケース111、ベゼル112、裏蓋12には、BS(真鍮)、SUS(ステンレス鋼)、チタン合金などの導電性の金属材料が利用される。
[電子時計の内部構造]
次に、電子時計1のケース10に内蔵される内部構造について説明する。
図2、図3に示すように、ケース10内には、文字板2の他、ムーブメント20、平面アンテナ(パッチアンテナ)40、日車5、ダイヤルリング16等が収容される。
ムーブメント20は、地板21、地板21に支持される駆動体22、回路基板23、二次電池24、太陽電池パネル25を備える。
地板21は、プラスチック等の非導電性部材にて形成されている。地板21は、駆動体22を収容する駆動体収容部21Aと、日車5が配置される日車配置部21Bと、平面アンテナ40を収容するアンテナ収容部21Cとを備える。
駆動体収容部21Aおよびアンテナ収容部21Cは、地板21の裏面側に設けられている。アンテナ収容部21Cは、平面アンテナ40の4つの側面に各々対向する4つの壁部214(図3には2つのみ図示)と、各壁部214から張り出して平面アンテナ40の表面に対向する4つの被覆部215(図3には2つのみ図示)とを備える。さらに、各被覆部215間には、平面アンテナ40のアンテナ電極42の少なくとも一部と平面的に重なる貫通孔216が形成されている。なお、4つの壁部214は一体化して形成されており、4つの被覆部215も一体化して形成されている。
このアンテナ収容部21Cは、平面位置が文字板2の12時位置であるため、図2に示すように、平面アンテナ40は12時位置に配置されている。
駆動体22は、地板21の駆動体収容部21Aに収容され、時刻表示部、情報表示部、カレンダー表示部を駆動する。すなわち、駆動体22は、指針3を駆動するステップモーターおよび歯車列を含む駆動機構221、指針4を駆動するステップモーターおよび歯車列を含む駆動機構222と、日車5を駆動するステップモーターおよび歯車列を含む駆動機構(図示略)等を含む。
回路基板23は、表面が地板21の裏面に当接され、ねじ等によって地板21に固定されている。回路基板23の表面側には、平面アンテナ40が実装されている。また、回路基板23の裏面側には、GPS衛星Sから平面アンテナ40が受信した衛星信号を処理する受信部50(無線通信部)や、駆動機構221、222の制御を行う制御部61などが実装されている。従って、平面アンテナ40および受信部50によって、衛星信号を位置情報衛星であるGPS衛星Sから受信する受信部が構成されている。
ここで、受信部50および制御部61は、平面アンテナ40に対して、回路基板23の反対側に配置されている。さらに、受信部50や制御部61は、シールド板26で囲まれている。このため、平面アンテナ40が受信する電波が、受信部50および制御部61が発生するノイズの影響を受けることを回避できる。
二次電池24には、リチウムイオン電池が用いられる。二次電池24は、駆動体22、受信部50、制御部61等に電力を供給する。二次電池24は、平面視において受信部50および制御部61と重ならずに回路基板23の裏面側に設けられている。
太陽電池パネル25は、光を通すために表面電極はITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極で形成されている。また、樹脂フィルムで構成されたベース上に、発電層としてアモルファスシリコン半導体の薄膜が形成されている。
GPS衛星信号の周波数は、約1.5GHzであり、高周波であるため、電波時計で受信する長波の標準電波と異なり、ソーラーパネルの薄い透明電極でも電波は減衰し、アンテナ特性が低下する。このため、円板状に形成された太陽電池パネル25は、平面アンテナ40と平面視で重なる部分に切欠部が形成されている。このため、太陽電池パネル25は、地板21の表面側に配置され、平面アンテナ40の表面側には配置されていない。従って、平面アンテナ40は、太陽電池パネル25の切欠部を通して電波を受信できる。
なお、太陽電池パネル25には、文字板2の日窓2Bと平面的に重なる開口や、指針3,4の軸3A,4Aが挿通される孔が形成されている。
アンテナ収容部21Cには、パッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)である平面アンテナ40が配置される。平面アンテナ40は、GPS衛星Sからの衛星信号を受信するものである。この平面アンテナ40の詳細については後述する。
地板21の日車配置部21Bには、リング状に形成され、表面に日付が表示されたカレンダー車である日車5が配置される。日車5は、プラスチック等の非導電性部材により形成されている。ここで、日車5は、平面視において、平面アンテナ40の少なくとも一部と重なっている。なお、カレンダー車としては、日車に限らず、曜日を表示する曜車や、月を表示する月車などでもよい。
地板21の表面側には、太陽電池パネル25および日車5の表面側を覆って、文字板2が配置される。文字板2は、非導電性を有し、かつ、少なくとも一部の光を透過させる透光性を有するプラスチックなどの材料で形成されている。
ここで、平面視において平面アンテナ40と重なる文字板2の表面に、略字等を設けることができる。この場合、平面アンテナ40の受信性能を向上させるため、これらのパーツは、金属製ではなく、プラスチック等の非導電性部材にて形成することが好ましい。
また、文字板2は、透光性を有するため、時計の表面側から見て、文字板2の裏面側に配置された太陽電池パネル25が透けて見える。このため、太陽電池パネル25が配置されている領域と配置されていない領域とで、文字板2の色が違って見える。この色の違いが目立たないように、文字板2にはデザイン的なアクセントをつけてもよい。
さらに、太陽電池パネル25に切欠部を形成したことで、切欠部に重なる部分の文字板2の色調が他の部分と違って見えることがある。それを防止するために太陽電池パネル25と同色(例えば紺色や紫色)のプラスチックシートを太陽電池パネル25の下に重ねてもよいし、太陽電池パネル25全体を切り欠かずに、電波遮蔽する電極層を平面アンテナ40と平面的に重なる部分のみ取り除いて、基材となる樹脂フィルム層を残して色調を合わせてもよい。
文字板2の表面側には、非導電性部材である合成樹脂にてリング状に形成されたダイヤルリング16が設けられる。ダイヤルリング16は、文字板2の周囲に沿って配置され、内周面が傾斜面(円錐面)とされ、この傾斜面には60分割で指示目盛が印刷されている。ダイヤルリング16は、ベゼル112によって文字板2側へ押しつけられて保持されている。
平面アンテナ40は、平面視において、ケース本体11(外装ケース111およびベゼル112)、太陽電池パネル25とは重ならずに、非導電性部材にて形成された日車5、文字板2、カバーガラス15と重なっている。すなわち、電子時計1では、平面アンテナ40の時計表面側において、平面視で平面アンテナ40と重なる部品はすべて非導電性部材にて形成されている。
このため、時計表面側から伝播されてくる衛星信号は、カバーガラス15を透過した後、ケース本体11または太陽電池パネル25によって遮られることなく、文字板2、日車5、地板21を透過して平面アンテナ40に入射する。なお、指針3,4は平面アンテナ40と重なる面積が小さいことから、金属製であっても無線電波の受信に支障ないが、非導電性部材であれば無線電波が遮断される影響を回避できて好ましい。
[平面アンテナの詳細]
GPS衛星Sは、右旋円偏波で衛星信号を送信している。そのため、本実施形態の平面アンテナ40は、円偏波特性に優れるパッチアンテナ(マイクロストリップアンテナともいう)で構成されている。
本実施形態の平面アンテナ40は、セラミックの誘電体基材41に導電性のアンテナ電極42を積層したパッチアンテナである。
この平面アンテナ40は、次のようにして製造できる。まず、比誘電率が60〜100程度のチタン酸バリウムを主原料にプレス機で目的の形に成形し、焼成を経てアンテナの誘電体基材41となるセラミックスを完成する。誘電体基材41の裏面(回路基板23側の面)には、主に銀(Ag)等のペースト材をスクリーン印刷すること等で、アンテナのグランド(GND)となるGND電極(図示略)を構成する。
誘電体基材41の表面(地板21、文字板2側の面)には、アンテナの周波数、受信する信号の偏波を決める放射アンテナ電極42をGND電極と同様な方法で構成する。アンテナ電極42は、誘電体基材41の表面よりも一回り小さく形成されており、誘電体基材41の表面においてアンテナ電極42の周囲には、アンテナ電極42が積層されていない露出面が設けられる。
パッチアンテナが方形の場合は一辺が半波長で共振し、円形の場合は直径が約0.58波長で共振するが、誘電体を使うと波長短縮効果で小形化できる。パッチアンテナの動作原理は、パッチ(アンテナ電極42)の縁に沿った強い電界が、縁から空間へ向かって放射されるため、アンテナ近傍の電気力線は強くなり、近傍の金属や誘電体の影響を受けやすい。このため、GPS受信においては、金属製の外装ケース111とアンテナ電極42との距離は少なくとも3mm、理想的には4mm程度離す必要がある。
本実施形態では、平面アンテナ40と、外装ケース111との間には、前記壁部214等が配置されており、平面アンテナ40は外装ケース111の内周面から所定寸法以上、離間した位置に配置される。このため、平面アンテナ40を金属製の外装ケース111に近づけることで生じる受信特性の劣化等を抑制でき、電子時計1に求められる受信性能を確保できる。
この平面アンテナ40は、回路基板23に実装され、回路基板23の裏面の受信部50であるアンテナGPSモジュールに電気的に接続される。さらに、平面アンテナ40のGND電極を回路基板23のグランドパターンを介して受信部50のグランド部に導通させることで、回路基板23はグランド板(グランドプレーン)として機能する。さらに、受信部50のグランド部を、回路基板23のグランドパターンを介して金属製の外装ケース111や裏蓋12に導通することで、外装ケース111や裏蓋12もグランドプレーンとして利用できる。
この平面アンテナ40は、回路基板23を地板21に固定することで、アンテナ収容部21Cに配置される。ここで、平面アンテナ40は、1.54542GHzという高周波の信号
を受信するものであり、また、高誘電率のセラミックで誘電体基材41を構成しているので、周囲の部品の影響を受けやすい。地板21は、プラスチックではあるが、比誘電率が3〜4であり、特にアンテナ電極42との間隔が約1.0mm以下になると受信周波数に影響する。すなわち、地板21とアンテナ電極42との間隔が僅かにばらつくだけでアンテナ周波数がシフトしてしまい、受信性能が劣化する。
このため、地板21のアンテナ収容部21Cにおいて、平面アンテナ40のアンテナ電極42に対向する面、つまり文字板2側の面には、図3に示すように、貫通孔216が形成されている。
本実施形態の貫通孔216は、アンテナ電極42の全体と平面的に重なるように構成されている。すなわち、アンテナ電極42は平面略矩形状に形成されているため、貫通孔216も電子時計1の表面側から見た平面視で矩形状に形成されている。
そして、平面矩形状の貫通孔216の一辺の寸法は、アンテナ電極42の一辺の寸法に比べて大きく設定され、誘電体基材41の一辺の寸法に比べて小さく設定されている。なお、本実施形態では、貫通孔216の各四辺の寸法は同一としていたが、平面長方形状に形成されて縦寸法および横寸法が異なる寸法とされていてもよい。
このようにアンテナ電極42に平面的に重なる地板21に貫通孔216を設けることで、アンテナ電極42に対向し、かつ1.0mm以下で近接する地板21(誘電体)が存在しなくなるので、アンテナ電極42と誘電体である地板21との間隔変動によってアンテナ周波数がシフトすることも抑制される。
一方、壁部214間の寸法は、平面アンテナ40の誘電体基材41が配置可能な寸法に設定されている。また、壁部214から突設される被覆部215は、誘電体基材41の露出面に平面的に重なって配置されている。
そして、前記露出面と被覆部215との間には、スポンジなどで構成された緩衝材47が配置されている。誘電体基材41を緩衝材47に接触させることで、平面アンテナ40の時計厚さ方向の位置が設定されている。また、誘電体基材41はセラミックで硬く欠けやすいが、緩衝材47が介在されているため、誘電体基材41が地板21に衝突することを防止できる。このため、誘電体基材41が地板21にぶつかって破損することも防止できる。
また、平面アンテナ40の文字板2側には、前記日車5の一部が配置される。この際、アンテナ電極42と日車5とは、少なくとも被覆部215の厚さ寸法分は離れているので、日車5がアンテナ周波数のシフトに影響することもない。
[電子時計の回路構成]
図4は、電子時計1の回路構成を示す概略図である。
電子時計1は、図4に示すように、平面アンテナ40と、フィルター(SAW)35と、受信部50と、制御表示部60と、電源供給部70を含んで構成されている。
フィルター35は、バンドパスフィルターであり、1.5GHzの衛星信号を通過させるものとなっている。また、平面アンテナ40とフィルター35との間に、受信感度を良好にするLNA(ローノイズアンプ)を別途組み込む構成としてもよい。
なお、フィルター35が受信部50内に組み込まれる構成としてもよい。
受信部50は、フィルター35を通過した衛星信号を処理するものであり、RF部(Radio Frequency:無線周波数)51とベースバンド部52を備える。
RF部51は、PLL回路511、VCO(Voltage Controlled Oscillator)512、LNA(Low Noise Amplifier)513、ミキサー514、IFアンプ515、IFフィルター516、ADC(A/D変換器)517等を備えている。
そして、フィルター35を通過した衛星信号は、LNA513で増幅された後、ミキサー514でVCO512の信号とミキシングされ、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)にダウンコンバートされる。
ミキサー514でミキシングされたIFは、IFアンプ515、IFフィルター516を通り、ADC(A/D変換器)517でデジタル信号に変換される。
ベースバンド部52は、DSP(Digital Signal Processor)521、CPU(Central Processing Unit)522、RTC(リアルタイムクロック)523、SRAM(Static Random Access Memory)524を備えている。また、ベースバンド部52には、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)53やフラッシュメモリー54等も接続されている。
そして、ベースバンド部52は、RF部51のADC517からデジタル信号が入力され、相関処理や測位演算等を行うことにより、衛星時刻情報や測位情報を取得できるようになっている。
なお、PLL回路511用のクロック信号は、温度補償回路付き水晶発振回路(TCXO)53から生成されるようになっている。
フラッシュメモリー54には、測位情報(緯度データおよび経度データ)と時差データとを関連づけた時差データベースが記憶されている。なお、フラッシュメモリー54の代わりにEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)を用い
てもよい。
また、本実施形態では、時差データベースを受信部50のフラッシュメモリー54に記憶していたが、制御表示部60の制御部61内にEEPROMやフラッシュメモリーなどの不揮発性メモリーを設け、この不揮発性メモリーに時差データベースを記憶してもよい。
制御表示部60は、制御部(CPU)61と、指針3,4等の駆動を実施する駆動回路62と、水晶振動子63と、時刻表示部および情報表示部等とを備えている。
制御部61は、温度検出部67と、RTC68と、記憶部69と、を含んで構成されている。
温度検出部67は、ケース10内部に配置された制御部61の周辺の温度を検出する。この温度検出部67を用いることにより、例えば、ケース10の外部に温度検出部が配置される場合よりも、電源供給部70の温度をより適切に検出することができる。
RTC68は、水晶振動子63から出力される基準信号を用いて、内部時刻情報を計時している。
記憶部69は、受信部50から出力される衛星時刻情報や測位情報を記憶する。
本実施形態の電子時計1は、上述のような受信部50および制御表示部60を備えていることで、GPS衛星Sから受信した衛星信号に基づいて時刻表示を自動的に修正することができる。
電源供給部70は、太陽電池パネル25、充電制御回路71、二次電池24、第1レギュレーター72、第2レギュレーター73、電圧検出回路74を含んで構成されている。
太陽電池パネル25は、光が入射して発電すると、その光発電により得られる電力を、充電制御回路71を通じて二次電池24に供給して二次電池24を充電する。
二次電池24は、電源部に相当し、第1レギュレーター72を介して制御表示部60に駆動電力を供給し、第2レギュレーター73を介して受信部50に駆動電力を供給する。
電圧検出回路74は、二次電池24の電圧を定期的(例えば5〜10秒毎)に検出し、制御部61に出力する。従って、電圧検出回路74によって、二次電池24の電池残量を検出する電池残量検出部が構成されている。制御部61は、電圧検出回路74で検出された電池電圧が入力されるため、二次電池24の電圧を把握して受信処理を制御できる。
[制御部の構成]
次に、図5に基づいて、制御部61の構成について説明する。図5は、主に制御部61において実行されるプログラムで実現される機能ブロックである。
制御部61は、時刻情報修正部610と、表示制御部620と、受信指示部630と、電圧検出制御部640と、温度検出制御部650と、受信制御部660とを備える。
時刻情報修正部610は、受信部50で受信した時刻情報を利用して内部時刻情報を修正する。
表示制御部620は、通常モードにおいては、内部時刻情報に基づいて駆動回路62を制御し、指針3で時刻(時、分、秒)を表示する。また、表示制御部620は、内部時刻情報に基づいて駆動回路62を制御し、指針4で曜日(日〜土)を表示する。
表示制御部620は、指針3,4の表示を受信制御状態に応じて制御する。具体的な制御方法は後述する。
受信指示部630は、所定の操作が実施された場合や、所定の条件を満たした場合に、受信処理の実施指示を行う。
受信指示部630は、例えば、ボタン7が押された時間が、第1設定時間(本実施形態では例えば3秒)以上かつ、第2設定時間(本実施形態では例えば6秒)未満の場合に、測時受信操作が行われたと判断し、測時受信処理の実施指示を行う。また、受信指示部630は、ボタン7が押された時間が、第2設定時間以上の場合に、測位受信操作が行われたと判断し、測位受信処理の実施指示を行う。
また、受信指示部630は、上述の手動による受信操作を検出した場合以外にも、所定条件を満たした場合に、測時受信処理の実施を指示する。この所定条件とは、例えば、所定の時間等の予め設定された自動受信タイミングになった場合や、太陽電池パネル25による発電量が所定値以上となった場合である。
電圧検出制御部640は、電圧検出回路74を作動して二次電池24の電池電圧、つまり電池残量を検出する。電圧検出制御部640は、一定時間間隔で電圧検出回路74を作動して電圧を検出する。
温度検出制御部650は、受信指示が検出された場合に、温度検出部67を作動して温度を検出する。
受信制御部660は、受信許可判定部661と、測時受信制御部662と、測位受信制御部663と、受信成功判定部664とを備える。
受信許可判定部661は、受信指示が検出された場合に、検出された温度および二次電池24の電池電圧に基づいて、受信処理を許可するか否かを判定する。受信処理を許可するか否かの判定方法については、後に詳述する。
測時受信制御部662は、受信部50を制御して測時受信処理を行う。
測位受信制御部663は、受信部50を制御して測位受信処理を行う。
受信成功判定部664は、測時受信制御部662による測時受信処理および測位受信制御部663による測位受信処理が成功したか否かを判定する。例えば、所定時間が経過してもGPS衛星Sを捕捉できない場合や、時刻情報や位置情報を取得できない場合に、受信処理が成功していないと判定する。また、測時受信処理時には、受信成功判定部664は、受信した衛星信号から取得した時刻情報(Zカウント)と、RTC66の時刻データとが整合するかを比較し、あまりにも差が大きい場合は、誤修正防止の確認のためにさらに6秒後の次のサブフレームのZカウントを取得して比較したり、捕捉した衛星が複数あれば、各Zカウントを比較することなどして、時刻データの整合が取れたかを判定する。時刻情報修正部610は、受信成功判定部664で整合が取れたと判定された場合に、時刻修正を行う。
[受信処理手順]
次に、本実施形態において、受信処理として測時受信処理が実施される場合の処理について図6に基づいて説明する。
図6に示すように、受信指示部630は、前述のように所定の操作が実施された場合や、所定の条件を満たした場合に、測時受信処理の実施する旨の受信指示を温度検出制御部650に出力する(S1)。
S1で受信指示が出力されると、温度検出制御部650は、温度検出部67を作動して温度を検出する(S2)。
次に、受信制御部660は、温度検出制御部650によって検出された温度と、電圧検出制御部640によって検出された電池電圧と、に基づいて、受信処理を許可するか否かを判定する。より具体的には、受信制御部660は、検出された温度に対して設定された電圧閾値と、検出された電池電圧とを比較し、電池電圧が電圧閾値以上の場合に受信処理を許可する。なお、温度に対応する電圧閾値に関する閾値データ(温度閾値情報)が、記憶部69に予め記憶されている。受信制御部660は、当該閾値データを参照して閾値を取得する。
ここで、二次電池24の内部抵抗が、温度の低下に応じて増大するため、受信処理による電圧降下量は、温度が低いほど大きくなる。このため、本実施形態では、温度閾値(例えば0℃)で区分される温度範囲のうち、温度閾値以上の第1温度範囲に対して第1電圧閾値(本発明の第1閾値に相当し、例えば3.6V)を設定し、温度閾値未満の第2温度範囲に対して第1電圧閾値よりも高い第2電圧閾値(本発明の第2閾値に相当し、例えば3.7V)を設定している。
なお、電圧閾値は、測時受信処理よりも消費電力が大きい測位受信処理を行っても二次電池24の電圧が低下して制御部61のシステムダウンが発生するおそれが無いレベルに設定されている。
図7および図8に、受信処理として測位受信処理を実施した際の、電池電圧の時間変化と、温度との関係の一例を示す。図7は、温度が20℃、0℃、−20℃の場合のそれぞれについて、図8は、温度が−20℃の場合について例示している。また、図8は、受信処理の開始時の電池電圧が3.6Vの場合について、図8は、3.7Vの場合について例示している。
図7に示すように、受信処理開始時の電池電圧が3.6Vの場合、温度が0℃以上の場合では、測位受信処理を実施したとしても、システムダウンが発生しないシステム維持電圧(例えば1.8V)以上に、電池電圧を維持することができる。しかしながら、温度が−20℃では、測位受信処理による電圧降下により電池電圧が、システム維持電圧を下回る。
一方、図8に示すように、受信処理開始時の電池電圧が3.7Vの場合、温度が−20℃の場合でも、測位受信処理を実施したとしても、システム維持電圧以上に電池電圧を維持することができる。
以上から、本実施形態では、一例として、温度閾値を0℃に設定した場合、温度閾値以上の第1温度範囲に対して第1電圧閾値として3.6Vを採用し、温度閾値未満の第2温度範囲に対して第2電圧閾値として3.7Vを採用している。
図6に戻り、受信許可判定部661は、検出された温度が温度閾値以上か否かを判定する(S3)。
受信許可判定部661は、S3で検出された温度が温度閾値以上(YES)と判定すると、次に、記憶部69に記憶された閾値データを参照し、検出された温度に対応する第1電圧閾値を取得する。そして、受信許可判定部661は、検出された電池電圧が、第1電圧閾値以上か否かを判定する(S4)。受信許可判定部661は、S4で電圧値が第1電圧閾値以上(YES)と判定すると受信処理を許可し、電圧値が第1電圧閾値未満(NO)と判定すると受信処理を禁止する。すなわち、受信許可判定部661は、第1温度範囲では、第1電圧閾値と電池電圧とを比較して、受信処理を許可するか否かを判定する。
S4で電圧値が第1電圧閾値以上(YES)と判定され、受信処理が許可されると、受信制御部660は、測時受信処理を実施する(S5)。測時受信処理S5については後述する。
S4で電圧値が第1電圧閾値未満(NO)と判定され、受信処理が禁止されると、受信制御部660による受信処理が実施されず、表示制御部620は、通常モードにおいて秒を指示していた秒針31を移動し、受信処理が禁止されたことを示す受信禁止状態情報として「N」を表示させ(S6)、受信処理を終了させる。
一方、受信許可判定部661は、S3で温度が温度閾値未満(NO)と判定すると、次に、検出された電池電圧が、第2電圧閾値以上か否かを判定する(S7)。受信許可判定部661は、S7で電圧値が第2電圧閾値以上(YES)と判定すると、受信処理を許可し、電圧値が第2電圧閾値未満(NO)と判定すると、受信処理を禁止する。すなわち、受信許可判定部661は、第2温度範囲では、第2電圧閾値と電池電圧とを比較して、受信処理を許可するか否かを判定する。
S7で電圧値が第2電圧閾値以上(YES)と判定され受信処理が許可されると、受信制御部660は、測時受信処理を実施する(S5)。
S7で電圧値が第2電圧閾値未満(NO)と判定され受信処理が禁止されると、S6と同様に、表示制御部620は、秒針31を移動して「N」を表示させ(S8)、制御部61は、受信処理を終了する。
[測時受信処理]
以下、図6に示す測時受信処理S5について図9を参照して説明する。
測時受信制御部662は、受信部50を作動させて測時受信を開始する(S51)。
次に、表示制御部620は、受信部50による測時受信処理が開始されると、測時受信中であることを秒針31で指示する(S52)。すなわち、表示制御部620は、測時受信処理中は、文字板2の38秒位置に表示された「1」の記号を秒針31で指示する。このため、秒針31および文字板2は、測時受信中であることを表示する受信状態表示部を構成する。
次に、受信成功判定部664は、測時受信が成功したか否かを判定する(S53)。
受信成功判定部664は、受信部50によって時刻データ(Zカウント)が取得されたか否かを判断し、取得された場合に「YES」と判定し、取得されなかった場合に「NO」と判定する。
ここで、測時受信制御部662は、受信部50を動作させて、少なくとも1つのGPS衛星Sを捕捉して衛星信号を受信し、GPS衛星Sから6秒毎に送信されるZカウント(時刻情報)を取得する。
また、受信成功判定部664は、例えば、測時受信処理開始から所定のタイムアウト時間(例えば、1〜2分)が経過しても衛星を捕捉できない場合に、「NO」と判定する。また、受信成功判定部664は、衛星を捕捉できた場合でも、時刻データを取得する前にタイムアウトになった場合に、「NO」と判定する。なお、GPS衛星信号では、Zカウントは6秒間隔で受信できるため、タイムアウトになるまでにZカウントを5回受信することができる。
S53で受信成功(YES)と判定された場合、時刻情報修正部610は取得した時刻データに基づいて時刻情報を修正する(S54)。
時刻情報修正部610が時刻情報を修正すると、表示制御部620は、修正した時刻情報に基づいて、駆動回路62を介して指針3の表示を修正し、その後、通常運針に戻る(S55)。
一方、S53で受信不成功(NO)と判定された場合、測時受信制御部662による受信処理が終了され、内部時刻を表示し(S56)、通常運針に戻る(S55)。
以上により、測時受信操作が行われた場合の処理が終了する。
なお、本実施形態では一例として測時受信処理を実施される場合について説明したが、測位受信操作の検出に応じて測位受信処理が実施される場合も、測時受信処理の代りに測位受信処理を実施する以外は同様の処理が実施される。
[第1実施形態の作用効果]
受信制御部660は、温度検出部67で検出された温度が温度閾値以上の場合に、電圧検出回路74で検出された電池電圧が第1電圧閾値以上であれば受信処理を許可する。また、前記検出された温度が温度閾値未満の場合に、前記検出された電池電圧が第2電圧閾値以上であれば受信処理を許可する。このように、本実施形態では、受信制御部660は、温度に応じて設定された電圧閾値に基づいて、受信処理を実行するか否かを判定している。これにより、温度の低下に応じて二次電池24の内部抵抗が増大し、受信処理による電圧降下量が増大しても、温度に応じたより適切な電圧閾値を設定することができ、システムダウンを確実に防止できる。
また、温度閾値以上の第1温度範囲と、温度閾値未満の第2温度範囲とのそれぞれに対して電圧閾値が設定されている。これにより、温度閾値未満の第2温度範囲でもシステムダウンを防止可能な第2閾値のみが設定されている場合と比べて、第2温度範囲よりも高温度範囲である第1温度範囲において、第2閾値よりも小さい第1閾値が設定することにより、実際に受信処理を許可できるにも関わらず、受信処理が実行されないことを抑制でき、受信機会を増やすことができる。
表示制御部620は、受信処理の実行中は、受信中であることを表示させ、受信処理が許可されない場合は、受信禁止状態であることを表示させる。これにより、受信処理が実行されているかや、受信禁止状態であるかを容易に視認できる。このため、受信処理が実行されている場合は、衛星信号を受信しやすい場所で、姿勢を維持する旨の注意を促すことができ、受信処理の成功率を向上させることができる。また、電源電圧が低下していることにより受信処理が実施されなかったため、充電後に再び受信処理を実行する必要があることを、使用者に知らせることができる。
記憶部69は、検出された温度に対応する電圧閾値を取得するための閾値データ(温度閾値情報)を記憶し、受信制御部660は、検出された温度と、記憶されている閾値データとに基づいて、温度に対応する電圧閾値を取得する。このような構成では、記憶部69に予め記憶された閾値データを参照することにより、温度に応じた電圧閾値を容易に取得することができる。また、二次電池24の電圧特性が、二次電池24の設計変更に応じて変更されたり、経時変化によって変化したりした場合でも、現在の電圧特性に応じた閾値データに更新することにより、受信処理を許可するか否かの判定を適切に実施できる。また、電圧特性に応じた閾値データへの更新も容易であり、メンテナンス性や汎用性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図10を参照して説明する。
第2実施形態の電子時計では、複数の温度閾値が設定され、複数の温度閾値によって区分される3つ以上の温度範囲のそれぞれに、電圧閾値が設定されている。そして、電子時計は、検出された電池電圧が、検出された温度に対応する電圧閾値よりも大きい場合に受信処理を実施する。
なお、以下の実施形態において、前述した他の実施形態と同一または同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
[受信処理手順]
以下、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、受信処理として測時受信処理が実施される場合の処理について図10に基づいて説明する。
本実施形態では、複数の温度閾値として第1温度閾値(例えば0℃)および第2温度閾値(−10℃)が設定されている。そして、第1温度閾値以上の第1温度範囲に第1電圧閾値(例えば3.6V)、第1温度閾値未満かつ第2温度閾値以上の第2温度範囲に第2電圧閾値(例えば3.65V)、および第2温度未満の第3温度範囲に第3電圧閾値(例えば3.7V)がそれぞれ設定されている。すなわち、受信許可判定部661は、検出された温度が上記複数の温度範囲のいずれに該当するかを判断し、電池電圧が当該温度範囲に対して設定された電圧閾値以上の場合に受信処理を実施する。
図10に示すように、受信指示部630は、前述のように所定の操作が実施された場合(手動受信タイミング)や、所定の条件を満たした場合(自動受信タイミング)に、測時受信処理の実施する旨の受信指示を温度検出制御部650に出力する(S11)。
S1で受信指示が出力されると、温度検出制御部650は、温度検出部67を作動して温度を検出する(S12)。
受信許可判定部661は、検出された温度が第1温度閾値(例えば0℃)以上か否かを判定する(S13)。
S13で温度が第1温度閾値以上(YES)と判定されると、制御部61は、図6に示す第1実施形態における受信処理の手順におけるS4以降の処理と同様の処理として、S14以降の処理を実施する。すなわち、受信許可判定部661は、検出された電圧値が第1電圧閾値以上か否かを判定し(S14)、S14で電圧値が第1電圧閾値以上(YES)と判定されると、受信制御部660は、測時受信処理を実施する(S5)。一方、S14で電圧値が第1電圧閾値未満(NO)と判定されると、表示制御部620は、受信禁止状態情報を表示し、制御部61は受信処理を終了する(S15)。
一方、受信許可判定部661は、S13で温度が第1温度閾値未満(NO)と判定すると、次に、検出された温度が第2温度閾値(例えば−10℃)以上か否かを判定する(S16)。
S16で温度が第2温度閾値以上(YES)と判定されると、図6に示す第1実施形態における受信処理の手順におけるS7以降の処理と略同様の処理として、S17以降の処理を実施する。なお、本実施形態では、第2電圧閾値は、例えば3.65Vに設定されている。すなわち、受信許可判定部661は、検出された電圧値が第2電圧閾値以上か否かを判定し(S17)、S17で電圧値が第2電圧閾値以上(YES)と判定されると、受信制御部660は、測時受信処理を実施する(S5)。一方、S17で電圧値が第2電圧閾値未満(NO)と判定されると、表示制御部620は、受信禁止状態情報を表示し、制御部61は受信処理を終了する(S18)。
一方、受信許可判定部661は、S16で温度が第2温度閾値未満(NO)と判定すると、次に、検出された電池電圧が第3電圧閾値(例えば3.7V)以上か否かを判定する(S19)。
そして、S19で電圧値が第2電圧閾値以上(YES)と判定されると、受信処理が許可されると、受信制御部660は、測時受信処理を実施する(S5)。
S19で電圧値が第2電圧閾値未満(NO)と判定され受信処理が禁止されると、受信制御部660による受信処理が実施されず、表示制御部620は、通常モードにおいて秒を指示していた秒針31を移動し、受信処理が禁止されたことを示す受信禁止状態情報として「N」を表示させ(S20)、制御部61は受信処理を終了する。
[第2実施形態の作用効果]
本実施形態では、3つの温度範囲のそれぞれに電圧閾値を設定し、受信制御部660は、検出された電池電圧が、検出された温度に応じた電圧閾値以上の場合に受信処理を許可する。これにより、上述のように、2つの温度範囲のそれぞれに電圧閾値が設定されている場合や、温度に関わらず1つの電圧閾値が設定されている場合と比べて、受信処理による処理負荷(電圧降下量)の温度変化に応じた、より適切な受信処理の許可判定を実施することができる。すなわち、使用が想定される温度範囲を複数の温度範囲に区分した際には、より高い温度範囲では、電圧閾値をより小さく設定することができる。従って、例えば、検出された温度において受信処理を実施可能な電池電圧が、当該温度に対して設定されている電圧閾値よりも低い場合に、実際に受信処理を許可できるにも関わらず受信処理が許可されず、受信機会が減少することを抑制でき、受信機会を増やすことができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について図11から図13を参照して説明する。
第3実施形態の電子時計では、測時受信処理および測位受信処理のそれぞれに異なる電圧閾値が設定され、実施対象の受信処理の種類に応じた電圧閾値を用いて、受信処理を許可するか否かが判定される点で、第1実施形態と相違する。
[受信処理手順]
以下、本実施形態の受信処理の手順について図11および図12を参照して説明する。
本実施形態では、一つの温度閾値(例えば0℃)が設定されている。また、温度閾値によって区分される第1温度範囲(0℃以上)および第2温度範囲(0℃未満)の各温度範囲に、測時受信処理および測位受信処理のそれぞれに対する電圧閾値が設定されている。
すなわち、下記表1に一例を示すように、測時受信処理を許可する電圧閾値(第2閾値)として、第1温度範囲に対して第1測時電圧閾値(例えば3.55V)が、第2温度範囲に対して第2測時電圧閾値(例えば3.65V)が設定されている。また、測位受信処理を許可する電圧閾値(第1閾値)として、第1温度範囲に対して第1測位電圧閾値(例えば3.6V)が、第2温度範囲に対して第2測位電圧閾値(例えば3.7V)が設定されている。
受信許可判定部661は、検出された電池電圧が、受信処理の種類および検出温度に応じた電圧閾値以上の場合に受信処理を実施する。
Figure 2017036964
図11に示すように、受信指示部630は、受信処理を開始するか否かを判定する(S21)。受信指示部630は、前述のように所定の操作が実施された場合や、所定の条件を満たした場合に、S21でYESと判定し、それ以外の場合は、NOと判定し同判定を繰り返す。
受信指示部630は、S21で受信処理開始と判定すると(YES)、実施対象の受信処理が測時受信処理であるか否かを判定する(S22)。なお、前述のように所定の操作が実施された場合(手動受信タイミング)や、所定の条件を満たした場合(自動受信タイミング)に、S21で受信処理開始(YES)と判定され、S22で実施対象の受信処理が測時受信処理(YES)と判定される。
S22で実施対象の受信処理が測時受信処理(YES)と判定されると、制御部61は、図6に示す第1実施形態のS2以降の処理と同様の処理として、S23以降の処理を実施する。すなわち、温度検出制御部650は、温度検出部67を作動して温度を検出する(S23)。そして、検出された温度が温度閾値以上の場合では(S24:YES)、検出された電池電圧が第1測時電圧閾値以上と判定された際に(S25:YES)、測時受信処理が実施される(S5)。一方、電池電圧が、第1測時電圧閾値未満と判定された際に(S25:NO)、受信禁止状態情報を表示させ、受信処理が終了される(S26)。また、検出された温度が温度閾値未満の場合では(S24:NO)、検出された電池電圧が第2測時電圧閾値以上と判定された際に(S27:YES)、測時受信処理が実施される(S5)。一方、電池電圧が第2測時電圧閾値未満と判定された際に(S27:NO)、受信禁止状態情報を表示させ、受信処理が終了される(S26)。
一方、例えば、ボタン7が押された時間が、第2設定時間以上の場合、すなわち、測位受信操作が行われた場合、S22で実施対象の受信処理が測位受信処理(NO)と判定され、図12に示すように、温度検出制御部650は、温度検出部67を作動して温度を検出する(S29)。
次に、受信制御部660は、検出された温度と、電圧検出制御部640によって予め検出された電池電圧と、に基づいて、測位受信処理を許可するか否かを判定する。なお、受信制御部660による測位受信処理を許可するか否かの判定処理は、参照する電圧閾値が異なる点以外は、測時受信処理の場合と略同様である。
すなわち、受信許可判定部661は、検出された温度が温度閾値以上か否かを判定する(S30)。
受信許可判定部661は、S30で検出された温度が温度閾値以上(YES)と判定すると、次に、検出された電池電圧が、第1測位電圧閾値以上か否かを判定する(S31)。受信許可判定部661は、S31で電池電圧が第1測位電圧閾値以上(YES)と判定すると、測位受信処理を許可し、受信制御部660は、測位受信処理を実施する(S60)。測位受信処理S60については後述する。
一方、受信許可判定部661は、S31で電池電圧が第1測位電圧閾値未満(NO)と判定すると、測時受信処理を禁止する。
そして、表示制御部620は、通常モードにおいて秒を指示していた秒針31を移動し、受信処理が禁止されたことを示す受信禁止状態情報として「N」を表示させ、制御部61は、受信処理を終了させる(S32)。
一方、受信許可判定部661は、S30で検出された温度が温度閾値未満(NO)と判定すると、次に、検出された電池電圧が、第2測位電圧閾値以上か否かを判定する(S33)。受信許可判定部661は、S33で電池電圧が第2測位電圧閾値以上(YES)と判定すると、測位受信処理を許可し、受信制御部660は、測位受信処理を実施する(S60)。
一方、受信許可判定部661は、S33で電池電圧が第2測位電圧閾値未満(NO)と判定すると、測位受信処理を禁止する。
そして、表示制御部620は、S32と同様に受信禁止状態情報として「N」を表示させ、制御部61は、受信処理を終了させる(S34)。
[測位受信処理]
以下、図12に示す測位受信処理S60について図13を参照して説明する。
測位受信処理が許可されると、測位受信制御部663は、測位受信を開始する(S61)。
測位受信制御部663は、受信部50を作動させて、測位を行うために必要な所定数(少なくとも3個、通常は4個)以上のGPS衛星Sを捕捉して衛星信号を受信し、衛星軌道データ(エフェメリス)を取得する。また、測時受信制御部662は、受信部50を作動させて、GPS衛星Sから6秒毎に送信されるZカウント(時刻情報)を取得する。
なお、受信部50は、衛星軌道データを取得した場合、当該衛星軌道データに基づいて測位計算を行って測位データを算出し、算出された測位データに対応する時差情報を、フラッシュメモリー54に記憶された時差データベースから読み出し、制御部61に出力する。
次に、表示制御部620は、測位受信処理が開始されると、測位受信中であることを秒針31で指示する(S62)。すなわち、表示制御部620は、測位受信処理中は、文字板2の52秒位置に表示された「4+」の記号を秒針31で指示する。このため、秒針31および文字板2は、測位受信中であることを表示する受信状態表示部を構成する。
次に、受信成功判定部664は、測位受信が成功したか否かを判定する(S63)。
受信成功判定部664は、受信部50によって衛星軌道データおよび時刻情報(Zカウント)が取得されたか否かを判断し、取得された場合に「YES」と判定し、取得されていない場合に「NO」と判定する。例えば、受信成功判定部664は、測位受信処理開始から所定のタイムアウト時間が経過しても衛星を捕捉できない場合や、測位計算用のタイムアウト時間を経過した場合に「NO」と判定する。
S63で受信成功(YES)と判定された場合、時刻情報修正部610は、受信部50から時差情報を取得する(S64)。
時刻情報修正部610は、取得した時差情報を用いて時刻情報を修正する(S65)。
時刻情報修正部610が時刻情報を修正すると、表示制御部620は、修正した時刻情報に基づいて、駆動回路62を介して指針3の表示を修正し、その後、通常運針に戻る(S66)。
一方、S63で受信不成功(NO)と判定された場合、測位受信制御部663による受信処理が終了され、内部時刻を表示する(S67)。その後、制御部61は、通常運針に戻る(S66)。
以上により、測位受信処理が終了する。
[第3実施形態の作用効果]
受信制御部660は、操作指示に応じて、測位受信処理および測時受信処理のいずれかを実行する。具体的には、受信制御部660は、測位受信処理の実施指示が出力された場合、電池電圧が、温度に応じた測位電圧閾値(第1閾値)以上の場合は測位受信処理を実行し、未満の場合は測位受信処理を実行しない。また、受信制御部660は、測時受信処理の実施指示が出力された場合、電池電圧が、温度に応じた測時電圧閾値(第2閾値)以上の場合は測時受信処理を実行し、未満の場合は測時受信処理を実行しない。この測時電圧閾値は、同一の温度に対して設定された測位電圧閾値よりも小さい。すなわち、測位電圧閾値は、同一の温度に対して設定された測時電圧閾値よりも大きい。
これにより、例えば、測時受信処理よりも消費電力が大きい測位受信処理が、測位電圧閾値よりも低い電池電圧の場合に実行されることによるシステムダウンを防止できる。また、測時受信処理が、測時電圧閾値よりも低い電池電圧の場合に実行されることによるシステムダウンを防止できる。
また、測時電圧閾値を設定することにより、電池電圧が、測位電圧閾値未満であり、測位受信が許可されない場合でも、測時電圧閾値以上であれば、測時受信処理を実施することができる。これにより、例えば、システムダウン防止のために、測時受信処理よりも消費電力が大きい測位受信処理用の測位電圧閾値のみが設定される場合と比べて、測時受信処理の実施機会を増大させることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について図14および図15を参照して説明する。
第4実施形態の電子時計は、温度および電池電圧の検出結果に応じて電子時計の状態情報を表示させる状態情報表示部を備える点で、第1実施形態の電子時計と相違する。
図14に示すように、電子時計1Aは、文字板2のサブダイヤル2Eおよび指針4Bを有し構成される状態情報表示部を備える。状態情報表示部は、検出された電池電圧および温度に応じた電子時計1Aの状態情報として、例えば、実施可能な受信処理の種類や、充電せずに連続駆動可能な持続時間等の情報を表示する。
サブダイヤル2Eには、状態情報に対応する文字「L0、L1、L2、L3、L4」が表記されている。各文字には、下記表2に一例を示すように、温度範囲および電池電圧の電圧範囲に応じた状態情報が設定されている。本実施形態では、文字「L0、L1、L2、L3、L4」は、それぞれ許可される受信処理の種類、および電池残量に関する情報を示す。温度および電池電圧の検出結果に応じて、文字「L0、L1、L2、L3、L4」のいずれかが指針4Bで指示されることにより、当該検出結果に応じた状態情報が、状態報表示部に表示される。例えば、温度が0℃以上、かつ、電池電圧が3.6V以上3.7V未満の場合、L1が表示される。
なお、文字L2〜L4は、測時受信処理および測位受信処理が許可されていることを示す受信許可状態情報、かつ測位許可状態情報に相当する。また、文字L1は、測位受信処理は禁止されているものの測時受信処理が許可されていることを示す受信許可状態情報、かつ測時許可状態情報に相当し、測位受信処理に関しては受信禁止状態情報に相当する。また、文字L0は、測時受信処理および測位受信処理が禁止されていることを示す受信禁止状態情報に相当する。
Figure 2017036964
表示制御部620(図5参照)は、温度検出部67によって検出された温度、および電圧検出回路74によって検出された電池電圧に基づいて、状態情報表示部の指針4Bを移動させ、温度および電池電圧の検出結果に対応する状態情報を表示させる。
なお、温度範囲および電池電圧の電圧範囲に応じた状態情報を判定するための状態判定データは、記憶部69に記憶されている。表示制御部620は、当該状態判定データを参照して、温度および電池電圧に応じた状態情報を、状態情報表示部に表示させる。
[状態表示処理手順]
以下、状態表示処理の手順について図15を参照して説明する。
通常運針の状態において、電圧検出制御部640は、電圧監視タイミングか否かを判定する(S71)。電圧検出制御部640は、S71で「NO」と判定した場合は、同判定を繰り返し実行する。なお、電圧監視タイミングは、例えば電圧検出制御部640における所定の電圧検出タイミング(例えば5〜10秒毎)である。
S71で電圧監視タイミングである(YES)と判定された場合は、温度検出制御部650は、温度検出部67を作動して温度を検出する(S72)。
表示制御部620は、記憶部69に記憶された状態判定データを参照し、S72で検出された温度に対応する状態判定閾値(インジケータ閾値)を取得する(S73)。
ここで、状態判定閾値は、温度および電池電圧の検出結果に応じて、L0〜L4の5つの状態情報のうちのいずれを表示させるかを判定するための電池電圧の閾値である。状態判定閾値は、下記表3に一例を示すように、複数の温度範囲のそれぞれに設定され、状態判定データとして記憶部69に予め記憶されている。
Figure 2017036964
表3に示すように、各閾値は、それぞれ表2に示す各温度範囲における電圧範囲の下限値が設定されている。
本実施形態では、0℃以上の第1温度範囲と、−10℃以上0℃未満の第2温度範囲と、−10℃未満の第3温度範囲のそれぞれについて、状態判定閾値が設定されている。
また、電池電圧が第1閾値以上の場合、状態L4に相当する。また、電池電圧が第1閾値未満かつ第2閾値以上の場合、状態L3に相当する。また、電池電圧が第2閾値未満かつ第3閾値以上の場合、状態L2に相当する。また、電池電圧が第3閾値未満かつ第4閾値以上の場合、状態L1に相当する。また、電池電圧が第4閾値未満の場合、状態L0に相当する。各閾値は、二次電池24の内部抵抗の増大に応じて、低い温度範囲程、大きい値が設定されている。
S73で温度に応じた状態判定閾値が取得されたら、電圧検出制御部640は、電圧検出回路74を作動して電池電圧を検出する(S74)。
表示制御部620は、S73で取得した状態判定閾値のうちの第1閾値と、S73で検出された電池電圧とを比較し、当該電池電圧が第1閾値以上か否かを判定する(S75)。例えば、S72で検出された温度が第1温度範囲に含まれる場合、第1温度範囲に対して設定された状態判定閾値のうちの第1閾値(3.9V)と、電池電圧とを比較する。
表示制御部620は、S75で温度が第1閾値以上(YES)と判定すると、指針4Bを移動させてL4を指示し、状態情報表示部にL4を表示させる(S76)。
一方、表示制御部620は、S75で温度が第1閾値未満(NO)と判定すると、次に、電池電圧が第2閾値以上か否かを判定する(S77)。
表示制御部620は、S77で温度が第2閾値以上(YES)と判定すると、指針4Bを移動させて状態情報表示部にL3を表示させる(S78)。
一方、表示制御部620は、S77で温度が第2閾値未満(NO)と判定すると、次に、電池電圧が第3閾値以上か否かを判定する(S79)。
表示制御部620は、S79で温度が第3閾値以上(YES)と判定すると、指針4Bを移動させて状態情報表示部にL2を表示させる(S80)。
一方、表示制御部620は、S79で温度が第2閾値未満(NO)「NO」と判定すると、次に、電池電圧が第4閾値以上か否かを判定する(S81)。
表示制御部620は、S81で温度が第4閾値以上(YES)「YES」と判定すると、指針4Bを移動させて状態情報表示部にL1を表示させる(S82)。
一方、表示制御部620は、S81で温度が第4閾値未満(NO)「NO」と判定すると、指針4Bを移動させて状態情報表示部にL0を表示させる(S83)。
表示制御部620は、S76、S78、S80、S82、およびS83で状態情報を表示させた後、S71に戻り、以降の処理を繰り返し、判定結果に応じた状態情報を状態情報表示部に表示させる。
[第4実施形態の作用効果]
表示制御部620は、検出された電池電圧が、検出された温度、かつ、検出された電池電圧残量に対応する電圧範囲に対応する状態情報を、状態情報表示部に表示させる。これにより、電池残量や温度に応じた電子時計の状態情報を表示させることができる。例えば、受信処理を実施するために電池残量が不足している場合、充電が必要であることを予め使用者に知らせることができ、利便性を向上させることができる。また、使用者は、表示内容に応じて充電が必要と判断した場合は、予め充電を実施することにより、電池残量不足により受信処理等の各種処理が実施されないことを抑制でき、各種処理の実施機会を増大させることができる。
表示制御部620は、検出された電池電圧が、検出された温度に対して設定された電圧閾値以上の場合は、受信許可状態情報を表示させ、電圧閾値未満の場合は、受信禁止状態情報を表示させる。例えば、本実施形態では、電池電圧が第3閾値以上の場合は、測時および測位受信処理のいずれも実施可能であるので、受信許可状態情報として文字L2〜L4が表示される。一方、第3閾値未満の場合は、測位受信処理が禁止されるため受信禁止状態情報としてL0,L1が表示される。
このような構成では、また、温度の低下に応じて受信処理による電圧降下量が増大することを考慮して、前記電圧閾値を温度に応じて設定するこができる。このため、温度が変化した場合でも、受信処理によるシステムダウンのおそれがあり、受信禁止状態であることを予め表示させることができる。これにより、受信処理を実施するために充電を行う必要がある場合は、これを使用者に予め知らせることができる。従って、使用者は、受信処理を行う前に、予め充電を行わせることができるので、受信処理の実施機会を増大させることができる。
また、使用者は、受信処理を実施する前に、受信処理が許可されるか否かを確認することができる。このため、例えば、受信処理が許可されることを確認した後、衛星信号の受信に適した場所に移動して、電子時計に受信処理を実施させることができ、利便性を向上させることができる。
表示制御部620は、電池電圧が測位受信処理が許可される電圧閾値である第3閾値以上の場合は、測位許可状態情報として文字L2〜L4のいずれかを表示させる。また、表示制御部620は、電池電圧が第3閾値未満で、かつ測時受信処理が許可される電圧閾値である第4閾値以上の場合は、測時許可状態情報として文字L1を表示させる。また、表示制御部620は、電池電圧が第4閾値未満の場合は、受信禁止状態情報として文字L0を表示させる。
これにより、検出された電池電圧と温度とに応じて実施が許可された受信処理の種類や、受信処理が禁止されていることを、使用者に知らせることができる。従って、使用者は、例えば、測位受信処理を実施する際に、充電が必要であるか否かを判断することができ、充電が必要な場合は、予め充電させることもでき、利便性を向上させることができる。
また、電池電圧が第3閾値未満の場合に、測位受信処理が禁止されることを表示することにより、測位受信処理が実行されることによるシステムダウンを防止できる。
また、測時受信処理が許可される第4閾値を設定することにより、測位受信処理が許可されない場合でも、測時受信処理が許可されることを表示できる。これにより、例えば、測時受信処理が許可される電圧閾値のみを設定する場合と比べて、測時受信処理の実施機会を増大させることができる。
また、本実施形態では、状態情報表示部は、受信許可状態情報および受信禁止状態情報に加え、検出された電池電圧および温度に応じて、電子時計1Aの持続時間に関する情報を表示する。これにより、温度に応じた持続時間を、使用者に知らせることができ、利便性を向上させることができる。
また、温度が低下することによって二次電池24の内部抵抗が増大し、電力降下量が増大したとしても、充電が必要である場合は、これを予め使用者に知らせることができ、温度低下に伴うシステムダウンを防止することができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、前記第4実施形態では、状態情報として、実施が許可される受信処理の種類や、電池残量に関する情報を文字L0〜L4に対応させ、現在の状態に応じて、文字L0〜L4のいずれかを指針4Bによって指示することにより、状態情報を表示していた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、図16に示すように、電子時計が具体的な状態を表示可能な状態情報表示部を備えてもよい。
図16に示す電子時計1Bは、サブダイヤル91および指針92を有し構成される第1状態情報表示部と、サブダイヤル93および指針94を有し構成される第2状態情報表示部と、を備える。
これらのうち第1状態情報表示部は、状態情報として実施が許可されている受信処理の種類を表示する。すなわち、サブダイヤル91には、受信処理の種類として、文字「T+P、T、N」が表記されている。「T+P」は、測時および測位受信処理の両方が許可されていることを示し、「T」は、測時受信処理のみが許可されていることを示し、「N」は、受信処理が禁止されていることを示す。文字「T+P、T、N」いずれかが指針92によって指示されることにより、許可されている受信処理の種類が表示される。
また、第2状態情報表示部は、状態情報として持続時間および充電警告を表示する。すなわち、サブダイヤル93には、文字「2、1、0.5、C」が表記されている。「2」は、持続時間が2年であることを示し、「1」は、持続時間が1年であることを示し、「0.5」は、持続時間が半年であることを示す。また、「C」は、充電する必要があることを示す。例えば、電池電圧が、第3閾値未満の場合、第2状態情報表示部に「C」と表示されるように構成することにより、受信処理(少なくとも測位受信処理)が許可されていないことを報知することができる。
このように、状態情報表示部として、温度および電池電圧に応じた電子時計1Aの状態情報を具体的に表示させることにより、電子時計1Aの現在の状態を認知し易くすることができる。例えば、使用者は、第1状態情報表示部を目視することにより、実施が許可された受信処理の種類を容易に認知できる。従って、使用者は、受信処理の実施前に、当該受信処理が実施許可されているか否かを判断でき、利便性を向上できる。
また、使用者は、第2状態情報表示部を目視することにより、連続駆動時間や充電が必要であることを容易に認知でき、利便性を向上できる。
前記実施形態では、受信指示部としてのボタン7によって受信操作が実施される構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、リューズ6やボタン8等の他の操作部材の操作によって受信操作が実施される構成としてもよいし、複数の操作部材の操作の組み合わせによって受信操作が実施される構成としてもよい。また、測時受信処理の実施指示を行うための操作部材や、測位受信処理の実施指示を行うための操作部材を別に設ける構成としてもよい。
前記第1乃至第3実施形態では、文字板2に表示された「N」を秒針31で指示することにより受信禁止状態情報を表示し、「1」を指示することにおり受信中であることを表示するように構成されたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、受信禁止や受信中であることを意味する文字やマークを文字板2に別に設けてもよい。また、文字板2に、受信禁止や受信中であることを表示するためのサブダイヤルおよび指針を含む状態情報表示部を別に設けてもよい。
前記実施形態では、2つまたは3つの温度範囲のそれぞれに対して電圧閾値を設定し、許可される受信処理の種類を判定していたが、本発明はこれに限定されない。
例えば、4つ以上の温度範囲のそれぞれに電圧閾値を設定してもよいし、温度毎に電圧閾値を設定してもよい。これにより、温度に応じて受信処理が可能か否かの判定をより適切に実施することができ、受信処理の実施機会をより確実に増大させることができる。
前記第1乃至第3実施形態では、受信制御部660は、記憶部69に予め記憶されている閾値データ(温度閾値情報)を参照して、温度に応じた電圧閾値を取得し、受信処理を許可するか否かを判定していた。また、第4実施形態では、受信制御部660は、記憶部69に予め記憶されている状態判定データを参照して、温度に応じた状態判定閾値を取得し、状態を判定していた。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、上述のような判定を実施するための判定プログラムに、予め、電圧閾値や状態判定閾値を組み込み、当該判定プログラムを記憶部69に記憶し、制御部61において当該判定プログラムが実行される構成を採用してもよい。
また、温度検出部67で検出された温度を変数として電圧閾値や状態判定閾値を算出するための算出用関数を、記憶部69に記憶してもよい。
前記第1乃至第3実施形態では、電圧検出制御部640は一定時間間隔で電圧検出回路74を作動して電圧を検出していたが、受信処理が開始された際に、電圧検出制御部640が電圧検出回路74を作動して電圧を検出してもよい。このように、受信処理の開始時に電圧を検出する構成とすれば、受信処理開始時の電池電圧(電池残量)をより正確に把握することができる。このため、受信制御部660は、直前に検出した二次電池24の電圧に基づいて、受信処理を許可するか否かの判定や、持続時間の選択等を適切に実施できる。
前記実施形態および変形例では、電子時計は、文字板2および指針3からなる時刻表示部を備えているが、本発明はこれに限定されない。電子時計は、液晶パネル等からなる時刻表示部を備えていてもよい。この場合、時刻表示部を駆動する駆動体は、液晶パネルを駆動する駆動部を備えて構成される。
また、この場合、電子時計は時刻表示機能を備えていればよく、時刻表示部は、時刻表示専用の表示部である必要はない。このような電子時計としては、ユーザーの腕に装着されて脈拍を計測する脈拍計や、ユーザーがランニングを行う際などにユーザーの腕に装着されて現在位置を計測して蓄積するGPSロガー等のリスト型機器を例示できる。
位置情報衛星の例として、GPS衛星Sについて説明したが、これに限られない。例えば、位置情報衛星としては、ガリレオ(EU)、GLONASS(ロシア)などの他の全地球的公航法衛星システム(GNSS)で利用される衛星が適用できる。また、静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS)などの静止衛星や、準天頂衛星(みちびき)等の特定の地域のみで検索できる地域的衛星測位システム(RNSS)などの衛星も適用できる。
1…電子時計、2E…サブダイヤル、3…指針、4,4B…指針、24…二次電池、50…受信部、60…制御表示部、61…制御部、67…温度検出部、69…記憶部、74…電圧検出回路、91…サブダイヤル、92…指針、93…サブダイヤル、94…指針、610…時刻情報修正部、620…表示制御部、630…受信指示部、640…電圧検出制御部、650…温度検出制御部、660…受信制御部。

Claims (9)

  1. 衛星信号を受信する受信部と、
    駆動電力を供給する電源部と、
    前記電源部の電池残量を検出する電池残量検出部と、
    温度を検出する温度検出部と、
    前記衛星信号の受信指示を行う受信指示部と、
    前記受信指示部の指示に応じて前記衛星信号を受信する受信処理を実行する受信制御部と、を備え、
    前記受信制御部は、
    前記電池残量検出部で検出された前記電池残量が、前記温度検出部で検出された前記温度に対して設定された閾値以上の場合は、前記受信処理を実行し、
    前記電池残量が、前記閾値未満の場合は、前記受信処理を実行しない
    ことを特徴とする電子時計。
  2. 請求項1に記載の電子時計において、
    前記受信制御部は、前記受信指示部の指示に基づいて、前記衛星信号に基づいて時刻情報を取得する測時受信処理と、前記衛星信号に基づいて位置情報を算出する測位受信処理とを実行可能であり、
    前記受信指示部によって前記測位受信処理が指示された場合は、前記電池残量検出部で検出された前記電池残量が、前記温度検出部で検出された前記温度に対して前記測位受信処理用として設定された第1閾値以上の場合は、前記測位受信処理を実行し、前記第1閾値未満の場合は、前記測位受信処理を実行せず、
    前記受信指示部によって前記測時受信処理が指示された場合は、前記電池残量が、前記温度に対して前記測時受信処理用として設定された第2閾値以上の場合は、前記測時受信処理を実行し、前記第2閾値未満の場合は、前記測時受信処理を実行せず、
    前記第1閾値は前記第2閾値よりも高い値である
    ことを特徴とする電子時計。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子時計において、
    前記受信処理の実行中は、受信中であることを表示し、
    前記受信処理が許可されない場合は、受信禁止状態であることを表示する受信状態表示部を備える
    ことを特徴とする電子時計。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子時計において、
    温度と閾値とを対応付けた温度閾値情報が記憶された記憶部を備え、
    前記受信制御部は、前記温度検出部で検出された前記温度と、前記温度閾値情報とに基づいて検出した前記温度に対応する閾値を取得し、前記電池残量と前記閾値を比較して受信制御を行う
    ことを特徴とする電子時計。
  5. 衛星信号を受信する受信部と、
    駆動電力を供給する電源部と、
    前記電源部の電池残量を検出する電池残量検出部と、
    温度を検出する温度検出部と、
    前記電池残量および前記温度に応じた状態情報を表示する状態情報表示部と、
    前記衛星信号を受信する受信処理を実行する受信制御部と、
    前記電池残量検出部で検出された前記電池残量、および前記温度検出部で検出された前記温度に応じた前記状態情報を前記状態情報表示部に表示させる表示制御部と、を備える
    ことを特徴とする電子時計。
  6. 請求項5に記載の電子時計において、
    前記状態情報は、前記受信処理の実施が許可される状態である受信許可状態情報と、前記受信処理が禁止される状態である受信禁止状態情報と、を含み、
    前記表示制御部は、
    前記電池残量検出部で検出された前記電池残量が、前記温度検出部で検出された前記温度に対して設定された前記閾値以上の場合は、前記状態情報表示部に前記受信許可状態情報を表示させ、
    前記電池残量が前記閾値未満の場合は、前記状態情報表示部に前記受信禁止状態情報を表示させる
    ことを特徴とする電子時計。
  7. 請求項6に記載の電子時計において、
    前記受信制御部は、前記衛星信号に基づいて時刻情報を取得する測時受信処理と、前記衛星信号に基づいて位置情報を算出する測位受信処理とを実行可能であり、
    前記受信許可状態情報は、前記測位受信処理が許可される測位許可状態情報と、前記測時受信処理が許可される測時許可状態情報と、を含み、
    前記表示制御部は、
    前記電池残量検出部で検出された前記電池残量が、前記温度検出部で検出された前記温度に対して前記測位受信処理用として設定された第1閾値以上の場合は、前記測位許可状態情報を表示させ、
    前記電池残量が、前記第1閾値未満、かつ、前記温度に対して前記測時受信処理用として設定された第2閾値以上の場合は、前記測時許可状態情報を表示させ、
    前記電池残量が、前記第2閾値未満の場合は、前記受信禁止状態情報を表示させる
    ことを特徴とする電子時計。
  8. 衛星信号を受信する受信部と、
    駆動電力を供給する電源部と、
    前記電源部の電池残量を検出する電池残量検出部と、
    温度を検出する温度検出部と、
    前記衛星信号の受信指示を行う受信指示部と、
    前記受信指示部の指示に応じて前記衛星信号を受信する受信処理を実行する受信制御部と、を備える電子時計の制御方法であって、
    前記温度検出部が、前記温度を検出するステップと、
    前記電池残量検出部が、前記電池残量を検出するステップと、
    前記受信制御部が、前記電池残量検出部で検出された前記電池残量が、前記温度検出部で検出された前記温度に対して設定された閾値以上の場合は、前記受信処理を実行し、前記電池残量が、前記閾値未満の場合は、前記受信処理を実行しないステップと、を実施する
    ことを特徴とする電子時計の制御方法。
  9. 衛星信号を受信する受信部と、
    駆動電力を供給する電源部と、
    前記電源部の電池残量を検出する電池残量検出部と、
    温度を検出する温度検出部と、
    前記電池残量および前記温度に応じた状態情報を表示する状態情報表示部と、
    前記衛星信号を受信する受信処理を実行する受信制御部と、
    前記電池残量検出部で検出された前記電池残量、および前記温度検出部で検出された前記温度に応じた前記状態情報を前記状態情報表示部に表示させる表示制御部と、を備える電子時計の制御方法であって、
    前記温度検出部が、前記温度を検出するステップと、
    前記電池残量検出部が、前記電池残量を検出するステップと、
    前記表示制御部が、前記温度検出部で検出された前記温度、および前記電池残量検出部で検出された前記電池残量に応じた前記状態情報を前記状態情報表示部に表示させるステップと、を実施する
    ことを特徴とする電子時計の制御方法。
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